JP2016049298A - 磁気共鳴装置およびプログラム - Google Patents

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岩舘 雄治
Yuji Iwadate
雄治 岩舘
後藤 隆男
Takao Goto
隆男 後藤
邦博 三好
Kunihiro Miyoshi
邦博 三好
尾崎 正則
Masanori Ozaki
正則 尾崎
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Abstract

【課題】磁気共鳴装置による呼吸同期法を用いた腹部撮影において、呼吸信号に対するサイドローブの影響を低減する。
【解決手段】|W´(K´)|S´(K´)=|W(K)|S(K)およびθ´=−θを満たすように設定されたナビゲータシーケンスNS1およびNS2を実行するST1。ナビゲータシーケンスNS1により収集されたエコーからナビゲータデータを得るとともに、ナビゲータシーケンスNS2により得られたエコーからナビゲータデータを得る。そして、ナビゲータデータを加算しST2、加算ナビゲータデータに基づいて、肝臓のエッジの位置を検出するST3。
【選択図】図11

Description

本発明は、被検体をスキャンする磁気共鳴装置、およびその磁気共鳴装置に適用されるプログラムに関する。
腹部の撮影では、動きアーチファクトを低減するために呼吸同期法を用いた撮影方法が実行される。呼吸同期法の撮影方法として、肺と肝臓との境界部分をペンシルビーム型に選択励起し、肝臓のエッジの動きを検出する方法が知られている(特許文献1参照)。
特開2009−261574号公報
しかし、ペンシルビーム型の選択励起では、肺と肝臓との境界部分で、大きい横磁化を持つメインローブが現れるが、メインローブから離れた位置に、小さい横磁化を持つサイドローブが現れる。したがって、このサイドローブによって、肺と肝臓との境界から離れた部位(例えば、体表面)でも励起が行われる。このように、サイドローブによる励起が行われると、不要な信号がナビゲータエコーに混入するので、肝臓のエッジの検出誤差が大きくなるという問題がある。
したがって、サイドローブの影響を低減することができる技術が望まれている。
本発明の第1の観点は、第1の励起k空間において座標点(kx,ky)を含む第1のk空間軌跡を辿るように被検体の第1の部位を励起し、前記第1の部位の情報を含む第1のデータを取得するための第1のシーケンスであって、前記第1の部位を励起するための第1の励起パルスと、第1の軸に印加される第1の傾斜磁場と、第2の軸に印加される第2の傾斜磁場とを有し、前記第1の傾斜磁場および前記第2の傾斜磁場は、前記第1のk空間軌跡が得られるように構成されている第1のシーケンス、並びに
第2の励起k空間において座標点(kx´,ky´)を含む第2のk空間軌跡を辿るように前記第1の部位を励起し、前記第1の部位の情報を含む第2のデータを取得するための第2のシーケンスであって、前記第1の部位を励起するための第2の励起パルスと、前記第1の軸に印加される第3の傾斜磁場と、前記第2の軸に印加される第4の傾斜磁場とを有し、前記第3の傾斜磁場と前記第4の傾斜磁場は、前記座標点(kx´,ky´)が前記座標点(kx,ky)とは符号が反対の座標点(−kx,−ky)に設定された前記第2のk空間軌跡が得られるように構成されている第2のシーケンス、を実行するためのスキャン手段と、
前記第1のデータと前記第2のデータとを合成する合成手段と、
を備えており、
前記第1のシーケンスおよび前記第2のシーケンスは、以下の式を満たすように設定されている、磁気共鳴装置。
ここで、B1:前記(kx,ky)における前記第1の励起パルスの値
|g|:前記(kx,ky)における前記第1の傾斜磁場と前記第2の傾斜磁場との合成傾斜磁場の値の絶対値
S(K):前記(kx,ky)におけるサンプリング密度関数
B1´:前記(kx´,ky´)における前記第2の励起パルスの値
|g´|:前記(kx´,ky´)における前記第3の傾斜磁場と前記第4の傾斜磁場との合成傾斜磁場の値の絶対値
S´(K´):前記(kx´,ky´)におけるサンプリング密度関数
γ:磁気回転比
θ:前記(kx,ky)における前記第1の励起パルスの位相
θ´:前記(kx´,ky´)における前記第2の励起パルスの位相
本発明の第2の観点は、第1の励起k空間において座標点(kx,ky)を含む第1のk空間軌跡を辿るように被検体の第1の部位を励起し、前記第1の部位の情報を含む第1のデータを取得するための第1のシーケンスであって、前記第1の部位を励起するための第1の励起パルスと、第1の軸に印加される第1の傾斜磁場と、第2の軸に印加される第2の傾斜磁場とを有し、前記第1の傾斜磁場および前記第2の傾斜磁場は、前記第1のk空間軌跡が得られるように構成されている第1のシーケンス、並びに
第2の励起k空間において座標点(kx´,ky´)を含む第2のk空間軌跡を辿るように前記第1の部位を励起し、前記第1の部位の情報を含む第2のデータを取得するための第2のシーケンスであって、前記第1の部位を励起するための第2の励起パルスと、前記第1の軸に印加される第3の傾斜磁場と、前記第2の軸に印加される第4の傾斜磁場とを有し、前記第3の傾斜磁場と前記第4の傾斜磁場は、前記座標点(kx´,ky´)が前記座標点(kx,ky)とは符号が反対の座標点(−kx,−ky)に設定された前記第2のk空間軌跡が得られるように構成されている第2のシーケンス、を実行するためのスキャン手段であって、以下の式を満たすように設定された前記第1のシーケンスおよび前記第2のシーケンスを実行するスキャン手段を有する磁気共鳴装置に適用されるプログラムであって、
前記第1のデータと前記第2のデータとを合成する合成処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
ここで、B1:前記(kx,ky)における前記第1の励起パルスの値
|g|:前記(kx,ky)における前記第1の傾斜磁場と前記第2の傾斜磁場との合成傾斜磁場の値の絶対値
S(K):前記(kx,ky)におけるサンプリング密度関数
B1´:前記(kx´,ky´)における前記第2の励起パルスの値
|g´|:前記(kx´,ky´)における前記第3の傾斜磁場と前記第4の傾斜磁場との合成傾斜磁場の値の絶対値
