JP6258162B2 - 磁気共鳴装置 - Google Patents
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Description
前記スキャン手段は、
前記撮影部位を励起するために印加される第1のコンポジットパルスであって、フリップ角がαに設定され位相がφ0に設定されたαφ0パルスと、前記αφ0パルスの後に印加され、フリップ角がβに設定され位相がθ0に設定されたβθ0パルスとを有する第1のコンポジットパルスと、
前記第1のコンポジットパルスの後に印加され、前記撮影部位内で分散した磁化ベクトルを再収束するためのn(≧1)個の第2のコンポジットパルスであって、n個の第2のコンポジットパルスのうちのk(1≦k≦n)番目の第2のコンポジットパルスが、フリップ角がβに設定され位相がθkに設定されたβθkパルスと、前記βθkパルスの後に印加され、フリップ角が2αに設定され位相がφkに設定された2αφkパルスと、前記2αφ1パルスの後に印加され、フリップ角がβに設定され位相がθkに設定されたβθkパルスとを有するように構成されたn個の第2のコンポジットパルスと、
前記n個のコンポジットパルスの後に印加され、前記撮影部位の磁化ベクトルの横磁化を縦磁化に戻すための第3のコンポジットパルスであって、フリップ角がβに設定され位相がθn+1に設定されたβθn+1パルスと、前記βθn+1パルスの後に印加され、フリップ角がαに設定され位相がφn+1に設定されたαφn+1パルスとを有する第3のコンポジットパルスと、
を含むシーケンスを実行し、
θk、φk、θn+1、およびφn+1は、以下の式で表される磁気共鳴装置である。
θk=θ0+λk
φk=φ0+λk
θn+1=θ0+λn+1
φn+1=φ0+λn+1
ただし、λk=kλ+δk×mk
λn+1=(n+1)λ+δn+1×mn+1
ここで、λ:角度
δk:kの値に応じて定まる角度であって、80°≦δk≦100°の角度
mk:kの値に応じて定まる整数
δn+1:n+1の値に応じて定まる角度であって、80°≦δn+1≦100°の角度
mn+1:n+1の値に応じて定まる整数
磁気共鳴装置(以下、「MR装置」と呼ぶ)100は、マグネット2、テーブル3、受信RFコイル(以下、「受信コイル」と呼ぶ)4などを有している。
受信コイル4は、被検体13からの磁気共鳴信号を受信する。
プロセッサ9は、画像作成手段91を構成する一例であり、メモリ10に記憶されたプログラムを実行することによりこの手段として機能する。
操作部11は、オペレータにより操作され、種々の情報をコンピュータ8に入力する。表示部12は種々の情報を表示する。
MR装置100は、上記のように構成されている。
図3において、SI方向は被検体の頭尾方向を表しており、RL方向は被検体の左右方向を表しており、AP方向は被検体の前後方向を表している。
図4では、スキャンSCを、複数の期間W1〜Wzに分けて示してある。
期間W1では、プリパレーションシーケンスDPおよびデータ収集シーケンスDAQが実行される。
尚、図5におけるシミュレーション条件は、以下の通りである。
(1)B0不均一およびB1不均一は発生していない。
(2)プリパレーションシーケンスDPの90xパルスP0が印加される直前の時点t0では、静止組織の磁化ベクトルVの縦磁化MzはMz=1である(図5(a)参照)。
(3)T2減衰、T1回復は無視する。
プリパレーションシーケンスDPでは、先ず、90xパルスP0が印加される。図5(a)に、90xパルスP0が印加される直前の時点t0における磁化ベクトルVを示し、図5(b)に、90xパルスP0が印加された直後の時点t1における磁化ベクトルVを示す。磁化ベクトルVは、90xパルスP0により、x軸を中心にして90°回転する。90xパルスP0が印加された後、MPGが印加される。
尚、図6におけるシミュレーション条件は、以下の通りである。
(1)B1不均一により、送信磁場強度が理想値からΔB1=−20%だけずれている。つまり、送信磁場強度は、理想値よりも20%小さい値である。
(2)撮影部位内では静磁場不均一は発生していない。つまり、静磁場不均一による周波数のずれ量ΔB0(Hz)はΔB0=0Hzである。
(3)90xパルスP0が印加される直前の時点t0では、静止組織の磁化ベクトルVの縦磁化MzはMz=1である(図6(a)参照)。
(4)T2減衰、T1回復は無視する。
プリパレーションシーケンスDPでは、先ず、90xパルスP0が印加される。図6(a)に、90xパルスP0が印加される直前の時点t0における磁化ベクトルVを示し、図6(b)に、90xパルスP0が印加された直後の時点t1における磁化ベクトルVを示す。ΔB1=−20%であるので、90xパルスP0のフリップ角は、90°よりも20%小さい角度、つまり、72°になる。したがって、磁化ベクトルVはx軸を中心として72°しか回転しないので、磁化ベクトルVにはMz成分が残る。90xパルスP0が印加された後、MPGが印加される。
