以下、図面を用いて、本発明の一実施形態について説明する。
<<通信システムの全体構成>>
まず、図1を用いて、複数の通信端末10,70間でビデオ会議を行なうための通信システム1について説明する。図1は、本実施形態の通信システムのうちビデオ会議の通信部分を示した概略図である。
なお、「ビデオ会議」ではなく「テレビ会議」と呼ばれる場合もある。また、ここでは、一例として、ビデオ会議について説明するが、単なる会話であってもよい。
通信システム1は、複数の通信端末10,70、中継装置30、及び通信管理50によって構築されている。通信端末10,70は、コンテンツデータの一例としての画像データ及び音データの送受信による通信を行なう。図1では、通信端末10の一例としてビデオ会議端末が示され、通信端末70の一例として電子黒板が示されている。なお、画像データの画像は、動画であっても静止画であってもよく、動画と静止画の両方であってもよい。
また、ビデオ会議の開始を要求する要求元としての通信端末は「要求元端末」と表され、要求先である宛先(中継先)としての通信端末は「宛先端末」と表されている。図1では、通信端末10が要求元端末として、通信端末70が宛先端末として表されている。但し、通信端末70からビデオ会議の開始を要求する場合は、通信端末70が要求元端末となり、通信端末10が宛先端末となる。なお、各通信端末10,70は、複数の事業所間での通信や、同じ事業所内の異なる部屋間での通信だけでなく、同じ部屋内での通信や、屋外と屋内又は屋外と屋外での通信で使われてもよい。
中継装置30は、複数の通信端末10,70間で、コンテンツデータを中継する処理を行なう。通信管理システム50は、通信端末10,70からのログイン認証、通信端末10、70の通信状況の管理、宛先リストの管理、及び中継装置30の通信状況等を一元的に管理する。なお、中継装置30、及び通信管理システム50は、単一のコンピュータによって構築されてもよいし、各部(機能又は手段)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されていてもよい。
また、通信システム1において、要求元端末と宛先端末との間では、通信管理システム50を介して、各種の管理情報を送受信するための管理情報用セッションseiが確立される。また、要求元端末と宛先端末との間では、中継装置30を介して、高解像度の画像データ、中解像度の画像データ、低解像度の画像データ、及び音データの4つの各データを送受信するための4つのセッションが確立される。図1では、これら4つのセッションをまとめて、画像・音データ用セッションsedとして示している。なお、画像・音データ用セッションsedは、必ずしも4つのセッションである必要はなく、4つのセッション数より少ない又は多いセッション数であってもよい。また、要求元端末と宛先端末との間で、中継装置30を介さずに、直接、通信セッションを確立してもよい。
ここで、本実施形態で扱われる画像データの画像の解像度について説明する。低解像度の画像データは、例えば、横が160画素、縦が120画素から成り、ベース画像となる。中解像度の画像データは、横が320画素、縦が240画素から成る。高解像度の画像データは、例えば、横が640画素、縦が480画素から成る。このうち、狭帯域経路を経由する場合には、ベース画像となる低解像度の画像データのみから成る低画質の画像データが中継される。帯域が比較的広い場合には、ベース画像となる低解像度の画像データ、及び中解像度の画像データから成る中画質の画像データが中継される。また、帯域が非常に広い場合には、ベース画質となる低解像度の画像データ、中画解像度の画像データ、及び高解像度の画像データから成る高画質の画像データが中継される。音データは、画像データに比べてデータ量が少ないため、狭帯域経路であっても中継される。
<<実施形態のハードウェア構成>>
次に、本実施形態のハードウェア構成を説明する。
<ビデオ会議端末のハードウェア構成>
図2は、本実施形態に係るビデオ会議端末のハードウェア構成図である。図2に示されているように、本実施形態の通信端末10の一例としてのビデオ会議端末は、CPU101、ROM102、RAM103、フラッシュメモリ104、SSD105、メディアI/F107、操作ボタン108、電源スイッチ109、バスライン110、ネットワークI/F111、カメラ112、撮像素子I/F、マイク114、スピーカ115、音入出力I/F116、ディスプレイI/F117、外部機器接続I/F118、近距離通信回路119、近距離通信回路119のアンテナ119aを備えている。これらのうち、CPU(Central Processing Unit)101は、通信端末10全体の動作を制御する。ROM(Read Only Memory)102は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU101の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM(Random Access Memory)103は、CPU101のワークエリアとして使用される。フラッシュメモリ104は、通信用プログラム、画像データ、及び音データ等の各種データを記憶する。SSD(Solid State Drive)105は、CPU101の制御にしたがってフラッシュメモリ104に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、SSDに代えてHDDを用いてもよい。メディアI/F107は、フラッシュメモリ等の記録メディア106に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。操作ボタン108は、通信端末10の宛先を選択する場合などに操作されるボタンである。電源スイッチ109は、通信端末10の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。
また、ネットワークI/F(Interface)111は、インターネット等の通信ネットワーク4を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。カメラ112は、CPU101の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F113は、カメラ112の駆動を制御する回路である。マイク114は、音声を入力する内蔵型の集音手段の一種である。音入出力I/F116は、CPU101の制御に従ってマイク114及びスピーカ115との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイI/F117は、CPU101の制御に従って外付けのディスプレイ120に画像データを送信する回路である。外部機器接続I/F118は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路119は、NFC(Near Field Communication)(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。
また、バスライン110は、図2に示されているCPU101等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
ディスプレイ120は、被写体の画像や操作用アイコン等を表示する液晶や有機ELによって構成された表示手段の一種である。また、ディスプレイ120は、ケーブル120cによってディスプレイI/F117に接続される。このケーブル120cは、アナログRGB(VGA)信号用のケーブルであってもよいし、コンポーネントビデオ用のケーブルであってもよいし、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)やDVI(Digital Video Interactive)信号用のケーブルであってもよい。
なお、カメラ112は、レンズや、光を電荷に変換して被写体の画像(映像)を電子化する固体撮像素子を含み、固体撮像素子として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)や、CCD(Charge Coupled Device)等が用いられる。外部機器接続I/F118には、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等によって、外付けカメラ、外付けマイク、及び外付けスピーカ等の外部機器がそれぞれ接続可能である。外付けカメラが接続された場合には、CPU101の制御に従って、内蔵型のカメラ112に優先して、外付けカメラが駆動する。同じく、外付けマイクが接続された場合や、外付けスピーカが接続された場合には、CPU101の制御に従って、それぞれが内蔵型のマイク114や内蔵型のスピーカ115に優先して、外付けマイクや外付けスピーカが駆動する。
また、記録メディア106は、通信端末10に対して着脱自在な構成となっている。また、CPU101の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ104に限らず、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を用いてもよい。
<通信管理システム及び中継装置のハードウェア構成>
図3は、本実施形態に係る通信管理システム50及び中継装置30のハードウェア構成図である。通信管理システム50の一例としてのサーバコンピュータは、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)505、記録メディア506、メディアI/F507、ディスプレイ508、ネットワークI/F509、キーボード511、マウス512、CD−ROMドライブ514、及び、バスライン510を備えている。
