以下、図面を用いて、本発明の一実施形態について説明する。
<<通信システムの全体構成>>
まず、図1を用いて、複数の通信端末10,70間でビデオ会議を行なうための通信システム1について説明する。図1は、本実施形態の通信システムのうちビデオ会議の通信部分を示した概略図である。
なお、「ビデオ会議」ではなく「テレビ会議」と呼ばれる場合もある。また、ここでは、一例として、ビデオ会議について説明するが、単なる会話であってもよい。
通信システム1は、複数の通信端末10,70、中継装置30、及び通信管理システム50によって構築されている。通信端末10,70は、コンテンツデータの一例としての画像データ及び音データの送受信による通信を行なう。図1では、通信端末10の一例としてビデオ会議端末が示され、通信端末70の一例として電子黒板が示されている。なお、画像データの画像は、動画であっても静止画であってもよく、動画と静止画の両方であってもよい。
また、ビデオ会議の開始を要求する要求元としての通信端末は「開始端末」と表され、要求先である宛先(中継先)としての通信端末は「宛先端末」と表されている。図1では、通信端末70が開始端末として、通信端末10が宛先端末として表されている。但し、通信端末10からビデオ会議の開始を要求する場合は、通信端末10が開始端末となり、通信端末70が宛先端末となる。なお、各通信端末10,70は、複数の事業所間での通信や、同じ事業所内の異なる部屋間での通信だけでなく、同じ部屋内での通信や、屋外と屋内又は屋外と屋外での通信で使われてもよい。
中継装置30は、複数の通信端末10,70間で、コンテンツデータを中継する処理を行なう。通信管理システム50は、通信端末10,70からのログイン認証、通信端末10、70の通信状況の管理、宛先リストの管理、及び中継装置30の通信状況等を一元的に管理する。なお、中継装置30、及び通信管理システム50は、単一のコンピュータによって構築されてもよいし、各部(機能又は手段)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されていてもよい。
また、通信システム1において、開始端末と宛先端末との間では、通信管理システム50を介して、各種の管理情報を送受信するための管理情報用セッションseiが確立される。また、開始端末と宛先端末との間では、中継装置30を介して、高解像度の画像データ、中解像度の画像データ、低解像度の画像データ、及び音データの4つの各データを送受信するための4つのセッションが確立される。図1では、これら4つのセッションをまとめて、画像・音データ用セッションsedとして示している。なお、画像・音データ用セッションsedは、必ずしも4つのセッションである必要はなく、4つのセッション数より少ない又は多いセッション数であってもよい。また、開始端末と宛先端末との間で、中継装置30を介さずに、直接、通信セッションを確立してもよい。
ここで、本実施形態で扱われる画像データの画像の解像度について説明する。低解像度の画像データは、例えば、横が160画素、縦が120画素から成り、ベース画像となる。中解像度の画像データは、横が320画素、縦が240画素から成る。高解像度の画像データは、例えば、横が640画素、縦が480画素から成る。このうち、狭帯域経路を経由する場合には、ベース画像となる低解像度の画像データのみから成る低画質の画像データが中継される。帯域が比較的広い場合には、ベース画像となる低解像度の画像データ、及び中解像度の画像データから成る中画質の画像データが中継される。また、帯域が非常に広い場合には、ベース画質となる低解像度の画像データ、中画解像度の画像データ、及び高解像度の画像データから成る高画質の画像データが中継される。音データは、画像データに比べてデータ量が少ないため、狭帯域経路であっても中継される。
<<実施形態のハードウェア構成>>
次に、本実施形態のハードウェア構成を説明する。
<ビデオ会議端末のハードウェア構成>
図2は、本実施形態に係るビデオ会議端末のハードウェア構成図である。図2に示されているように、本実施形態の通信端末10の一例としてのビデオ会議端末は、CPU101、ROM102、RAM103、フラッシュメモリ104、SSD105、メディアI/F107、操作ボタン108、電源スイッチ109、バスライン110、ネットワークI/F111、カメラ112、撮像素子I/F、マイク114、スピーカ115、音入出力I/F116、ディスプレイI/F117、外部機器接続I/F118、近距離通信回路119、近距離通信回路119のアンテナ119aを備えている。これらのうち、CPU(Central Processing Unit)101は、通信端末10全体の動作を制御する。ROM(Read Only Memory)102は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU101の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM(Random Access Memory)103は、CPU101のワークエリアとして使用される。フラッシュメモリ104は、通信用プログラム、画像データ、及び音データ等の各種データを記憶する。SSD(Solid State Drive)105は、CPU101の制御にしたがってフラッシュメモリ104に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、SSDに代えてHDDを用いてもよい。メディアI/F107は、フラッシュメモリ等の記録メディア106に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。操作ボタン108は、通信端末10の宛先を選択する場合などに操作されるボタンである。電源スイッチ109は、通信端末10の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。
また、ネットワークI/F(Interface)111は、インターネット等の通信ネットワーク4を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。カメラ112は、CPU101の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F113は、カメラ112の駆動を制御する回路である。マイク114は、音声を入力する内蔵型の集音手段の一種である。音入出力I/F116は、CPU101の制御に従ってマイク114及びスピーカ115との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイI/F117は、CPU101の制御に従って外付けのディスプレイ120に画像データを送信する回路である。外部機器接続I/F118は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路119は、NFC(Near Field Communication)(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。
また、バスライン110は、図2に示されているCPU101等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
ディスプレイ120は、被写体の画像や操作用アイコン等を表示する液晶や有機ELによって構成された表示手段の一種である。また、ディスプレイ120は、ケーブル120cによってディスプレイI/F117に接続される。このケーブル120cは、アナログRGB(VGA)信号用のケーブルであってもよいし、コンポーネントビデオ用のケーブルであってもよいし、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)やDVI(Digital Video Interactive)信号用のケーブルであってもよい。
なお、カメラ112は、レンズや、光を電荷に変換して被写体の画像(映像)を電子化する固体撮像素子を含み、固体撮像素子として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)や、CCD(Charge Coupled Device)等が用いられる。外部機器接続I/F118には、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等によって、外付けカメラ、外付けマイク、及び外付けスピーカ等の外部機器がそれぞれ接続可能である。外付けカメラが接続された場合には、CPU101の制御に従って、内蔵型のカメラ112に優先して、外付けカメラが駆動する。同じく、外付けマイクが接続された場合や、外付けスピーカが接続された場合には、CPU101の制御に従って、それぞれが内蔵型のマイク114や内蔵型のスピーカ115に優先して、外付けマイクや外付けスピーカが駆動する。
また、記録メディア106は、通信端末10に対して着脱自在な構成となっている。また、CPU101の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ104に限らず、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を用いてもよい。
<通信管理システム及び中継装置のハードウェア構成>
図3は、本実施形態に係る通信管理システム50及び中継装置30のハードウェア構成図である。通信管理システム50の一例としてのサーバコンピュータは、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)505、記録メディア506、メディアI/F507、ディスプレイ508、ネットワークI/F509、キーボード511、マウス512、CD−ROMドライブ514、及び、バスライン510を備えている。
これらのうち、CPU501は、通信管理システム50全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、通信管理用プログラム等の各種データを記憶する。HDD(Hard Disk Drive)505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。メディアI/F507は、フラッシュメモリ等の記録メディア506に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。ディスプレイ508は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。ネットワークI/F509は、インターネット等の通信ネットワーク4を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。マウス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。CD−ROMドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
また、バスライン510は、図3に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
なお、図1に示されている中継装置30のハードウェア構成は、通信管理システム50のハードウェア構成と同様であるため、その説明を省略する。但し、中継装置30の場合は、HD504に中継用プログラムが記憶されている。
