JP6250625B2 - スクライビングホイール - Google Patents

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Description

本発明は脆性材料基板に圧接・転動させてスクライブするためのスクライビングホイールに関するものである。
従来のスクライビングホイールは、超硬合金製又は多結晶焼結ダイヤモンド(以下、PCDという)製の円板を基材としている。PCDはダイヤモンド粒子をコバルトなどと共に焼結させたものである。スクライビングホイールは基材となる円板の両側より円周のエッジを互いに斜めに削り込み、円周面にV字形の刃先を形成したものである。このようにして形成されたスクライビングホイールをスクライブ装置のスクライブヘッド等に回転自在に軸着して脆性材料基板に所定の荷重で押し付け、脆性材料基板の面に沿って移動させることで、転動させながらスクライブすることができる。
特許文献1にはガラス基板を切断するためのガラス切断用刃に関し、その寿命を長くするために、V字形状の刃先表面をダイヤモンドで被膜したガラス切断用刃が開示されてい
る。このガラス切断用刃は、ダイヤモンドと相性の良いセラミックで形成された刃先表面にダイヤモンド膜を被覆し、このダイヤモンド膜を表面研磨処理して整形される。このようなガラス切断用刃を用いることにより、刃の寿命が長く、また切断面が平滑となるように高硬度ガラスを切断できると示されている。
また、特許文献2には、光ファイバやガラス基板等を切断する際に滑りや切断品位の悪化を防止するため、超硬合金等の基材にダイヤモンド層を被覆したダイヤモンド被覆切断刃が開示されている。この文献ではダイヤモンド層の表面は被覆後に平滑化処理をしないことを特徴としている。
一方、ダイヤモンド被膜の研磨を行う場合には、研磨によって膜厚が研磨前よりも薄くなるため、平滑化処理を行わない場合よりも成膜時の膜厚を厚くする必要がある。従来から、膜厚を厚くするためには、ダイヤモンドの成膜時間を長くすることや、ダイヤモンド膜を多層に重ねることが行われてきた。特許文献3には表面および断面の結晶粒径が2μm以下となるように、核付着処理および結晶成長処理を繰り返して形成された微結晶の多層構造を成しているダイヤモンド被膜を有するダイヤモンド被覆工具が記載されている。このようにダイヤモンド膜を多層とすることにより、ダイヤモンドの結晶粒径を小さく維持し、被膜表面の凹凸を軽減しながら、比較的厚いダイヤモンド被膜を形成することができる。
特開平04−224128号公報 特開2011−126754号公報 特許第3477162号公報 特許第3074143号公報
特許文献1に記載のガラス切断用刃を用いて実際に脆性材料基板をスクライブする場合には、刃先の欠け、ダイヤモンド被膜の剥離などが起こりやすいという問題が生じることが分かった。特許文献2に記載のダイヤモンド被覆切断刃においても、その表面に平滑化処理がされていないことから、脆性材料基板をスクライブすると基板の端面精度が研磨を行わない場合に比べて悪化し、このために端面強度が劣るという問題点があった。
また特許文献3に記載のダイヤモンド被膜は薄い被膜が多数重なっている多層構造であるため、被膜の層内及び層間の性質が均一ではない。このため、スクライビングホイールに特許文献3に記載のダイヤモンド被膜を形成し、被膜表面を研磨しようとしても、均一に研磨を行うことが難しい。さらに、研磨後のスクライビングホイールにおいては研磨によって刃先表面に現れた被膜の粒径等が層内・層間で均一ではないために、磨耗しやすい部分と磨耗し難い部分がホイール刃先に生じ、脆性材料基板をスクライブすると刃先の一部が過度に磨耗して、スクライビングホイールの寿命が短くなるという問題がある。また、磨耗によるスクライビングホイールの変形により、ダイヤモンド被膜の剥離が起こりやすく、さらにスクライビングホイールの寿命が短くなる。