S´(K´):前記(kx´,ky´)におけるサンプリング密度関数
γ:磁気回転比
θ:前記(kx,ky)における前記第1の励起パルスの位相
θ´:前記(kx´,ky´)における前記第2の励起パルスの位相
|W´(K´)| S´(K´)=|W(K)| S(K)およびθ´=−θを満たす第1のシーケンスおよび第2のシーケンスを実行し、第1のシーケンスにより得られた第1のデータと、第2のシーケンスにより得られた第2のデータとを合成することにより、サイドローブの影響を低減することができる。
本発明の一形態の磁気共鳴装置の概略図である。 プロセッサ9が実行する処理を示す図である。 肝臓のエッジ位置を検出するときに使用される通常のナビゲータシーケンスの一例であるペンシルビーム型ナビゲータシーケンスNS1を示す図である。 ナビゲータ領域Rnavを概略的に示す図である。 ナビゲータシーケンスNS1により得られたエコーE1に基づいて肝臓のエッジQの位置Pを検出するときの説明図である。 シミュレーション結果の説明図である。 本形態で使用されるナビゲータシーケンスを示す図である。 ナビゲータシーケンスNS1およびNS2の説明図である。 ナビゲータシーケンスNS1のk空間軌跡J1と、ナビゲータシーケンスNS2のk空間軌跡J2とを示す図である。 シミュレーション結果の説明図である。 本形態において肝臓のエッジの位置を検出するときのフローの一例を示す図である。 ナビゲータシーケンスNS1およびNS2を実行するときの説明図である。 加算ナビゲータデータS12を示す図である。 信号強度プロファイルISを概略的に示す図である。 本形態で実行されるスキャンを示す図である。 図15に示すスキャンを実行するときのフローを示す図である。 ローカライザスキャンLXにより取得された画像LDを概略的に示す図である。 撮影部位を概略的に示す図である。 プレスキャンAで実行されるシーケンスの説明図である。 ナビゲータシーケンスのセットN1を実行したときの肝臓のエッジの位置P1を示す図である。 ナビゲータシーケンスN〜NSの各々を実行したときの肝臓のエッジの位置の時間変化を概略的に示す図である。 ウインドウWの一例を示す図である。 本スキャンBの説明図である。 ナビゲータシーケンスを用いた呼吸同期法により撮影された画像を示す図である。
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、以下の形態に限定されることはない。
図1は、本発明の一形態の磁気共鳴装置の概略図である。
磁気共鳴装置(以下、「MR装置」と呼ぶ。MR:Magnetic Resonance)100は、マグネット2、テーブル3、受信RFコイル(以下、「受信コイル」と呼ぶ)4などを有している。
マグネット2は、被検体13が収容されるボア21を有している。また、マグネット2は、静磁場を発生させるための超伝導コイル、傾斜磁場を印加するための傾斜磁場コイル、およびRFパルスを送信するためのRFコイルなどを有している。超伝導コイルの代わりに、永久磁石を用いてもよい。
テーブル3は、クレードル3aを有している。クレードル3aは、ボア21内に移動できるように構成されている。クレードル3aによって、被検体13はボア21に搬送される。
受信コイル4は、被検体13の胴部に取り付けられている。受信コイル4は、被検体13からの磁気共鳴信号を受信する。
MR装置100は、更に、送信器5、傾斜磁場電源6、受信器7、コンピュータ8、操作部11、および表示部12などを有している。
送信器5はRFコイルに電流を供給し、傾斜磁場電源6は傾斜磁場コイルに電流を供給する。受信器7は、受信コイル4から受け取った信号に対して、検波などの信号処理を実行する。尚、マグネット2、送信器5、傾斜磁場電源6、および受信器7を合わせたものが、スキャン手段に相当する。
コンピュータ8は、表示部12に必要な情報を伝送したり、画像を再構成するなど、MR装置100の各種の動作を実現するように、MR装置100の各部の動作を制御する。コンピュータ8は、プロセッサ9およびメモリ10などを有している。
図2に、プロセッサ9が実行する処理を示す。メモリ10には、プロセッサ9により実行されるプログラムが記憶されている。プロセッサ9は、メモリ10に記憶されているプログラムを読み出し、プログラムに記述されている処理を実行する。プロセッサ9は、メモリ10に記憶されているプログラムを読み出すことにより、合成手段91〜判断手段95などを構成する。
合成手段91は、後述するナビゲータデータS1およびS2を合成する。
変換手段92は、合成手段91により得られた加算ナビゲータデータS12(後述する図13参照)をフーリエ変換する。
検出手段93は、フーリエ変換により得られたプロファイルに基づいて、肝臓のエッジの位置を検出する。
ウインドウ設定手段94は、後述するウインドウW(図22参照)を設定する。
判断手段95は、イメージングシーケンスを実行するか否かを判断する。
プロセッサ9は、合成手段91〜判断手段95を構成する一例であり、メモリ10に記憶されたプログラムを実行することによりこれらの手段として機能する。
操作部11は、オペレータにより操作され、種々の情報をコンピュータ8に入力する。表示部12は種々の情報を表示する。
MR装置100は、上記のように構成されている。
本形態では、肝臓のエッジの位置を検出するためのナビゲータシーケンスを実行する。以下に、本形態におけるナビゲータシーケンスについて説明する。尚、以下では、本形態の効果を明確にするために、先ず、肝臓のエッジ位置の検出するための通常のナビゲータシーケンスについて説明し、通常のナビゲータシーケンスを説明した後、本形態のナビゲータシーケンスについて説明する。
図3は、肝臓のエッジ位置を検出するときに使用される通常のナビゲータシーケンスの一例であるペンシルビーム型ナビゲータシーケンスNS1を示す図、図4は、ペンシルビーム型ナビゲータシーケンスNS1を実行するときに設定されるナビゲータ領域Rnavを概略的に示す図である。
ナビゲータシーケンスNS1は、肝臓のエッジQのz軸方向の位置Pを検出するために実行されるシーケンスであり、励起パルスα、傾斜磁場Gx、傾斜磁場Gy、および読出し傾斜磁場Gzを有している。