これらのうち、CPU501は、通信管理システム50全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、通信管理用プログラム等の各種データを記憶する。HDD(Hard Disk Drive)505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。メディアI/F507は、フラッシュメモリ等の記録メディア506に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。ディスプレイ508は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。ネットワークI/F509は、インターネット等の通信ネットワーク4を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。マウス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。CD−ROMドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
また、バスライン510は、図3に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
また、図1に示されている中継装置30のハードウェア構成は、通信管理システム50のハードウェア構成と同様であるため、その説明を省略する。但し、中継装置30の場合は、HD504に中継用プログラムが記憶されている。
<電子黒板のハードウェア構成図>
図4は、本実施形態に係る電子黒板のハードウェア構成図である。図4に示されているように、通信端末70の一例としての電子黒板は、CPU701、ROM702、RAM703、SSD704、ネットワークコントローラ705、及び、外部記憶コントローラ706を備えている。
これらのうち、CPU701は、電子黒板全体の動作を制御する。ROM702は、CPU701やIPL等のCPU701の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM703は、CPU701のワークエリアとして使用される。SSD704は、電子黒板用のプログラム等の各種データを記憶する。ネットワークコントローラ705は、通信ネットワーク4との通信を制御する。外部記憶コントローラ706は、USBメモリ755、外付け機器(カメラ762、スピーカ765、マイク764)との通信を制御する。
また、電子黒板は、キャプチャデバイス711、GPU712、ディスプレイコントローラ713、接触センサ714、センサコントローラ715、電子ペンコントローラ716、近距離通信回路719、及び近距離通信回路719のアンテナ719aを備えている。
これらのうち、キャプチャデバイス711は、ノートPC756のディスプレイに対して映像情報を静止画または動画として表示させる。GPU(Graphics Processing Unit)712は、グラフィクスを専門に扱う半導体チップである。ディスプレイコントローラ713は、GPU712からの出力画像をディスプレイ753等へ出力するために画面表示の制御及び管理を行う。接触センサ714は、ディスプレイ753上に電子ペン754やユーザの手H等が接触したことを検知する。センサコントローラ715は、接触センサ714の処理を制御する。接触センサ715は、赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。この座標の入力及び座標の検出する方法は、ディスプレイ753の上側両端部に設置された2つ受発光装置が、ディスプレイ753に平行して複数の赤外線を放射し、ディスプレイ753の周囲に設けられた反射部材によって反射されて、受光素子が放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する方法である。接触センサ714は、物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線のID(Identification)をセンサコントローラ715に出力し、センサコントローラ715が、物体の接触位置である座標位置を特定する。電子ペンコントローラ716は、電子ペン754と通信することで、ディスプレイ753へのペン先のタッチやペン尻のタッチの有無を判断する。近距離通信回路719は、NFC(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。
また、バスライン710は、図3に示されているCPU711等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
なお、接触センサ715は、赤外線遮断方式に限らず、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネル、対向する2つの抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネル、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネルなどの種々の検出手段を用いてもよい。また、電子ペンコントローラ716が、電子ペン754のペン先及びペン尻だけでなく、電子ペン754のユーザが握る部分や、その他の電子ペンの部分のタッチの有無を判断するようにしてもよい。
<スマートフォンのハードウェア構成>
図5は、本実施形態に係るスマートフォンのハードウェア構成図である。図5に示されているように、移動体端末90の一例としてのスマートフォンは、CPU901、ROM902、RAM903、EEPROM904、CMOSセンサ905、加速度・方位センサ906、メディアI/F908、GPS受信部909を備えている。
これらのうち、CPU901は、スマートフォン90全体の動作を制御する。ROM902は、CPU901やIPL等のCPU901の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM903は、CPU901のワークエリアとして使用される。EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)904は、CPU901の制御にしたがって、移動体端末用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ905は、CPU901の制御に従って被写体を撮像し画像データを得る。加速度・方位センサ906は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F908は、フラッシュメモリ等の記録メディア907に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部909は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
また、スマートフォンは、遠距離通信回路911、カメラ912、撮像素子I/F、マイク914、スピーカ915、音入出力I/F、ディスプレイ917、外部機器接続I/F918、近距離通信回路919、近距離通信回路のアンテナ919a、及びタッチパネル921を備えている。
これらのうち、遠距離通信回路911は、移動体通信網等の通信ネットワーク2を介して、他の機器と通信する回路である。カメラ912は、CPU901の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F913は、カメラ912の駆動を制御する回路である。マイク914は、音声を入力する内蔵型の集音手段の一種である。音入出力I/F916は、CPU901の制御に従ってマイク914及びスピーカ915との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ915は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機ELなどの表示手段の一種である。外部機器接続I/F918は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路919は、NFC(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。タッチパネル921は、利用者がディスプレイ917を押下することで、スマートフォンを操作する入力手段の一種である。
また、バスライン910は、図5に示されているCPU901等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
なお、移動体端末90は、スマートフォンだけでなく、スマートウォッチ、携帯電話機、又は携帯ゲーム機等であってもよい。
また、上記各プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。録媒体の例として、CD−R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク、SDカード等が挙げられる。
<<通信システムの全体構成>>
続いて、図6を用いて、通信システムの全体構成について説明する。図6は、本発明の実施形態に係る通信システムの全体構成図である。
図6において、通信端末10は拠点A、通信端末70は拠点Dに設置されている。例えば、拠点Aは日本で、拠点Dはイギリスである。拠点Aでは、通信端末70aの利用者Xが、移動体端末90の一種である移動体端末90aを利用している。一方、拠点Dでは、通信端末10,70dの利用者Yが、移動体端末90の一種である移動体端末90dを利用している。
また、移動体端末90aは、基地局3a、移動体通信網等の通信ネットワーク2、及び基地局3dを介して、移動体端末90dと通話及びデータ通信を行なうことができる。
通信端末70aと通信端末70dは、イントラネット等の通信ネットワーク3に接続されている。更に、通信端末10、中継装置30、通信管理システム50、通信端末70a、及び通信端末70dは、インターネットを含む通信ネットワーク4に接続されている。通信ネットワーク3,4には、無線通信部分が含まれてもよい。
なお、図6では、通信端末10,70dが第1の通信端末で、通信端末70aが第2の通信端末である。また、移動体端末90dが他の移動体端末である。
<通信端末のソフトウェア構成>
