JP6252974B2 - 投射光学系、それを備えた画像表示装置および画像表示装置の調整方法 - Google Patents
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Description
プロジェクタ装置を長時間使用すると、温度上昇に伴う光学素子の経時変化や光学素子を保持する部材の変化による。解像が劣化する。その一因は、バックフォーカスのずれによるものであり、温度上昇に応じてバックフォーカスのずれを解消する手段としては、例えば、特許文献1(特開2010−256394号公報)、特許文献2(特開2004−264570号公報)および特許文献3(特開2008−26864号公報)等に開示されている。
このうち、特許文献1では、投射レンズの光軸方向に関する伸縮部材の伸縮量の温度係数を、投射レンズの焦点距離の増減の温度係数に対応させることで、温度変動に伴う投射レンズの焦点距離の増減を伸縮部材の伸縮によって相殺している。
さらに、特許文献3では、プロジェクタに組み込まれる投射レンズユニットとして、光軸方向に移動可能な可動鏡筒を有し、バイメタルの熱変形によって可動鏡筒を画像形成光学素子から離れるように移動させて、バックフォーカスのずれを解消している。
即ち、上述した従来の投射光学系においては、バックフォーカスのずれを解消できたとしても、フォーカス群の温度変化により発生した像面湾曲を調整することはできないので、画面中央部に対して画面周辺部の解像が急激に劣化してしまうという課題が残る。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、温度上昇時にも像面湾曲を良好に調整し、画面周辺部の解像劣化を抑制することができる投射光学系を提供することを目的としている。
表示パネルに形成された画像を、屈折光学系を介してスクリーンに拡大投射する投射光学系において、
前記屈折光学系は、縮小側から拡大側に至る光路上に、フォーカス時に固定である第1レンズ群と、フォーカス時に移動する1以上のレンズ群よりなり全体として負の屈折力を有する第2レンズ群が、順に配置されてなり、
前記第1レンズ群には、絞りが配置されると共に前記絞りより拡大側に前記屈折光学系の温度上昇に伴って、前記屈折光学系の全系の焦点距離が伸びるように、前記屈折光学系の光軸方向に沿って移動する補正レンズ群が配置され、
前記補正レンズ群の入射面から出射面にかけて通過する光束の前記表示パネルの短辺方向と平行な方向において前記屈折光学系の光軸に最も近い光線から最も遠い光線までの長さを光束の太さとしたとき、該入射面と該出射面の間で最も細くなる光束の太さをφ1、前記絞りを通過する光束の太さをφ2として、
前記絞りは、以下の条件式(1):
(1) 1.0 < φ1/φ2 < 1.8
を満足するように配置されていることを特徴としている。
表示パネルに形成された画像を、屈折光学系を介してスクリーンに拡大投射する投射光学系において、
前記屈折光学系は、縮小側から拡大側に至る光路上に、フォーカス時に固定である第1レンズ群と、フォーカス時に移動する1以上のレンズ群よりなり全体として負の屈折力を有する第2レンズ群が、順に配置されてなり、
前記第1レンズ群には、絞りが配置されると共に前記絞りより拡大側に前記屈折光学系の温度上昇に伴って、前記屈折光学系の全系の焦点距離が伸びるように、前記屈折光学系の光軸方向に沿って移動する補正レンズ群が配置され、
特に、前記補正レンズ群の入射面から出射面にかけて通過する光束の前記表示パネルの短辺方向と平行な方向において前記屈折光学系の光軸に最も近い光線から最も遠い光線までの長さを光束の太さとしたとき、該入射面と該出射面の間で最も細くなる光束の太さをφ1、前記絞りを通過する光束の太さをφ2として、
前記絞りは、以下の条件式(1):
(1) 1.0 < φ1/φ2 < 1.8
を満足するように配置されていることにより、
前記補正レンズ群を移動させることで、投射光学系内において軸上収差には寄与せず、軸外収差にだけ寄与する補正をすることができ、よって、画面中央部の解像を保ちつつ、画面周辺部の解像劣化を抑制することができ、さらには、温度上昇に伴って生じた像面湾曲を調整することが可能となる。
具体的な実施例について説明する前に、本発明の概念的あるい原理的な実施の形態を説明する。
先ず、投射光学系において、温度上昇時での像面湾曲の発生要因並びに調整方法の原理的な説明を、図3の概念的なグラフを用いて説明する。
図3(a)、(b)、(c)、(d)に示す各グラフは、横軸を光軸方向の変位量、縦軸を画角としたときの投射光学系における像面湾曲をそれぞれ表している。
このうち、(a)は、設計値での像面湾曲の様子を示しており、像面湾曲が良好に補正されている。
(b)は、温度上昇時の像面湾曲の様子を示しており、光軸方向のずれと軸外で大きな像面湾曲が発生している。
(c)は、温度上昇時にバックフォーカス(レンズの先端と表示パネルの間隔)のみを調整したときの像面湾曲の様子を示しており、この状態では、光軸方向のずれは解消できているが、軸外に大きく発生した像面湾曲は、残ったままである。
