JP6254319B1 - ゴルフクラブ - Google Patents

ゴルフクラブ Download PDF

Info

Publication number
JP6254319B1
JP6254319B1 JP2017113428A JP2017113428A JP6254319B1 JP 6254319 B1 JP6254319 B1 JP 6254319B1 JP 2017113428 A JP2017113428 A JP 2017113428A JP 2017113428 A JP2017113428 A JP 2017113428A JP 6254319 B1 JP6254319 B1 JP 6254319B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
face
golf club
temperature
base
loss coefficient
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017113428A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018202036A (ja
Inventor
早苗 佐野
早苗 佐野
周作 佐々木
周作 佐々木
Original Assignee
羽立工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 羽立工業株式会社 filed Critical 羽立工業株式会社
Priority to JP2017113428A priority Critical patent/JP6254319B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6254319B1 publication Critical patent/JP6254319B1/ja
Publication of JP2018202036A publication Critical patent/JP2018202036A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】冬季などの低温環境でのプレー時においても内層であるフェイスベースが破損し難いグラウンドゴルフまたはパークゴルフに用いるゴルフクラブを提供する。【解決手段】ゴルフクラブ100は、ヘッド101を備えている。ヘッド101は、ヘッド101上にフェイスベース110を介してフェイス102を備えている。フェイスベース110は、フェイス120よりも硬質でかつ温度低下に伴って硬度が高くなる樹脂材で構成されている。フェイス120は、ボールを打った際に弾性変形する弾力性を有するとともに、0℃〜35℃の温度範囲内での温度低下に伴う損失係数tanδの低下量がフェイスベース110の損失係数tanδにおける0℃〜35℃の温度範囲内での温度低下に伴う低下量よりも少ない特性を有したエラストマ材を板状に形成して構成されている。【選択図】 図4

