JP2004232418A - ブーツパッキン - Google Patents
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Abstract
【課題】コンクリートの鞘管内部への侵入を確実に防止でき、目地の形成やゴミの発生をなくすことができる施工性の良いブーツパッキンを提供する。
【解決手段】布基礎に貫通状態で埋設する鞘管2の端部に取付けられるゴム製のブーツパッキン1であって、鞘管2の端部に外嵌着される短筒部1aと、短筒部1aの一端側の開口を閉塞する円板部1bとからなり、円板部1bに切断用溝部1cを同心円状に形成して、切断用溝部1cより内側を切取り可能な円形蓋部1d、切断用溝部1cより外側をドーナツ板状のパッキン部1eとした構成のブーツパッキン1とする。円形蓋部1dを切取らない状態でコンクリートを打設することで、鞘管内部へのコンクリートの侵入を確実に防止できる。
【選択図】 図3
【解決手段】布基礎に貫通状態で埋設する鞘管2の端部に取付けられるゴム製のブーツパッキン1であって、鞘管2の端部に外嵌着される短筒部1aと、短筒部1aの一端側の開口を閉塞する円板部1bとからなり、円板部1bに切断用溝部1cを同心円状に形成して、切断用溝部1cより内側を切取り可能な円形蓋部1d、切断用溝部1cより外側をドーナツ板状のパッキン部1eとした構成のブーツパッキン1とする。円形蓋部1dを切取らない状態でコンクリートを打設することで、鞘管内部へのコンクリートの侵入を確実に防止できる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家屋の布基礎に埋設する鞘管に取付けられるブーツパッキンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、家屋の基礎工事を行う場合には、布基礎形成用の型枠の内側に紙製のボイド管を設置してコンクリートを打設し、コンクリートが硬化した後、ボイド管を破って布基礎から取り出すことにより、排水管を通すための貫通孔を布基礎に形成していた。
【0003】
けれども、上記の工事では、取り出したボイド管がゴミになり、しかも、布基礎の貫通孔に排水管を通して配管するときには、排水管と貫通孔との隙間をうめる目地を形成しなければならないという面倒さがあった。
【0004】
これに対処するため、図11に示すような環状パッキン101を使用し、図12に示すように該環状パッキン101を両端に取付けた合成樹脂製の鞘管102を布基礎形成用の型枠103,103の内側に設置してコンクリート104を打設する工法が、一部の建設業者によって実施されているようである。
【0005】
この工法を採用すると、図13に示すように鞘管102と環状パッキン101を布基礎のコンクリート104に埋め込んだまま、鞘管102に排水管105を通して配管できるため、従来のボイド管のようにゴミが発生することがなく、しかも環状パッキン101の内周縁が排水管105に弾接して排水管105と鞘管101との間に隙間を生ずることがないため、目地の形成も不要になるといった利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の環状パッキン101を使用すると、図12に示すように打設した未硬化のコンクリート104が環状パッキン101,101と型枠103,103との隙間から鞘管102の内部に入って硬化することがあるため、鞘管内部の硬化したコンクリート104aを除去することが必要になり、環状パッキン101を傷付けないようにコンクリート104aを除去する作業が極めて面倒という問題があった。
【0007】
本発明は上記の問題に対処すべくなされたもので、その目的とするところは、上記の環状パッキンの長所を保持したまま、鞘管内部へのコンクリートの侵入を確実に防止できるブーツパッキンを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係るブーツパッキンは、布基礎に貫通状態で埋設する鞘管の端部に取付けられるゴム製のブーツパッキンであって、該鞘管の端部に外嵌着される短筒部と、この短筒部の一端側の開口を閉塞する円板部とからなり、この円板部に切断用溝部が同心円状に形成されて、切断用溝部より内側が切取り可能な円形蓋部、切断用溝部より外側がドーナツ板状のパッキン部とされていることを特徴とするものである。
