JP6258162B2 - 磁気共鳴装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被検体の撮影部位からMR信号を収集するためのシーケンスを実行するスキャン手段を有する磁気共鳴装置に関する。
血液の信号を低減する方法として、MSDE(Motion-Sensitized Driven-Equilibrium)法が知られている(非特許文献1)。
MSDE法は、リフォーカスパルスを用いて、動きのある物質の縦磁化を、静止組織の縦磁化Mzよりも小さくする手法であり、血液などの動く物質の信号の抑制に優れた方法である。したがって、MSDE法は、血液の信号を抑制させて血管壁を描出するブラックブラッドイメージング(Black Blood Imaging)に適用されている。また、MSDE法は、動きのある物質(例えば、血液)の信号が原因で生じるアーチファクトを低減するためにも使用されている。
しかし、MSDE法は、静磁場(B0)不均一や送信磁場(B1)不均一の影響を受けやすく、撮影部位内でB0値やB1値のばらつきが大きいと、撮影部位内に、静止組織の縦磁化Mzが1(又は1に近い値)にならない領域が現れる。したがって、静止組織の縦磁化と、動きのある組織の縦磁化との差をつけることができず、画質が劣化するという問題がある。
そこで、B0不均一やB1不均一の影響を受けにくく、高品質な画像を取得することができるイメージング法が望まれている。
本発明の一観点は、被検体の撮影部位からMR信号を収集するためのシーケンスを実行するスキャン手段を有する磁気共鳴装置であって、
前記スキャン手段は、
前記撮影部位を励起するために印加される第1のコンポジットパルスであって、フリップ角がαに設定され位相がφに設定されたαφ0パルスと、前記αφ0パルスの後に印加され、フリップ角がβに設定され位相がθに設定されたβθ0パルスとを有する第1のコンポジットパルスと、
前記第1のコンポジットパルスの後に印加され、前記撮影部位内で分散した磁化ベクトルを再収束するためのn(≧1)個の第2のコンポジットパルスであって、n個の第2のコンポジットパルスのうちのk(1≦k≦n)番目の第2のコンポジットパルスが、フリップ角がβに設定され位相がθに設定されたβθkパルスと、前記βθkパルスの後に印加され、フリップ角が2αに設定され位相がφに設定された2αφkパルスと、前記2αφ1パルスの後に印加され、フリップ角がβに設定され位相がθに設定されたβθkパルスとを有するように構成されたn個の第2のコンポジットパルスと、
前記n個のコンポジットパルスの後に印加され、前記撮影部位の磁化ベクトルの横磁化を縦磁化に戻すための第3のコンポジットパルスであって、フリップ角がβに設定され位相がθn+1に設定されたβθn+1パルスと、前記βθn+1パルスの後に印加され、フリップ角がαに設定され位相がφn+1に設定されたαφn+1パルスとを有する第3のコンポジットパルスと、
を含むシーケンスを実行し、
θ、φ、θn+1、およびφn+1は、以下の式で表される磁気共鳴装置である。

θ=θ+λ
φ=φ+λ
θn+1=θ+λn+1
φn+1=φ+λn+1

ただし、λ=kλ+δ×m
λn+1=(n+1)λ+δn+1×mn+1
ここで、λ:角度
δ:kの値に応じて定まる角度であって、80°≦δ≦100°の角度
:kの値に応じて定まる整数
δn+1:n+1の値に応じて定まる角度であって、80°≦δn+1≦100°の角度
n+1:n+1の値に応じて定まる整数
コンポジットパルスを用いることにより、B0不均一やB1不均一の影響を受けにくくすることができる。したがって、高品質な画像を取得することができる。
本発明の一形態の磁気共鳴装置の概略図である。 プロセッサ9が実行する処理を示す図である。 本形態における撮影部位を概略的に示す図である。 通常のスキャンの一例を示す図である。 プリパレーションシーケンスDPが実行されている間の静止組織の磁化ベクトルの挙動のシミュレーション結果の説明図である。 送信磁場強度が理想値よりも小さい場合の磁化ベクトル挙動のシミュレーション結果の説明図である。 送信磁場強度が理想値よりも大きい場合の磁化ベクトルの挙動のシミュレーション結果の説明図である。 本形態で使用されるプリパレーションシーケンスDPを示す図である。 コンポジットパルスA、B、およびCの説明図である。 (α,β,φ,θ,λ,m,m)が表1に示す値に設定されているプリパレーションシーケンスDPを示す図である。 ΔB1=0%およびΔB0=0Hzにおける磁化ベクトルの挙動を表すシミュレーション結果の説明図である。 ΔB1=−20%およびΔB0=0Hzにおける磁化ベクトルの挙動を表すシミュレーション結果の説明図である。 面S1と面S4と違いの説明図である。 ΔB1=20%およびΔB0=0Hzにおける磁化ベクトルの挙動を表すシミュレーション結果の説明図である。 面S2と面S5と違いの説明図である。 シミュレーション結果を示す図である。 (α,β,φ,θ,λ,m,m)が表2の値に設定された場合のプリパレーションシーケンスDPを示す図である。 (α,β,φ,θ,λ,m,m)が表3の値に設定された場合のプリパレーションシーケンスDPを示す図である。 プリパレーションシーケンスDPのシミュレーション結果を示す図である。 プリパレーションシーケンスDPのシミュレーション結果を示す図である。 (α,β,φ,θ,λ,m,m)を表4の値に設定したプリパレーションシーケンスDPを示す図である。 (α,β,φ,θ,λ,m,m)が表5の値に設定された場合のプリパレーションシーケンスDPを示す図である。 シミュレーション結果を示す図である。 コンポジットパルスBを複数回印加するときのプリパレーションシーケンスDPを示す図である。 n=3の例を示す図である。 (α,β,φ,θ,λ)が表6に示す値に設定されたプリパレーションシーケンスDPを示す図である。 位相が式(30)〜式(33)の値に設定されたときのプリパレーションシーケンスDPを示す図である。 シミュレーション結果を示す図である。 (m,m,m,m,m,m,m,m)=(1,0,1,1,0,1,0,0)に設定したときのMzマップH6を示す図である。
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、以下の形態に限定されることはない。
図1は、本発明の一形態の磁気共鳴装置の概略図である。
磁気共鳴装置(以下、「MR装置」と呼ぶ)100は、マグネット2、テーブル3、受信RFコイル(以下、「受信コイル」と呼ぶ)4などを有している。
マグネット2は、被検体13が収容されるボア21を有している。また、マグネット2には、静磁場を発生させるための超伝導コイル、勾配パルスを印加するための勾配コイル、およびRFパルスを印加するためのRFコイルなどを有している。
テーブル3は、被検体13を支持するクレードル3aを有している。クレードル3aは、ボア21内に移動できるように構成されている。クレードル3aによって、被検体13はボア21に搬送される。
受信コイル4は、被検体13からの磁気共鳴信号を受信する。
MR装置100は、更に、送信器5、勾配磁場電源6、受信器7、コンピュータ8、操作部11、および表示部12などを有している。
送信器5は、RFコイルに電流を供給する。勾配磁場電源6は勾配コイルに電流を供給する。受信器7は、受信コイル4が受信した信号に対して、検波などの信号処理を行う。尚、マグネット2、受信コイル4、送信器5、勾配磁場電源6、受信器7を合わせたものがスキャン手段に相当する。
コンピュータ8は、表示部12に必要な情報を伝送したり、画像を再構成するなど、MR装置100の各種の動作を実現するように、MR装置100の各部の動作を制御する。コンピュータ8は、プロセッサ9およびメモリ10などを有している。
メモリ10には、プロセッサ9により実行されるプログラムなどが記憶されている。プロセッサ9は、メモリ10に記憶されているプログラムを読み出し、プログラムに記述されている処理を実行する。図2に、プロセッサ9が実行する処理を示す。プロセッサ9は、メモリ10に記憶されているプログラムを読み出すことにより、画像作成手段91などを構成する。
画像作成手段91は、受信器7から受け取ったデータに基づいて、撮影部位の画像を作成する。
プロセッサ9は、画像作成手段91を構成する一例であり、メモリ10に記憶されたプログラムを実行することによりこの手段として機能する。
図1に戻って説明を続ける。
操作部11は、オペレータにより操作され、種々の情報をコンピュータ8に入力する。表示部12は種々の情報を表示する。
MR装置100は、上記のように構成されている。
図3は、本形態における撮影部位を概略的に示す図である。
図3において、SI方向は被検体の頭尾方向を表しており、RL方向は被検体の左右方向を表しており、AP方向は被検体の前後方向を表している。
本形態では、血液aの信号を低下させて血管Aの血管壁を撮影するためのスキャンを実行する例について説明する。尚、以下の説明では、本形態におけるスキャンの効果を明確にするために、本形態におけるスキャンを説明する前に、血管壁を撮影するために使用されている通常のスキャンについて説明する。
図4は、通常のスキャンの一例を示す図である。
図4では、スキャンSCを、複数の期間W1〜Wzに分けて示してある。
期間W1では、プリパレーションシーケンスDPおよびデータ収集シーケンスDAQが実行される。
プリパレーションシーケンスDPは、3つのRFパルス(90パルスP、180−xパルスP、90パルスP)を有している。
90パルスPは、撮影部位を励起するための励起パルスである。180−xパルスPは、分散した磁化ベクトルを再収束させるためのリフォーカスパルスである。90パルスPは、磁化ベクトルの横磁化を縦磁化に戻すためのフリップバックパルスである。
また、プリパレーションシーケンスDPは、位相を分散させるためのMPG(motion probing gradient)を有している。尚、本形態では、MPGは1軸にのみ印加されているが、MPGを複数の軸に印加してもよい。
次に、3つのRFパルス(90パルスP、180−xパルスP、90パルスP)のフリップ角および位相について説明する。
図4の下側には、RFパルスの位相を表すための座標軸が示されている。z軸は静磁場方向を表している。
90パルスPおよびPの「90」は、RFパルスのフリップ角が90°であり、RFパルスの位相がx軸に設定されていることを表している。したがって、90パルスPおよびPは、x軸を中心にして磁化を90°回転させるRFパルスである。
180−xパルスPの「180−x」は、RFパルスのフリップ角が180°であり、RFパルスの位相が−x軸(xy面内において、x軸から180°ずれた軸)に設定されていることを表している。したがって、180パルスPは、−x軸を中心にして磁化を180°回転させるRFパルスである。
プリパレーションシーケンスを実行することにより、動きのある組織(例えば、血液)の縦磁化を、静止組織(例えば、血管壁)の縦磁化よりも十分に小さくすることができる。
プリパレーションシーケンスDPを実行した後、撮影部位からイメージングデータを収集するためのデータ収集シーケンスDAQが実行される。データ収集シーケンスDAQで使用されるRFパルスや勾配磁場は図示省略されている。プリパレーションシーケンスDPにより、動きのある組織の縦磁化は小さくなっているので、データ収集シーケンスDAQを実行することにより、動きのある組織の信号が静止組織の信号よりも十分に低減されたMR信号を収集することができる。
