JP6251581B2 - 水噴射式織機用の緯入れ制御方法及び緯入れ制御装置 - Google Patents

水噴射式織機用の緯入れ制御方法及び緯入れ制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、係止ピンによって緯糸を係止することにより貯留ドラム上に緯糸を貯留すると共に予め設定された係止解除タイミングの設定値に従って前記係止ピンが緯糸の係止を解除する緯糸貯留装置と、前記係止ピンによる緯糸の前記係止が解除された状態で行われる緯入れ時において前記貯留ドラム上から解舒される緯糸を検知する解舒センサと、緯入れノズルと前記緯糸貯留装置との間に設けられて緯糸を把持すると共に予め設定された開放タイミングの設定値に従って緯糸の前記把持を開放するクランパとを備えた水噴射式織機を前提装置とする緯入れ制御方法及び緯入れ制御装置に関する。
通常、水噴射式織機の緯入れは、緯入れノズルから噴射される圧力水の噴射タイミングに合わせて設定された、係止ピンの係止解除タイミング及びクランパの開放タイミングに従って開始される。因みに、噴射タイミングは、水噴射式織機の主軸に同期して駆動されるカム機構などにより機械的に設定された固定のタイミングである。
具体的には、水噴射式織機においては、まず設定された噴射タイミングで緯入れノズルから圧力水の噴射が開始される。但し、圧力水の噴射が開始された時点では、緯糸は、緯入れノズルよりも上流側において、緯糸貯留装置で係止ピンによって係止されると共に、クランパによって把持されているため、飛走を開始しない。そして、圧力水の噴射が開始された後、係止ピンによる緯糸の係止が解除され、次いで、クランパによる緯糸の把持が開放されることにより、緯糸の飛走(緯入れ)が開始される。なお、この係止ピンによる緯糸の係止の解除、及びクランパによる緯糸の把持の開放は、上記の設定された係止解除タイミング、開放タイミングに行われる。
ところで、そのような水噴射式織機においては、緯糸貯留装置の上流側に配置された給糸体からの緯糸の引き出し抵抗や、緯糸貯留装置から解舒される緯糸の解舒抵抗が製織の進行に伴う前記給糸体の巻径の減少により変化すると、緯糸の飛走しやすさ、つまり緯糸の飛走速度が変化するため、緯糸の先端が反給糸側へ到達するタイミング(到達タイミング)が変化する(一定とならない)ものとなっている。
従って、例えば、到達タイミングが早くなった場合は、緯入れの終了に伴って圧力水による緯糸の搬送力が消失したときに緯糸の先端部が無拘束状態となる期間が長くなるために、いわゆる打ち戻り現象が発生し、製織される織布の耳部に緯緩み等の品位の問題が生じるものとなっていた。
前記の問題を解決するための到達タイミングを一定とする従来技術として、下記の特許文献1に開示されたものがある。より詳しくは、この特許文献1には、緯入れ用のノズル(緯入れノズル)よりも緯糸の進行方向における上流側に配置された緯糸貯留装置であって緯入れ制御部材としての係止ピンによって緯糸を係止することによりドラム(貯留ドラム)上に緯糸を貯留すると共に予め設定された後退タイミング(係止解除タイミング)の設定値に従って係止ピンが緯糸の係止を解除する緯糸貯留装置と、係止ピンによる緯糸の前記係止が解除された状態で行われる緯入れ時において貯留ドラム上から解舒される緯糸を検知するセンサー(解舒センサ)とを備えた織機の緯入れ制御装置が開示されている。
そして、この特許文献1の緯入れ制御装置は、緯入れされる緯糸が所定の位置に到達した、すなわち、所定の長さだけ緯糸が解舒されたときのタイミングを解舒センサが検出すると共に、その検出した到達タイミングと、標準の到達タイミングとを比較し、この比較結果に基づいて緯入れ制御部材(主に係止ピン)の動作開始タイミング(係止解除タイミング)が更新されるようになっている。
特開昭62−117853号公報
ところで、前記特許文献1には備えることは開示されていないが、前記した本発明の前提装置のように、一般的な水噴射式織機は、前記した係止ピンに加え、緯入れノズルよりも上流側に配置される緯入れ制御部材としてのクランパを備えている。そして、そのような水噴射式織機、特に、前述のように係止ピンによる緯糸の係止解除動作が行われた後にクランパによる緯糸の把持が開放されることによって緯糸の飛走が開始される水噴射式織機に対し、前記特許文献1による緯入れ制御を適用する場合には、その制御対象は、緯入れ制御部材としての係止ピン及びクランパのうちのクランパとなり、そのクランパの開放タイミングを制御するものとなる。
なお、水噴射式織機においては、一般的には、反給糸側での緯糸の到達タイミング(緯入れされた緯糸の先端が反給糸側の所定位置に到達するタイミング)の検出は行われていないため、水噴射式織機において上記のような緯入れ制御部材の制御を行う場合には、緯糸貯留装置に付設された解舒センサからの信号に基づいて検出された解舒タイミングが用いられることになる。因みに、この解舒タイミングは、緯入れに伴って緯糸貯留装置の貯留ドラムから解舒される緯糸が解舒センサの位置を通過する(解舒センサが緯糸を検知する)ことによって解舒センサから出力される信号に基づいて検出される。
そして、上記緯入れ制御部材(クランパ)の制御は、その検出された緯糸の解舒タイミングと、その解舒タイミングに関する基準値とを比較し、その偏差に基づいてクランパの開放タイミングを補正するものとなる。例えば、その制御について、緯糸の飛走速度が一定速度であると仮定すると、前記基準値が200゜の場合において検出された解舒タイミングの検出値が202゜であった場合は、その2゜の偏差に基づいてクランパの開放タイミングの設定値を2゜早める補正が行われ、それによって解舒タイミングを前記基準値に一致させるように行われる。