【0009】
斯かるブーツパッキンは、その短筒部を鞘管の端部に外嵌着することによって取付けられる。このようにブーツパッキンが取付けられた鞘管を布基礎形成用の型枠の内側に設置し、コンクリートを打設して布基礎を形成すると、ブーツパッキンの円形板によって鞘管の端部が閉塞されているため、未硬化のコンクリートが鞘管内部に侵入するのを確実に防止することができる。そして、鞘管の内部に排水管を通して配管するときは、ブーツパッキンの円板部の切断用溝部に沿って円形蓋部を切取ることにより円形開口を形成し、この円形開口に排水管を挿通すればよく、このようにすると、ブーツパッキンの切断用溝部より外側のドーナツ板状のパッキン部が排水管の外周面に水密的に弾接するため、排水管と鞘管との隙間を生める目地の形成も不要となる。
【0010】
本発明のブーツパッキンにおいては、切断用溝部がV字形の断面を有し、その底部の肉厚が0.1〜0.4mmとされていることが望ましく、このような構成にすると、指先で切断用溝部を切断しながら円形蓋部を簡単に切取ることが可能となる。
【0011】
また、本発明のブーツパッキンにおいては、切断用溝部より外側のパッキン部の肉厚を、内側の切取り可能な円形蓋部の肉厚より薄くすることが望ましく、このようにすると、肉薄のパッキン部が弾力的に容易に曲げ変形して排水管の外周面に密着するため、排水管と鞘管との水密性を向上させることができる。
【0012】
また、本発明のブーツパッキンにおいては、切断用溝部より外側のパッキン部の肉厚を、切断用溝部に近づくほど薄くすることが望ましく、このようにすると、パッキン部の肉薄の内周縁が弾力的に容易に曲げ変形して排水管の外周面に密着するため、やはり排水管と鞘管との水密性を向上させることができる。
【0013】
また、本発明のブーツパッキンにおいては、切取り可能な円形蓋部に取手を形成することが望ましく、このようにすると、取手を持って簡単に円形蓋部を切取ることが可能となる。
【0014】
また、本発明のブーツパッキンにおいては、短筒部の内側に、鞘管の端部に内嵌着される内筒部を形成することが望ましく、このようにすると、短筒部と内筒部によって外側と内側から鞘管の端部を挟んだ状態でブーツパッキンを取付けることができるので取付け強度が向上し、ブーツパッキンと鞘管端部の水密性も一層向上することになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳述する。
【0016】
図1は本発明の一実施形態に係るブーツパッキンの斜視図、図2は円形蓋部を切離した状態の同ブーツパッキンの斜視図、図3は同ブーツパッキンの断面図、図4は図3の円で囲んだ部分の拡大図、図5〜図7は同ブーツパッキンを用いた布基礎の施工方法を順次説明する断面図である。
【0017】
このブーツパッキン1は、EPDM、SBR、CR等の合成ゴムで一体成形されたものであって、鞘管2の端部に外嵌着される短筒部1aと、この短筒部1aの一端側(前端側)の開口を閉塞する円板部1bとから成る。
【0018】
この円板部1bには、V字形の断面を有する切断用溝部1cが同心円状に形成され、この切断用溝部1cより内側が切取り可能な円形蓋部1d、外側がドーナツ板状のパッキン部1eとなっている。
【0019】
この切断用溝部1cは、鞘管2に挿通される排水管6の外径より少し小さい直径を有する同心円状に形成されており、後述するように円形蓋部1dを切取って排水管6を挿入すると、ドーナツ板状のパッキン1eが排水管6によって押し広げられた状態で弾接するようになっている。
【0020】
切断用溝部1cの底部の肉厚t(図4を参照)は0.1〜0.4mmに設定されており、そのため指先で切断用溝部1cを切断しながら円形蓋部1dを簡単に切取ることができるようになっている。底部の肉厚tが0.1mmより薄くなると、後述するように布基礎形成用の型枠4によって円形蓋部1dが押し込まれたときに切断用溝部1cが切断する心配があり、逆に0.4mmより厚くなると、指先で切断用溝部1cを切断して円形蓋部1dを切取る作業がし辛くなるので、いずれの場合も好ましくない。
【0021】
この実施形態のブーツパッキン1では、切断用溝部1cを円板部1bの表面に形成しているが、円板部1bの裏面に切断用溝部を形成してもよい。