尚、全実施例共、温度変化によるバックフォーカスのずれを打ち消す構造を有している。具体的には、特許文献1の図2等に記載の構造である。投射光学系を保持し、プロジェクタ装置のハウジング(筐体)に保持する投射光学系保持部材(フレーム部材91に相当)と表示パネルを保持するホルダ部材(ホルダ部材92に相当)と、投射光学系保持部材とホルダ部材を繋ぐ伸縮部材(伸縮部材94に相当)を備えている。この伸縮部材は、温度変動により伸張し、温度上昇によりバックフォーカスが、光路下流側にずれた場合、この伸張部材により、表示パネルを光路下流側にずらすよう、伸張部材の伸縮量の温度係数が決められている。
温度変化によるバックフォーカスのずれを打ち消す構造は、上記に限られるものではなく、特許文献2および特許文献3等に開示された構造でも良い。
以上を踏まえ、温度が上昇しても解像を良好に保つためには、以下の構成が必要不可欠である。プロジェクタ装置を長時間使用すると、経時での温度上昇に伴う光学素子の変化や光学素子を保持する部材の変化により、解像が劣化する。その一因は、バックフォーカスのずれによるものであり、バックフォーカスのずれを解消することで、画面全体に亘り解像劣化を抑制することができる。しかしながら、たとえバックフォーカスのずれを解消できたとしても、フォーカス群の温度変化により発生した像面湾曲を調整することはできないので、画面中央部に対して画面周辺部の解像が急激に劣化してしまう。
表示パネルに形成された画像を、屈折光学系を介してスクリーンに拡大投射する投射光学系において、
前記屈折光学系は、縮小側から拡大側に至る光路上に、フォーカス時に固定である第1レンズ群と、フォーカス時に移動する1以上のレンズ群よりなり、全体として負の屈折力を有する第2レンズ群が、順に配置されてなり、
前記第1レンズ群には、絞り(開口絞り)が配置されると共に前記絞りより拡大側に前記屈折光学系の温度上昇に伴って、前記屈折光学系の全系の焦点距離が伸びるように、前記屈折光学系の光軸方向に沿って移動する補正レンズ群が配置され、
前記補正レンズ群の入射面から出射面にかけて通過する光束の前記表示パネルの短辺方向と平行な方向において前記屈折光学系の光軸に最も近い光線から最も遠い光線までの長さを光束の太さとしたとき、該入射面と該出射面の間で最も細くなる光束の太さをφ1、前記絞りを通過する光束の太さをφ2として、
前記絞りは、以下の条件式(1):
(1) 1.0 < φ1/φ2 < 1.8
を満足するように配置されていることを特徴としている(請求項1に対応する)。
上記条件式(1)は、像面湾曲を良好に調整するための条件式であり、条件式(1)の上限を超えると像面湾曲が調整過剰となり、条件式(1)の下限を下回ると像面湾曲が調整不足となり、どちらの場合も像面湾曲を良好に調整することができない。
このような構成とすることにより、温度の変化に伴って、生ずる像面湾曲を良好に調整し、画面周辺部の解像劣化を抑制し得る投射光学系を実現することができる。
普通、レンズを移動させることで、像面湾曲を補正できたとしても、その他の収差(球面収差、コマ収差)を悪化させてしまう。それに伴い、画面中央部の解像も劣化する筈である。ところが、上述のように絞りより、拡大側で上記条件式(1)を満足する位置に配置されている補正レンズを移動させるように構成したことにより、投射光学系内において、軸上収差には、寄与せず、軸外収差にだけ寄与する補正ができるのである。
よって、画面中央部の解像を保ちつつ、画面周辺部の解像劣化を抑制することができる。
このように、絞りが、屈折光学系の縮小側が非テレセントリックとなる位置に配置されることにより、補正レンズを通過する光線の高さを高くすることができ、像面湾曲の調整効果を向上させることができる。
上記のように構成された投射光学系において、前記補正レンズ群を、前記屈折光学系の温度が上昇したとき、前記表示パネルから遠ざかる方向に移動させることで、当該温度の上昇に伴って生じた像面湾曲を調整し得るように構成することが望ましい(請求項3に対応する)。
これは、補正レンズ群の移動方向を規定したもので、温度上昇時にも温度下降時にも像面湾曲を良好に調整することができる。
以下の条件式(2):
(2) 1.6 < f1/f2 < 2.0
を満足することが望ましい(請求項4に対応する)。
上記条件式(2)は、補正レンズ群のパワーを定めたもので、条件式(2)の上限を超えるとパワーが強くなりすぎ、像面湾曲が調整過剰となる。一方、上記条件式(2)の下限を下回るとパワーが弱くなりすぎ、像面湾曲が調整不足となる。
前記補正レンズ群を、光軸方向に移動させることができる最大移動量をΔdとし、前記屈折光学系の近軸横倍率をMとしたとき、
以下の条件式(3):
(3) 0.06 < Δd/M < 0.09
を満足することが望ましい(請求項5に対応する)。
また、前記投射光学系において、前記補正レンズは、すべて球面レンズで構成されることが望ましい(請求項6に対応する)。