また、一般的な織機では、主軸の回転角度(クランク角度)を検出するために用いられるエンコーダは分解能が180パルス/1回転(0°〜360°)程度のものであり、主軸が2°回転する毎にエンコーダからのパルス信号の出力が変化するものとなっている。そして、織機においては、このエンコーダからのパルス信号の出力によってクランク角度を検出しており、また、各センサが検知した時点における前記クランク角度が、そのセンサの検出タイミング(例えば、前記解舒タイミング)となっている。従って、前記解舒タイミングは、クランク角度2゜単位の検出値として検出されるものとなる。
そのため、解舒センサが緯糸を検知した時点におけるクランク角度が実際には201°であったとしても、前記の通り、エンコーダからのパルス信号の出力によって検出されるクランク角度が2°単位であるため、解舒タイミングの検出値は、201°ではなく、202°となる。その結果、前記のように、クランパの開放タイミングの制御については、その開放タイミングの設定値を2°早める補正が行われることになる。しかし、その場合、前記のように実際の解舒タイミングは201°であり、実際の偏差は1°であるため、過剰な補正が行われることとなる。
その上、上記補正の結果として、解舒センサが緯糸を検知する実際の時点は199°となるが、検出値は200°となり、前記基準値と一致していると判断されてしまうため、実際には解舒タイミングの偏差が発生しているにも関わらず、偏差が発生していないものとして製織が継続されてしまう。その結果、適正な緯入れが行われず、織布の品質が低下するという問題が発生する。
なお、このような問題を解消するために、高い分解能を有するエンコーダを使用することが考えられるが、そのようなエンコーダは高価であるため、装置のコストアップを招いてしまう。
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであり、その目的は、前述のような水噴射式織機において、高価なエンコーダを用いることなく、緯入れ制御部材の適正な制御を実現することができる緯入れ制御を提供することにある。
本発明は、係止ピンによって緯糸を係止することにより貯留ドラム上に緯糸を貯留すると共に予め設定された係止解除タイミングの設定値に従って前記係止ピンが緯糸の係止を解除する緯糸貯留装置と、前記係止ピンによる緯糸の前記係止が解除された状態で行われる緯入れ時において前記貯留ドラム上から解舒される緯糸を検知する解舒センサと、緯入れノズルと前記緯糸貯留装置との間に設けられて緯糸を把持すると共に予め設定された開放タイミングの設定値に従って緯糸の前記把持を開放するクランパとを備えた水噴射式織機に適用されるものである。
そして、本発明による緯入れ制御方法は、前記水噴射式織機において、前記解舒センサからの信号に基づいて検出された解舒タイミングの検出値と予め設定された前記解舒タイミングに関する基準値とを比較して偏差を求めると共に、予め設定された製織サイクル単位の補正パターンに従い、前記偏差に基づいて求められた補正量により、前記係止解除タイミング及び前記開放タイミングの補正を交互に行うことを特徴とする。
また、前記緯入れ制御方法を実現するための本発明による緯入れ制御装置は、前記水噴射式織機において、前記解舒センサから出力された信号に基づいて検出された解舒タイミングの検出値と予め設定された前記解舒タイミングに関する基準値とを比較して偏差を求める比較器と、前記比較器で求められた偏差に基づき、前記係止解除タイミング及び前記開放タイミングの補正量を求めると共にその補正量によって前記係止解除タイミング及び前記開放タイミングを補正するタイミング補正器とを備え、前記タイミング補正器は、予め設定された製織サイクル単位の補正パターンに従い、前記係止解除タイミング及び前記開放タイミングの補正を交互に行うことを特徴とする。
なお、前記「製織サイクル」とは、織機の連続運転中における主軸の1回転(0°〜360°)に相当する。すなわち、主軸が1回転する間に一連の製織動作(緯入れ〜筬打ち)が1回行われるため、主軸が1回転する期間が1製織サイクルとなる。因みに、織機の連続運転により製織の進行が伴うことから、「サイクル」のことを『ステップ』と言う場合がある。
本発明によれば、実際の解舒タイミングに対する過剰な補正を抑えることが可能となることから、高価なエンコーダを用いることなく、適正な緯入れ制御を実現することが可能となる。詳しくは、以下の通りである。
先ず、前提として、本発明が適用される水噴射式織機は、緯入れノズルからの圧力水の噴射が行われた後に係止ピンによる緯糸の係止が解除され、次いで、クランパによる緯糸の把持が開放されるものである。そして、そのような水噴射式織機において、係止ピンの係止解除タイミングの補正(変更)を行った場合には、補正を行う前と比べて、クランパが緯糸の把持を開放した時点における貯留ドラムとクランパとの間の緯糸の弛み度合いが異なるものとなり、従って、緯入れ初期における貯留ドラムの緯糸の解舒抵抗が変化するものとなる。すなわち、前記のように係止ピンによる緯糸の係止解除がクランパによる緯糸の把持開放に先行する水噴射式織機においては、係止ピンによる係止解除に伴い、貯留ドラムとクランパとの間で緯糸は弛んだ状態となるため、上記の緯入れ初期においては、先ず、その緯糸の弛みが解消され、その後に貯留ドラムからの解舒を伴って緯入れが行われることとなる。
そのため、上記緯入れ初期における上記緯糸の弛みが解消される期間では、貯留ドラムからの緯糸の解舒を伴わずに緯入れが行われる。そして、係止ピンの係止解除タイミングを変更することにより、上記緯糸の弛み度合いが変化するため、貯留ドラムからの緯糸の解舒を伴わない期間が変化する。それにより、緯入れ初期における緯糸の飛走速度が変化し、その結果として緯入れ期間中における緯糸の平均飛走速度が変化するために、緯糸の解舒タイミングの検出値が変化する。このように、前記水噴射式織機においては、クランパの開放タイミングの補正が緯糸の飛走開始時点を制御するものであるのに対し、係止ピンの係止解除タイミングの補正は、緯糸の平均飛走速度を制御するものとなる。
