JP6258087B2 - レンズアッシー - Google Patents

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Description

本発明は、2つのレンズをそれらの縁部で接触させ、対向配置して構成されるレンズアッシーに関するものである。
従来、ガラス、プラスチックなどの透光性媒質を用いた光学素子(レンズ)には、表面反射が多いとフレアーやゴーストが多く発生し、また透過率が低下するので表面に薄膜の誘電体膜よりなる反射防止膜が施されている。この反射防止膜には、光学素子に入射する光束の入射角度範囲が広くても、良好なる反射防止効果が得られることが要望されている。
広い入射角度範囲で高い反射防止効果を得るには、空気と層との間や、層と層との間の界面を構成する膜の屈折率差が小さいことが必要である。このような反射防止構造膜として、可視光の波長以下の微細凹凸構造膜からなる機能膜が知られている(特許文献1、2など)。
一般に、銀塩フィルム用カメラ、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、デジタルビデオカメラ、望遠鏡、双眼鏡、プロジェクター、複写機等の光学機器においては、複数のレンズを組み合わせて構成される光学系が組み込まれている。
レンズは、レンズ鏡筒内に収納保持されるが、光学系全体の長さを短縮するためや、組立精度を向上させるために隣接するレンズ同士をレンズ外周部で直接接触させてレンズアッシーを組み立て、レンズ同士をその外周部で接触させた状態で、レンズ鏡筒内に配置されることがある。このレンズ同士を直接接触させることをマージナルコンタクトという。
例えば、図7に示すように2つのレンズ41、42は鏡筒3内に収納され、互いのエッジ部45で接触した状態で保持部材(押さえリング)8を用いて固定されている。
レンズアッシーを構成する一方のレンズ41の他方のレンズ42に対向する面41bに微細凹凸構造膜44からなる機能膜が形成されている場合、両者がコンタクトしているエッジ部45において、他方のレンズ42がレンズ1の微細凹凸構造膜44に押し付けられた構成となる。微細凹凸構造膜は誘電体膜からなる反射防止膜に比べて膜硬度が大変小さい(弱い)。このため、2つのレンズをマージナルコンタクトするとき、機能膜が施された面が他の面と接触すると接触部で機能膜が破損し、反射防止効果が低下してしまう場合がある。また、破損した機能膜の一部がレンズ面に飛散し、光学性能が低下する原因となってくる場合もある。
上記課題を解決する方法として、特許文献3には、図8に示すように、一方の面に微細凹凸構造膜54からなる機能膜を備えたレンズと51と、そのレンズ51の機能膜を形成した面51bと対向して、その機能膜を形成した面51bの径φ1bよりも大きな径φ2を有するレンズ52とを含み、機能膜を形成した面51bのエッジ部と機能膜を形成した面の径よりも大きな径を有するレンズ52の光学面52aとがマージナルコンタクトされている構成のレンズアッシーが提案されている。
図8に示すように、一方のレンズ51の微細凹凸構造膜が形成されていないエッジでマージナルコンタクトを行えば、図7に示すように、微細凹凸構造膜44が形成されているレンズ面の径φ1bよりも小さな径φ2を有するレンズ42とマージナルコンタクトさせる場合と比較して、微細凹凸構造膜の破損(剥がれや欠け)という問題は抑制されると考えられる。
特開2005−275372号公報 特開2010−66704号公報 特開2009−1288844号公報 特開2013−24922号公報
図7、8には示されていないが、一般に、レンズの非光線有効領域(所謂、コバ部分)には、ゴースト防止のために遮光膜が付与されている(特許文献4等)。一方、反射防止膜は少なくとも光線有効領域に形成されていればよい。しかし、この光線有効領域と遮光膜が形成されている非光線有効領域との境に隙間があるとゴーストを完全に抑制することができないため、隙間を生じさせないようにする必要がある。そして、光線有効領域と非光線有効領域との境に隙間が生じないためには、反射防止膜を非光線有効領域に一部オーバーラップさせて形成することが好ましい。