<電子黒板のハードウェア構成図>
図4は、本実施形態に係る電子黒板のハードウェア構成図である。図4に示されているように、通信端末70の一例としての電子黒板は、CPU701、ROM702、RAM703、SSD704、ネットワークコントローラ705、及び、外部記憶コントローラ706を備えている。
これらのうち、CPU701は、電子黒板全体の動作を制御する。ROM702は、CPU701やIPL等のCPU701の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM703は、CPU701のワークエリアとして使用される。SSD704は、電子黒板用のプログラム等の各種データを記憶する。ネットワークコントローラ705は、通信ネットワーク4との通信を制御する。外部記憶コントローラ706は、USBメモリ755、外付け機器(カメラ762、スピーカ765、マイク764)との通信を制御する。
また、電子黒板は、キャプチャデバイス711、GPU712、ディスプレイコントローラ713、接触センサ714、センサコントローラ715、電子ペンコントローラ716、近距離通信回路719、及び近距離通信回路719のアンテナ719aを備えている。
これらのうち、キャプチャデバイス711は、ノートPC756のディスプレイに対して映像情報を静止画または動画として表示させる。GPU(Graphics Processing Unit)712は、グラフィクスを専門に扱う半導体チップである。ディスプレイコントローラ713は、GPU712からの出力画像をディスプレイ753等へ出力するために画面表示の制御及び管理を行う。接触センサ714は、ディスプレイ753上に電子ペン754やユーザの手H等が接触したことを検知する。センサコントローラ715は、接触センサ714の処理を制御する。接触センサ715は、赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。この座標の入力及び座標の検出する方法は、ディスプレイ753の上側両端部に設置された2つ受発光装置が、ディスプレイ753に平行して複数の赤外線を放射し、ディスプレイ753の周囲に設けられた反射部材によって反射されて、受光素子が放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する方法である。接触センサ714は、物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線のID(Identification)をセンサコントローラ715に出力し、センサコントローラ715が、物体の接触位置である座標位置を特定する。電子ペンコントローラ716は、電子ペン754と通信することで、ディスプレイ753へのペン先のタッチやペン尻のタッチの有無を判断する。近距離通信回路719は、NFC(登録商標)、Bluetooth等の通信回路である。
また、バスライン710は、図3に示されているCPU711等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
なお、接触センサ715は、赤外線遮断方式に限らず、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネル、対向する2つの抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネル、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネルなどの種々の検出手段を用いてもよい。また、電子ペンコントローラ716が、電子ペン754のペン先及びペン尻だけでなく、電子ペン754のユーザが握る部分や、その他の電子ペンの部分のタッチの有無を判断するようにしてもよい。
<スマートフォンのハードウェア構成>
図5は、本実施形態に係るスマートフォンのハードウェア構成図である。図5に示されているように、移動体端末90の一例としてのスマートフォンは、CPU901、ROM902、RAM903、EEPROM904、CMOSセンサ905、加速度・方位センサ906、メディアI/F908、GPS受信部909を備えている。
これらのうち、CPU901は、スマートフォン全体の動作を制御する。ROM902は、CPU901やIPL等のCPU901の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM903は、CPU901のワークエリアとして使用される。EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)904は、CPU901の制御にしたがって、移動体端末用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ905は、CPU901の制御に従って被写体を撮像し画像データを得る。加速度・方位センサ906は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F908は、フラッシュメモリ等の記録メディア907に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部909は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
また、スマートフォンは、遠距離通信回路911、カメラ912、撮像素子I/F、マイク914、スピーカ915、音入出力I/F、ディスプレイ917、外部機器接続I/F918、近距離通信回路919、近距離通信回路のアンテナ919a、及びタッチパネル921を備えている。
これらのうち、遠距離通信回路911は、移動体通信網等の通信ネットワーク2を介して、他の機器と通信する回路である。カメラ912は、CPU901の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F913は、カメラ912の駆動を制御する回路である。マイク914は、音声を入力する内蔵型の集音手段の一種である。音入出力I/F916は、CPU901の制御に従ってマイク914及びスピーカ915との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ915は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機ELなどの表示手段の一種である。外部機器接続I/F918は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路919は、NFC(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。タッチパネル921は、利用者がディスプレイ917を押下することで、スマートフォンを操作する入力手段の一種である。
また、バスライン910は、図5に示されているCPU901等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
なお、移動体端末90は、スマートフォンだけでなく、スマートウォッチ、携帯電話機、又は携帯ゲーム機等であってもよい。
また、上記各プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。録媒体の例として、CD−R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク、SDカード等が挙げられる。
<<通信システムの全体構成>>
続いて、図6を用いて、通信システムの全体構成について説明する。図6は、本発明の実施形態に係る通信システムの全体構成図である。
図6において、拠点Aでは、通信端末70a、移動体端末90a、及び移動体端末90bが利用され、拠点Cでは、通信端末10が利用される。例えば、拠点Aは日本で、拠点Cはアメリカである。また、拠点Aでは、通信端末70aが、利用者X及び利用者Yの共有端末として利用され、基本的に拠点Aに設置されている。以降、通信端末70aは、「共有端末」としても表す。
移動体端末90aは、移動体端末90の一種であり、利用者Xに専用の端末である。また、移動体端末90bは、移動体端末90の一種であり、利用者Yに専用の端末である。一方、拠点Cでは、通信端末10が、利用者Z及びその他の利用者の共有端末として利用され、基本的に拠点Cに設置されている。以降、通信端末10は、「共有端末」としても表す。
また、移動体端末90a,90bは、基地局3、移動体通信網等の通信ネットワーク2、及びインターネットを含む通信ネットワーク4を介して、通信端末70aや通信端末10とコンテンツデータのストリーミング通信による相互通信を行なうことができる。このストリーミング通信による相互通信によって、一方の拠点と他方の拠点の間で、会議、又は、講義及び質問等を行なうことができる。
更に、通信端末70a、中継装置30、通信管理システム50、及び通信端末10は、通信ネットワーク4を介してコンテンツデータのストリーミング通信を行なうことができる。なお、通信ネットワーク2,4には、無線通信部分が含まれてもよい。
<<実施形態の機能構成>>
次に、図2乃至図5、図7及び図8を用いて、本実施形態の機能構成について説明する。図7及び図8は、本実施形態に係る通信システムの各機能ブロック図である。
<通信端末10の機能構成>
図7に示されているように、通信端末10は、送受信部11、受付部12、通信制御部13、表示制御部14、判断部15、近距離通信部18、読取部17、近距離通信部18、及び記憶・読出処理部19を有している。これら各部は、図2に示されている各構成要素のいずれかが、フラッシュメモリ104からRAM103上に展開された通信用プログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能する手段である。また、通信端末10は、図2に示されているRAM103、及び図2に示されているフラッシュメモリ104によって構築される記憶部1000を有している。
(通信端末10の各機能構成)
次に、通信端末10の各構成要素について説明する。送受信部11は、図2に示されているCPU101からの命令、並びにネットワークI/F111及び外部機器接続I/F118によって実現され、通信ネットワーク4を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。この送受信部11は、他の端末と通信を開始する前から、通信管理システム50より、宛先候補としての各端末の状態を示す各状態情報の受信を開始する。なお、この状態情報は、各端末の稼動状態(オンラインかオフライン(切断中)かの状態)だけでなく、オンラインであっても更に通信可能であるか、通信中であるか、一時中断中であるか等の詳細な状態を示す。以下では、一例として、状態情報が稼動状態を示す場合について説明する。
受付部12は、主に、図2に示されているCPU101からの命令、並びに操作ボタン108及電源スイッチ109によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。
通信制御部13は、図4に示されているCPU101からの命令、並びにカメラ112及び撮像素子I/F113によって実現され、被写体を撮像して、この撮像して得た画像データを出力する。また、通信制御部13は、CPU101からの命令、及び図2に示されている音声入出力I/F116によって実現され、マイク114によって利用者の音声が音声信号に変換された後、この音声信号に係る音データを入力する。更に、通信制御部13は、図2に示されているCPU101からの命令、及び図2に示されている音声入出力I/F116によって実現され、音データに係る音声信号をスピーカに出力し、スピーカ115から音声を出力させる。
