JP6250150B2 - 管用ねじ継手用めっき液及び管用ねじ継手の製造方法 - Google Patents

管用ねじ継手用めっき液及び管用ねじ継手の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、めっき液に関し、さらに詳しくは、管用ねじ継手用めっき液及びそのめっき液を用いた管用ねじ継手の製造方法に関する。
油田や天然ガス田に使用される鋼管(油井管(OCTG)と称される)は十数メートルの単位長を有する。鋼管同士はねじ継手により連結され、油井管の全長は数千メートルにもなる。
管用ねじ継手はT&C(Threaded and Coupled)型と、インテグラル型とに分類される。
T&C型の管用ねじ継手は、2つの鋼管の端部に形成された2つのピンと、鋼管より一回り外径の大きな短管のカップリングの両端に形成された2つのボックスとを含む。各ピンは雄ねじが形成された外面を有する。各ボックスは雌ねじが形成された内面を有する。各ピンが各ボックスに挿入され、ねじ締めされる。つまり、T&C型の管用ねじ継手では、カップリングを介して2つの鋼管が接続される。
一方、インテグラル型の管用ねじ継手は、第1鋼管の端に形成されたボックスと、第2鋼管の端に形成されたピンとを含む。第1鋼管のボックスに第2鋼管のピンが挿入され、ねじ締めされて、第1及び第2鋼管は互いに連結される。要するに、インテグラル型の管用ねじ継手では、第1鋼管が第2鋼管に直接連結される。インテグラル型の管用ねじ継手を利用すれば、カップリングは不要である。従って、カップリングの肉厚分の外側へのはみ出しがなく、外側にある鋼管の内面と干渉しない。そのため、インテグラル型の管用ねじ継手は、水平掘削など特殊用途に使用される。
一般的に、管用ねじ継手には、接続された鋼管の自重による軸方向の引張力に耐えること、及び、内外の流体の圧力に耐えることが要求される。
管用ねじ継手にはさらに、耐焼付き性が要求される。具体的には、ケーシング(大径サイズ)では4回以上、チュービング(小径サイズ)では10回以上の繰り返し使用によっても良好な耐焼付き性が要求される。従来、耐焼付き性を高めるため、管用ねじ継手のピン又はボックスの接触表面には、銅めっき皮膜が形成されたり、リン酸塩処理等の表面処理が実施される。ここで、接触表面は、ピン及びボックスが互いに接触する表面部分であって、ねじが形成されているねじ部と、ねじが形成されていないねじ無し金属接触部とを含む。シール部は、ねじ無し金属接触部に相当する。
耐焼付き性をさらに高めるために、ねじ締め(メイクアップ)前にピン又はボックスの接触表面にドープが塗布される。ドープとは、Pb等の重金属を含有するコンパウンドグリスである。
しかしながら、重金属は環境に影響を与える可能性があるため、重金属を含有するドープの使用は制限されつつある。そのため、最近では、Pb、Zn及びCu等の重金属を含有しないドープ(グリーンドープと称する)が開発されている。しかしながら、グリーンドープは従来のドープよりも耐焼付き性が低い。
ドープを使用せずに耐焼付き性を高める技術として、1)フッ素樹脂の粉末をめっき皮膜に分散混合する方法、2)スパッタリングにより潤滑性保護皮膜を形成する方法、及び、3)コンパウンドグリスの代わりに固体潤滑皮膜を用いる方法、等が提案されている。しかしながら、これらの技術では、従来のドープと比較して、耐焼付き性が低い。
特開2003−74763号公報(特許文献1)及び特開2008-215473号公報(特許文献2)は、耐焼付き性(耐ゴーリング性)に優れた管用ねじ継手を提案する。特許文献1では、管用ねじ継手のうち、ねじ部とねじ無し金属接触部にCu-Sn合金層を形成する。さらに、特許文献2では、ねじ部とねじ無し金属接触部にCu-Zn-M1合金層(M1は、Sn、Bi及びInから選ばれた1種又は2種以上の元素)を形成する。
特開2003−74763号公報 特開2008−215473号公報
