JP6255359B2 - インサート金具 - Google Patents

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Description

本発明は、建築物の天井等を構成するコンクリート製のスラブに対し天井面を吊るす際などに用いられるネジ穴を形成するためのインサート金具に係り、特に、再利用が可能な鉄製のデッキプレートに適したインサート金具に関する。
鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリートを構造材料とする建築物では、天井となるコンクリート製のスラブを形成するために、梁の上などに仮設された型枠にコンクリートが打設される。このとき、ネジ穴が下方に開口するように形成されたインサート金具を、ネジ穴とデッキプレートの開口部が一致するように予め型枠内に設置しておくと、コンクリートが硬化してスラブが形成された後、デッキプレートの開口部から露出するインサート金具の下端が、天井下地、配線、配管、ダクト等を吊るすために用いられるネジ穴として機能する。
しかしながら、従来のインサート金具は、釘を用いてデッキプレートに固定する構造であるため、釘を均等に打ち付けないと、デッキプレートとの間に隙間ができ、コンクリートの打設時にその隙間から侵入した未硬化のコンクリート(ノロ)がネジ穴を塞いでしまうという不具合が生じていた。また、デッキプレートにネジ穴と連通させるための開口部を設けなければならず、作業効率が悪いという課題があった。
このような課題を解決するものとして、例えば、特許文献1には、「コンクリート建築のインサート」という名称で、デッキプレートへの取付けが簡単であり、ノロの侵入によりネジ穴をつぶすおそれのないインサート金具に関する考案が開示されている。
特許文献1に開示された考案は、雌ネジが形成された棒状の金属部と、この金属部の下方外周部に鍔状に形成された樹脂部とからなり、接着剤の塗布や両面接着テープの貼付などにより樹脂部の下面に接着層が形成されたことを特徴とする。
このような構造のインサート金具においては、デッキプレートに対して樹脂部の下面全体を均等に貼り付けることができるため、デッキプレートへの設置作業が容易であり、また、デッキプレートとの間に隙間が生じ難い。
また、特許文献2には、「インサート用ケーブル支持具及びその取付工法」という名称で、コンクリートを打設する際にインサートにより取り付けられるケーブル支持具等に関する発明が開示されている。
特許文献2に開示されたインサート用ケーブル支持具は、平面上に載置可能であってケーブル等を吊り下げるための吊り下げ具が取り付けられた第1インサート部の上部へ逆アンカー状の第2のインサートが設置された構造となっている。そして、明細書には、その実施例として、第1インサート部をデッキプレートの上面へ接着テープ又は粘着テープにより定着させることが記載されている。
このような構造によれば、第1インサート部がコンクリートの打設時にも安定しており、動いて支障をきたすことがない。
実開昭62−80906号公報 特許第4730911号公報
しかしながら、上述の従来技術である特許文献1に開示された考案や特許文献2に開示された発明においては、コンクリートスラブの形成後に回収されたデッキプレートの上面には、インサート金具を固定するために使用した接着剤や粘着剤が付着した状態となっているが、通常、それらは接着力が非常に強く、除去が困難である。そのため、回収されたデッキプレートの清掃に時間や人手がかかり、その再利用を安価に効率良く行うことができないという課題があった。
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、鉄製のデッキプレートの上面に、接着剤等を付着させることなく、確実に固定できるとともに、使用後に回収されたデッキプレートを安価に効率良く再利用することが可能なインサート金具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、構造物の床等にコンクリートスラブを施工する際に型枠として用いられた後、回収して再利用される鉄製のデッキプレートに設置されるインサート金具であって、軸方向にネジ穴が形成された円筒体と、ネジ穴に直交し、一端を閉塞するように円筒体に設けられる第1のフランジと、この第1のフランジと平行に円筒体の他端近傍の側面に設けられる第2のフランジと、この第2のフランジのデッキプレートの上面に対向する面に形成される接着層と、この接着層を介して第2のフランジに接着されるブロック状磁石と、このブロック状磁石の側面を囲繞するようにデッキプレートの上面に対向する面に立設される側壁と、を備え、この側壁は、デッキプレートの上面に当接するブロック状磁石の吸着面に対し、その端面が面一になるように形成され、吸着面を残して他の全ての面を覆うようにブロック状磁石に磁性材からなるキャップが取り付けられ、このキャップは、ブロック状磁石の吸着面を露出させた状態で、その上面が接着層を介して第2のフランジに接着されることを特徴とするものである。