図7(a)は通信端末10の一例であるビデオ会議端末のソフトウェア構成図である。図7(a)に示されているように、OS(Operating System)1020、及び通信アプリケーションA2は、RAM103の作業領域1010上で動作する。なお、以降、アプリケーションは、「アプリ」と示す。
OS1020は、基本的な機能を提供し、ビデオ会議端末全体を管理する基本ソフトウェアである。通信アプリA2は、画像データ及び音データを送受信するためのアプリである。
また、図7(b)は通信端末70a一例である電子黒板のソフトウェア構成図である。図7(b)に示されているように、OS7020a、通信アプリA1、及び通信アプリA2は、通信端末70aのRAM703の作業領域7010a上で動作する。
OS7020は、基本的な機能を提供し、電子黒板全体を管理する基本ソフトウェアである。通信アプリA1は、ストロークデータ(座標データ)としての描画データを送受信するためのアプリであり、複数の拠点のうちの一拠点で利用者によって描画が行なわれると、描画データとして拠点に送信され、他拠点でも同じ描画が表示される。例えば、拠点Aの通信端末70aに利用者Xが電子ペン754で横線「−」と描くと、このストロークデータが通信端末70aから通信端末70dに送信され、通信端末70dでは横線「−」を示す描画が表示される。更に、拠点Dの通信端末70dに利用者Yが電子ペン754で「−」の上に縦線を描くと、このストロークデータが通信端末70dから通信端末70aに送信され、通信端末70aでは、「+」を示す描画が表示される。なお、通信端末70aの通信アプリA2は、通信端末10の通信アプリA2と同じである。
更に、図7(c)は通信端末70d一例である電子黒板のソフトウェア構成図である。図7(c)に示されているように、OS7020d、及び通信アプリA1は、通信端末70dのRAM703の作業領域7010a上で動作する。なお、通信端末70dの通信アプリA1は、通信端末70aの通信アプリA1と同じである。
また、説明の便宜上、2種類の通信アプリについて説明したが、3種類以上であってもよい。
また、OS1020,7020a,7020d、及び、通信アプリA1,A2は、工場出荷前から、それぞれビデオ会議端末又は電子黒板にインストールされている。
但し、工場出荷後にビデオ会議端末のソフトウェアが更新された際にアプリが追加や削除されてもよい。具体的には、ビデオ会議端末が利用者に提供された後でも、通信管理システム50へビデオ会議端末からアクセスすることで、ビデオ会議端末は新しいソフトウェアをダウンロードすることができる。さらに、ビデオ会議端末はダウンロードした新しいソフトウェアによって、自端末のソフトウェアをアップデートすることができる。このようにビデオ会議端末のソフトウェアがアップデートされた場合には、ビデオ会議端末のソフトウェア自体が更新されるため、インストールされているアプリも変更可能である。これに関しては、電子黒板も同じである。
<<実施形態の機能構成>>
次に、図2乃至図5、図8及び図9を用いて、本実施形態の機能構成について説明する。図8及び図9は、本実施形態に係る通信システムの各機能ブロック図である。
<通信端末10の機能構成>
図8に示されているように、通信端末10は、送受信部11、受付部12、通信制御部13、表示制御部14、判断部15、取得・提供部18、及び記憶・読出処理部19を有している。これら各部は、図2に示されている各構成要素のいずれかが、フラッシュメモリ104からRAM103上に展開された通信用プログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能する手段である。また、通信端末10は、図2に示されているRAM103、及び図2に示されているフラッシュメモリ104によって構築される記憶部1000を有している。
(通信端末10の各機能構成)
次に、通信端末10の各構成要素について説明する。送受信部11は、図2に示されているCPU101からの命令、並びにネットワークI/F111及び外部機器接続I/F118によって実現され、通信ネットワーク4を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。この送受信部11は、他の通信端末10,70と通信を開始する前から、通信管理システム50より、宛先候補としての各通信端末10,70の状態を示す各状態情報の受信を開始する。なお、この状態情報は、各通信端末10,70の稼動状態(ONラインかOFFラインかの状態)だけでなく、ONラインであっても更に通信可能であるか、通信中であるか、離席中であるか等の詳細な状態を示す。以下では、一例として、状態情報が稼動状態を示す場合について説明する。
更に、送受信部11は、開始部としての役割も果たし、通信端末70等の他の通信端末と通信を開始する処理を行なう。
受付部12は、主に、図2に示されているCPU101からの命令、並びに操作ボタン108及電源スイッチ109によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。
通信制御部13は、図4に示されているCPU101からの命令、並びにカメラ112及び撮像素子I/F113によって実現され、被写体を撮像して、この撮像して得た画像データを出力する。また、通信制御部13は、CPU101からの命令、及び図2に示されている音声入出力I/F116によって実現され、マイク114によって利用者の音声が音声信号に変換された後、この音声信号に係る音データを入力する。更に、通信制御部13は、図2に示されているCPU101からの命令、及び図2に示されている音声入出力I/F116によって実現され、音データに係る音声信号をスピーカに出力し、スピーカ115から音声を出力させる。
表示制御部14は、図2に示されているCPU101からの命令、及び図2に示されているディスプレイI/F117によって実現され、受信された解像度の異なる画像データを組み合わせ、この組み合わされた画像データをディスプレイ120に送信するための制御を行う。表示制御部14は、通信管理システム50から受信した宛先リストの情報をディスプレイ120に送信して、ディスプレイ120に宛先リストを表示させることができる。
なお、端末識別情報には、各通信端末の利用者を識別するための利用者ID、各通信端末にアクセスするためのIPアドレス、各通信端末を送信先とする電子メールアドレス、又は、各利用者の利用者名も含まれる。
記憶・読出処理部19は、図2に示されているCPU101からの命令及びSSD105によって実行され、記憶部1000又は記録媒体1100に各種データを記憶したり、記憶部1000又は記録媒体1100に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。例えば、通信端末10が実現可能な機能を示す機能情報が含まれている。
更に、記憶部1000には、他の通信端末との通信を行う際に受信される画像データ及び音データが、受信される度に上書き記憶される。このうち、上書きされる前の画像データによってディスプレイ120に画像が表示され、上書きされる前の音データによってスピーカ115から音声が出力される。記録媒体1100は、図2に示されている記録メディア106によって実現される。
なお、本実施形態の端末IDは、通信端末10を一意に識別するために使われる言語、文字、記号、又は各種のしるし等の識別情報の一例を示す。また、端末IDは、上記言語、文字、記号、及び各種のしるしのうち、少なくとも2つが組み合わされた識別情報であってもよい。また、端末IDに代えて、端末10の利用者を識別するための利用者IDを利用してもよい。この場合、端末識別情報には、端末IDだけでなく、利用者IDも含まれる。
<中継装置の機能構成>
図9に示されているように、中継装置30は、転送部を兼ねた送受信部31、判断部32、及び記憶・読出処理部39を有している。これら各部は、図3に示されている各構成要素のいずれかが、HD504からRAM503上に展開された中継用プログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。また、中継装置30は、図3に示されているRAM503、HD504によって構築される記憶部3000を有している。
(中継装置の各機能構成)
次に、中継装置30の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、中継装置30の各機能構成を説明するにあたって、図3に示されている各構成要素のうち、中継装置30の各機能構成を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
図9に示されている中継装置30の送受信部31は、図3に示されているCPU201からの命令、及び図3に示されているネットワークI/F509によって実現され、通信ネットワーク4を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。また、送受信部31は、転送部としての役割も果たし、通信端末10(70)から送信されて来た画像データ及び音データを、通信端末70(10)に転送する。
判断部32は、図3に示されているCPU201からの命令によって実現され、データの遅延状態の判断等を行なう。
記憶・読出処理部39は、図3に示されているCPU501からの命令、及び図3に示されているHDD505によって実現され、記憶部3000に各種データを記憶したり、記憶部3000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
<通信管理システムの機能構成>
図9に示されているように、通信管理システム50は、送受信部51、判断部52、及び記憶・読出処理部59を有している。これら各部は、図8に示されている各構成要素のいずれかが、HD504からRAM503上に展開された通信管理用プログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。また、通信管理システム50は、図3に示されているHD504により構築される記憶部5000を有している。
(認証管理テーブル)