図4では、期間W1で実行されるシーケンスについて説明されているが、他の期間W2〜Wzでも、期間W1と同様に、プリパレーションシーケンスDPおよびデータ収集シーケンスDAQが実行される。期間W1〜Wzでデータ収集を行うことにより、画像再構成に必要なk空間のデータを収集することができる。
次に、プリパレーションシーケンスDPが実行されている間の静止組織の磁化ベクトルの挙動について説明する。本形態では、プリパレーションシーケンスDPが実行されている間の静止組織の磁化ベクトルの挙動を調べるため、図4に示すプリパレーションシーケンスDPを実行したときの磁化ベクトルの挙動をシミュレーションした。以下に、そのシミュレーション結果について説明する。
図5はプリパレーションシーケンスDPが実行されている間の静止組織の磁化ベクトルの挙動のシミュレーション結果の説明図である。
尚、図5におけるシミュレーション条件は、以下の通りである。
(1)B0不均一およびB1不均一は発生していない。
(2)プリパレーションシーケンスDPの90パルスPが印加される直前の時点t0では、静止組織の磁化ベクトルVの縦磁化MzはMz=1である(図5(a)参照)。
(3)T2減衰、T1回復は無視する。
以下、図5について説明する。
プリパレーションシーケンスDPでは、先ず、90パルスPが印加される。図5(a)に、90パルスPが印加される直前の時点t0における磁化ベクトルVを示し、図5(b)に、90パルスPが印加された直後の時点t1における磁化ベクトルVを示す。磁化ベクトルVは、90パルスPにより、x軸を中心にして90°回転する。90パルスPが印加された後、MPGが印加される。
また、時点t1〜t2の間に、磁化ベクトルの位相が分散する。図5(c)に、時点t1〜時点t2までの間に生じた位相分散を示す。位相分散により、0°〜360°の間の任意の位相を持つベクトルが現れるが、図5(c)では、説明の便宜上、分散した磁化ベクトルを、2本の磁化ベクトルV1およびV2で示してある。磁化ベクトルV1は位相が0°であり、一方、磁化ベクトルV2は位相が180°である。また、図5(c)には、位相分散により発生した磁化ベクトルの頂点で囲まれる面Sを示してある。時点t2の直後に、180−xパルスPが印加される。
図5(d)に、180−xパルスPが印加された直後の時点t3における磁化ベクトルを示す。磁化ベクトルは、180−xパルスPにより、−x軸を中心にして180°回転する。したがって、磁化ベクトルV1と磁化ベクトルV2の位置が入れ替わる。180−xパルスPが印加された後、MPGが印加される。
また、時点t3〜t4の間に、分散していた磁化ベクトルが収束する。図5(e)に、時点t3〜時点t4の間に収束した磁化ベクトルVを示す。磁化ベクトルVはy軸上に収束する。時点t3〜時点t4の時間は、時点t1〜時点t2の時間と同じである。時点t4の直後に、90パルスPが印加される。
図5(f)に、90パルスPが印加された直後の時点t5における磁化ベクトルVを示す。磁化ベクトルVは、90パルスPにより、x軸を中心にして90°回転する。90パルスPによって、磁化ベクトルVの縦磁化MzをMz=1に戻すことができる。
したがって、プリパレーションシーケンスDPを実行することによって、静止組織の磁化ベクトルの縦磁化MzをMz=1に戻すことができる。一方、動きのある組織は、MPGの影響を受けるので、縦磁化が1よりも小さくなる。したがって、各組織の移動速度に応じて縦磁化の値を調整することができる。
しかし、実際には、送信磁場不均一(B1不均一)が原因で、撮影部位内に、送信磁場強度が理想値よりも小さくなる領域や、逆に、送信磁場強度が理想値よりも大きくなる領域が現れる。このような領域が現れると、磁化ベクトルは、RFパルスのフリップ角よりも小さい角度しかフリップしなかったり、逆に、RFパルスのフリップ角よりも大きくフリップしてしまう。そこで、送信磁場強度が理想値よりも小さい場合の磁化ベクトルの挙動と、送信磁場強度が理想値よりも大きい場合の磁化ベクトルの挙動についてもシミュレーションした。以下に、そのシミュレーション結果について説明する。
図6は、送信磁場強度が理想値よりも小さい場合の磁化ベクトル挙動のシミュレーション結果の説明図である。
尚、図6におけるシミュレーション条件は、以下の通りである。
(1)B1不均一により、送信磁場強度が理想値からΔB1=−20%だけずれている。つまり、送信磁場強度は、理想値よりも20%小さい値である。
(2)撮影部位内では静磁場不均一は発生していない。つまり、静磁場不均一による周波数のずれ量ΔB0(Hz)はΔB0=0Hzである。
(3)90パルスPが印加される直前の時点t0では、静止組織の磁化ベクトルVの縦磁化MzはMz=1である(図6(a)参照)。
(4)T2減衰、T1回復は無視する。
以下、図6について説明する。
プリパレーションシーケンスDPでは、先ず、90パルスPが印加される。図6(a)に、90パルスPが印加される直前の時点t0における磁化ベクトルVを示し、図6(b)に、90パルスPが印加された直後の時点t1における磁化ベクトルVを示す。ΔB1=−20%であるので、90パルスPのフリップ角は、90°よりも20%小さい角度、つまり、72°になる。したがって、磁化ベクトルVはx軸を中心として72°しか回転しないので、磁化ベクトルVにはMz成分が残る。90パルスPが印加された後、MPGが印加される。
また、時点t1〜t2の間に、磁化ベクトルの位相が分散する。図6(c)に、時点t1〜時点t2までの間に生じた位相分散を示す。位相分散により、0°〜360°の間の任意の位相を持つベクトルが現れるが、図6(c)では、説明の便宜上、分散した磁化ベクトルを、2本の磁化ベクトルV1およびV2で示してある。磁化ベクトルV1は位相が0°であり、一方、磁化ベクトルV2は位相が180°である。また、図6(c)には、位相分散により発生した磁化ベクトルの頂点で囲まれる面Sを示してある。時点t2の直後に、180−xパルスPが印加される。
図6(d)に、180−xパルスPが印加された直後の時点t3における磁化ベクトルを示す。ΔB1=−20%であるので、180−xパルスPのフリップ角は、180°よりも20%小さい角度、つまり、144°になる。したがって、分散した磁化ベクトルV1およびV2は、−x軸を中心として144°しか回転しない。180−xパルスPが印加された後、MPGが印加される。
また、時点t3〜t4の間に、分散していた磁化ベクトルが収束する。ただし、図6(d)に示すように、磁化ベクトルは144°しか回転していないので、分散した磁化ベクトルを完全に収束させることはできない。図6(e)に、時点t3〜時点t4の間に収束した磁化ベクトルを示す。図6(e)において、磁化ベクトルV1と磁化ベクトルV2とを比較すると、磁化ベクトルV1と磁化ベクトルV2の位相がずれている。したがって、磁化ベクトルの頂点を結ぶと、一定の広がりを持つ面S1が現れ、磁化ベクトルが完全には収束していないことがわかる。時点t4の直後に、90パルスPが印加される。
図6(f)に、90パルスPが印加された直後の時点t5における磁化ベクトルを示す。ΔB1=−20%であるので、90パルスPのフリップ角は、90°よりも20%小さい角度、つまり、72°になる。したがって、磁化ベクトルは、x軸を中心として72°しか回転しない。図6(f)を参照すると、面S1は、z軸からy軸の近くにまで広がっており、縦磁化が完全には1に戻らないことがわかる。
図6では、送信磁場強度が理想値よりも小さい場合の磁化ベクトルの挙動を説明したが、送信磁場強度が理想値より大きくなることもある。次に、送信磁場強度が理想値よりも大きい場合の磁化ベクトルの挙動について説明する(図7参照)。
図7は、送信磁場強度が理想値よりも大きい場合の磁化ベクトルの挙動のシミュレーション結果の説明図である。
尚、図7におけるシミュレーション条件は、以下の通りである。
(1)B1不均一により、送信磁場強度が理想値からΔB1=20%だけずれている。つまり、送信磁場強度は、理想値よりも20%大きい値である。
(2)撮影部位内では静磁場不均一は発生していない。つまり、静磁場不均一による周波数のずれ量ΔB0(Hz)はΔB0=0Hzである。
(3)90パルスPが印加される直前の時点t0では、静止組織の磁化ベクトルVの縦磁化MzはMz=1である(図7(a)参照)。
(4)T2減衰、T1回復は無視する。
以下、図7について説明する。
プリパレーションシーケンスDPでは、先ず、90パルスPが印加される。図7(a)に、90パルスPが印加される直前の時点t0における磁化ベクトルVを示し、図7(b)に、90パルスPが印加された直後の時点t1における磁化ベクトルVを示す。ΔB1=20%であるので、90パルスPのフリップ角は、90°よりも20%大きい角度、つまり、108°になる。したがって、磁化ベクトルVはx軸を中心として108°回転するので、磁化ベクトルVにはMz成分が残る。90パルスが印加された後、MPGが印加される。
また、時点t1〜t2の間に、磁化ベクトルの位相が分散する。図7(c)に、時点t1〜時点t2までの間に生じた位相分散を示す。位相分散により、0°〜360°の間の任意の位相を持つベクトルが現れるが、図7(c)では、説明の便宜上、分散した磁化ベクトルを、2本の磁化ベクトルV1およびV2で示してある。磁化ベクトルV1は位相が0°であり、一方、磁化ベクトルV2は位相が180°である。また、図7(c)には、位相分散により発生した磁化ベクトルの頂点で囲まれる面Sを示してある。時点t2の直後に、180−xパルスPが印加される。
図7(d)に、180−xパルスPが印加された直後の時点t3における磁化ベクトルを示す。ΔB1=20%であるので、180−xパルスPのフリップ角は、180°よりも20%大きい角度、つまり、216°になる。したがって、分散した磁化ベクトルV1およびV2は、−x軸を中心として216°回転する。180−xパルスPが印加された後、MPGが印加される。
また、時点t3〜t4の間に、分散していた磁化ベクトルが収束する。ただし、図7(d)に示すように、磁化ベクトルは216°回転しているので、分散した磁化ベクトルを完全に収束させることはできない。図7(e)に、時点t3〜時点t4の間に収束した磁化ベクトルを示す。図7(e)において、磁化ベクトルV1と磁化ベクトルV2とを比較すると、磁化ベクトルV1と磁化ベクトルV2の位相がずれている。したがって、磁化ベクトルの頂点を結ぶと、一定の広がりを持つ面S2が現れ、磁化ベクトルが完全には収束していないことがわかる。時点t4の直後に、90パルスPが印加される。
図7(f)に、90パルスPが印加された直後の時点t5における磁化ベクトルを示す。ΔB1=20%であるので、90パルスPのフリップ角は、90°よりも20%大きい角度、つまり、108°になる。したがって、磁化ベクトルV1およびV2は、x軸を中心として108°回転する。図7(f)を参照すると、面S2は、z軸から−y軸の近くにまで広がっており、縦磁化が完全には1に戻らないことがわかる。
したがって、プリパレーションシーケンスDPでは、B1不均一の影響を受けて、静止組織の縦磁化を十分に1に戻すことができないという問題がある。そこで、本形態では、静止組織の縦磁化を1(又は1に近い値に)戻すことができるように、プリパレーションシーケンスを構成している。以下に、本形態で使用されるプリパレーションシーケンスについて説明する。
図8は、本形態で使用されるプリパレーションシーケンスDPを示す図である。
本形態のプリパレーションシーケンスDPは、コンポジットパルスA、コンポジットパルスB、およびコンポジットパルスCを有している。以下、3つのコンポジットパルスA、B、およびCについて順に説明する。
図9は、コンポジットパルスA、B、およびCの説明図である。
(1)コンポジットパルスAについて