尚、図7におけるシミュレーション条件は、以下の通りである。
(1)B1不均一により、送信磁場強度が理想値からΔB1=20%だけずれている。つまり、送信磁場強度は、理想値よりも20%大きい値である。
(2)撮影部位内では静磁場不均一は発生していない。つまり、静磁場不均一による周波数のずれ量ΔB0(Hz)はΔB0=0Hzである。
(3)90xパルスP0が印加される直前の時点t0では、静止組織の磁化ベクトルVの縦磁化MzはMz=1である(図7(a)参照)。
(4)T2減衰、T1回復は無視する。
プリパレーションシーケンスDPでは、先ず、90xパルスP0が印加される。図7(a)に、90xパルスP0が印加される直前の時点t0における磁化ベクトルVを示し、図7(b)に、90xパルスP0が印加された直後の時点t1における磁化ベクトルVを示す。ΔB1=20%であるので、90xパルスP0のフリップ角は、90°よりも20%大きい角度、つまり、108°になる。したがって、磁化ベクトルVはx軸を中心として108°回転するので、磁化ベクトルVにはMz成分が残る。90xパルスが印加された後、MPGが印加される。
本形態のプリパレーションシーケンスDP0は、コンポジットパルスA、コンポジットパルスB、およびコンポジットパルスCを有している。以下、3つのコンポジットパルスA、B、およびCについて順に説明する。
(1)コンポジットパルスAについて
コンポジットパルスAは、撮影部位を励起するための励起パルスであり、αφ0パルスP01およびβθ0パルスP02を有している。
αφ0パルスP01は、フリップ角がαに設定され、位相がφ0(xy面内においてx軸に対して角度φ0だけ回転した軸:φ0軸)に設定されたRFパルスを表している。
一方、βθ0パルスP02は、フリップ角がβに設定され、位相がθ0(xy面内においてx軸に対して角度θ0だけ回転した軸:θ0軸)に設定されたRFパルスを表している。
コンポジットパルスBは、磁化ベクトルを再収束させるためのリフォーカスパルスであり、βθ1パルスP11、2αφ1パルスP12、およびβθ1パルスP13を有している。
先ず、2αφ1パルスP12について説明する。
2αφ1パルスP12は、フリップ角が2αに設定され、位相がφ1(xy面内においてx軸に対して角度φ1だけ回転した軸:φ1軸)に設定されたRFパルスを表している。φ1は、以下の式を満たすように設定される。
φ1=φ0+λ1 ・・・(1)
ここで、φ0:コンポジットパルスAのαφ0パルスP01の位相
λ1:位相差
λ1=λ+δ1×m1 ・・・(2)
ここで、λ:角度
δ1:80°≦δ1≦100°の範囲内の角度
m1:整数
λ1=λ+90°×m1 ・・・(3)
φ1=φ0+λ+90°×m1 ・・・(4)
βθ1パルス(P11およびP13)は、フリップ角がβに設定され、位相がθ1(xy面内においてx軸に対して角度θ1だけ回転した軸:θ1軸)に設定されたRFパルスを表している。θ1は、以下の式を満たすように設定される。
θ1=θ0+λ1 ・・・(5)
ここで、θ0:コンポジットパルスAのβθ0パルスP02の位相
λ1:位相差
θ1=θ0+λ+90°×m1 ・・・(6)
コンポジットパルスCは、磁化ベクトルの横磁化を縦磁化に戻すためのフリップバックパルスであり、βθ2パルスP21およびαφ2パルスP22を有している。
先ず、βθ2パルスP21について説明する。
βθ2パルスP21は、フリップ角がβに設定され、位相がθ2(xy面内においてx軸に対して角度θ2だけ回転した軸:θ2軸)に設定されたRFパルスを表している。θ2は、以下の式を満たすように設定される。
θ2=θ0+λ2 ・・・(7)
ここで、θ0:コンポジットパルスAのβθ0パルスP02の位相
λ2:位相差
ここで、λ:角度
δ2:80°≦δ2≦100°の範囲内の角度
m2:整数
λ2=2λ+90°×m2 ・・・(9)
θ2=θ0+2λ+90°×m2 ・・・(10)
αφ2パルスP22は、フリップ角がαに設定され、位相がφ2(xy面内においてx軸に対して角度φ2だけ回転した軸:φ2軸)に設定されたRFパルスを表している。φ2は、以下の式を満たすように設定される。
φ2=φ0+λ2 ・・・(11)
ここで、φ0:コンポジットパルスAのαφ0パルスP01の位相
λ2:位相差
φ2=φ0+2λ+90°×m2 ・・・(12)
図10(a)は、コンポジットパルスAの説明図である。