図10は、認証管理テーブルを示す概念図である。記憶部5000には、図10に示されているような認証管理テーブルによって構成されている認証管理DB5001が構築されている。この認証管理テーブルでは、通信管理システム50によって管理される全ての通信端末10,70の各端末IDに対して、各パスワードが関連付けられて管理される。例えば、図10示されている認証管理テーブルにおいて、通信端末10の一種である通信端末10aaの端末IDは「01aa」で、パスワードは「aaaa」であることが示されている。
(端末管理テーブル)
図11は、端末管理テーブルを示す概念図である。記憶部5000には、図11に示されているような端末管理テーブルによって構成されている端末管理DB5002が構築されている。この端末管理テーブルでは、各通信端末10,70の端末ID毎に、各通信端末10,70を宛先とした場合の宛先名、各通信端末10,70の稼動状態、後述のログイン要求情報が通信管理システム50で受信された受信日時、及び通信端末10,70IPアドレスが関連付けられて管理される。例えば、図11に示されている端末管理テーブルにおいて、端末IDが「01aa」の端末10aaは、端末名が「日本 東京事業所 AA端末」で、稼動状態が「ONライン(通信可能)」で、通信管理システム50でログイン要求情報が受信された日時が「2015年4月10日の13時40分」で、この端末10aaのIPアドレスが「1.2.1.3」であることが示されている。なお、端末ID、宛先名、及び端末のIPアドレスは、各通信端末10,70が、通信管理システム50によるサービスの提供を受けるために事前登録する際に記憶される。
(宛先リスト管理テーブル)
図12は、宛先リスト管理テーブルを示す概念図である。記憶部5000には、図12に示されているような宛先リスト管理テーブルによって構成されている宛先リスト管理DB5003が構築されている。この宛先リスト管理テーブルでは、通信の開始を要求する要求元端末の端末IDに対して、宛先端末の候補として登録されている宛先端末の端末IDが全て関連付けられて管理される。例えば、図12に示されている宛先リスト管理テーブルにおいて、端末IDが「01aa」である要求元端末(端末10aa)から通信の開始を要求することができる宛先端末(端末10db)の候補は、端末IDが「01ab」の端末10ab、端末IDが「01ba」の端末10ba、及び端末IDが「01bb」の端末10bb等であることが示されている。この宛先端末の候補は、任意の要求元端末から管理システム50に対する追加又は削除の要請により、追加又は削除されることで更新される。
なお、宛先リストは、宛先情報の一例であり、宛先情報には、リスト形式になっておらず、端末ID等の宛先に関する情報が羅列されていてもよい。
(通信管理システムの各機能構成)
次に、通信管理システム50の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、通信管理システム50の各機能構成を説明するにあたって、図3に示されている各構成要素のうち、通信管理システム50の各機能構成を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
図9に示されている通信管理システム50の送受信部31は、図3に示されているCPU501からの命令、及び図8に示されているネットワークI/F509によって実現され、通信ネットワーク4を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
判断部52は、図3に示されているCPU501からの命令によって実現され、各種判断を行なう。
記憶・読出処理部59は、図3に示されているCPU501からの命令、及び図3に示されているHDD505によって実現され、記憶部5000に各種データを記憶したり、記憶部5000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
<通信端末70aの機能構成>
図8に示されているように、通信端末70aは、送受信部71a、受付部72a、通信制御部73a、表示制御部74a、判断部75a、選択部76a、取得・提供部78a、及び記憶・読出処理部79aを有している。これら各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、SSD704からRAM703上に展開された通信用プログラムに従ったCPU701からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能する手段である。また、通信端末70aは、図4に示されているRAM703、及び図4に示されているSSD704によって構築される記憶部7000を有している。
(通信端末70aの各機能構成)
次に、通信端末70aの各構成要素について説明する。送受信部71aは、図4に示されているCPU701からの命令、並びにネットワークI/F705及び外部機器接続I/F706によって実現され、通信ネットワーク4を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。この送受信部71aは、他の通信端末10,70dと通信を開始する前から、通信管理システム50より、宛先候補としての各通信端末10,70dの状態を示す各状態情報の受信を開始する。なお、この状態情報は、各通信端末10,70aの稼動状態(ONラインかOFFラインかの状態)だけでなく、ONラインであっても更に通信可能であるか、通信中であるか、離席中であるか等の詳細な状態を示す。また、この状態情報は、各通信端末10,70dの稼動状態だけでなく、通信端末10でケーブル120cが通信端末10から外れていたり、音を出力するが画像は出力させなかったり、音を出力さないようにする(MUTE)等、様々な状態を示す。以下では、一例として、状態情報が稼動状態を示す場合について説明する。
更に、送受信部71aは、開始部としての役割も果たし、通信端末10等の他の通信端末と通信を開始する処理を行なう。
受付部72aは、主に、図4に示されているCPU701からの命令、並びに接触センサ715及び電子ペンコントローラ716によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。
通信制御部73aは、通信アプリA1が起動することにより、利用者によって電子ペン554や手Hでディスプレイ753上に描画された描画データをストロークデータとしての描画データに変換する処理を行なう。通信端末70aが、他の通信端末70dに描画データを送信すると、他の電子黒板70dは、描画データに基づいて他の電子黒板70d側のディスプレイ753上に同じ内容の描画を表示する。
また、通信制御部73aは、通信アプリA2が起動することにより、図4に示されているCPU701からの命令によって実現され、カメラ762が被写体を撮像して得た画像データに対して画像処理を行なう。また、通信制御部73は、CPU701からの命令によって実現され、マイク764によって利用者の音声が音声信号に変換された後、この音声信号に係る音データに対して音声処理を行なう。更に、通信制御部73aは、図4に示されているCPU701からの命令によって実現され、音データに係る音声信号をスピーカ765に出力し、スピーカ765から音声を出力させる。
表示制御部74aは、図4に示されているCPU701からの命令、及び図4に示されているディスプレイコントローラ713によって実現され、受信された解像度の異なる画像データを組み合わせ、この組み合わされた画像データをディスプレイ753に送信するための制御を行う。表示制御部74aは、通信管理システム50から受信した宛先リストの情報をディスプレイ753に送信して、ディスプレイ753に宛先リストを表示させることができる。
判断部75aは、図4に示されているCPU701からの命令によって実現され、後述の近接したか否かの判断等を行う。
選択部76は、CPU701からの命令によって実現され、宛先端末の種類に応じて通信アプリを選択する。
取得・提供部78aは、図4に示されているCPU701からの命令、及び近距離通信回路719及びアンテナ719aによって実行され、移動体端末90との間で、近距離無線通信により、データの取得及び提供を行なう。
記憶・読出処理部79は、図4に示されているCPU701からの命令及びSSD704によって実行され、記憶部7000又は記録媒体7100に各種データを記憶したり、記憶部7000又は記録媒体7100に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。例えば、通信端末70dが実現可能な機能を示す機能情報が含まれている。更に、記憶部7000には、他の通信端末との通信を行う際に受信される画像データ及び音データが、受信される度に上書き記憶される。このうち、上書きされる前の画像データによってディスプレイ753に画像が表示され、上書きされる前の音データによってスピーカ765から音声が出力される。記録媒体7100は、図4に示されているUSBメモリ755によって実現される。
<通信端末70dの機能構成>
図8に示されているように、通信端末70d、送受信部71d、受付部72d、通信制御部73d、表示制御部74d、判断部75d、取得・提供部78d、及び記憶・読出処理部79dを有している。これら各部は、それぞれ、通信端末70aにおける、送受信部71a、受付部72a、通信制御部73a、表示制御部74a、判断部75a、取得・提供部78a、及び記憶・読出処理部79aと同様の機能を有しているため、その説明を省略する。但し、図7に示されているように、通信端末70aは、通信アプリA1、A2による2種類の通信機能が実現されるが、通信端末70dは、通信アプリA1による通信機能が実現されるに過ぎない。
<移動体端末の機能構成>
移動体端末90a,90dは基本的に同じ機能構成を有するため、移動体端末90aの機構構成を説明し、移動体端末90dの機能構成の説明を省略する。なお、移動体端末90aの機能構成を示す符号と、移動体端末90dの機能構成を示す符号において、「a」と「d」以外が同じ場合には、同じ機能を有する。