コンポジットパルスAは、撮影部位を励起するための励起パルスであり、αφ0パルスP01およびβθ0パルスP02を有している。
図9(a)は、コンポジットパルスAの説明図である。
αφ0パルスP01は、フリップ角がαに設定され、位相がφ(xy面内においてx軸に対して角度φだけ回転した軸:φ軸)に設定されたRFパルスを表している。
一方、βθ0パルスP02は、フリップ角がβに設定され、位相がθ(xy面内においてx軸に対して角度θだけ回転した軸:θ軸)に設定されたRFパルスを表している。
(2)コンポジットパルスBについて
コンポジットパルスBは、磁化ベクトルを再収束させるためのリフォーカスパルスであり、βθ1パルスP11、2αφ1パルスP12、およびβθ1パルスP13を有している。
図9(b)は、コンポジットパルスBの説明図である。
先ず、2αφ1パルスP12について説明する。
2αφ1パルスP12は、フリップ角が2αに設定され、位相がφ(xy面内においてx軸に対して角度φだけ回転した軸:φ軸)に設定されたRFパルスを表している。φは、以下の式を満たすように設定される。
φ=φ+λ ・・・(1)
ここで、φ:コンポジットパルスAのαφ0パルスP01の位相
λ:位相差
式(1)のλは、以下の式で表される。
λ=λ+δ×m ・・・(2)
ここで、λ:角度
δ:80°≦δ≦100°の範囲内の角度
:整数
本形態では、式(2)のδは、δ=90°であるとする。したがって、式(2)は、以下の式で表される。
λ=λ+90°×m ・・・(3)
したがって、式(3)を式(1)に代入すると、φは、以下の式で表すことができる。
φ=φ+λ+90°×m ・・・(4)
次に、βθ1パルス(P11およびP13)について説明する。
βθ1パルス(P11およびP13)は、フリップ角がβに設定され、位相がθ(xy面内においてx軸に対して角度θだけ回転した軸:θ軸)に設定されたRFパルスを表している。θは、以下の式を満たすように設定される。
θ=θ+λ ・・・(5)
ここで、θ:コンポジットパルスAのβθ0パルスP02の位相
λ:位相差
式(5)のλは、式(1)のλと同様に、式(3)で表される。したがって、式(3)を式(5)に代入すると、θは以下の式で表すことができる。
θ=θ+λ+90°×m ・・・(6)
(3)コンポジットパルスCについて
コンポジットパルスCは、磁化ベクトルの横磁化を縦磁化に戻すためのフリップバックパルスであり、βθ2パルスP21およびαφ2パルスP22を有している。
図9(c)は、コンポジットパルスCの説明図である。
先ず、βθ2パルスP21について説明する。
βθ2パルスP21は、フリップ角がβに設定され、位相がθ(xy面内においてx軸に対して角度θだけ回転した軸:θ軸)に設定されたRFパルスを表している。θは、以下の式を満たすように設定される。
θ=θ+λ ・・・(7)
ここで、θ:コンポジットパルスAのβθ0パルスP02の位相
λ:位相差
式(7)のλは、以下の式で表される。
λ=2λ+δ×m ・・・(8)
ここで、λ:角度
δ:80°≦δ≦100°の範囲内の角度
:整数
本形態では、式(8)のδは、δ=90°であるとする。したがって、式(8)は、以下の式で表される。
λ=2λ+90°×m ・・・(9)
したがって、式(9)を式(7)に代入すると、θは以下の式で表すことができる。
θ=θ+2λ+90°×m ・・・(10)
次に、αφ2パルスP22について説明する。
αφ2パルスP22は、フリップ角がαに設定され、位相がφ(xy面内においてx軸に対して角度φだけ回転した軸:φ軸)に設定されたRFパルスを表している。φは、以下の式を満たすように設定される。
φ=φ+λ ・・・(11)
ここで、φ:コンポジットパルスAのαφ0パルスP01の位相
λ:位相差
式(11)のλは、式(7)のλと同様に、式(9)で表される。したがって、式(9)を式(11)に代入すると、φは、以下の式で表すことができる。
φ=φ+2λ+90°×m ・・・(12)
プリパレーションシーケンスDPは、図9に示すように構成されている。本形態では、プリパレーションシーケンスDPを実行した後、撮影部位からデータを収集するためのデータ収集シーケンスDAQ(図8参照)を実行する。以下同様に、プリパレーションシーケンスDPとデータ収集シーケンスDAQとを交互に実行する。データ収集シーケンスDAQで収集されたデータはコンピュータ8に送信される。そして、画像作成手段91(図2参照)が、データ収集シーケンスDAQで収集されたデータに基づいて、画像を作成する。
プリパレーションシーケンスDPでは、コンポジットパルスのフリップ角および位相を規定するために、上述したパラメータ(α,β,φ,θ,λ,m,m)が使用されている。パラメータ(α,β,φ,θ,λ,m,m)の値は、撮影条件に応じて設定することができる。ここで、プリパレーションシーケンスDPで使用されているコンポジットパルスのフリップ角および位相を理解しやすくするために、パラメータ(α,β,φ,θ,λ,m,m)が、表1に示す値に設定されている場合について考える。
この場合、コンポジットパルスのフリップ角および位相は、図10のように示される。図10では、プリパレーションシーケンスを符号「DP」で示してある。以下、図10に示すプリパレーションシーケンスDPについて、コンポジットパルスA、B、およびCに分けて説明する。
(1)コンポジットパルスAについて
図10(a)は、コンポジットパルスAの説明図である。
α=90°、φ=0°であるので、αφ0パルスP01は、フリップ角がα=90°に設定され、位相がφ=0°(つまり、x軸)に設定された90パルスとなる。また、β=90°、θ=90°であるので、βθ0パルスP02は、フリップ角がβ=90°に設定され、位相がθ=90°(つまり、y軸)に設定された90パルスとなる。
(2)コンポジットパルスBについて
図10(b)は、コンポジットパルスBの説明図である。
先ず、2αφ1パルスP12について説明する。
2αφ1パルスP12のフリップ角は2α=180°である。
また、2αφ1パルスP12の位相φは、式(4)に、φ=0°、λ=180°、m=0を代入することにより求められる。
φ=φ+λ+90°×m
=0°+180°+90°×0
=180°
したがって、2αφ1パルスP12は、フリップ角が2α=180°に設定され、位相がφ=180°(つまり、−x軸)に設定された180−xパルスとなる。
次に、βθ1パルス(P11およびP13)について説明する。
βθ1パルス(P11およびP13)のフリップ角はβ=90°である。
また、βθ1パルス(P11およびP13)の位相θは、式(6)に、θ=90°、λ=180°、m=0を代入することにより求められる。
θ=θ+λ+90°×m
=90°+180°+90°×0
=270°
したがって、βθ1パルス(P11およびP13)は、フリップ角がβ=90°に設定され、位相がθ=270°(つまり、−y軸)に設定された90−yパルスとなる。
(3)コンポジットパルスCについて
図10(c)は、コンポジットパルスCの説明図である。
先ず、βθ2パルスP21について説明する。
βθ2パルスP21のフリップ角はβ=90°である。また、βθ2パルスP21の位相θは、式(10)に、θ=90°、λ=180°、m=0を代入することにより求められる。
θ=θ+2λ+90°×m
=90°+2×180°+90°×0
=450°
位相は360°ごとに等価となるので、θ=450°はθ=90°である。したがって、βθ2パルスP21は、フリップ角がβ=90°で、位相がθ=90°(つまり、y軸)に設定された90パルスとなる。
次に、αφ2パルスP22について説明する。
αφ2パルスP22のフリップ角はα=90°である。また、αφ2パルスP22の位相φは、式(12)に、φ=0°、λ=180°、m=0を代入することにより求められる。
φ=φ+2λ+90°×m
=0°+2×180°+90°×0
=360°
位相は360°ごとに等価となるので、θ=360°はθ=0°である。したがって、αφ2パルスP22は、フリップ角がα=90°に設定され、位相がφ=0°(つまり、x軸)に設定された90パルスとなる。
次に、図10のプリパレーションシーケンスDPが実行されている間の静止組織の磁化ベクトルの挙動を調べるため、図10に示すプリパレーションシーケンスDPを実行したときの磁化ベクトルの挙動をシミュレーションした。以下に、そのシミュレーション結果について説明する。
図11〜図15はプリパレーションシーケンスDPが実行されている間の静止組織の磁化ベクトルの挙動のシミュレーション結果の説明図である。
以下、図11〜図15について説明する。
図11は、ΔB1=0%およびΔB0=0Hzにおける磁化ベクトルの挙動を表すシミュレーション結果の説明図である。
プリパレーションシーケンスDPでは、先ず、コンポジットパルスAの90パルスP01が印加される。図11(a)に、90パルスP01が印加される直前の時点t0における磁化ベクトルVを示し、図11(b)に、90パルスP01が印加された直後の時点t01における磁化ベクトルVを示す。ΔB1=0%であるので、磁化ベクトルVは、90パルスP01により、x軸を中心にして90°回転する。したがって、磁化ベクトルVは−y軸上に位置する。90パルスP01が印加された直後に、90パルスP02が印加される。
図11(c)に、90パルスP02が印加された直後の時点t02における磁化ベクトルVを示す。ΔB1=0%であるので、磁化ベクトルVは、90パルスP02により、y軸を中心にして90°回転する。ただし、磁化ベクトルVは−y軸上に位置しているので、90パルスP02が印加されても、磁化ベクトルVに変化はない。したがって、磁化ベクトルVは、−y軸上に位置したままの状態に保持される。コンポジットパルスAが印加された後、MPGが印加される。
また、時点t02〜t11の間に、磁化ベクトルの位相が分散する。図11(d)に、時点t02〜t11までの間に生じた位相分散を示す。位相分散により、0°〜360°の間の任意の位相を持つベクトルが現れるが、図11(d)では、説明の便宜上、分散した磁化ベクトルを、2本の磁化ベクトルV1およびV2で示してある。磁化ベクトルV1は位相が0°であり、一方、磁化ベクトルV2は位相が180°である。また、図11(d)には、位相分散により発生した磁化ベクトルの頂点で囲まれる面Sを示してある。時点t11の直後に、コンポジットパルスBが印加される。
コンポジットパルスBでは、先ず、90−yパルスP11が印加される。図11(e)に、90−yパルスP11が印加された直後の時点t12における磁化ベクトルを示す。ΔB1=0%であるので、磁化ベクトルは、90−yパルスP11により、−y軸を中心にして90°回転する。90−yパルスP11が印加された直後に、180−xパルスP12が印加される。
図11(f)に、180−xパルスP12が印加された直後の時点t13における磁化ベクトルを示す。ΔB1=0%であるので、磁化ベクトルは、180−xパルスP12により、−x軸を中心にして180°回転する。したがって、磁化ベクトルV1と磁化ベクトルV2の位置が入れ替わる。180−xパルスP12が印加された直後に、90−yパルスP13が印加される。
図11(g)に、90−yパルスP13が印加された直後の時点t14における磁化ベクトルを示す。ΔB1=0%であるので、磁化ベクトルは、90−yパルスP13により、−y軸を中心にして90°回転する。したがって、図11(d)と、図11(g)とを比較すると、コンポジットパルスBは、磁化ベクトルを、−x軸を中心として180°回転(反転)させていることがわかる。90−yパルスP13が印加された後に、MPGが印加される。