なお、前記水噴射式織機において、クランパの開放タイミングのみを補正しても基本的には緯糸の飛走速度は変化しないため、クランパの開放タイミング(緯糸の飛走開始タイミング)の補正量がそのまま解舒タイミングの検出値の変化として現れる。すなわち、例えば前記のようにクランパの開放タイミングをクランク角度において2°早めると、解舒タイミングの検出値は2°早まる。一方、クランパの開放タイミング(緯糸の飛走開始タイミング)を変更せずに係止ピンの係止解除タイミングのみを補正した場合には、前記のように緯入れ初期の緯糸の飛走速度が変化するのみであるため、その補正量に対する解舒タイミングの検出値の変化は小さいものとなる。すなわち、係止ピンの係止解除タイミングをクランク角度において2°補正したとしても、解舒タイミングの検出値の変化は2°よりも十分に小さいものとなる。
従って、解舒タイミングの検出値と前記基準値との間に偏差が発生した場合において、係止ピンの係止解除タイミングを補正するものとすれば、前記[発明が解決しようとする課題]で記載したようなクランパの開放タイミングを補正する場合と比べ、過剰な補正が行われることはない。但し、係止ピンの係止解除タイミングの補正については、その補正量に対する解舒タイミングの変化量が小さいことから、前記偏差が大きい場合は、その偏差の解消に時間を要し、その間に適正な緯入れが行われない状態が継続するため、織布の品質が低下する虞がある。
これに対し、本発明によれば、係止ピンの係止解除タイミングの補正とクランパの開放タイミングの補正とを予め設定された製織サイクル単位の補正パターンに従って交互に行うことによって、従来技術のように過剰な補正を繰り返すことなく、且つ、速やかに偏差の解消を行うことができるため、高価なエンコーダを用いることなく、適正な緯入れ制御を実現することが可能となる。
本発明が適用される水噴射式織機における緯入れ装置の一例を示す説明図である。 緯入れ制御装置の構成の一例を示すブロック図である。 偏差と補正量との関係を示すデータベースである。 緯入れ制御装置の構成における他の例を示すブロック図である。 緯入れ制御装置の構成における他の例を示すブロック図である。
図1に示すのは、本発明が適用される水噴射式織機における緯入れ装置1の一例であって、該緯入れ装置1は、緯入れノズル2、緯糸貯留装置3、クランパ装置4及び解舒センサ5を備える。
緯入れノズル2は、織前12の近傍において、水噴射式織機のフレーム(図示略)に対し支持されるかたちで設けられている。なお、緯入れノズル2は、導水管21によってポンプ23と接続されており、また、該ポンプ23は、別の導水管22によって給水タンク24と接続されている。
ポンプ23は、織機の1製織サイクル毎に、吸入行程とそれに続く吐出行程とを繰り返しており、給水タンク24から水を吸入すると共に、その水を圧縮しつつ吐出する動作を行う。そして、1製織サイクル中の所定のタイミングでポンプ23の吐出行程が開始されることにより、予め定められた噴射開始タイミングにおいて緯入れノズル2からの圧力水の噴射が開始される。但し、一般的な水噴射式織機では、ポンプ23の上記動作は機械的な構成(カム25、スプリング等)によって行われることから、前記噴射開始タイミング(緯入れノズル2から圧力水が噴射されるタイミング)は、各製織サイクル毎に一定となっている。
緯糸貯留装置3は、緯糸9の引き出し方向における緯入れノズル2の上流側に配置されており、緯糸9を貯留する貯留ドラム34、及び貯留ドラム34上で緯糸9を係止する係止ピン32を含む緯糸係止装置31を備えている。そして、緯糸貯留装置3は、貯留ドラム34上において緯糸9が係止ピン32によって係止された状態において、給糸体39から供給される緯糸9を回転ヤーンガイド(図示略)によって貯留ドラム34上に巻回することにより、例えば、1回の緯入れで緯入れされる長さの緯糸9を貯留ドラム34上に貯留するものである。また、係止ピン32による緯糸9の係止が解除されることにより、貯留ドラム34上からの緯糸9の解舒が可能となる。
また、緯糸係止装置31は、前記の係止ピン32と、係止ピン32を駆動するためのソレノイド33とを含む。そして、ソレノイド33が励・消磁されることにより、係止ピン32が貯留ドラム34に向けて進出する係止動作と、貯留ドラム34から離間する係止解除動作とを行うものであり、係止ピン32が前記係止動作を行うことによって緯糸9が貯留ドラム34上で係止された状態となり、また、係止ピン32が前記係止解除動作を行うことによって緯糸9が貯留ドラム34上から解舒可能となる。なお、本実施例では、ソレノイド33が励磁されることによって係止ピン32が前記係止解除動作を行い、ソレノイド33が消磁されることによって係止ピン32が前記係止動作を行うものとする。そして、このソレノイド33の励磁及び消磁については、予め設定された係止解除タイミング及び係止タイミングで行われる。但し、本発明が前提とする水噴射式織機では、前記係止解除タイミングは、前述の緯入れノズル2から圧力水が噴射される噴射開始タイミングよりも後に設定されるものとなっている。
クランパ装置4は、緯入れノズル2と緯糸貯留装置3との間において、前記フレームに対し支持されるかたちで設けられている。また、クランパ装置4は、緯糸9を把持する可動把持片41と固定把持片42とを含んでおり、緯糸貯留装置3の貯留ドラム34から緯入れノズル2に至る緯糸9が可動把持片41と固定把持片42との間を通過するように設けられている。そして、このクランパ装置4においては、可動把持片41を固定把持片42に当接させることによって可動把持片41と固定把持片42との間に緯糸9が把持された状態となり、また、可動把持片41を固定把持片42から離間させることによって、緯糸9が開放され、緯入れが可能な状態となる。
なお、可動把持片41の固定把持片42に対する当接動作及び離間動作については、例えばソレノイド等の駆動手段によって駆動されることによって成されるものであり、その駆動については、予め設定された把持タイミング及び開放タイミングで行われる。但し、本発明が前提とする水噴射式織機では、前記開放タイミングは、前記係止解除タイミング及び前記噴射タイミングよりも後に設定されている。従って、クランパ装置4による緯糸9の開放タイミングが、緯糸9が飛走を開始する飛走開始タイミングとなる。