このように、補正レンズに非球面を形成することなく、球面レンズのみで構成することで、像面湾曲の抑制を図りつつ、コストの低減化を実現することができる。
また、上述のような投射光学系を用いることにより、温度上昇時にも像面湾曲を良好に調整し、画面周辺部の解像劣化を抑制することができる画像表示装置を提供することができる(請求項7に対応する)。
また、表示パネルに形成された画像を屈折光学系を介してスクリーンに拡大投射する投射光学系を備えた画像表示装置の調整方法として、望ましくは、次のような方法がよい。
前記第1レンズ群には、絞りが配置されると共に前記絞りより拡大側に前記屈折光学系の温度上昇に伴って、前記屈折光学系の全系の焦点距離が伸びるように、前記屈折光学系の光軸方向に沿って移動する補正レンズ群が配置されており、
温度の変化に伴って生ずる像面湾曲を、前記補正レンズ群を光軸方向に移動させるように調整すればよい(請求項8に対応する)。
尚、補正レンズの移動によって調整されるのは、像面湾曲の調整であって、光軸方向のずれは、既知の方法、例えば、上述した特許文献1〜3に示された方法によって、調整すればよい。
次に、本発明に係る投射光学系の複数の実施の形態について、順次説明する。
図1(a)、(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る投射光学系の構成を説明するための図であり、このうち(a)は、投射光学系のZ−Y断面図、(b)は、投射光学系が遠距離側から近距離側にフォーカシングされたときの各レンズ群の移動軌跡を模式的に示す移動軌跡図である。
図1(a)において、屈折光学系2は、表示パネル1が配置された縮小側から拡大側に至る光路上に、順次、第1レンズL1〜第9レンズL9からなる正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、第10レンズL10〜第12レンズL12からなる負の屈折力を有する前側第2レンズ群G2Fと、第13レンズL13〜第14レンズL14からなる正の屈折力を有する後側第2レンズ群G2Rより構成される。
前側第2レンズ群G2Fと後側第2レンズ群G2Rとから、第2レンズ群G2が構成される。
第1レンズ群G1は、絞り3を含んでいる。この絞り3は、屈折光学系2の縮小側が非テレセントリックとなる位置に配置されるものとする。
第1レンズ群G1には、絞り3より拡大側に像面湾曲を補正するための補正レンズCL(第3レンズL3と称することがある)が配置されている。
第2レンズ群G2のうち、前側第2レンズ群G2Fと後側第2レンズ群G2Rとは、図1(b)に示すように、遠距離側から近距離側にフォーカシングするとき、光軸上をそれぞれ光軸上を異なる移動軌跡をもって移動する。
補正レンズCLは、光軸方向に移動させることにより、温度の変化に伴って生ずる像面湾曲を調整するように機能する。より具体的には、補正レンズ群CLは、屈折光学系2の温度が上昇したとき、表示パネル1から遠ざかる方向(図1において右方向)に移動させることで、当該温度の上昇に伴って生じた像面湾曲を調整し得るように構成されている。
投射光学系100は、屈折光学系2の最も縮小側端に、表示パネル1が配置されており、表示パネル1に形成された画像を、屈折光学系2を介して、図示しないスクリーンに拡大投射するものである。
表示パネル1は、DMD(Digital Micro−mirror Device)等を利用すれば小型軽量な投射光学系が実現できる。
表示パネル1の直前に配置されているのは、薄厚(例えば、1mm程度)の透明パネルである。
尚、図1において、Z方向は光軸方向、Y方向は光軸に垂直で表示パネル1の短辺と平行な方向である。また、αは、Z−Y断面に直交したX軸回りの回転角である。
上述のように構成された第1の実施の形態に係る投射光学系100によれば、温度上昇時にも像面湾曲を良好に調整し、画面周辺部の解像劣化を抑制することができる。
次に、図2(a)、(b)を用いて、第2の実施の形態に係る投射光学系について説明する。
このうち、図2(a)は、投射光学系のZ−Y断面図であり、(b)は、投射光学系が遠距離から近距離にフォーカシングされたときの各レンズ群の移動軌跡を模式的に示す移動軌跡図である。
図2(a)に示す投射光学系100は、図1に示す第1の実施の形態に加えて、屈折光学系2よりも拡大側に反射光学系4、即ち、反射光学系4Aおよび反射光学系4Bと、防塵ガラス5を備えた点が異なっている。尚、屈折光学系2については、図1に示す第1の実施の形態とほぼ共通であるので、重複した説明は、省略する。
図2において、反射光学系4Aは、平面ミラー(または自由曲面ミラー)であり、反射光学系4Bは、自由曲面からなる凹面ミラーである。屈折光学系2では、第1レンズ群G1および第2レンズ群G2で、表示パネル1の中間像を一度結像する。その中間像は、非光軸光学系である反射光学系4Aおよび反射光学系4Bにより大きく跳ね上げて、透明部材である防塵ガラス5を透過して、図示しないスクリーンに投射するように構成されている。