また、時点t14〜t21の間に、分散していた磁化ベクトルが収束する。図11(h)に、時点t14〜t21の間に収束した磁化ベクトルVを示す。磁化ベクトルVはy軸上に収束する。時点t21の直後に、コンポジットパルスCが印加される。
コンポジットパルスCでは、先ず、90パルスP21が印加される。図11(i)に、90パルスP21が印加された直後の時点t22における磁化ベクトルVを示す。ΔB1=0%であるので、磁化ベクトルVは、90パルスP21により、y軸を中心にして90°回転する。ただし、磁化ベクトルVはy軸に収束しているので、90パルスP21を印加しても、磁化ベクトルVに変化はない。90パルスP21が印加された直後に、90パルスP22が印加される。
図11(j)に、90パルスP22が印加された直後の時点t23における磁化ベクトルVを示す。ΔB1=0%であるので、磁化ベクトルVは、90パルスP22により、x軸を中心にして90°回転する。90パルスP22によって、磁化ベクトルVを縦磁化に戻すことができる。
したがって、ΔB1=0%の場合、プリパレーションシーケンスDPは、プリパレーションシーケンスDP(図5参照)と同様に、静止組織の縦磁化を1に戻すことができる。
次に、図12について説明する。
図12は、ΔB1=−20%およびΔB0=0Hzにおける磁化ベクトルの挙動を表すシミュレーション結果の説明図である。
プリパレーションシーケンスDPでは、先ず、コンポジットパルスAの90パルスP01が印加される。図12(a)に、90パルスP01が印加される直前の時点t0における磁化ベクトルVを示し、図12(b)に、90パルスP01が印加された直後の時点t01における磁化ベクトルVを示す。ΔB1=−20%であるので、90パルスP01のフリップ角は、90°よりも20%小さい角度、つまり、72°になる。したがって、磁化ベクトルVは、x軸を中心として72°しか回転しないので、磁化ベクトルVにはMz成分が残る。90パルスP01の直後に、90パルスP02が印加される。
図12(c)に、90パルスP02が印加された直後の時点t02における磁化ベクトルVを示す。ΔB1=−20%であるので、90パルスP02のフリップ角は、90°よりも20%小さい角度、つまり、72°になる。したがって、磁化ベクトルVは、y軸を中心として72°回転する。これにより、磁化ベクトルVのMz成分の大部分がMx成分に変換されるので、磁化ベクトルVのMz成分を十分に小さくすることができる。コンポジットパルスAが印加された後、MPGが印加される。
また、時点t02〜t11の間に、磁化ベクトルの位相が分散する。図12(d)に、時点t02〜t11までの間に生じた位相分散を示す。位相分散により、0°〜360°の間の任意の位相を持つベクトルが現れるが、図12(d)では、説明の便宜上、分散した磁化ベクトルを、2本の磁化ベクトルV1およびV2で示してある。磁化ベクトルV1は位相が0°であり、一方、磁化ベクトルV2は位相が180°である。また、図12(d)には、位相分散により発生した磁化ベクトルの頂点で囲まれる面Sを示してある。時点t11の直後に、コンポジットパルスBが印加される。
コンポジットパルスBでは、先ず、90−yパルスP11が印加される。図12(e)に、90−yパルスP11が印加された直後の時点t12における磁化ベクトルを示す。ΔB1=−20%であるので、90−yパルスP11のフリップ角は、90°よりも20%小さい角度、つまり、72°になる。したがって、磁化ベクトルは、−y軸を中心にして72°回転する。90−yパルスP11が印加された直後に、180−xパルスP12が印加される。
図12(f)に、180−xパルスP12が印加された直後の時点t13における磁化ベクトルを示す。ΔB1=−20%であるので、180−xパルスP12のフリップ角は、180°よりも20%小さい角度、つまり、144°になる。したがって、磁化ベクトルは、−x軸を中心として144°回転する。180−xパルスP12が印加された直後に、90−yパルスP13が印加される。
図12(g)に、90−yパルスP13が印加された直後の時点t14における磁化ベクトルを示す。ΔB1=−20%であるので、90−yパルスP13のフリップ角は、90°よりも20%小さい角度、つまり、72°になる。したがって、磁化ベクトルは、−y軸を中心にして72°回転する。
ここで、コンポジットパルスBの印加直前における磁化ベクトル(図12(d)参照)と、コンポジットパルスBの印加直後における磁化ベクトル(図12(g)参照)とを比較すると、磁化ベクトルV1は、コンポジットパルスBにより、−x軸を中心にして180°に近い角度だけ回転していることがわかる。同様に、磁化ベクトルV2も、コンポジットパルスBにより、−x軸を中心にして180°に近い角度だけ回転していることがわかる。図12(g)では、磁化ベクトルV1およびV2のみが図示されているが、図示されていない残りの磁化ベクトルも、コンポジットパルスBにより、−x軸を中心にして180°に近い角度だけ回転している。したがって、B1不均一により、RFパルスのフリップ角が20%小さくなる場合であっても、コンポジットパルスBを印加することにより、磁化ベクトルを−x軸を中心に180°に近い角度だけ回転させることができる。コンポジットパルスBを印加した後、MPGが印加される。
また、時点t14〜t21の間に、分散していた磁化ベクトルが収束する。図12(h)に、時点t14〜t21の間に収束した磁化ベクトルを示す。図12(h)を参照すると、磁化ベクトルは、B1不均一の影響を受けて完全には収束していない。ただし、磁化ベクトルV2は磁化ベクトルV1に十分に近い位置に収束するので、磁化ベクトルの頂点で囲まれる面S4の面積は十分に小さくなることがわかる。尚、磁化ベクトルV1およびV2の位置はy軸からずれているので、磁化ベクトルV1およびV2は、Mx成分を含んでいることがわかる。時点t21の直後に、コンポジットパルスCが印加される。
コンポジットパルスCでは、先ず、90パルスP21が印加される。図12(i)に、90パルスP21が印加された直後の時点t22における磁化ベクトルを示す。ΔB1=−20%であるので、90パルスP21のフリップ角は、90°よりも20%小さい角度、つまり、72°になる。したがって、磁化ベクトルは、y軸を中心として72°回転するので、磁化ベクトルに含まれているMx成分(図12(h)参照)の大部分を、Mz成分に戻すことができる。90パルスP21が印加された直後に、90パルスP22が印加される。
図12(j)に、90パルスP22が印加された直後の時点t23における磁化ベクトルVを示す。ΔB1=−20%であるので、90パルスP22のフリップ角は、90°よりも20%小さい角度、つまり、72°になる。したがって、磁化ベクトルは、x軸を中心として72°回転する。90パルスP22によって、面S4は、z軸の近傍に位置していることがわかる。
したがって、ΔB1=−20%であっても、コンポジットパルスA、B、およびCを用いることにより、磁化ベクトルの縦磁化MzがMz=1に近い値に戻ることがわかる。ここで、図12(j)に示す面S4を、単一RFパルスのプリパレーションシーケンスDPを実行したときに得られる面S1(図6(f)参照)と比較し、面S1と面S4との違いについて説明する。
図13は、面S1と面S4と違いの説明図である。
図13(a)は、左側から順に、面S1と、面S1のy軸方向への投影プロファイルS1yと、面S1のx軸方向への投影プロファイルS1xとを示す図である。
一方、図13(b)は、左側から順に、面S4と、面S4のy軸方向への投影プロファイルS4yと、面S4のx軸方向への投影プロファイルS4xとを示す図である。
図13(a)と図13(b)とを比較すると、面S4は面S1よりも面積が十分に小さくなっている。したがって、コンポジットパルスを用いたプリパレーションシーケンスDPは、単一RFパルスを用いたプリパレーションシーケンスDPよりも、縦磁化Mzを1に近い値に戻せることができるので、高品質な画像を取得することができる。
次に、図14について説明する。
図14は、ΔB1=20%およびΔB0=0Hzにおける磁化ベクトルの挙動を表すシミュレーション結果の説明図である。
プリパレーションシーケンスDPでは、先ず、コンポジットパルスAの90パルスP01が印加される。図14(a)に、90パルスP01が印加される直前の時点t0における磁化ベクトルVを示し、図14(b)に、90パルスP01が印加された直後の時点t01における磁化ベクトルVを示す。ΔB1=20%であるので、90パルスP01のフリップ角は、90°よりも20%大きい角度、つまり、108°になる。したがって、磁化ベクトルVは、x軸を中心として108°回転するので、磁化ベクトルVにはMz成分が残る。90パルスP01の直後に、90パルスP02が印加される。
図14(c)に、90パルスP02が印加された直後の時点t02における磁化ベクトルVを示す。ΔB1=20%であるので、90パルスP02のフリップ角は、90°よりも20%大きい角度、つまり、108°になる。したがって、磁化ベクトルVは、y軸を中心として108°回転する。これにより、磁化ベクトルVのMz成分の大部分がMx成分に変換されるので、磁化ベクトルVのMz成分を十分に小さくすることができる。コンポジットパルスAが印加された後、MPGが印加される。
また、時点t02〜t11の間に、磁化ベクトルの位相が分散する。図14(d)に、時点t02〜t11までの間に生じた位相分散を示す。位相分散により、0°〜360°の間の任意の位相を持つベクトルが現れるが、図14(d)では、説明の便宜上、分散した磁化ベクトルを、2本の磁化ベクトルV1およびV2で示してある。磁化ベクトルV1は位相が0°であり、一方、磁化ベクトルV2は位相が180°である。また、図14(d)には、位相分散により発生した磁化ベクトルの頂点で囲まれる面Sを示してある。時点t11の直後に、コンポジットパルスBが印加される。
コンポジットパルスBでは、先ず、90−yパルスP11が印加される。図14(e)に、90−yパルスP11が印加された直後の時点t12における磁化ベクトルを示す。ΔB1=20%であるので、90−yパルスP11のフリップ角は、90°よりも20%大きい角度、つまり、108°になる。したがって、磁化ベクトルは、−y軸を中心にして108°回転する。90−yパルスP11が印加された直後に、180−xパルスP12が印加される。
図14(f)に、180−xパルスP12が印加された直後の時点t13における磁化ベクトルを示す。ΔB1=20%であるので、180−xパルスP12のフリップ角は、180°よりも20%大きい角度、つまり、216°になる。したがって、磁化ベクトルは、−x軸を中心として216°回転する。180−xパルスP12が印加された直後に、90−yパルスP13が印加される。
図14(g)に、90−yパルスP13が印加された直後の時点t14における磁化ベクトルを示す。ΔB1=20%であるので、90−yパルスP13のフリップ角は、90°よりも20%大きい角度、つまり、108°になる。したがって、磁化ベクトルは、−y軸を中心にして108°回転する。
ここで、コンポジットパルスBの印加直前における磁化ベクトル(図14(d)参照)と、コンポジットパルスBの印加直後における磁化ベクトル(図14(g)参照)とを比較すると、磁化ベクトルV1は、コンポジットパルスBにより、−x軸を中心にして180°に近い角度だけ回転していることがわかる。同様に、磁化ベクトルV2も、コンポジットパルスBにより、−x軸を中心にして180°に近い角度だけ回転していることがわかる。図14(g)では、磁化ベクトルV1およびV2のみが図示されているが、図示されていない残りの磁化ベクトルも、コンポジットパルスBにより、−x軸を中心にして180°に近い角度だけ回転している。したがって、B1不均一により、RFパルスのフリップ角が20%大きくなる場合であっても、コンポジットパルスBを印加することにより、磁化ベクトルを−x軸を中心に180°に近い角度だけ回転させることができる。コンポジットパルスBを印加した後、MPGが印加される。