励起パルスαはナビゲータ領域Rnavを励起するためのRFパルスである。励起パルスαは、時点t0において印加が開始され、時点tzにおいて印加が終了するように設定されている。したがって、時点t0から時点tzまでが、励起パルスαの印加時間Tとして設定されている。
傾斜磁場GxおよびGyは、ナビゲータ領域Rnavを励起するときのk空間(以下、「励起k空間」と呼ぶ)におけるk空間軌跡を決めるための傾斜磁場である。傾斜磁場GxおよびGyは、負の極性と正の極性が交互に現れる波形を有している。傾斜磁場GxおよびGyは、励起パルスαと同様に、時点t0において印加が開始され、時点tzにおいて印加が終了するように設定されている。
図3の右側には、励起k空間内において傾斜磁場GxおよびGyにより設定されるk空間軌跡J1が概略的に示されている。傾斜磁場GxおよびGyは、スパイラル状のk空間軌跡J1を描きながらナビゲータ領域Rnavの励起が行われるように設計されている。
傾斜磁場GxおよびGyが印加された後、ナビゲータ領域RnavからエコーE1を読み出すための読出し傾斜磁場Gzが印加される。
ナビゲータシーケンスNS1は、上記のように構成されている。
図5は、ナビゲータシーケンスNS1により得られたエコーE1に基づいて肝臓のエッジQの位置Pを検出するときの説明図である。
エコーE1は受信コイル4で受信され、受信器7に送信される。受信器7は、受信コイル4から受け取った信号に対して検波などの信号処理を行う。これにより、肝臓のエッジQの位置情報を含むナビゲータデータS1が得られる。そして、ナビゲータデータS1をフーリエ変換することにより、z軸方向の位置と信号強度との関係を表す信号強度プロファイルIが得られる。信号強度プロファイルIの肺側の信号強度は肝臓側の信号強度に比べて小さいので、肺と肝臓との境界部分には信号強度が急減に変化するする位置Pが現れる。この位置Pが、肝臓のエッジQのz方向の位置Pとして検出される。
しかし、ナビゲータシーケンスNS1を用いて肝臓のエッジ位置を検出した場合、エッジ位置の検出誤差が大きくなることがある。この理由について説明するため、ナビゲータシーケンスNS1の励起直後の時点tzにおける横磁化Mxyを求めるためのシミュレーションを行った。以下に、シミュレーション結果について説明する。
図6は、シミュレーション結果の説明図である。
図6には、ナビゲータシーケンスNS1の励起直後の時点tzの横磁化を表すプロファイルが示されている。図6(a)は、y軸方向の位置と横磁化のMy成分との関係を表すプロファイルF11を示しており、図6(b)は、y軸方向の位置と横磁化のMx成分との関係を表すプロファイルF12を示している。プロファイルF11およびF12では、ナビゲータ領域Rnavのy軸方向の位置を、y=0で示してある。
ナビゲータシーケンスNS1では、図6(a)に示すように、励起の中心位置(y=0)に、大きい横磁化(My)を持つメインローブが現れる。しかし、図6(b)に示すように、メインローブから離れた位置に、小さい横磁化(Mx)を持つサイドローブが現れる。したがって、メインローブはナビゲータ領域Rnav(図4参照)に現れるが、サイドローブはナビゲータ領域Rnavから離れた位置に現れるので、ナビゲータ領域Rnavだけでなく、ナビゲータ領域Rnavから離れた部位でも励起が行われる。このため、不要な信号がエコーE1に混入してしまい、肝臓のエッジの検出誤差が大きくなるという問題がある。
そこで、本願発明者は、鋭意研究を重ね、肝臓のエッジの検出精度を向上させることができるシーケンスを考え出した。以下に、本形態におけるシーケンスについて説明する。
図7は、本形態で使用されるナビゲータシーケンスを示す図である。
本形態では、2つのナビゲータシーケンスNS1およびNS2が実行される。ナビゲータシーケンスNS1は、励起パルスα、傾斜磁場Gx、傾斜磁場Gy、および読出し傾斜磁場Gzを有している。一方、ナビゲータシーケンスNS2は、励起パルスα´、傾斜磁場Gx´、傾斜磁場Gy´、および読出し傾斜磁場Gz´を有している。
以下、ナビゲータシーケンスNS1とナビゲータシーケンスNS2について具体的に説明する。
図8は、ナビゲータシーケンスNS1およびNS2の説明図である。
先ず、ナビゲータシーケンスNS1について説明する。
図8に示すナビゲータシーケンスNS1は、図3に示すナビゲータシーケンスNS1と同じシーケンスである。したがって、図3に示すナビゲータシーケンスNS1を実行することにより、エコーE1を収集することができる。
また、図8には、ナビゲータシーケンスNS1の中に、励起パルスαの印加開始時点t0から時間Δt離れた時点tが示されている。時点tにおいて、励起パルスαの値は「B1」である。B1は、以下の式で規定される。
B1=b・eiθ ・・・(1)
ここで、b:時点tにおける励起パルスαの大きさ
θ:時点tにおける励起パルスαの位相
また、時点tにおいて、傾斜磁場Gxの値は「g」であり、傾斜磁場Gyの値は「g」である。
次に、ナビゲータシーケンスNS2について説明する。
ナビゲータシーケンスNS2は、励起パルスα´、傾斜磁場Gx´、傾斜磁場Gy´、および読出し傾斜磁場Gz´を有している。以下に、励起パルスα´、傾斜磁場Gx´、傾斜磁場Gy´、および読出し傾斜磁場Gz´について順に説明する。
(1)励起パルスα´について
また、励起パルスα´の印加開始時点t0から時間Δt離れた時点tにおける励起パルスα´の値は「B1´」である。B1´は、以下の式で規定される。
B1´=b´・eiθ´ ・・・(2)
ここで、b´:時点tにおける励起パルスα´の大きさ
θ´:時点tにおける励起パルスα´の位相
(2)傾斜磁場Gx´について
図8では、傾斜磁場Gx´と傾斜磁場Gxとの違いを明確にするために、ナビゲータシーケンスNS2のx軸上に、傾斜磁場Gx´とGxの両方が示されている。傾斜磁場Gx´は実線で示してあり、傾斜磁場Gxは破線で示してある。傾斜磁場Gx´は傾斜磁場Gxの極性(正負)を逆にすることにより得られている。したがって、時点tにおける傾斜磁場Gx´の値を「g´」で表すと、g´とgとの間には、以下の関係式が成り立つ。
´=−g
(3)傾斜磁場Gy´について