解舒センサ5は、貯留ドラム34から解舒される緯糸9をその解舒ごとに検知するためのセンサであって、貯留ドラム34の近傍で貯留ドラム34に対向させて設けられている。また、解舒センサ5は、一般的には光学式のセンサであって、投光部及び受光部を含み、例えば、投光部から発せされた光を貯留ドラム34の周面で反射させて受光部で検出するものである。そして、解舒センサ5は、貯留ドラム34上から解舒された緯糸9がその光を遮る、すなわち、緯糸9が解舒センサ5と貯留ドラム34との間を通過することによる光の変化を受光部が検出することにより緯糸9が解舒されたことを検知するものである。このように、解舒センサ5は、緯糸9が貯留ドラム34から1巻分解舒される度に緯糸9の通過を検知するものであることから、例えば、1回の緯入れで緯入れされる緯糸9の長さが貯留ドラム34の5巻分に相当する長さならば、解舒センサ5は1回の緯入れにつき5回緯糸の通過を検知する。なお、以下では、1回の緯入れで緯入れされる緯糸9の長さが貯留ドラム34の5巻分に相当する長さであるものとして説明する。
図2に示すように、本実施例における水噴射式織機は、織機の主制御装置である織機制御装置6と、前述の緯糸係止装置31及びクランパ装置4を含む緯入れに関与する部材の動作を制御する緯入れ制御装置7と、水噴射式織機上の各装置を駆動するための設定値や基準値等を入力設定するための入力器8とを備える。
織機制御装置6には、前記の解舒センサ5が接続されている。そして、織機制御装置6には、解舒センサ5が緯糸9の通過を検知したときに出力する緯糸解舒信号が入力される。また、織機制御装置6には、水噴射式織機の主軸11の回転角度(クランク角度)を検出するためのエンコーダENが接続されており、織機制御装置6は、このエンコーダENからの信号に基づいてクランク角度を検出する。因みに、前記エンコーダENについては、水噴射式織機において一般的に用いられるものであって、前述のように、その分解能が180パルス/1回転(0°〜360°)のものである。従って、エンコーダENからのパルス信号の出力に基づく主軸11のクランク角度については、2°単位で検出されており、このため、解舒センサ5が緯糸9の通過を検知した時点のクランク角度が実際には201°であったとしても、解舒タイミングの検出値は202°となる。
そして、織機制御装置6は、解舒センサ5から緯糸解舒信号が入力されると、その時点におけるクランク角度を解舒タイミングとして検出し、その検出した解舒タイミングを記憶する。なお、前述のように、解舒センサ5からの緯糸解舒信号は、緯入れ毎に、1回の緯入れにおいて貯留ドラム34から解舒される緯糸9の巻数に応じた回数だけ織機制御装置6に入力される。従って、前述のように1回の緯入れで緯入れされる緯糸9の長さが貯留ドラム34の5巻分に相当する長さであるとすると、織機制御装置6は、1回の緯入れにおいて5回の解舒タイミングの検出を行う。
その上で、織機制御装置6には、本発明による緯入れ制御に用いられる解舒タイミングについて、1回の緯入れのうちの何回目に検出されたものとするかが予め設定されて記憶されているものとする。そして、織機制御装置6は、緯入れ毎に、解舒タイミングの検出の回数がその設定回数に達した時点で、緯入れ制御装置7に対し、その設定回数目の解舒タイミングの検出値を出力する。なお、この緯入れ制御装置7に対し出力される解舒タイミングの検出値について、より緯入れの終期(緯糸9の先端がより反給糸側の織端に近い位置に達した時点)の検出値の方が制御上において好ましいことから、本実施例では、前記のように1回の緯入れにつき複数回検出される検出値のうち、最後に検出された検出値(5回目の検出値)を本発明による緯入れ制御に用いるものとする。因みに、この設定回数については、入力器8から入力設定することにより変更可能なものとしてもよい。
入力器8は、水噴射式織機上の各装置を駆動するための設定値や基準値等を入力設定するためのものであって、図示はしないが前記設定値等を表示するための表示画面を有する表示器及びテンキーなどの操作ボタンを有する。なお、入力器8は、表示画面が操作ボタンとしても機能するタッチパネル式の表示器を有するものとしてもよい。そして、前記設定値等の入力設定については、表示器の表示画面を見つつ行われる。
緯入れ制御装置7は、緯糸係止装置31及びクランパ装置4の駆動を制御する駆動制御器71と、緯糸係止装置31及びクランパ装置4の駆動タイミングの設定値を記憶するための記憶器72とを備える。但し、図示の例では、緯糸係止装置31及びクランパ装置4以外の緯入れに関する部材(例えば、緯入れノズル2等)の動作を制御するための構成は省略してある。なお、記憶器72に記憶される緯糸係止装置31及びクランパ装置4の駆動タイミングは、緯糸係止装置31及びクランパ装置4の駆動制御に関するタイミングであって、緯糸係止装置31の係止解除タイミング及び係止タイミング、クランパ装置4の開放タイミング及び把持タイミングを含む。因みに、以下では、この駆動タイミングのうちの緯入れ開始に関連する係止解除タイミング及び開放タイミングを総称して駆動開始タイミングと言う。また、この駆動タイミングの初期値については、入力器8によって入力されるものとする。なお、記憶器72と入力器8とは、互いに通信が可能なかたちで接続されており、入力器8によって入力設定された前記駆動タイミング等が記憶器72に記憶されると共に、その記憶された設定値等を入力器8が読み出して前記の表示画面上に表示することが可能となっている。
記憶器72は、その出力端において駆動制御器71と接続されており、入力器8によって前記駆動タイミングの設定値が入力されると、その設定値を記憶すると共に駆動制御器71へ出力する。