表示制御部14は、主に、図2に示されているCPU101からの命令、及び図2に示されているディスプレイI/F117によって実現され、受信された解像度の異なる画像データを組み合わせ、この組み合わされた画像データをディスプレイ120に送信するための制御を行う。表示制御部14は、通信管理システム50から受信した宛先リストの情報をディスプレイ120に送信して、ディスプレイ120に宛先リストを表示させることができる。
判断部15は、主に、図2に示されているCPU101からの命令によって実現され、自端末が他の共有端末とストリーミング通信可能であるか又はストリーミング通信中であるかを判断する処理等を行なう。
変換部16は、主に、図2に示されているCPU101からの命令によって実現され、描画データを、例えば、PDF(Portable Document Format)ファイルのデータに変換する。
なお、描画データは、資料データの一例である。この資料データには、例えば、文書作成ソフトウェア、表計算ソフトウェア、若しくはプレゼンテーション用ソフトウェア等を用いて作成されたデータ、若しくはPDFファイル等のデータが含まれる。また、PDFファイル形式は、広く普及している所定のファイル形式の一例である。この所定のファイル形式には、例えば、プレーンテキスト(.txt)、RTF(Rich Text Format)、BMP(Bit MaP)、GIF(Graphic Interchange Format)、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、TIFF(Tagged Image File Format)、MPEG(Moving Picture Experts Group)、AVI(Audio Video Interleaving)、MP3(MPEG Audio Layer-3)、WMA(Windows Media Audio)、又はACC(Advanced Audio Coding)が含まれる。なお、資料データは、コンテンツデータのストリーミング通信のように複数の拠点間でリアルタイムに再生される訳ではなく、複数の拠点間で上記ファイル形式によってアップロード及びダウンロードされた後は一旦保存され、その後、必要に応じて再生されるに過ぎない。
読取部17は、主に、図2に示されているCPU101からの命令、並びにカメラ112、撮像素子I/F113によって実現され、QRコード(登録商標)等のバーコードを読み取ることで、バーコードで示されるデータを取得する。
近距離通信部18は、主に、図2に示されているCPU101からの命令、及び近距離通信回路119及びアンテナ119aによって実行され、近距離通信部を有する各端末との間で、近距離無線通信により、データの取得及び提供を行なう。
記憶・読出処理部19は、主に、図2に示されているCPU101からの命令及びSSD105によって実行され、記憶部1000又は記録媒体1010に各種データを記憶したり、記憶部1000又は記録媒体1010に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
更に、記憶部1000には、他の端末との通信を行う際に受信される画像データ及び音データが、受信される度に上書き記憶される。このうち、上書きされる前の画像データによってディスプレイ120に画像が表示され、上書きされる前の音データによってスピーカ115から音声が出力される。記録媒体1010は、図2に示されている記録メディア106によって実現される。
なお、本実施形態の端末IDは、通信端末10を一意に識別するために使われる言語、文字、記号、又は各種のしるし等の端末識別情報の一例を示す。また、端末IDは、上記言語、文字、記号、及び各種のしるしのうち、少なくとも2つが組み合わされた識別情報であってもよい。また、端末IDに代えて、端末10の利用者を識別するための利用者IDを利用してもよい。この場合、端末識別情報には、端末IDだけでなく、利用者IDも含まれる。また、利用者IDには、日本のマイナンバー制度における各マイナンバーも含まれる。
<中継装置の機能構成>
図8に示されているように、中継装置30は、転送部を兼ねた送受信部31、判断部32、及び記憶・読出処理部39を有している。これら各部は、図3に示されている各構成要素のいずれかが、HD504からRAM503上に展開された中継用プログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。また、中継装置30は、図3に示されているRAM503、HD504によって構築される記憶部3000を有している。
(中継装置の各機能構成)
次に、中継装置30の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、中継装置30の各機能構成を説明するにあたって、図3に示されている各構成要素のうち、中継装置30の各機能構成を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
図8に示されている中継装置30の送受信部31は、図3に示されているCPU201からの命令、及び図3に示されているネットワークI/F509によって実現され、通信ネットワーク4を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。また、送受信部31は、転送部としての役割も果たし、所定の端末ら送信されて来た画像データ及び音データを、他の端末に転送する。
判断部32は、図3に示されているCPU201からの命令によって実現され、データの遅延状態の判断等を行なう。
記憶・読出処理部39は、図3に示されているCPU501からの命令、及び図3に示されているHDD505によって実現され、記憶部3000に各種データを記憶したり、記憶部3000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
<通信管理システムの機能構成>
図8に示されているように、通信管理システム50は、送受信部51、判断部52、選択部53、作成部54、特定部55及び記憶・読出処理部59を有している。これら各部は、図7に示されている各構成要素のいずれかが、HD504からRAM503上に展開された通信管理用プログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。また、通信管理システム50は、図3に示されているHD504により構築される記憶部5000を有している。
(認証管理テーブル)
図9は、認証管理テーブルを示す概念図である。記憶部5000には、図9に示されているような認証管理テーブルによって構成されている認証管理DB5001が構築されている。この認証管理テーブルでは、通信管理システム50によって管理される全ての端末10,70,90の各端末IDに対して、各パスワードが関連付けられて管理される。例えば、図9示されている認証管理テーブルにおいて、通信端末70の一種である通信端末70aの端末IDは「01aa」で、パスワードは「aaaa」であることが示されている。なお、パスワードは認証情報の一例であり、認証情報にはアクセストークンも含まれる。
(端末管理テーブル)
図10は、端末管理テーブルを示す概念図である。記憶部5000には、図10に示されているような端末管理テーブルによって構成されている端末管理DB5002が構築されている。この端末管理テーブルでは、各通信端末10,70a,90a,90bの端末ID毎に、各通信端末10,70a,90a,90bを宛先とした場合の宛先名、各端末10,70,90a,90bの稼動状態、後述のログイン要求情報が通信管理システム50で受信された受信日時、及び通信端末10,70a,90a,90bのIPアドレスが関連付けられて管理される。例えば、図10に示されている端末管理テーブルにおいて、端末IDが「01aa」の端末70aは、端末名が「日本 東京事業所 AA端末」で、稼動状態が「オンライン(通信中)」で、通信管理システム50でログイン要求情報が受信された日時が「2015年4月10日の13時40分」で、この端末70aのIPアドレスが「1.2.1.3」であることが示されている。なお、端末ID、宛先名、及び端末のIPアドレスは、各端末10,70a,90a,90bが、通信管理システム50によるサービスの提供を受けるために事前登録する際に記憶される。
(宛先リスト管理テーブル)
図11は、宛先リスト管理テーブルを示す概念図である。記憶部5000には、図11に示されているような宛先リスト管理テーブルによって構成されている宛先リスト管理DB5003が構築されている。この宛先リスト管理テーブルでは、通信の開始を要求する開始端末の端末IDに対して、宛先端末の候補として登録されている宛先端末の端末IDが全て関連付けられて管理される。例えば、図11に示されている宛先リスト管理テーブルにおいて、端末IDが「01aa」である開始端末(端末70a)から通信の開始を要求することができる宛先端末の候補は、端末IDが「01ab」の端末90a、端末IDが「01ba」の端末10ba、端末IDが「01bb」の端末10bb、及び端末IDが「01ca」の通信端末10等であることが示されている。この宛先端末の候補は、任意の開始端末から通信管理システム50に対する追加又は削除の要請により、追加又は削除されることで更新される。
なお、宛先リストは、宛先情報の一例であり、宛先情報には、リスト形式になっておらず、端末ID等の宛先に関する情報が羅列されていてもよい。
(セッション管理テーブル)
図12は、セッション管理テーブルを示す概念図である。記憶部5000には、図12に示されているようなセッション管理テーブルによって構成されているセッション管理DB5004が構築されている。このセッション管理テーブルでは、各端末と中継装置30との間でストリーミング通信を行なうためのセッションを識別するための通信セッションID毎に、使用される中継装置30の中継装置ID、開始端末の端末ID、宛先端末の端末ID、宛先端末において画像データが受信される際の受信の遅延時間(ms)、及びこの遅延時間が示されている遅延情報を宛先端末から送られて来て通信管理システム50で受信された受信日時が関連付けられて管理される。例えば、図12に示されているセッション管理テーブルにおいて、セッションID「se01」を用いて実行されたセッションで、中継装置(中継装置ID「111a」)は、端末IDが「01aa」の開始端末(端末70a)と、端末IDが「01ca」の宛先端末(通信端末10)との間で、画像データ及び音データを中継しており、宛先端末(通信端末10)において「2015年4月10日の13時41分」時点における画像データの遅延時間が200(ms)であることが示されている。
(通信情報管理テーブル)