α=90°、φ0=0°であるので、αφ0パルスP01は、フリップ角がα=90°に設定され、位相がφ0=0°(つまり、x軸)に設定された90xパルスとなる。また、β=90°、θ0=90°であるので、βθ0パルスP02は、フリップ角がβ=90°に設定され、位相がθ0=90°(つまり、y軸)に設定された90yパルスとなる。
図10(b)は、コンポジットパルスBの説明図である。
先ず、2αφ1パルスP12について説明する。
2αφ1パルスP12のフリップ角は2α=180°である。
また、2αφ1パルスP12の位相φ1は、式(4)に、φ0=0°、λ=180°、m1=0を代入することにより求められる。
φ1=φ0+λ+90°×m1
=0°+180°+90°×0
=180°
βθ1パルス(P11およびP13)のフリップ角はβ=90°である。
また、βθ1パルス(P11およびP13)の位相θ1は、式(6)に、θ0=90°、λ=180°、m1=0を代入することにより求められる。
θ1=θ0+λ+90°×m1
=90°+180°+90°×0
=270°
図10(c)は、コンポジットパルスCの説明図である。
先ず、βθ2パルスP21について説明する。
βθ2パルスP21のフリップ角はβ=90°である。また、βθ2パルスP21の位相θ2は、式(10)に、θ0=90°、λ=180°、m2=0を代入することにより求められる。
θ2=θ0+2λ+90°×m2
=90°+2×180°+90°×0
=450°
αφ2パルスP22のフリップ角はα=90°である。また、αφ2パルスP22の位相φ2は、式(12)に、φ0=0°、λ=180°、m2=0を代入することにより求められる。
φ2=φ0+2λ+90°×m2
=0°+2×180°+90°×0
=360°
以下、図11〜図15について説明する。
プリパレーションシーケンスDP1では、先ず、コンポジットパルスAの90xパルスP01が印加される。図11(a)に、90xパルスP01が印加される直前の時点t0における磁化ベクトルVを示し、図11(b)に、90xパルスP01が印加された直後の時点t01における磁化ベクトルVを示す。ΔB1=0%であるので、磁化ベクトルVは、90xパルスP01により、x軸を中心にして90°回転する。したがって、磁化ベクトルVは−y軸上に位置する。90xパルスP01が印加された直後に、90yパルスP02が印加される。
図12は、ΔB1=−20%およびΔB0=0Hzにおける磁化ベクトルの挙動を表すシミュレーション結果の説明図である。
プリパレーションシーケンスDP1では、先ず、コンポジットパルスAの90xパルスP01が印加される。図12(a)に、90xパルスP01が印加される直前の時点t0における磁化ベクトルVを示し、図12(b)に、90xパルスP01が印加された直後の時点t01における磁化ベクトルVを示す。ΔB1=−20%であるので、90xパルスP01のフリップ角は、90°よりも20%小さい角度、つまり、72°になる。したがって、磁化ベクトルVは、x軸を中心として72°しか回転しないので、磁化ベクトルVにはMz成分が残る。90xパルスP01の直後に、90yパルスP02が印加される。
図13(a)は、左側から順に、面S1と、面S1のy軸方向への投影プロファイルS1yと、面S1のx軸方向への投影プロファイルS1xとを示す図である。
一方、図13(b)は、左側から順に、面S4と、面S4のy軸方向への投影プロファイルS4yと、面S4のx軸方向への投影プロファイルS4xとを示す図である。
図14は、ΔB1=20%およびΔB0=0Hzにおける磁化ベクトルの挙動を表すシミュレーション結果の説明図である。
プリパレーションシーケンスDP1では、先ず、コンポジットパルスAの90xパルスP01が印加される。図14(a)に、90xパルスP01が印加される直前の時点t0における磁化ベクトルVを示し、図14(b)に、90xパルスP01が印加された直後の時点t01における磁化ベクトルVを示す。ΔB1=20%であるので、90xパルスP01のフリップ角は、90°よりも20%大きい角度、つまり、108°になる。したがって、磁化ベクトルVは、x軸を中心として108°回転するので、磁化ベクトルVにはMz成分が残る。90xパルスP01の直後に、90yパルスP02が印加される。
図15(a)は、左側から順に、面S2と、面S2のy軸方向への投影プロファイルS2yと、面S2のx軸方向への投影プロファイルS2xとを示す図である。
一方、図15(b)は、左側から順に、面S5と、面S5のy軸方向への投影プロファイルS5yと、面S5のx軸方向への投影プロファイルS5xとを示す図である。
図16(a)は、コンポジットパルスを用いたプリパレーションシーケンスDP1(図10参照)のシミュレーション結果を示す図である。