移動体端末90aは、送受信部91a、受付部92a、通信制御部93a、表示制御部94a、判断部95a、取得・提供部98a、及び記憶・読出処理部99aを有している。これら各部は、図5に示されている各構成要素のいずれかが、EEPROM904からRAM903上に展開された通信用プログラムに従ったCPU901からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能する手段である。また、通信端末90は、図5に示されているRAM903、及び図5に示されているEEPROM904によって構築される記憶部9000dを有している。
(移動体端末の各機能構成)
次に、移動体端末90aの各構成要素について説明する。送受信部91aは、図5に示されているCPU901からの命令、並びに遠距離通信回路911及びアンテナ911aによって実現され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(通話データ等)の送受信を行う。
受付部92aは、主に、図5に示されているCPU901からの命令、並びにタッチパネル921によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。
通信制御部93aは、図5に示されているCPU901からの命令、及び撮像素子I/F913によって実現され、カメラ912が被写体を撮像して得た画像データに対して画像処理を行なう。また、通信制御部93aは、CPU901からの命令、及び音入出力I/F916によって実現され、マイク914によって利用者の音声が音声信号に変換された後、この音声信号に係る音データに対して音声処理を行なう。更に、通信制御部93aは、図5に示されているCPU901からの命令、及び音入出力I/F916によって実現され、音データに係る音声信号をスピーカ915に出力し、スピーカ915から音声を出力させる。
表示制御部94aは、図5に示されているCPU901からの命令によって実現され、ディスプレイ917上に、画像データを表示させるための制御を行う。
判断部95aは、図5に示されているCPU901からの命令によって実現され、後述の応答内容の判断等を行う。
取得・提供部98aは、図5に示されているCPU901からの命令、及び近距離通信回路919及びアンテナ919aによって実行され、通信端末70a等との間で、近距離無線通信により、データの取得及び提供を行なう。
記憶・読出処理部99aは、図5に示されているCPU901からの命令及びEEPROM904によって実行され、記憶部9000aに各種データを記憶したり、記憶部9000aに記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。記憶部9000a又は記録媒体9100aに各種データを記憶したり、記憶部9000a又は記録媒体9100aに記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
(電話番号管理テーブル)
図13は、電話番号管理テーブルを示す概念図である。記憶部9000aには、図13に示されているような電話番号管理テーブルによって構成されている電話番号管理DB9001aが構築されている。この電話番号管理テーブルでは、相手側の移動体端末の電話番号に対して、相手側の利用者名としての宛先名が関連付けられて管理される。
なお、電話番号は、移動体端末識別情報の一例であり、移動体端末識別情報には、電話番号だけでなく、移動体端末を識別するための端末ID、または移動体端末の利用者を識別するための利用者IDが含まれる。
<<実施形態の処理または動作>>
次に、図6、図14至図27を用いて、本実施形態に係る通信システム1における処理または動作を説明する。まずは、本実施形態における状況を簡単に説明する。図6は、拠点Aの利用者X(Kato)が拠点Dの利用者Y(James)と描画データを利用してビデオ会議を行う状況を示している。この場合、拠点Aの通信端末70aは、図7(b)に示されているように、2種類の通信アプリA1,A2がインストールされているのに対して、拠点Dの通信端末70dは、図7(c)に示されているように、1種類の通信アプリA1のみがインストールされている。よって、通信端末70aと通信端末70bとの間では、通信アプリA1による描画データの通信しか行なうことができない。しかし、拠点Dでは、通信アプリA2がインストールされている通信端末10を利用することで、通信端末70aと通信端末10との間では、通信アプリA2による画像データ及び音データの通信を行なうことができる。これにより、拠点Aでは1台の通信端末70aによる通信の開始準備をすればよいのに対して、拠点Dでは2台の通信端末10,70dによる通信の開始準備をしなければならないが、拠点A,D間で、画像データ、音データ、及び描画データの相互通信が可能である。
また、図6では、上述の通信端末70aと通信端末10,70dとの間で通信を開始するにあたって、利用者Xが利用者Yに対して電話を掛け、移動体端末90dから通信ネットワーク2を介して移動体端末90aに通信端末10,70dの各端末識別情報を送ってもらう。そして、利用者Xは、各端末識別情報を受信した利用者端末90aを通信端末70aにかざすことで、通信端末70aは通信端末70dの端末識別情報を取得する。これにより、通信端末70aは、各端末識別情報を利用し、通信ネットワーク3を介して通信端末70dと描画データの相互通信を開始すると共に、通信ネットワーク4を介して通信端末10と画像データ及び音データの相互通信を開始する。以下、より具体的に説明する。
まず、図14乃至図16を用いて、移動体端末90dが通信端末70の一種である通信端末70dbから、通信端末70dを特定するための端末識別情報を取得する場合について説明する。なお、図14は、端末識別情報の提供処理を示したシーケンス図である。図15は、端末識別情報の取得・提供画面を示す図である。図16は、各情報の概念図である。
拠点Dの利用者Yは、電子ペン754又は手Hを使って通信端末70dを操作することで、通信端末70dの受付部72dは、端末識別情報の取得提供画面の表示を受け付ける(ステップS21)。そして、表示制御部74dは、ディスプレイ753に対して、図15に示されているような取得提供画面を表示させる(ステップS22)。図15に示されているように、取得提供画面には、移動体端末を近づける旨のコメント、通信端末70dが移動体端末90d等から端末識別情報を取得する際に選択される「端末識別情報の取得」ボタン、通信端末70dから移動体端末90d等に端末識別情報を提供する際に選択される「端末識別情報の提供」ボタン、及び取得も提供もしないで提供画面を閉じる場合に選択される「キャンセル」ボタンが表示されている。
次に、利用者Yが「端末識別情報の提供」ボタンを選択すると、受付部72dは、「端末識別情報の提供」ボタンの選択を受け付ける(ステップS23)。そして、判断部75dは、移動体端末90dの近接の有無を判断する(ステップS24)。以降、利用者Yが移動体端末90dを通信端末70dに近接した場合について説明する。
通信端末70dの記憶・読出処理部79dは、記憶部7000dから通信端末70dの端末識別情報及び機能情報を読み出す(ステップS25)。この端末識別情報及び機能情報は、図16(a)の概念図のように、端末識別情報がIPアドレス「1.3.2.3」を示し、機能情報が「描画通信」可能である旨を示している。なお、「1.3.2.3」の4組の数字は、一般的なIPv4におけるIPアドレスを簡易的に示しているまた、IPv4ではなく、IPv6を用いてもよいが、説明を簡略化するため、IPv4を用いて説明する。
次に、取得・提供部78dは、近距離無線通信により、移動体端末90dに記憶要求を示す記憶要求情報を送信する(ステップS26)。この記憶要求情報には、上記ステップS24によって読み出された端末識別情報(第1の端末識別情報の一例)、及び通信端末70dが実現可能な機能を示す機能情報(第1の機能情報の一例)が含まれている。これにより、移動体端末90dの取得・提供部98dは、記憶要求情報を受信する。そして、記憶・読出処理部99dは、上記ステップS26によって受信された端末識別情報を検索キーとして、記憶部9000dを検索する(ステップS28)。この検索の結果、通信端末70dの端末識別情報がまだ記憶されていない場合には、新たに記憶し、既に記憶されている場合には、上書きを行なう(ステップS29)。
また、上記ステップS21〜S29の処理は、移動体端末90dと通信端末10との間で同様の処理が行なわれ、通信端末10から移動体端末90dに、図16(b)に概念図として示されているような端末識別情報(第1の端末識別情報の一例)及び機能情報(第1の機能情報の一例)が送信される。ここでは、端末識別情報が通信端末10のIDである。そして、最終的には、移動体端末90dの記憶部9000dには、図16(c)に概念図として示されているような端末識別情報及び機能情報が記憶される。
続いて、図17及び図19を用いて、拠点D利用者Yが移動体端末90dから拠点Aの利用者Xの移動体端末90aに、端末識別情報及び機能情報を送信する場合について説明する。図17は、端末識別情報の送受信の処理を示したシーケンス図である。図18(a)、(b)は、移動体端末90dの画面例であり、図18(c)は、移動体端末90aの画面例を示した図である。図19は、各情報の概念図である。
まず、移動体端末90aの送受信部91a、及び移動体端末90dの送受信部91dは、通信ネットワーク2を介して、通信セッション(第1の通信セッション)を確立する(ステップS41)。この際、お互いに電話番号を取得することができる。
次に、移動体端末90dの表示制御部94dは、移動体端末90dのディスプレイ917上に、図18(a)に示されているように、図16(c)に示されている端末識別情報(第1の端末識別情報の一例)及び機能情報(第1の機能情報の一例)を送信する際に確認するための送信確認ボタン9010を表示する(ステップS42)。そして、利用者Yが、送信確認ボタン9010を押下すると、表示制御部94dは、ディスプレイ917上に、図18(b)に示されているように、通信端末70dの端末識別情報を送信するか否かの選択を促す選択画面を表示する(ステップS43)。以降、利用者Yが送信する選択をした場合について説明する。