図13は、通信情報管理テーブルを示す概念図である。記憶部5000には、図13に示されているような通信情報管理テーブルによって構成されている通信情報管理DB5005が構築されている。この通信情報管理テーブルでは、各端末と中継装置30との間で行なわれるストリーミング通信を識別するための通信ID毎に、ストリーミング通信する共有端末の端末ID、及び、この共有端末を利用して会話等を行なっている利用者が所有している個人端末の端末IDが関連付けられて管理される。なお、通信IDは、通信識別情報の一例であり、複数の端末で会議を行なう場合には、この会議を識別するための会議IDを示す。例えば、図13に示されている通信情報管理テーブルにおいて、通信ID「co01」で示される会議等のストリーミング通信では、拠点Aの共有端末(通信端末70a)と拠点Cの共有端末(通信端末10)がストリーミング通信を行い、更に、拠点Aでは端末ID「01ab」の個人端末(移動体端末90a)の所有者である利用者X及び端末ID「01ac」の個人端末(移動体端末90b)の所有者である利用者Yが会議等に参加していることが示されている。
(通信管理システムの各機能構成)
次に、通信管理システム50の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、通信管理システム50の各機能構成を説明するにあたって、図3に示されている各構成要素のうち、通信管理システム50の各機能構成を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
図8に示されている通信管理システム50の送受信部31は、図3に示されているCPU501からの命令、及び図7に示されているネットワークI/F509によって実現され、通信ネットワーク4を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
判断部52は、図3に示されているCPU501からの命令によって実現され、送受信部51によって受信された端末IDが、通信情報管理テーブル(図13参照)において共有端末の端末IDとして管理されているか否かを判断する処理等を行なう。
選択部53は、図3に示されているCPU501からの命令によって実現され、各端末のIPアドレスに基づいて、ストリーミング通信に最適な中継装置を選択する。
作成部54は、図3に示されているCPU501からの命令によって実現され、端末からのストリーミング通信の開始要求に応じて、通信IDを作成する。
特定部55は、図3に示されているCPU501からの命令によって実現され、判断部52の判断結果に基づいて、描画データの提供先の端末を特定する。
記憶・読出処理部59は、図3に示されているCPU501からの命令、及び図3に示されているHDD505によって実現され、記憶部5000に各種データを記憶したり、記憶部5000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
<通信端末70aの機能構成>
図7に示されているように、通信端末70aは、送受信部71a、受付部72a、通信制御部73a、表示制御部74a、判断部75a、変換部76a、読取部77a、近距離通信部78a、及び記憶・読出処理部79aを有している。これら各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、SSD704からRAM703上に展開された通信用プログラムに従ったCPU701からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能する手段である。また、通信端末70aは、図4に示されているRAM703、及び図4に示されているSSD704によって構築される記憶部7000を有している。
(通信端末70aの各機能構成)
次に、通信端末70aの各構成要素について説明する。送受信部71aは、図4に示されているCPU701からの命令、並びにネットワークI/F705及び外部機器接続I/F706によって実現され、通信ネットワーク4を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。この送受信部71aは、他の端末10,70d,90aと通信を開始する前から、通信管理システム50より、宛先候補としての各端末10,70d,90の状態を示す各状態情報の受信を開始する。なお、この状態情報は、各通信端末10,70a,90aの稼動状態(オンラインかオフラインかの状態)だけでなく、オンラインであっても更に通信可能であるか、通信中であるか、離席中であるか等の詳細な状態を示す。また、この状態情報は、各通信端末10,70d,90aの稼動状態だけでなく、通信端末10でケーブル120cが通信端末10から外れていたり、音を出力するが画像は出力させなかったり、音を出力さないようにする(MUTE)等、様々な状態を示す。以下では、一例として、状態情報が稼動状態を示す場合について説明する。
更に、送受信部71aは、開始部としての役割も果たし、通信端末10等の他の通信端末と通信を開始する処理を行なう。
受付部72aは、主に、図4に示されているCPU701からの命令、並びに接触センサ715及び電子ペンコントローラ716によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。
通信制御部73aは、利用者によって電子ペン554や手Hでディスプレイ753上に描画された描画データをストロークデータとしての描画データに変換する処理を行なう。通信端末70aが、他の通信端末70dに描画データを送信すると、他の電子黒板70dは、描画データに基づいて他の電子黒板70d側のディスプレイ753上に同じ内容の描画を表示する。
また、通信制御部73aは、主に、図4に示されているCPU701からの命令によって実現され、カメラ762が被写体を撮像して得た画像データに対して画像処理を行なう。また、通信制御部73は、CPU701からの命令によって実現され、マイク764によって利用者の音声が音声信号に変換された後、この音声信号に係る音データに対して音声処理を行なう。更に、通信制御部73aは、図4に示されているCPU701からの命令によって実現され、音データに係る音声信号をスピーカ765に出力し、スピーカ765から音声を出力させる。
表示制御部74aは、主に、図4に示されているCPU701からの命令、及び図4に示されているディスプレイコントローラ713によって実現され、受信された解像度の異なる画像データを組み合わせ、この組み合わされた画像データをディスプレイ753に送信するための制御を行う。表示制御部74aは、通信管理システム50から受信した宛先リストの情報をディスプレイ753に送信して、ディスプレイ753に宛先リストを表示させることができる。
判断部75aは、主に、図4に示されているCPU701からの命令によって実現され、近距離通信部を有する他の端末が近接したか否かの判断等を行う。
変換部76aは、主に、図4に示されているCPU701からの命令によって実現され、描画データを、例えば、PDFファイルのデータに変換する。なお、ここでも、上記のように、描画データは、資料データの一例である。
読取部77aは、主に、図4に示されているCPU701からの命令、並びにカメラ762、外部機器接続I/F706によって実現され、QRコード等のバーコードを読み取ることで、バーコードで示されるデータを取得する。
近距離通信部78aは、主に、図4に示されているCPU701からの命令、及び近距離通信回路719及びアンテナ719aによって実行され、移動体端末90との間で、近距離無線通信により、データの取得及び提供を行なう。
記憶・読出処理部79は、主に、図4に示されているCPU701からの命令及びSSD704によって実行され、記憶部7000又は記録媒体7010aに各種データを記憶したり、記憶部7000又は記録媒体7010aに記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
更に、記憶部7000には、他の通信端末との通信を行う際に受信される画像データ及び音データが、受信される度に上書き記憶される。このうち、上書きされる前の画像データによってディスプレイ753に画像が表示され、上書きされる前の音データによってスピーカ765から音声が出力される。記録媒体7010aは、図4に示されているUSBメモリ755によって実現される。
<移動体端末90aの機能構成>
移動体端末90aは、送受信部91a、受付部92a、通信制御部93a、表示制御部94a、判断部95a、読取部97a、近距離通信部98a、及び記憶・読出処理部99aを有している。これら各部は、図5に示されている各構成要素のいずれかが、EEPROM904からRAM903上に展開された通信用プログラムに従ったCPU901からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能する手段である。また、通信端末90は、図5に示されているRAM903、及び図5に示されているEEPROM904によって構築される記憶部9000aを有している。
(移動体端末90aの各機能構成)
次に、移動体端末90aの各構成要素について説明する。送受信部91aは、主に、図5に示されているCPU901からの命令、並びに遠距離通信回路911及びアンテナ911aによって実現され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(通話データ等)の送受信を行う。
受付部92aは、主に、図5に示されているCPU901からの命令、並びにタッチパネル921によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。
通信制御部93aは、主に、図5に示されているCPU901からの命令、及び撮像素子I/F913によって実現され、カメラ912が被写体を撮像して得た画像データに対して画像処理を行なう。また、通信制御部93aは、CPU901からの命令、及び音入出力I/F916によって実現され、マイク914によって利用者の音声が音声信号に変換された後、この音声信号に係る音データに対して音声処理を行なう。更に、通信制御部93aは、図5に示されているCPU901からの命令、及び音入出力I/F916によって実現され、音データに係る音声信号をスピーカ915に出力し、スピーカ915から音声を出力させる。
表示制御部94aは、主に、図5に示されているCPU901からの命令によって実現され、ディスプレイ917上に、画像データを表示させるための制御を行う。
判断部95aは、主に、図5に示されているCPU901からの命令によって実現され、後述の応答内容の判断等を行う。
読取部97aは、主に、図5に示されているCPU901からの命令、並びにカメラ912、撮像素子I/F913によって実現され、QRコード等のバーコードを読み取ることで、バーコードで示されるデータを取得する。
近距離通信部98aは、主に、図5に示されているCPU901からの命令、及び近距離通信回路919及びアンテナ919aによって実行され、他の端末との間で、近距離無線通信により、データの取得及び提供を行なう。
記憶・読出処理部99aは、主に、図5に示されているCPU901からの命令及びEEPROM904によって実行され、記憶部9000aに各種データを記憶したり、記憶部9000aに記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
<通信端末90bの機能構成>
図7に示されているように、送受信部91b、受付部92b、通信制御部93b、表示制御部94b、判断部95b、読取部97b、近距離通信部98b、及び記憶・読出処理部99bを有している。これら各部は、それぞれ、移動体端末90aにおける、送受信部91a、受付部92a、通信制御部93a、表示制御部94a、判断部95a、読取部97a、近距離通信部98a、及び記憶・読出処理部99aと同様の機能を有しているため、その説明を省略する。
<<実施形態の処理又は動作>>