上記の切取り可能な円形蓋部1dの中央には、取手1fが突設されており、この取手1fをつまんで簡単に円形蓋部1dを切取ることができるようになっている。
【0022】
図3に示すように、切断用溝部1cより外側のドーナツ板状のパッキン部1eの肉厚は、内側の切取り可能な円形蓋部1dの肉厚よりも薄くなっており、そのため、後述するように円形蓋部1daを切取って排水管6を挿入すると、薄肉のパッキン部1eが弾力的に容易に曲げ変形して排水管6の外周面に密着し、水密性を確保できるようになっている。
【0023】
なお、パッキン部1eの肉厚は、図9に示すように、短筒部1aから切断用溝部1cに近づくほど薄くなるようにしてもよく、その場合も、パッキン部1eの肉薄になった内周縁が弾力的に容易に曲げ変形して排水管6の外周面に密接するため、上記と同様に水密性を確保することが可能となる。
【0024】
また、このブーツパッキン1の短筒部1aの一端(前端)1gは、円板部1bのドーナツ板状のパッキン部1eから少し突出し、その内周面が先広がり状のテーパー面とされている。そのため、後述するように布基礎形成用の型枠4を立設すると、短筒部の一端1gが吸盤のごとく外側に拡張した状態で型枠4に密着するため、打設したコンクリート5が型枠4とブーツパッキン1の円板部1bとの隙間に侵入することもなくなる。
【0025】
更に、この短筒部1aの他端部(後端部)の外周面にはフランジ部1hが形成されており、後述するようにブーツパッキン1が鞘管と共に布基礎のコンクリート5に埋設されると、フランジ部1bがコンクリート5に食い込んでブーツパッキン1の抜出しを確実に防止できるようになっている。
【0026】
次に、このブーツパッキン1を用いた布基礎の施工法の一例を説明する。
【0027】
まず、図5に示すように、ブーツパッキン1の短筒部1aを合成樹脂製の鞘管2の両端に外嵌着して、この鞘管2を布基礎用の鉄筋3の隙間に載置固定する。そして、図6に示すように、両側に布基礎形成用の型枠4,4を立設してコンクリート5を型枠4,4内に打設する。このとき、ブーツパッキン1の円板部1bは、型枠4により取手1fを介して内側に押し込まれるが、既述したように切断用溝部1cの底部の肉厚tが0.1〜0.4mmであるため、切断用溝部1cが切断されることはなく、ブーツパッキン1によって鞘管2の両端を確実に閉塞することができる。そのため、打設された未硬化のコンクリート5が鞘管2の内部に侵入するのを確実に防止することができる。また、既述したようにブーツパッキン1の短筒部1aの突出した前端1gが吸盤のごとく拡張して型枠4に密着するため、コンクリート5が型枠4とブーツパッキン1の円板部1bとの隙間7に侵入することもない。
【0028】
コンクリート5が硬化すると、図7に示すように型枠を除去し、ブーツパッキン1の円形蓋部1dを切断用溝部1cに沿って指先で切取ることにより円形開口を形成する。そして、図8に示すように、排水管6を上記の円形開口から鞘管2内に挿通して配管を行う。このように排水管6を挿通すると、ブーツパッキン1のパッキン部1eが押し広げられ、既述したようにパッキン部1eが弾力的に容易に曲げ変形して排水管6の外周面に密着するため、排水管6と鞘管2との水密性が確保される。従って、目地の形成が不要となる。また、ブーツパッキン1のフランジ部1hがコンクリート5に食い込むため、既述したようにブーツパッキン1の抜出しを確実に防止することもできる。
【0029】
図10は本発明の他の実施形態に係るブーツパッキン1の断面図である。
【0030】
このブーツパッキン1は、短筒部1aの内側に、鞘管2の端部に内嵌着される内筒部1iを形成すると共に、ドーナツ板状のパッキン部1eの肉厚を短筒部1aから切断用溝部1cに近づくにつれて薄くなるようにしている。その他の構成は、前述した図1〜図4のブーツパッキン1と同様であるので、図10において同一部材に同一符号を付し、説明を省略する。
【0031】
このようなブーツパッキン1は、前述した作用効果に加えて、短筒部1aと内筒部1iにより外側と内側から鞘管2の端部を挟んだ状態で取付けることができるため取付け強度が向上し、ブーツパッキン1と鞘管2の端部の水密性も一層向上する利点がある。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のブーツパッキンは、コンクリートが鞘管の内部に侵入するのを確実に防止できるため、従来の環状パッキンのように鞘管内部に侵入して硬化したコンクリートを除去する面倒な作業が不要になって施工性が大幅に向上し、また、従来のボイド管のようにゴミが発生することがなく目地の形成も不要になる等、優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るブーツパッキンの斜視図である。