しかしながら、特許文献1では、ピンとボックスとの界面(めっき皮膜が形成された表面とめっき皮膜が形成されていない表面との接触面)で腐食(隙間腐食)が発生しやすい。特に、グリーンドープ又は固体潤滑剤が利用された場合、隙間腐食が発生しやすい。特許文献2では、隙間腐食は抑制される。しかしながら、鋼管を連結することなく長期間保管する場合、その環境によって、めっき皮膜の欠陥(ポロシティ)を通じて点錆が発生する場合がある。つまり、暴露腐食が発生する場合がある。
本発明の目的は、耐焼付き性、耐隙間腐食性及び耐暴露腐食性に優れためっき皮膜を形成するための管用ねじ継手用めっき液、及び、そのめっき液を用いた管用ねじ継手の製造方法を提供することである。
本実施形態のめっき液は、管用ねじ継手用めっき液である。めっき液は、シアン化合物を含有せず、ピロリン酸銅と、ピロリン酸スズと、ピロリン酸亜鉛と、金属錯化剤としてのピロリン酸塩と、40g/L以下(0を含まない)の硫黄含有化合物とを含有する。硫黄含有化合物は、化学式(1)で定義されるメルカプト化合物、スルフィド化合物、メルカプト化合物のジスルフィド結合による二量体、及びこれらの塩類の1種又は2種以上である。
RS−(CHX1m−(CHX2n−CHX34 (1)
ここで、m、nは、1又は0の整数である。X1、X2、X3及びX4は、水素、OH、NH2、SO3H及びCO2Hのいずれかである。ただし、X1、X2、X3及びX4のいずれもが水素であることはない。Rは水素、メチル基及びエチル基のいずれかである。
本実施形態による管用ねじ継手の製造方法は、上記のめっき液を準備する工程と、上記めっき液を用いて、管用ねじ継手のピン又はボックスに対して電気めっき処理を実施して、ピン又はボックスに、Cu−Sn−Zn合金めっき皮膜を形成する工程とを備える。
本実施形態のめっき液を用いて製造された管用ねじ継手は、耐焼付き性、耐隙間腐食性及び耐暴露腐食性に優れる。
本発明者らは、管用ねじ継手での焼付き、及び腐食の発生メカニズムについて調査し、その対策について検討した。その結果、本発明者らは次の知見を得た。
管用ねじ継手でねじ締め(メイクアップ)とねじ戻し(ブレイクアウト)とを繰り返す場合、ピン及びボックスの接触表面同士が接触して摺動する。この場合、変形抵抗により、接触表面が発熱する。このとき、接触表面の一部の温度が局所的に融点以上に上昇する場合がある。融点以上に温度が上昇した表面部分において、金属同士が融着し、焼付きが発生する。
管用ねじ継手において、接触表面部分の融点が高く、かつ、硬度が高い場合、変形抵抗が小さい。この場合、優れた耐焼付き性が得られる。ピン又はボックスの接触表面に形成されるめっき皮膜が金属間化合物であれば、めっき皮膜の硬さ及び融点が高くなる。そのため、優れた耐焼付き性が得られる。
一方、特許文献1のCu−Sn合金めっき皮膜において、隙間腐食は次の理由で発生すると考えられる。電気化学的に、FeはCuよりも卑な金属である。そのため、Cu−Sn合金めっき皮膜が管用ねじ継手の表面に形成された場合、めっき皮膜中のCuと、Cuと接する卑な鋼(Fe)との間でミクロガルバニックセルが形成される。そのため、めっき皮膜と接触する非めっき部分(Fe)で腐食(隙間腐食)が発生する。
隙間腐食を抑制するために、Cu−Sn合金に、Feよりも卑な金属を含有する。具体的には、Cu−Sn合金にZnを含有し、Cu−Sn−Zn合金めっき皮膜にする。この場合、隙間腐食の発生は抑制される。
特許文献2においても、Cu−Sn−Zn合金めっき皮膜が開示されている。しかしながら、特許文献2では、Cu−Sn−Zn合金めっき皮膜を形成する場合、シアン化合物を含む水溶液からなるめっき液(以下、シアン化合物めっき液という)が使用される。
シアン化合物めっき液では、Cuをシアン化合物で錯化して、金属錯体を形成する。Cuを金属錯体とすることにより、Cuの析出電位を卑にシフトさせることができる。そのため、電気めっき処理において、Cuだけが過剰に析出することなく、析出電位が卑なZnとともに、適切な量のCuが析出(共析)する。その結果、Cu−Sn−Zn合金めっき皮膜が形される。