また、時点t14〜t21の間に、MPGが印加されている間に、分散していた磁化ベクトルが収束する。図14(h)に、時点t14〜t21の間に収束した磁化ベクトルを示す。図14(h)を参照すると、磁化ベクトルは、B1不均一の影響を受けて完全には収束していない。ただし、磁化ベクトルV2は磁化ベクトルV1に十分に近い位置に収束するので、磁化ベクトルの頂点で囲まれる面S5の面積は十分に小さくなることがわかる。尚、磁化ベクトルV1およびV2の位置はy軸からずれているので、磁化ベクトルV1およびV2は、Mx成分を含んでいることがわかる。時点t21の直後に、コンポジットパルスCが印加される。
コンポジットパルスCでは、先ず、90パルスP21が印加される。図14(i)に、90パルスP21が印加された直後の時点t22における磁化ベクトルを示す。ΔB1=20%であるので、90パルスP21のフリップ角は、90°よりも20%大きい角度、つまり、108°になる。したがって、磁化ベクトルは、y軸を中心として108°回転するので、磁化ベクトルに含まれているMx成分(図14(h)参照)の大部分を、Mz成分に戻すことができる。90パルスP21が印加された直後に、90パルスP22が印加される。
図14(j)に、90パルスP22が印加された直後の時点t23における磁化ベクトルVを示す。ΔB1=20%であるので、90パルスP22のフリップ角は、90°よりも20%大きい角度、つまり、108°になる。したがって、磁化ベクトルは、x軸を中心として108°回転する。90パルスP22によって、磁化ベクトルはz軸の近傍に戻るので、磁化ベクトルの縦磁化MzをMz=1に近い値に戻すことができる。
したがって、ΔB1=20%であっても、コンポジットパルスを用いることにより、磁化ベクトルの縦磁化MzがMz=1に近い値に戻ることがわかる。ここで、図14(j)に示す面S5を、単一RFパルスのプリパレーションシーケンスDPを実行したときに得られる面S2(図7(f)参照)と比較し、面S2と面S5との違いについて説明する。
図15は、面S2と面S5と違いの説明図である。
図15(a)は、左側から順に、面S2と、面S2のy軸方向への投影プロファイルS2yと、面S2のx軸方向への投影プロファイルS2xとを示す図である。
一方、図15(b)は、左側から順に、面S5と、面S5のy軸方向への投影プロファイルS5yと、面S5のx軸方向への投影プロファイルS5xとを示す図である。
図15(a)と図15(b)とを比較すると、面S5は面S2よりも面積が十分に小さくなっている。したがって、ΔB1=20%であっても、コンポジットパルスを用いたプリパレーションシーケンスDPは、単一RFパルスを用いたプリパレーションシーケンスDPよりも、縦磁化Mzを1に近い値に戻せることができるので、高品質な画像を取得することができる。
尚、上記の説明では、(ΔB0,ΔB1)として、3通りの組合せ、つまり、(0Hz,0%)、(0Hz,−20%)、および(0Hz,20%)について考察した。しかし、上記のコンポジットパルスA、B、およびCを用いることにより、(ΔB0,ΔB1)が別の値の組合せであっても、磁化ベクトルの縦磁化Mzを1に近い値に戻すことができる。このことを検証するため、ΔB1およびΔB0を変更し、プリパレーションシーケンスDP(図10参照)を実行した直後(コンポジットパルスCを印加した直後)の磁化ベクトルの縦磁化の値を調べるためのシミュレーションを行った。以下に、シミュレーション結果について説明する(図16参照)。
図16は、シミュレーション結果を示す図である。
図16(a)は、コンポジットパルスを用いたプリパレーションシーケンスDP(図10参照)のシミュレーション結果を示す図である。
図16(a)には、プリパレーションシーケンスDPを実行した直後の縦磁化の値を表すMzマップH1が示されている。MzマップH1の横軸はΔB1を表しており、縦軸はΔB0を表している。また、MzマップH1では、縦磁化Mzの値を白黒の明るさで示してある。MzマップH1の色が白に近いほど縦磁化が大きく、色が黒に近いほど縦磁化は小さいことを意味している。
また、MzマップH1の右側には、2つのプロファイルF11およびF12が示されている。プロファイルF11は、MzマップH1のΔB0=0HzにおけるMzを表している。一方、プロファイルF12は、MzマップH1のΔB1=0%におけるMzを表している。
一方、図16(b)は、比較例として、単一RFパルスを用いたプリパレーションシーケンスDP(図4参照)のシミュレーション結果を示している。
図16(b)には、プリパレーションシーケンスDPを実行した直後の縦磁化の値を表すMzマップH2が示されている。また、MzマップH2の右側には、2つのプロファイルF21およびF22が示されている。プロファイルF21は、MzマップH2のΔB0=0HzにおけるMzを表している。一方、プロファイルF12は、MzマップH2のΔB1=0%におけるMzを表している。
図16(a)と図16(b)とを比較すると、プリパレーションシーケンスDPにより得られたMzマップH1は、プリパレーションシーケンスDPにより得られたMzマップH2よりも、Mz=1に近い値を持つ領域が広範囲に広がっている。したがって、コンポジットパルスは、単一RFパルスよりも、B0不均一やB1不均一の影響を受けにくいことがわかる。特に、MzマップH1の領域R(ΔB1=−25%〜+25%およびΔB0=−250Hz〜+250Hzの範囲)の内側は、ΔB0およびΔB1の値に関わらず、縦磁化Mzの値のばらつきが小さいことがわかる。したがって、コンポジットパルスを用いることにより、B0不均一やB1不均一の影響を受けにくくすることができるので、高品質な画像を取得できることがわかる。
尚、プリパレーションシーケンスDP(図10参照)では、λ=180°に設定されている(表1参照)。しかし、λは180°に限定されることはなく、λを180°以外の値に設定してもよい。表2はλ=0°に設定した例を示し、表3はλ=50°に設定した例を示す。
表2および表3は、表1と比較すると、λの値が異なっているが、(α,β,φ,θ,m,m)の値は同じである。
次に、(α,β,φ,θ,λ,m,m)が表2の値に設定された場合のプリパレーションシーケンスと、(α,β,φ,θ,λ,m,m)が表3の値に設定された場合のプリパレーションシーケンスについて順に考察する。
図17は、(α,β,φ,θ,λ,m,m)が表2の値に設定された場合のプリパレーションシーケンスDPを示す図である。
図17(a)は、コンポジットパルスAの説明図である。
α、φの値に変化はないので、αφ0パルスP01は、図10と同様に、90パルスである。また、β、θにも変化はないので、βθ0パルスP02は、図10と同様に、90パルスである。
図17(b)は、コンポジットパルスBの説明図である。
先ず、2αφ1パルスP12について説明する。
2αφ1パルスP12のフリップ角は2α=180°である。また、2αφ1パルスP12の位相φは、式(4)に、φ=0°、λ=0°、m=0を代入することにより求められる。
φ=φ+λ+90°×m
=0°+0°+90°×0
=0°
したがって、2αφ1パルスP12は、フリップ角が2α=180°に設定され、位相がφ=0°(つまり、x軸)に設定された180°パルスとなる。
次に、βθ1パルス(P11およびP13)について説明する。
βθ1パルス(P11およびP13)のフリップ角は、β=90°である。また、βθ1パルス(P11およびP13)の位相θは、式(6)に、θ=90°、λ=0°、m=0を代入することにより求められる。
θ=φ+λ+90°×m
=90°+0°+90°×0
=90°
したがって、βθ1パルス(P11およびP13)は、フリップ角がβ=90°に設定され、位相がθ=90°(つまり、y軸)に設定された90パルスとなる。
図17(c)はコンポジットパルスCの説明図である。
先ず、βθ2パルスP21について説明する。
βθ2パルスP21のフリップ角はβ=90°である。また、βθ2パルスP21の位相θは、式(10)に、θ=90°、λ=0°、m=0を代入することにより求められる。
θ=θ+2λ+90°×m
=90°+2×0°+90°×0
=90°
したがって、βθ2パルスP21は、フリップ角がβ=90°に設定され、位相がθ=90°(つまり、y軸)に設定された90パルスとなる。
次に、αφ2パルスP22について説明する。
αφ2パルスP22のフリップ角は、α=90°に設定される。また、αφ2パルスP22の位相φは、式(12)に、φ=0°、λ=0°、m=0を代入することにより求められる。
φ=φ+2λ+90°×m
=0°+2×0°+90°×0
=0°
したがって、αφ2パルスP22は、フリップ角がα=90°に設定され、位相がφ=0°(つまり、x軸)に設定された90パルスとなる。
次に、(α,β,φ,θ,λ,m,m)が表3の値に設定された場合のプリパレーションシーケンスについて順に考察する。
図18は、(α,β,φ,θ,λ,m,m)が表3の値に設定された場合のプリパレーションシーケンスDPを示す図である。
図18(a)は、コンポジットパルスAの説明図である。
αφ0パルスP01は90パルスであり、βθ0パルスP02は90パルスである。
図18(b)は、コンポジットパルスBの説明図である。
先ず、2αφ1パルスP12について説明する。
2αφ1パルスP12のフリップ角は2α=180°である。また、2αφ1パルスP12の位相φは、式(4)に、φ=0°、λ=50°、m=0を代入することにより求められる。
φ=φ+λ+90°×m
=0°+50°+90°×0
=50°
したがって、2αφ1パルスP12の位相φはφ=50°に設定される。
次に、βθ1パルス(P11およびP13)について説明する。
βθ1パルス(P11およびP13)のフリップ角は、β=90°である。また、βθ1パルス(P11およびP13)の位相θは、式(6)に、θ=90°、λ=50°、m=0を代入することにより求められる。
θ=φ+λ+90°×m
=90°+50°+90°×0
=140°

したがって、βθ1パルス(P11およびP13)の位相θは、θ=140°に設定される。
図18(c)はコンポジットパルスCの説明図である。
先ず、βθ2パルスP21について説明する。
βθ2パルスP21のフリップ角はβ=90°である。また、βθ2パルスP21の位相θは、式(10)に、θ=90°、λ=50°、m=0を代入することにより求められる。
θ=θ+2λ+90°×m
=90°+2×50°+90°×0
=190°

したがって、βθ2パルスP21の位相θはθ=190°に設定される。
次に、αφ2パルスP22について説明する。
αφ2パルスP22のフリップ角は、α=90°に設定される。また、αφ2パルスP22の位相φは、式(12)に、φ=0°、λ=50°、m=0を代入することにより求められる。
φ=φ+2λ+90°×m
=0°+2×50°+90°×0
=100°

したがって、αφ2パルスP22の位相φはφ=100°に設定される。
図17および図18を比較すると、λの値に応じて、コンポジットパルスBおよびCの位相が変化することがわかる。
次に、図17のプリパレーションシーケンスDPおよび図18のプリパレーションシーケンスDPについて、磁化ベクトルの挙動を調べるためのシミュレーションを行った。図19および図20に、シミュレーション結果を示す。尚、シミュレーション条件は、ΔB1=−20%、ΔB0=0Hzである。
