JP6258016B2 - 弁本体及びその製造方法 - Google Patents

弁本体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、弁装置の備える弁本体及びその製造方法に関する。
例えば、燃料電池自動車等には、高圧水素ガスの流通を制御するための弁装置が装備される。弁装置は、水素ガスの流路を有する弁本体と、水素ガスの流通を制御する高圧弁とを備えている(特許文献1,2)。弁本体は、流路の一部に、高圧弁が収容される弁収容部を有している。弁収容部には、特許文献1の段落[0021]に開示されるように、アルミニウム合金の陽極酸化処理であるアルマイト処理が行われている。
特開2013−029161号公報 特開2010−038247号公報
高圧弁が設けられる弁本体では、流路内における水素ガスの圧力は高圧弁の動作に伴って比較的大きく変動する。すなわち、流路には高圧弁の動作に伴って繰返し荷重が加わる。一方、アルミニウム系合金製の弁本体の流路(弁収容部)における陽極酸化処理は、例えば流路の耐食性が向上される点で有利であるものの、陽極酸化処理で形成された酸化層に上記の繰返し荷重が加わる。このような繰返し荷重に対して、水素ガスの流路の耐久性を高める点について未だ改善の余地を残すものとなっている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高圧弁の動作に伴う繰返し荷重に対して、水素ガスの流路の耐久性を高めることの容易な弁本体及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決する弁本体は、水素ガスの流路を有し、高圧弁が設けられる弁本体であって、前記流路の内面は、アルミニウム系合金の陽極酸化処理で形成される酸化層により構成され、前記流路の酸化層は、前記流路に連通される開口を有する前記弁本体の外面おいて、8μm以下の酸化層が形成される条件の陽極酸化処理により形成されている。
本発明者らは、陽極酸化処理で形成された酸化層を有するアルミニウム系合金では、酸化層の厚さが薄くなるに従って、平面曲げ疲労に対する耐久性が得られ易くなることを見出した。こうした知見に基づき、上記流路の酸化層は、流路に連通される開口を有する弁本体の外面おいて、8μm以下の酸化層が形成される条件の陽極酸化処理により形成されている。この構成によれば、流路の酸化層の厚さは8μm以下に形成され易い。すなわち、流路の酸化層の厚さが薄く設定されることで、平面曲げ疲労に対する酸化層の耐久性が得られ易くなる。
本発明によれば、高圧弁の動作に伴う繰返し荷重に対して、水素ガスの流路の耐久性を高めることが容易となる。
実施形態の弁本体の一部を切り欠いて示す断面図である。 電解浴の温度条件を変更して陽極酸化処理を行った試験片に関する評価結果を示すグラフであり、酸化層の厚さと安全率との関係を示すグラフである。 電解浴の温度条件を変更して陽極酸化処理を行った試験片に関する評価結果を示すグラフであり、酸化層の厚さと割れ発生温度との関係を示すグラフである。
以下、弁本体の一実施形態について図面に従って説明する。
図1に示す弁本体11は、高圧水素ガスの流通を制御する弁装置に用いられ、水素ガスの流路21と、この流路21の一部に、高圧弁が収容される弁収容部31とを有している。弁装置は、弁本体11と弁本体11に装着される高圧弁とを備え、水素のガスタンクに連結されるとともに、水素ガスの送出先としての燃料電池に連結される。弁装置は、ガスタンクに70MPaの充填圧力で充填される水素ガスの流通を制御する。弁収容部31に設けられる高圧弁としては、例えば、電磁弁、逆止弁が挙げられる。なお、弁本体11には、圧抜弁、マニュアル弁、逆止弁、及び溶栓弁が設けられる弁収容部31を有している。弁本体11を備えた弁装置は、ガスタンク及び燃料電池とともに燃料電池システムを構成し、車両に搭載される。
次に、弁本体11の詳細について説明する。
流路21は、弁収容部31を含み、弁本体11の外面12に開口している。弁本体11の外面12は、流路21に連通される開口12aを有している。弁収容部31の幅寸法は、流路21の他の部分の幅寸法よりも大きい。
流路21は、図1に示すZ軸方向に沿って延在し、ガスタンクに通じる第1流路22と、第1流路22に連通し、図1に示すY軸方向に沿って延在する第2流路23とを有している。このように配置された第1流路22と第2流路23との連結部分は、交差部24を構成している。