駆動制御器71は、その入力端において前記のように記憶器72の出力端に接続されると共に、他の入力端において織機制御装置6と接続されている。そして、駆動制御器71は、記憶器72から出力された駆動タイミングの設定値に基づいて緯糸係止装置31及びクランパ装置4の駆動を制御する。より詳しくは、駆動制御器71は、記憶器72から駆動タイミングの設定値が出力されると、その設定値を一時的に記憶し、この記憶した設定値と織機制御装置6から出力された主軸11のクランク角度とが一致した時点で、緯糸係止装置31及びクランパ装置4を駆動する。
具体的には、緯糸係止装置31については、駆動制御器71は、クランク角度と係止解除タイミングの設定値とが一致した時点で、緯糸係止装置31に対しソレノイド33を励磁する励磁信号を出力する。それにより、緯糸係止装置31は、係止ピン32の前記係止解除動作すなわち緯糸9の係止を解除する動作を実行する。また、駆動制御器71は、クランク角度と係止タイミングの設定値とが一致した時点で、緯糸係止装置31に対しソレノイド33を消磁する消磁信号を出力する。それにより、緯糸係止装置31は、係止ピン32の前記係止動作すなわち緯糸9を係止するための動作を実行する。
また、クランパ装置4については、駆動制御器71は、クランク角度と開放タイミングの設定値とが一致した時点で、クランパ装置4に対し可動把持片41の固定把持片42に対する前記離間動作を行わせるための駆動指令信号を出力する。それにより、クランパ装置4は、把持された緯糸9を開放するための動作を実行する。また、駆動制御器71は、クランク角度と把持タイミングの設定値とが一致した時点で、クランパ装置4に対し可動把持片41の固定把持片42に対する前記当接動作を行わせるための駆動指令信号を出力する。それにより、クランパ装置4は、緯糸9を把持するための動作を実行する。
更に、緯入れ制御装置7は、本発明を実現するための構成として、前述の記憶器72及び駆動制御器71に加え、前記駆動開始タイミングの補正を行う駆動開始タイミング補正装置73を備える。そして、この駆動開始タイミング補正装置73は、解舒タイミングに関する基準値と前記検出値とを比較して偏差を求める比較器74と、その偏差に基づいて前記駆動開始タイミングの設定値を補正するタイミング補正器75とを有する。なお、これらについて、より詳しくは以下の通りである。
比較器74は、その入力端において入力器8の出力端と接続されると共に、他の入力端において前記織機制御装置6と接続されている。また、比較器74は、その出力端においてタイミング補正器75と接続されている。そして、比較器74は、入力器8によって入力設定された解舒タイミングの基準値を、内蔵されたメモリ等(図示略)によって記憶しているものとする。その上で、比較器74は、織機制御装置6から解舒タイミングの前記検出値が入力されると、その検出値と記憶している基準値とを比較して偏差を求めると共に、その求めた偏差に応じた偏差信号dをタイミング補正器75へ出力する。なお、この偏差信号dは、偏差の大きさ(偏差量の絶対値)と偏差の方向(+又は−)とを含むものとする。
タイミング補正器75は、図示のように、補正量決定部76と、補正部77とを備える。このうち、補正量決定部76は、比較器74から出力された偏差信号dに基づいて駆動開始タイミングの補正量を求めて補正部77へ出力するためのものである。そのため、補正量決定部76は、その入力端において比較器74の出力端と接続されると共に、その出力端において補正部77の入力端と接続されている。そして、補正量決定部76は、比較器74から偏差信号dが入力されると、その偏差信号dで示される偏差に基づいて駆動開始タイミングとしての係止解除タイミング及び開放タイミングの補正量を求める。なお、補正量の求め方については、本実施例では、予め設定されたデータベースから前記偏差に対応する補正量を選出するものとする。そのため、補正量決定部76は、図3に示すような、解舒タイミングの前記偏差と係止解除タイミング及び開放タイミングの補正量とを対応させたかたちで設定されたデータベースを記憶しているものとする。
そして、補正量決定部76は、比較器74から偏差信号dが入力された時点で、前記偏差に対応する補正量を前記のデータベースから選出して決定し、その選出(決定)した補正量に応じた補正量信号Δtを補正部77へ向けて出力する。但し、この補正量の求め方については、前記のデータベースから選出して決定するものに限らず、補正量決定部76に記憶された前記偏差に基づく演算式により補正量を算出(決定)するものとしても良い。
また、前記補正量の決定(選出/算出)については、係止解除タイミングと開放タイミングとについて、製織サイクル単位で交互に行われる。すなわち、本発明では、係止解除タイミング及び開放タイミングが交互に補正されるものであり、本実施例では、その交互の補正のために、補正量決定部76における前記した補正量の決定が、係止解除タイミングと開放タイミングとについて、製織サイクル単位で交互に行われるものとなっている。そして、そのような交互の補正量の決定を補正量決定部76に行わせるために、補正量決定部76には補正パターンが記憶されているものとする。
なお、ここで言う補正パターンについて、より詳しくは、係止解除タイミング及び開放タイミングの補正を行う順序が製織サイクル単位のパターンとして設定されたものであって、各製織サイクルにおいて係止解除タイミング又は開放タイミングのうちいずれか一方のみの補正が行われるように設定されたものである。但し、ここで言う交互とは、係止解除タイミング及び開放タイミングの補正を1回ずつ順番に行うものに限らず、一方又は両方が2回以上連続して行われる場合も含む。例えば、係止解除タイミング及び開放タイミングの一方の補正を2回行った後に、他方の補正を1回行うものとしてもよいし、或いは、両方の補正を所定の複数回ずつ順番に行うものとしてもよい。そして、本実施例では、補正パターンは、係止解除タイミング及び開放タイミングの補正が製織サイクル毎に1回ずつ順番に(交互に)行われるものとする。なお、本実施例の補正パターンでは、最初に係止解除タイミングの補正が行われるものとする。
