JP6257963B2 - 飲料 - Google Patents

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Description

本発明は、米糠抽出物を含有する飲料に関する。
米糠は玄米を精白する過程で産出される際に出る果皮、種皮、胚芽などの部分のことである。米糠には種々の有用な成分が含有されている。代表的な成分として、フィチン酸、イノシトール、フェルラ酸、γ−オリザノール、食物繊維、蛋白質、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンE、ミネラルなどを例示することができる。これらの成分を利用した米糠の抽出物配合食品や飲料が提案されている。特許文献1(特開平11−146774号公報)には米糠エキスを配合した健康飲料が記載されている。特許文献2(特開2004−75636号公報)には米糠から抽出した、コラーゲン様の作用を有するたんぱく質の加水分解物を配合した食品が提案されている。特許文献3(特開2007−185109号公報)には米糠由来セラミドを配合した美容飲料が記載されている。
さらに最近注目されている米糠から抽出される成分としてアシル化ステロール配糖体がある。アシル化ステロール配糖体の生理作用として、血糖上昇抑制(特許文献4:特開2011−57597号公報)、脂質代謝改善(特許文献5:特開2011−57598号公報)、エネルギー代謝亢進(特許文献6:特開2011−57599号公報)作用、アディポネクチン産生促進(特許文献7:特開2011−20776号公報)作用などが知られている。このように多様な作用を有する米糠由来のアシル化ステロール配糖体を飲食品に配合することが検討されている。
特開平11−146774号公報 特開2004−75636号公報 特開2007−185109号公報 特開2011−57597号公報 特開2011−57598号公報 特開2011−57599号公報 特開2011−207776号公報
本発明者は、アシル化ステロール配糖体を飲食品に配合しようとして、米糠抽出物を用いて検討を行ったところ、米糠抽出物、特にアシル化ステロール配糖体を含有する米糠抽出物を飲料に配合した場合に、飲用の際に、喉に特有のえぐ味やいがらっぽい刺激感を生じることが明らかとなった。
本発明は飲用時に、このような喉への刺激感のない米糠抽出物含有飲料を提供することを課題とする。
すなわち、本発明の主な構成は、次のとおりである。
(1)アシル化ステロール配糖体を3〜15質量%含有する米糠抽出物(A)と乳化剤(B)と水(C)と、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、グアーガム酵素分解物、アラビアガム、タマリンドガム、ローカストビーンガム、カードラン、プルラン、ペクチン、アルギン酸から選ばれる1種または2種以上(D)を含有する飲料。
アシル化ステロール配糖体を3〜15質量%含有する米糠抽出物(A)を飲料中に0.3〜7質量%含有することを特徴とする(1)に記載の飲料。
)乳化剤(B)がグリセリン脂肪酸エステルまたは/およびポリグリセリン脂肪酸エステルであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の飲料。
本発明により、アシル化ステロール配糖体を含有する米糠抽出物に由来する、飲用した時喉に対する刺激感のない飲料が提供される。さらに、アシル化ステロール配糖体はグルカゴン様ペプチド−1;glucagon−like peptide−1(以下、GLP−1と略記する。)の産生促進作用を有することが確認できており、本飲料はGLP−1産生促進剤としても有用である。
アシル化ステロール配糖体を含む米糠抽出物が濃度依存的にヒト大腸細胞由来の培養細胞のGLP−1産生を促進することを示すグラフである。
本発明はアシル化ステロール配糖体を含有する米糠抽出物と乳化剤と水と食物繊維を含有する飲料である。本発明の飲料は、アシル化ステロール配糖体を含有する米糠抽出物を飲料中に0.3〜7質量%含有し、乳化剤と食物繊維をさらに含有させることで、アシル化ステロール配糖体含有米糠抽出物に由来する喉に対する好ましくない刺激感を低減または消失させている。
本発明に用いる米糠抽出物に含まれるアシル化ステロール配糖体は、通常混合物である。アシル化ステロール配糖体の構成糖は主にグルコースである。また構成ステロールはβ−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール等である。アシル化は主にグルコースの6位が、脂肪酸によってアシル化されており、構成脂肪酸は主にリノール酸、オレイン酸、パルミチン酸であることが明らかになっている(帯大研報,10,(1977)507〜514)。