次に、図4(a)、(b)を用いて、第3の実施の形態に係る画像表示装置について説明する。
図4の(a)は、画像表示装置のZ−Y断面図であり、(b)は、投射光学系が遠距離から近距離にフォーカシングされたときの各レンズ群の移動軌跡を模式的に示す移動軌跡である。
図4(a)に示す画像表示装置200は、図2(a)に示す第2の実施の形態に係る投射光学系100に加えて、照明部101と各種回路部102を備えた点が異なっている。
尚、屈折光学系2については、図1に示す第1の実施の形態とほぼ共通であり、反射光学系4A、4Bについては、図2(a)に示す第2の実施の形態に係る屈折光学系100に係る屈折光学系とほぼ共通であるので、重複した説明は、省略する。
図4(a)において、第3の実施の形態に係る画像表示装置200は、装置内部に、表示パネル1を照明するための照明部101や、各種回路部102を備えている。
上記照明部101は、表示パネル1を照明するものであり、光源としては、ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、超高圧水銀ランプ、LED等を用いることができる。これらの光源は、例えば、インテグレータロッドや照明用レンズを適宜介して表示パネル1を一様な照度分布で照射することが望ましい。
フォーカシングに際しては、第1レンズ群G1は、移動せず、フォーカシングレンズ群としての前側レンズ群G2Fと後側レンズ群G2Rは、例えば、遠距離側から近距離側にフォーカシングされる場合には、表示パネル1から共に遠ざかる方向に且つ異なる移動量をもって移動する。
また、補正レンズCLは、フォーカシングレンズ群としての第2レンズ群G2の温度変化により発生した像面湾曲を良好に補正するため、固定レンズ群としての第1レンズ群G1の絞り3より拡大側に位置する補正レンズ群CLを光軸方向に移動させる。
以下に説明する実施例1および実施例2における共通の記号の意味は、下記の通りである。
r:曲率半径
d:面間隔
nd:d線の屈折率
νd:d線のアッベ数
α:−30℃〜70℃での線膨張係数(単位は×10−7/℃)
β:20℃以上でのe線の相対屈折率温度係数(単位は×10−6/℃)
ここで用いられる非球面形状は、近軸曲率半径の逆数(近軸曲率)をC、光軸からの高さをY、そして円錐定数をKとし、上述した各次数の非球面係数を用い、Xを光軸方向における非球面量として、式(4)に、近軸曲率半径および円錐定数、並びに非球面係数を与えて形状を特定する。
Y:光軸からの高さ
r:非球面の近軸曲率半径
K:円錐乗数
A4、A6、A8、A10、A12:非球面係数
また、数値例の中で、E−XYは、10−XYの意味であり、E+XYは、10+XYの意味である。
Z:高さhの位置でのZ軸方向の変位量(面頂点基準)
h:Z軸に対して垂直な方向の高さ(h2=X2+Y2)
c:近軸曲率
k:円錐係数
Cj:多項式自由曲面係数
であり、自由曲面項は、以下の式(6)で表される。
図5(a)に示す投射光学系100−1は、光軸に沿って、縮小側(パネル1−1側)から拡大側に向かって順次、第1レンズL1〜第9レンズL9からなる正の屈折力を有する第1レンズ群G1−1と、第10レンズL10〜第12レンズL12からなる負の屈折力を有する前側第2レンズ群G2F−1と、第13レンズL13〜第14レンズL14からなる正の屈折力を有する後側第2レンズ群G2R−1より構成される。
この前側第2レンズ群G2F−1と後側第2レンズ群G2R−1は、共にフォーカス時に、それぞれ移動する移動レンズ群であり、これを総称して第2レンズ群G2−1と称する。また、第1レンズ群G1−1と第2レンズ群G2−2とを、ここではす屈折光学系2−1と称する。
フォーカス時に固定レンズ群である第1レンズ群G1−1内には、絞り3−1を有し、その絞り3−1は、屈折光学系100−1の縮小側が非テレセントリックとなる位置に配置される。
ここで、実施例1に係る屈折光学系2−1について、より具体的に説明する。
図5において、実施例1の屈折光学系2−1のうち、第1レンズ群G1は、縮小側(表示パネル1−1側)から拡大側に向かって、順に、縮小側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる第1レンズL1と、拡大側より曲率が大きな凸面を縮小側に向けた両凸レンズからなる第2レンズL2と縮小側より曲率が大きな凸面を拡大側に向けた両凸レンズからなる第3レンズL3と、縮小側に凹面を向けた負メニスカスレンズからなる第4レンズL4と、縮小側より曲率が大きな凸面を拡大側に向けた両凸レンズからなる第5レンズL5と、縮小側より曲率が大きな凹面を、拡大側に向けた両凹レンズからなる第6レンズと、凸面を拡大側に向けた正メニスカスレンズからなる第7レンズL7と、拡大側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなる第8レンズL8と、縮小側より曲率が大きな凸面を拡大側に向けた両凸レンズからなる第9レンズL9とから構成される。