図8では、傾斜磁場Gy´と傾斜磁場Gyとの違いを明確にするために、ナビゲータシーケンスNS2のy軸上に、傾斜磁場Gy´とGyの両方が示されている。傾斜磁場Gy´は実線で示してあり、傾斜磁場Gyは破線で示してある。傾斜磁場Gy´は傾斜磁場Gyの極性(正負)を逆にすることにより得られている。したがって、時点tにおける傾斜磁場Gyの値を「g´」で表すと、g´とgとの間には、以下の関係式が成り立つ。
´=−g
(4)読出し傾斜磁場Gz´について
読出し傾斜磁場Gz´は、読出し傾斜磁場Gzと同じであるので、説明は省略する。
次に、ナビゲータシーケンスNS1およびNS2のk空間軌跡について説明する(図9参照)。
図9は、ナビゲータシーケンスNS1のk空間軌跡J1と、ナビゲータシーケンスNS2のk空間軌跡J2とを示す図である。
尚、図9では、説明の便宜上、ナビゲータシーケンスNS1およびNS2のz軸は図示省略されている。
先ず、ナビゲータシーケンスNS1のk空間軌跡J1について説明する。時点t0では、k空間軌跡J1の始点は、座標点(0,ky)に設定されており、k空間軌跡J1の終点は、原点C=(0,0)に設定されている。傾斜磁場GxおよびGyの印加が開始されると、k空間軌跡J1は座標点(0,ky)から螺旋を描きながら反時計回りに移動し、時点tzにおいて、原点C=(0,0)に到達する。ナビゲータシーケンスNS1では、k空間軌跡J1を辿るように励起を行う。尚、図9には、時点t0から時間Δt離れた時点tにおけるk空間軌跡J1上の座標点を、(kx,ky)で示してある。座標点(kx,ky)では、ナビゲータシーケンスNS1の励起パルスαの値はB1=b・eiθ(式(1)参照)であり、傾斜磁場Gxの値は「g」であり、傾斜磁場Gyの値は「g」であることがわかる。
ここで、座標点(kx,ky)における傾斜磁場Gxと傾斜磁場Gyとの合成傾斜磁場Gについて考える。座標点(kx,ky)における合成傾斜磁場Gの値を「g」とすると、gの絶対値|g|は、座標点(kx,ky)における傾斜磁場Gxの値gと傾斜磁場Gyの値gを用いて、以下の式で表される。
次に、ナビゲータシーケンスNS2のk空間軌跡J2について説明する。本形態では、上記のように、ナビゲータシーケンスNS2の傾斜磁場Gx´およびGy´の極性は、ナビゲータシーケンスNS1の傾斜磁場GxおよびGyの極性とは反対の極性を有するように設定されている(図8参照)。したがって、ナビゲータシーケンスNS2のk空間軌跡J2は、k空間軌跡J1に対して、原点Cを中心として180°ずれている。このため、k空間軌跡J2の始点は、座標点(0,−ky)に設定されており、k空間軌跡J2の終点は、原点C=(0,0)に設定されている。傾斜磁場Gx´およびGy´の印加が開始されると、k空間軌跡J2は座標点(0,−ky)から螺旋を描きながら反時計回りに移動し、時点tzにおいて、原点C=(0,0)に到達する。ナビゲータシーケンスNS2では、k空間軌跡J2を辿るように励起を行う。尚、図9には、時点t0から時間Δt離れた時点tにおけるk空間軌跡J2上の座標点を、(kx´,ky´)で示してある。
ここで、k空間軌跡J2の座標点(kx´,ky´)と、k空間軌跡J1の座標点(kx,ky)との関係について考える。k空間軌跡J2は、k空間軌跡J1に対して原点Cを中心として180°ずれている。したがって、(kx´,ky´)は、以下の式で表すことができる。
(kx´,ky´)=(−kx,−ky) ・・・(4)
つまり、時点tにおけるk空間軌跡J1の座標点(kx,ky)の符号を逆にすることにより、時点tにおけるk空間軌跡J2の座標点(kx´,ky´)を求めることができる。
座標点(kx´,ky´)では、ナビゲータシーケンスNS2の励起パルスα´の値はB1´=b´・eiθ´(式(2)参照)である。尚、本形態では、座標点(kx´,ky´)におけるb´およびθ´と、座標点(kx,ky)におけるbおよびθは、以下の関係を満たすように設定されているとする。
b´=b ・・・(5a)
θ´=−θ ・・・(5b)
式(5a)および(5b)を式(2)に代入すると、以下の式が得られる。
B1´=b・ei(−θ) ・・・(6)
したがって、座標点(kx´,ky´)におけるB1´は、式(6)で表される。
また、座標点(kx´,ky´)では、傾斜磁場Gxの値は「g´」であり、傾斜磁場Gyの値は「g´」である。
ここで、座標点(kx´,ky´)における傾斜磁場Gx´と傾斜磁場Gy´との合成傾斜磁場G´について考える。座標点(kx´,ky´)における合成傾斜磁場G´の値を「g´」とすると、g´の絶対値|g´|は、座標点(kx´,ky´)における傾斜磁場Gx´の値g´と傾斜磁場Gy´の値g´を用いて、以下の式で表される。
式(3)と式(7)とを比較すると、以下の関係式が成り立つことがわかる。
|g´|=|g| ・・・(8)
本形態では、ナビゲータシーケンスNS1だけでなく、ナビゲータシーケンスNS2も実行し、2つのエコーE1およびE2を得る。2つのエコーE1およびE2を用いることにより、サイドローブを低減することができる。以下に、2つのエコーE1およびE2を用いることによりサイドローブを低減できる理由について説明する。
先ず、ナビゲータシーケンスNS1により励起した直後の時点tzにおける横磁化Mxyについて考察する。Mxyは、例えば以下の式で表すことができる(参考文献:J.Pauly, D.Nishimura, and A.Macovski, “A k-Space Analysis of Small-Tip-Angle Excitation”, J. Magn. Reson. 81, 43 (1989))。
ここで、M:熱平衡状態での縦磁化の大きさ
γ:磁気回転比
K:時点tにおける座標点(kx,ky)
W(K):座標点K=(kx,ky)における重み付け関数
S(K):座標点K=(kx,ky)におけるサンプリング密度関数
式(9)のW(K)は、座標点(kx,ky)における励起パルスαの値B1、磁気回転比γ、および座標点(kx,ky)における合成傾斜磁場Gの絶対値|g|を用いて表される関数であり、以下の式で規定される。
式(10)のB1は式(1)で表されるので、式(1)を式(10)に代入すると、以下の式が得られる。
式(11)は以下のように変形することができる。
式(12)を式(9)に代入すると、以下の式が得られる。
次に、ナビゲータシーケンスNS2により励起した直後の時点tzにおける横磁化Mxy´について考察する。Mxy´は以下の式で表すことができる。