なお、上述の構造において、「第2のフランジが円筒体の他端近傍の側面に設けられる」とは、「第2のフランジが円筒体の側面に設けられる」場合だけでなく、「第2のフランジが円筒体の端面に設けられる」場合も含まれることを意味している。
このような構造のインサート金具においては、ブロック状磁石が側壁に囲まれているため、デッキプレートによって構成される型枠内に設置され、未硬化のコンクリートが型枠内に流し込まれた場合に、コンクリートが側壁の内側に流入してしまい、ブロック状磁石と接触した状態で固化するという事態が阻止されるという作用を有する。そのため、コンクリートスラブを施工した後に、デッキプレートを取り外すと、デッキプレートの上面に吸着したブロック状磁石はデッキプレートによって下方に引っ張られるようにしてフランジから容易に引き剥がされる。
さらに、キャップを被せることによってブロック状磁石の磁力が吸着面に集中するという作用を有する。また、コンクリートスラブを施工した後にデッキプレートを取り外す際、ブロック状磁石がキャップに取り付けられた状態で回収されるため、回収時や接着剤の除去作業時に破損するおそれがない。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のインサート金具において、側壁は合成樹脂によって成形され、接着層が形成される代わりに、側壁の内周面に対し、キャップの端面と係止可能に、かつ、円筒体の軸中心に向かって突出するように突起部が設けられ、この突起部がキャップの端面に係止することにより、ブロック状磁石が着脱可能に側壁の内側に保持されることを特徴とするものである。
このような構造のインサート金具においては、請求項1に記載の発明の作用に加え、突起部がキャップの端面に係止することで、接着剤等を用いることなく、ブロック状磁石が保持されるという作用を有する。また、コンクリートスラブを施工した後、デッキプレートを取り外す際に、その上面に吸着しているブロック状磁石が下方に引っ張られることで、側壁が弾性変形してキャップの端面に係止していた突起部が外れ、ブロック状磁石がキャップと一緒にデッキプレートに吸着した状態で回収されるという作用を有する。
以上説明したように、本発明の請求項1に記載のインサート金具によれば、コンクリートスラブの施工後に、ブロック状磁石をデッキプレートと一緒に回収できるという効果を奏する。また、ブロック状磁石は回収して再利用できるため、磁力が非常に強い高価な磁石を用いることができる。さらに、コンクリートスラブの中にブロック状磁石が残らないため、本発明のインサート金具であれば、磁力の影響を受け易い機器が設置された研究所の床や天井等を施工する場合にも使用することが可能である。
なお、回収したデッキプレートの上面には、広範囲にわたって点在するように接着剤が付着しているため、それを除去する作業は容易でない。これに比べ、本発明のインサート金具においては、回収したブロック状磁石を集めて、一度に接着剤の除去作業を行うことができるため、効率が良い。
さらに、ブロック状磁石のデッキプレートに対する吸着力が強まるため、型枠内に流し込まれた未硬化のコンクリートに接触した場合でも、その位置がずれないように確実に固定できるという効果を奏する。また、ブロック状磁石を破損させることなく回収して、効率良く再利用することができる。
本発明の請求項2に記載のインサート金具によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、ブロック状磁石を回収した際に、接着剤の除去作業を行う必要がないため、デッキプレートの清掃作業に要する費用を安く抑えることができるという効果を奏する。