更に特許文献4はスクライビングホイールの円周面に所定間隔を隔てて多数の溝を形成し、その間を突起として高浸透型としたスクライビングホイールが記載されている。このようなスクライビングホイールに特許文献3に記載のダイヤモンド被膜のような多層のダイヤモンド被膜を適用する場合には、通常ダイヤモンド被膜の上から溝加工を行うこととなる。この溝の深さが膜の一層の厚さよりも深くなる場合、溝の側面に磨耗しやすい部分と磨耗し難い部分が現れることとなり、溝の磨耗・カケなどが起こって溝の形状を保ち難くなるという問題がある。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、ダイヤモンド膜を被覆したスクライビングホイールにおいて、脆性材料基板をスクライブし、ブレイクしたときの脆性材料基板の端面強度や端面精度を向上させることができるとともに、刃先が磨耗し難く、長寿命のスクライビングホイールを提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明のスクライビングホイールは、円周部に沿って稜線が形成され、前記稜線と前記稜線の両側の傾斜面からなる刃先を有するスクライビングホイール基材と、前記スクライビングホイール基材の刃先表面に形成された平均粒径4〜8μmのダイヤモンド粒子からなる単層のダイヤモンド膜と、を具備し、前記ダイヤモンド膜の稜線を含む帯状の領域における算術平均粗さRaが0.03μm以下であり、前記稜線付近の膜厚を5〜25μmとし、前記稜線を含む帯状の領域の幅の値が10〜30μmであることを特徴としたものである。
ここで、前記ダイヤモンド膜の研磨前の角度が110°〜140°であるようにしてもよい。
ここで前記研磨領域の稜線部分を所定間隔で切り欠いた溝を有し、その間を突起とするようにしてもよい。
このような特徴を有する本発明によれば、スクライビングホイール基材にダイヤモンド微粒を付着させ結晶を成長させることによって、単層構造のダイヤモンド膜を形成している。このためダイヤモンド膜を均一にすることができ、その後の研磨加工の精度を向上させることが容易にできる。また、膜が均一であるため、硬度の高い脆性材料基板をスクライブする際に刃先表面が均一に磨耗することから、磨耗性が向上する。そしてスクライビングホイールの刃先の面粗さを小さくすることができ、脆性材料基板の端面精度が向上し、端面強度も向上させることもできるという効果が得られる。又硬度の高い脆性材料基板をスクライブする場合にも、稜線の部分に微細な凹凸に起因する欠けや剥離が生じ難くなるという効果が得られる。
図1は本発明の第1の実施の形態によるスクライビングホイールの正面図、の側面図である。 図2Aは第1の実施の形態による刃先の研磨前の稜線部分の拡大断面図である。 図2Bは第1の実施の形態による研磨後の稜線部分の拡大断面図である。 図3Aは本発明の第2の実施の形態によるスクライビングホイールの正面図である。 図3Bは第2の実施の形態による研磨後の稜線部分の拡大断面図である。 図3Cは図3Aに示す円形部分の拡大図である。 図4Aは実施例1によるスクライビングホイールの研磨前後の刃先角度と算術平均粗さを示す図である。 図4Bは実施例2によるスクライビングホイールの研磨前後の刃先角度と算術平均粗さを示す図である。 図4Cは実施例3によるスクライビングホイールの研磨前後の刃先角度と算術平均粗さを示す図である。
図1(a)は本発明の第1の実施の形態によるスクライビングホイールの正面図、図1(b)はその側面図である。スクライビングホイールを製造する際には、例えば、超硬合金、又はセラミック製のスクライビングホイール基材となる円板11の中央にまず図1(a)に示すように軸穴となる貫通孔12を形成する。次にこの貫通孔12に図示しないモータ等のシャフトを連通して貫通孔12の中心軸を回転軸12aとして回転させつつ、円板11の全円周を円板の表裏両側より回転軸12aに対して斜めに研磨して図1(b)に示すように斜面と稜線からなる垂直断面V字形に形成する。こうして形成したV字形の斜面を研磨面13とする。
次に研磨面13に形成するダイヤモンド薄膜の形成について説明する。まずV字形の研磨面13をダイヤモンド膜の付着が容易になるようにあらかじめ粗面にしておく。次にスクライビングホイール基材を所定の温度、圧力、雰囲気等に保ち、研磨面の表面にダイヤモンドの核を生成する。この核は単結晶ダイヤモンドや単結晶ダイヤモンドを凝集したものから成っており、その外径が例えば数nm〜数十nmである。そしてダイヤモンド核を化学気相成長法(CVD法)によって成長させ、ダイヤモンド薄膜とする。この成長ではダイヤモンドの平均粒径を2〜10μm、好ましくは4〜8μm、より好ましくは5μm程度とし、膜厚は例えば10〜30μmとする。ダイヤモンドの粒径が10μmを超えると研磨を行っても表面粗さを十分小さくすることが困難である。