上記第1レンズ群G1−1を構成するレンズのうち、第3レンズL3と第4レンズL4および第7レンズL7と第8レンズL8の各2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わせられて一体に接合され、2枚接合からなる接合レンズを形成している。
第2レンズ群G2−1のうち、前側第2レンズ群G2F−1は、縮小側から拡大側に向かって、順に、縮小側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる第10レンズL10と、拡大側に凹面を向けた負メニスカスレンズからなる第11レンズL11と、縮小側より曲率が大きな凹面を拡大側に向けた両凹レンズからなる第12レンズL12とから構成される。
また、第2レンズ群G2−1のうち、後側第2レンズ群G2R−1は、縮小側から拡大側に向かって、順に、拡大側に凹面を向けた負メニスカスレンズからなる第13レンズL13と、拡大側より曲率が大きな凸面を縮小側に向けた両凸レンズからなる第14レンズL14とから構成される。
この実施例1においては、各光学要素の光学データは、次表1の通りである。
すなわち、表1においては、「*」が付された第3面、第4面、第19面、第20面、第23面、第24面、第25面、第26面、第27面、第28面の各光学面が非球面であり、式(4)における各非球面のパラメータは、次表(2)の通りである。補正レンズCLとしての第9レンズL9は、非球面を形成することなく、球面レンズで構成している。
ここで、実施例1における表示パネル1−1の画素サイズ、横方向および縦方向サイズと、光軸から表示パネル1−1の下辺迄の距離は、下表3の通りである。
また、光軸から表示パネル1−1の下辺までの距離を、表3において1.413mm離しているが、この距離も任意に変更することができる。
反射光学系4−1の自由曲面ミラー4A−1の面頂点の位置は、図5に示すZ−Y断面において、表示パネル1−1を含む平面と光軸との交点を(Z,Y)=(0,0)としたとき、(Z,Y)=(179.463,−9364)の位置に固定される。
他方の自由曲面ミラー4B−1の面頂点の位置は、図5に示すZ−Y断面において、表示パネル1−1を含む平面と光軸との交点を(Z,Y)=(0,0)としたとき、(Z,Y)=(191.409,70.687)の位置に固定される。
多項式自由曲面からなる面は、上記面頂点を原点とするローカルな直交座標系(X,Y,Z)を用いた上記式(5)で定義され、多項式自由曲面係数Cjを与えて形状を特定する。
反射光学系4−1のうち、自由曲面ミラー4A−1の反射面である第30面の多項式自由曲面の自由曲面係数(Cj)は、下表(a)に示す通りであり、また、自由曲面ミラー4Bの反射面である第31面の多項式自由曲面の自由曲面係数(Cj)は、下表4(b)に示す通りである。
この防塵ガラス5は、光学的なパワーがないので、防塵ガラス5の取付位置に多少の誤差があっても、画像の画質に影響が少ない。そして、この防塵ガラス5−1の拡大側(図5においては、右側)には、図示は省略したが、光軸(Z方向)にほぼ平行にスクリーンの投射面の配置が予定される。
上述したように構成された実施例1に係る投射光学系100−1において、表示パネル1−1から出射した光束は、屈折光学系2−1の第1レンズ群G1−1に入射し、第1レンズ群G1−1と第2レンズ群G2−1を順次通過した後、自由曲面ミラー4A−1で折り返され、その後、自由曲面ミラー4B−1で反射されて、防塵ガラス5−1を介してスクリーン(図示せず)に投射される。
フォーカシングに際しては、第1レンズ群G1は、移動せず、例えば、遠距離側から近距離側にフォーカシングするに際しては、第2レンズ群G2のうち、前側第2レンズ群G2F−1は、表示パネル1−1から遠ざかる方向に移動し、後側第2レンズ群G2R−1は、表示パネル1−1から遠ざかる方向に、前側第2レンズ群G2Fとは異なる移動量で移動する。
即ち、第9レンズCLと第10レンズL10とのレンズ間隔d18と、第12レンズL12と第13レンズL13との間隔d24、第14レンズL14とダミー面第29面との間隔d28、第35面と像面との間隔d35は、遠距離側−基準−近距離側へと移動するに伴い、表5の通りに変化する。
先ず、図5に示す実施例1に係る投射光学系100−1のレンズデータの具体的データは、表1に示す通りであるが、当該投射光学系100−1に40℃の温度上昇があった場合のレンズの具体的データは、下表7に示すように変化する。
即ち、図7(a)は、スクリーンまでの距離が遠距離(80インチ)の場合、(b)は、基準距離(60インチ)の場合、(c)は、近距離(48インチ)の場合の各画角におけるRMSスポット径(単位:mm)の変化を示しており、スポット径は、充分に小さく、像面湾曲は殆ど生じていないことが分かる。