図19は、プリパレーションシーケンスDPのシミュレーション結果を示す図であり、図20は、プリパレーションシーケンスDPのシミュレーション結果を示す図である。図19(j)および図20(j)を参照すると、どちらの場合でも、磁化ベクトルの縦磁化は、1に近い値に戻ることがわかる。上記の説明では、λ=0°、50°、および180°の場合について示されているが、λを他の値に設定しても、磁化ベクトルの縦磁化を1に近い値に戻すことができる。
尚、表1、表2、および表3では、αとβは、(α,β)=(90°,90°)に設定されている。しかし、(α,β)は(90°,90°)に限定されることはない。表4に、(α,β)を(112.5°,75°)に設定した例を示す。
また、表1、表2、および表3では、φおよびθは、(φ,θ)=(0°,90°)に設定されている。したがって、φとθとの絶対値|φ−θ|は、以下の値に設定されている。
|φ−θ|=|0°−90°|
=|−90°|
=90°
しかし、絶対値|φ−θ|の値は|φ−θ|=90°に限定されることはなく、|φ−θ|≠90°でもよい。表5に、|φ−θ|≠90°の一例を示す。
表5では、φ=0°、θ=100°であるので、|φ−θ|=100°の例が示されている。また、表5では、(α,β)=(120°,70°)である。
ここで、(α,β,φ,θ,λ,m,m)を表4の値に設定したプリパレーションシーケンスと、(α,β,φ,θ,λ,m,m)を表5の値に設定したプリパレーションシーケンスについて順に考察する。
図21は、(α,β,φ,θ,λ,m,m)を表4の値に設定したプリパレーションシーケンスDPを示す図である。尚、図21プリパレーションシーケンスDPは、図10のプリパレーションシーケンスDPと比較すると、フリップ角が異なるが、位相は同じである。したがって、図21のプリパレーションシーケンスDPについては、フリップ角のみを説明する。
コンポジットパルスAでは(図21(a)参照)、αφ0パルスP01はフリップ角がα=112.5°に設定され、βθ0パルスP02はフリップ角がβ=75°に設定される。
コンポジットパルスBでは(図21(b)参照)、2αφ1パルスP12のフリップ角は2α=2×112.5°=225°に設定され、βθ1パルス(P11およびP13)のフリップ角はβ=75°に設定される。
コンポジットパルスCでは(図21(c)参照)、βθ2パルスP21のフリップ角はβ=75°に設定され、αφ2パルスP22のフリップ角はα=112.5°に設定される。
次に、(α,β,φ,θ,λ,m,m)が表5の値に設定された場合のプリパレーションシーケンスについて順に考察する。
図22は、(α,β,φ,θ,λ,m,m)が表5の値に設定された場合のプリパレーションシーケンスDPを示す図である。
図22(a)は、コンポジットパルスAの説明図である。
α=120°、φ=0°であるので、αφ0パルスP01は、フリップ角がα=120°に設定され、位相がφ=0°(つまり、x軸)に設定された120パルスとなる。また、β=70°、θ=100°であるので、βθ0パルスP02は、フリップ角がβ=70°に設定され、位相がθ=100°に設定された70θ0=100°パルスとなる。
図22(b)は、コンポジットパルスBの説明図である。
先ず、2αφ1パルスP12について説明する。
2αφ1パルスP12のフリップ角は2α=2×120°=240°である。また、2αφ1パルスP12の位相φは、式(4)に、φ=0°、λ=180°、m=0を代入することにより求められる。
φ=φ+λ+90°×m
=0°+180°+90°×0
=180°
したがって、2αφ1パルスP12は、フリップ角が2α=240°に設定され、位相がφ=180°(つまり、−x軸)に設定された240°−xパルスとなる。
る。
次に、βθ1パルス(P11およびP13)について説明する。
βθ1パルス(P11およびP13)のフリップ角は、β=70°である。また、βθ1パルス(P11およびP13)の位相θは、式(6)に、θ=100°、λ=180°、m=0を代入することにより求められる。
θ=φ+λ+90°×m
=100°+180°+90°×0
=280°

したがって、βθ1パルス(P11およびP13)は、フリップ角がβ=70°に設定され、位相がθ=280°に設定された70θ1=280°パルスとなる。
図22(c)はコンポジットパルスCの説明図である。
先ず、βθ2パルスP21について説明する。
βθ2パルスP21のフリップ角はβ=70°である。また、βθ2パルスP21の位相θは、式(10)に、θ=100°、λ=180°、m=0を代入することにより求められる。
θ=θ+2λ+90°×m
=100°+2×180°+90°×0
=460°
位相は360°ごとに等価となるので、θ=460°はθ=100°である。したがって、βθ2パルスP21は、フリップ角がβ=70°に設定され、位相がθ=100°に設定された70θ2=100°パルスとなる。
次に、αφ2パルスP22について説明する。
αφ2パルスP22のフリップ角は、α=120°に設定される。また、αφ2パルスP22の位相φは、式(12)に、φ=0°、λ=180°、m=0を代入することにより求められる。
φ=φ+2λ+90°×m
=0°+2×180°+90°×0
=360°
位相は360°ごとに等価となるので、φ=360°はφ=0°である。したがって、αφ2パルスP22は、フリップ角がα=120°に設定され、位相がφ=0°(つまり、x軸)に設定された120パルスとなる。
図21および図22のプリパレーションシーケンスDPおよびDPは、図10に示すシーケンスDPと同様に、撮影部位内でB0不均一やB1不均一が発生しても、磁化ベクトルの縦磁化Mzを1に近い値に戻すことができる。このことを検証するため、ΔB0およびΔB1を変更し、図21および図22のプリパレーションシーケンスDPおよびDPを実行した直後(コンポジットパルスCを印加した直後)の磁化ベクトルの縦磁化の値を調べるためのシミュレーションを行った。以下に、シミュレーション結果について説明する(図23参照)。
図23は、シミュレーション結果を示す図である。
図23(a)は、図21のプリパレーションシーケンスDPのシミュレーション結果を示す図である。
図23(a)には、プリパレーションシーケンスDPを実行した直後の縦磁化の値を表すMzマップH3が示されている。MzマップH3の右側には、2つのプロファイルF31およびF32が示されている。プロファイルF31は、MzマップH3のΔB0=0HzにおけるMzを表している。一方、プロファイルF32は、MzマップH3のΔB1=0%におけるMzを表している。
一方、図23(b)は、図22のプリパレーションシーケンスDPのシミュレーション結果を示している。
図23(b)には、プリパレーションシーケンスDPを実行した直後の縦磁化の値を表すMzマップH4が示されている。MzマップH4の右側には、2つのプロファイルF41およびF42が示されている。プロファイルF41は、MzマップH4のΔB0=0HzにおけるMzを表している。一方、プロファイルF42は、MzマップH4のΔB1=0%におけるMzを表している。
図23(a)および(b)を参照すると、Mz=1に近い値を持つ領域が広範囲に渡って広がっていることがわかる。特に、MzマップH3およびH4の領域R(ΔB1=−25%〜+25%およびΔB0=−250Hz〜+250Hzの範囲)の内側は、ΔB0およびΔB1の値に関わらず、縦磁化Mzの値のばらつきが小さいことがわかる。したがって、表4や表5の値を持つコンポジットパルスを用いることにより、B0不均一やB1不均一の影響を更に受けにくくすることができるので、より高品質な画像を取得することができる。尚、表5では、|φ−θ|=100°、すなわち、|φ−θ|>90°の例が示されている。しかし、|φ−θ|を|φ−θ|<90°に設定してもよい。
また、上記の例では、リフォーカスパルスの役割を果たすコンポジットパルスBを1回印加する例について説明したが、本発明では、コンポジットパルスBがn(≧1)回印加されるように構成してもよい。以下に、コンポジットパルスBがn回印加される例について説明する。
図24は、コンポジットパルスBをn回印加するときのプリパレーションシーケンスDPを示す図である。
プリパレーションシーケンスDPは、コンポジットパルスAと、n(≧1)個のコンポジットパルスBと、コンポジットパルスCとを有している。尚、図24では、n個のコンポジットパルスBを区別するために、記号「B」に、添字「1」、「2」、・・・「n」を付してある。以下、コンポジットパルスA、コンポジットパルスB〜B、およびコンポジットパルスCについて順に説明する。
(1)コンポジットパルスAについて
図24(a)は、コンポジットパルスAの説明図である。
コンポジットパルスAは、先に説明したコンポジットパルスA(図9(a)参照)と同じである。αφ0パルスP01は、フリップ角がαに設定され、位相がφ(xy面内においてx軸に対して角度φだけ回転した軸:φ軸)に設定されたRFパルスである。一方、βθ0パルスP02は、フリップ角がβに設定され、位相がθ(xy面内においてx軸に対して角度θだけ回転した軸:θ軸)に設定されたRFパルスである。
(2)コンポジットパルスB〜Bについて
先ず、n個のコンポジットパルスB〜Bのうちのk番目のコンポジットパルスBについて考える。k番目のコンポジットパルスBは、βθkパルスPk1、2αφkパルスPk2、およびβθkパルスPk3を有している。
図24(b)は、k番目のコンポジットパルスBの説明図である。
先ず、2αφkパルスPk2について説明する。
2αφkパルスPk2は、フリップ角が2αに設定され、位相がφ(xy面内においてx軸に対して角度φだけ回転した軸:φ軸)に設定されたRFパルスを表している。φは、以下の式を満たすように設定される。
φ=φ+λ ・・・(13)
ここで、φ:コンポジットパルスAのαφ0パルスP01の位相
λ:位相差
式(13)のλは、kを用いて以下の式で表される。
λ=kλ+δ×m ・・・(14)
ここで、λ:角度
δ:80°≦δ≦100°の範囲内の角度
:整数
本形態では、式(14)のδは、δ=90°であるとする。したがって、式(14)は、以下の式で表される。
λ=kλ+90°×m ・・・(15)
したがって、式(15)を式(13)に代入すると、φは、以下の式で表すことができる。
φ=φ+kλ+90°×m ・・・(16)
次に、βθkパルス(Pk1およびPk3)について説明する。
βθkパルス(Pk1およびPk3)は、フリップ角がβに設定され、位相がθ(xy面内においてx軸に対して角度θだけ回転した軸:θ軸)に設定されたRFパルスを表している。θは、以下の式を満たすように設定される。
θ=θ+λ ・・・(17)
ここで、θ:コンポジットパルスAのβθ0パルスP02の位相
λ:位相差
式(17)のλは、式(13)のλと同様に、式(15)で表される。したがって、式(15)を式(17)に代入すると、θは以下の式で表すことができる。
θ=θ+kλ+90°×m ・・・(18)
(3)コンポジットパルスCについて
図24(c)は、コンポジットパルスCの説明図である。
コンポジットパルスCは、磁化ベクトルの横磁化を縦磁化に戻すためのフリップバックパルスであり、βθn+1パルスPn+1,1およびαφn+1パルスPn+1,2を有している。
先ず、βθn+1パルスPn+1,1について説明する。
βθn+1パルスPn+1,1は、フリップ角がβに設定され、位相がθn+1(xy面内においてx軸に対して角度θn+1だけ回転した軸:θn+1軸)に設定されたRFパルスを表している。θn+1は、以下の式を満たすように設定される。