利用者Yが、図18(b)に示されている選択画面において、YESボタンを押下すると、受付部92dは、送信の受け付けを行う(ステップS44)。そして、移動体端末90dの送受信部91dは、通信ネットワーク2を介して移動体端末90aの送受信部91aに、送信の確認を示す確認情報を送信する(ステップS45)。この確認情報は、移動体端末90dから移動体端末90aに対して、拠点D側の通信端末10,70dの端末識別情報を送信するが、移動体端末90dで受信することは可能であるかの確認を示す。
次に、移動体端末90aの表示制御部94aは、移動体端末90aのディスプレイ917上に、図18(c)に示されているように、通信端末の識別情報を受信するか否かの選択を促す選択画面を表示する(ステップ46)。以降、利用者Yが受信する選択をした場合について説明する。
利用者Xが、図18(c)に示されている選択画面において、YESボタンを押下すると、受付部92aは、受信する旨の応答の受け付けを行う(ステップS47)。そして、移動体端末90aの送受信部91aは、通信ネットワーク2を介して移動体端末90dの送受信部91dに、受信する旨の応答を示す応答情報を送信する(ステップS48)。この応答情報は、移動体端末90aから移動体端末90dに対して、通信端末10,70dの端末識別情報を送信してもらえれば、移動体端末90aで受信することは可能である旨を示す。
次に、移動体端末90dの判断部75dは、応答内容の判断を行う(ステップS49)。この判断は、通信端末70dbの端末識別情報及び機能情報を送信するかしないかの判断である。
次に、送受信部91dは、上記ステップS25で取得・提供部78が取得した端末識別情報及び機能情報を、通信ネットワーク2を介して、移動体端末90aに送信する(ステップS50)。これにより、移動体端末90aの送受信部11は、図16(c)に示されているような端末識別情報及び機能情報を受信する。
次に、移動体端末90aの記憶・読出処理部99aは、図19(a)に示されている概念図のように、上記ステップS41で取得した移動体端末90dの電話番号、並びに上記ステップS50によって受信された端末識別情報及び機能情報を記憶部9000aに記憶する(ステップS51)。
続いて、図19及び図20を用いて、拠点Aで、移動体端末90aが通信端末70aから、通信端末70aの端末識別情報及び機能情報を取得する処理について説明する。なお、図20における通信端末70aの処理は、図14における通信端末70dの処理と同様である。即ち、ステップS61〜67は、ステップS21〜S27と同様であるため、これらの説明を省略する。なお、ここでは、ステップ66によって送信される端末識別情報が第2の端末識別情報の一例で、機能情報が第2の機能情報の一例であり、図19(b)に概念図が示されている。
次に、移動体端末90aの記憶・読出処理部99aは、ステップS26によって受信された端末識別情報以外の端末識別情報(ここでは、第1の端末識別情報)が記憶部9000aに記憶されているかを検索する(ステップS68)。この検索の結果、第1の端末識別情報が記憶されている場合には、記憶・読出処理部99aは、図19(a)に示されているような電話番号(ここでは、拠点Dの移動体端末90dの電話番号)、第1の端末識別情報、及び第1の機能情報を読み出す(ステップS69)。そして、作成部95aは、上記ステップS66で受信された第2の端末識別情報及び第2の機能情報、並びに、上記ステップS69で読み出された電話番号、第1の端末識別情報、及び第1の機能情報に基づいて、図19(c)に示されているような相互通信機能情報等を作成する(ステップS70)。
具体的には、作成部95aは、相手側の移動体端末の電話番号、要求元端末の端末識別情報、宛先端末の端末識別情報、及び相互通信機能情報を関連づけた情報を作成する。このうち、相手側の移動体端末の電話番号は、図19(a)に示されている移動体端末の電話番号であり、ここでは、拠点Dの移動体端末90dの電話番号を示す。要求元端末の端末識別情報は、図19(b)に示されている端末識別情報であり、ここでは、拠点Aの移動体端末90aの端末識別情報を示す。宛先端末の端末識別情報は、図19(a)に端末識別情報であり、ここでは、拠点Dの移動体端末90dの端末識別情報を示す。また、相互通信機能情報は、図19(a)に示されている機能情報(第1の機能情報の一例)と、図19(b)に示されている機能情報(第2の機能情報の一例)によって作成された情報である。例えば、要求元端末が通信端末70a(端末識別情報「01aa」)で、宛先端末が通信端末70d(端末識別情報「01da」)の場合には、相互通信可能な機能が「描画通信」である旨が示されている。また、要求元端末が通信端末70a(端末識別情報「01aa」)で、宛先端末が通信端末10(端末識別情報「01db」)の場合には、相互通信可能な機能が「画像通信」及び「音通信」である旨が示されている。
次に、記憶・読出処理部79aは、ステップS70で作成された情報を記憶する(ステップS71)。
続いて、図21を用いて、拠点Aで、利用者Xが移動体端末90aを通信端末70aに近接して、通信端末70aに相互通信機能情報等を提供するための処理について説明する。
まず、拠点A利用者Xが電子ペン754等を使って通信端末70aを操作することで、通信端末70aの通信アプリA1,A2が起動する(ステップS81)。次に、利用者Xが電子ペン754等を使って通信端末70aを操作することで、通信端末70aの受付部72aは、端末識別情報の取得提供画面の表示を受け付ける(ステップS82)。そして、表示制御部74aは、ディスプレイ753に対して、図15に示されているような取得提供画面を表示させる(ステップS83)。
次に、利用者Yが「端末識別情報の取得」ボタンを選択すると、受付部72aは、「端末識別情報の取得」ボタンの選択を受け付ける(ステップS84)。そして、判断部75aは、移動体端末90aの近接の有無を判断する(ステップS85)。以降、利用者Xが移動体端末90aを通信端末70aに近接した場合について説明する。
取得・提供部78aは、近距離無線通信により、移動体端末90aに取得要求を示す取得要求情報を送信する(ステップS86)。この取得要求情報は、移動体端末の電話番号、要求元端末の端末識別情報、宛先端末の端末識別情報、及び相互通信機能情報を取得するための要求を示す。これにより、移動体端末90aの取得・提供部98aは、取得要求情報を受信する。
次に、移動体端末90aでは、記憶・読出処理部99dが記憶部9000aから、図13に示されているような電話番号管理テーブルから、電話番号と宛先名を読み出す(ステップS87)。そして、表示制御部93dは、図22に示されている相手側の移動体端末を選択するための選択画面9050を表示させる(ステップS88)。
次に、利用者Xが、図22に示されている選択画面の電話番号のうち、所望の電話番号を選択すると、受付部92aは、電話番号の選択を受け付ける(ステップS89)。ここでは、図22において、利用者Xが「James」の電話番号「090・・・」を選択した場合について、以下に説明を続ける。
次に、記憶・読出処理部79aは、ステップS89によって受け付けられた電話番号を検索キーとして、記憶部9000aを検索することにより、図19に示されている相互通信機能情報等の情報から、選択された電話番号に対応している情報を読み出す(ステップS90)そして、送受信部91aは、通信端末70aに対して、ステップS90によって読み出された情報(電話番号、各端末識別情報、相互通信機能情報)を送信する(ステップS91)。ここでは、図19(c)において、相手側の移動体端末の電話番号が「090・・・」である2つの情報が送信される。これにより、通信端末70aの送受信部71aは、情報(電話番号、各端末識別情報、相互通信機能情報)を受信する。
次に、通信端末70aでは、記憶・読出処理部99aが、記憶部7000aに対して、ステップS91で受信された情報を記憶する(ステップS92)。また、特定部76aは、ステップS91の処理で記憶部7000aに記憶される情報に基づいて、自端末(通信端末70a)と通信可能な通信アプリと宛先端末との組み合わせを選択する(ステップS93)。具体的には、図19(c)において、宛先端末の端末識別情報がIPアドレス「1.3.2.3」の場合には、描画通信のみが可能であるため、通信アプリA及びIPアドレス「1.3.2.3」の組み合わせを選択し、通信アプリA1に対して、通信ネットワーク3を介してIPアドレス「1.3.2.3」の宛先端末(通信端末70d)に対して通信を開始させる指示を出す。また、宛先端末の端末識別情報が端末ID「01db」の場合には、画像通信及び音通信のみが可能であるため、通信アプリA2及び端末ID「01db」の組み合わせを選択し、通信アプリA2に対して、通信ネットワーク4を介して端末ID「01db」の宛先端末(通信端末10)に対して通信を開始させる指示を出す。
続いて、図23及び図24を用いて、要求元端末(通信端末70a)の通信アプリA1によって、宛先端末(通信端末70d)と通信セッションを確立するための処理を説明する。なお、図23は、電子黒板間の通信を示したシーケンス図である。図24は、接続情報の入力画面例である。
まず、拠点Aの利用者Xは、拠点Dの利用者Yに電話を掛けて、通信端末70dがサーバとして通信を管理する際に発行するパスコード等の認証情報を問い合わせる。これにより、受付部72dが、拠点Dの利用者Yにより、通信端末70dをサーバとして通信アプリA1の起動を受け付けることで、通信アプリA1がサーバ側の通信アプリとして起動する(ステップS101)。この場合、通信端末70aは端末として扱われ、通信端末70dはサーバとして扱われる。即ち、通信端末70a,dは、端末として動作するだけでなく、サーバとして動作することもできる。
次に、サーバとしての通信端末70dでは、送受信部71dは、認証情報を作成する(ステップS102)。認証情報は、パスコードの場合、例えば、「1234」等の文字の羅列である。そして、表示制御部74dは、通信端末70dのディスプレイ753上に、認証情報を表示させる(ステップS103)。これにより、拠点Dの利用者Yは、利用体端末90dを利用して、拠点Aの利用者Xに、認証情報を伝えることができる。