【図2】円形蓋部を切離した状態の同ブーツパッキンの斜視図である。
【図3】同ブーツパッキンの断面図である。
【図4】図3の円で囲んだ部分の拡大図である。
【図5】同ブーツパッキンが両端に取付けられた鞘管を布基礎用の鉄筋の間に設置したところを示す断面図である。
【図6】同ブーツパッキンが両端に取付けられた鞘管を設置した布基礎用鉄筋の両側に布基礎形成用の型枠を立設し、型枠の内側にコンクリートを打設したところを示す断面図である。
【図7】布基礎形成用の型枠を除去して、布基礎に埋設された鞘管の両端のブーツパッキンから円形蓋部を切取ったところを示す断面図である。
【図8】ブーツキャップから円形蓋部を切取って形成した円形開口を通じて排水管を鞘管に挿通しているところを示す断面図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係るブーツパッキンの部分断面図である。
【図10】本発明の更に他の実施形態に係るブーツパッキンの断面図である。
【図11】鞘管の端部に取付けられる従来の環状パッキンの斜視図である。
【図12】従来の環状パッキンが両端に取付けられた鞘管を布基礎形成用の型枠の内側に設置してコンクリートを打設したところを示す断面図である。
【図13】布基礎形成用の型枠を除去して、布基礎に埋設された鞘管に排水管を挿通したところを示す断面図である。
【符号の説明】
1 ブーツパッキン
1a 短筒部
1b 円板部
1c 切断用溝部
1d 切取り可能な円形蓋部
1e ドーナツ板状のパッキン部
1f 取手
1h フランジ部
1i 内筒部
2 鞘管
3 鉄筋
4 型枠
5 コンクリート
6 排水管
【発明の属する技術分野】
本発明は、家屋の布基礎に埋設する鞘管に取付けられるブーツパッキンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、家屋の基礎工事を行う場合には、布基礎形成用の型枠の内側に紙製のボイド管を設置してコンクリートを打設し、コンクリートが硬化した後、ボイド管を破って布基礎から取り出すことにより、排水管を通すための貫通孔を布基礎に形成していた。
【0003】
けれども、上記の工事では、取り出したボイド管がゴミになり、しかも、布基礎の貫通孔に排水管を通して配管するときには、排水管と貫通孔との隙間をうめる目地を形成しなければならないという面倒さがあった。
【0004】
これに対処するため、図11に示すような環状パッキン101を使用し、図12に示すように該環状パッキン101を両端に取付けた合成樹脂製の鞘管102を布基礎形成用の型枠103,103の内側に設置してコンクリート104を打設する工法が、一部の建設業者によって実施されているようである。
【0005】
この工法を採用すると、図13に示すように鞘管102と環状パッキン101を布基礎のコンクリート104に埋め込んだまま、鞘管102に排水管105を通して配管できるため、従来のボイド管のようにゴミが発生することがなく、しかも環状パッキン101の内周縁が排水管105に弾接して排水管105と鞘管101との間に隙間を生ずることがないため、目地の形成も不要になるといった利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の環状パッキン101を使用すると、図12に示すように打設した未硬化のコンクリート104が環状パッキン101,101と型枠103,103との隙間から鞘管102の内部に入って硬化することがあるため、鞘管内部の硬化したコンクリート104aを除去することが必要になり、環状パッキン101を傷付けないようにコンクリート104aを除去する作業が極めて面倒という問題があった。
【0007】