Description

本発明は、グラウンドゴルフまたはパークゴルフに用いられるゴルフクラブに関する。
従来から、グラウンドゴルフまたはパークゴルフに用いるゴルフクラブが各種提案されている。例えば、下記特許文献1には、ボールを打つヘッドを構成してボールに直接接触するフェース部材が内層および外層の2層で構成されたゴルフクラブが開示されている。この場合、フェース部材は、ボールが直接接触する外層を弾性変形し易い粘弾性体で構成するとともに、この外層の裏側にこの外層よりも硬質な樹脂材からなる内層を設けることでヘッド本体が損傷することを防止している。
特開2006−230685号公報
しかしながら、このような上記特許文献1に記載されたゴルフクラブにおいては、内層および外層をそれぞれ構成する樹脂材の温度依存性が金属材料などに比べて一般的に高く低温になるほど硬くて脆い性質に変化するため、冬季などの低温環境でのプレー時においてより硬質な樹脂材で構成された内層がボールを打った際の衝撃によって破損し易いという問題がある。
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、冬季などの低温環境でのプレー時においても内層であるフェイスベースが破損し難いグラウンドゴルフまたはパークゴルフに用いるゴルフクラブを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、ボールを打つヘッドに棒状に延びるシャフトが設けられたグラウンドゴルフまたはパークゴルフに用いられるゴルフクラブであって、ヘッドは、シャフトが取り付けられるヘッド本体と、ヘッド本体に支持されてボールを打った際に弾性変形する打面を構成するエラストマ材からなるフェイスと、フェイスより硬質なエラストマ材で構成されてヘッド本体とフェイスとの間に設けられたフェイスベースとを備え、フェイスは、0℃〜35℃の温度範囲内での温度低下に伴う損失係数tanδの低下量がフェイスベースの損失係数tanδにおける前記0℃〜35℃の温度範囲内での温度低下に伴う低下量よりも少ないことにある。
このように構成した本発明の特徴によれば、ゴルフクラブは、温度低下に伴うフェイスの損失係数tanδの低下量がフェイスベースの損失係数tanδの低下量よりも低いため、低温時にボールを打撃した際におけるフェイスによる衝撃の吸収率の低下を抑えて低温によって硬化したフェイスベースに伝達される衝撃を緩和してフェイスベースの損傷を防止することができる。この場合、フェイスおよびフェイスベースの各損失係数tanδの低下量は、0℃〜35℃の温度範囲内における温度低下に伴う各損失係数tanδの低下率と置き換えることもできる。また、本発明に係るゴルフクラブによれば、夏季などの高温環境でのプレー時と冬季などの低温環境でのプレー時とでボールを打撃した際のボールのコントロール性および飛距離の変化も抑えることができる。また、ゴルフクラブは、低温時にフェイスベースが硬質に変化してボールの打撃による反発力が大きくなった場合であってもフェイスによる衝撃の吸収によって使用者に伝達される衝撃を緩和することもできる。
ここで、損失係数tanδとは、貯蔵弾性率と損失弾性率との比である。また、貯蔵弾性率とは、動的挙動中における粘弾性体の剛性を示すものである。また、損失弾性率とは、動的挙動中における粘弾性の消失エネルギを示すものである。
また、本発明の他の特徴は、前記ゴルフクラブにおいて、フェイスベースは、損失係数tanδが0.05以上であることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、ゴルフクラブは、フェイスベースの損失係数tanδが0.05以上に構成されてフェイスベースが振動をより吸収し易く構成されているため、ボールを打撃した際における衝撃をフェイスベースがより効果的に吸収して反発力を抑えることでボールのコントロール性を向上させることができ、年少者、初心者または高齢者によるプレーが行ない易くすることができる。一方、フェイスベースの損失係数tanδを0.05未満で構成すると、ボールのコントロール性が低下するがボールの反発性が向上するため中上級者向きと言える。また、本発明に係るゴルフクラブにおいては、ボールを打撃した際の衝撃の吸収率を向上させることができるため、冬季などの低温時においてもフェイスベースの損傷をより効果的に抑制することができる。
また、本発明の他の特徴は、ゴルフクラブにおいて、フェイスの損失係数tanδとフェイスベースの損失係数tanδとは、温度が低下するに従って差が大きくなることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、ゴルフクラブは、フェイスとフェイスベースとが温度の低下に伴って損失係数tanδの差が大きくなるように構成されているため、より低温(例えば、10℃以下)な環境においてより効果的にフェイスベースの損傷を防止することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記ゴルフクラブにおいて、フェイスは、0℃〜35℃の温度範囲で損失係数tanδが極大値を有することにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、ゴルフクラブは、フェイスの損失係数tanδが0℃〜35℃の温度範囲で極大値を有しているため、この極大値付近におけるボールの打撃時における衝撃の吸収を最大化できるとともに、この極大値付近における温度変化に対する損失係数tanδの増減量が小さいため、ボールを打撃した際のボールのコントロール性および飛距離の変化を抑えることができる。なお、損失係数tanδの極大値は、0℃〜35℃の温度範囲で極大値が存在するか否かであり、この温度範囲以外での極大値の有無とは無関係である。