(a)は本発明の実施の形態に係るインサート金具の実施例1の外観斜視図であり、(b)及び(c)はそれぞれ同図(a)におけるA方向矢視図及びB−B線矢視断面図である。 (a)乃至(c)は図1に示したインサート金具の使用方法を説明するための図である。 (a)乃至(c)は図1に示したインサート金具の使用方法を説明するための図である。 (a)は実施例1のインサート金具の変形例の外観を示した斜視図であり、(b)は同図(a)におけるC−C線矢視断面図である。 (a)及び(b)はそれぞれ図1及び図4に示したインサート金具の作用を説明するための模式図である。 (a)は本発明の実施の形態に係るインサート金具の実施例2の外観斜視図であり、(b)は同図(a)におけるE−E線矢視断面図であり、(c)はそのインサート金具の使用方法を説明するための図である。 (a)は本発明の実施の形態に係るインサート金具の実施例3の縦断面図であり、(b)はブロック状磁石に取り付けられるキャップの外観斜視図であり、(c)はそのインサート金具の使用方法を説明するための図である。 (a)は本発明の実施の形態に係るインサート金具の実施例4の縦断面図であり、(b)は同図(a)におけるF方向矢視図であり、(c)は同図(a)におけるG部の拡大図である。
本発明のインサート金具の構造とその使用方法について、図1〜図8を用いて具体的に説明する。
以下の説明では、インサート金具がネジ穴を有する金属製の円筒体が合成樹脂製の円筒体に内挿された構造を想定しているが、少なくともネジ穴の部分が金属製であれば良いため、例えば、全体を金属製とすることもできる。したがって、一端にフランジを有する金属製及び合成樹脂製の円筒体からなる構造は、円筒体の材質を特に区別することなく、両端にそれぞれフランジを有する円筒体と捉えることができる。そして、この場合にも以下に示す本発明の作用及び効果は同様に発揮される。
本実施例のインサート金具について図1乃至図5を用いて説明する。
図1(a)は本実施例のインサート金具1aの外観斜視図であり、図1(b)は図1(a)においてインサート金具1aを矢印Aで示す方向に見た場合の図である。また、図1(c)は図1(a)におけるインサート金具1aのB−B線矢視断面図である。そして、図2及び図3はインサート金具1aの使用方法を説明するための図であり、これらの図におけるインサート金具1aの断面図は図1(c)に示したものと同じである。なお、図2及び図3では、コンクリートスラブについて、断面であることを示すハッチングを省略している。
図1(a)乃至図1(c)に示すように、インサート金具1aは、軸方向にネジ穴2aが形成された円筒体2と、ネジ穴2aに直交し、かつ、一端を閉塞するように円筒体2に設けられる円板状のフランジ4と、円筒体2が内挿される円筒体3と、円筒体2が内挿されない側の円筒体3の端部近傍の側面にフランジ4と平行に設けられる円板状のフランジ5と、後述するようにデッキプレート上に設置した場合にデッキプレートの上面に対向するフランジ5の面(以下、対向面5aという。)に形成される接着層9と、この接着層9を介してフランジ5の対向面5aに貼り付けられるシート状磁石6によって構成されている。なお、フランジ5は、直径がフランジ4の直径よりも大きくなるように形成されている。
円筒体2とフランジ4はいずれも金属製であり、円筒体3とフランジ5は合成樹脂によって一体成形される。そして、円筒体2の外周面には、円筒体3の内周面との摩擦抵抗を大きくするために、微小なリブが形成されている。また、シート状磁石6は、フランジ5と直径が等しい円形状をなし、その中心にはネジ穴2a以上の大きさの開口部6aが設けられ、ネジ穴2aを塞ぐことなく、この開口部6aが開口部3aに連通した状態でフランジ5と同心状に配置されている。
接着層9は、エポキシ系の接着剤や粘着剤等の塗布や両面接着テープの貼付などによって形成される。また、シート状磁石6は、フェライト磁石やネオジム磁石の粉末が練り込まれたゴムがローラで薄く延ばされた後、電磁コイル等を用いて着磁されることにより製造される。なお、本実施例では、シート状磁石6の厚さを約1.5mmとし、開口部6aとフランジ5及び接着層9と併せた場合の厚さを約5mmとしている。
ここで、インサート金具1aの使用方法について図2を用いて説明する。
まず、図2(a)に示すように、インサート金具1aをデッキプレート7の上面7aの所定の箇所にシート状磁石6を当接させるようにして設置する。次に、図2(b)に示すように、予め練り混ぜられたコンクリートをデッキプレート7によって構成される型枠内に流し込み、その中にインサート金具1aを埋没させる。そして、打設したコンクリートが固化してコンクリートスラブ8が形成された後、図2(c)に示すように、デッキプレート7を取り外す。その結果、コンクリートスラブ8の下面8aによって天井面が形成され、円筒体2のネジ穴2aは、天井面に開口するシート状磁石6の開口部6a及び円筒体3の開口部3aを通して露出した状態となる。