本発明は上記の問題に対処すべくなされたもので、その目的とするところは、上記の環状パッキンの長所を保持したまま、鞘管内部へのコンクリートの侵入を確実に防止できるブーツパッキンを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係るブーツパッキンは、布基礎に貫通状態で埋設する鞘管の端部に取付けられるゴム製のブーツパッキンであって、該鞘管の端部に外嵌着される短筒部と、この短筒部の一端側の開口を閉塞する円板部とからなり、この円板部に切断用溝部が同心円状に形成されて、切断用溝部より内側が切取り可能な円形蓋部、切断用溝部より外側がドーナツ板状のパッキン部とされていることを特徴とするものである。
【0009】
斯かるブーツパッキンは、その短筒部を鞘管の端部に外嵌着することによって取付けられる。このようにブーツパッキンが取付けられた鞘管を布基礎形成用の型枠の内側に設置し、コンクリートを打設して布基礎を形成すると、ブーツパッキンの円形板によって鞘管の端部が閉塞されているため、未硬化のコンクリートが鞘管内部に侵入するのを確実に防止することができる。そして、鞘管の内部に排水管を通して配管するときは、ブーツパッキンの円板部の切断用溝部に沿って円形蓋部を切取ることにより円形開口を形成し、この円形開口に排水管を挿通すればよく、このようにすると、ブーツパッキンの切断用溝部より外側のドーナツ板状のパッキン部が排水管の外周面に水密的に弾接するため、排水管と鞘管との隙間を生める目地の形成も不要となる。
【0010】
本発明のブーツパッキンにおいては、切断用溝部がV字形の断面を有し、その底部の肉厚が0.1〜0.4mmとされていることが望ましく、このような構成にすると、指先で切断用溝部を切断しながら円形蓋部を簡単に切取ることが可能となる。
【0011】
また、本発明のブーツパッキンにおいては、切断用溝部より外側のパッキン部の肉厚を、内側の切取り可能な円形蓋部の肉厚より薄くすることが望ましく、このようにすると、肉薄のパッキン部が弾力的に容易に曲げ変形して排水管の外周面に密着するため、排水管と鞘管との水密性を向上させることができる。
【0012】
また、本発明のブーツパッキンにおいては、切断用溝部より外側のパッキン部の肉厚を、切断用溝部に近づくほど薄くすることが望ましく、このようにすると、パッキン部の肉薄の内周縁が弾力的に容易に曲げ変形して排水管の外周面に密着するため、やはり排水管と鞘管との水密性を向上させることができる。
【0013】
また、本発明のブーツパッキンにおいては、切取り可能な円形蓋部に取手を形成することが望ましく、このようにすると、取手を持って簡単に円形蓋部を切取ることが可能となる。
【0014】
また、本発明のブーツパッキンにおいては、短筒部の内側に、鞘管の端部に内嵌着される内筒部を形成することが望ましく、このようにすると、短筒部と内筒部によって外側と内側から鞘管の端部を挟んだ状態でブーツパッキンを取付けることができるので取付け強度が向上し、ブーツパッキンと鞘管端部の水密性も一層向上することになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳述する。
【0016】
図1は本発明の一実施形態に係るブーツパッキンの斜視図、図2は円形蓋部を切離した状態の同ブーツパッキンの斜視図、図3は同ブーツパッキンの断面図、図4は図3の円で囲んだ部分の拡大図、図5〜図7は同ブーツパッキンを用いた布基礎の施工方法を順次説明する断面図である。
【0017】
このブーツパッキン1は、EPDM、SBR、CR等の合成ゴムで一体成形されたものであって、鞘管2の端部に外嵌着される短筒部1aと、この短筒部1aの一端側(前端側)の開口を閉塞する円板部1bとから成る。
【0018】
この円板部1bには、V字形の断面を有する切断用溝部1cが同心円状に形成され、この切断用溝部1cより内側が切取り可能な円形蓋部1d、外側がドーナツ板状のパッキン部1eとなっている。
【0019】
この切断用溝部1cは、鞘管2に挿通される排水管6の外径より少し小さい直径を有する同心円状に形成されており、後述するように円形蓋部1dを切取って排水管6を挿入すると、ドーナツ板状のパッキン1eが排水管6によって押し広げられた状態で弾接するようになっている。
【0020】
切断用溝部1cの底部の肉厚t(図4を参照)は0.1〜0.4mmに設定されており、そのため指先で切断用溝部1cを切断しながら円形蓋部1dを簡単に切取ることができるようになっている。底部の肉厚tが0.1mmより薄くなると、後述するように布基礎形成用の型枠4によって円形蓋部1dが押し込まれたときに切断用溝部1cが切断する心配があり、逆に0.4mmより厚くなると、指先で切断用溝部1cを切断して円形蓋部1dを切取る作業がし辛くなるので、いずれの場合も好ましくない。