ここで、M:熱平衡状態での縦磁化の大きさ
γ:磁気回転比
K´:時点tにおける座標点(kx´,ky´)
W´(K):座標点K´=(kx´,ky´)における重み付け関数
S´(K´):座標点K´=(kx´,ky´)におけるサンプリング密度関数
式(15)のW´(K´)は、座標点(kx´,ky´)における励起パルスα´の値B1´、磁気回転比γ、および座標点(kx´,ky´)における合成傾斜磁場G´の絶対値|g´|を用いて表される関数であり、以下の式で規定される。
式(16)のB1´は式(2)で表されるので、式(2)を式(16)に代入すると、以下の式が得られる。
式(17)は以下のように変形することができる。
式(18)を式(15)に代入すると、以下の式が得られる。
また、式(20)の|W´(K´)|は、式(19)で表すことができる。ここで、式(19)の右辺のb´および|g´|は、それぞれb´=b(式(5a)参照)、|g´|=|g|(式(8)参照)に設定されているので、|W´(K´)|は、以下のように表すことができる。
式(21)の右辺は、式(13)の右辺と同じである。したがって、式(13)を式(21)に代入すると、以下の式が得られる。
|W´(K´)|=|W(K)| ・・・(22)
ここで、Kは、K=(kx,ky)である。一方、K´は、式(4)から、K´=(kx´,ky´)=(−kx,−ky)で表される。したがって、Kは、K´を用いて以下の式で表すことができる。
K=−K´ ・・・(23)
式(23)を式(22)に代入すると、以下の式が得られる。
|W´(K´)|=|W(−K´)| ・・・(24)
また、本形態では、サンプリング密度関数S´(K´)(式(15)参照)は、サンプリング密度関数S(K)(式(9)参照)と同じ値に設定されている。したがって、S´(K´)とS(K)との間には、以下の関係式が成り立つ。
S´(K´)=S(K) ・・・(25)
式(23)を式(25)に代入すると、以下の式が得られる。
S´(K´)=S(−K´) ・・・(26)
式(24)および式(26)から、以下の関係式が得られる。
|W´(K´)|S´(K´)=|W(−K´)|S(−K´) ・・・(27)
式(27)を式(20)に代入すると、以下の式が得られる。
ここで、式(23)および式(5b)を式(28)に代入し、変数変換すると、以下の式が得られる。
式(29)を整理すると、以下の式が得られる。
式(14)に含まれている二重積分と式(30)に含まれている二重積分とを比較すると、複素共役の関係であることがわかる。したがって、式(14)と式(30)とを加算すると、以下の式が得られる。
ここで、Re{}:二重積分の実部
本形態では、ナビゲータシーケンスNS1およびNS2は、式(27)を満たすように設定されている。また、ナビゲータシーケンスNS1の励起パルスαの位相θと、ナビゲータシーケンスNS2の励起パルスα´の位相θ´は、式(5b)を満たすように設定されている。式(27)および式(5b)が成り立つ場合、MxyとMxy´とを加算することにより、式(31)を得ることができる。式(31)では、二重積分の実部が残り、虚部が除去されている。したがって、サイドローブを低減できることがわかる。
ここで、横磁化(Mxy+Mxy´)によりサイドローブを低減できることを検証するため、横磁化Mxy、横磁化Mxy´、および横磁化(Mxy+Mxy´)それぞれの値を求めるためのシミュレーションを行った。以下に、シミュレーション結果について説明する。
図10はシミュレーション結果の説明図である。
図10(a)は、ナビゲータシーケンスNS1の横磁化Mxyのシミュレーション結果を示している。図10(a1)は、y軸方向の位置と横磁化のMy成分との関係を表すプロファイルF11を示しており、図10(a2)は、y軸方向の位置と横磁化のMx成分との関係を表すプロファイルF12を示している。
図10(b)は、ナビゲータシーケンスNS2の横磁化Mxy´のシミュレーション結果を示している。図10(b1)は、y軸方向の位置と横磁化のMy成分との関係を表すプロファイルF21を示しており、図10(b2)は、y軸方向の位置と横磁化のMx成分との関係を表すプロファイルF22を示している。
図10(a)および図10(b)を参照すると、どちらのナビゲータシーケンスであっても、励起直後の横磁化には、サイドローブが現れることがわかる(図10(a2)および(b2)参照)。
これに対し、図10(c)は、横磁化(Mxy+Mxy´)のシミュレーション結果を示している。図10(c1)は、y軸方向の位置と横磁化のMy成分との関係を表すプロファイルF31を示しており、図10(c2)は、y軸方向の位置と横磁化のMx成分との関係を表すプロファイルF32を示している。
図10(c2)のプロファイルF32を参照すると、サイドローブの横磁化は十分に小さくなっていることがわかる。したがって、横磁化(Mxy+Mxy´)により、サイドローブの影響を低減できることがわかる。
次に、図7のナビゲータシーケンスNS1およびNS2を用いて肝臓のエッジの位置を検出するときのフローの一例について説明する。
図11は、本形態において肝臓のエッジの位置を検出するときのフローの一例を示す図である。
ステップST1では、ナビゲータシーケンスNS1およびNS2を順に実行する。図12は、ナビゲータシーケンスNS1およびNS2を実行するときの説明図である。ナビゲータシーケンスNS1を実行することにより、エコーE1を得ることができる。このエコーE1は受信コイル4で受信され、受信器7に送信される。受信器7は、受信コイル4から受け取った信号に対して検波などの信号処理を行う。これにより、肝臓のエッジの位置情報を含むナビゲータデータS1が得られる。
一方、ナビゲータシーケンスNS2を実行することにより、エコーE2を得ることができる。このエコーE1は受信コイル4で受信され、受信器7に送信される。受信器7は、受信コイル4から受け取った信号に対して検波などの信号処理を行う。これにより、肝臓のエッジの位置情報を含むナビゲータデータS2が得られる。
ナビゲータシーケンスNS1およびNS2を実行した後、ステップST2に進む。
