JP6249346B2 - 電極構造体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、主として空気電池に用いられる電極構造体、及びその製造方法に関するものである。
空気電池は、空気中の酸素を活物質として利用するものであり、経済的で且つ長期無保守で使用できる電源である。従来の空気電池としては、空気孔を有する金属製正極ケースと金属製負極ケースとをガスケットを介して嵌め合せてケース嵌合体を形成し、このケース嵌合体の内部空間に、負極、電解液、セパレータ、空気極(正極)、及び撥水膜などを配置した構造を有するボタン型空気電池が知られている。
上記のボタン型空気電池は、ケース嵌合体の内部空間がセパレータにより分割され、一方の空間には亜鉛とこれに含浸された電解液を充填して負極とし、他方の空間には触媒を配置して空気極(正極)としている。また、空気極のセパレータと反対側の面には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)多孔質フィルムからなる撥水膜が配置され、さらに、この撥水膜には拡散紙が密着して設けられている。
そして、上記のボタン型空気電池においては、正極活物質としての空気中の酸素が、正極ケースの底部に穿設された空気孔から取り入れられ、拡散紙及び撥水膜を介して空気極に供給される。この場合、拡散紙は、空気極全面に酸素を均一に供給する機能を果たし、また、撥水膜は、酸素を電池内部(正極)に供給するとともに、空気孔を介して電解液が電池外に漏出するのを防止する機能を果たす。
上述のような構成の空気電池としては、ガス拡散層上に触媒層を積層するとともに触媒層中のガス拡散層側に集電体を偏在させて配置し、且つガス拡散層から触媒層の頂面の方向に縮径した円錐台状の空気極を備えた空気電池が公知である(例えば、特許文献1参照。)。
このボタン型空気電池は、電池の製造に際し、触媒層の崩れが少なく、触媒層側周面と正極ケース内壁との接触性が良好であるため電池内部抵抗を低減できる。また、触媒層が崩れて発生する塊状の触媒が異物として電池構成部品間に挟み込まれるのを抑制できるので、耐漏液性に優れることが知られている。
特開平11−54130号公報
しかしながら、このような従来のボタン型空気電池にあっては、塊状の触媒による電解液の漏出は防止できるものの、上記空気孔からの電解液漏出については、依然として、空気極(正極)とは別個に設けたPTFEフィルム製の撥水膜で防止するしかなかった。また、このような撥水膜を配設すると導電性が低下するため、触媒層中に金属網などの集電体を配置する必要もあった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ガス透過性及び導電性を両立させて空気電池の高出力化を実現し、空気電池の直列接続に有用な電極構造体及びその製造方法を提供することにある。
本発明に係わる電極構造体は、負極を構成する負極集電体層、正極に対するガス流路を形成するガス流路形成層、正極を構成する液密通気層及び触媒層を順に積層した構造を有している。そして、上記の電極構造体は、負極集電層、ガス流路形成層、液密通気層及び触媒層が、導電性炭素材料を含有する材料から成ると共に、前記液密通気層が、少なくとも一方の主面に、導電性炭素を含有する多孔体から成る補強層を備えていることを特徴としている。
また、本発明の電極構造体の製造方法は、液密通気層の少なくとも一方の主面に補強層を有する電極構造体を製造するに際し、液密通気層を形成する液密通気層用インクを調整する工程と、保持体上に液密通気層用インクを塗布する工程と、塗布した液密通気層用インクにガス流路形成層及び補強層のいずれか一方を重ねて前記液密通気層用インクを乾燥させて焼成することで液密通気層を形成する工程を備えると共に、前記液密通気層、ガス流路形成層、補強層、負極集電体層、及び触媒層を積層することを特徴としている。
本発明によれば、負極集電層、ガス流路形成層、液密通気層及び触媒層を、導電性炭素材料を含有する材料で形成したことから、各層間の接触抵抗が低減されることとなり、良好なガス透過性と厚さ方向の良好な導電性とを両立させることができ、これにより空気電池の高出力化を実現すると共に、空気電池の直列接続に有用なものとなる。また、液密通気層に補強層を設けることで、強度が向上して破損し難いものとなり、電極構造体の長寿命化や製造時の歩留まり向上などを実現することができる。