これに対し、実施例1のレンズデータに基づく投射光学系100−1に対し40℃の温度上昇があった場合について、レンズデータは上述したように、表7に示すように変化し、RMSスポット径は、図8に示すように、バックフォーカスのずれは、別途解消したものの、光軸付近の画角に対して光軸から離れたスポット径は、著しく大きい。
この状態における投射光学系100に対し、像面湾曲を補正する補正レンズCL−1を、表示パネル1−1から0.5mm遠ざかる方向(拡大側の方向)に移動させたときの具体的なレンズデータは、下表9に示す通りとなる。
スポット径が1画素程度の大きさであれば、良好な解像がえられていると判断することができる。
つまり、補正レンズCL−1を移動させることで、像面湾曲を良好に調整し、画面周辺部の解像劣化を抑制することができたことになる。
尚、表7は、表1に示す実施例1のレンズデータに対して、40℃だけ温度が上昇したときのレンズデータの具体例である。そのときのフォーカスレンズ群(第2レンズ群G2−1)のレンズ間隔の具体例であることは、上述した通りである。ここで、温度上昇によるバックフォーカスのずれは、上述の特許文献1〜3などの従来技術のいずれかの方法によって、解消されているものとする。尚、表7に示すレンズデータの計算において、温度上昇したとき、曲率半径、面間隔、屈折率は、以下の条件1)〜4)で変化すると仮定した。
2) レンズの肉厚:線膨張係数αで変化する。
3) レンズ間の間隔:(設計値の間隔)+(保持部材の線膨張係数αでの変化)−(レンズ肉厚の線膨張係数αでの変化)
但し、保持部材:アルミニウム(線膨張係数α:283×10−7/℃)と仮定した。
なお、保持部材の材質は、アルミニウム以外の材質でもよく、マグネシウム合金(線膨張係数α:260×10−7/℃)やプラスチック(線膨張係数α:600×10−7/℃)であってもよい。
4) 屈折率:相対屈折率温度係数βで変化する。
図10(a)に示す投射光学系100−2は、光軸に沿って、縮小側(パネル1−2側)から拡大側に向って順次、第1レンズL1〜第9レンズL9からなる正の屈折力を有する第1レンズ群G1−2と、第10レンズL10〜第12レンズL12からなる負の屈折力を有する前側第2レンズ群G2F−2と、第13レンズL13〜第14レンズL14からなる正の屈折力を有する後側第2レンズ群G2R−2より構成される。
この前側第2レンズ群G2F−2と後側第2レンズ群G2R−2は、共にフォーカス時に、それぞれ移動する移動レンズ群であり、これを総称して第2レンズ群G2−2と称する。また、第1レンズ群G1−2と第2レンズ群G2−2とを、ここでは、屈折光学系2−2と称する。
フォーカス時に固定レンズ群である第1レンズ群G1−2内には、絞り3−2を有し、その絞り3−2は、屈折光学系100−2の縮小側が非テレセントリックとなる位置に配置される。
ここで、実施例2に係る屈折光学系2−2について、より具体的に説明する。
図10において、実施例2の屈折光学系2−2のうち、第1レンズ群G1−2は、縮小側(表示パネル1−2側)から拡大側に向かって、順に、縮小側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる第1レンズL1と、拡大側より曲率が大きな凸面を縮小側に向けた両凸レンズからなる第2レンズL2と、縮小側より曲率が大きな凸面を拡大側に向けた両凸レンズからなる第3レンズL3と、縮小側に凹面を向けた負メニスカスレンズからなる第4レンズL4と、縮小側より曲率が大きな凸面を拡大側に向けた両凸レンズからなる第5レンズL5と、縮小側より曲率が大きな凹面を拡大側に向けた両凹レンズからなる第6レンズと、凸面を拡大側に向けた正メニスカスレンズからなる第7レンズL7と、拡大側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなる第8レンズL8と、縮小側より曲率が大きな凸面を拡大側に向けた両凸レンズからなる第9レンズL9とから構成される。
上記第1レンズ群G1−2を構成するレンズのうち、第3レンズL3と第4レンズL4および第7レンズL7と第8レンズL8の各2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わせられて一体に接合され、2枚接合からなる接合レンズを形成している。
第2レンズ群G2−2のうち、前側第2レンズ群G2F−2は、縮小側から拡大側に向かって、順に、縮小側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる第10レンズL10と、縮小側より曲率が大きな凹面を拡大側に向けた負メニスカスレンズからなる第11レンズL11と、縮小側より曲率が大きな凹面を拡大側に向けた両凹レンズからなる第12レンズL12とから構成される。
また、第2レンズ群G2−2のうち、後側第2レンズ群G2R−2は、縮小側から拡大側に向かって、順に、拡大側に凹面を向けた負メニスカスレンズからなる第13レンズL13と、拡大側より曲率が大きな凸面を縮小側に向けた両凸レンズからなる第14レンズL14とから構成される。
この実施例2においては、各光学要素の光学データは、次表11の通りである。