補正部77は、補正量決定部76から出力された補正量信号Δtで示される駆動開始タイミングの補正量に基づき、係止解除タイミング又は開放タイミングの設定値の補正を行うためのものである。そのため、補正部77は、その入力端において補正量決定部76の出力端に接続されると共に、記憶器72に対し相互に設定値等のデータの遣り取りが可能なように接続されている。そして、補正部77は、補正量決定部76から補正量信号Δtが入力された時点で、その補正量信号Δtが示す補正量に対応する駆動開始タイミング(係止解除タイミング又は開放タイミング)の設定値を記憶器72から読み出して補正すると共に、補正した駆動開始タイミングの設定値を記憶器72へ出力するものである。
以下では、図2に基づき、本発明における本実施例の構成の作用について(1)〜(7)の順に説明する。
(1)水噴射式織機の連続運転中において、織機制御装置6によって検出された解舒タイミングの検出値は、緯入れ制御装置7の駆動開始タイミング補正装置73における比較器74へ出力される。そして、比較器74は、前記検出値が入力されると、記憶している解舒タイミングの基準値と前記検出値とを比較して偏差を求め、前記した偏差信号dをタイミング補正器75の補正量決定部76へ出力する。すなわち、何らかの原因で緯入れ時における緯糸9の飛走状態が変化すると、緯糸9の解舒タイミングが目標とするタイミングとは異なるものとなり、解舒タイミングの検出値と目標とするタイミングである基準値との間に偏差が発生するため、比較器74は、その偏差を求め、その偏差に応じた偏差信号dを補正量決定部76へ出力する。但し、比較器74は、偏差を求めた結果として「偏差=0」となった場合、すなわち、解舒タイミングの検出値と基準値とが一致した場合には、偏差信号dを出力しない。従って、この製織サイクルにおいては、下記(2)以降の駆動開始タイミング補正装置73による駆動開始タイミングの補正は行われない。
(2)補正量決定部76は、比較器74から偏差信号dが出力されると、その偏差信号dに基づき、前述のように係止解除タイミング又は開放タイミングの補正量を決定し、補正量信号Δtを補正部77へ出力する。なお、本実施例における補正パターンは、前述の通り、係止解除タイミングの補正が最初に行われると共に、係止解除タイミング及び開放タイミングの補正が1回ずつ交互に行われるものである。従って、補正量決定部76は、織機の運転開始後、最初に比較器74から偏差信号dが出力されると、その偏差が発生した製織サイクルで、係止解除タイミングの補正量を決定し、その補正量に応じた補正量信号Δtを補正部77へ出力する。
(3)補正部77は、前記のように係止解除タイミングに関する補正量信号Δtが補正量決定部76から出力されると、係止解除タイミングの設定値を記憶器72から読み出してその補正量信号Δtに応じた補正量で補正すると共に、補正後の係止解除タイミングを記憶器72に対し出力する。
(4)記憶器72は、前記のように補正部77から補正された係止解除タイミングが出力されると、これまで記憶していた係止解除タイミングの設定値に変えて前記補正された係止解除タイミングを新たな設定値として記憶すると共に、その新たな係止解除タイミングの設定値を駆動制御器71に対し出力する。
(5)その結果として、駆動制御器71は、補正された係止解除タイミングに基づいて緯糸係止装置31へソレノイド33を励磁する励磁信号を出力し、緯糸係止装置31は、その補正された係止解除タイミングで係止ピン32の係止解除動作すなわち緯糸9の係止を解除する動作を実行する。
このようにして、前記した偏差が発生した製織サイクルの次の製織サイクルにおいては、係止ピン32の係止解除動作が補正された係止解除タイミングで行われると共に、それに次いでクランパ装置4における可動把持片41の前記離間動作が前の製織サイクルと同じ開放タイミングで行われるかたちで緯入れが実行される。
(6)前記のように補正された係止解除タイミングでの係止ピン32の係止解除動作による緯入れの結果として、前記偏差が解消された場合、すなわち、織機制御装置6にて検出された解舒タイミングの検出値が基準値と一致した場合には、比較器74から偏差信号dの出力が行われないため、それ以降の緯入れについては、前記偏差が再び発生するまでは、係止解除タイミング及び開放タイミングの補正は行われない。
一方、前記緯入れの結果、前記偏差が解消されていない場合、すなわち、織機制御装置6にて検出された解舒タイミングの検出値が基準値と一致しなかった場合には、比較器74は、解舒タイミングの検出値と基準値との間の偏差を再度求めると共に、その求めた偏差に応じた偏差信号dを補正量決定部76へ出力する。そして、補正量決定部76は、その比較器74からの偏差信号dに基づき、補正パターンに従って今度は開放タイミングの補正量を求め、その補正量に応じた補正量信号Δtを補正部77へ出力する。
このようにして、次の製織サイクルにおいては、その前の製織サイクルと同じ係止解除タイミングで係止ピン32の係止解除動作が行われると共に、それに次いで、補正された開放タイミングによりクランパ装置4における可動把持片41の離間動作が行われるかたちで緯入れが行われる。そして、解舒タイミングの検出値と基準値との間の偏差が解消されるまで、補正パターンに従い、製織サイクル毎に係止解除タイミング及び開放タイミングの補正が1回ずつ交互に行われる。
(7)また、一旦前記偏差が解消された後、再び偏差が発生した場合は、前記係止解除タイミング又は開放タイミングの補正が再び行われるが、この場合、本実施例では、前回行われた補正に続くかたちで補正パターンに従って補正が行われるものとなる。つまり、本実施例では、前回発生した前記偏差が最終的に係止解除タイミング(又は開放タイミング)の補正によって解消された場合には、今回発生した前記偏差に対し最初に行われる補正は、補正パターンの続きである開放タイミング(又は係止解除タイミング)となるように設定されており、再び前記偏差が発生した場合はそのようなかたちで補正が行われるものとなる。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。例えば以下の(1)〜(8)のように変更しても良い。