図16(a)には、プリパレーションシーケンスDP1を実行した直後の縦磁化の値を表すMzマップH1が示されている。MzマップH1の横軸はΔB1を表しており、縦軸はΔB0を表している。また、MzマップH1では、縦磁化Mzの値を白黒の明るさで示してある。MzマップH1の色が白に近いほど縦磁化が大きく、色が黒に近いほど縦磁化は小さいことを意味している。
α、φ0の値に変化はないので、αφ0パルスP01は、図10と同様に、90xパルスである。また、β、θ0にも変化はないので、βθ0パルスP02は、図10と同様に、90yパルスである。
先ず、2αφ1パルスP12について説明する。
2αφ1パルスP12のフリップ角は2α=180°である。また、2αφ1パルスP12の位相φ1は、式(4)に、φ0=0°、λ=0°、m1=0を代入することにより求められる。
φ1=φ0+λ+90°×m1
=0°+0°+90°×0
=0°
βθ1パルス(P11およびP13)のフリップ角は、β=90°である。また、βθ1パルス(P11およびP13)の位相θ1は、式(6)に、θ0=90°、λ=0°、m1=0を代入することにより求められる。
θ1=φ0+λ+90°×m1
=90°+0°+90°×0
=90°
先ず、βθ2パルスP21について説明する。
βθ2パルスP21のフリップ角はβ=90°である。また、βθ2パルスP21の位相θ2は、式(10)に、θ0=90°、λ=0°、m2=0を代入することにより求められる。
θ2=θ0+2λ+90°×m2
=90°+2×0°+90°×0
=90°
αφ2パルスP22のフリップ角は、α=90°に設定される。また、αφ2パルスP22の位相φ2は、式(12)に、φ0=0°、λ=0°、m2=0を代入することにより求められる。
φ2=φ0+2λ+90°×m2
=0°+2×0°+90°×0
=0°
図18(a)は、コンポジットパルスAの説明図である。
αφ0パルスP01は90xパルスであり、βθ0パルスP02は90yパルスである。
先ず、2αφ1パルスP12について説明する。
2αφ1パルスP12のフリップ角は2α=180°である。また、2αφ1パルスP12の位相φ1は、式(4)に、φ0=0°、λ=50°、m1=0を代入することにより求められる。
φ1=φ0+λ+90°×m1
=0°+50°+90°×0
=50°
したがって、2αφ1パルスP12の位相φ1はφ1=50°に設定される。
βθ1パルス(P11およびP13)のフリップ角は、β=90°である。また、βθ1パルス(P11およびP13)の位相θ1は、式(6)に、θ0=90°、λ=50°、m1=0を代入することにより求められる。
θ1=φ0+λ+90°×m1
=90°+50°+90°×0
=140°
したがって、βθ1パルス(P11およびP13)の位相θ1は、θ1=140°に設定される。
先ず、βθ2パルスP21について説明する。
βθ2パルスP21のフリップ角はβ=90°である。また、βθ2パルスP21の位相θ2は、式(10)に、θ0=90°、λ=50°、m2=0を代入することにより求められる。
θ2=θ0+2λ+90°×m2
=90°+2×50°+90°×0
=190°
したがって、βθ2パルスP21の位相θ2はθ2=190°に設定される。
αφ2パルスP22のフリップ角は、α=90°に設定される。また、αφ2パルスP22の位相φ2は、式(12)に、φ0=0°、λ=50°、m2=0を代入することにより求められる。
φ2=φ0+2λ+90°×m2
=0°+2×50°+90°×0
=100°
したがって、αφ2パルスP22の位相φ2はφ2=100°に設定される。
|φ0−θ0|=|0°−90°|
=|−90°|
=90°
図22(a)は、コンポジットパルスAの説明図である。
α=120°、φ0=0°であるので、αφ0パルスP01は、フリップ角がα=120°に設定され、位相がφ0=0°(つまり、x軸)に設定された120xパルスとなる。また、β=70°、θ0=100°であるので、βθ0パルスP02は、フリップ角がβ=70°に設定され、位相がθ0=100°に設定された70θ0=100°パルスとなる。
先ず、2αφ1パルスP12について説明する。
2αφ1パルスP12のフリップ角は2α=2×120°=240°である。また、2αφ1パルスP12の位相φ1は、式(4)に、φ0=0°、λ=180°、m1=0を代入することにより求められる。
φ1=φ0+λ+90°×m1
=0°+180°+90°×0
=180°
る。
βθ1パルス(P11およびP13)のフリップ角は、β=70°である。また、βθ1パルス(P11およびP13)の位相θ1は、式(6)に、θ0=100°、λ=180°、m1=0を代入することにより求められる。
θ1=φ0+λ+90°×m1