すなわち、表11においては、「*」が付された第3面、第4面、第19面、第20面、第23面、第24面、第25面、第26面、第27面、第28面の各光学面が非球面であり、式(4)における各非球面のパラメータは、次表(12)の通りである。
ここで、実施例2における表示パネル1−2の横サイズ、縦サイズ、画素サイズや、光軸から表示パネル1−2の下辺迄の距離は、下表13の通りである。
また、光軸から表示パネル1−2の下辺までの距離を、表13において1.402mm離しているが、この距離も任意に変更することができる。
反射光学系4−2の自由曲面ミラー4A−2の面頂点の位置は、図10に示すZ−Y断面において、表示パネル1−2を含む平面と光軸との交点を(Z,Y)=(0,0)としたとき、(Z,Y)=(186.223,−9.352)の位置に固定される。
他方の自由曲面ミラー4B−2の面頂点の位置は、図10に示すZ−Y断面において、表示パネル1−1を含む平面と光軸との交点を(Z,Y)=(0,0)としたとき、(Z,Y)=(198.288,74.717)の位置に固定される。
多項式自由曲面からなる面は、上記面頂点を原点とするローカルな直交座標系(X,Y,Z)を用いた上記式(5)で定義され、多項式自由曲面係数Cjを与えて形状を特定する。
反射光学系4−2のうち、自由曲面ミラー4A−2の反射面である第30面の多項式自由曲面の自由曲面係数(Cj)は、下表14(a)に示す通りであり、また、自由曲面ミラー4B−2の反射面である第31面の多項式自由曲面の自由曲面係数(Cj)は、下表14(b)に示す通りである。
この防塵ガラス5−2は、光学的なパワーがないので、防塵ガラス5−2の取付位置に多少の誤差があっても、画像の画質に影響が少ない。そして、この防塵ガラス5−2の拡大側(図10においては、右側)には、図示は省略したが、光軸(Z方向)にほぼ平行にスクリーンの投射面の配置が予定される。
上述したように構成された実施例2に係る投射光学系100−2において、表示パネル1−2から出射した光束は、屈折光学系2−2の第1レンズ群G1−2に入射し、第1レンズ群G1−2と第2レンズ群G2−2を順次通過した後、自由曲面ミラー4A−2で折り返され、その後、自由曲面ミラー4B−2で反射されて、防塵ガラス5−2を介してスクリーン(図示せず)に投射される。
フォーカシングに際しては、第1レンズ群G1−2は、移動せず、例えば、遠距離側から近距離側にフォーカシングするに際しては、第2レンズ群G2−2のうち、前側第2レンズ群G2F−2は、表示パネル1−2から遠ざかる方向に移動し、後側第2レンズ群G2R−2は、表示パネル1−2から遠ざかる方向に、前側第2レンズ群G2F−2とは異なる移動量で移動する。
即ち、第9レンズL9と第10レンズL10とのレンズ間隔d18と、第12レンズL12と第13レンズL13との間隔d24、第14レンズL14とダミー面第29面との間隔d28、第35面と像面との間隔d35は、遠距離側−基準−近距離側へと移動するに伴い、それぞれ表15の通りに変化する。
図11に示すように、表示パネル1−2の画像形成領域内に25区画を設定配置した。
先ず、図10に示す実施例2に係る投射光学系100−2のレンズの具体的データは表11に示す通りであるが、当該投射光学系100−2に40℃の温度上昇があった場合のレンズの具体的データは、下表17に示すように変化する。
すなわち、図12(a)は、スクリーンまでの距離が遠距離(80インチ)の場合、(b)は、基準距離(60インチ)の場合、(c)は、近距離(48インチ)の場合の各画角におけるRMSスポット径(単位:mm)の変化を示しており、スポット径は、充分に小さく、像面湾曲は殆ど生じていないことが分かる。
これに対し、実施例2のレンズデータに基づく投射光学系100−2に対し40℃の温度上昇があった場合について、レンズデータは、表17に示すように変化し、RMSスポット径は、図13に示すように、バックフォーカスのずれは、別途解消したものの、光軸付近の画角に対して光軸から離れたスポット径は、著しく大きい。
この状態における投射光学系100−2に対し、像面湾曲を補正する補正レンズCLとしての第7レンズL7、第8レンズL8、第9レンズL9を、表示パネル1−1から0.6mm遠ざかる方向(拡大側の方向)に移動させたときの具体的なレンズデータは、下表19に示す通りとなる。
スポット径が1画素程度の大きさであれば、良好な解像がえられていると判断することができる。
つまり、補正レンズCL−2を移動させることで、像面湾曲を良好に調整し、画面周辺部の解像劣化を抑制することができたことになる。
尚、表17は、表11に示す実施例2のレンズデータに対して、40℃だけ温度が上昇したときのレンズデータの具体例であり、そのときのフォーカスレンズ群(第2レンズ群G2−2)のレンズ間隔の変化の具体例であることは、上述した通りであるが、ここで、温度上昇によるバックフォーカスのずれは、上述の特許文献1〜3などの従来技術のいずれかの方法によって、解消されているものとする。