次に、図6、図14乃至図24を用いて、本実施形態に係る通信システム1における処理又は動作を説明する。
まず、図14及び図15を用いて、ログイン要求端末としての移動体端末90aが行なう通信の準備処理を説明する。なお、図14は、通信の準備処理を示したシーケンス図である。図15(a)は移動体端末90aにおけるログイン画面を示した画面例、図15(b)は移動体端末90aにおける宛先リストを示した画面例、図15(c)は通信端末10における宛先リストを示した画面例である。
移動体端末90aの表示制御部94aは、図15(a)に示されている初期画面9100aaを表示させる。この初期画面9100aaには、端末IDの入力欄9110aa、パスワードの入力欄9120aaが表示されている。なお、ボタン9900aaは、選択や処理の決定の際に利用者によって押下されるボタンである。ここで、利用者Xが、入力欄9110aaに自己の端末IDを入力すると共に、入力欄9120aaに自己のパスワードを入力すると、受付部92aが、端末ID及びパスワードの入力を受け付ける(ステップS21)。そして、送受信部91aは、自ら通信セッションを識別するためのセッションIDを作成する。
次に、送受信部91aは、通信ネットワーク2,4を介して通信管理システム50に、ログイン認証の要求を示すログイン要求情報を送信する(ステップS23)。このログイン要求情報には、ステップS21で入力された端末ID及びパスワードが含まれている。
次に、通信管理システム50の記憶・読出処理部59は、送受信部51を介して受信したログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードを検索キーとして、認証管理テーブル(図9参照)を検索し、同一の端末ID及び同一のパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う(ステップS24)。ここでは、記憶・読出処理部59によって、同一の端末ID及び同一のパスワードが管理されているものとして、続けて説明する。
記憶・読出処理部59によって、同一の端末ID及び同一のパスワードが管理されているものとして、正当な利用権限を有する端末からのログイン要求であると判断された場合には、記憶・読出処理部59は、端末管理テーブル(図10参照)において、上記ステップS23で受信された端末IDのレコードの稼動状態のフィールド部分を「オンライン(通信可能)」に変更すると共に、受信日時のフィールド部分に上記ステップS23によってログイン要求情報が受信された受信日時を記憶する(ステップS25)。これにより、端末管理テーブルには、端末ID「01cb」に、稼動状態「オンライン(通信可能)」、受信日時「2015.4.10.12:46」及びIPアドレス「1.3.1.4」が関連付けて管理されることになる。なお、端末のIPアドレスは、事前に登録されているのではなく、上記ステップS23で移動体端末90aから送信されるようにしてもよい。
次に、記憶・読出処理部59は、上記ステップS23によって受信された個人端末(移動体端末90a)の端末ID及びパスワードを含む新しいレコードを、セッション管理テーブル(図12参照)で追加して管理する(ステップS26)。そして、通信管理システム50の送受信部51は、上記ステップ24の処理によって得られた認証結果が示された認証結果情報を、通信ネットワーク4,2を介して、上記ログイン要求してきた移動体端末90aに送信する(ステップS27)。
ログイン要求端末(移動体端末90a)の送受信部91aが、正当な利用権限を有する端末であると判断された結果が示された認証結果情報を受信すると、送受信部91aが通信ネットワーク4,2を介して通信管理システム50へ、宛先リストを要求する旨が示された宛先リスト要求情報を送信する(ステップS28)。これにより、通信管理システム50の送受信部51は、宛先リスト要求情報を受信する。
次に、記憶・読出処理部59は、ログイン要求端末(移動体端末90a)の端末ID「01cb」を検索キーとして、宛先リスト管理テーブル(図11参照)を検索し、ログイン要求端末(移動体端末90a)と通信することができる宛先候補の端末IDを読み出すと共に、この端末IDに対応する宛先名を端末管理テーブル(図10参照)から読み出す(ステップS29)。ここでは、ログイン要求端末(移動体端末90a)の端末ID「01cb」に対応する宛先候補のそれぞれの端末IDと、これらに対応する宛先名が抽出される。
次に、通信管理システム50の送受信部51は、記憶・読出処理部59を介して記憶部5000から宛先リスト枠のデータ及び稼動状態を示すアイコンのデータを読み出す(ステップS30)と共に、この宛先リスト枠及びアイコン並びに上記記憶・読出処理部59によって読み出された端末ID及び宛先名を含めた「宛先リスト情報(宛先リスト枠、アイコン、端末ID、宛先名)」を、ログイン要求端末(移動体端末90a)に送信する(ステップS31)。これにより、ログイン要求端末(移動体端末90a)では、送受信部91aが宛先リスト情報を受信し、記憶・読出処理部99aが記憶部9000aへ宛先リスト情報を記憶する(ステップS32)。
このように、本実施形態では、各端末で宛先リスト情報を管理するのではなく、通信管理システム50が全ての端末の宛先リスト情報を一元管理している。よって、通信システム1に新たな通信端末が含まれるようになったり、既に含まれている端末に替えて新機種の端末を含めるようになったり、宛先リスト枠の見栄え等を変更することになった場合でも、通信管理システム50側で一括して対応するため、各端末側で宛先リスト情報の変更を行う手間を省くことができる。
また、通信管理システム50の記憶・読出処理部59は、上述の読み出した宛先候補の端末IDを検索キーとして、端末管理テーブル(図10参照)を検索し、上記端末ID毎に、対応する稼動状態を読み出すことで、宛先候補としての通信端末の各稼動状態を取得する(ステップS33)。
次に、送受信部51は、上記ステップS126で使用された検索キーとしての各端末IDと、対応する各宛先端末の稼動状態とが含まれた「端末の状態情報」を、通信ネットワーク4を介して開始端末(通信端末70a)に送信する(ステップS34)。
次に、開始端末(通信端末70a)の記憶・読出処理部79aは、順次、通信管理システム50から受信した端末の状態情報を記憶部7000aに記憶する(ステップS35)。よって、開始端末(通信端末70a)は、上記各通信端末の状態情報を受信することで、開始端末(通信端末70a)と通信することができる宛先候補である通信端末10等の現時点のそれぞれの稼動状態を取得することができる。
次に、ログイン要求端末(移動体端末90a)の表示制御部94aは、記憶部9000aに記憶されている宛先リスト情報、及び端末の状態情報に基づいて、宛先候補としての端末の状態を反映させた宛先リストを作成すると共に、表示制御部94aが、ディスプレイ917に対して、図15(b)に示されている宛先リスト画面9200aaを表示する(ステップS36)。この宛先リスト画面9200aaには、宛先情報9230aa等のように、宛先端末毎に稼動状態を示すアイコン、及び宛先名が表示されている。なお、稼動状態を示すアイコンは、各宛先の左端に示されている。図15(b)では、各端末の稼動状態を示したアイコンが、上から「オフライン」、「オンライン(通信可能)」として表示されている。
一方、通信管理システム50の記憶・読出処理部59は、ログイン要求端末(移動体端末90a)の端末ID「01cb」に基づいて宛先リスト管理テーブル(図11参照)を検索することにより、ログイン要求端末(移動体端末90a)の端末ID「01cb」を宛先候補として登録している他の端末の端末IDを抽出する(ステップS37)。図11に示されている宛先リスト管理テーブルでは、読み出される他の端末の端末IDは、「01aa」、「01ca」等である。
次に、通信管理システム50の記憶・読出処理部59は、ログイン要求端末(移動体端末90a)の端末ID「01cb」に基づいて端末管理テーブル(図10参照)を検索し、ログイン要求端末(移動体端末90a)の稼動状態を取得する(ステップS38)。
そして、送受信部51は、上記ステップS37で抽出された端末IDに係る端末のうち、端末管理テーブル(図10参照)で稼動状態が「オンライン」となっている端末に、上記ステップS38で取得されたログイン要求端末(移動体端末90a)の端末ID「01cb」と稼動状態「オンライン」が含まれる「端末の状態情報」を送信する(ステップS39)。なお、送受信部51が通信端末70aに端末の状態情報を送信する際に、各端末IDに基づいて、端末管理テーブル(図10参照)で管理されている通信端末のIPアドレスを参照する。これにより、ログイン要求端末(移動体端末90a)を宛先候補として通信することができる他の宛先端末のそれぞれに、上記ログイン要求端末(移動体端末90a)の端末ID「01cb」、及び稼動状態「オンライン」を伝えることができる。これにより、宛先候補(通信端末70a等)においても、図15(c)に示されているように、宛先リスト画面7100aaを表示させることができる(ステップS40)。この宛先リスト画面7100aaには、宛先端末毎に稼動状態を示すアイコン、及び宛先名が表示されている。なお、宛先リスト画面7100aaには、自端末(通信端末70a)を識別するための端末IDを示すQRコードを表示するためのQRコードボタン7110aが表示されている。利用者が、QRコードボタン7110aを押下すると、表示制御部74aがQRコードを表示させる。
続いて、図16及び図18を用いて、拠点Aで利用者Zが、共有端末(通信端末70a)を利用して、拠点Cで共有端末(通信端末10)を利用している利用者X,Yに対して、講演を行なう場合について説明する。図16及び図18は、個人端末(移動体端末90a)から拠点Cの共有端末(通信端末10)を介して、共有端末(通信端末10)に拠点Aの共有端末(通信端末70a)とのストリーミング通信を開始させる処理を示す。なお、共有端末(通信端末10)、個人端末(移動体端末90a)、及び共有端末(通信端末70a)の全ては、ステップS21〜S40の処理が終了した状態として、以降、説明を続ける。
まず、共有端末(通信端末10)は、Bluetooth等の近距離無線通信により、所定範囲内(例えば、半径20mの範囲内)に定期的に(例えば、10秒毎に)、セッション確立要求情報を配信している(ステップS101)。このセッション確立要求情報には、共有端末(通信端末10)を識別するための端末IDが含まれている。そして、個人端末(移動体端末90a)が、上記所定範囲内入ると、セッション確立要求情報を受信する。そして、個人端末(移動体端末90a)の送受信部91aは、共有端末(通信端末10)に対して応答情報を送信する(ステップS102)。この応答情報には、個人端末(移動体端末90a)の端末IDが含まれている。これにより、共有端末(通信端末10)は応答情報を受信する。そして、共有端末(通信端末10)と個人端末(移動体端末90a)との間で近距離無線通信による通信セッションが確立する。
次に、共有端末(通信端末10)の判断部15は、自端末が他端末と講義等のストリーミング通信を行なっているか否かを示すストリーミング通信状態を判断する(ステップS104)。ここでは、ストリーミング通信を行なっていない状態として説明を続ける。共有端末(通信端末10)の送受信部11は、個人端末(移動体端末90a)に対して、「通信可能」である旨を示す通信状態情報を送信する(ステップS105)。これにより、個人端末(移動体端末90a)の送受信部91aは、通信状態情報を受信する。