さらに粒ダイヤモンドの粒径が10μmを超えると耐磨耗性が低下する。また、ダイヤモンド膜は膜厚が30μmを超えると成膜時に剥離し易くなり、10μm未満であれば研磨後の膜厚が薄くなりすぎる。このようにして図2Aに刃先の稜線付近の拡大断面図を示すように研磨面13の上に単層のダイヤモンド膜14を形成することができる。ダイヤモンド膜14は単層であるため、層間のダイヤモンドの粒径の違いが生じることはなく、ダイヤモンド膜を均一にすることができるため、その後の研磨加工の精度を向上させることができる。また、層内においても、ダイヤモンドの核付近とダイヤモンド膜の表面付近ではダイヤモンド膜の性状が異なっているが、ダイヤモンド膜14の厚さを10〜30μmと十分厚くしていることから、研磨後にも性状の異なるダイヤモンドの核付近の部分がスクライビングホイールの刃先表面に現れることがない。したがって、硬度の高い脆性材料基板をスクライブする際にも、刃先表面に特に剥離の原因となる箇所や磨耗しやすい箇所などが現れることがなく、スクライビングホイールの耐磨耗性及び寿命を向上させることができる。
ここで研磨面13上にダイヤモンド膜14を形成すると、膜表面にダイヤモンド結晶の凹凸が形成されるため、この凹凸を走査電子顕微鏡(SEM)によって検出することでダイヤモンド粒子の平均粒径を測定することができる。SEMは分解能が0.5〜4nm程度であるため、ダイヤモンド膜上に形成された凹凸の数カ所を測定して表面に現れる結晶の直径(長径の長さ)を測定し、平均粒径を算出する。このようにSEMで測定する場合には、表面の観察のみで平均粒径を測定することができる。この測定方法では所定の数値範囲を示すものは、研磨した際に大体同様の表面粗さと考えることができる。
この後、少なくともダイヤモンド膜の先端部分を先端が鋭くなるように研磨する。図2Bはこの研磨した後の状態を示す部分拡大断面図である。ここで研磨は粗研磨と仕上げ研磨の2段階としてもよく、元のダイヤモンド膜14よりも例えば5°程度鈍角になるようにしてもよい。粗研磨と仕上げ研磨の2段階の研磨を行うことで、加工時間を短縮しながら、研磨後の研磨面及び稜線の表面粗さを十分小さくすることができる。そして研磨した後の稜線から成る円が含まれる面を回転軸12aに対し垂直となるようにする。ここで研磨する領域は稜線を中央に含む帯状の部分のみであってもよい。図2Bの研磨の幅wの領域はこの先端部分、すなわち稜線の両側のダイヤモンド膜の研磨領域を示しており、例えば幅wの値は10〜30μmとする。こうして前述した膜厚のダイヤモンド膜を研磨すると、単層構造のダイヤモンド膜14の稜線付近の最も薄い部分の厚さdは例えば5μm〜25μmとなる。厚さdは小さければスクライブ中にダイヤモンド膜が剥離する可能性があり、大きすぎれば内部応力で割れ易いという問題がある。さらに、研磨後においてもダイヤモンド膜14の厚さが5〜25μmと十分厚くなっていることから、性状の異なるダイヤモンドの核付近の部分がスクライビングホイールの刃先表面に現れることがない。したがって、刃先表面の粒径や性状を均一にすることができ、特に剥離の原因となる箇所や磨耗しやすい箇所などが現れることがなく、スクライビングホイールの耐磨耗性及び寿命を向上させることができる。
スクライビングホイールは、砥石などの研磨材によって研磨される。スクライビングホイールの刃先に形成されたダイヤモンド膜の一方の傾斜面を砥石によって粗研磨又は仕上げ研磨を行う。砥石によって加工することにより、両傾斜面の粗さを等しくすることや、スクライビングホイールの全周にわたって傾斜面を同一の角度で研磨したり、スクライビングホイールの稜線を側面視で直線にしたりすることが容易となる。一方の面の研磨を終えると、他方の面についても同様に研磨する。この研磨工程では研磨後の傾斜面の算術平均粗さRaが0.03μm以下、好ましくは0.015μm以下となるまで研磨する。また、稜線の算術平均粗さRaが0.03μm以下、好ましくは0.015μm以下となるまで研磨することが好ましい。