=100°+180°+90°×0
=280°
したがって、βθ1パルス(P11およびP13)は、フリップ角がβ=70°に設定され、位相がθ1=280°に設定された70θ1=280°パルスとなる。
先ず、βθ2パルスP21について説明する。
βθ2パルスP21のフリップ角はβ=70°である。また、βθ2パルスP21の位相θ2は、式(10)に、θ0=100°、λ=180°、m2=0を代入することにより求められる。
θ2=θ0+2λ+90°×m2
=100°+2×180°+90°×0
=460°
αφ2パルスP22のフリップ角は、α=120°に設定される。また、αφ2パルスP22の位相φ2は、式(12)に、φ0=0°、λ=180°、m2=0を代入することにより求められる。
φ2=φ0+2λ+90°×m2
=0°+2×180°+90°×0
=360°
図23(a)は、図21のプリパレーションシーケンスDP4のシミュレーション結果を示す図である。
図23(a)には、プリパレーションシーケンスDP4を実行した直後の縦磁化の値を表すMzマップH3が示されている。MzマップH3の右側には、2つのプロファイルF31およびF32が示されている。プロファイルF31は、MzマップH3のΔB0=0HzにおけるMzを表している。一方、プロファイルF32は、MzマップH3のΔB1=0%におけるMzを表している。
図23(b)には、プリパレーションシーケンスDP5を実行した直後の縦磁化の値を表すMzマップH4が示されている。MzマップH4の右側には、2つのプロファイルF41およびF42が示されている。プロファイルF41は、MzマップH4のΔB0=0HzにおけるMzを表している。一方、プロファイルF42は、MzマップH4のΔB1=0%におけるMzを表している。
プリパレーションシーケンスDP6は、コンポジットパルスAと、n(≧1)個のコンポジットパルスBと、コンポジットパルスCとを有している。尚、図24では、n個のコンポジットパルスBを区別するために、記号「B」に、添字「1」、「2」、・・・「n」を付してある。以下、コンポジットパルスA、コンポジットパルスB1〜Bn、およびコンポジットパルスCについて順に説明する。
図24(a)は、コンポジットパルスAの説明図である。
コンポジットパルスAは、先に説明したコンポジットパルスA(図9(a)参照)と同じである。αφ0パルスP01は、フリップ角がαに設定され、位相がφ0(xy面内においてx軸に対して角度φ0だけ回転した軸:φ0軸)に設定されたRFパルスである。一方、βθ0パルスP02は、フリップ角がβに設定され、位相がθ0(xy面内においてx軸に対して角度θ0だけ回転した軸:θ0軸)に設定されたRFパルスである。
先ず、n個のコンポジットパルスB1〜Bnのうちのk番目のコンポジットパルスBkについて考える。k番目のコンポジットパルスBkは、βθkパルスPk1、2αφkパルスPk2、およびβθkパルスPk3を有している。
先ず、2αφkパルスPk2について説明する。
2αφkパルスPk2は、フリップ角が2αに設定され、位相がφk(xy面内においてx軸に対して角度φkだけ回転した軸:φk軸)に設定されたRFパルスを表している。φkは、以下の式を満たすように設定される。
φk=φ0+λk ・・・(13)
ここで、φ0:コンポジットパルスAのαφ0パルスP01の位相
λk:位相差
λk=kλ+δk×mk ・・・(14)
ここで、λ:角度
δk:80°≦δk≦100°の範囲内の角度
mk:整数
λk=kλ+90°×mk ・・・(15)
φk=φ0+kλ+90°×mk ・・・(16)
βθkパルス(Pk1およびPk3)は、フリップ角がβに設定され、位相がθk(xy面内においてx軸に対して角度θkだけ回転した軸:θk軸)に設定されたRFパルスを表している。θkは、以下の式を満たすように設定される。
θk=θ0+λk ・・・(17)
ここで、θ0:コンポジットパルスAのβθ0パルスP02の位相
λk:位相差
θk=θ0+kλ+90°×mk ・・・(18)
図24(c)は、コンポジットパルスCの説明図である。
コンポジットパルスCは、磁化ベクトルの横磁化を縦磁化に戻すためのフリップバックパルスであり、βθn+1パルスPn+1,1およびαφn+1パルスPn+1,2を有している。
βθn+1パルスPn+1,1は、フリップ角がβに設定され、位相がθn+1(xy面内においてx軸に対して角度θn+1だけ回転した軸:θn+1軸)に設定されたRFパルスを表している。θn+1は、以下の式を満たすように設定される。
θn+1=θ0+λn+1 ・・・(19)
ここで、θ0:コンポジットパルスAのβθ0パルスP02の位相
λn+1:位相差
λn+1=(n+1)λ+δn+1×mn+1 ・・・(20)