次に、個人端末(移動体端末90a)では、表示制御部94aが、図17(a)に示されているように、宛先リスト画面9300aを表示する(ステップS106)。この宛先リスト画面9300aには、「共有端末を利用してストリーミング通信する宛先を選択して下さい。」等の宛先の選択を促す旨の情報を示すメッセージ9310aが表示されると共に、個人端末(移動体端末90a)の宛先候補が表示される。そして、利用者Xが「日本 東京事業所 AA端末」を宛先端末として選択すると、受付部92aは、図17(b)に示されている宛先リストにおいて、利用者からストリーミング通信の宛先(ここでは、「日本 東京事業所 AA端末」)の選択を受け付ける(ステップS107)。これにより、送受信部91aは、近距離無線通信により、共有端末(通信端末10)に対して、開始指示情報を送信する(ステップS108)。この開始指示情報は、共有端末(通信端末10)に対して共有端末(通信端末10)と前記他の共有端末〔宛先端末(通信端末70a)〕とのストリーミング通信を開始する要求を行なわせる指示を示している。この場合、移動体端末90aは開始指示端末としての役割を果たし、通信端末10は開始端末としての役割を果たす。即ち、開始指示端末(移動体端末90a)は、自端末(移動体端末90a)の宛先候補に対して、開始端末(通信端末10)にストリーミング通信を開始させるのであって、開始指示端末(移動体端末90a)は、開始端末(通信端末10)の宛先候補にストリーミング通信を開始させるのではない。また、開始指示情報には、開始指示端末としての個人端末(移動体端末90a)の端末ID、及び、上記選択された宛先である宛先端末の端末IDが含まれている。これにより、共有端末(通信端末70a)は、開始指示情報を受信する。
次に、開始端末としての共有端末(通信端末10)の送受信部11は、通信管理システム50に対して、開始要求情報を送信する(ステップS109)。この開始要求情報は、自端末(通信端末10)が他の共有端末〔宛先端末(通信端末70a)〕とストリーミング通信を開始する要求を示している。この開始要求情報には、開始端末としての共有端末(通信端末10)の端末ID、開始指示端末(移動体端末90a)の端末ID、及び宛先端末としての共有端末(通信端末10)のIDが含まれている。これにより、通信管理システム50の送受信部51は、開始要求情報を受信する。
次に、通信管理システム50では、記憶・読出処理部59は、開始要求情報に含まれる、開始端末(通信端末10)の端末ID「01ca」、開始指示端末(移動体端末90a)の端末ID「01cb」、及び宛先端末(通信端末70a)の端末ID「01aa」に基づき、端末管理テーブル(図10参照)において、端末ID「01ca」、端末ID「01cb」及び端末ID「01aa」がそれぞれ含まれるレコードの稼動状態のフィールド部分を、ともに「通信中」に変更する(ステップS110)。なお、この状態では、開始端末と宛先端末は、講義等のストリーミング通信を開始していないが、「通信中」状態となり、移動体端末90b等の他の端末の宛先リスト上では、通信状態を示すアイコンが「通信中」を示すものに変更される。
次に、通信管理システム50では、選択部53が、開始端末(通信端末10)及び宛先端末(通信端末70a)の各IPアドレスに基づいて、最寄の中継装置を選択する(ステップS111)。各端末のIPアドレスは端末管理テーブルで管理されており、各中継装置を識別するための装置ID及び中継装置のIPアドレスは、記憶部5000に予め記憶されている。
次に、記憶・読出処理部59は、セッション管理テーブル(図12参照)の開始端末の端末IDのフィールド(項目)部分に開始端末(通信端末10)の端末IDが含まれるレコードにおいて、中継装置の装置IDのフィールド部分に、ステップS111で選択された中継装置の装置IDを追加して管理する(ステップS112)。
次に、作成部54は、通信IDを作成する(ステップS113)。そして、記憶・読出処理部59は、通信情報管理テーブル(図13参照)に対して、ステップS113で作成された通信ID「co01」、ステップS109で受信された開始端末(通信端末10)の端末ID「01ca」、及び、ステップS109で受信された開始指示端末(移動体端末90a)の端末ID「01cb」を関連付けて管理する(ステップS114)。
次に、送受信部51は、宛先端末(通信端末70a)に対して、開始要求情報を送信する(ステップS115)。この開始要求情報は、ストリーミング通信の開始を要求する旨を示している。この開始要求情報には、開始端末(通信端末10)の端末ID、宛先端末(通信端末70a)、通信ID、及び中継装置のIPアドレスが含まれている。これにより、宛先端末(通信端末70a)の送受信部71aは、開始要求情報を受信する。なお、この中継装置のIPアドレスは、ステップS111で選択された中継装置のIPアドレスである。
このように、宛先端末(通信端末70a)とストリーミング通信するのは開始端末(通信端末10)である。これに対して、開始指示端末(移動体端末90a)は、自端末(移動体端末90a)が会議等に参加していることを通信管理システム50で管理されていればよい。
続いて、図18に示されているように、宛先端末(通信端末70a)では、受付部72aが利用者Zから、ステップS115による開始要求に対してストリーミング通信を行なう応答を受け付ける(ステップS121)。そして、送受信部71aは、通信管理システム50に対して応答可否情報を送信する(ステップS122)。この応答可否情報には、開始端末(通信端末10)の端末ID及び宛先端末(通信端末70a)の端末IDが含まれている。これにより、通信管理システム50の送受信部51は、応答可否情報を受信する。ここでは、応答可否情報が応答可である旨を示している場合について、以降、説明を続ける。
次に、通信管理システム50の記憶・読出処理部59は、応答可である旨に基づいて、セッション管理テーブル(図12参照)において、通信端末10が開始端末である場合の端末ID「01ca」に対して、通信端末70aが宛先端末である場合の端末ID「01aa」を関連付けて管理する(ステップS123)。これにより、通信管理システム50は、どの通信セッションにおいて、どの通信端末同士が、どの中継装置を介してストリーミング通信するかを管理することができる。
次に、通信管理システム50の記憶・読出処理部59は、図13に示されているように、開始端末(通信端末10)の端末ID「01ca」に対して、宛先端末(通信端末70a)の端末ID「01aa」を同じ通信ID「co01」に関連付けて管理する(ステップ124)。これにより、通信管理システム50は、通信IDで示すどの講義等で、どの共有端末でストリーミング通信が行なわれ、どの個人端末を所持している利用者が参加しているかを管理することができる。
次に、送受信部51は、開始端末(通信端末10)に対して、応答可否情報を送信する(ステップS125)。この場合の応答可否情報には、ステップS124で関連付けられた通信ID、及びステップS111で選択された中継装置30のIPアドレスが含まれている。これにより、開始端末(通信端末10)の送受信部11は、応答可否情報を受信する。
次に、開始端末(通信端末10)の送受信部11は、ステップS125で受信した中継装置30のIPアドレスに対して、ストリーミング通信のセッションを確立する要求を示す確立要求情報を送信する(ステップS126)。この確立要求情報には、開始端末(通信端末10)の端末IDと宛先端末(通信端末70a)の端末IDが含まれている。また、送信元である開始端末のIPアドレスも送信される。
一方、宛先端末(通信端末70a)の送受信部71aは、ステップS115で受信した中継装置30のIPアドレスに対して、ストリーミング通信のセッションを確立する要求を示す確立要求情報を送信する(ステップS127)。この確立要求情報には、開始端末(通信端末10)の端末IDと宛先端末(通信端末70a)の端末IDが含まれている。また、送信元である宛先端末(通信端末70a)のIPアドレスも送信される。これにより、中継装置30と開始端末との間で、画像データ及び音データをストリーミング通信するための通信セッションが確立すると共に(ステップS128−1)、中継装置30と宛先端末との間で、画像データ及び音データをストリーミング通信するための通信セッションが確立する(ステップS128−2)。
以上のように通信セッションが確立すると、共有端末(通信端末10)及び共有端末(通信端末70a)の間で、画像データ及び音データによるストリーミング通信を開始することができる。なお、図20(a)はストリーミング通信中の通信端末70a側の描画表示の画面例、図20(b)はストリーミング通信中の通信端末10側の描画表示の画面例である。図21(a)はストリーミング通信中の通信端末70a側の拠点撮像の画面例、図21(b)はストリーミング通信中の通信端末10側の拠点撮像の画面例である。
具体的には、拠点Aの利用者Zが、図20(a)に示されているように、ディスプレイ753上に描画画面7200を表示させた状態で、電子ペン754や手H等でディスプレイ753に描画像αを描画した場合、この描画像αを示す描画データは、共有端末(通信端末70a)の送受信部71aから通信ネットワーク4を介して共有端末(通信端末10)の送受信部11に送信される。そして、拠点Cの共有端末(通信端末10)側では、記憶・読出処理部19が記憶部1000に描画像αの描画データを上書きして記憶すると共に、表示制御部14が、ディスプレイ120上に表示した描画画面1200上に、図20(b)に示されているような描画像αを表示させる。
また、各利用者の操作によって、図20(a)、(b)に示されている描画画面7200,1200を、図21(a)、(b)に示されているように、それぞれ拠点画面7300,1300に切り替えることも可能である。具体的には、図21(a)に示されているように、拠点Aの共有端末(通信端末70a)側では、表示制御部74aが、拠点画面7300内に、相手(通信端末10)側の画像(ここでは、利用者Xの姿を示す画像)を表示するための表示領域7310、及び自端末(通信端末70a)側の画像(ここでは、利用者Zの姿を示す画像)を表示するための表示領域7320を表示させる。また、表示制御部74aは、拠点画面7300内に、第3の共有端末が途中参加する場合に第3の共有端末側の画像を表示するための表示領域7330を表示させる。
一方、図21(b)に示されているように、拠点Cの共有端末(通信端末10)側では、表示制御部14が、拠点画面1300内に、相手(通信端末70a)側の画像(ここでは、利用者Z)を表示するための表示領域1310、及び自端末(通信端末10)側の画像(ここでは、利用者Xの姿を示す画像)を表示するための表示領域1320を表示させる。また、表示制御部14は、拠点画面1300内に、第3の共有端末が途中参加する場合に、第3の共有端末側の画像を表示するための表示領域1330が表示させる。なお、第3の共有端末が途中参加した場合ではなく、拠点Cで個人端末の利用者が途中参加した場合には、表示領域1320内に表示される利用者の人数が増える。
続いて、図19乃至図21を用い、拠点Cにおいて、新たに個人端末(移動体端末90b)を所持している利用者Yが、会議等のストリーミング通信に途中参加する場合の処理について説明する。図19は、個人端末(移動体端末90b)がストリーミング通信に途中参加する場合の処理を示したシーケンス図である。なお、ここでは、個人端末(移動体端末90b)は、既に、ステップS21〜S40の処理は済んでいる状態として、説明を続ける。また、移動体端末90bは、途中参加する端末として、「個人端末」としてだけでなく、「途中参加端末」としても表す。