本発明に係わる電極構造体の第1実施形態を説明する断面図(A)、電極構造体を積層した状態を示す断面図(B)である。 電極構造体を用いた空気電池スタックを説明する断面図である。 電極構造体における正極を説明する断面図(A)及び微細構造を概略的に示す部分断面図(B)である。 製造方法の第1実施形態を説明する各々斜視図(A)〜(C)である。 製造方法の第2実施形態を説明する各々斜視図(A)〜(E)である。 製造方法の第3実施形態を説明する各々斜視図(A)〜(D)である。
〈電極構造体の第1実施形態〉
図1(A)に示す電極構造体Dは、図中下側から、負極20を構成する負極金属層21及び負極集電体層22、正極10に対するガス流路40を形成するガス流路形成層50、正極10を構成する液密通気層12及び触媒層11を順に積層した構造を有している。また、電極構造体Dは、負極集電層22、ガス流路形成層50、液密通気層12及び触媒層11が、導電性炭素材料を含有する材料で形成されている。そして、電極構造体Dは、ガス流路形成層50及び液密通気層12の少なくとも一方の層が、負極集電体層22の剛性よりも小さい剛性を有するものとなっている。
なお、本明細書においては、説明の便宜上、各層が「積層」していると記載したが、各層が図示の如く順に配置されていればよく、必ずしも「積層」という文言に限定されるものではない。
また、この実施形態の電極構造体Dは、液密通気層12が、少なくとも一方の主面に、導電性炭素を含有する多孔体から成る補強層13を備えており、図示例では、液密通気層12のガス流路40側(図1中で下側)に補強層13が設けてある。この補強層13は、液密通気層12の空隙率よりも大きい空隙率を有している。
さらに、電極構造体Dは、負極集電体層22、液密通気層12及び触媒層11が、電解液に対する耐食性を有する樹脂を含有している。この樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系樹脂、エンジニアプラスチック、ポリプロピレン(PP)及びポリエチレン(PE)などの耐アルカリ樹脂を用いることができる。電極構造体Dは、これらの樹脂を用いることで、耐久性を向上させて長寿命化を実現し得る。
負極20の負極金属層21は、例えば、標準電極電位が水素より卑な金属単体又は合金から成る負極活物質を含み、このような金属単体としては、リチウム(Li)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、ケイ素(Si)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、バナジウム(V)などを挙げることができる。また、合金を適用することもできる。しかしながら、これらに限定されるものではなく、空気電池に適用される従来公知の材料を用いることができる。
負極20の負極集電体層22は、本来の集電機能に加えて、負極金属層21を固定して外部衝撃等から保護する機能も必要であるため、剛性が高いものが使用される。この負極集電体層22は、先述したように、電解液に対する耐食性を有する樹脂を含有しているほかに、電解液に対する撥液性や電解液に対する不透過性を有している。
負極集電体層22は、電解液に対する撥液性や不透過性を確保する具体的構成として、電解液が水系の場合には、当該負極集電体層22に含有させた導電性炭素の表面に撥水処理を施したものや、撥水性の高い導電性炭素材料を用いる。また、炭素以外には、電解液が水系の場合には、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、エンジニアプラスチック、ポリプロピレンやポリエチレンなどの耐アルカリ樹脂をバインダーとして含有させたり、電解液に接する領域に撥水コーティングを施したりすることができる。一方、電解液が非水系の場合には、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂が使用可能であり、溶媒に対する接触角が80°以上であることが望ましい。
上記の材料を用いた負極集電体層22は、電極の耐久性を向上させて、電極構造体Dの長寿命化に貢献する。なお、負極集電体層22は、ガス及び液のいずれにも不透過性を示す場合には、耐食性があれば親水(液)性であっても構わない。また、液のみに不透過性
を示す場合には、撥水(液)性が必須である。