反射防止膜を非光線有効領域に一部オーバーラップさせて形成しようとすると、図8におけるレンズ51のレンズ52とコンタクトするエッジ部にも微細凹凸構造膜が形成されることになる。その場合には、やはり、コンタクト部における微細凹凸構造膜の破損の問題が生じることとなる。
また、レンズの偏心に関する敏感度が高い光学系においては、レンズ鏡筒内で偏心調整を行った後に固定する場合があり、図9(a)に示すように、マージナルコンタクトされた2つのレンズ1、2を光軸9と直交する面内で矢印の如く回転調整を行い、調芯を行ったり、図9(b)に示すように、2つのレンズ1、2を光軸9と直交する面内で矢印の如くシフト調整を行い、調芯を行ったりする場合がある。このような調芯時には、微細凹凸構造膜の破損は顕著となるために、レンズアッシーを構成する際には、機能膜が破損されないようにすることが大きな課題である。
本願発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、微細凹凸構造膜からなる機能膜を備えたレンズを他のレンズとマージナルコンタクトさせて構成されるレンズアッシーにおいて、機能膜を破損することなく高い組立精度で容易に組み立てることができるレンズアッシーを提供することを目的とする。
本発明のレンズアッシーは、2枚のレンズが、光線有効部が互いに対向し、非光線有効部であるエッジ部で互いに接触して配置構成されるレンズアッシーであって、
一方のレンズが、他方のレンズに対面するレンズ面のエッジ部を含む全域に亘って微細凹凸構造膜からなる機能膜を有し、微細凹凸構造膜のエッジ部に形成されている部分が、平坦化部材により埋め込まれて平坦化されていることを特徴とする。
ここで、微細凹凸構造膜の微細凹凸の周期(平均ピッチ)は使用される光の波長より十分に小さいものとする。
少なくとも一方のレンズの非光線有効部に遮光膜を備えていることが好ましい。2枚のレンズがそれぞれ非光線有効部に遮光膜を備えていることがより好ましい。
平坦化部材が遮光膜と同一材料であることが好ましい。
エッジ部において、凹凸構造膜とレンズ面との間に遮光膜が設けられた構成であってもよい。
微細凹凸構造膜は、アルミまたはアルミナの水和物を主成分とする組成物からなるものであることが好ましい。
本発明のレンズアッシーは、2枚のレンズがその縁部で接触して構成されるものであり、一方のレンズの表面に設けられている微細凹凸構造膜からなる機能膜において、他方のレンズと接触するエッジ部が、平坦化部材により埋め込まれて平坦化されているので、エッジ部で他方のレンズと接触しても微細凹凸構造膜の欠けや剥がれなどが生じるのを抑制することができ、すなわち、機能膜を破損することなく高い組立精度で容易に組み立てることができる。
本発明の実施形態に係るレンズアッシーの構成を示す断面模式図である。 一方のレンズのエッジ部を示す拡大図である。 エッジ部の変形構成例を示す拡大図である。 実施例1の製造工程フローを示す図である。 実施例2の製造工程フローを示す図である。 比較例の製造工程フローを示す図である。 従来のレンズアッシーの構成を示す断面模式図である。 従来のレンズアッシーの構成を示す断面模式図である。 (a)は光軸に対して回転させて偏心調整する方法、(b)は光軸に直交する面内でシフトさせて偏心調整する方法をそれぞれ説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るレンズアッシー10の構成を示す断面模式図である。図1に示すように、レンズアッシー10は2枚のレンズ1、2から構成されており、一方のレンズ1の他方のレンズ2に対向するレンズ面1bに微細凹凸構造膜4からなる機能膜が形成されている。2枚のレンズ1、2は、光線有効部が互いに対向し、非光線有効部の一部であるエッジ部15で互いに接触して配置構成されている。また、それぞれのレンズ1、2の非光線有効部(所謂コバ部)には遮光膜6、7が形成されている。
レンズの光線有効部および非光線有効部は実際には使用される光学系によって定まるものであるが、少なくとも鏡筒に保持される側面およびマージナルコンタクトをさせているエッジ部15は非光線有効部の一部である。
1対のレンズのうちの一方のレンズ1と他方のレンズ2が、鏡筒3内に挿入され、エッジ部15で互いに接触させた状態で調芯後、押さえ部材8で押さえ付けて固定されてレンズアッシー10を構成している。