本発明の一実施形態に係るゴルフクラブの全体構成を概略的に示した全体斜視図である。 図1に示すゴルフクラブにおけるヘッドの全体構成を概略的に示した要部拡大斜視図である。 図2に示したヘッドの内部構成を概略的に示した要部断面図である。 図2に示したフェイスベースおよびフェイスの0℃〜35℃の温度範囲における各損失係数tanδを示した特性グラフである。 図2に示したヘッドにおけるフェイスベースの全体構成を概略的に示した斜視図である。 図2に示したヘッドにおけるフェイスの全体構成を概略的に示した斜視図である。
以下、本発明に係るゴルフクラブの一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係るゴルフクラブ100の全体構成の概略を示した斜視図である。また、図2は、図1に示すゴルフクラブ100の要部であるヘッド101を別の方向から見た部分拡大斜視図である。また、図3は、図2に示すヘッド101の内部構造の概略を示す断面図である。なお、本明細書において参照する各図は、本発明の理解を容易にするために一部の構成要素を誇張して表わすなど模式的に表している。このため、各構成要素間の寸法や比率などは異なっていることがある。このゴルフクラブ100は、グラウンドゴルフまたはパークゴルフにおいてボールを打つための棒状の用具である。
(ゴルフクラブ100の構成)
ゴルフクラブ100は、主として、ヘッド101およびシャフト106をそれぞれ備えて構成されている。ヘッド101は、ゴルフクラブ100においてグラウンドゴルフまたはパークゴルフで用いる樹脂製のボール(図示せず)を打つための部分であり、主として、ヘッド本体102、フェイスベース110およびフェイス120をそれぞれ備えて構成されている。
ヘッド本体102は、フェイスベース110およびフェイス120をそれぞれ支持する部品であり、剛体(例えば、木材)をブロック状に形成して構成されている。このヘッド本体102における外表面の一部には、鉛直方向に平滑な平面状に延びた状態で取付前面103が形成されており、この取付前面103にフェイスベース110およびフェイス120がそれぞれ取り付けられている。この場合、取付前面103には、フェイス120における2つの本体嵌合部124に対応する位置に各本体嵌合部124が嵌合する嵌合孔104がそれぞれ形成されている。
また、取付前面103の外周部は、フェイスベース110の外周部に対応する形状に形成されており、取付前面103の外周部とフェイスベース110の外周部とは面一に形成されている。また、このヘッド本体102には、下面にソール105が設けられているとともに上面にシャフト106が設けられている。
ソール105は、ヘッド本体102の下面を保護するための部品であり、アルミニウム材をヘッド本体102の底面に沿って湾曲する形状に形成して構成されている。この場合、ソール105は、ヘッド本体102の底面とともにフェイスベース110の底面も覆う大きさに形成されている。このソール105は、図示しないビスによってヘッド本体102の底面に取り付けられている。なお、ソール105は、ヘッド本体102の底面のみを覆いフェイスベース110の底面は覆わない形状に形成することもできる。
シャフト106は、ヘッド101をスイング可能に支持する部品であり、木材またはカーボン材を棒状に形成して構成されている。このシャフト106は、一方の端部(図示下端部)にヘッド本体102が取り付けられているとともに、他方の端部(図示上側端部)にグリップ107が取り付けられている。グリップ107は、ゴルフをプレーする使用者が手で握る部分であり、ゴム材を筒状に形成して構成されている。このグリップ107は、シャフト106における前記他方の端部に挿し込まれている。
フェイスベース110は、フェイス120の裏面122および外周部123をそれぞれ覆う部品であり、フェイス120よりも硬質な材料を板状に形成して構成されている。この場合、フェイスベース110を構成する材料としては、フェイス120よりも硬質な樹脂材、金属材または木材がある。この場合、樹脂材には、硬質な樹脂材のほか、フェイス120よりも硬質なエラストマ材を含むものである。より具体的には、樹脂材の硬度は、デュロメータ硬度(温度23℃±2℃、湿度50%±5%)でHDD60〜100が好ましい。本実施形態においては、フェイスベース110は、熱可塑性ポリウレタン樹脂で構成されている。
また、フェイスベース110は、少なくとも0℃〜35℃の温度範囲において温度低下に伴って硬度が上昇して硬質なる特性を有している。ここで、硬度とは、フェイスベース100の材料の表面または表面近傍の機械的性質の一つであり、外力による物体の変形し難さであり、「硬さ」ともいう。