さらに、断熱材を用いる場合について、図3を参照しながらインサート金具1aの使用方法を説明する。
まず、図3(a)に示すように、断熱材14に対し、インサート金具1aを設置すべき箇所を円柱状にくり抜いて開口部14aを形成し、この断熱材14をデッキプレート7の上面7aに載置する。なお、開口部14aは、その直径がフランジ5及びシート状磁石6の直径よりも大きく、かつ、その内周面とフランジ5及びシート状磁石6の外周面との隙間ができるだけ小さくなるように形成されている。
次に、図3(b)に示すように、デッキプレート7の上面7aにシート状磁石6の吸着面6bを当接させるようにして断熱材14の開口部14aの内部にインサート金具1aを設置する。そして、断熱材14に開口部14aを設ける際に生じる円柱状の部材を利用して、円柱状の開口部15aが同軸状に設けられたスペーサ15を作成する。なお、開口部15aは、直径がフランジ4の直径よりも大きく、かつ、その内周面とフランジ4の外周面との隙間ができるだけ小さくなるように形成されている。また、スペーサ15は、フランジ5、シート状磁石6及び接着層9と併せた場合の厚さが断熱材14の厚さと略等しくなるように形成されている。
さらに、図3(c)に示すように、フランジ4を開口部15aに通し、上面15bが断熱材14の上面14bと面一になるように、スペーサ15を開口部14aの内部に設置する。そして、予め練り混ぜられたコンクリートを断熱材14によって構成される型枠内に流し込んで固化させ、コンクリートスラブ8を形成する。
前述したように、インサート金具1aでは、フランジ4の直径がフランジ5の直径よりも小さいため、断熱材14の開口部14aの内部にインサート金具1aを設置した後においても、スペーサ15を追加して、断熱効果を高めることができる。また、断熱材14に開口部14aを設ける際に生じる円柱状の部材を利用してスペーサ15を作成できるため、経済的である。
図4(a)はインサート金具1aの変形例であるインサート金具1bの外観を示した斜視図であり、図4(b)は図4(a)におけるC−C線矢視断面図である。なお、図4(b)は図1(c)に対応する。
図4(a)及び図4(b)に示すように、インサート金具1bは、インサート金具1aにおいて、シート状磁石6の直径をフランジ4の直径よりも大きくして、シート状磁石6がフランジ4の周囲からはみ出すように形成されたことを特徴とする。なお、フランジ5は円筒体3の端面ではなく、側面に設けられており、円筒体3の側面の一部がシート状磁石6の開口部6aに内挿されるとともに、円筒体3の開口部3aには、コンクリートスラブ8を形成する際に「ノロ(未硬化の状態のコンクリート)」の流入を防ぐためのヒダ16が設けられている。
図5(a)及び図5(b)は、それぞれインサート金具1a,1bの作用を説明するための模式図である。
インサート金具1a,1bを設置するデッキプレート7は、上面7aが略水平となるように設置されているため、デッキプレート7が構成する型枠内に流し込まれた未硬化のコンクリート17は、矢印Dで示すように移動し、まず、フランジ5やシート状磁石6の側面に到達する。その結果、インサート金具1a,1bは水平方向に押され、シート状磁石6の吸着面6bをデッキプレート7の上面7aに対して水平方向へずらそうとする「せん断力」が発生する。
このとき、フランジ5やシート状磁石6が厚いと、上記側面がコンクリート17と広い範囲で接触することになるため、シート状磁石6の吸着面6bに大きなせん断力が発生する。しかしながら、インサート金具1a,1bはフランジ5やシート状磁石6が薄いため、シート状磁石6の吸着面6bには大きなせん断力は発生しない。加えて、シート状磁石6は吸着面6bが広いため、そこに発生するせん断応力も小さくなる。
なお、デッキプレート7が水平ではなく、例えば、垂直に設置されている場合、円筒体3の側面は、型枠内に上方から流し込まれたコンクリート17によって鉛直下方に押され、インサート金具1a,1bをデッキプレート7の上面17aから引き剥がすモーメントが生じる。すなわち、シート状磁石6の吸着面6bには、「せん断力」に加えて、大きな「引張応力」が発生する。したがって、デッキプレート7に対してインサート金具1a,1bを確実に固定するためには、シート状磁石6として非常に強い磁力を有する高価な磁石を用いる必要があり、インサート金具1a,1bの製造コストが高くなるおそれがある。