図19に示されているように、C拠点において、共有端末(通信端末10)と個人端末(移動体端末90b)は、ステップS201〜S203の処理を行なうが、上記ステップS101〜S103と同様の処理であるため説明を省略する。そして、共有端末(通信端末10)では、判断部15が、ストリーミング通信の状態を判断する(ステップS204)。ここでは、既に、共有端末(通信端末10)が共有端末(通信端末70a)とストリーミング通信を開始しているため、判断部15は、通信中であると判断する。そして、送受信部11は、途中参加端末(移動体端末90b)に対して、判断部15による判断結果である通信状態を示す通信状態情報を送信する(ステップS205)。ここでは、通信状態は「通信中」である旨を示している。これにより、途中参加端末(移動体端末90b)の送受信部91bは、通信状態情報を受信する。
次に、移動体端末90b側では、表示制御部94bが、図17(b)に示されているように、途中参加の選択画面9400bを表示する(ステップS206)。この途中参加の選択画面9400bには、「共通端末が実行中の相互通信に途中参加しますか?」等の途中参加の選択を促す旨の情報を示すメッセージ9410bが表示されると共に、「はい」、「いいえ」の各ボタンが表示される。なお、ボタン9900bは、ボタン9900aと同じである。以降は、移動体端末90bが途中参加する場合について説明する。
利用者Yが「はい」ボタンを選択すると、受付部92bが、途中参加の受け付けを行なう(ステップS207)。
次に、送受信部91bは、近距離無線通信により、共有端末(通信端末10)に対して、途中参加指示情報を送信する(ステップS208)。この途中参加指示情報は、共有端末(通信端末10)に対して、既に共有端末(通信端末10)が開始しているストリーミング通信に個人端末〔開始指示端末(移動体端末90a)〕を途中参加させる要求を行なわせる指示を示している。また、途中参加指示情報には、個人端末(移動体端末90b)の端末IDが含まれている。これにより、共有端末(通信端末10)は、途中参加指示情報を受信する。
次に、開始端末としての共有端末(通信端末10)の送受信部11は、通信管理システム50に対して、途中参加要求情報を送信する(ステップS209)。この途中参加要求情報は、既に共有端末(通信端末10)が開始しているストリーミング通信に個人端末〔開始指示端末(移動体端末90a)〕を途中参加させる要求を示している。この途中参加要求情報には、参加対象となる講義等を示した通信ID、途中参加される共有端末(通信端末10)の端末ID、及び途中参加端末(移動体端末90b)の端末IDが含まれている。これにより、通信管理システム50の送受信部51は、途中参加要求情報を受信する。なお、この通信IDは、上記ステップS125によって受信されている。
次に、通信管理システム50では、記憶・読出処理部59が、途中参加要求情報に含まれる、途中参加端末(移動体端末90b)の端末ID「01cc」に基づき、端末管理テーブル(図10参照)において、端末ID「01cc」が含まれるレコードの稼動状態のフィールド部分を「オンライン(通話中)」に変更する(ステップS210)。
次に、記憶・読出処理部59は、通信情報管理テーブル(図13参照)において、ステップS209で受信された通信ID「co01」及び共有端末(通信端末10)の端末ID「01ca」に対し、ステップS209で受信された途中参加端末(移動体端末90b)の端末ID「01cc」を関連付けて管理する(ステップS211)。これにより、図13に示されているように、共有端末の端末ID「01ca」に対しては、初めからストリーミング通信に参加している個人端末(移動体端末90a)の端末ID「01cb」だけでなく、途中からストリーミング通信に参加することになった個人端末(移動体端末90b)の端末ID「01cc」も関連付けて管理される。なお、拠点C側においても、個人端末が利用される場合には、通信情報管理テーブル(図13参照)において、共有端末(通信端末70a)の端末ID「01aa」に対して、個人端末の端末IDが関連付けて管理される。
次に、送受信部51は、一方の共有端末(通信端末70a)に対して参加情報を送信する(ステップS212−1)と共に、他方の共有端末(通信端末10)に対して参加情報を送信する(ステップS212−2)。各参加情報は、途中参加した端末がある旨を示す。また、各参加情報には、途中参加した途中参加端末(移動体端末90b)の端末ID「01cc」が含まれている。これにより、共有端末(通信端末70a)の送受信部71aは参加情報を受信すると共に、共有端末(通信端末10)の送受信部11は参加情報を受信する。なお、拠点C側では、誰が参加したか分かっているため、送受信部51は、拠点Aにのみ参加情報を送信してもよい。
また、共有端末(通信端末70a)では、表示制御部74aが、ディスプレイ753上に、図20(a)に示されているように、描画画面7200の下部に途中参加した端末がある旨を示す情報を表示させる(ステップS213−1)。一方、共有端末(通信端末10)では、表示制御部14が、ディスプレイ120上に、図20(b)に示されているように、描画画面1200の下部に途中参加した端末がある旨を示す情報を表示させる(ステップS213−2)。更に、拠点画面7300内には、上記ステップS212−1によって受信された途中参加端末(移動体端末90b)の端末IDと、上記ステップS31で受信された宛先リスト情報内の端末ID及び宛先名に基づき、表示制御部74aが、例えば、「アメリカ ワシントンD.C.事業所 CCさんが参加しました。」を示す参加メッセージを表示させる。
一方、拠点画面1300内には、上記ステップS212−2によって受信された個人端末(移動体端末90b)の端末IDと、上記ステップS31で受信された宛先リスト情報内の端末ID及び宛先名に基づき、表示制御部14が、例えば、「アメリカ ワシントンD.C.事業所 CCさんが参加しました。」を示す参加メッセージを表示させる。
なお、図20(a)、(b)に示されている拠点画面7200及び拠点画面1200は、それぞれ、図21(a)、(b)に示されているように、描画画面から他拠点の利用者の姿等を表す拠点画面に切り替えることも可能である。このように、利用者の姿が表示されると、拠点Cの利用者Zは、拠点Aで誰が参加しているかを視認することができるが、図20(b)に示されているように、描画像を見ることができない。一方、図20(b)に示されているように、拠点Aの利用者の姿が表示されないで、描画像が表示されると、拠点Cの利用者Zは、拠点Aで誰が参加しているかを視認しづらい。そのため、例えば、利用者Zが、講演後、描画データを受講者に提供する場合、受講者が誰であるか判らない状態が生じることがある。特に、参加者が多数であれば、利用者Zは、描画データの提供先の特定が非常に困難になってしまう。また、利用者Zとしては、参加者の中で、描画データを提供したい人と提供したくない人を区別して把握したい場合もある。そこで、本実施形態では、図22及び図24に示されているような処理を行なう。図22は、描画データを提供する処理を示したシーケンス図である。図24は、描画データの提供先を選択するための画面例である。
図22に示されているように、まず、拠点Aでは、共有端末(通信端末70a)の受付部72aが、利用者Zによる全ての参加端末の端末IDの要求を受け付ける(ステップS301)。そして、共有端末(通信端末70a)の送受信部71aは、通信管理システム50に対して、同じ会議等に参加した全ての参加者の参加端末の端末IDの要求を示す要求情報を送信する(ステップS302)。この要求情報には、今まで行なわれていた会議等を特定するための通信IDが含まれている。これにより、通信管理システム50の送受信部11は、要求情報を受信する。
次に、通信管理システム50の記憶・読出処理部59は、ステップS302によって受信された通信IDを検索キーとして、通信情報管理テーブル(図13参照)を検索することにより、対応する共有端末の端末ID及び個人端末の端末IDを読み出す(ステップS303)。そして、送受信部51は、共有端末(通信端末70a)に対して、ステップS303で読み出された全ての端末IDを送信する(ステップS304)。この場合、図13に示されている各IDの関連、即ち、共有端末ID「01ca」に対応する個人端末の端末IDが「01cb」、「01cc」である旨、及び共有端末ID「01ca」と共有端末ID「01aa」は、同じ通信ID「co01」によって管理されている旨示す関連情報も送信される。これにより、共有端末(通信端末70a)の送受信部71aは、全ての端末IDを受信する。
次に、共有端末(通信端末70a)の表示制御部74aは、ステップS304によって受信された端末IDに基づいて、図24に示されているように、描画データの提供先を選択するための提供先選択画面を表示させる(ステップS305)。この場合、共有端末(通信端末70a)は、ログイン時に宛先リスト情報を受信しているため、図24に示されているように、表示制御部74aは、宛先リスト情報の端末IDの中から、ステップS304の処理で受信された端末IDの宛先のみを表示する。図24に示されているように、提供先選択画面7500は、図15(c)に示されているような宛先リストに類似の画面であるが、提供先が共有端末の場合には、「共有」と示されたタブが表示されるため、利用者Zは、どの提供先が共有端末で、どの宛先が個人端末かを把握し易い。
次に、受付部12は、利用者Zから提供先の選択を受け付ける(ステップS306)。ここでは、利用者Zが端末ID「01cb」である移動体端末90aにのみ描画データを提供し、利用者端末90bには提供しない場合について説明する。
通信端末10の送受信部11は、通信管理システム50に対して、ステップS306によって選択された提供先の端末IDを送信する(ステップS307)。これにより、通信管理システム50の送受信部51は、提供先の端末IDを受信する。そして、通信管理システム50の特定部55は、通信情報管理テーブル(図13参照)を参照し、ステップS307によって受信された端末IDに基づき、提供先の端末を特定する(ステップS308)。ここで、図23を用いて、ステップS308について、詳細に説明する。図23は、提供先を特定する処理を示したシーケンス図である。
まず、判断部52は、ステップS306によって選択された提供先を示す端末ID(ここでは、ステップS307によって受信された端末ID)が、通信情報管理テーブル(図13参照)において共有端末の端末IDとして管理されているか否かを判断する(ステップS308−1)。そして、判断部52が共有端末の端末IDとして管理されていると判断した場合には(YES)、特定部55は、共有端末の端末IDに対応する(関連付けられている)個人端末の端末IDとして管理されている全ての端末IDで示される端末を提供先として特定する(ステップS308−2)。一方、ステップS308−1の処理において、判断部52が共有端末の端末IDとして管理されていないと判断した場合には、特定部55は、ステップS306によって選択された提供先を示す端末ID(ここでは、ステップS307によって受信された端末ID)で示される端末を提供先として特定する(ステップS308−3)。