本発明に用いられるアシル化ステロール配糖体を含有する米糠抽出物は、アシル化ステロール配糖体を3〜15質量%含有する。さらに本発明に用いられるアシル化ステロール配糖体を含有する米糠抽出物は、その他の成分として、トリグリセライド油、レシチン等を含む。また、米糠からのアシル化ステロールを含有する組成物の抽出方法は任意の方法が選択できる。一般的には溶媒抽出方法や超臨界抽出法などが例示できる。
<米糠抽出物(A成分)について>
本発明に用いられる米糠抽出物中のアシル化ステロール配糖体の含有量の測定は以下の方法により行うことができる。
(1)米糠抽出物を適量秤取し、クロロホルム/メタノール混液(クロロホルム:メタノール=2:1)を加え、メスフラスコにてメスアップする。
(2)(1)で得られた溶液は成分濃度に応じて適宜希釈し、分析用試料溶液とする。
(3)標品はEsterified Steryl Glucoside(フナコシ)とし、高速液体クロマトグラフ法によりアシル化ステロール配糖体の濃度を算出する。
(4)高速液体クロマトグラフ法による分析条件
分析装置:HPLC
移動相A:メタノール:水 = 95:5(v/v)
移動相B:クロロホルム = 100(v/v)
ポンプ:Model 582 solvent delivery syste m
分析カラム:LiChrospher Si60(5μm)HPLC−Cart ridge(MERCK)
検出器:荷電化粒子検出器(コロナ ダイオネクス社)
Injection Volume:20μL
カラムオーブン:40℃(FLO社 model 502)
分析時間:40min
脱泡装置:uniflows Degasys Ultimate DV 3003
流速:1mL/min
グラジェント条件
以下に示すとおり
0−15分
移動相A:1% → 25%、 移動相B: 99% → 75%
15−20分
移動相A:25% → 90%、移動相B: 75% → 10%
20−25分
移動相A:90%、 移動相B: 10%
25−30分
移動相A:90% → 1%、 移動相B: 10% → 99%
30−40分
移動相A:1%、 移動相B: 99%
本発明に用いられる米糠抽出物の抽出方法としては、溶媒抽出方法、超臨界抽出法等が挙げられる。
また、具体的な抽出操作を以下に示す。
なお、得られた米糠抽出物をカラムクロマトグラフィーでアシル化ステロール配糖体を再度濃縮してもよい。
<抽出方法1 (溶媒抽出方法)>
市場に流通している米糠を選別した後に、ノルマルヘキサンなどの溶媒を用いて脱脂する。得られた油、脱脂糠等の粗原料を蒸留装置により脱溶媒し、さらにノルマルヘキサン、アセトン、エタノールなどの溶媒によって抽出する。かくして得られた抽出液を、脱溶剤装置を用いて再度脱溶剤することで米糠抽出物を得ることができる。
<抽出方法2 (超臨界抽出法)>
第一段階抽出
超臨界二酸化炭素抽出装置によって、トリグリセライド油を主成分とする脂質を除去した米糠を得る工程である。通常の精米機で精白率95%に精米して米糠を調製する。米糠を予め脱水し、一般的に実施されている二酸化炭素の超臨界条件で米糠からトリグリセライド油を主成分とする脂質を選択的に除去する。適切な抽出条件は、例えば、抽出時間1〜5時間、抽出圧力10〜50MPaおよび抽出温度32〜80℃である。好ましくは抽出時間1〜3時間、抽出圧力15〜40MPaおよび抽出温度35〜50℃であり、より好ましくは抽出時間2時間、抽出圧力25MPa付近および抽出温度40℃付近である。
第二段階抽出
第一段階が終了した米糠から、低級アルコールを添加した超臨界二酸化炭素でアシル化ステロール配糖体を含有する画分を抽出する。低級アルコールとしては、エタノールを使用することが好ましい。エタノールは安全性の面からも好ましく、食品や医薬品を製造する際に有機溶媒として最適であり、残留することもほとんどなく、他の有機溶媒と比較して安全性も高い。
適切な超臨界抽出条件として例えば抽出時間0.5〜5時間、抽出圧力10〜50MPaおよび抽出温度32〜80℃の条件で抽出する。好ましくは抽出時間1〜3時間、抽出圧力15〜40MPaおよび抽出温度35〜50℃であり、より好ましくは抽出時間2時間、抽出圧力25MPa付近および抽出温度40℃付近である。