(1)解舒タイミングの基準値と検出値との間の偏差について、前記実施例では、偏差を製織サイクル毎に求めるものとした。しかし、本発明においては、それに限らず、偏差について、予め設定された製織サイクル経過毎(例えば、10製織サイクル毎)、又は予め設定された時間経過毎(例えば、1分毎)に求めるものとしてもよい。具体的には、例えば、比較器74にカウンタ又はタイマを設け、比較器74が、カウンタに設定された回数毎に、又はタイマに設定された時間毎に、織機制御装置6から製織サイクル毎に出力される解舒タイミングの検出値と基準値とを比較し、偏差を求めるものとしてもよい。また、織機制御装置6が、予め設定された製織サイクル毎又は時間毎に、解舒タイミングの検出値を比較器74へ出力するものとしてもよい。
(2)駆動開始タイミングの補正量について、前記実施例では、解舒タイミングの検出値と基準値との間に偏差が発生すると、その都度、補正量を求めるものとしたが、本発明においては、それに限らず、偏差の大きさ(偏差の絶対値)が予め設定された値を上回った場合にのみ、補正量を求めるものとしてもよい。具体的には、比較器74に偏差の大きさ(偏差の絶対値)に対する閾値を予め設定しておき、比較器74は、求めた偏差と前記閾値とを比較し、偏差が前記閾値を上回ったときのみ偏差信号dを補正量決定部76へ出力するものとしてもよい。或いは、前記閾値を補正量決定部76に予め設定しておき、補正量決定部76は、比較器74から出力された偏差信号dの偏差の絶対値と閾値とを比較し、その偏差の絶対値が前記閾値を上回ったときに補正量を決定するものとしてもよい。
(3)また、駆動開始タイミングの補正量については、前記実施例では、比較器74から出力される偏差信号dが偏差の大きさ(偏差の絶対値)と偏差の方向(+又は−)とを含み、補正量決定部76では、その偏差信号dに応じた補正量を求めるものとしたが、これに代えて、1回の補正における補正量を前記偏差の方向のみに応じた所定の量(一定値)としてもよい。なお、この場合、タイミング補正器75については、図4に示すように補正部77のみを備えるものとし、また、補正パターンについては補正部77で記憶されるものとしてもよい。具体的には、図4の例では、比較器74は、その出力端で補正部77と接続されており、解舒タイミングの検出値と基準値とを比較した結果として、偏差の方向(+又は−)のみを含む偏差信号d’を補正部(タイミング補正器75)77へ出力する。そして、補正部77は、比較器74から偏差信号d’が入力されると、補正パターンに従って補正の対象となる駆動開始タイミングの設定値を記憶器72から読み出すと共に、その読み出した設定値を偏差信号d’の偏差の方向に従って補正部77に予め設定された所定の値(一定値)で補正し、記憶器72へ出力するものとなっている。
(4)補正パターンについて、前記実施例では、織機の運転開始後に最初に行われる補正を係止解除タイミングとしたが、これに限らず、開放タイミングの補正が先ず最初に行われるものであってもよい。また、補正パターンについては、前記実施例のように係止解除タイミング及び開放タイミングの補正を製織サイクル毎に1回ずつ順番に行うものに限らず、前述のように、一方又は両方の補正が2回以上連続して行われるものとしてもよい。例えば、係止解除タイミングの補正が2回(又は3回以上)連続して行われた後に、開放タイミングの補正が1回行われるものとしてもよく、また、係止解除タイミング及び開放タイミングの両方の補正が2回(又は3回以上)ずつ順番に行われるものとしてもよい。
(5)また、補正パターンについては、前記実施例のように補正量決定部76に予め記憶される固定化されたものに限らず、入力器8によって入力設定されるものとしてもよい。なお、この場合は、図5に示すように、補正量決定部76の入力端が入力器8とも接続するものとなる。
なお、入力器8によって補正パターンを入力設定する場合については、例えば、予め入力器8に複数の補正パターンが記憶されており、作業者がこれら複数の補正パターンから使用するものを選択することによって、入力器8がその選択された補正パターンを補正量決定部76へ出力するものとしてもよい。或いは、入力器8に補正パターンの作成画面を設けることによって、作業者が新たな補正パターンを作成し、その作成された補正パターンが補正量決定部76へ出力されるものとしてもよい。
(6)前記実施例では、一旦前記偏差が解消された後に再び偏差が発生した場合には、前回行われた駆動開始タイミングの補正に続くかたちで補正パターンに従って補正が行われるものとしたが、これに代えて、前記偏差が解消される度に補正パターンをリセットするものとしてもよい。従って、この場合において、再び偏差が発生したときには、補正パターンの先頭から補正パターンに従って補正が行われるものとなる。
具体的には、比較器74は、解舒タイミングの検出値と基準値とを比較した結果として前記偏差が解消されたと判断したとき、つまり、偏差を求めた結果「偏差=0」となったとき、補正量決定部76に対しリセット信号rを出力する。そして、補正量決定部76は、比較器74から前記リセット信号rが出力されると、記憶している補正パターンにおける現在のステップ番号、つまり補正パターンに設定されている係止解除タイミング又は開放タイミングの補正を行う順序(順列)の番号について、補正パターンの先頭に戻すものとなる。これにより、一旦前記偏差が解消されたときに補正パターンがリセットされると共に、次に偏差が発生したときには、補正パターンの先頭から補正パターンに従って駆動開始タイミングの補正が行われるものとなる。