図2は、図1に示すレンズ1とレンズ2とが接触するエッジ部15におけるレンズ1を拡大して示した図である。
レンズ1において、微細凹凸構造膜4はエッジ部にも形成されている。また、エッジ部において微細凹凸構造膜4の上に平坦化部材5が配されており、微細凹凸構造膜の凹部が埋め込まれて表面が平坦化されている。本実施形態においては、遮光膜6が平坦化部材5を兼ねる構成となっている。
微細凹凸構造膜4がエッジ部にも形成されているので、光線有効部と非光線有効部との間に隙間なく反射防止機能を持たせることができる。
微細凹凸構造膜4は、アルミまたはアルミナの水和物を主成分とする透明な微細凹凸膜であり、反射防止機能を備えている。
アルミナの水和物とは、アルミナ1水和物であるベーマイト(Al23・H2OあるいはAlOOHと表記される。)、アルミナ3水和物(水酸化アルミニウム)であるバイヤーライト(Al23・3H2OあるいはAl(OH)3と表記される。)などである。
この微細凹凸構造膜4の凹凸の周期(平均ピッチ)は使用される光(例えば赤外光、可視光)の波長より十分に小さいものとする。具体的には、微細凹凸の周期は数10nm〜数100nmオーダーである。微細凹凸構造膜4において、ピッチは凹部を隔てた最隣接凸部の頂点同士の距離であり、深さは凸部頂点から隣接する凹部の底部までの距離である。
微細凹凸構造膜は、基材から離れるほど疎になる(凹部に相当する空隙の幅が大きくなり、凸部の幅が小さくなる)構造を有しており、基材から離れるほど屈折率は小さくなる。
凹凸の平均的なピッチは、例えば、SEM(走査型電子顕微鏡)で微細凹凸構造の表面画像を撮影し、画像処理をして2値化し、統計的処理によって求めることができる。同様に、凹凸構造膜の膜厚は、微細凹凸構造膜の断面画像を撮影し、画像を処理することによって求めることができる。
微細凹凸構造膜4は、レンズ面に蒸着法あるいはスパッタ法などの気相成長法によりアルミニウムを含む膜を成膜し、温熱処理を行うことにより形成できる。アルミニウムを含む膜としては、アルミニウム膜、アルミナ膜等が挙げられる。例えば、Alをスパッタ法で成膜した後に温水処理として沸騰水に5分間浸漬させて表面にアルミナの水和物を主成分とする微細凹凸構造膜を形成することができる。
他方のレンズ2と接触するエッジ部において微細凹凸構造膜4が平坦化膜である平坦化部材5(ここでは遮光膜6)により凹部が埋め込まれており、微細凹凸構造膜4が直接他方のレンズ2と接触しないので、微細凹凸構造膜4の破損を生じない。平坦化膜5の部分で他方のレンズ2と接触させた状態で、調芯を行うので、擦れによっても微細凹凸構造膜の欠け、剥がれを生じることなく、高精度のレンズアッシーを組み立てることができる。
なお、一方のレンズ1の微細凹凸構造膜4が形成されていない面1b、他方のレンズ2の両面2a、2bには、誘電体多層膜からなる反射防止コート(ARコート)が付与されている。各レンズ面に1b、2a、2bに設けられる反射防止コートは、誘電体多層膜でなく、微細凹凸構造膜であっても構わない。このとき、他方のレンズ2の一方のレンズ1と接触するエッジ部においては、やはり微細凹凸構造膜の凹部を平坦化膜により埋め込まれていることが好ましい。
図3は、一方のレンズ1のエッジ部15の設計変更例を示す拡大図である。
レンズの非光線有効部に遮光膜が先に形成され、その後、光線有効部および非光線有効部の一部に微細凹凸構造膜4が形成され、最後に、エッジ部において微細凹凸構造膜4の凹部を平坦化部材5によって埋め込み表面を平坦化して構成されている。従って、エッジ部においては、レンズの表面1b側から遮光膜6、微細凹凸構造膜4、平坦化部材5の順に積層された構成である。
この場合、平坦化部材5は、微細凹凸構造膜の凹部を埋め込み表面を平坦化することができる材料であれば、特に制限なく、遮光性材料で構成されていてもよいし、遮光性材料から構成されてなくてもよい。例えば透明なアクリル樹脂から構成することができる。但し、平坦化部材5としては、遮光性材料を用い、遮光膜の一部として機能するものであることが、ゴースト防止の観点から好ましい。遮光性材料としては、公知の遮光性塗料を適宜用いることができる。