なお超臨界抽出する場合の二酸化炭素の供給量は、第一段階抽出及び第二段階抽出とも、米糠1重量に対し二酸化炭素の重量を1〜450倍量とする。好ましくは100〜300倍量、より好ましくは250倍量である。
また、第二段階抽出における二酸化炭素とエタノールの混合比率は、重量比で、50:1〜5:1、好ましくは30:1〜10:1、より好ましくは20:1である。
アシル化ステロール配糖体を3〜15質量%含む米糠抽出物を乳化組成物とする場合は、米糠抽出物の含有量を乳化組成物当たり0.3〜7質量%配合することで、アシル化ステロール配糖体を0.01〜1質量%含有する乳化組成物を得ることができる。このようなアシル化ステロール配糖体を含有する乳化組成物は、飲用することで生体機能の改善に有効に作用する。
<乳化剤(B成分)について>
本発明に用いられる乳化剤としては、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン等が挙げられる。乳化剤としては、ポリグリセリン脂肪酸エステルが乳化安定性の点で好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、ジグリセリンモノオレエート、ジグリセリンモノステアレート、ジグリセリンモノパルミテート、ヘキサグリセリンモノラウレート、ヘキサグリセリンモノミリステート、ヘキサグリセリンモノステアレート、ヘキサグリセリントリステアレート、ヘキサグリセリンペンタステアレート、ヘキサグリセリンモノオレエート、デカグリセリンモノラウレート、デカグリセリンモノミリステート、デカグリセリンモノパルミテート、デカグリセリンモノステアレート等が挙げられる。グリセリン脂肪酸エステルとしては、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレエート、グリセリンモノカプレート等が挙げられる。ショ糖脂肪酸エステルとしては、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル等が挙げられる。ソルビタン脂肪酸エステルとしては、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノミリステート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレート等が挙げられる。本発明において乳化剤は、アシル化ステロール配糖体を含有する米糠抽出物を飲料中に分散させるために配合する。乳化剤としてはグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル又はこれらの混合物が好ましい。
なお本発明に配合する乳化剤の量は0.1〜4質量%が好ましい。
<食物繊維(D成分)について>
本発明でいう食物繊維とは、栄養学的に「ヒトの消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体」と定義されているもの全てを含み、例えば難消化性デキストリン、ポリデキストロース、グアーガム酵素分解物、アラビアガム、タマリンドガム、ローカストビーンガム、カードラン、プルラン、ペクチン、アルギン酸、などの水溶性食物繊維、さらにセルロース、ヘミセルロースなどの不溶性食物繊維、および甜菜繊維、小麦繊維、アップルファイバー、コーンファイバーなどの水溶性、不溶性を共存して含む複合型食物繊維の全てをいう。本発明においては上記の食物繊維を単独で、もしくは数種類のものを複合させて使用しても差し支えない。
食物繊維は、いずれも吸水性に富み、一部のものは、吸水したのち膨潤し嵩が増加する物理的性質を有する。
本発明に用いる食物繊維としては、水溶性食物繊維が好ましく、なかでも難消化性デキストリン、ポリデキストロース、グアーガム酵素分解物、アラビアガム、タマリンドガム、ローカストビーンガム、カードラン、プルラン、ペクチン、アルギン酸が好ましい。特に好ましくは、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、グアーガム酵素分解物、アラビアガムのいずれか、またはこれらの2以上の混合物である。
本発明の飲料に配合する食物繊維の量は飲料中に0.01%〜10質量%、好ましくは0.05〜5質量%である。
<その他添加成分>
本発明の飲料には、食品に一般的に配合される添加物を配合することができる。例えば、甘味料、着色料、保存料、増粘剤、安定剤、ゲル化剤、酸化防止剤、漂白剤、香料、酸味料、調味料、pH調整剤等を配合することができる。