しかしながら、シアン化合物によるめっき液を用いてCu−Sn−Zn合金めっき皮膜を形成する場合、保管環境、保管期間等により、Cu−Sn−Zn合金めっき皮膜上に点錆が発生する場合がある。つまり、このCu−Sn−Zn合金めっき皮膜では、耐暴露腐食性が高いとはいえない。点錆が発生するメカニズムは次のとおりと考えられる。シアン化合物を利用した場合、電気めっき処理での電流効率が低下する。電気めっき処理では、金属の析出反応とともに水素が発生する。シアン化合物を利用した電気めっき処理では、電気量の多くが水素の発生に利用される。そのため、発生した水素により、めっき皮膜中に微細な空孔欠陥(ポロシティ)が形成される。ポロシティが連結すれば、酸素が、めっき皮膜の外面からポロシティを介してめっき皮膜内に浸入し、めっき皮膜下の鋼材(Fe)に至る。この場合、点錆が発生する。
さらに、シアン化合物のめっき液は、酸性の液と混合された場合、有毒な青酸ガスを発生する。電気めっき処理においては一般的に、めっき皮膜を形成する前に、非常に薄いめっき皮膜(Niめっき皮膜等)が形成される。この処理をストライク処理という。ストライク処理を実施して薄膜のめっき皮膜が形成されれば、その後の電気めっき処理により形成されるめっき皮膜の鋼材への密着性が高まる。ストライク処理に用いられるめっき液(ストライク液)は、酸性の液体である。
T&C型の管用ねじ継手の場合、ストライク液がたまるストライク槽、水洗用の水槽、及びめっき液がたまるめっき槽がそれぞれ準備される。ボックスが形成されたカップリングをストライク槽に浸漬してストライク処理を実施する。次に、ストライク処理後のボックスを水槽に浸漬して、水洗する。水洗により、酸性のストライク液はカップリングからほぼ完全に除去される。そのため、次工程の電気めっき処理で使用するめっき槽にシアン化合物が含まれていても、青酸ガスは発生しない。
T&C型の管用ねじ継手のカップリングは短管であるため、槽に浸漬できる。しかしながら、インテグラル型の管用ねじ継手の場合、ピン又はボックスを浴槽に浸漬することは困難である。インテグラル型の管用ねじ継手の全長は通常、数十メートルに及ぶからである。したがって、インテグラル型の管用ねじ継手のピン又はボックスにめっき皮膜を形成する場合、上述の方法とは異なる他の方法で電気めっき処理が実施される。
たとえば、インテグラル型の管用ねじ継手の電気めっき処理は、次の方法で実施される。インテグラル型の管用ねじ継手のピン又はボックスに、密閉可能なカプセルを取り付ける。そして、カプセル内にストライク液を供給してストライク処理を実施する。次に、カプセル内のストライク液を排出する。ストライク液を排出後、カプセルにめっき液を供給し、電気めっき処理を実施する。
このような工程により電気めっき処理を実施する場合、カプセル内に残存したストライク液とめっき液とが混合してしまう場合があり得る。この場合、青酸ガスが発生し得る。したがって、シアン化合物を含有するめっき液を利用するのは好ましくない。
本発明者らは、シアン化合物を含まず、かつ、耐暴露腐食性に優れたCu−Sn−Zn合金めっき皮膜を形成可能なめっき液を検討した。その結果、本発明者らは次の知見を得た。
ピロリン酸塩を主成分としたアルカリ水溶液と還元性の高い硫黄含有化合物とを含有するめっき液を利用すれば、シアン化合物を含有しなくても、Cu−Sn−Zn合金めっき皮膜が形成可能である。
このめっき液で電気めっき処理を実施した場合、水素の発生が抑制される。具体的には、シアン化合物を含有するめっき液で電気めっき処理を実施した場合、電流効率は約30%である。この場合、めっき電流の約70%が水素発生に利用されている。一方、上述のピロリン酸塩及び高還元性硫黄含有化合物を含有するめっき液で電気めっき処理を実施した場合、電流効率は約80%である。したがって、このめっき液で形成されたCu−Sn−Zn合金めっき皮膜中のポロシティは少ない。そのため、点錆の発生が抑制され、優れた耐暴露腐食性が得られる。さらに、Cu−Sn−Zn合金めっき皮膜中のポロシティが少ないため、高い硬度を有する。そのため、耐焼付き性も高くなる。