第2流路23は、図1のX軸方向に沿って延在し、外部の供給源から水素ガスをガスボンベに供給する際の供給路となる第3流路25に連通している。第2流路23は、図1に示すX軸方向に沿って延在するとともに弁収容部31を介してY軸方向に沿って延在し、送出先へ向かう第4流路26に連通している。
図1に拡大して示される流路21の内面は、アルミニウム系合金の陽極酸化処理で形成される酸化層27により構成されている。なお、図1では酸化層27の厚さを誇張して表している。
酸化層27は、弁本体11の全体形状をアルミニウム系合金で形成した半製品に陽極酸化処理が行われることで形成される。半製品における流路21の幅寸法は、弁収容部31以外の部分において、例えば、3〜5mmの範囲である。本実施形態の流路21の断面形状は円形状であり、弁収容部31以外の部分の内径が3〜5mmの範囲に設定されている。半製品の流路21において、開口12aから交差部24までの距離は、例えば150mm以下である。
半製品の基材であるアルミニウム系合金としては、例えば、アルミニウム合金、又は、1質量%以上のシリコンを含む高シリコン−アルミニウム合金等が挙げられる。本実施形態では、耐水素脆化性の観点から、JIS H4100(2006)等で規定される6000系(Al−Mg−Si系)のアルミニウム合金の一種でとしての“A6061−T6”が用いられている。アルミニウム合金(A6061−T6)中の成分は、Siが0.4〜0.8質量%であり、Feが0.7質量%以下であり、Cuが0.15〜0.4質量%であり、Mnが0.15質量%以下であり、Mgが0.8〜1.2質量%であり、Crが0.04〜0.35質量%であり、Znが0.25質量%以下であり、Tiが0.15質量%以下であり、残部がAlである。アルミニウム合金(A6061−T6)の引張強さは、295MPa以上であり、耐力が245MPa以上であり、伸びが10%である。半製品には、必要に応じて脱脂処理が行われる。脱脂処理としては、例えば、有機溶剤法、界面活性剤法、硫酸法、電解法、リン酸塩、及びアルカリ法が挙げられる。本実施形態の半製品には、アルカリ法による脱脂処理が行われる。
次に、酸化層27の詳細について説明する。
図1に拡大して示される流路21の酸化層27は、弁本体11の外面12において、8μm以下の酸化層27が形成される条件の陽極酸化処理により形成されている。陽極酸化処理は、電解浴中に浸漬された半製品を陽極として電解液の電気分解を行うことで、半製品の表面(外面12及び流路21の内面)に酸化層27(酸化皮膜)を生成させる処理である。陽極酸化処理の条件は、例えば、アルミニウム系合金製の試験片や半製品に予め陽極酸化処理を行う予備試験を行い、外面12の酸化層27の厚さを測定することで設定することができる。陽極酸化処理の条件としては、例えば、電解浴の温度、及び処理時間が挙げられる。酸化層27の厚さは、例えば、渦電流式皮膜厚さ計や断面の顕微鏡写真を用いて測定することができる。
流路21の酸化層27は、弁本体11の外面12において、好ましくは7μm以下(より好ましくは5μm以下であり、さらに好ましくは3μm以下である。)の酸化層27が形成される条件の陽極酸化処理により形成される。
流路21の酸化層27は、弁本体11の外面12において、1μm以上の酸化層27が形成される条件の陽極酸化処理により形成されることが好ましい。流路21の酸化層27は、例えば水分を要因とした流路21の腐食を好適に抑制するという観点から、0.1μm以上の厚さを有することが好ましい。
陽極酸化処理に用いられる電解浴としては、例えば、硫酸浴、リン酸浴、クロム酸浴、及びシュウ酸浴が挙げられる。本実施形態の陽極酸化処理では、電解浴として硫酸浴が用いられる。硫酸浴の硫酸濃度は、例えば、10〜20質量%の範囲に設定される。
電解浴は、必要に応じて撹拌装置による撹拌や冷却装置による冷却が行われる。撹拌装置としては、例えば、撹拌翼を用いた撹拌、及び圧縮空気を用いた撹拌が挙げられる。電解浴は、冷却装置との間で電解液が循環されるように冷却装置に連結されることで、冷却と撹拌とを同時に行うこともできる。電解浴では、半製品の有する流路内に電解液を強制的に循環させることもできる。酸化層27をより薄く形成するという観点から、陽極酸化処理は、半製品の有する流路内に電解液を強制的に循環させずに行われることが好ましい。