次に、図22に戻って、通信管理システム50の送受信部51は、通信端末10に対して、提供要求情報を送信する(ステップS309)。提供要求情報は、特定部55によって特定された提供先に描画データの内容を提供する要求を示している。ここで、上記ステップS402の処理によって提供先が特定された場合には、提供要求情報には、特定された全ての個人端末の端末IDが含まれる。一方、上記ステップS403の処理によって提供先が特定された場合には、提供要求情報には、ステップ307によって送られて来た全ての端末IDが含まれる。これにより、通信端末10の送受信部11は、提供要求情報を受信する。
次に、通信端末10の記憶・読出処理部19は、記憶部1000から、提供対象である描画データを読み出す(ステップS310)。そして、変換部16は、読み出された描画データをPDFファイルのデータに変換する(ステップS311)。
次に、送受信部11は、ステップS309によって送られて来た端末IDで示される各端末に対して、PDFファイルのデータを送信する(ステップS312)。図22は、共有端末(通信端末10)が個人端末(移動体端末90a)にPDFファイルのデータを送信する場合を示している。これにより、移動体端末90aが、描画データを表示する機能(ソフトウェア)を有していなくても、広く普及しているファイル形式であるPDFファイルのデータであれば表示することができる。
<<本実施形態の主な効果>>
以上説明したように本実施形態によれば、共通端末(通信端末10)が個人端末(移動体端末90a)からの要求でストリーミング通信を開始させる際に、個人端末(移動体端末90a)から個人端末(移動体端末90a)の端末IDを取得する(S108)。そして、共通端末(通信端末10)は、通信管理システム50に対して、自端末(通信端末10)の端末IDと共に個人端末(移動体端末90a)の端末IDを送信する(S109)。そして、通信管理システム50は、通信情報管理テーブル(図13参照)で、会議等のストリーミング通信で利用された共有端末(通信端末10)と、会議等のストリーミング通信に参加した利用者に専用の個人端末(移動体端末90a)とを関連付けて管理する(S114)。これにより、会議等の最中又は会議等の後に、参加者に描画データを送信しようとする利用者Zは、誰に送信すれば良いかを判断しづらくなるという課題を解消することができる。
また、共通端末(通信端末10)が個人端末(移動体端末90b)からの要求で、個人端末(移動体端末90b)をストリーミング通信に途中参加させる際に、個人端末(移動体端末90b)から個人端末(移動体端末90b)の端末IDを取得する(S208)。そして、共通端末(通信端末10)は、通信管理システム50に対して、自端末(通信端末10)の端末IDと共に個人端末(移動体端末90b)の端末IDを送信する(S209)。そして、通信管理システム50は、通信情報管理テーブル(図13参照)で、会議等のストリーミング通信で利用された共有端末(通信端末10)と、会議等のストリーミング通信に参加した利用者に専用の個人端末(移動体端末90a)とを関連付けて管理する(S211)。これにより、会議等の最中又は会議等の後に、参加者に描画データを送信しようとする利用者Zは、誰に送信すれば良いかを判断しづらくなるという課題を解消することができる。
更に、利用者Zが所望の利用者に描画データを提供したい場合には、共通端末(通信端末70a)から通信管理システム50に対して、ストリーミング通信に参加した全ての移動体端末及び共有端末の各端末IDを取得する(S304)。そして、共有端末(通信端末70a)は、通信管理システム50に対し、利用者Zによって選択された所望の個人端末に描画データを提供するように要求する(S308)。更に、通信管理システム50は、共有端末(通信端末10)に対して描画データの提供を要求する際、所望の個人端末の端末IDを送信する(S309)。これにより、共有端末(通信端末10)は所望の個人端末に対して、描画データを提供することができる(S312)。よって、最終的に、利用者Zは、会議や講義等に参加した所望の利用者に描画データを配布することができるという効果を奏する。
また、個人端末(移動体端末90a,90b)は、自らでも宛先端末と通信を開始する機能を有しているが、共有端末(通信端末70a)に対して操作の手軽なリモコンの役割を果たすことができる。
<<その他の実施形態>>
図25は、描画データを提供する処理の変形例を示したシーケンス図である。図22に示されているように、通信管理システム50が、ステップS308によって提供先の特定の処理を行なっているが、この変形例では、図25に示されているように、共通端末(通信端末70a)が、提供先の特定の処理を行なう。
具体的には、図25において、ステップS401〜S406の処理は、図22におけるステップS301〜S306の処理と同じであるため、説明を省略する。なお、ステップ406の処理によって、受付部72aが、図24に示されている提供先選択画面7500において、共有端末(ここでは、端末ID「01ca」の共有端末)の選択を受け付けた場合には、表示制御部74aは、図27に示されているように、共有端末に関連付けられている全ての個人端末が選択された旨を視覚的に表示する。図27では、各端末の宛先表示部分の色が変わっている。これにより、利用者Zは、各個人端末(移動体端末90a等)に資料データを提供することを視覚的に把握することができる。
そして、共有端末(通信端末70a)では、ステップS406の処理後、共有端末(通信端末70a)の判断部75aが、特定部の役割を果たし、ステップS406によって受け付けた全ての端末IDに基づき、提供先の端末を特定する(ステップS407)。ここで、図26を用いて、ステップS407について、詳細に説明する。図26は、提供先を特定する処理の変形例を示したシーケンス図である。
まず、判断部75aは、ステップS406によって選択された提供先を示す端末IDが、ステップS404によって受信された全ての端末IDの中において、共有端末として管理されているか否かを判断する(S407−1)。そして、判断部75aが共有端末の端末IDとして管理されていると判断した場合には(YES)、判断部75aは、特定部としての役割を果たし、共有端末の端末IDに対応する(関連付けられている)個人端末の端末IDとして管理されている全ての端末IDで示される端末を提供先として特定する(ステップS407−2)。一方、ステップS407−1において、判断部75aが、共有端末の端末IDとして管理されていないと判断した場合には、判断部75aは、ステップS406によって選択された提供先を示す端末IDで示される端末を提供先として特定する(ステップS407−3)。
次に、図25に戻って、共有端末(通信端末70a)の送受信部71aは、通信管理システム50に対して、提供要求情報を送信する(ステップS408)。この提供要求情報は、ステップS407の処理によって特定された提供先に描画データの内容を提供する要求を示している。この提供要求情報には、ステップS407によって特定された提供先の端末IDが含まれている。これにより、通信管理システム50の送受信部51は、提供要求情報を受信して、拠点C側の共有端末(通信端末10)に転送する(ステップS409)。この後の処理であるステップS410〜S412の処理は、上記ステップS310〜S312の処理と同様であるため、説明を省略する。
図27は、描画データの提供先を選択するための画面の変形例である。上記ステップS405,S406の処理において、表示制御部74aは、図24に示されているような宛先選択画面7500を表示したが、これに限るものではない。例えば、ステップS406において、共通端末(端末ID「01ca」)が選択された場合には、図27(a)に示されているように、表示制御部74aは、宛先選択画面7510を表示させるようにしてもよい。この宛先選択画面7510では、共有端末(端末ID「01」ca)の提供先の表示部分の色を変更されるだけでなく、共通端末(端末ID「01ca」)に関連付けられている個人端末(端末ID「01cb」、端末ID「01cc」)の提供先の表示部分の色が変更される。これにより、利用者Zは、提供先を視覚的に把握し易くなる。
また、表示制御部74aは、図27(b)に示されているように、宛先選択画面7520を表示させるようにしてもよい。この宛先選択画面7520では、提供先を選択するためのチェックボックスが表示され、共有端末(端末ID「01」ca)の提供先のチェックボックスがチェックされると、共通端末(端末ID「01ca」)に関連付けられている個人端末(端末ID「01cb」、端末ID「01cc」)の提供先のチェックボックスもチェックされるように表示される。
なお、図22において、共有端末(通信端末70a)側で、ステップS301,S302,S304〜S307の処理を行い、共有端末(通信端末10)側で、ステップS309〜S312の処理を行なったが、逆の処理を行なうことが可能である。即ち、共有端末(通信端末10)は、ステップS301,S302,S304〜S307の処理を行なうことが可能な機能を有し、共有端末(通信端末70a)は、ステップS309〜S312の処理を行なうことが可能な機能を有する。この逆の処理が可能なことに関しては、図25においても同様である。
<<実施形態の補足>>
上記実施形態では、近距離無線通信によって、個人端末と共有端末との間で、各端末IDの受け渡しを行なったが、これに限るものではない。例えば、USBケーブル等を利用した有線通信により端末IDの受け渡しを行なってもよい。また、一方の端末側のディスプレイに一方の端末の端末IDを示すQRコードを表示させ、他方の端末側でQRコードを読み取ることで、端末IDの受け渡しを行なってもよい。
また、通信端末の一例として、ビデオ会議端末及び電子黒板であるオフィス機器について説明したが、これに限るものではない。通信端末の他の例として、IP(Internet Protocol)電話機、インターネット電話機、カーナビゲーション端末、監視カメラが含まれる。また、他のオフィス機器として、プリンタ、FAX、MFP(Multifunction Peripheral/Printer/Product)等が挙げられる。更に、通信端末には、医療機器が含まれる。医療機器には、電子内視鏡、放射線治療装置等が含まれる。
また、移動体端末の一例として、スマートフォンである携帯通信端末について説明したが、これに限るものではない。携帯通信端末の他の例として、携帯電話機、デジタルカメラ、携帯ゲーム機、ICカード、又はウェアラブルコンピュータ等が含まれる。ウェアラブルコンコンピュータには、スマートウォッチ、ヘッドマウントディスプレイ等が含まれる。
また、上記実施形態では、コンテンツデータの一例として、画像データ及び音データについて説明したが、これに限るものではなく、触覚(touch)データであってもよい。この場合、一方の端末側でユーザが接触した感覚が、他方の端末側に伝達される。更に、コンテンツデータは、嗅覚(smell)データであってもよい。この場合、一方の端末側で取得された匂い(臭い)のデータが、他の端末側に伝達され、他の端末に接続された又は他の端末が備える匂い(臭い)発生機器によって匂い(臭い)が発生される。また、コンテンツデータは、画像データ、音データ、触覚データ、及び嗅覚データのうち、少なくとも1つのデータであればよい。
また、上記実施形態では、通信システム1によってビデオ会議をする場合について説明したが、これに限るものではなく、打ち合わせ、家族間や友人間等の一般的な会話、又は、一方向での情報の提示に使用されても構わない。
また、上記実施形態では、記憶要求や読出要求について、NFC等の近距離無線通信の例を説明したが、超音波通信を用いてもよい。