ここで、λ:角度
δn+1:80°≦δn+1≦100°の範囲内の角度
mn+1:整数
λn+1=(n+1)λ+90°×mn+1 ・・・(21)
θn+1=θ0+(n+1)λ+90°×mn+1 ・・・(22)
αφn+1パルスPn+1,2は、フリップ角がαに設定され、位相がφn+1(xy面内においてx軸に対して角度φn+1だけ回転した軸:φn+1軸)に設定されたRFパルスを表している。φn+1は、以下の式を満たすように設定される。
φn+1=φ0+λn+1 ・・・(23)
ここで、φ0:コンポジットパルスAのαφ0パルスP01の位相
λn+1:位相差
φn+1=φ0+(n+1)λ+90°×mn+1 ・・・(24)
図26(a)は、コンポジットパルスAの説明図である。
α=120°、φ0=0°であるので、αφ0パルスP01は、フリップ角がα=120°に設定され、位相がφ0=0°(つまり、x軸)に設定された120xパルスとなる。また、β=70°、θ0=100°であるので、βθ0パルスP02は、フリップ角がβ=70°に設定され、位相がθ0=100°に設定された70θ0=100°パルスとなる。
図26(b1)は、コンポジットパルスB1の説明図である。
先ず、2αφ1パルスP12について説明する。
2αφ1パルスP12のフリップ角は2α=2×120=240°である。
また、2αφ1パルスP12の位相φ1は、式(16)に、k=1、φ0=0°、λ=0°を代入することにより求められる。
φk=φ0+kλ+90°×mk
φ1=φ0+λ+90°×m1
=0°+0°+90°×m1
=90°×m1 ・・・・・・・・・(25)
βθ1パルス(P11およびP13)のフリップ角はβ=70°である。
また、βθ1パルス(P11およびP13)の位相θ1は、式(18)に、k=1、θ0=100°、λ=0°を代入することにより求められる。
θk=θ0+kλ+90°×mk
θ1=θ0+λ+90°×m1
=100°+0°+90°×m1
=100°+90°×m1 ・・・・・・・・・(26)
図26(b2)は、コンポジットパルスB2の説明図である。
先ず、2αφ2パルスP22について説明する。
2αφ2パルスP22のフリップ角は2α=2×120=240°である。
また、2αφ2パルスP22の位相φ2は、式(16)に、k=2、φ0=0°、λ=0°を代入することにより求められる。
φk=φ0+kλ+90°×mk
φ2=φ0+2λ+90°×m2
=0°+2×0°+90°×m2
=90°×m2 ・・・・・・・・・(27)
βθ2パルス(P21およびP23)のフリップ角はβ=70°である。
また、βθ2パルス(P21およびP23)の位相θ2は、式(18)に、k=2、θ0=100°、λ=0°を代入することにより求められる。
θk=θ0+kλ+90°×mk
θ2=θ0+2λ+90°×m2
=100°+2×0°+90°×m2
=100°+90°×m2 ・・・・・・・・・(28)
図26(b3)は、コンポジットパルスB3の説明図である。
先ず、2αφ3パルスP32について説明する。
2αφ3パルスP32のフリップ角は2α=2×120=240°である。
また、2αφ3パルスP32の位相φ3は、式(16)に、k=3、φ0=0°、λ=0°を代入することにより求められる。
φk=φ0+kλ+90°×mk
φ3=φ0+3λ+90°×m3
=0°+3×0°+90°×m3
=90°×m3 ・・・・・・・・・(29)
βθ3パルス(P31およびP33)のフリップ角はβ=70°である。
また、βθ3パルス(P31およびP33)の位相θ3は、式(18)に、k=3、θ0=100°、λ=0°を代入することにより求められる。
θk=θ0+kλ+90°×mk
θ3=θ0+3λ+90°×m3
=100°+3×0°+90°×m3
=100°+90°×m3 ・・・・・・・・・(30)
図26(c)は、コンポジットパルスCの説明図である。
先ず、βθ4パルスP41について説明する。
βθ4パルスP41のフリップ角はβ=70°である。また、βθ4パルスP41の位相θ4は、式(22)に、n=3、θ0=100°、λ=0°を代入することにより求められる。
θn+1=θ0+(n+1)λ+90°×mn+1
θ4=θ0+4λ+90°×m4
=100°+4×0°+90°×m4
=100°+90°×m4 ・・・・・・・・・(31)
αφ4パルスP42のフリップ角はα=120°である。また、αφ4パルスP42の位相φ4は、式(24)に、n=3、φ0=0°、λ=0°を代入することにより求められる。
φn+1=φ0+(n+1)λ+90°×mn+1
φ4=φ0+4λ+90°×m4
=0°+4×0°+90°×m4
=90°×m4 ・・・・・・・・・(32)
(m1,m2,m3,m4)=(1,0,1,0) ・・・(33)