このように研磨することによって従来の焼結ダイヤモンドによるスクライビングホイールに比べ、脆性材料基板に接するダイヤモンド膜の平均粗さが小さくなるため、刃先部分及び稜線の粗さを細かくすることができる。従ってこのスクライビングホイールを用いて脆性材料基板、例えばセラミックス基板をスクライブし、分断すると、脆性材料基板の切断面の端面精度が向上し、これに伴い端面強度も向上させることができるという効果が得られる。さらに、刃先及び稜線の粗さを細かくすることにより、ダイヤモンド膜が剥離し難くなるという効果が得られる。そのため本発明のスクライビングホイールはセラミックス基板等の高硬度脆性材料基板をスクライブするのに好適である。
さて前述したようにダイヤモンド膜14を形成した後、ダイヤモンド膜14の全ての面を研磨した場合には、研磨後は直接SEMでダイヤモンド粒子の凹凸を検出することができないため、粒径自体も測定することができない。そこでダイヤモンド膜を研磨した後であっても、ダイヤモンド膜14のダイヤモンド粒子が所望の粒径を有しているかどうかを確認するため、研磨した部分について粒径を測定する方法について以下説明する。
電子後方散乱回折法(EBSD法)によると、試料に60〜70°傾斜した角度から電子線を照射すれば、試料の表面から50nm以下の領域で回折電子線が得られる。この後方散乱回折を解析することによって、結晶性材料の方位解析の情報が得られる。この情報を利用して、ダイヤモンド膜を研磨した後であっても多結晶ダイヤモンドの結晶粒径を観察することができる。
EBSD法の有効性を確認するため、研磨前に膜表面の測定で平均粒径2〜8μmとなる、基材稜線角100°、ダイヤモンド膜稜線角120°のスクライビングホイールを試料として用いて、EBSD法により測定を試みた。そして試料となるスクライビングホイールの表面に凹凸等があると、パターンが検出できない場合があるため、スクライビングホイールのダイヤモンド膜14に対し前処理(精密な研磨)を行った。又スクライビングホイール基材からの距離によってもダイヤモンド結晶の大きさが異なることから、ダイヤモンド膜の一部を厚さ方向に削り込み、基材を露出させ、基材からの距離の異なる複数のブロックに分けた。そして夫々のブロックに電子線を照射し、反射電子によって形成されたEBSDパターンを高感度CCDカメラにより画像として取り込み、画像処理装置で処理を行い、データ解析システムにより結晶粒のマッピングを行った。
EBSD法によると、以下のA〜Dの解析方法、
A:双晶粒界を結晶粒界とし、平均(算術平均)を算出する場合
B:双晶粒界を結晶粒界とし、面積比による加重平均を算出する場合
C:双晶粒界を結晶粒界とせず、平均(算術平均)を算出する場合
D:双晶粒界を結晶粒界とせず、面積比による加重平均を算出する場合
によって大きく測定結果が異なる。このとき粒径として得られた結果は、解析方法によりほぼA<C<B<Dとなっているが、いずれの場合であっても2.5μm以下であった。この結果からEBSD法によると、膜表面で粒径を観察した場合より小さな数値が算出される。これは、おそらくダイヤモンド結晶が成長して膜を形成する際に、成長に従って粒径が大きくなっていくことから、膜表面には小さな結晶が現れないためと考えられる。
以上の測定によると、膜表面における測定で平均粒径2〜8μmのダイヤモンド膜の内
部を測定すると、解析方法によって異なるが、どの解析方法においても平均粒径は2.5μm以下となる。このことから、膜表面がすべて研磨されている場合でも、平均粒径が3μm以下であれば表面の平均粒径は2〜10μmであると考えられる。従って図2Bに示すようにダイヤモンド膜14を研磨した後であっても、表面の平均粒径を推定することができる。
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。日本国特許第3074143号にはスクライビングホイールの円周面に所定間隔を隔てて多数の溝を形成し、その間を突起として高浸透型としたスクライビングホイールが提案されている。本発明はこのようなスクライビングホイールにも適用することができる。図3Aはこの実施の形態のスクライビングホイールの正面図、図3Bは先の稜線部分の拡大断面図、図3Cは図3Aに一点鎖線で示した円形部分の拡大図である。スクライビングホイールを製造する際には、超硬合金、又はセラミック製等のスクライビングホイール基材となる円板31の中央にまず図3Aに示すように軸穴となる貫通孔32を形成する。次にこの貫通孔32にモータ等のシャフトを連通して中心軸を中心に回転させつつ、円板31の全円周を両側より研磨してV字形に形成しスクライビングホイール基材31とする。こうして形成したV字形の斜面を研磨面33とする。この場合も第1の実施の形態と同様にスクライビングホイールの刃先部分にCVD法によって単層のダイヤモンド膜34をコーティングし、前述した方法で研磨する。ダイヤモンド膜34を20μmとすると、図3Cに示すようにダイヤモンド膜34の厚みの範囲内で溝35を形成する。高浸透型とするためのスクライビングホイールの溝の深さは例えば10μm程度であるため、ダイヤモンド膜34に溝35を形成することで高浸透型のスクライビングホイールとすることができる。