すなわち、また、フェイスベース110は、図4に示すように、0℃〜35℃の温度範囲において損失係数tanδが0.05以上であって温度低下とともに損失係数(「損失正接」ともいう)tanδが低下する特性を有している。ここで、0℃〜35℃の温度範囲を規定する意義は、フェイスベース110の温度範囲であるが、グラウンドゴルフやパークゴルフをプレーする気温環境に対応している。したがって、10℃未満や30℃以上でのプレーを想定しなければ、損失係数tanδを規定する温度範囲は、10℃以上かつ25℃以下であってもよい。
また、損失係数tanδとは、エラストマ材などの粘弾性体における貯蔵弾性率と損失弾性率との比であり、この値が大きいほど応答に遅れが生じるとともに振動抑制効果が高いことを意味する。また、貯蔵弾性率とは、動的挙動中における粘弾性体の剛性を示すものである。また、損失弾性率とは、動的挙動中における粘弾性の消失エネルギを示すものである。なお、図4においては、フェイスベース110およびフェイス120の各損失係数tanδを−12.5℃〜37.5℃の範囲について実線で示しそれらの各外側を破線で示している。
このフェイスベース110は、図5に示すように、主として、カバー部111とバックベース部112とで構成されている。カバー部111は、フェイス120の外周部123を覆う部分であり、フェイス120の外周部123を囲む環状に形成されている。この場合、カバー部111は、内周部がフェイス120の外周部123に対応する形状に形成されるとともに、外周部が内周部の形成方向に沿って直線状または曲線状に延びて形成されている。
バックベース部112は、環状のカバー部111における内側部分に板状に形成されてカバー部111を内側方向にも一体化して補強しつつフェイス120が取り付けられる部分であり、カバー部111と一体的に形成されている。これにより、フェイスベース110は、カバー部111とバックベース部112とで囲まれた凹状の領域がフェイス120を保持する領域として形成される。
このバックベース部112には、前記フェイス120における本体嵌合部124に対応する位置に貫通孔113がそれぞれ形成されている。また、バックベース部112の厚さは、フェイス120の厚さと同じ厚さに形成されている。なお、バックベース部112の厚さは、フェイス120の厚さ以下または同厚さ以上であってもよいことは当然である。
フェイス120は、ボールと直接接触して打つ部品であり、エラストマ材を板状に形成して構成されている。この場合、フェイス120を構成するエラストマ材は、ボールを打った際に弾性変形する弾力性を有するゴム材または樹脂材であり、より具体的には、熱硬化性エラストマ材(例えば、加硫ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなど)、熱可塑性エラストマ材(例えば、スチレン系、オレフィン系、塩ビ系、ウレタン系またはアミド系の各樹脂など)がある。本実施形態においては、フェイス120は、熱可塑性ポリウレタン樹脂で構成されている。また、フェイス120の硬度は、デュロメータ硬度(温度23℃±2℃、湿度50%±5%)でHDA70〜100が好ましい。
また、フェイス120は、図4に示すように、0℃〜35℃の温度範囲において損失係数tanδが0.05以上かつフェイスベース110における損失係数tanδよりも大きな値であって温度低下に伴って一旦上昇した後低下する特性を有している。この場合、フェイス120における損失係数tanδは、0℃〜35℃の温度範囲内での温度低下に伴う低下量がフェイスベース110の損失係数tanδにおける0℃〜35℃の温度範囲内での温度低下に伴う低下量よりも少ない特性を有している。
本実施形態においては、フェイス120の損失係数tanδは、約35℃で約0.17であり、約20℃で0.2であり、0℃で約0.17であるため、0℃〜35℃の温度範囲内での温度低下に伴う損失係数tanδの低下量は約0.03である。一方、フェイスベース110の損失係数tanδは、約35℃で約0.15であり、約20℃で0.09であり、0℃で約0.06であるため、0℃〜35℃の温度範囲内での温度低下に伴う損失係数tanδの低下量は約0.09である。
このフェイス120は、図6に示すように、ボールを打つ表面121が平滑な平面状に形成されているとともに、表面121の裏側となる裏面122は平滑な平面上における左右方向両端部側に2つの本体嵌合部124がそれぞれ形成されている。また、フェイス120の外周部123は、フェイスベース110のカバー部111の内周面に対応する形状に形成されてカバー部111に覆われている。
本実施形態においては、フェイス120は、ボールを打つ際の上下方向の幅である高さがボールの直径(6cm)以下で、かつ高さ方向に直交する横幅方向がボールの直径(6cm)以上の長さ(好ましくは、ボールの直径の2倍以上)の横長の板状に形成されている。なお、フェイス120の大きさや形状は、ボールを打つことができる大きさおよび形状に形成されていればよく、本実施形態に限定されるものではない。
本体嵌合部124は、フェイス120をヘッド本体102に取り付けるための部分であり、フェイス120の裏面122から柱状に突出して形成されている。この本体嵌合部124は、フェイス120の裏面122における上下方向中央部でかつ横幅方向両端部側にそれぞれ形成されている。なお、本体嵌合部124は、1つまたは3つ以上設けてもよいことは当然である。このフェイス120は、前記フェイスベース110内に表面121が露出した状態で覆われている。