これに対し、デッキプレート7が水平に設置されている場合、上面7aに沿って移動するコンクリート17は、円筒体3に到達する前に、フランジ5やシート状磁石6に到達する。なお、インサート金具1a,1bでは、フランジ5やシート状磁石6が薄いため、コンクリート17はフランジ5やシート状磁石6を容易に乗り超えることができる。そして、フランジ5やシート状磁石6を乗り超える途中のコンクリート17によって、フランジ5やシート状磁石6は上方から押さえつけられる。その結果、コンクリート17が円筒体3の側面を押すことによって発生する上述のモーメントが弱められ、シート状磁石6の吸着面6bに発生する「引張応力」は小さくなる。
このように、インサート金具1a,1bでは、コンクリート17との接触によってシート状磁石6の吸着面6bに発生する「せん断応力」及び「引張応力」が小さく抑えられるため、シート状磁石6として磁力が非常に強い高価な磁石を用いる必要がない。したがって、インサート金具1a,1bの製造コストを安くすることができる。
すなわち、インサート金具1a,1bにおいては、シート状磁石6の磁力によってデッキプレート7の上面7aに固定され、デッキプレート7に接着剤が付着することがないため、使用後にデッキプレート7を回収した際に、接着剤の除去作業を行う必要がない。したがって、デッキプレート7を安価に効率よく再利用することができる。
なお、インサート金具1bでは、コンクリート17がフランジ5よりも前にシート状磁石6に到達する。このとき、シート状磁石6は、フランジ5とシート状磁石6と接着層9を併せた厚さよりも薄いため、コンクリート17は、インサート金具1aの場合よりもさらに抵抗なく、容易にシート状磁石6を乗り超えることができる。そして、コンクリート17がフランジ5に到達する前の時点において、シート状磁石6を乗り超える途中のコンクリート17によってシート状磁石6が上方から押さえつけられるという作用が発生する。したがって、コンクリート17との接触によってシート状磁石6の吸着面6bに発生する「せん断応力」及び「引張応力」が小さく抑えられるという作用及びそれに基づく前述の効果が、より一層発揮される。
本実施例のインサート金具1cについて図6を用いて説明する。
図6(a)はインサート金具1cの外観斜視図であり、図6(b)は図6(a)におけるE−E線矢視断面図である。また、図6(c)はインサート金具1cの使用方法を説明するための図であり、この図におけるインサート金具1cの断面図は図6(b)に示したものと同じである。なお、図1乃至図5に示した構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。また、図6(c)では、コンクリートスラブについて、断面であることを示すハッチングを省略している。
図6(a)及び図6(b)に示すように、本実施例のインサート金具1cは、実施例1のインサート金具1aにおいて、シート状磁石6の代わりに平面視円形をなすブロック状磁石10を備えるとともに、フランジ5の対向面5aの周縁に側壁11が立設された構造となっている。そして、ブロック状磁石10は、吸着面10aが端面11aと面一になるように側壁11の内側に配置され、接着層9を介してフランジ5の対向面5aに貼り付けられている。
このような構造のインサート金具1cにおいては、ブロック状磁石10が側壁11に囲まれているため、デッキプレート7によって構成される型枠内に設置され、未硬化のコンクリートが型枠内に流し込まれた場合に、コンクリートが側壁11の内側に流入してしまい、ブロック状磁石10と接触した状態で固化するという事態が阻止される。そのため、コンクリートスラブ8を施工した後に、デッキプレート7を取り外すと、図6(c)に示すように、デッキプレート7の上面7aに吸着したブロック状磁石10はデッキプレート7によって下方に引っ張られるようにしてフランジ5の対向面5aから容易に引き剥がされる。すなわち、インサート金具1cにおいては、コンクリートスラブ8の施工後に、ブロック状磁石10をデッキプレート7と一緒に回収することが可能である。
また、インサート金具1cでは、ブロック状磁石10を回収して再利用できるため、磁力が非常に強い高価な磁石をブロック状磁石10として用いることができる。また、インサート金具1cでは、コンクリートスラブ8の中にブロック状磁石10が残らないため、磁力の影響を受け易い機器が設置された研究所の床や天井等を施工する場合にも使用することができる。