一方、拠点Aでは、通信アプリA1の指示により、表示制御部74aが通信端末70aのディスプレイ753上に、図24に示されているような入力画面を表示させる(ステップS104)。これにより、利用者Xが電子ペン754等により、利用者Yから聞いた認証情報を、パスコード入力欄に入力して、「送信」ボタンを押下すると、受付部72aは、認証情報の入力を受け付ける(ステップS105)。なお、「キャンセル」ボタンが押下された場合には、後述のステップS106の処理は行なわれない。
次に、通信端末70aから通信端末70dに対して、通信を開始する処理を行なう。具体的には、送受信部71aは、開始部として、通信ネットワーク3を介して、上記ステップS93によって選択された端末識別情報(IPアドレス)に対して、テレビ会議等の開始の要求を示す開始要求情報を送信する(ステップS106)。この開始要求情報には、自端末(通信端末70a)のIPアドレスと、上記ステップS105によって受け付けられた認証情報が含まれている。これにより、通信端末70dの送受信部71dは、開始要求情報を受信する。
次に、通信端末70dでは、判断部75dが、上記ステップS102によって作成された(第1の)認証情報と、上記ステップS106によって受信された(第2の)認証情報とを比較することで、認証を行なう(ステップS107)。そして、送受信部71dは、通信端末70aに対して、認証結果を示す認証結果情報を送信する(ステップS108)。これにより、通信端末70aの送受信部71aは、認証結果情報を受信する。
次に、認証結果が、開始要求が正当である旨を示す場合には、通信端末70aの送受信部71aと通信端末70dの送受信部71dとの間で、通信セッション(第2の通信セッション)を確立する(ステップS109)。なお、認証結果が、開始要求が正当でない旨を示す場合には、通信セッションは確立されない。
以上より、通信端末70aと通信端末70dの間で、通信セッションが確立した場合には、電子黒板としての通信端末70a側で利用者Xが電子ペン754を用いてディスプレイ753上に描画した画像は、座標データとして通信端末70d側に送信されて、電子黒板としての通信端末70d側のディスプレイ753上に表示される。逆に、電子黒板としての通信端末70d側で利用者Yが電子ペン754を用いてディスプレイ753上に描画した画像は、座標データとして通信端末70a側に送信されて、電子黒板としての通信端末70a側のディスプレイ753上に表示される。但し、通信端末70a,70d間では、お互いに通話(会話)をすることができない。
続いて、図25及び図27を用いて、要求元端末(通信端末70a)の通信アプリA2によって、宛先端末(通信端末10)と通信セッションを確立するための処理を説明する。なお、図25は、通信の準備処理を示したシーケンス図である。図26は、宛先リストを示した画面例である。図27は、通信システムを利用した画像・音の通信の準備を行なうための処理を示したシーケンス図である。
まず、通信アプリA2の指示によって、通信端末70aの送受信部71aは、通信ネットワーク4を介して通信管理システム50に、ログイン要求を示すログイン要求情報を送信する(ステップS121)。このログイン要求情報には、自端末である通信端末70aを識別するための端末ID、及びパスワードが含まれている。これら端末ID、及びパスワードは、記憶・読出処理部19を介して記憶部7000aから読み出されて、送受信部71aに送られたデータである。
次に、通信管理システム50の記憶・読出処理部59は、送受信部51を介して受信したログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードを検索キーとして、認証管理テーブル(図10参照)を検索し、同一の端末ID及び同一のパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う(ステップS122)。この記憶・読出処理部59によって、同一の端末ID及び同一のパスワードが管理されているため、正当な利用権限を有する起動アプリがインストールされた通信端末からのログイン要求であると判断された場合には、記憶・読出処理部59は、端末管理テーブル(図11参照)において、上記ステップS121で受信された端末IDのレコードの稼動状態のフィールド部分を「ONライン(通信可能)」に変更すると共に、受信日時のフィールド部分に上記ステップS121によってログイン要求情報が受信された受信日時を記憶する(ステップS123)。これにより、端末管理テーブルには、端末ID「01aa」に、稼動状態「オンライン(通信可能)」、受信日時「2015.4.10.13:40」及びIPアドレス「1.2.1.3」が関連付けて管理されることになる。なお、端末のIPアドレスは、事前に登録されているのではなく、上記ステップS121で通信端末70aから送信されるようにしてもよい。
そして、通信管理システム50の送受信部51は、記憶・読出処理部59によって得られた認証結果が示された認証結果情報を、通信ネットワーク4を介して、上記ログイン要求してきた要求元端末(通信端末70a)に送信する(ステップS124)。本実施形態では、記憶・読出処理部59によって正当な利用権限を有する通信端末であると判断された場合につき、以下続けて説明する。
要求元端末(通信端末70a)の送受信部71aが、正当な利用権限を有する通信端末であると判断された結果が示された認証結果情報を受信すると、送受信部71aが通信ネットワーク4を介して通信管理システム50へ、宛先リストを要求する旨が示された宛先リスト要求情報を送信する(ステップS125)。これにより、通信管理システム50の送受信部51は、宛先リスト要求情報を受信する。
次に、記憶・読出処理部59は、ログイン要求した要求元端末(通信端末70a)の端末ID「01aa」を検索キーとして、宛先リスト管理テーブル(図12参照)を検索し、要求元端末(通信端末70a)と通信することができる宛先候補の端末IDを読み出すと共に、この端末IDに対応する宛先名を端末管理テーブル(図11参照)から読み出す(ステップS126)。ここでは、要求元端末(通信端末70a)の端末ID「01aa」に対応する宛先候補のそれぞれの端末IDと、これらに対応する宛先名が抽出される。
次に、通信管理システム50の送受信部51は、記憶・読出処理部59を介して記憶部5000から宛先リスト枠のデータ及び稼動状態を示すアイコンのデータを読み出す(ステップS127)と共に、この宛先リスト枠及びアイコン並びに上記記憶・読出処理部59によって読み出された端末ID及び宛先名を含めた「宛先リスト情報(宛先リスト枠、アイコン、端末ID、宛先名)」を、要求元端末(通信端末70a)に送信する(ステップS128)。これにより、要求元端末(通信端末70a)では、送受信部71aが宛先リスト情報を受信し、記憶・読出処理部79aが記憶部7000aへ宛先リスト情報を記憶する(ステップS129)。
このように、本実施形態では、各通信端末で宛先リスト情報を管理するのではなく、通信管理システム50が全ての通信端末の宛先リスト情報を一元管理している。よって、通信システム1に新たな通信端末が含まれるようになったり、既に含まれている通信端末に替えて新機種の通信端末を含めるようになったり、宛先リスト枠の見栄え等を変更することになった場合でも、通信管理システム50側で一括して対応するため、各通信端末側で宛先リスト情報の変更を行う手間を省くことができる。
また、通信管理システム50の記憶・読出処理部59は、上述の読み出した宛先候補の端末IDを検索キーとして、端末管理テーブル(図11参照)を検索し、上記端末ID毎に、対応する稼動状態を読み出すことで、宛先候補としての通信端末の各稼動状態を取得する(ステップS130)。
次に、送受信部51は、上記ステップS126で使用された検索キーとしての各端末IDと、対応する各宛先端末の稼動状態とが含まれた「端末の状態情報」を、通信ネットワーク4を介して要求元端末(通信端末70a)に送信する(ステップS131)。
次に、要求元端末(通信端末70a)の記憶・読出処理部79aは、順次、通信管理システム50から受信した端末の状態情報を記憶部7000aに記憶する(ステップS132)。よって、要求元端末(通信端末70a)は、上記各通信端末の状態情報を受信することで、要求元端末(通信端末70a)と通信することができる宛先候補である通信端末10等の現時点のそれぞれの稼動状態を取得することができる。
次に、要求元端末(通信端末70a)の表示制御部74aは、記憶部7000aに記憶されている宛先リスト情報、及び端末の状態情報に基づいて、宛先候補としての通信端末の状態を反映させた宛先リストを作成すると共に、表示制御部74aが、図2に示されているディスプレイ120に対して、図26に示されている宛先リストを表示する(ステップS133)。なお、稼動状態を示すアイコンは、各宛先の左端に示されている。図26では、各通信端末の稼動状態を示したアイコンが、上から「オンライン(通信可能)」、「オフライン」、「オンライン(通信可能)」、及び「オンライン(通信中)」であることを示している。
一方、通信管理システム50の記憶・読出処理部59は、ログイン要求してきた要求元端末(通信端末70)の端末ID「01aa」に基づいて宛先リスト管理テーブル(図12参照)を検索することにより、上記要求元端末(通信端末70a)の端末ID「01aa」を宛先候補として登録している他の要求元端末の端末IDを抽出する(ステップS134)。図12に示されている宛先リスト管理テーブルでは、読み出される他の開始要求元端末の端末IDは、「01ab」、「01ac」等である。
次に、通信管理システム50の記憶・読出処理部59は、上記ログイン要求して来た要求元端末(通信端末70a)の端末ID「01aa」に基づいて端末管理テーブル(図11参照)を検索し、ログイン要求してきた要求元端末(通信端末70a)の稼動状態を取得する(ステップS135)。
そして、送受信部51は、上記ステップS134で抽出された端末IDに係る通信端末のうち、端末管理テーブル(図11参照)で稼動状態が「オンライン」となっている通信端末に、上記ステップS135で取得された要求元端末(通信端末70a)の端末ID「01aa」と稼動状態「オンライン」が含まれる「端末の状態情報」を送信する(ステップS136)。なお、送受信部51が通信端末に端末の状態情報を送信する際に、各端末IDに基づいて、端末管理テーブル(図11参照)で管理されている通信端末のIPアドレスを参照する。これにより、ログイン要求した要求元端末(通信端末70a)を宛先候補として通信することができる他の宛先端末のそれぞれに、上記ログイン要求した要求元端末(通信端末70a)の端末ID「01aa」、及び稼動状態「オンライン」を伝えることができる。これにより、宛先候補(通信端末10等)においても、図26に示されているような宛先候補の状態を表示させることができる(ステップS137)。