(ゴルフクラブ100の製造)
ここで、ゴルフクラブ100の製造工程について簡単に説明しておく。まず、作業者は、第1工程として、フェイスベース110を製造する。具体的には、作業者は、射出成形機(図示せず)を用いてフェイスベース110を射出成形する。
次に、作業者は、第2工程として、フェイス120を製造する。具体的には、作業者は、フェイス120を成形する金型(図示せず)内にフェイスベース110を配置した状態で射出成形機を用いてフェイス120を射出成形する。すなわち、フェイス120は、金型内にフェイスベース110を配置したインサート成形加工により、フェイスベース110に対して表面121、裏面122および本体嵌合部124が一体的に成形される。なお、フェイス120は、フェイスベース110をインサート成形することなく、フェイス120単体で成形した後にフェイスベース110に嵌め込んで製作することもできる。
次に、作業者は、第3工程として、ヘッド本体102を用意する。具体的には、作業者は、木材に対して切削加工を行うことによって外形、取付前面103および嵌合孔104など必要な形状を成形する。
次に、作業者は、第4工程として、ヘッド本体102にフェイス120およびフェイスベース110をそれぞれ取り付ける。具体的には、作業者は、フェイス120が一体的に取り付けられたフェイスベース110の裏面に接着剤を塗布してヘッド本体102の取付前面103に貼り付ける。この場合、フェイス120における2つの本体嵌合部124は、ヘッド本体102の取付前面103の嵌合孔104にそれぞれ嵌合する。
次に、作業者は、第5工程として、ソール105を用意してヘッド本体102に取り付ける。具体的には、作業者は、アルミダイカストなどの加工法を用いて別途製作したソール105をヘッド本体102の下面にビス(図示せず)を用いて取り付ける。
次に、作業者は、第6工程として、フェイスベース110の外周面をヘッド本体102の側面とともに研削加工を行う。これにより、ヘッド本体102の取付前面103の外周面とフェイスベース110の外周面との間の段差が解消されて両者が面一となる。この場合、フェイスベース110がフェイス120よりも硬質な材料で構成されているため、研削加工を精度よく行うことができる。なお、この第6工程における研削加工は、前記段差が生じない場合や段差が許容できる場合には行う必要がない。
次に、作業者は、第7工程として、ヘッド本体102の外表面に塗装を行う。具体的には、作業者は、ヘッド本体102におけるフェイス120およびフェイスベース110をマスキングした状態でヘッド本体102の外表面に吹き付け塗装などにより着色を行う。
次に、作業者は、第8工程として、シャフト106を用意してヘッド本体102に取り付ける。具体的には、作業者は、木材に対して切削加工および塗装加工を別途製作したシャフト106をヘッド本体102の上面に挿し込んで取り付ける。次いで、作業者は、別工程で製作したグリップ107をシャフト106の上端部に挿し込んで取り付ける。なお、グリップ107は、ヘッド本体102に挿し込まれる前のシャフト106に予め取り付けられていてもよいことは当然である。この後、作業者は、外観および使用感を試す検査工程などを経てゴルフクラブ100を完成させる。
(ゴルフクラブ100の作動)
次に、このように構成したゴルフクラブ100の作動について説明する。ゴルフをプレーする使用者は、グリップ107を握ってヘッド101をスイングすることによりフェイス120でボールを打つ。この場合、フェイス120およびフェイスベース110は、使用される気温や日射などの温度環境に応じた温度における損失係数tanδでボールを反発させる。
この場合、フェイス120およびフェイスベース110は、プレーする気温が低くなればなるほど各損失係数tanδはそれぞれ低くなる。すなわち、フェイス120およびフェイスベース110は、温度が低くなるほど硬度が高くなるとともにじん性が失われて貯蔵弾性率が増加および/または損失弾性率が低下する。これにより、フェイスベース110は、元来、フェイス120よりも硬質な材料で構成されているところ、低温度による硬化によってフェイス120よりもボールの打撃による衝撃によって損傷し易い性質に変化する。
しかし、フェイス120は、0℃〜35℃の温度範囲内での温度低下に伴う損失係数tanδの低下量がフェイスベース110の損失係数tanδにおける0℃〜35℃の温度範囲内での温度低下に伴う低下量よりも少ない特性を有している。すなわち、フェイス120は、温度低下に対してフェイスベース110よりも弾性が低下し難く構成されているため、ボールの打撃による衝撃の吸収能力の低下が抑制されている。これにより、フェイスベース110は、低温時におけるプレー中においてもボールの打撃による衝撃の一部がフェイス120に吸収されて損傷することが抑制される。また、ゴルフクラブ100は、低温時にフェイスベース110が硬質に変化してボールの打撃による反発力が大きくなった場合であってもフェイス120による衝撃の吸収によって使用者に伝達される衝撃を緩和することができる。