陽極酸化処理では、電解浴の温度が高くなるに従って酸化層27の硬さが低下し、繰返し荷重に対する酸化層27の耐久性が高まる傾向となるため、電解浴の温度を高めることが有利となる。この点、電解浴の温度は、好ましくは5℃以上であり、8℃以上であることがより好ましい。
陽極酸化処理では、電解浴の温度が低くなるに従って酸化層27の硬さが高まり、酸化層27の耐熱性が高まる傾向となるため、電解浴の温度を適度に低めることが有利となる。この点、電解浴の温度は、好ましくは20℃以下であり、15℃以下であることがより好ましく、12℃以下であることがさらに好ましい。
以上の観点から、電解浴の温度は、好ましくは5〜20℃の範囲であり、より好ましくは5〜15℃の範囲であり、さらに好ましくは8〜12℃の範囲である。
流路21の酸化層27の硬さは、好ましくは410Hv以下であり、360〜410Hvであることがより好ましい。単位Hvで表される硬さは、JIS Z2244(2009)に規定されるビッカース硬さを示す。
例えば、酸化層27の強度を高めるという観点から、酸化層27には封孔処理が行われることが好ましい。封孔処理としては、例えば、酢酸ニッケル法、蒸気法、純水沸騰水法、重クロム酸法、及びケイ酸ナトリウム法が挙げられる。本実施形態の封孔処理では、酢酸ニッケル法が用いられている。
次に、陽極酸化処理による酸化層の形成についての試験例を説明する。
<酸化層形成の予備試験>
まず、酸化層の形成について以下のように確認試験を行った。
流路を有するアルミニウム合金(A6061−T6)製の供試体を準備した。流路の幅は3mmであり、流路の深さ(開口12aから交差部24までの長さ)は約130mmである。供試体を弱アルカリで脱脂し、水洗した後、陽極酸化処理(硫酸硬質アルマイト処理)を行った。陽極酸化処理では、電解浴の温度条件は10℃であり、電流密度は1.3A/dmに設定した。陽極酸化処理の処理時間は、供試体の外面の酸化層(硫酸硬質アルマイト層)の厚さが約5μmとなるように設定した。陽極酸化処理は、流路内に電解液を強制的に循環させずに行った。形成された酸化層について酢酸ニッケルを用いた封孔処理を行った。
得られた供試体では、外面の有する開口の近傍の流路に、約3.5μmの酸化層が形成されていた。また、開口と交差部との中間部に、約2μmの酸化層が形成されていた。また、開口から最も内奥となる交差部近傍に、約2μmの酸化層が形成されていた。この結果から、陽極酸化処理では、流路に満たされた電解液の電気分解が行われるため、流路のいずれの部分においても、酸化層が形成されることが分かった。
(試験例1〜3)
試験例1では、アルミニウム合金(A6061−T6)製の試験片に、電解浴の温度条件を5℃に変更した以外は上記の<酸化層形成の予備試験>と同様にして陽極酸化処理を行うことで、厚さが約5μmの酸化層を形成した。なお、本試験例1と以下の試験例では、酸化層について酢酸ニッケルを用いた封孔処理を行った。また、本試験例1と以下の試験例で用いた試験片の形状は、JIS Z2275(1978)「金属平板の平面曲げ疲れ試験方法」に準拠したものである。
試験例2及び3では、陽極酸化処理の処理時間を変更した以外は、試験例1と同様にして、約9μmの酸化層を有する試験片及び約14μmの酸化層を有する試験片を作製した。
(試験例4〜6)
試験例4〜6では、電解浴の温度条件を10℃に変更した以外は、それぞれ試験片1〜3と同様にして、試験片に酸化層を形成した。
(試験例7〜9)
試験例7〜9では、電解浴の温度条件を20℃に変更した以外は、それぞれ試験片1〜3と同様にして、試験片に酸化層を形成した。
<耐久性の対比結果>
試験例1〜9で得られた各試験片について、平面曲げ疲労試験機を用いて平面曲げ疲労試験を行い、安全率による耐久性の対比を行った。安全率は、車載された弁本体の流路における疲労(繰返し荷重)をシミュレーションした結果に基づいて算出される。各試験片が弁本体の材料として所望の耐久性を満たす場合、安全率が“1”とされる。安全率が高ければ高いほど、耐久性に優れる材料と言える。
図2に示されるように、酸化層の厚さが薄くなるに従って安全率が高まる傾向が確認された。酸化層の厚さが約8μm以下では、高い水準の耐久性が得られ易いことが確認された。
<耐割れ性の対比結果>
試験例1〜9と同様にして得られた各試験片について、割れが発生する温度を確認した。