ステップST2では、合成手段91(図2参照)が、ナビゲータデータS1とナビゲータデータS2とを合成する。本形態では、合成手段91は、ナビゲータデータS1とナビゲータデータS2とを加算することによって、ナビゲータデータS1とナビゲータデータS2とを合成する。図13に、ナビゲータデータS1とナビゲータデータS2とを加算することにより得られた加算ナビゲータデータS12を示す。
先に説明したように、ナビゲータシーケンスNS1およびNS2は、式(27)および式(5b)を満たすように設定されている。式(27)および式(5b)が成り立つ場合、サイドローブを低減することができる(式(31)参照)。したがって、ナビゲータデータS1とS2とを加算することにより、サイドローブの影響が低減された加算ナビゲータデータS12を得ることができる。加算ナビゲータデータS12を得た後、ステップST3に進む。
ステップST3では、変換手段92(図2参照)が、加算ナビゲータデータS12をフーリエ変換する。図14に、加算ナビゲータデータS12をフーリエ変換することにより得られた信号強度プロファイルISを概略的に示す。次に、検出手段93(図2参照)は、信号強度プロファイルISの中から信号強度が急減に変化する位置を、肝臓のエッジQの位置Pとして検出する。このようにして、図11のフローを終了する。
本形態では、ナビゲータシーケンスNS1およびNS2は、式(27)および式(5b)を満たすように設定されている、式(27)および式(5b)が成り立つ場合、サイドローブを低減することができるので(式(31)参照)、肝臓のエッジの位置の検出精度を高めることができる。
尚、本形態では、ナビゲータデータS1およびS2を加算することにより、ナビゲータデータS1とナビゲータデータS2とを合成しているが、ナビゲータデータの合成は、ナビゲータデータS1とナビゲータデータS2との加算に限定されることはない。例えば、ナビゲータデータS1およびS2を重み付け係数で重み付けし、重み付けされたナビゲータデータS1およびS2を加算してもよい。
本形態では、ナビゲータシーケンスNS1およびNS2は、|W´(K´)|=|W(K)|およびS´(K´)=S(K)を満たしている(式(22)および式(25)参照)。しかし、式(27)が成り立つのであれば、|W´(K´)|≠|W(K)|でもよいし、S´(K´)≠S(K)であってもよい。
次に、ナビゲータシーケンスNS1およびNS2を用いた呼吸同期法で被検体をスキャンするときの一例について説明する。
図15は本形態で実行されるスキャンを示す図である。
本形態では、ローカライザスキャンLX、プレスキャンA、および本スキャンBが実行される。
ローカライザスキャンLXは、撮影部位などを設定するために使用される画像を取得するためのスキャンである。
プレスキャンAは、後述するウインドウW(図22参照)求めるためのデータを取得するためのスキャンである。
本スキャンBは、肝臓の画像を取得するためのスキャンである。
以下に、ローカライザスキャンLX、プレスキャンA、および本スキャンBを実行するときのフローについて説明する。
図16は、図15に示すスキャンを実行するときのフローを示す図である。
ステップST1では、ローカライザスキャンLXを実行する。図17に、ローカライザスキャンLXにより取得された画像LDを概略的に示す。ローカライザスキャンLXを実行した後、ステップST2に進む。
ステップST2では、画像LDに基づいて撮影部位Rが設定される。図18に、撮影部位を概略的に示す。オペレータは、画像LDを参考にして、撮影部位Rと、ナビゲータ領域Rnavとを設定する。撮影部位Rおよびナビゲータ領域Rnavを設定した後、ステップST3に進む。
ステップST3では、プレスキャンAが実行される(図19参照)。
図19は、プレスキャンAで実行されるシーケンスの説明図である。
プレスキャンAでは、2つのナビゲータシーケンスNS1およびNS2のセットが繰り返し実行される。図19では、ナビゲータシーケンスのセットを符号「N」、「N」、・・・「N」で示してある。以下、ナビゲータシーケンスのセットN〜Nについて説明する。
プレスキャンAでは、先ず、ナビゲータシーケンスのセットNが実行される。ナビゲータシーケンスのセットNは、2つのナビゲータシーケンスNS1およびNS2を有しているので、ナビゲータシーケンスNS1およびNS2が順に実行される。ナビゲータシーケンスNS1およびNS2から収集したエコーに基づいて、肝臓のエッジの位置を検出することができる。肝臓のエッジの位置を検出するときの手順は、図11に示すフローと同じであるので、説明は省略する。したがって、ナビゲータシーケンスのセットN1を実行したときの肝臓のエッジの位置を検出することができる。図20に、ナビゲータシーケンスのセットN1を実行したときの肝臓のエッジの位置を符号「P1」で概略的に示してある。
以下同様に、残りのナビゲータシーケンスのセットN〜Nの各々を実行するときも、図11に示すフローが実行される。したがって、ナビゲータシーケンスのセットN〜Nの各々を実行したときの肝臓のエッジの位置を検出することができる。図21に、ナビゲータシーケンスのセットN〜Nの各々を実行したときの肝臓のエッジの位置の時間変化を概略的に示す。
したがって、プレスキャンAを実行している間の被検体の呼吸信号Sresを得ることができる。
プレスキャンAを実行した後、ステップST4(図16参照)に進む。
ステップST4では、ウインドウ設定手段94(図3参照)が、呼吸信号Sresに基づいてウインドウWを設定する。図22に、ウインドウWの一例を示す。ウインドウWは、本スキャンBにおいてイメージングシーケンスDAQ〜DAQ(図23参照)を実行するときの基準となる肝臓のエッジの範囲を表している。以下に、ウインドウWを設定する方法の一例について簡単に説明する。
ウインドウ設定手段94は、呼吸信号Sresから、被検体が息を吐き終わったときの肝臓のエッジの位置Pbを特定する。被検体が息を吐いている間、エッジの位置は増加するが、被検体が息を吸い始めると、エッジの位置は減少し始める。したがって、エッジの位置が増加してから減少に転じるときの極大値を検出することにより、被検体が息を吐き終わったときのエッジの位置Pbを特定することができる。位置Pbを特定した後、ウインドウ設定手段94は、この位置Pbに対して±xmm(例えば、x=20)の範囲を、ウインドウWとして設定する。ウインドウWを設定した後、ステップST5に進む。