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、ゴルフクラブ100は、温度低下に伴うフェイス120の損失係数tanδの低下量がフェイスベース110の損失係数tanδの低下量よりも低いため、低温時にボールを打撃した際におけるフェイス120による衝撃の吸収率の低下を抑えて低温によって硬化したフェイスベース110に伝達される衝撃を緩和してフェイスベース110の損傷を防止することができる。また、本発明に係るゴルフクラブ100によれば、夏季などの高温環境でのプレー時と冬季などの低温環境でのプレー時とにおけるボールを打撃した際のボールのコントロール性および飛距離に変化を抑えることができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、フェイス120は、温度低下に伴うフェイス120の損失係数tanδの低下量がフェイスベース110の損失係数tanδの低下量よりも低く規定した。しかし、フェイス120は、温度低下に伴うフェイス120の損失係数tanδの低下率がフェイスベース110の損失係数tanδの低下率よりも低く規定しても同様の作用効果を期待できる。
また、上記実施形態においては、フェイス120は、0℃〜35℃の温度範囲で、具体的には約20℃で損失係数tanδが極大値となるように構成されている。これにより、ゴルフクラブ100は、この極大値付近におけるボールの打撃時における衝撃の吸収を最大化できるとともに、この極大値付近における温度変化に対する損失係数tanδの増減量が小さいため、ボールを打撃した際のボールのコントロール性および飛距離に変化を抑えることができる。しかし、フェイス120は、0℃〜35℃の温度範囲で損失係数tanδが必ずしも極大値を有する必要はなく、温度変化とともに損失係数tanδが増加または減少のみするように構成されていてもよい。
また、上記実施形態においては、フェイス120およびフェイスベース110は、それぞれ温度が低下するに従って両者間における損失係数tanδの差が大きくなるように構成されている。これにより、ゴルフクラブ100は、より低温(例えば、10℃以下)な環境においてもボールを打撃した際における衝撃のフェイスベース110への伝達を緩和してフェイスベース110の損傷を防止することができる。しかし、ゴルフクラブ100は、フェイス120とフェイスベース110とが温度が低下するに従って損失係数tanδの差が小さくなる、または温度低下に対して両者の差が一定に構成されていてもよい。
また、上記実施形態においては、フェイスベース110は、損失係数tanδを0.05以上で構成した。これにより、ゴルフクラブ100は、冬季などの低温時においてもフェイス120がボールを打撃した際における衝撃を吸収し易くしてフェイスベースの損傷を防止することができる。しかし、フェイスベース110は、損失係数tanδを0.05未満で構成することもできる。これによれば、ゴルフクラブ100は、ボールを打撃した際における反発力を向上させることができる。なお、フェイスベース110の損失係数tanδを0.05以上または0.05以下で構成した場合においてもフェイス120の損失係数tanδは0.05以上であることが好ましいが、0.05未満に構成することを排除するものではない。
また上記実施形態においては、フェイス120およびフェイスベース110は、損失係数tanδがそれぞれ図4に示す特性を有する樹脂材で構成した。しかし、フェイスベース110は、フェイス120よりも硬質な材料でかつ温度低下に伴って硬度が高くなる材料で構成されていればよい。また、フェイス120は、0℃〜35℃の温度範囲内での温度低下に伴う損失係数tanδの低下量がフェイスベース110の損失係数tanδにおける0℃〜35℃の温度範囲内での温度低下に伴う低下量よりも少ない材料で構成されていればよい。すなわち、フェイス120およびフェイスベース110は、損失係数tanδがそれぞれ図4に示す特性と全く同一の特性を有する材料である必要はない。
また、上記実施形態においては、フェイスベース110は、フェイス120の外周部123を覆うカバー部111を備えて構成した。しかし、フェイスベース110は、カバー部111を省略してバックベース部112のみで構成することもできる。
また、上記実施形態においては、フェイス120は、ボールを打った際に弾性変形する材料で構成した。しかし、フェイス120は、フェイスベース110よりも軟質な材料で構成されていればよく、例えば、硬質な樹脂材(例えば、HDA100以上)で構成することができる。
また、上記実施形態においては、フェイス120は、正面視において上下方向中央部および横幅方向中央部がそれぞれ凹状に窪んで形成した。しかし、フェイス120の形状は特に限定されるものではなく、長方形や正方形などの方形のほか、五角形や六角形などの多角形、または円形や楕円形などの円形などの形状に形成することができる。
また、上記実施形態においては、フェイス120は、本体嵌合部124を備えて構成した。しかし、フェイス120は、本体嵌合部124を省略して構成してフェイスベース110またはヘッド本体102に接着剤を用いて取り付けることもできる。
100…ゴルフクラブ、101…ヘッド、102…ヘッド本体、103…取付前面、104…嵌合孔、105…ソール、106…シャフト、107…グリップ、
110…フェイスベース、111…カバー部、112…バックベース部、113…貫通孔、
120…フェイス、121…表面、122…裏面、123…外周部、124…本体嵌合部。