以上の知見に基づいて完成された管用ねじ継手用めっき液は、シアン化合物を含有せず、ピロリン酸銅と、ピロリン酸スズと、ピロリン酸亜鉛と、金属錯化剤としてのピロリン酸塩と、40g/L以下(0を含まない)の硫黄含有化合物とを含有する。硫黄含有化合物は、化学式(1)で定義されるメルカプト化合物、スルフィド化合物、メルカプト化合物のジスルフィド結合による二量体、及びこれらの塩類の1種又は2種以上である。
RS−(CHX1m−(CHX2n−CHX34 (1)
ここで、m、nは、1又は0の整数である。X1、X2、X3及びX4は、水素、OH、NH2、SO3H及びCO2Hのいずれかである。ただし、X1、X2、X3及びX4のいずれもが水素であることはない。Rは水素、メチル基及びエチル基のいずれかである。
本実施形態のめっき液を利用して電気めっき処理を実施した場合、水素の発生が抑制される。そのため、電気めっき処理により形成されたCu−Sn−Zn合金めっき皮膜内のポロシティ量が抑えられる。その結果、点錆の発生が抑制され、耐暴露腐食性に優れる。Cu−Sn−Zn合金めっき皮膜はさらに、耐隙間腐食性に優れる。さらに、Cu−Sn−Zn合金めっき皮膜内のポロシティ量は少ないため、Cu−Sn−Zn合金めっき皮膜の硬さは高く、耐焼付き性に優れる。さらに、本実施形態のめっき液はシアン化合物を含有しなくてもCu−Sn−Zn合金めっき皮膜を形成できる。そのため、めっき処理において青酸ガスが発生する可能性がない。
本実施形態による管用ねじ継手の製造方法は、上記のめっき液を準備する工程と、上記めっき液を用いて、管用ねじ継手のピン又はボックスに対して電気めっきを実施して、ピン又はボックスに、Cu−Sn−Zn合金めっき皮膜を形成する工程とを備える。
以下、本実施形態の管用ねじ継手用めっき液及びそのめっき液を用いた管用ねじ継手の製造方法を詳述する。
[めっき液]
本実施形態のめっき液は、管用ねじ継手のピン又はボックスに対する電気めっき処理に利用される。めっき液は、シアン化合物を含有せず、ピロリン酸銅、ピロリン酸スズ及びピロリン酸亜鉛と、金属錯化剤と、添加剤と、溶媒とを含有する。本実施形態において、溶媒は水である。
[ピロリン酸銅、ピロリン酸スズ、及び、ピロリン酸亜鉛]
ピロリン酸銅、ピロリン酸スズ、及びピロリン酸亜鉛は、Cu−Sn−Zn合金めっき皮膜を形成するために必須の化合物である。めっき液中のピロリン酸銅含有量の好ましい下限は銅換算で1g/Lであり、さらに好ましくは3g/Lである。ピロリン酸銅含有量の好ましい上限は銅換算で50g/Lであり、さらに好ましくは15g/Lである。
めっき液中のピロリン酸スズ含有量の好ましい下限は錫換算で0.5g/Lであり、さらに好ましくは2g/Lである。めっき浴中のピロリン酸スズ含有量の好ましい上限は錫換算で50g/Lであり、さらに好ましくは14g/Lである。
めっき液中のピロリン酸亜鉛含有量の好ましい下限は亜鉛換算で0.5g/Lであり、さらに好ましくは1g/Lである。めっき液中のピロリン酸亜鉛含有量の好ましい上限は亜鉛換算で50g/Lであり、さらに好ましくは20g/Lである。
[金属錯化剤]
添加剤の作用効果を高めるために、めっき液はさらに、金属錯化剤としてのピロリン酸塩を含有する。金属錯化剤としてのピロリン酸塩はたとえば、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ピロリン酸アンモニウム、又は、これらの混合物である。
めっき液中の金属錯化剤としてのピロリン酸塩の好ましい含有量は、P比で6〜15である。P比のより好ましい上限は10であり、さらに好ましい上限は9である。ここで、P比は次の式(A)で定義される。
P比=めっき液中の金属錯化剤及び銅、スズ、亜鉛金属塩としてのピロリン酸塩中のP27の質量/めっき液中の銅、スズ及び亜鉛金属の質量 (A)
[硫黄含有化合物]