<本発明の飲料の製造方法>
米糠抽出物と乳化剤と水と食物繊維を加熱混合し、撹拌することにより乳化させ、飲料とする。得られた飲料は経口剤としてGLP-1産生促進の目的等に使用できる。
以下に参考例、実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
<参考例1>
市場に流通している米糠を選別し胚乳や異物を除いた米糠を得た。得られた選別済みの米糠10kgに対して50Lの割合でノルマルヘキサンを用い脱脂した。この脱脂作業を3回繰り返し、脱脂米糠を得た。得られた脱脂米糠を蒸留装置により溶媒を除去した。得られた脱脂糠8kgに対し、50Lの割合のエタノールによって70℃にて1時間、3回抽出し、得られた抽出液について、脱溶剤装置を用いて脱溶剤を行った。脱溶剤した抽出物をろ過することで得られた米糠抽出物のアシル化ステロール配糖体の含有量は、3.4質量%であった。
<参考例2>
参考例1で得られた米糠抽出物20gに対し20mlのヘキサンとクロロホルムを1:1の割合で混合した溶媒を加えた。シリカゲルにヘキサン:クロロホルムを1:1の割合で混合した溶媒を加えて膨潤させ、直径5cm、長さ60cmのカラム内に充填し、その後に、同組成の溶媒を十分に浸透させた。米糠抽出物とヘキサンとクロロホルムの混合溶液をカラム上にアプライし、完全にシリカゲル内に浸透させた。その後、ヘキサンとクロロホルムを1:1の割合で混合した溶媒1000mlを加え、カラム下部から排出した。ヘキサンとクロロホルムの溶媒がすべて排出された後に、さらにクロロホルムを2000ml加え、カラム下部から排出した。クロロホルムがすべて排出された後にクロロホルム:メタノールを9:1の割合で混合した溶媒1000mlを加え、溶出液を回収した。得られた溶出液について、エバポレーターを用いて脱溶媒した。得られた米糠抽出物中のアシル化ステロール配糖体の含有量は、12.0質量%であった。
<参考例3>
予め米糠中に含まれる水分(約9.5%)をほぼ全て除去し水分量を0.5%以下(水分除去にはフリーズドライを使用)にした米糠を約36.5g採取し、これを、超臨界抽出装置(三菱化工機(株)製)の耐圧容器(抽出槽、0.5L容器)に移した。次いで抽出溶媒として二酸化炭素を用いて、昇温・昇圧操作を行い、40℃、25MPa、2時間超臨界二酸化炭素を抽出槽に通して抽出した。抽出溶液は回収槽に移し、抽出槽に余分な脂質を除去した残留物を得た。
得られた残留物を約12g採取し、次に抽出溶媒として二酸化炭素を用いて、昇温・昇圧操作を行い、40℃、25MPaに達した後、これにエタノール(99.5%)を3.95g/分の流速で供給し1時間抽出槽に通し(抽出)、次いで別の耐圧容器回収槽(分離槽)中に抽出液(エタノール抽出液)を回収した。
得られたエタノール抽出液はナスフラスコに移し、エバポレーターにより濃縮乾固し、アシル化ステロール配糖体を含有する米糠抽出画分を得た。
参考例3の米糠抽出物中のアシル化ステロール配糖体の含有量は、13.2質量%であった。
<参考例4>
参考例3と同様、予め乾燥させた米糠を約40g採取し、これを、超臨界抽出装置(三菱化工機(株)製)の耐圧容器(抽出槽、0.5L容器)に移した。次いで抽出溶媒として二酸化炭素を用いて、昇温・昇圧操作を行い、40℃、25MPa、2時間超臨界二酸化炭素を抽出槽に通して抽出した。抽出溶液は回収槽に移し、抽出槽に余分な脂質を除去した残留物を得た。
得られた残留物を約12g採取し、次に抽出溶媒として二酸化炭素を用いて、昇温・昇圧操作を行い、40℃、25MPaに達した後、これにエタノール(99.5%)を3.95g/分の流速で供給し2時間抽出槽に通し(抽出)、次いで別の耐圧容器回収槽(分離槽)中に抽出液(エタノール抽出液)を回収した。
得られたエタノール抽出液はナスフラスコに移し、エバポレーターにより濃縮乾固し、アシル化ステロール配糖体を含有する米糠抽出画分を得た。
参考例4の米糠抽出物中のアシル化ステロール配糖体の含有量は、12.4質量%であった。
<飲料の製造>
表1〜表2の組成で、実施例1〜6、比較例1〜5の飲料を調製した。
成分7〜14を加熱混合溶解し、ホモミキサーで撹拌しながら、あらかじめ加熱混合した成分1〜6を徐々に添加して乳化させ、実施例1〜6の飲料を調製した。
成分4〜11を加熱混合溶解し、ホモミキサーで撹拌しながら、あらかじめ加熱混合した成分1〜3を徐々に添加して乳化させて比較例の飲料を調製した。
<飲料の評価>
喉への刺激感の評価