(φ1,θ1)=(90°,190°) ・・・(34)
(φ2,θ2)=( 0°,100°) ・・・(35)
(φ3,θ3)=(90°,190°) ・・・(36)
(φ4,θ4)=( 0°,100°) ・・・(37)
図28には、図27のプリパレーションシーケンスDP8を実行した直後の縦磁化の値を表すMzマップH5が示されている。MzマップH5の右側には、2つのプロファイルF51およびF52が示されている。プロファイルF51は、MzマップH5のΔB0=0HzにおけるMzを表している。一方、プロファイルF52は、MzマップH5のΔB1=0%におけるMzを表している。
(m1,m2,m3,m4,m5,m6,m7,m8)
=(1,0,1,1,0,1,0,0)
=(1,0,1,−1,0,−1,0,0)
=(2,2,0,2,2,0,0,0)
=(1,0,1,0,1,0,1,0)
=(1,0,1,−1,1,1,−1,0)
=(−1,0,−1,−1,0,−1,0,0)
=(0,2,2,2,2,0,0,0)
=(−1,0,−1,1,0,1,0,0)
=(0,2,2,0,2,2,0,0)
=(−1,0,−1,1,−1,−1,1,0)
=(1,0,1,0,0,2,2,0)
=(1,0,1,−1,−1,1,1,0)
=(1,0,1,0,2,2,0,0)
=(1,0,1,2,0,0,2,0)
=(1,0,1,1,−1,−1,1,0)
=(1,0,1,2,2,0,0,0)
図29を参照すると、Mz=1に近い値を持つ領域が広範囲に渡って広がっていることがわかる。
3 テーブル
3a クレードル
4 受信コイル
5 送信器
6 勾配磁場電源
7 受信器
8 コンピュータ
9 プロセッサ
10 メモリ
11 操作部
12 表示部
13 被検体
21 ボア
91 画像作成手段
100 MR装置
Claims (27)
- 被検体の撮影部位からMR信号を収集するためのシーケンスを実行するスキャン手段を有する磁気共鳴装置であって、
前記スキャン手段は、
前記撮影部位を励起するために印加される第1のコンポジットパルスであって、フリップ角がαに設定され位相がφ0に設定されたαφ0パルスと、前記αφ0パルスの後に印加され、フリップ角がβに設定され位相がθ0に設定されたβθ0パルスとを有する第1のコンポジットパルスと、
前記第1のコンポジットパルスの後に印加され、前記撮影部位内で分散した磁化ベクトルを再収束するためのn(≧1)個の第2のコンポジットパルスであって、n個の第2のコンポジットパルスのうちのk(1≦k≦n)番目の第2のコンポジットパルスが、フリップ角がβに設定され位相がθkに設定されたβθkパルスと、前記βθkパルスの後に印加され、フリップ角が2αに設定され位相がφkに設定された2αφkパルスと、前記2αφk パルスの後に印加され、フリップ角がβに設定され位相がθkに設定されたβθkパルスとを有するように構成されたn個の第2のコンポジットパルスと、
前記n個のコンポジットパルスの後に印加され、前記撮影部位の磁化ベクトルの横磁化を縦磁化に戻すための第3のコンポジットパルスであって、フリップ角がβに設定され位相がθn+1に設定されたβθn+1パルスと、前記βθn+1パルスの後に印加され、フリップ角がαに設定され位相がφn+1に設定されたαφn+1パルスとを有する第3のコンポジットパルスと、
を含むシーケンスを実行し、
θk、φk、θn+1、およびφn+1は、以下の式で表される磁気共鳴装置。
θk=θ0+λk
φk=φ0+λk
θn+1=θ0+λn+1
φn+1=φ0+λn+1
ただし、λk=kλ+δk×mk
λn+1=(n+1)λ+δn+1×mn+1
ここで、λ:角度
δk:kの値に応じて定まる角度であって、80°≦δk≦100°の角度
mk:kの値に応じて定まる整数
δn+1:n+1の値に応じて定まる角度であって、80°≦δn+1≦100°の角度
mn+1:n+1の値に応じて定まる整数 - δk=δn+1=90°である、請求項1に記載の磁気共鳴装置。
- α=βである請求項1又は2に記載の磁気共鳴装置。
- α=β=90°である請求項3に記載の磁気共鳴装置。
- α≠βである請求項1又は2に記載の磁気共鳴装置。
- α>90°>βである請求項5に記載の磁気共鳴装置。
- φ0とθ0との差の絶対値|φ0−θ0|が、|φ0−θ0|=90°に設定されている、請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
- φ0とθ0との差の絶対値|φ0−θ0|が、|φ0−θ0|>90°に設定されている、請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