めっき液はさらに、添加剤として高還元性の硫黄含有化合物を含有する。硫黄含有化合物は、化学式(1)で定義されるメルカプト化合物及びスルフィド化合物、メルカプト化合物のジスルフィド結合による二量体、及びこれらの塩類の1種又は2種以上を含有する。
RS−(CHX1m−(CHX2n−CHX34 (1)
ここで、m、nは、1又は0の整数である。X1、X2、X3及びX4は、水素、OH、NH2、SO3H及びCO2Hのいずれかである。ただし、X1、X2、X3及びX4のいずれもが水素であることはない。Rは水素、メチル基及びエチル基のいずれかである。
硫黄含有化合物はたとえば、メルカプト酢酸、2−メルカプトプロピオン酸、2−アミノエタンチオール、2−メルカプトエタノール、1−チオグリセロール、メルカプトプロパンスルホン酸、ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド、メルカプトコハク酸、システイン、シスチン、メチオニン等である。硫黄含有化合物は、これらの化合物の組み合わせであってもよい。
上記高還元性の硫黄含有化合物は、卑な金属であるZnの共析を可能とするとともに、電気めっき処理中の水素の発生を抑制し、めっき皮膜中のポロシティ量を低減する。めっき液中の高還元性の硫黄含有化合物の含有量が高すぎれば、Cu−Sn−Zn合金めっき皮膜が形成されにくく、不めっき部が生じる場合がある。したがって、めっき液中の硫黄含有化合物の好ましい上限は40g/Lである。めっき浴中の硫黄含有化合物の好ましい下限は0.01g/Lである。
[界面活性剤]
めっき液はさらに、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤は、電気めっき処理中に発生した水素ガスを鋼材表面及びめっき皮膜から外部に排出しやすくする。めっき浴中の界面活性剤の好ましい含有量は0.0001g/L〜10g/Lである。
本実施形態のめっき液はシアン化合物を含有しない。上記めっき液は、シアン化合物を含有していないものの、電気めっき処理により、Cu−Sn−Zn合金めっき皮膜を形成することができる。
[管用ねじ継手の製造方法]
上述のめっき液を用いた管用ねじ継手の製造方法は次のとおりである。初めに、上述のめっき液を準備する。次に、管用ねじ継手のピン又はボックスの接触表面に対して、上記めっき液を用いた電気めっき処理を実施する。電気めっき処理方法は特に限定されない。管用ねじ継手がT&C型である場合、上述のめっき槽を用いて電気めっき処理を実施すればよい。また、インテグラル型の管用ねじ継手である場合、上述のカプセルを用いて電気めっき処理を実施してもよいし、他の方法で電気めっき処理を実施してもよい。電気めっき処理前にストライク処理を実施してもよい。以上の製造工程により、管用ねじ継手が製造される。電気めっき処理の条件(浴温、めっき液のpH、電流密度等)は周知の方法で適宜設定されれば、特に限定されない。電気めっき処理前に、脱脂又は酸洗等の前処理が実施されてもよい。
[管用ねじ継手に形成されためっき皮膜]
上述の製造方法により製造された管用ねじ継手は、ピン又はボックスに形成されたCu−Sn−Zn合金めっき皮膜を含む。Cu−Sn−Zn合金めっき皮膜は、Cuと、Snと、Znとを含有し、残部は不純物からなる。Cu−Sn−Znめっき皮膜中の好ましいCu含有量は40〜70質量%であり、好ましいSn含有量は20〜50質量%であり、好ましいZn含有量は2〜20質量%である。
Cu−Sn−Zn合金めっき皮膜の好ましい厚さは30〜40μmである。上述のとおり、Cu−Sn−Zn合金めっき皮膜の下には、Niめっき皮膜が形成されていてもよいし、Niめっき皮膜に代えて、Cuめっき皮膜が形成されていてもよい。
上記製造方法により製造されたCu−Sn−Zn合金めっき皮膜では、従来のシアン化合物を含有するめっき液で製造されたCu−Sn−Zn合金めっき皮膜と比較して、ポロシティ含有量が低い。そのため、上記製造方法で製造されたCu−Sn−Zn合金めっき皮膜を有する管用ねじ継手では、点錆が発生しにくく、優れた耐暴露腐食性が得られる。さらに、ポロシティ含有量が低いため、Cu−Sn−Zn合金めっき皮膜の硬さが高く、耐焼付き性に優れる。さらに、Cu−Sn−Zn合金めっき皮膜は、Cu−Sn合金めっき皮膜と比較して、耐隙間腐食性に優れる。