1) 曲率半径:線膨張係数αで変化する。
2) レンズの肉厚:線膨張係数αで変化する。
3) レンズ間の間隔:(設計値の間隔)+(保持部材の線膨張係数αでの変化)−(レンズ肉厚の線膨張係数αでの変化)
但し、保持部材を、アルミニウム(線膨張係数α:283×10−7/℃)材を用いた場合と仮定した。
なお、保持部材の材質は、アルミニウム以外の材質でもよく、マグネシウム合金(線膨張係数α:260×10−7/℃)やプラスチック(線膨張係数α:600×10−7/℃)であってもよい。
4) 屈折率:相対屈折率温度係数βで変化する。
上述した実施例1および実施例2において、条件式(1)のφ1/φ2、条件式(2)のf1/f2、条件式(3)のΔd/Mの各値は、下表21の通りとなり、それぞれ条件式(1)〜条件式(3)を満足している。
G2,G2−1,G2−2 第2レンズ群
G2F,G2F−1,G2F−2 前側第2レンズ群
G2R,G2R−1,G2R−2 後側第2レンズ群
CL,L9,L7〜L9 補正レンズ
1,1−1,1−2 表示パネル
2,2−1,2−2 屈折光学系
3,3−1,3−2 絞り
4,4−1,4−2,4A,4B 反射光学系
4A−1,4A−2 自由曲面ミラー
4B−1,4B−2 自由曲面ミラー
5,5−1,5−2 防塵ガラス
100,100−1,100−2 投射光学系
101 照明部
102 各種回路部
200 画像表示装置
Claims (8)
- 表示パネルに形成された画像を、屈折光学系を介してスクリーンに拡大投射する投射光学系において、
前記屈折光学系は、縮小側から拡大側に至る光路上に、フォーカス時に固定である第1レンズ群と、フォーカス時に移動する1以上のレンズ群よりなり全体として負の屈折力を有する第2レンズ群が、順に配置されてなり、
前記第1レンズ群には、絞りが配置されると共に前記絞りより拡大側に前記屈折光学系の温度上昇に伴って、前記屈折光学系の全系の焦点距離が伸びるように、前記屈折光学系の光軸方向に沿って移動する補正レンズ群が配置され、
前記補正レンズ群の入射面から出射面にかけて通過する光束の前記表示パネルの短辺方向と平行な方向において前記屈折光学系の光軸に最も近い光線から最も遠い光線までの長さを光束の太さとしたとき、該入射面と該出射面の間で最も細くなる光束の太さをφ1、前記絞りを通過する光束の太さをφ2として、
前記絞りは、以下の条件式(1):
(1) 1.0 < φ1/φ2 < 1.8
を満足するように配置されていることを特徴とする投射光学系。 - 前記絞りは、前記屈折光学系の縮小側が非テレセントリックとなる位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の投射光学系。
- 前記補正レンズ群は、前記屈折光学系の温度が上昇したとき、前記表示パネルから遠ざかる方向に移動させることで、当該温度の上昇に伴って生じた像面湾曲を調整し得るように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の投射光学系。
- 前記補正レンズ群の焦点距離(2枚以上のレンズで構成される場合にあっては、その合成焦点距離)をf1とし、前記屈折光学系の合成焦点距離をf2としたとき、
以下の条件式(2):
(2) 1.6 < f1/f2 < 2.0
を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の投射光学系。 - 前記補正レンズ群を、光軸方向に移動させることができる最大移動量をΔdとし、前記屈折光学系の近軸横倍率をMとしたとき、
以下の条件式(3):
(3) 0.06 < Δd/M < 0.09
を満足することを特徴とする請求項1〜4に記載のいずれか1項に記載の投射光学系。 - 前記補正レンズ群は、すべて球面レンズで構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の投射光学系。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の投射光学系を備えたことを特徴とする画像表示装置。
- 表示パネルに形成された画像を、屈折光学系を介してスクリーンに拡大投射する投射光学系を備えた画像表示装置の調整方法において、
前記屈折光学系は、縮小側から拡大側に至る光路上に、フォーカス時に固定である第1レンズ群と、フォーカス時に移動する1以上のレンズ群よりなり全体として負の屈折力を有する第2レンズ群が、順に配置されてなり、
前記第1レンズ群には、絞りが配置されると共に前記絞りより拡大側に前記屈折光学系の温度上昇に伴って、前記屈折光学系の全系の焦点距離が伸びるように、前記屈折光学系の光軸方向に沿って移動する補正レンズ群が配置されており、
温度の変化に伴って生ずる像面湾曲を、前記補正レンズ群を光軸方向に移動させることにより調整することを特徴とする画像表示装置の調整方法。
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