- φ0とθ0との差の絶対値|φ0−θ0|が、|φ0−θ0|<90°に設定されている、請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
- αおよびβが、それぞれα=112.5°およびβ=75°に設定され、φ0とθ0との差の絶対値|φ0−θ0|が、|φ0−θ0|=90°に設定されている、請求項1又は2に記載の磁気共鳴装置。
- αおよびβが、それぞれα=120°およびβ=70°に設定され、φ0とθ0との差の絶対値|φ0−θ0|が、|φ0−θ0|=100°に設定されている、請求項1又は2に記載の磁気共鳴装置。
- n=1であり、(m1,m2)=(0,0)である、請求項1〜11のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
- n=3であり、(m1,m2,m3,m4)=(1,0,1,0)である、請求項1〜11のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
- n=7であり、(m1,m2,m3,m4,m5,m6,m7,m8)は、以下のいずれかの組み合わせに設定されている、請求項1〜11のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
(1,0,1,1,0,1,0,0)
(1,0,1,−1,0,−1,0,0)
(2,2,0,2,2,0,0,0)
(1,0,1,0,1,0,1,0)
(1,0,1,−1,1,1,−1,0)
(−1,0,−1,−1,0,−1,0,0)
(0,2,2,2,2,0,0,0)
(−1,0,−1,1,0,1,0,0)
(0,2,2,0,2,2,0,0)
(−1,0,−1,1,−1,−1,1,0)
(1,0,1,0,0,2,2,0)
(1,0,1,−1,−1,1,1,0)
(1,0,1,0,2,2,0,0)
(1,0,1,2,0,0,2,0)
(1,0,1,1,−1,−1,1,0)
(1,0,1,2,2,0,0,0) - 前記スキャン手段は、コンポジットパルスを印加した後、次のコンポジットパルスを印加する前に、勾配磁場を印加しない、請求項1〜14のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
- 前記スキャン手段は、コンポジットパルスを印加した後、次のコンポジットパルスを印加する前に、勾配磁場を印加する、請求項1〜14のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
- 前記スキャン手段は、極性が同じ複数の勾配磁場を印加する、請求項16に記載の磁気共鳴装置。
- 前記スキャン手段は、極性が異なる複数の勾配磁場を印加する、請求項16に記載の磁気共鳴装置。
- 前記複数の勾配磁場は、バイポーラの勾配磁場である、請求項18に記載の磁気共鳴装置。
- 前記勾配磁場は、拡散強調を行うための勾配磁場である、請求項16〜19のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
- 前記スキャン手段は、前記第3のコンポジットパルスの後に、横磁化を消去するためのキラー勾配磁場を印加する、請求項1〜20のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
- 前記スキャン手段は、前記シーケンスの後に、前記撮影部位からイメージングデータを収集するための他のシーケンスを実行する、請求項1〜21のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
- 前記スキャン手段は、前記シーケンスを実行する前に、又は、前記シーケンスを終了してから前記他のシーケンスを開始するまでの間に、RFパルスを印加する、請求項22に記載の磁気共鳴装置。
- 前記RFパルスは、脂肪抑制パルス、又はT2強調を行うためのパルスである、請求項23に記載の磁気共鳴装置。
- 前記スキャン手段は、前記被検体の生体信号に同期して、前記シーケンスを実行する、請求項1〜24のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
- 前記生体信号は、心拍信号および呼吸信号のうちの少なくともいずれか一方の信号である、請求項25に記載の磁気共鳴装置。
- 前記シーケンスは、血液の磁化ベクトルの縦磁化を、静止組織の磁化ベクトルの縦磁化よりも小さくする、請求項1〜26のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
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