因みに、前記リセット信号rについては、前記偏差が解消したときに比較器74から出力されるものに限らず、入力器8や前記織機制御装置6から出力されるものとしてもよい。具体的には、図5に示すように、入力器8の出力端を補正量決定部76と接続し、作業者が入力器8から駆動開始タイミングの設定値を入力(変更)したときに、入力器8から補正量決定部76に対し前記リセット信号rが出力されるものとすればよい。なお、入力器8にリセット信号rを出力するためのリセットスイッチを設け、作業者が緯糸9の給糸体39を交換したときにこのリセットスイッチを押すことによって、入力器8から補正量決定部76に対しリセット信号rが出力されるものとしてもよい。また、補正量決定部76の入力端を前記織機制御装置6と接続し、織機制御装置6が緯糸9の結び目の自動排出(いわゆるテール排出)を行ったときに、織機制御装置6から補正量決定部76に対しリセット信号rが出力されるものとしてもよい。
(7)駆動開始タイミングの補正について、前記実施例では、補正量決定部76が補正パターンに従って係止解除タイミング又は開放タイミングの一方の補正量のみを求め、補正部77がその補正量を求められた一方の駆動開始タイミングについて補正を行うものとしたが、これに代えて、補正量決定部76が係止解除タイミング及び開放タイミングの両方の補正量を求めて補正部77へ出力し、補正部77が補正パターンに従って一方の駆動開始タイミングについてのみ補正を行うものとしてもよい。なお、この場合における補正パターンについては、補正部77で記憶されるものとなる。
具体的には、補正量決定部76は、比較器74から偏差信号dが出力されると、この偏差信号dに基づく補正量について、係止解除タイミング及び開放タイミングの両方の補正量を求めると共に、これらの補正量に応じたそれぞれの補正量信号Δta、Δtbを補正部77へ出力する。そして、補正部77は、補正量決定部76から補正量信号Δta、Δtbが出力されると、記憶している補正パターンに基づいて補正の対象となる駆動開始タイミングを把握し、その駆動開始タイミングの設定値を記憶器72から読み出して補正する。これにより、補正パターンによってそのときの製織サイクルにおいて補正の対象となっている駆動開始タイミングのみが補正され、その補正された一方の駆動開始タイミングが記憶器72に出力されて、記憶器72において新たな設定値として記憶される。
(8)解舒タイミングに関する基準値について、前記実施例では、入力器8から入力設定された値を比較器74で記憶するものとしたが、これに代えて、織機制御装置6で検出される解舒タイミングの検出値に基づいて算出することにより求めるものとし、その求められた算出値を予め設定された基準値として比較器74で記憶するものとしてもよい。例えば、図2の構成において、織機制御装置6は、過去1000回分の緯入れにおける解舒タイミングの検出値の平均値(算出値)を求めて比較器74へ出力し、比較器74では、その平均値(算出値)を予め設定された基準値として記憶すると共に、検出値と比較して偏差を求めるために用いるものとすればよい。
1 緯入れ装置
2 緯入れノズル
21導水管
22導水管
23ポンプ
24給水タンク
25カム
3 緯糸貯留装置
31緯糸係止装置
32係止ピン
33ソレノイド
34貯留ドラム
39給糸体
4 クランパ装置
41可動把持片
42固定把持片
5 解舒センサ
6 織機制御装置
7 緯入れ制御装置
71駆動制御器
72記憶器
73駆動開始タイミング補正装置
74比較器
75タイミング補正器
76補正量決定部
77補正部
8 入力器
9 緯糸
11主軸
12織前
ENエンコーダ
d、d’ 偏差信号
Δt、Δta、Δtb補正量信号
r リセット信号

Claims (2)

  1. 係止ピンによって緯糸を係止することにより貯留ドラム上に緯糸を貯留すると共に予め設定された係止解除タイミングの設定値に従って前記係止ピンが緯糸の係止を解除する緯糸貯留装置と、前記係止ピンによる緯糸の前記係止が解除された状態で行われる緯入れ時において前記貯留ドラム上から解舒される緯糸を検知する解舒センサと、緯入れノズルと前記緯糸貯留装置との間に設けられて緯糸を把持すると共に予め設定された開放タイミングの設定値に従って緯糸の前記把持を開放するクランパとを備えた水噴射式織機用の緯入れ制御方法であって、
    前記解舒センサからの信号に基づいて検出された解舒タイミングの検出値と予め設定された前記解舒タイミングに関する基準値とを比較して偏差を求めると共に、
    予め設定された製織サイクル単位の補正パターンに従い、前記偏差に基づいて求められた補正量により、前記係止解除タイミング及び前記開放タイミングの補正を交互に行う
    ことを特徴とする水噴射式織機用の緯入れ制御方法。
  2. 係止ピンによって緯糸を係止することにより貯留ドラム上に緯糸を貯留すると共に予め設定された係止解除タイミングの設定値に従って前記係止ピンが緯糸の係止を解除する緯糸貯留装置と、前記係止ピンによる緯糸の前記係止が解除された状態で行われる緯入れ時において前記貯留ドラム上から解舒される緯糸を検知する解舒センサと、緯入れノズルと前記緯糸貯留装置との間に設けられて緯糸を把持すると共に予め設定された開放タイミングの設定値に従って緯糸の前記把持を開放するクランパとを備えた水噴射式織機用の緯入れ制御装置であって、
    前記解舒センサから出力された信号に基づいて検出された解舒タイミングの検出値と予め設定された前記解舒タイミングに関する基準値とを比較して偏差を求める比較器と、
    前記比較器で求められた偏差に基づき、前記係止解除タイミング及び前記開放タイミングの補正量を求めると共にその補正量によって前記係止解除タイミング及び前記開放タイミングを補正するタイミング補正器とを備え、
    前記タイミング補正器は、予め設定された製織サイクル単位の補正パターンに従い、前記係止解除タイミング及び前記開放タイミングの補正を交互に行う
    ことを特徴とする水噴射式織機用の緯入れ制御装置。
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