θn+1=θ+λn+1 ・・・(19)
ここで、θ:コンポジットパルスAのβθ0パルスP02の位相
λn+1:位相差
式(19)のλn+1は、n+1を用いて以下の式で表される。
λn+1=(n+1)λ+δn+1×mn+1 ・・・(20)
ここで、λ:角度
δn+1:80°≦δn+1≦100°の範囲内の角度
n+1:整数
本形態では、式(20)のδn+1は、δn+1=90°であるとする。したがって、式(20)は、以下の式で表される。
λn+1=(n+1)λ+90°×mn+1 ・・・(21)
したがって、式(21)を式(19)に代入すると、θn+1は以下の式で表すことができる。
θn+1=θ+(n+1)λ+90°×mn+1 ・・・(22)
次に、αφn+1パルスPn+1,2について説明する。
αφn+1パルスPn+1,2は、フリップ角がαに設定され、位相がφn+1(xy面内においてx軸に対して角度φn+1だけ回転した軸:φn+1軸)に設定されたRFパルスを表している。φn+1は、以下の式を満たすように設定される。
φn+1=φ+λn+1 ・・・(23)
ここで、φ:コンポジットパルスAのαφ0パルスP01の位相
λn+1:位相差
式(23)のλn+1は、式(19)のλn+1と同様に、式(21)で表される。したがって、式(21)を式(23)に代入すると、φn+1は、以下の式で表すことができる。
φn+1=φ+(n+1)λ+90°×mn+1 ・・・(24)
図24に示すプリパレーションシーケンスDPは、上記のように構成されている。nの値は、任意の整数値に設定することができる。図24において、n=1に設定した例が、図9に示すプリパレーションシーケンスDPを表している。ここで、n≧2のプリパレーションシーケンスDPの一例について考察する。図25に、n≧2のプリパレーションシーケンスDPの一例として、n=3のプリパレーションシーケンスDPが示されている。n=3の場合、プリパレーションシーケンスDPは、コンポジットパルスA、コンポジットパルスB1、B2、およびB3、並びにコンポジットパルスCを有する。
ここで、n=3の場合のコンポジットパルスDPのフリップ角および位相を理解しやすくするために、パラメータ(α,β,φ,θ,λ)が、表6に示す値に設定されている場合について考える。
この場合、コンポジットパルスのフリップ角および位相は、図26のように示される。図26では、プリパレーションシーケンスを符号「DP」で示してある。以下、図26に示すプリパレーションシーケンスDPについて説明する。
(1)コンポジットパルスAについて
図26(a)は、コンポジットパルスAの説明図である。
α=120°、φ=0°であるので、αφ0パルスP01は、フリップ角がα=120°に設定され、位相がφ=0°(つまり、x軸)に設定された120パルスとなる。また、β=70°、θ=100°であるので、βθ0パルスP02は、フリップ角がβ=70°に設定され、位相がθ=100°に設定された70θ0=100°パルスとなる。
(2)コンポジットパルスBについて
図26(b1)は、コンポジットパルスBの説明図である。
先ず、2αφ1パルスP12について説明する。
2αφ1パルスP12のフリップ角は2α=2×120=240°である。
また、2αφ1パルスP12の位相φは、式(16)に、k=1、φ=0°、λ=0°を代入することにより求められる。
φ=φ+kλ+90°×m
φ=φ+λ+90°×m
=0°+0°+90°×m
=90°×m ・・・・・・・・・(25)
したがって、2αφ1パルスP12は、フリップ角が2α=240°に設定され、位相がφ=90°×mに設定された240φ1=90°×m1パルスとなる。
次に、βθ1パルス(P11およびP13)について説明する。
βθ1パルス(P11およびP13)のフリップ角はβ=70°である。
また、βθ1パルス(P11およびP13)の位相θは、式(18)に、k=1、θ=100°、λ=0°を代入することにより求められる。
θ=θ+kλ+90°×m
θ=θ+λ+90°×m
=100°+0°+90°×m
=100°+90°×m ・・・・・・・・・(26)
したがって、βθ1パルス(P11およびP13)は、フリップ角がβ=70°に設定され、位相がθ=100°+90°×mに設定された70θ1=100°+90°×m1パルスとなる。
(3)コンポジットパルスBについて
図26(b2)は、コンポジットパルスBの説明図である。
先ず、2αφ2パルスP22について説明する。
2αφ2パルスP22のフリップ角は2α=2×120=240°である。
また、2αφ2パルスP22の位相φは、式(16)に、k=2、φ=0°、λ=0°を代入することにより求められる。
φ=φ+kλ+90°×m
φ=φ+2λ+90°×m
=0°+2×0°+90°×m
=90°×m ・・・・・・・・・(27)
したがって、2αφ2パルスP22は、フリップ角が2α=240°に設定され、位相がφ=90°×mに設定された240φ2=90°×m2パルスとなる。
次に、βθ2パルス(P21およびP23)について説明する。
βθ2パルス(P21およびP23)のフリップ角はβ=70°である。
また、βθ2パルス(P21およびP23)の位相θは、式(18)に、k=2、θ=100°、λ=0°を代入することにより求められる。
θ=θ+kλ+90°×m
θ=θ+2λ+90°×m
=100°+2×0°+90°×m
=100°+90°×m ・・・・・・・・・(28)
したがって、βθ2パルス(P21およびP23)は、フリップ角がβ=70°に設定され、位相がθ=100°+90°×mに設定された70θ2=100°+90°×m2パルスとなる。
(4)コンポジットパルスBについて
図26(b3)は、コンポジットパルスBの説明図である。
先ず、2αφ3パルスP32について説明する。
2αφ3パルスP32のフリップ角は2α=2×120=240°である。
また、2αφ3パルスP32の位相φは、式(16)に、k=3、φ=0°、λ=0°を代入することにより求められる。
φ=φ+kλ+90°×m
φ=φ+3λ+90°×m
=0°+3×0°+90°×m
=90°×m ・・・・・・・・・(29)
したがって、2αφ3パルスP32は、フリップ角が2α=240°に設定され、位相がφ=90°×mに設定された240φ3=90°×m3パルスとなる。
次に、βθ3パルス(P31およびP33)について説明する。
βθ3パルス(P31およびP33)のフリップ角はβ=70°である。
また、βθ3パルス(P31およびP33)の位相θは、式(18)に、k=3、θ=100°、λ=0°を代入することにより求められる。
θ=θ+kλ+90°×m
θ=θ+3λ+90°×m
=100°+3×0°+90°×m
=100°+90°×m ・・・・・・・・・(30)
したがって、βθ3パルス(P31およびP33)は、フリップ角がβ=70°に設定され、位相がθ=100°+90°×mに設定された70θ3=100°+90°×m3パルスとなる。
(5)コンポジットパルスCについて
図26(c)は、コンポジットパルスCの説明図である。
先ず、βθ4パルスP41について説明する。
βθ4パルスP41のフリップ角はβ=70°である。また、βθ4パルスP41の位相θは、式(22)に、n=3、θ=100°、λ=0°を代入することにより求められる。
θn+1=θ+(n+1)λ+90°×mn+1
θ=θ+4λ+90°×m
=100°+4×0°+90°×m
=100°+90°×m ・・・・・・・・・(31)
したがって、βθ4パルスP41は、フリップ角がβ=70°で、位相がθ=100°+90°×mに設定された70θ4=100°+90°×m4パルスとなる。
次に、αφ4パルスP42について説明する。
αφ4パルスP42のフリップ角はα=120°である。また、αφ4パルスP42の位相φは、式(24)に、n=3、φ=0°、λ=0°を代入することにより求められる。
φn+1=φ+(n+1)λ+90°×mn+1
φ=φ+4λ+90°×m
=0°+4×0°+90°×m
=90°×m ・・・・・・・・・(32)
したがって、αφ4パルスP42は、フリップ角がα=120°に設定され、位相がφ=90×mに設定された120φ4=90°×m4パルスとなる。
ここで、式(25)〜(32)からわかるように、コンポジットパルスB、B、B、およびCの位相は、それぞれ、m、m、m、およびmの値に依存する。したがって、プリパレーションシーケンスDPを実行した直後の磁化ベクトルの縦磁化Mzの値は、(m,m,m,m)の値の組合せに応じて変化することがわかる。そこで、プリパレーションシーケンスDPを実行した直後の磁化ベクトルの縦磁化MzをMz=1(又は1に近い値)に戻すのに適した(m,m,m,m)の値の組合せを求めるためのシミュレーションを実行した。このシミュレーションから、(m,m,m,m)が以下の組み合わせのときに、良好な結果が得られることがわかった。
(m,m,m,m)=(1,0,1,0) ・・・(33)
式(33)の値を式(25)〜(32)に代入すると、位相(φ,θ)、(φ,θ)、(φ,θ)、および(φ,θ)は、以下の値となる。

(φ,θ)=(90°,190°) ・・・(34)
(φ,θ)=( 0°,100°) ・・・(35)
(φ,θ)=(90°,190°) ・・・(36)
(φ,θ)=( 0°,100°) ・・・(37)
図27に、位相が式(34)〜式(37)の値に設定されたときのプリパレーションシーケンスDPを示す。図27から、φ〜φは、0°(x軸)、90°(y軸)が交互に現れるように設定されており、一方、θ〜θは、100°、190°が交互に現れるように設定されていることがわかる。
図27のプリパレーションシーケンスDPは、撮影部位内でB0不均一やB1不均一が発生しても、磁化ベクトルの縦磁化Mzを1に近い値に戻すことができる。このことを検証するため、ΔB0およびΔB1を変更し、図27のプリパレーションシーケンスDPを実行した直後(コンポジットパルスCを印加した直後)の磁化ベクトルの縦磁化の値を調べるためのシミュレーションを行った。以下に、シミュレーション結果について説明する(図28参照)。
図28は、シミュレーション結果を示す図である。
図28には、図27のプリパレーションシーケンスDPを実行した直後の縦磁化の値を表すMzマップH5が示されている。MzマップH5の右側には、2つのプロファイルF51およびF52が示されている。プロファイルF51は、MzマップH5のΔB0=0HzにおけるMzを表している。一方、プロファイルF52は、MzマップH5のΔB1=0%におけるMzを表している。
図28を参照すると、Mz=1に近い値を持つ領域が広範囲に渡って広がっていることがわかる。したがって、コンポジットパルスを用いることにより、B0不均一やB1不均一の影響を受けにくくすることができるので、高品質な画像を取得できることがわかる。
尚、図25〜図28では、n=3の場合について説明されているが、nはn=3に限定されることはなく、任意の値に設定することができる。例えば、n=7に設定した場合について考える。n=7では、リフォーカスパルスの役割を果たすコンポジットパルスは、7回印加される。したがって、式(15)のmは、k=1〜7の整数、すなわち、(m,m,m,m,m,m,m)を考える必要がある。また、n=7であるので、式(21)のmn+1は、mn+1=mとなる。したがって、n=7の場合、磁化ベクトルの縦磁化Mzは、(m,m,m,m,m,m,m,m)の値に応じて変化する。そこで、磁化ベクトルの縦磁化MzをMz=1(又は1に近い値)に戻すのに適した(m,m,m,m,m,m,m,m)の値の組み合わせを求めるためのシミュレーションを実行した。このシミュレーションから、良好な結果が得られる(m,m,m,m,m,m,m,m)の組合せの例として、以下の組合せが得られた。