なお、回収したブロック状磁石10の上面には接着剤が付着しているため、接着剤の除去作業を行う必要がある。ただし、回収したデッキプレート7のように、広範囲にわたって点在するように接着剤が付着しているわけではないため、上記作業は極めて容易に行うことができる。
本実施例のインサート金具について図7を用いて説明する(特に、請求項1に対応)。
図7(a)は本実施例のインサート金具1dの縦断面図であり、図7(b)はブロック状磁石10に取り付けられるキャップ12の外観斜視図である。また、図7(c)はインサート金具1dの使用方法を説明するための図であり、この図におけるインサート金具1dの断面図は図7(a)に示したものと同じである。なお、図1乃至図6に示した構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。さらに、図7(c)では、コンクリートスラブについて、断面であることを示すハッチングを省略している。
図7(a)及び図7(b)に示すように、本実施例のインサート金具1dは、実施例2のインサート金具1cにおいて、ブロック状磁石10に対し、吸着面10a以外の全ての面を覆うように鉄製のキャップ12が取り付けられ、吸着面10aを露出させるように、キャップ12の上面12aが接着層9を介してフランジ5の対向面5aに貼り付けられた構造となっている。
このような構造のインサート金具1dにおいては、キャップ12を被せることによってブロック状磁石10の磁力が吸着面10aに集中するという作用を有する。したがって、インサート金具1dによれば、ブロック状磁石10のデッキプレート7の上面7aに対する吸着力が強まるため、型枠内に流し込まれた未硬化のコンクリートに接触した場合でも、その位置がずれないように確実に固定することができる。
また、インサート金具1dにおいては、デッキプレート7によって構成される型枠内に設置され、コンクリートスラブ8を施工した後に、デッキプレート7を取り外すと、図7(c)に示すように、ブロック状磁石10がデッキプレート7の上面7aに吸着した状態でキャップ12の上面12aがフランジ5の対向面5aから引き剥がされる。すなわち、インサート金具1dの場合と同様に、ブロック状磁石10を容易に回収することが可能である。ただし、ブロック状磁石10はキャップ12に取り付けられた状態で回収されるため、回収時や接着剤の除去作業時に破損するおそれがない。したがって、ブロック状磁石10を効率良く再利用することができる。
本実施例のインサート金具について図8を用いて説明する(特に、請求項2に対応)。
図8(a)は本実施例のインサート金具1eの断面図であり、図8(b)は図8(a)におけるF方向矢視図である。また、図8(c)は図8(a)におけるG部の拡大図である。なお、図8(c)では、ブロック状磁石10とキャップ12について、断面であることを示すハッチングを省略している。また、図1乃至図7に示した構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図8(a)及び図8(b)に示すように、本実施例のインサート金具1eは、実施例3のインサート金具1dにおいて、キャップ12の上面12aが接着層9を介してフランジ5の対向面5aに貼り付けられる代わりに、キャップ12の端面12bと係止可能に、側壁11の内周面11bに突起部13が設けられたことを特徴とする。すなわち、側壁11の内周面11bには、円筒体3の軸中心3bに向かって突出するように3つの突起部13が円周方向に沿って略等間隔に設けられている。
図8(c)に示すように、突起部13は、円筒体3の軸を含む平面による切断面が略直角三角形をなしており、上面13aはフランジ5の対向面5aと略平行をなし、下面13bは側壁11の内周面11bから円筒体3の軸中心3bに向かうに従ってフランジ5の対向面5aに近づくように傾斜している。また、キャップ12は、上面12aをフランジ5の対向面5aに当接させた状態で端面12bに突起部13の上面13aが係止可能に形成されている。なお、このとき、ブロック状磁石10の吸着面10aは、キャップ12の端面12bから突起部13の厚さだけ突出し、側壁11の端面11aと面一となっている。