【0021】
この実施形態のブーツパッキン1では、切断用溝部1cを円板部1bの表面に形成しているが、円板部1bの裏面に切断用溝部を形成してもよい。
上記の切取り可能な円形蓋部1dの中央には、取手1fが突設されており、この取手1fをつまんで簡単に円形蓋部1dを切取ることができるようになっている。
【0022】
図3に示すように、切断用溝部1cより外側のドーナツ板状のパッキン部1eの肉厚は、内側の切取り可能な円形蓋部1dの肉厚よりも薄くなっており、そのため、後述するように円形蓋部1daを切取って排水管6を挿入すると、薄肉のパッキン部1eが弾力的に容易に曲げ変形して排水管6の外周面に密着し、水密性を確保できるようになっている。
【0023】
なお、パッキン部1eの肉厚は、図9に示すように、短筒部1aから切断用溝部1cに近づくほど薄くなるようにしてもよく、その場合も、パッキン部1eの肉薄になった内周縁が弾力的に容易に曲げ変形して排水管6の外周面に密接するため、上記と同様に水密性を確保することが可能となる。
【0024】
また、このブーツパッキン1の短筒部1aの一端(前端)1gは、円板部1bのドーナツ板状のパッキン部1eから少し突出し、その内周面が先広がり状のテーパー面とされている。そのため、後述するように布基礎形成用の型枠4を立設すると、短筒部の一端1gが吸盤のごとく外側に拡張した状態で型枠4に密着するため、打設したコンクリート5が型枠4とブーツパッキン1の円板部1bとの隙間に侵入することもなくなる。
【0025】
更に、この短筒部1aの他端部(後端部)の外周面にはフランジ部1hが形成されており、後述するようにブーツパッキン1が鞘管と共に布基礎のコンクリート5に埋設されると、フランジ部1bがコンクリート5に食い込んでブーツパッキン1の抜出しを確実に防止できるようになっている。
【0026】
次に、このブーツパッキン1を用いた布基礎の施工法の一例を説明する。
【0027】
まず、図5に示すように、ブーツパッキン1の短筒部1aを合成樹脂製の鞘管2の両端に外嵌着して、この鞘管2を布基礎用の鉄筋3の隙間に載置固定する。そして、図6に示すように、両側に布基礎形成用の型枠4,4を立設してコンクリート5を型枠4,4内に打設する。このとき、ブーツパッキン1の円板部1bは、型枠4により取手1fを介して内側に押し込まれるが、既述したように切断用溝部1cの底部の肉厚tが0.1〜0.4mmであるため、切断用溝部1cが切断されることはなく、ブーツパッキン1によって鞘管2の両端を確実に閉塞することができる。そのため、打設された未硬化のコンクリート5が鞘管2の内部に侵入するのを確実に防止することができる。また、既述したようにブーツパッキン1の短筒部1aの突出した前端1gが吸盤のごとく拡張して型枠4に密着するため、コンクリート5が型枠4とブーツパッキン1の円板部1bとの隙間7に侵入することもない。
【0028】
コンクリート5が硬化すると、図7に示すように型枠を除去し、ブーツパッキン1の円形蓋部1dを切断用溝部1cに沿って指先で切取ることにより円形開口を形成する。そして、図8に示すように、排水管6を上記の円形開口から鞘管2内に挿通して配管を行う。このように排水管6を挿通すると、ブーツパッキン1のパッキン部1eが押し広げられ、既述したようにパッキン部1eが弾力的に容易に曲げ変形して排水管6の外周面に密着するため、排水管6と鞘管2との水密性が確保される。従って、目地の形成が不要となる。また、ブーツパッキン1のフランジ部1hがコンクリート5に食い込むため、既述したようにブーツパッキン1の抜出しを確実に防止することもできる。
【0029】
図10は本発明の他の実施形態に係るブーツパッキン1の断面図である。
【0030】
このブーツパッキン1は、短筒部1aの内側に、鞘管2の端部に内嵌着される内筒部1iを形成すると共に、ドーナツ板状のパッキン部1eの肉厚を短筒部1aから切断用溝部1cに近づくにつれて薄くなるようにしている。その他の構成は、前述した図1〜図4のブーツパッキン1と同様であるので、図10において同一部材に同一符号を付し、説明を省略する。