このように、ダイヤモンド膜34に溝35を形成しても、ダイヤモンド膜が単層で膜内の性質が均一であることから、多数の溝を均一に加工することが容易であり、また、スクライブの際に、ダイヤモンド膜34の稜線部分のカケや磨耗が生じ難くなる。したがって、より長寿命のスクライビングホイールを得ることができる。
又これに代えてあらかじめスクライビングホイールのV字形の刃先部に溝を形成しておき、このスクライビングホイールにCVD法でダイヤモンド膜をコーティングし研磨することでスクライビングホイールを構成するようにしてもよい。
実施例によるスクライビングホイールの研磨前の状態と研磨後の状態について説明する。実施例1〜3は、いずれも外径2mmの超硬合金のスクライビングホイール基材に対し化学気相成長法で単層のダイヤモンド膜を形成した第1の実施の形態によるスクライビングホイールである。実施例1は研磨前の刃先角度が110°であり、粗研磨では8000番の研磨材を用いて粗研磨終了後に刃先角度が115°となるように研磨し、仕上げ研磨では15000番の研磨材を用いて仕上げ研磨の終了後に120°となるように研磨したものである。ダイヤモンド膜14の稜線付近の最も薄い部分の厚さdは例えば20μmとする。実施例1について稜線部分及びそこから一定距離離れた稜線に平行なライン上の傾斜面における算術平均粗さRaは図4Aに示すものであった。
実施例2は研磨前の刃先角度が125°であり、8000番の研磨材を用いて粗研磨後に130°、15000番の研磨材を用いて仕上げ研磨後に135°となるように研磨したものである。実施例2について稜線部分及びそこから一定距離離れた稜線に平行なライン上の傾斜面における算術平均粗さRaは図4Bに示すものであった。
実施例3は刃先角度が研磨前に140°であり、8000番の研磨材を用いて粗研磨後に145°、15000番の研磨材を用いて仕上げ研磨後に150°となるように研磨したものである。実施例3について稜線部分及びそこから一定距離離れた稜線に平行なライン上の傾斜面における算術平均粗さRaは図4Cに示すものであった。
実施例1〜3は、いずれも研磨時には表面が欠けることなく研磨加工が可能であった。実施例1〜3は粗研磨、仕上げ研磨を行うことにより算術平均粗さが小さくなり、仕上げ研磨後の算術平均粗さは最大でも実施例1の斜面の0.022μmであった。従ってこのスクライビングホイールを用いてスクライブ後に切断した脆性材料基板の端面精度を向上させることができる。
本発明のスクライビングホイールは耐磨耗性、耐剥離性が高く、端面強度の高い脆性材料基板を切り出せるスクライビングホイールを提供することができ、スクライブ装置に好適に用いることができる。
10,30 スクライビングホイール
11,31 円板
12,32 貫通孔
13,33 研磨面
14,34 ダイヤモンド膜
16 円周面
35 溝

Claims (3)

  1. 円周部に沿って稜線が形成され、前記稜線と前記稜線の両側の傾斜面からなる刃先を有するスクライビングホイール基材と、
    前記スクライビングホイール基材の刃先表面に形成された平均粒径4〜8μmのダイヤモンド粒子からなる単層のダイヤモンド膜と、を具備し、
    前記ダイヤモンド膜の稜線を含む帯状の領域における算術平均粗さRaが0.03μm以下であり、前記稜線付近の膜厚を5〜25μmとし、前記稜線を含む帯状の領域の幅の値が10〜30μmであることを特徴とするスクライビングホイール。
  2. 前記ダイヤモンド膜の研磨前の角度が110°〜140°である請求項1に記載のスクライビングホイー
  3. 前記ダイヤモンド膜の稜線部分を所定間隔で切り欠いた溝を有し、その間を突起とした請求項1記載のスクライビングホイール。
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