ステップST5では、本スキャンBが実行される。
図23は、本スキャンBの説明図である。
本スキャンBでは、先ず、ナビゲータシーケンスNS1およびNS2のセットNf+1〜Nが実行される。ナビゲータシーケンスのセットNf+1〜Nの各々が実行されるたびに、図11に示すフローに従って肝臓のエッジの位置が検出される。図23では、ナビゲータシーケンスのセットNf+1〜Nを実行することにより検出された肝臓のエッジの位置が、符号「Pf+1」、「Pf+2」、・・・「P」で示されている。
判断手段95(図2参照)は、ナビゲータシーケンスのセットNf+1〜Nを実行するたびに、検出された肝臓のエッジの位置がウインドウWに入っているか否かを判断する。そして、肝臓のエッジの位置がウインドウWの外側からウインドウWの内側に入り込んだときに、イメージングシーケンスDAQを実行する。
ナビゲータシーケンスのセットNf+1〜Np−1では、肝臓のエッジの位置はウインドウWの外側であるが、ナビゲータシーケンスのセットNを実行したときに肝臓のエッジの位置はウインドウWの内側に入り込んでいる。したがって、ナビゲータシーケンスのセットNを実行した直後に、イメージングシーケンスDAQが実行される。
イメージングシーケンスDAQを実行した後、ナビゲータシーケンスのセットNp+1〜Nを実行し、肝臓のエッジの位置を検出する。そして、肝臓のエッジの位置がウインドウWの外側からウインドウWの内側に入り込んだときに、次のイメージングシーケンスDAQを実行する。ナビゲータシーケンスのセットNp+1〜Nq−1では、肝臓のエッジの位置はウインドウWの外側であるが、ナビゲータシーケンスのセットNを実行したときに肝臓のエッジの位置はウインドウWの内側に入り込んでいる。したがって、ナビゲータシーケンスのセットNを実行した直後に、イメージングシーケンスDAQが実行される。
以下同様にナビゲータシーケンスのセットを実行し、肝臓のエッジの位置がウインドウWに入ったときに、イメージングシーケンスを実行する。そして、最後のイメージングシーケンスDAQを実行したら本スキャンBを終了し、フローを終了する。
本形態では、位相プロファイルの位相情報に基づいて、強度プロファイルに現れた不要信号の強度を除去することができるので、肝臓のエッジの位置の検出精度を高めることができる。したがって、信頼性の高い呼吸信号を得ることができるので、体動アーチファクトが低減された高品質な画像を得ることができる。図24に、ナビゲータシーケンスを用いた呼吸同期法により撮影された画像を示す。図24(a)は、ナビゲータシーケンスNS1のみを用いた呼吸同期法により撮影された画像aを示し、図24(b)は、ナビゲータシーケンスNS1およびNS2の両方を用いた呼吸同期法により撮影された画像bを示す。図24(a)および(b)を比較すると、画像bは、画像aよりも体動アーチファクトが低減されていることがわかる。したがって、ナビゲータシーケンスNS1およびNS2の両方を用いた呼吸同期法が有効であることがわかる。
尚、本形態では、励起パルスα´の励起時間T´は、励起パルスαの励起時間Tと同じ値に設定されている。しかし、k空間軌跡J1上の座標点(kx,ky)と、k空間軌跡J2上の座標点(kx´,ky´)において、式(27)および式(5b)の関係を満たしているのであれば、T´≠Tに設定してもよい。
本形態では、信号強度プロファイルから肝臓のエッジの位置を検出することにより、被検体の呼吸信号を得ているが、肝臓のエッジの位置を検出する代わりに、LSQ(Least Square)法などを用いて肝臓のエッジの移動量を求め、肝臓のエッジの移動量から呼吸信号を作成してもよい。
本形態では、ナビゲータシーケンスNS1およびNS2を用いて呼吸信号を求めているが、本発明は、呼吸信号以外の生体信号(例えば、心拍信号)を求める場合や、イメージングデータを収集する場合にも適用することができる。例えば、式(27)および式(3b)を満たすように構成された2つのイメージングシーケンスを実行することにより、サイドローブが低減されたイメージングデータを収集することができるので、高品質な画像を得ることができる。
尚、本形態では、動きのある部位をスキャンする例について説明しているが、本発明は、動きのある部位のスキャンに限定されることはなく、静止部位をスキャンする場合にも適用することができる。
2 マグネット
3 テーブル
3a クレードル
4 受信コイル
5 送信器
6 傾斜磁場電源
7 受信器
8 コンピュータ
9 プロセッサ
10 メモリ
11 操作部
12 表示部
13 被検体
21 ボア
91 合成手段
92 変換手段
93 検出手段
94 ウインドウ設定手段
95 判断手段
100 MR装置

Claims (14)

  1. 第1の励起k空間において座標点(kx,ky)を含む第1のk空間軌跡を辿るように被検体の第1の部位を励起し、前記第1の部位の情報を含む第1のデータを取得するための第1のシーケンスであって、前記第1の部位を励起するための第1の励起パルスと、第1の軸に印加される第1の傾斜磁場と、第2の軸に印加される第2の傾斜磁場とを有し、前記第1の傾斜磁場および前記第2の傾斜磁場は、前記第1のk空間軌跡が得られるように構成されている第1のシーケンス、並びに
    第2の励起k空間において座標点(kx´,ky´)を含む第2のk空間軌跡を辿るように前記第1の部位を励起し、前記第1の部位の情報を含む第2のデータを取得するための第2のシーケンスであって、前記第1の部位を励起するための第2の励起パルスと、前記第1の軸に印加される第3の傾斜磁場と、前記第2の軸に印加される第4の傾斜磁場とを有し、前記第3の傾斜磁場と前記第4の傾斜磁場は、前記座標点(kx´,ky´)が前記座標点(kx,ky)とは符号が反対の座標点(−kx,−ky)に設定された前記第2のk空間軌跡が得られるように構成されている第2のシーケンス、を実行するためのスキャン手段と、
    前記第1のデータと前記第2のデータとを合成する合成手段と、
    を備えており、
    前記第1のシーケンスおよび前記第2のシーケンスは、以下の式を満たすように設定されている、磁気共鳴装置。

    ここで、B1:前記(kx,ky)における前記第1の励起パルスの値
    |g|:前記(kx,ky)における前記第1の傾斜磁場と前記第2の傾斜磁場との合成傾斜磁場の値の絶対値