10名の官能評価専門パネラーにより、飲料を飲んだ時のいがらっぽさ等の喉への刺激感を以下の基準により評価した。
2点:刺激を感じない。もしくは、かすかに刺激を感じる。
1点:少し刺激を感じる。
0点:刺激を感じる。
評価を集計し、以下の基準により、喉への刺激感を評価した。
○:評価点の平均値が1.5点以上
△:評価点の平均値が0.5点を超えて、1.5未満
×:評価点の平均値が0.5点以下
評価結果を表1、表2の最下段に示した。実施例1〜6の飲料はいずれも、喉への刺激は感じられないとの評価であった。
一方比較例3〜5の飲料は、あらかじめアシル化ステロール配糖体を含有する米糠抽出物の刺激をマスキングするため、エタノール、コーヒー粉末、緑茶粉末を配合したが、これらの風味付けでは、アシル化ステロール配糖体を含有する米糠抽出物に由来する喉への刺激感を抑制できなかった。
比較例2は、D成分に代えて、食物繊維と同様にゲル化し、増粘する性質を有するゼラチンを配合したものであるが、飲料の刺激感を抑制できなかった
以上の結果から、A成分のアシル化ステロール配糖体を含有する米糠抽出物を配合した飲料の、喉に対する刺激感を低下させるためには、D成分の食物繊維の配合が必要であることが明らかとなった。
<GLP−1産生試験>
本発明の米糠抽出物がGLP−1産生促進効果を有していることを示し、本発明の有用性をさらに説明する。
[細胞培養試験]
NCI−H716細胞(ヒト結腸がん由来細胞)を1×10cellsを75cmの細胞培養フラスコに播種し、10% FBS含有RPMI1640培地で14日間、37℃、5%CO条件下で、培養を行った。なお NCI−H716細胞は、ATCC(American Type Culture Collection)から入手した。培養後、マトリゲルを塗布した24 well plateに4×10cells/wellとなるように播種し、10%FBS含有DMEM培地で1日間培養を行った。
その後、Hanks緩衝液で2回洗浄し、試験試料を添加し、無血清DMEM培地で2時間培養を行った。培養終了後、培養液中に産生されたGLP−1量を「GLP−1 ELISA kit (Glucagon−Like Peptide−1 Cat#EGLP−35K:Millipore社)」を用いて測定した。なお、コントロールは 1%DMSOとし、陽性対照として用いたオレオイルエタノールアミド(OEA)は、GLP−1産生促進作用を有することが知られている化合物である。このOEAを100μMとなるように添加した。
[試験物質]
参考例1及び2で得られたアシル化ステロール配糖体(ASG)を含有する米糠抽出物を試験に用いた。ASGを含有する米糠抽出物の濃度が1000μg/ml/1%DMSO(ジメチルスルフォキシド)となるように、DMEM(FBS−,PS−)培地で溶解し、最終培養液中のASGを3.4%含有する米糠抽出物の濃度は、250μg/ml、500μg/ml、1000μg/mlになるように、12.0%含有する米糠抽出物の濃度は333μg/mlになるよう添加した。
[結果]
GLP−1測定結果はDMSOのみの場合に得られる測定値を1としたとき、オレオイルエタノールアミド(OEA)とASGを含む組成物の相対値として求めた。測定結果を図1に示す。ASGにOEAと同等以上のGLP−1産生促進作用が確認され、さらに濃度依存性も認められた。
したがってアシル化ステロール配糖体を含有する飲料はGLP−1産生促進作用を有しており生体機能維持上有用である。

Claims (3)

  1. アシル化ステロール配糖体を3〜15質量%含有する米糠抽出物(A)と乳化剤(B)と水(C)と、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、グアーガム酵素分解物、アラビアガム、タマリンドガム、ローカストビーンガム、カードラン、プルラン、ペクチン、アルギン酸から選ばれる1種または2種以上(D)を含有する飲料。
  2. アシル化ステロール配糖体を3〜15質量%含有する米糠抽出物(A)を飲料中に0.3〜7質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の飲料。
  3. 乳化剤(B)がグリセリン脂肪酸エステルまたは/およびポリグリセリン脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1又は2に記載の飲料。
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