次に、図27に示されているように、要求元端末(通信端末70a)から通信管理システム50に対して、通信を開始する処理を行う。具体的には、送受信部11は、開始部として、通信ネットワーク4介して通信管理システム50に、通話等の開始要求を示す開始要求情報を送信する(ステップS141)。この開始要求情報には、要求元端末(通信端末70a)の端末ID「01aa」と宛先端末(通信端末10)の端末ID「01da」が含まれている。これにより、通信管理システム50の送受信部51は、通信の開始要求情報を受信する。
次に、通信管理システム50の記憶・読出処理部59は、開始要求情報に含まれる要求元端末(通信端末70a)の端末ID「01aa」及び宛先端末(通信端末10)の端末ID「01da」に基づき、端末管理テーブル(図11参照)において、上記端末ID「01aa」、及び端末ID「01da」がそれぞれ含まれるレコードの稼動状態のフィールド部分を、ともに「通話中」に変更する(ステップS142)。なお、この状態では、要求元端末(通信端末70a)、及び宛先端末(通信端末10)は、ビデオ会議を開始していないが、通信中状態となり、他の通信端末が要求元端末(通信端末70a)又は宛先端末(通信端末10)と通信を開始しようとすると、いわゆる通信中状態を示す旨の通知音又は表示が出力される。
次に、通信管理システム50の記憶・読出処理部59は、上記ステップS141の処理によって受信された要求元端末(通信端末70a)及び宛先端末(通信端末10)の各端末IDを検索キーとして、端末管理テーブル(図11参照)を検索することにより、対応する各IPアドレスを読み出す(ステップS143)。
そして、通信管理システム50の送受信部51は、上記ステップS143で読み出された宛先端末(通信端末10)のIPアドレスに対して、通信の開始要求情報を送信する(ステップS144)。この開始要求情報には、上記ステップS141の処理によって受信された各端末ID「01aa」,「01da」が含まれている。これにより、宛先端末(通信端末10)の送受信部11は、開始要求情報を受信する。
これに対して、宛先端末(通信端末10)の送受信部11は、通信管理システム50に対して、応答可否を示す応答可否情報を送信する(ステップS145)。これにより、通信管理システム50の送受信部51は、応答可否情報を受信する。応答可否情報は、通信可能、又は通信不可能である旨を示すが、ここでは、通信可能である旨を示す場合について、以下に説明する。
通信管理システム50の送受信部51は、中継装置30に対して、中継の開始要求を示す中継開始要求情報を送信する(ステップ126)。この中継開始要求情報には、上記ステップS143の処理によって読み出された各IPアドレスが含まれている。これにより、中継装置30の送受信部31は、中継開始要求情報を受信する。
更に、通信管理システム50の送受信部51は、要求元端末(通信端末70a)に対して、上記ステップS145の処理で受信された応答可否情報を送信する(ステップS147)。これにより、要求元端末(通信端末70a)の送受信部71aは、応答可否情報(ここでは、通信可能)を受信する。
以上により、要求元端末(通信端末70a)、中継装置30、及び宛先端末(通信端末10)の間で、画像・音通信セッション(第2の通信セッション)を確立する(ステップS148−1,2)これにより、通信端末70a,10は、2拠点でビデオ会議の通話を開始することができる。
<<本実施形態の主な効果>>
以上説明したように本発明によれば、移動体端末90aは、移動体端末90dから拠点D側の各通信端末10,70dの(第1の)端末識別情報(端末ID、IPアドレス等)及び各通信端末10,70dの実施可能な機能を示す(第1の)機能情報を取得して、移動体端末90aに送信する。一方、移動体端末90aは、拠点A側の通信端末70aから当該通信端末70aの(第2の)端末識別情報及び(第2の)機能情報を取得する。そして、移動体端末90aは拠点Aと拠点Dの通信端末間で相互通信が可能な通信機能を示す相互通信機能情報を作成し、拠点D側の通信端末10,70dの各端末識別情報と共に通信端末70aに提供する。これにより、通信端末70aは、相互通信機能情報及び各端末識別情報を利用して通信を開始することができるので、通信端末70aと通信端末10,70d間で通信を開始するまでの時間を短縮することができるという効果を奏する。
なお、拠点Dの通信端末70dが、画像通信、音通信、及び描画通信を行なうことができる場合には、通信端末10を利用しなくても済むため、移動体端末90aは、通信端末70aに対して、端末識別情報を提供せずに、相互通信機能情報を提供するだけで、通信端末70aは、通信端末70dとの通信を開始することができる。
また、例えば、拠点A側の通信端末70aが、画像通信、音通信、及び描画通信を行なうことができるにも拘わらず、拠点D側の通信端末70dが、描画通信しかできない場合であっても、通信端末70aは、拠点D側の通信端末70dと描画通信を行なうだけでなく、同時に拠点D側の通信端末10と画像通信及び音通信を行なうことができる。これにより、拠点Aと拠点Dでは、画像通信、音通信、及び描画通信の通信を行なうことができるという効果を奏する。
更に、電子黒板としての通信端末70aと、電子黒板としての通信端末70dの間の通信ネットワーク3は、イントラネット(オンプレミス型)で構築することで、IPアドレスを使用しても、セキュリティーを確保することができる。一方、電子黒板としての通信端末70aと、テレビ会議端末としての通信端末10間の通信ネットワーク4は、インターネットで構築するが、端末IDを使用し、通信管理システム50がIPアドレスを管理しているため、セキュリティーを確保することができる。
更に、従来、通信端末70aが通信端末10と通信する場合、利用者Xが宛先リストから通信端末10の端末識別情報を選択している。しかし、宛先リストに多数の通信端末の端末識別情報が管理されている場合には、選択に時間が掛かるため、通信を開始するまでに時間が掛かってしまう。これに対して、本実施形態の通信端末70aは、通信端末10から端末識別情報を取得した移動体端末90dが通信ネットワーク2を介して送信した端末識別情報を受信した移動体端末90aから、この端末識別情報を取得し、この取得された端末識別情報で特定された通信端末10に対して、通信ネットワーク4を介して通信を開始する処理を行う(S121参照)。これにより、利用者Xは、宛先リストに多数の通信端末の端末識別情報が管理されている場合であっても、端末識別情報の選択をしなくても済むため、複数の通信端末間で通信を開始するまでの時間を短縮することができる。
<<実施形態の補足>>
上記実施形態では、近距離無線通信によって識別情報の提供及び取得の処理を行なったが、これに限るものではない。例えば、USBケーブル等を利用して有線通信により提供及び取得の処理を行なってもよい。
また、通信端末の一例として、ビデオ会議端末及び電子黒板であるオフィス機器について説明したが、これに限るものではない。通信端末の他の例として、IP(Internet Protocol)電話機、インターネット電話機、カーナビゲーション端末、監視カメラが含まれる。また、他のオフィス機器として、プリンタ、FAX、MFP(Multifunction Peripheral/Printer/Product)等が挙げられる。更に、通信端末には、医療機器が含まれる。医療機器には、電子内視鏡、放射線治療装置等が含まれる。
また、移動体端末の一例として、スマートフォンである携帯通信端末について説明したが、これに限るものではない。携帯通信端末の他の例として、携帯電話機、デジタルカメラ、携帯ゲーム機、ICカード、又はウェアラブルコンピュータ等が含まれる。ウェアラブルコンコンピュータには、スマートウォッチ、ヘッドマウントディスプレイ等が含まれる。
また、上記実施形態では、コンテンツデータの一例として、画像データ及び音データについて説明したが、これに限るものではなく、触覚(touch)データであってもよい。この場合、一方の端末側でユーザが接触した感覚が、他方の端末側に伝達される。更に、コンテンツデータは、嗅覚(smell)データであってもよい。この場合、一方の端末側で取得された匂い(臭い)のデータが、他の端末側に伝達され、他の端末に接続された又は他の端末が備える匂い(臭い)発生機器によって匂い(臭い)が発生される。また、コンテンツデータは、画像データ、音データ、触覚データ、及び嗅覚データのうち、少なくとも1つのデータであればよい。
また、上記実施形態では、通信システム1によってビデオ会議をする場合について説明したが、これに限るものではなく、打ち合わせ、家族間や友人間等の一般的な会話、又は、一方向での情報の提示に使用されても構わない。
また、上記実施形態では、記憶要求や読出要求について、NFC等の近距離無線通信の例を説明したが、超音波通信を用いてもよい。
<<実施形態の一側面>>
本実施形態は、以下に示すような一側面を開示している。
本実施形態は、他の移動体端末と通信する移動体端末が実行する通信方法であって、
前記移動体端末は、前記他の移動体端末から、第1の通信端末を識別するための第1の通信端末識別情報及び前記第1の通信端末が実現可能な機能を示す第1の機能情報を、通信ネットワークを介して受信する受信ステップと(S50参照)、
第2の通信端末から、当該第2の通信端末を識別するための第2の通信端末識別情報及び前記第2の通信端末が実現可能な機能を示す第2の機能情報を、近距離無線通信により取得する取得ステップと(S66参照)、
前記第1及び第2の機能情報に基づいて、前記第1の通信端末と前記第2の通信端末で相互通信が可能な通信機能を示す相互通信機能情報を作成する作成ステップと(S70参照)、
前記作成された前記相互通信機能情報を、近距離無線通信により前記第2の通信端末に提供する提供ステップと(S91参照)、
を実行することを特徴とする通信方法を開示している。