このような構造のインサート金具1eにおいては、突起部13がキャップ12の端面12bに係止することで、ブロック状磁石10が保持されるという作用を有する。また、インサート金具1eがデッキプレート7によって構成される型枠内に設置され、コンクリートスラブ8を施工した後、デッキプレート7を取り外す際に、上面7aに吸着しているブロック状磁石10が下方に引っ張られることで、側壁11が弾性変形してキャップ12の端面12bに係止していた突起部13が外れ、ブロック状磁石10がキャップ12と一緒にデッキプレート7に吸着した状態で回収されるという作用を有する。
なお、インサート金具1eでは、接着層9がないため、ブロック状磁石10とともに回収されたキャップ12の上面12aには接着剤が付着していない。すなわち、インサート金具1eによれば、ブロック状磁石10を回収した際に、接着剤の除去作業を行う必要がない。したがって、デッキプレート7を回収した際に行われる清掃作業全体の費用を安くすることができる。
なお、接着剤等を用いずに、ブロック状磁石10を円筒体2,3やフランジ5に固定するために、ネジやボルト等を用いる方法が考えられる。この方法であれば、デッキプレート7の上面7aに接着剤が付着しないため、デッキプレート7を回収した後に接着剤を除去する作業を行う必要がない。しかしながら、この場合、デッキプレート7を回収した後に、ネジやボルト等を緩めて、円筒体2,3やフランジ5などからブロック状磁石10を取り外す作業を行わなければならない。通常、コンクリートスラブ8を施行する際には多くのデッキプレート7を使用し、しかも一枚のデッキプレート7に対し、複数のインサート金具が使用されるため、上記作業は極めて煩雑なものとなり、現実的ではない。その点、実施例2乃至実施例4において説明したインサート金具1c〜1eによれば、前述したように、デッキプレート7をコンクリートスラブ8から取り外す際にブロック状磁石10も一緒に回収されるため、作業効率が良い。
請求項1及び請求項2に記載された発明は、多層建築物の床や天井等にコンクリートスラブを施工する際に型枠として用いられ、施工後に取り外されて再利用される鉄製のデッキプレートに対して適用可能である。
1a インサート金具
1b インサート金具
1c インサート金具
1d インサート金具
1e インサート金具
2 円筒体
2a ネジ穴
3 円筒体
3a 開口部
3b 軸中心
4 フランジ
5 フランジ
5a 対向面
6 シート状磁石
6a 開口部
6b 吸着面
7 デッキプレート
7a 上面
8 コンクリートスラブ
8a 下面
9 接着層
10 ブロック状磁石
10a 吸着面
11 側壁
11a 端面
11b 内周面
12 キャップ
12a 上面
12b 端面
13 突起部
13a 上面
13b 下面
14 断熱材
14a 開口部
14b 上面
15 スペーサ
15a 開口部
15b 上面
16 ヒダ
17 コンクリート

Claims (2)

  1. 構造物の床等にコンクリートスラブを施工する際に型枠として用いられた後、回収して再利用される鉄製のデッキプレートに設置されるインサート金具であって、
    軸方向にネジ穴が形成された円筒体と、
    前記ネジ穴に直交し、一端を閉塞するように前記円筒体に設けられる第1のフランジと、
    この第1のフランジと平行に前記円筒体の他端近傍の側面に設けられる第2のフランジと、
    この第2のフランジの前記デッキプレートの上面に対向する面に形成される接着層と、
    この接着層を介して前記第2のフランジに接着されるブロック状磁石と、
    このブロック状磁石の側面を囲繞するように前記デッキプレートの上面に対向する面に立設される側壁と、を備え、
    この側壁は、前記デッキプレートの上面に当接する前記ブロック状磁石の吸着面に対し、その端面が面一になるように形成され、
    前記吸着面を残して他の全ての面を覆うように前記ブロック状磁石に磁性材からなるキャップが取り付けられ、
    このキャップは、前記ブロック状磁石の前記吸着面を露出させた状態で、その上面が前記接着層を介して前記第2のフランジに接着されることを特徴とするインサート金具。
  2. 前記側壁は合成樹脂によって成形され、
    前記接着層が形成される代わりに、
    前記側壁の内周面に対し、前記キャップの端面と係止可能に、かつ、前記円筒体の軸中心に向かって突出するように突起部が設けられ、
    この突起部が前記キャップの前記端面に係止することにより、前記ブロック状磁石が着脱可能に前記側壁の内側に保持されることを特徴とする請求項1記載のインサート金具。

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