Cu−Sn−Zn合金めっき皮膜を有する管用ねじ継手同士をねじ締め(メイクアップ)する場合、ピン又はボックスの接触表面には、周知の潤滑皮膜が形成される。潤滑皮膜は、粘稠液体又は半固体の潤滑皮膜であってもよいし、固体潤滑皮膜であってもよい。また、下層の固体潤滑皮膜と上層の粘稠液体又は半固体の二層構造の潤滑皮膜であってもよいし、固体粉末を含有する潤滑皮膜であってもよい。固体粉末は潤滑効果を発揮する公知の物質であれば特に限定されるものではない。固体粉末はたとえば、黒鉛、MoS2(二硫化モリブデン)、WS2(二硫化タングステン)、BN(窒化ボロン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、CF(フッ化炭素)、CaCO3(炭酸カルシウム)等である。
本実施形態の製造方法で製造された管用ねじ継手は、従来の重金属を含むドープを利用する代わりに、上記の潤滑皮膜を利用しても、優れた耐焼付き性を示す。
表1に示す試験番号1〜8のめっき液を用いて、管用ねじ継手にめっき皮膜を形成した。得られためっき皮膜の均一性、耐焼付き性、隙間腐食性及び暴露防食性を調査した。
はじめに、複数の継目無鋼管を製造した。各継目無鋼管の化学組成は、13質量%のCrを含有した。各継目無鋼管の外径は244.5mmであり、肉厚は13.84mmであり、長さは1200mmであった。試験番号1〜7では、各鋼管の一方の管端内面に対して雌ねじ加工を実施してボックスを形成し、反対側の他方の管端外面に対して雄ねじ加工を実施してピンを形成してインテグラル型の管用ねじ継手を製造した。
試験番号8では、T&C型の管用ねじ継手のカップリングを準備した。カップリングの両端内面は雌ねじ加工が実施され、ボックスが形成された。カップリングの外径は267.2mm、肉厚は24.0mm、長さは335mmであった。
[めっき液の準備]
めっき液は、次の4種類を準備した。
(A−1)溶液:
・ピロリン酸スズ:スズ換算で10g/L
・ピロリン酸銅:銅換算で10g/L
・ピロリン酸亜鉛:亜鉛換算で10g/L
・ピロリン酸ナトリウム:300g/L
・P比=7.7
(C−1)溶液:
・メタンスルホン酸スズ:スズ換算で15g/L
・メタンスルホン酸銅:銅換算で15g/L
・硫酸:180g/L、
(E−1)溶液:
・硫酸銅:250g/L
・硫酸:110g/L
(F−1)溶液(日本化学産業株式会社製):
・Sn:8.5g/L
・Cu:23.0g/L
・Zn:0.7g/L
・シアン化ナトリウム:19.0g/L
・苛性ソーダ:13.0g/L
(A−1)溶液は、本実施形態のめっき液の組成の範囲内であった。(C−1)溶液及び(E−1)溶液は硫酸を主成分とする硫酸浴であった。(F−1)溶液はシアン化合物を含有するシアン浴であった。
各溶液に表1に示す添加剤及び界面活性剤を添加した。試験番号1〜2及び試験番号4〜5は、両性界面活性剤として花王株式会社製の商品名アンヒトール24Bを用いた。試験番号3は、両性界面活性剤として川研ファインケミカル株式会社製の商品名ソフタゾリンLPBを用いた。試験番号6は、非イオン界面活性剤としてポリオキシエチレンノニルエーテルを用いた。試験番号1〜5((A−1)溶液)はさらに、pHを8に調整し、めっき液を得た。pHの調整には、試験番号1及び試験番号3〜5にはポリリン酸を、試験番号2にはオルトリン酸を使用した。
[電気めっき処理]
試験番号1〜7は、表1に示すめっき液を用いて、インテグラル型の管用ねじ継手のボックスに対して電気めっき処理を実施した。具体的には、管用ねじ継手のボックスに対して、密閉可能なカプセルを被せた。カプセル内にめっき液を充填して、電気めっき処理を実施した。試験番号1〜7の浴温は35℃とした。めっき時間は表1に示すとおりであった。