(m,m,m,m,m,m,m,m
=(1,0,1,1,0,1,0,0)
=(1,0,1,−1,0,−1,0,0)
=(2,2,0,2,2,0,0,0)
=(1,0,1,0,1,0,1,0)
=(1,0,1,−1,1,1,−1,0)
=(−1,0,−1,−1,0,−1,0,0)
=(0,2,2,2,2,0,0,0)
=(−1,0,−1,1,0,1,0,0)
=(0,2,2,0,2,2,0,0)
=(−1,0,−1,1,−1,−1,1,0)
=(1,0,1,0,0,2,2,0)
=(1,0,1,−1,−1,1,1,0)
=(1,0,1,0,2,2,0,0)
=(1,0,1,2,0,0,2,0)
=(1,0,1,1,−1,−1,1,0)
=(1,0,1,2,2,0,0,0)
以下に、上記の組み合わせの中から、(1,0,1,1,0,1,0,0)について得られたMzマップを示す。
図29に、(m,m,m,m,m,m,m,m)=(1,0,1,1,0,1,0,0)に設定したときのMzマップH6を示す。MzマップH6の右側には、2つのプロファイルF61およびF62が示されている。プロファイルF61は、MzマップH6のΔB0=0HzにおけるMzを表している。一方、プロファイルF62は、MzマップH6のΔB1=0%におけるMzを表している。
図29を参照すると、Mz=1に近い値を持つ領域が広範囲に渡って広がっていることがわかる。
尚、本形態では、φおよびθは、任意の値に設定することができる。したがって、φとθとの差の絶対値|φ−θ|は、|φ−θ|=90°に設定されていてもよいし、|φ−θ|>90°に設定されていてもよいし、|φ−θ|<90°に設定されていてもよい。
本形態では、δおよびδn+1(式(14)、式(20)参照)は、δ=δn+1=90°の場合について説明されている。しかし、δおよびδn+1は90°に近い値を有しているのであれば、90°に限定されることはない。一般的には、δおよびδn+1は、80°≦δ,δn+1≦100°の範囲に含まれていれば、高品質な画像を得ることが可能である。また、δおよびδn+1の値は、kの値およびn+1の値に応じて異なるように設定してもよい。
本形態では、プリパレーションシーケンスDP〜DPは、コンポジットパルスと次のコンポジットパルスとの間に、勾配磁場(MPG)を1つ有している。しかし、コンポジットパルスと次のコンポジットパルスとの間に、複数の勾配磁場を備えてもよい。また、複数の勾配磁場は、同じ極性でもよいし、異なる極性でもよい。また、複数の勾配磁場として、正の極性の勾配磁場と負の極性の勾配磁場との組合せからなるバイポーラの勾配磁場を備えてもよい。更に、コンポジットパルスと次のコンポジットパルスとの間に、勾配磁場を備えなくてもよい。勾配磁場を備えないことにより、局所磁場不均一に起因した位相の分散の情報を含む画像や、T2強調画像を取得することができる。
また、コンポジットパルスCを印加した直後に、横磁化を消去するためのキラー勾配磁場を印加してもよい。更に、コンポジットパルスAを印加する前に、脂肪抑制やT2強調を行うためのRFパルスを印加してもよい。
尚、プリパレーションシーケンスDP〜DPは、心拍信号や呼吸信号などの生体信号に同期して実行してもよい。
2 マグネット
3 テーブル
3a クレードル
4 受信コイル
5 送信器
6 勾配磁場電源
7 受信器
8 コンピュータ
9 プロセッサ
10 メモリ
11 操作部
12 表示部
13 被検体
21 ボア
91 画像作成手段
100 MR装置

Claims (27)

  1. 被検体の撮影部位からMR信号を収集するためのシーケンスを実行するスキャン手段を有する磁気共鳴装置であって、
    前記スキャン手段は、
    前記撮影部位を励起するために印加される第1のコンポジットパルスであって、フリップ角がαに設定され位相がφに設定されたαφ0パルスと、前記αφ0パルスの後に印加され、フリップ角がβに設定され位相がθに設定されたβθ0パルスとを有する第1のコンポジットパルスと、
    前記第1のコンポジットパルスの後に印加され、前記撮影部位内で分散した磁化ベクトルを再収束するためのn(≧1)個の第2のコンポジットパルスであって、n個の第2のコンポジットパルスのうちのk(1≦k≦n)番目の第2のコンポジットパルスが、フリップ角がβに設定され位相がθに設定されたβθkパルスと、前記βθkパルスの後に印加され、フリップ角が2αに設定され位相がφに設定された2αφkパルスと、前記2αφ パルスの後に印加され、フリップ角がβに設定され位相がθに設定されたβθkパルスとを有するように構成されたn個の第2のコンポジットパルスと、
    前記n個のコンポジットパルスの後に印加され、前記撮影部位の磁化ベクトルの横磁化を縦磁化に戻すための第3のコンポジットパルスであって、フリップ角がβに設定され位相がθn+1に設定されたβθn+1パルスと、前記βθn+1パルスの後に印加され、フリップ角がαに設定され位相がφn+1に設定されたαφn+1パルスとを有する第3のコンポジットパルスと、
    を含むシーケンスを実行し、
    θ、φ、θn+1、およびφn+1は、以下の式で表される磁気共鳴装置。

    θ=θ+λ
    φ=φ+λ
    θn+1=θ+λn+1
    φn+1=φ+λn+1

    ただし、λ=kλ+δ×m
    λn+1=(n+1)λ+δn+1×mn+1
    ここで、λ:角度
    δ:kの値に応じて定まる角度であって、80°≦δ≦100°の角度
    :kの値に応じて定まる整数
    δn+1:n+1の値に応じて定まる角度であって、80°≦δn+1≦100°の角度
    n+1:n+1の値に応じて定まる整数
  2. δ=δn+1=90°である、請求項1に記載の磁気共鳴装置。
  3. α=βである請求項1又は2に記載の磁気共鳴装置。
  4. α=β=90°である請求項3に記載の磁気共鳴装置。
  5. α≠βである請求項1又は2に記載の磁気共鳴装置。
  6. α>90°>βである請求項5に記載の磁気共鳴装置。
  7. φとθとの差の絶対値|φ−θ|が、|φ−θ|=90°に設定されている、請求項1〜のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  8. φとθとの差の絶対値|φ−θ|が、|φ−θ|>90°に設定されている、請求項1〜のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  9. φとθとの差の絶対値|φ−θ|が、|φ−θ|<90°に設定されている、請求項1〜のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  10. αおよびβが、それぞれα=112.5°およびβ=75°に設定され、φとθとの差の絶対値|φ−θ|が、|φ−θ|=90°に設定されている、請求項1又は2に記載の磁気共鳴装置。
  11. αおよびβが、それぞれα=120°およびβ=70°に設定され、φとθとの差の絶対値|φ−θ|が、|φ−θ|=100°に設定されている、請求項1又は2に記載の磁気共鳴装置。
  12. n=1であり、(m,m)=(0,0)である、請求項1〜11のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  13. n=3であり、(m,m,m,m)=(1,0,1,0)である、請求項1〜11のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  14. n=7であり、(m,m,m,m,m,m,m,m)は、以下のいずれかの組み合わせに設定されている、請求項1〜11のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
    (1,0,1,1,0,1,0,0)
    (1,0,1,−1,0,−1,0,0)
    (2,2,0,2,2,0,0,0)
    (1,0,1,0,1,0,1,0)
    (1,0,1,−1,1,1,−1,0)
    (−1,0,−1,−1,0,−1,0,0)
    (0,2,2,2,2,0,0,0)
    (−1,0,−1,1,0,1,0,0)
    (0,2,2,0,2,2,0,0)
    (−1,0,−1,1,−1,−1,1,0)
    (1,0,1,0,0,2,2,0)
    (1,0,1,−1,−1,1,1,0)
    (1,0,1,0,2,2,0,0)
    (1,0,1,2,0,0,2,0)
    (1,0,1,1,−1,−1,1,0)
    (1,0,1,2,2,0,0,0)
  15. 前記スキャン手段は、コンポジットパルスを印加した後、次のコンポジットパルスを印加する前に、勾配磁場を印加しない、請求項1〜14のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  16. 前記スキャン手段は、コンポジットパルスを印加した後、次のコンポジットパルスを印加する前に、勾配磁場を印加する、請求項1〜14のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  17. 前記スキャン手段は、極性が同じ複数の勾配磁場を印加する、請求項16に記載の磁気共鳴装置。
  18. 前記スキャン手段は、極性が異なる複数の勾配磁場を印加する、請求項16に記載の磁気共鳴装置。
  19. 前記複数の勾配磁場は、バイポーラの勾配磁場である、請求項18に記載の磁気共鳴装置。
  20. 前記勾配磁場は、拡散強調を行うための勾配磁場である、請求項1619のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  21. 前記スキャン手段は、前記第3のコンポジットパルスの後に、横磁化を消去するためのキラー勾配磁場を印加する、請求項1〜20のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  22. 前記スキャン手段は、前記シーケンスの後に、前記撮影部位からイメージングデータを収集するための他のシーケンスを実行する、請求項1〜21のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  23. 前記スキャン手段は、前記シーケンスを実行する前に、又は、前記シーケンスを終了してから前記他のシーケンスを開始するまでの間に、RFパルスを印加する、請求項22に記載の磁気共鳴装置。
  24. 前記RFパルスは、脂肪抑制パルス、又はT2強調を行うためのパルスである、請求項23に記載の磁気共鳴装置。
  25. 前記スキャン手段は、前記被検体の生体信号に同期して、前記シーケンスを実行する、請求項1〜24のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  26. 前記生体信号は、心拍信号および呼吸信号のうちの少なくともいずれか一方の信号である、請求項25に記載の磁気共鳴装置。
  27. 前記シーケンスは、血液の磁化ベクトルの縦磁化を、静止組織の磁化ベクトルの縦磁化よりも小さくする、請求項1〜26のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
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