また、遮光膜形成後に微細凹凸構造膜を形成する工程では、微細凹凸構造膜形成時に遮光膜が剥げる等先に形成した遮光膜に不具合が生じる恐れも考えられるため、微細凹凸構造膜の形成後に、平坦化部材を埋め込むことがより望ましい。このとき、平坦化部材と遮光膜は両者を兼ねる材料により同時に設けてもよいし、平坦化部材による微細凹凸の平坦化処理を行った後に、その平坦化部材表面を含む非光線有効領域に遮光膜を形成するようにしてもよい。
以下、本発明の実施例および比較例のレンズアッシーの製造方法および構成について説明する。
(実施例1)
図4は本実施例1のレンズアッシーの一方のレンズ1の製造工程を示すフロー図である。
まず、レンズ硝材(NPH3)から研磨またはモールドすることによって単品レンズを形成し(S1)、芯取りを行った(S2)。他方のレンズ2と対向する面(コンタクト面)1bと逆側の面1aに誘電体多層膜からなる反射防止コートを形成した(S3)。その後レンズのコバにキャノン化成社製塗料(GT1000)を5μm厚みに塗布して遮光膜を形成した(S4)。
その後、他方のレンズ2と対向する面(コンタクト面)1bにスパッタ法にてSiON(1)、SiON(2)、Alを連続成膜した(S5)。SiON(1)は540nm波長における屈折率n=1.845、SiON(2)は540nm波長における屈折率n=1.684とした。SiON(1)を63nm、SiON(2)を110nm、Alを80nmの各厚みで成膜した。この後に蒸留沸騰水に3分間浸漬させる水熱処理によって微細凹凸構造膜を形成した(S6)。微細凹凸構造膜はAl膜が水熱処理によりベーマイト化されて形成されたものである。
凹凸構造膜の形成後に、他方のレンズとのコンタクト部分(エッジ部分)にのみ遮光材(キャノン化成社製塗料GT1000)を1μm塗布することによって凹凸構造を平坦化させた(S7)。このとき平坦化膜の膜厚は凹凸構造の高さより厚く設定した。
以上の工程により単品レンズ1を完成させた。実施例1における一方のレンズ1のエッジ部は、図3に示すように、レンズ面に遮光膜6が形成され、その上に微細凹凸構造膜4が形成され、さらに平坦化部材5により表面平坦化された構成である。但し、本例では、微細凹凸構造膜4とレンズ面1bとの間にSiON層からなる平坦層がさらに備えられている。なお、この平坦層の上に形成された凹凸構造の高さは150nmであった。
他方のレンズ2はレンズ硝材(LAH55V)から研磨またはモールドすることによって形成した。両面2a、2bに誘電体多層膜からなる反射防止コートを成膜した後にコバにキャノン化成社製塗料(GT7-II)を5μm厚みに塗布することによって単品レンズ2を完成させた。
鏡筒3に単品レンズ1および2を調整して組み込み、レンズアッシー10を完成させた。このレンズアッシーを光学系に組み込むことによってカメラレンズを完成させた。このとき凹凸構造の破壊から発生する粉塵は光路中に存在しないことを確認した。具体的には、レンズの像面方向から白色平行光を入射させてレンズを透過する光の散乱光を目視で観測し、レンズ表面に異物による散乱が発生していないことを確認した。
(実施例2)
図5は本実施例2のレンズアッシーの一方のレンズ1の製造工程を示すフロー図である。
まず、レンズ硝材(NPH3)から研磨またはモールドすることによって単品レンズを形成し(S1)、芯取りを行った(S2)。他方のレンズ2と対向する面(コンタクト面)1bと逆側の面1aに誘電体多層膜からなる反射防止コートを形成した(S3)。
その後、他方のレンズと対向する面(コンタクト面)1bにスパッタ法にてSiON(1)、SiON(2)、Alを連続成膜した(S5)。SiON(1)は540nm波長における屈折率n=1.845、SiON(2)は540nm波長における屈折率n=1.684とした。SiON(1)を63nm、SiON(2)を110nm、Alを80nmの各厚みで成膜した。この後に蒸留沸騰水に3分間浸漬させる水熱処理によって凹凸構造膜を形成した(S6)。微細凹凸構造膜はAl膜が水熱処理によりベーマイト化されて形成されたものである。
凹凸構造膜の形成後に、レンズのコバにキャノン化成社製塗料(GT1000)を5μm厚みに塗布した。この際、他方のレンズとのコンタクト部分(エッジ部分)にも遮光材は塗布され、この遮光材により凹凸構造の凹部が埋め込まれて凹凸構造の平坦化がなされた(S8)。