試験番号8は、表1に示すめっき液を用いて、T&C型の管用ねじ継手のカップリングに対して電気めっき処理を実施した。具体的には、めっき浴にカップリングを浸漬して、電気めっき処理を実施した。浴温は45℃であった。めっき時間は表1に示すとおりであった。
得られためっき皮膜の化学組成を、EDX(エネルギー分散型X線分析)を用いて測定した。試験番号1〜5、及び、試験番号8のCu−Sn−Zn合金めっき皮膜中の化学組成は、Cu含有量:55質量%、Sn含有量:35質量%、Zn含有量:10質量%であった。試験番号6のCu−Sn合金めっき皮膜の化学組成は、Cu含有量:55質量%、Sn含有量:45質量%であった。試験番号7のCuめっき皮膜の化学組成は、Cu含有量:100質量%であった。
[不めっき部判定試験]
各試験番号の条件で形成されためっき皮膜において、不めっき部(局所的にめっき皮膜が形成されておらず、鋼材の表面が露出している部分)が発生したか否かを、目視により判定した。具体的には、各試験番号のめっき皮膜を目視で観察し、「焦げ」の有無を確認した。表1に判定結果を示す。「E」(Excellent)は、焦げが確認されず、めっき皮膜が均一に形成されたことを意味する。「NA」(Not Acceptable)は、めっき皮膜中に「焦げ」が確認されたことを意味する。
[耐焼付き性評価試験]
各試験番号の条件でめっき皮膜を形成されたボックスの接触表面に対して、次の方法により潤滑被膜を形成した。潤滑剤にはグリーンドープを使用し、具体的には、Bestolife Corporation社製の商品名:Bestolife “3010”NM SPECIALを使用した。潤滑被膜の厚さは100μmであった。
各試験番号の条件でめっき皮膜を形成されたボックスと、めっき処理されていないピンとを用いて、ねじ締め(メイクアップ)とねじ戻し(ブレイクアウト)とを繰り返し実施した。試験は常温(25℃)で実施した。ねじ締め時及びねじ戻し時のトルクは49351.8N・m(36400ft・lbs)であった。1回のねじ締め及びねじ戻しを実施した後、ボックスを溶剤で洗浄して、潤滑被膜を除去した。潤滑被膜が除去されたボックスの接触表面を目視観察し、焼付きの発生有無を調査した。ねじ締め及びねじ戻しを最大で10回繰り返し、焼付きが初めて観察された回数Nから1引いた回数(つまり、N−1回、以下、この回数をM&B回数という)を耐焼付き性の評価指標とした。M&B回数が「10」である場合、ねじ締め及びねじ戻しを10回繰り返した後であっても、焼付きが観察されなかったことを意味する。試験結果を表1に示す。
[隙間腐食試験]
炭素鋼からなる(JIS G3141(2011)に定義されたSPCCに相当)板材を準備した。板材から、複数の試験片を採取した。試験片に対して、各試験番号のめっき液を利用して上述の条件で電気めっきを実施して、表1に示すめっき皮膜を表面に有するめっき試験片を準備した。
板材から採取された試験片のうち、電気めっき処理されていない試験片(以下、非めっき試験片という)と各試験番号のめっき試験片とを接触させたまま、両者をボルトで固定して、固定試験片を作製した。固定されためっき試験片と非めっき試験片との接触面は50mm×50mmであった。
固定試験片を用いて隙間腐食試験を実施した。20質量%のNaClを含有する沸騰水に、固定試験片を1ヶ月(31日)浸漬した。1ヶ月後に固定試験片を取り出し、非めっき試験片の表面のうち、めっき試験片と接触していた表面での最大腐食深さを測定した。
測定結果を表1に示す。表中の「E」(Excellent)は、最大腐食深さが1μm未満であったことを意味する。「G」(Good)は最大腐食深さが1〜5μm未満であったことを意味する。「A」(Acceptable)は最大腐食深さが5〜10μm未満であったことを意味する。「NA」(Not Acceptable)は最大腐食深さが10μm以上であったことを意味する。
[暴露腐食試験]