【0031】
このようなブーツパッキン1は、前述した作用効果に加えて、短筒部1aと内筒部1iにより外側と内側から鞘管2の端部を挟んだ状態で取付けることができるため取付け強度が向上し、ブーツパッキン1と鞘管2の端部の水密性も一層向上する利点がある。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のブーツパッキンは、コンクリートが鞘管の内部に侵入するのを確実に防止できるため、従来の環状パッキンのように鞘管内部に侵入して硬化したコンクリートを除去する面倒な作業が不要になって施工性が大幅に向上し、また、従来のボイド管のようにゴミが発生することがなく目地の形成も不要になる等、優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るブーツパッキンの斜視図である。
【図2】円形蓋部を切離した状態の同ブーツパッキンの斜視図である。
【図3】同ブーツパッキンの断面図である。
【図4】図3の円で囲んだ部分の拡大図である。
【図5】同ブーツパッキンが両端に取付けられた鞘管を布基礎用の鉄筋の間に設置したところを示す断面図である。
【図6】同ブーツパッキンが両端に取付けられた鞘管を設置した布基礎用鉄筋の両側に布基礎形成用の型枠を立設し、型枠の内側にコンクリートを打設したところを示す断面図である。
【図7】布基礎形成用の型枠を除去して、布基礎に埋設された鞘管の両端のブーツパッキンから円形蓋部を切取ったところを示す断面図である。
【図8】ブーツキャップから円形蓋部を切取って形成した円形開口を通じて排水管を鞘管に挿通しているところを示す断面図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係るブーツパッキンの部分断面図である。
【図10】本発明の更に他の実施形態に係るブーツパッキンの断面図である。
【図11】鞘管の端部に取付けられる従来の環状パッキンの斜視図である。
【図12】従来の環状パッキンが両端に取付けられた鞘管を布基礎形成用の型枠の内側に設置してコンクリートを打設したところを示す断面図である。
【図13】布基礎形成用の型枠を除去して、布基礎に埋設された鞘管に排水管を挿通したところを示す断面図である。
【符号の説明】
1 ブーツパッキン
1a 短筒部
1b 円板部
1c 切断用溝部
1d 切取り可能な円形蓋部
1e ドーナツ板状のパッキン部
1f 取手
1h フランジ部
1i 内筒部
2 鞘管
3 鉄筋
4 型枠
5 コンクリート
6 排水管
Claims (6)
- 布基礎に貫通状態で埋設する鞘管の端部に取付けられるゴム製のブーツパッキンであって、上記鞘管の端部に外嵌着される短筒部と、この短筒部の一端側の開口を閉塞する円板部とからなり、この円板部に切断用溝部が同心円状に形成されて、切断用溝部より内側が切取り可能な円形蓋部、切断用溝部より外側がドーナツ板状のパッキン部とされていることを特徴とするブーツパッキン。
- 切断用溝部がV字形の断面を有し、その底部の肉厚が0.1〜0.4mmとされていることを特徴とする請求項1に記載のブーツパッキン。
- 切断用溝部より外側のパッキン部の肉厚が、内側の切取り可能な円形蓋部の肉厚より薄くなっていることを特徴とする請求項1に記載のブーツパッキン。
- 切断用溝部より外側のパッキン部の肉厚が、切断用溝部に近づくほど薄くなっていることを特徴とする請求項1に記載のブーツパッキン。
- 切取り可能な円形蓋部に取手が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のブーツパッキン。
- 短筒部の内側に、鞘管の端部に内嵌着される内筒部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のブーツパッキン。
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-
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- 2003-01-31 JP JP2003025061A patent/JP2004232418A/ja active Pending
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