    S(K):前記(kx,ky)におけるサンプリング密度関数
    B1´:前記(kx´,ky´)における前記第2の励起パルスの値
    |g´|:前記(kx´,ky´)における前記第3の傾斜磁場と前記第4の傾斜磁場との合成傾斜磁場の値の絶対値
    S´(K´):前記(kx´,ky´)におけるサンプリング密度関数
    γ:磁気回転比
    θ:前記(kx,ky)における前記第1の励起パルスの位相
    θ´:前記(kx´,ky´)における前記第2の励起パルスの位相
  2. |g|および|g´|は、以下の式で表される、請求項1に記載の磁気共鳴装置。
    ここで、g:前記(kx,ky)における前記第1の傾斜磁場の値
    :前記(kx,ky)における前記第2の傾斜磁場の値
    ´:前記(kx´,ky´)における前記第3の傾斜磁場の値
    ´:前記(kx´,ky´)における前記第4の傾斜磁場の値
  3. |g|および|g´|は、以下の関係を有している、請求項2に記載の磁気共鳴装置。
    |g´|=|g|
  4. B1およびB1´は、以下の式で表される、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
    B1=b・eiθ
    B1´=b´・eiθ´
    ここで、b:前記(kx,ky)における前記第1の励起パルスの大きさ
    b´:前記(kx´,ky´)における前記第2の励起パルスの大きさ
  5. b=b´である、請求項4に記載の磁気共鳴装置。
  6. 前記第2の励起パルスの励起時間は、前記第1の励起パルスの励起時間とは異なっている、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  7. 前記第1のk空間軌跡および前記第2のk空間軌跡はスパイラル軌跡である、請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  8. 前記スパイラル軌跡の始点は、k空間の原点とは異なる座標点に設定されており、前記スパイラル軌跡の終点は、k空間の原点に設定されている、請求項7に記載の磁気共鳴装置。
  9. 前記スパイラル軌跡の始点は、k空間の原点に設定されており、前記スパイラル軌跡の終点は、k空間の原点とは異なる座標点に設定されている、請求項7に記載の磁気共鳴装置。
  10. 前記サンプリング密度関数S(K)およびS´(K´)は、以下の関係を有している、請求項1〜9のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
    S´(K´)=S(K)
  11. 前記スキャン手段は、
    前記被検体の呼吸信号を取得するためのプリスキャンと、前記被検体の第2の部位の画像を取得するための本スキャンとを実行し、
    前記プリスキャンでは、前記第1のシーケンスおよび前記第2のシーケンスのセットが実行され、
    前記本スキャンでは、前記第1のシーケンスおよび前記第2のシーケンスのセットと、前記第2の部位の画像を取得するための第3のシーケンスとが実行される、請求項1〜10のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  12. 前記第1のデータおよび前記第2のデータは、前記第1の部位の位置情報を含むナビゲータデータである、請求項1〜11のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  13. 前記第1のデータおよび前記第2のデータは、前記第1の部位のイメージングデータである、請求項1〜11のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  14. 第1の励起k空間において座標点(kx,ky)を含む第1のk空間軌跡を辿るように被検体の第1の部位を励起し、前記第1の部位の情報を含む第1のデータを取得するための第1のシーケンスであって、前記第1の部位を励起するための第1の励起パルスと、第1の軸に印加される第1の傾斜磁場と、第2の軸に印加される第2の傾斜磁場とを有し、前記第1の傾斜磁場および前記第2の傾斜磁場は、前記第1のk空間軌跡が得られるように構成されている第1のシーケンス、並びに
    第2の励起k空間において座標点(kx´,ky´)を含む第2のk空間軌跡を辿るように前記第1の部位を励起し、前記第1の部位の情報を含む第2のデータを取得するための第2のシーケンスであって、前記第1の部位を励起するための第2の励起パルスと、前記第1の軸に印加される第3の傾斜磁場と、前記第2の軸に印加される第4の傾斜磁場とを有し、前記第3の傾斜磁場と前記第4の傾斜磁場は、前記座標点(kx´,ky´)が前記座標点(kx,ky)とは符号が反対の座標点(−kx,−ky)に設定された前記第2のk空間軌跡が得られるように構成されている第2のシーケンス、を実行するためのスキャン手段であって、以下の式を満たすように設定された前記第1のシーケンスおよび前記第2のシーケンスを実行するスキャン手段を有する磁気共鳴装置に適用されるプログラムであって、
    前記第1のデータと前記第2のデータとを合成する合成処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
    ここで、B1:前記(kx,ky)における前記第1の励起パルスの値
    |g|:前記(kx,ky)における前記第1の傾斜磁場と前記第2の傾斜磁場との合成傾斜磁場の値の絶対値
    S(K):前記(kx,ky)におけるサンプリング密度関数
    B1´:前記(kx´,ky´)における前記第2の励起パルスの値
    |g´|:前記(kx´,ky´)における前記第3の傾斜磁場と前記第4の傾斜磁場との合成傾斜磁場の値の絶対値
    S´(K´):前記(kx´,ky´)におけるサンプリング密度関数
    γ:磁気回転比
    θ:前記(kx,ky)における前記第1の励起パルスの位相
    θ´:前記(kx´,ky´)における前記第2の励起パルスの位相
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