図3に示されるように、電解浴の温度条件が5℃及び10℃の場合は、20℃の場合よりも耐熱性の点で有利であることが確認された。
<酸化層の硬さ>
試験例1〜9と同様にして得られた各試験片について、酸化層のビッカース硬さを測定した。その結果、試験例1〜3で得られた各試験片では424Hvであり、試験例4〜6で得られた各試験片では360Hvであり、試験例7〜9で得られた各試験片では302Hvであった。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図1に拡大として示される流路21の酸化層27は、弁本体11の外面12おいて、8μm以下の酸化層27が形成される条件の陽極酸化処理により形成されている。この構成によれば、流路21の酸化層27の厚さは8μm以下に形成され易い。例えば、半製品が電解浴中で陽極酸化処理される際、半製品の有する流路内では半製品の外方よりも、電解液が循環(置換)され難いため、流路21の酸化層27は、外面12の酸化層27よりも薄く形成され易い。すなわち、弁本体11では、流路21の酸化層27の厚さが薄く設定されることで、平面曲げ疲労に対する酸化層27の耐久性が得られ易くなる。
なお、陽極酸化処理では、一般にアルミニウム系合金にバリア層が形成された後に多孔質層(ポーラス層)が形成される。このように陽極酸化処理で形成された酸化層は、一般にバリア層とそのバリア層を底部とした多孔質層とが積層された構成を有する。上記のように厚さが薄く形成された酸化層27であっても、少なくともバリア層を有しているため、流路21の耐食性は高められる。これにより、例えば、流路21において水素ガス中の水分等を要因とした腐食の発生が抑制される。
次に、本実施形態の効果について記載する。
(1)流路21の酸化層27は、弁本体11の外面12おいて、8μm以下の酸化層27が形成される条件の陽極酸化処理により形成されているため、高圧弁の動作に伴う繰返し荷重に対して、水素ガスの流路21の耐久性を高めることが容易となる。
(2)流路21は、弁本体11の内部で交差する交差部24を有している。このような交差部24では、流路21に高圧弁の動作に伴って繰返し荷重が加わる際に、応力が集中し易い。従って、本実施形態の流路21の酸化層27は、交差部24を含む流路21を有する弁本体11の耐久性を高める点で特に有利である。
(3)陽極酸化処理の電解浴は、5〜20℃の温度範囲であることが好ましい。この場合、酸化層27の耐熱性(加熱時の耐割れ性)を高めることが容易となる。
(4)本実施形態の弁本体11は、アルミニウム系合金を基材として構成されているため、車両の軽量化の点で有利である。ここで、車載用の燃料電池システムでは、航続距離を長くするとともに省スペース化を実現するために、高圧の水素ガスを貯蔵するガスタンクが用いられる。このようなガスタンクに連結される弁装置では、繰返し荷重に基づく負荷が高い。この点、本実施形態の弁本体11は、上記の酸化層27を有する流路21を備えているため、弁装置(弁本体11)の交換周期を長くすることが可能である。従って、本実施形態の弁本体11は、車載用の弁装置に用いられる弁本体11として特に有利である。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記弁本体11の有する弁収容部31の数、又は交差部24の数は、特に限定されず、単数であってもよいし、複数であってもよい。
・上記弁本体11の流路21は、交差部24を有しているが、交差部24を省略して流路を構成することもできる。
・上記交差部24は、X軸方向に沿って延在する第1流路22とZ軸方向に沿って延在する第2流路23との連結部分により構成されているが、直角に交わる交差部24に限定されない。すなわち、異方向に沿って延在する複数の流路が交差する交差部であれば、その交差部に応力が集中し易くなるため、上記の酸化層27は流路の耐久性を高める点で特に有利である。
・上記交差部24は、幅寸法の異なる流路21が交差された交差部24であるが、幅寸法が同一の流路21が交差された交差部に変更してもよい。
・上記酸化層27は、弁本体11の外面12全体に形成されているが、外面12の一部に酸化層27を形成してもよい。例えば、外面12を非導電性材料で被覆した半製品に陽極酸化処理を行うことで、外面12の一部に酸化層27を形成してもよい。