以上の工程により一方のレンズ1を完成させた。実施例2における一方のレンズ1のエッジ部は、図2に示すように、レンズ面上に形成された微細凹凸構造膜4上に形成された遮光膜6によって凹部は埋め込まれ平坦化された構成である。本例では遮光膜6が平坦化部材5を兼ねている。但し、本例では、微細凹凸構造膜4とレンズ面1bとの間に2種のSION層からなる平坦層がさらに備えられている。なお、この平坦層上に形成された凹凸構造の高さは150nmであった。
他方のレンズ2はレンズ硝材(LAH55V)から研磨またはモールドすることによって形成した。両面2a、2bに誘電体多層膜からなる反射防止コートを成膜した後にコバにキャノン化成社製塗料(GT7-II)を5μm厚みに塗布することによって単品レンズを完成させた。
鏡筒3に単品レンズ1および2を調整して組み込み、レンズアッシー10を完成させた。このレンズアッシーを光学系に組み込むことによってカメラレンズを完成させた。このとき凹凸構造の破壊から発生する粉塵は光路中に存在しないことを確認した。
(比較例)
図6は、本比較例のレンズアッシーの一方のレンズの製造工程を示すフロー図である。
まず、レンズ硝材(NPH3)から研磨またはモールドすることによって単品レンズを形成し(S1)、芯取りを行った(S2)。他方のレンズ2と対向する面(コンタクト面)と逆側の面に誘電体多層膜からなる反射防止コートを形成した(S3)。その後レンズのコバにキャノン化成社製塗料(GT1000)を5μm厚みに塗布して遮光膜を形成した(S4)。
その後、他方のレンズと対向する面(コンタクト面)にスパッタ法にてSiON(1)、SiON(2)、Alを連続成膜した(S5)。SiON(1)は540nm波長における屈折率n=1.845、SiON(2)は540nm波長における屈折率n=1.684とした。SiON(1)を63nm、SiON(2)を110nm、Alを80nmの各厚みで成膜した。この後に蒸留沸騰水に3分間浸漬させる水熱処理によって微細凹凸構造膜を形成した(S6)。微細凹凸構造膜はAl膜が水熱処理によりベーマイト化されて形成されたものである。形成された凹凸構造の高さは150nmであった。
以上の工程により一方の単品レンズを完成させた。比較例における一方のレンズは実施例1のレンズ1において平坦化部材5を備えていない構成である。従って、エッジ部においても微細凹凸構造膜が露出している。
他方のレンズはレンズ硝材(LAH55V)から研磨またはモールドすることによって形成した。両面に誘電体多層膜からなる反射防止コートを成膜した後にコバにキャノン化成社製塗料(GT7-II)を5μm厚みに塗布することによって他方の単品レンズを完成させた。
鏡筒3に上記のように形成した2つのレンズを調整して組み込み、レンズアッシーを完成させた。このレンズアッシーを光学系に組み込むことによってカメラレンズを完成させた。このとき凹凸構造の破壊から発生した粉塵が光路中に存在することを確認した。
1、2 レンズ
3 鏡筒
4 微細凹凸構造膜
5 平坦化部材
6、7 遮光膜
8 押さえ部材
10 レンズアッシー
15 エッジ部(コンタクト部)

Claims (5)

  1. 2枚のレンズが、光線有効部が互いに対向し、一方のレンズが該一方のレンズの外周部を構成する面とレンズ面を構成する曲面との境界で他方のレンズに接触して配置構成されるレンズアッシーであって、
    前記一方のレンズが、前記他方のレンズに対面するレンズ面の前記境界を含む全域に亘って微細凹凸構造膜からなる機能膜を有し、前記微細凹凸構造膜の、前記境界を含み前記面および前記曲面に亘る、前記一方のレンズの非光線有効部内の部分が、平坦化部材により埋め込まれて平坦化されていることを特徴とするレンズアッシー。
  2. 少なくとも前記一方のレンズの前記非光線有効部に遮光膜を備えている請求項1記載のレンズアッシー。
  3. 前記平坦化部材が前記遮光膜と同一材料である請求項2記載のレンズアッシー。
  4. 前記微細凹凸構造膜の、前記平坦化部材により埋め込まれて平坦化された前記部分において、前記レンズとの間に前記遮光膜が設けられている請求項2または3記載のレンズアッシー。
  5. 前記微細凹凸構造膜が、アルミまたはアルミナの水和物を主成分とする組成物からなる請求項1から4いずれか1項記載のレンズアッシー。
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