Claims (4)

  1. ボールを打つヘッドに棒状に延びるシャフトが設けられたグラウンドゴルフまたはパークゴルフに用いられるゴルフクラブであって、
    前記ヘッドは、
    前記シャフトが取り付けられるヘッド本体と、
    前記ヘッド本体に支持されて前記ボールを打った際に弾性変形する打面を構成するエラストマ材からなるフェイスと、
    前記フェイスより硬質なエラストマ材で構成されて前記ヘッド本体と前記フェイスとの間に設けられたフェイスベースとを備え、
    前記フェイスは、
    0℃〜35℃の温度範囲内での温度低下に伴う損失係数tanδの低下量が前記フェイスベースの前記損失係数tanδにおける前記0℃〜35℃の温度範囲内での温度低下に伴う低下量よりも少ないことを特徴とするゴルフクラブ。
  2. 請求項1に記載したゴルフクラブにおいて、
    前記フェイスベースは、
    前記損失係数tanδが0.05以上であることを特徴とするゴルフクラブ。
  3. 請求項1または請求項2に記載したゴルフクラブにおいて、
    前記フェイスの前記損失係数tanδと前記フェイスベースの前記損失係数tanδとは、温度が低下するに従って差が大きくなることを特徴とするゴルフクラブ。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載したゴルフクラブにおいて、
    前記フェイスは、
    0℃〜35℃の温度範囲で前記損失係数tanδが極大値を有することを特徴とするゴルフクラブ。
JP2017113428A 2017-06-08 2017-06-08 ゴルフクラブ Active JP6254319B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017113428A JP6254319B1 (ja) 2017-06-08 2017-06-08 ゴルフクラブ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017113428A JP6254319B1 (ja) 2017-06-08 2017-06-08 ゴルフクラブ