・上記弁本体11は、ガスボンベの充填圧力が70MPaの水素ガスを制御する弁装置に用いられるが、これに限定されず、ガスボンベの充填圧力が70MPa未満、又は70MPaを超える水素を制御する弁装置に用いることもできる。例えば、圧力が70MPa未満の水素ガスであっても、流路21には、高圧弁の動作に基づいて繰返し荷重が加わるため、上記弁本体11は有利である。なお、上記弁本体11は、圧力が30MPa以上の水素ガスを制御する弁装置の弁本体として好適に用いられる。
・上記弁本体11は、車載用の弁装置に用いられるが、例えば、水素ステーション等の車両に水素を供給する設備に用いることもできる。
次に、上記各実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記流路は、前記弁本体の内部で交差する交差部を有している弁本体。
(ロ)前記流路の酸化層は、電解浴の温度範囲が5〜20℃の陽極酸化処理で形成されている弁本体。
(ハ)前記流路の酸化層は、前記流路に連通される開口を有する前記弁本体の外面おいて、ビッカース硬さが360〜410Hvの酸化層が形成される条件の陽極酸化処理により形成されている弁本体。
(ニ)前記流路の酸化層には、酢酸ニッケルを用いた封孔処理が行われている弁本体。
(ホ)水素ガスの流路を有し、高圧弁が設けられる弁本体の製造方法であって、前記流路の内面は、アルミニウム系合金の陽極酸化処理で形成される酸化層により構成され、前記陽極酸化処理は、前記流路に連通される開口を有する前記弁本体の外面おいて、8μm以下の酸化層が形成される条件で行われる弁本体の製造方法。
11…弁本体、12…外面、12a…開口、21…流路、24…交差部、27…酸化層。

Claims (9)

  1. 水素ガスの流路を有し、高圧弁が設けられる弁本体であって、
    前記流路の内面は、アルミニウム系合金の陽極酸化処理で形成される酸化層により構成され、
    前記流路の酸化層は、
    前記流路に連通される開口を有する前記弁本体の外面おいて、8μm以下の酸化層が形成される条件の陽極酸化処理により形成されており、
    前記流路の酸化層は、前記弁本体の外面の酸化層の厚さよりも薄く形成されていることを特徴とする弁本体。
  2. 前記流路の酸化層は、前記弁本体の外面おいて、1μm以上で形成される条件の陽極酸化処理により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の弁本体。
  3. 前記陽極酸化処理が施される前の半製品において前記高圧弁を収容する弁収容部以外の前記流路の幅寸法は、3〜5mmの範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の弁本体。
  4. 水素ガスの流路を有し、高圧弁が設けられる弁本体の製造方法であって、
    前記弁本体の前記流路の内面は、アルミニウム系合金の陽極酸化処理で形成される酸化層により構成され、
    前記流路の酸化層を形成する前記陽極酸化処理は、
    前記流路に連通される開口を有する前記弁本体の外面おいて、8μm以下の酸化層が形成される条件で行われ、
    前記流路の酸化層を前記弁本体の外面の酸化層の厚さよりも薄く形成することを特徴とする弁本体の製造方法。
  5. 前記流路の酸化層は、前記弁本体の外面おいて、1μm以上で形成される条件の陽極酸化処理により形成されていることを特徴とする請求項4に記載の弁本体の製造方法。
  6. 前記陽極酸化処理が施される前の半製品において前記高圧弁を収容する弁収容部以外の前記流路の幅寸法は、3〜5mmの範囲であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の弁本体の製造方法。
  7. 前記陽極酸化処理に用いられる電解浴の温度は、5〜20℃の範囲であることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の弁本体の製造方法。
  8. 前記電解浴の温度は、5〜12℃の範囲であることを特徴とする請求項7に記載の弁本体の製造方法。
  9. 前記電解浴の温度は、8〜12℃の範囲であることを特徴とする請求項8に記載の弁本体の製造方法。
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