上記隙間腐食試験で使用したものと同じめっき試験片を準備した。試験片の表面のうち、めっき皮膜が形成された表面(観察面という)は50mm×50mmであった。各めっき試験片に対して、JIS Z2371(2000)に準拠した塩水噴霧試験を、24時間実施した。試験後の観察面において、錆(点錆)が発生した部分の面積を求めた。試験結果を表1に示す。表1中の「E」は、観察面全面に錆が発生しなかったことを意味する。「G」は、観察面における錆の発生した面積率が5%未満であったことを意味する。「A」は、観察面における錆の発生した面積率が5%〜20%未満であったことを意味する。「NA」は、観察面における錆の発生した面積率が20%以上であったことを意味する。
[試験結果]
表1を参照して、試験番号1〜3は、めっき液の基本組成及び添加剤の両方が本願の範囲内であった。そのため、形成されたCu−Sn−Zn合金めっき皮膜は均一に形成され、焦げは発生しなかった。さらに、M&B回数はいずれも10回であり、優れた耐焼付き性を示した。さらに、これらの試験番号のめっき皮膜では優れた耐隙間腐食性及び耐暴露腐食性が得られた。
一方、試験番号4のめっき液は、めっき液の基本組成は適切であったものの、添加剤である硫黄含有化合物を含有しなかった。そのため、M&B回数は4回未満とめっき皮膜の耐焼付き性は低かった。さらに、めっき皮膜に焦げが観察された。これは、不めっき部の発生を示していると考えられる。
試験番号5のめっき液は、めっき液の基本組成は適切であったものの、添加剤である硫黄含有化合物の含有量が高すぎた。そのため、M&B回数も4回未満と低く、耐焼付き性が低かった。さらに、めっき皮膜に焦げが観察された。これは、不めっき部の発生を示していると考えられる。
試験番号6のめっき液で形成された皮膜は、Cu−Sn合金めっき皮膜であった。そのため、耐隙間腐食性及び耐暴露腐食性が低かった。
試験番号7のめっき液で形成された皮膜は、Cuめっき皮膜であった。そのため、M&B回数も4回未満と低く、耐焼付き性が低かった。
試験番号8のめっき液では、シアン化合物を含有しためっき液を使用した。この場合、Cu−Sn−Zn合金めっき皮膜が均一に形成された。しかしながら、このめっき液で形成されたCu−Sn−Zn合金めっき皮膜では、耐暴露腐食性が低かった。めっき液がシアン化合物を含有したため、電気めっき処理中に多数の水素が発生し、その結果、めっき皮膜内に多数のポロシティが形成されたためと考えられる。
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。

Claims (2)

  1. 管用ねじ継手のピン又はボックスの接触表面に対してめっきをするための管用ねじ継手用めっき液であって、シアン化合物を含有せず、
    ピロリン酸銅と、
    ピロリン酸スズと、
    ピロリン酸亜鉛と、
    金属錯化剤としてのピロリン酸塩と、
    化学式(1)で定義されるメルカプト化合物及びスルフィド化合物、前記メルカプト化合物のジスルフィド結合による二量体、及びこれらの塩類の1種又は2種以上であって、40g/L以下(0を含まない)の硫黄含有化合物とを含有し、管用ねじ継手のピン又はボックスの接触表面に対してめっきをするための、管用ねじ継手用めっき液。
    RS−(CHX−(CHX−CHX (1)
    ここで、m、nは、1又は0の整数である。X、X、X及びXは、水素、OH、NH、SOH及びCOHのいずれかである。ただし、X、X、X及びXのいずれもが水素であることはない。Rは水素、メチル基及びエチル基のいずれかである。
  2. 請求項1に記載の前記めっき液を準備する工程と、
    前記めっき液を用いて、管用ねじ継手のピン又はボックスの接触表面に対して電気めっき処理を実施して、前記ピン又は前記ボックスの接触表面に、Cu−Sn−Zn合金めっき皮膜を形成する工程とを備える、管用ねじ継手の製造方法。
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