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017228556A Division JP2018202127A (ja) 2017-11-29 2017-11-29 ゴルフクラブ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6254319B1 true JP6254319B1 (ja) 2017-12-27
JP2018202036A JP2018202036A (ja) 2018-12-27

Family

ID=60860027

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017113428A Active JP6254319B1 (ja) 2017-06-08 2017-06-08 ゴルフクラブ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6254319B1 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001346923A (ja) * 2000-06-08 2001-12-18 Hiroshi Sugimori グランドゴルフ用クラブヘッド
JP2006230685A (ja) * 2005-02-24 2006-09-07 Asics Corp グラウンドゴルフ・パークゴルフ用のクラブ
JP2007117634A (ja) * 2005-10-31 2007-05-17 Bridgestone Sports Co Ltd パターヘッド
US20080234066A1 (en) * 2007-03-23 2008-09-25 Karsten Manufacturing Corporation Golf Club Head Having a Face Insert and Method of Making Same
JP2014223127A (ja) * 2013-05-15 2014-12-04 ブリヂストンスポーツ株式会社 パターヘッド

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001346923A (ja) * 2000-06-08 2001-12-18 Hiroshi Sugimori グランドゴルフ用クラブヘッド
JP2006230685A (ja) * 2005-02-24 2006-09-07 Asics Corp グラウンドゴルフ・パークゴルフ用のクラブ
JP2007117634A (ja) * 2005-10-31 2007-05-17 Bridgestone Sports Co Ltd パターヘッド
US20080234066A1 (en) * 2007-03-23 2008-09-25 Karsten Manufacturing Corporation Golf Club Head Having a Face Insert and Method of Making Same
JP2014223127A (ja) * 2013-05-15 2014-12-04 ブリヂストンスポーツ株式会社 パターヘッド

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018202036A (ja) 2018-12-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6302807B1 (en) Golf club head with variable energy absorption
US8126687B2 (en) Method of identifying an antinode of a primary vibration mode of a golf club head
JP4745806B2 (ja) ゴルフクラブヘッド
US6902495B2 (en) Golf club vibration dampening and sound attenuation system
JP5877637B2 (ja) 軽量ゴルフグリップ
US7749101B2 (en) Wood-type golf club head
US6688989B2 (en) Iron club with captive third piece
US9168439B2 (en) Golf club head
US7841952B1 (en) Golf club with golf club head having compressible v-shaped grooves
US20070129161A1 (en) Golf club head
JP5085879B2 (ja) ウッド型ゴルフクラブヘッド
JP6431344B2 (ja) ゴルフクラブヘッド
JP2004089268A (ja) ゴルフクラブヘッド
US20160184678A1 (en) Sports paddle and method of manufacture
KR101476512B1 (ko) 리그라인드 재료로 이루어진 골프 클럽
JP3764211B2 (ja) ゴルフクラブヘッド
JP6254319B1 (ja) ゴルフクラブ
JP2018202127A (ja) ゴルフクラブ
KR20190027857A (ko) 강화된 클럽 헤드 페이스를 갖는 클럽 헤드 및 관련 방법
KR101449448B1 (ko) 이중 완충 탁구 라켓
JP6928344B2 (ja) ゴルフクラブ
JP3156314U (ja) パークゴルフ用のクラブヘッド
KR100642166B1 (ko) 골프 퍼터용 헤드
JP3223937U (ja) 運動用品の衝撃吸収型ハンドル構造
KR100869827B1 (ko) 소프트 골프클럽용 헤드

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170915

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171114

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6254319

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250