ガス流路形成層50は、先述したように導電性炭素材料を含有するものであって、導電性が高く、ガス透過性を有し、正極10に対する流路40を形成し得るものであれば、材料や形状などの構成が限定されるものではない。このガス流路形成層50は、微細孔を有する多孔質体から成るもの、炭素繊維から成るもの、基材に多数の孔を形成した多孔体から成るものなどを用いることができ、格子状や波形状等の適宜形状のものを採用することができる。
正極10は、図2に示すように、液密通気層12及び触媒層11を有すると共に、先述したように、液密通気層12のガス流路側(図2中で上下側)に補強層13を有し、さらに、液密通気層12と補強層13との間に接着層14を有している。
液密通気層12は、図2に示すように、骨材炭素の一例である黒鉛1aと、カーボンブラック1bと、バインダー2を含み、黒鉛1aとカーボンブラック1bがバインダー2で結着されて、多孔質層を形成している。このような液密通気層12は、従来のPTFE製の撥水膜とは異なり、含有する骨材炭素である黒鉛1aや導電パス材であるカーボンブラック1bによって導電性を有するので、起電力の大きな直列型の空気電池を構成するのに極めて有利である。
液密通気層12は、より好ましい実施形態として、導電性炭素の一次粒子の凝集体から成る導電パス材を含有することで、厚さ方向の良好な導電性を確保しながら、ガス透過性及び電解液の不透過性を得ることができ、空気電池の軽量化にも貢献し得る。また、液密通気層12は、より好ましい実施形態として、上記の導電パス材、及び導電性炭素粒子から成る多孔質体構成粒子を含有する多孔質層とすることで、ガス拡散性が向上して空気電池の高出力化に貢献することができる。
さらに、液密通気層12は、含有する導電パス材として、カーボンブラックやアセチレンブラックを採用することができる。導電パス材にカーボンブラックやアセチレンブラックを用いた場合には、構造体を作りやすいので、多孔質体構成粒子間を電気的に繋ぐことで厚さ方向の抵抗を軽減し、これにより、正極の導電性向上、空気電池の高出力化を図ることができる。
さらに、液密通気層12は、多孔質体構成粒子として、導電パス材の炭素よりも大きくて、空隙の多い炭素を用いることで、ガス透過性を高めることができる。この多孔質体構成粒子としては、黒鉛(グラファイト)、鱗片状黒鉛、及び炭素繊維のうちの少なくとも一つを採用することができる。
多孔質体構成粒子に黒鉛を用いた場合には、詰めた際に隙間ができやすいのでガス拡散性を高めることができる。また、多孔質体構成粒子に鱗片状黒鉛を用いた場合には、その形状から面内方向における導電性が高くなる。しかも、鱗片状黒鉛は、液密通気層12をシート化した際にも、方向が揃い易く、薄くても強度を確保し易いので、厚さ方向の貫通抵抗が低減され、ガス拡散性も良好になる。さらに、多孔質体構成粒子に炭素繊維を用いた場合には、その形状により面内方向における導電性が高くなり、しかも、液密通気層12をシート化した際に、薄くても強度を確保し易いので、厚さ方向の貫通抵抗が低減され、ガス拡散性も良好になる。
上記液密通気層12に設けた補強層13は、ある程度弾性があり、且つ高強度であると共に、ガス透過性を有するものである。この補強層13は、導電性炭素粒子と樹脂の混合物である多孔体、炭素繊維の織物、カーボンペーパー、炭素を主成分とする基材に機械加工等により多数の孔を形成した構造体、網状の構造体などを採用することができ、液密通気層12よりも高い強度を有している。液密通気層12は、上記補強層13を設けることで、強度が向上して破損し難いものとなり、電極構造体Dの長寿命化や製造時の歩留まり向上などを実現することができる。
また、補強層13は、先述したように、液密通気層12の空隙率よりも大きい空隙率を有している。具体的には、液密通気層12は、ガーレー法でのガス透過性が10s/100cc以上であることが望ましい。空隙率は、空孔のサイズによって決まるが、80%以下であることか望ましく、50%以下であることがより望ましい。これに対して、補強層13は、ガーレー法でのガス透過性が、液密通気層12のガス透過性よりも小さいことが望ましく、下限はとくにないが、導電性と機械強度の面から1s/100cc以上が目安である。
このように、補強層13は、その空隙率(ガス透過性)を、液密通気層12の空隙率よりも大きく(ガーレー法でのガス透過性を小さく)することにより、電極構造体Dにおいて、ガス拡散性の機能と、放電時の発熱に対する冷却機能を得ることができると共に、電極の低コスト化や軽量化を実現することができる。
触媒層11は、炭素粒子1と、導電パス材の一例であるカーボンブラック1bと、触媒粒子3と、バインダー2を含み、炭素粒子1、カーボンブラック1b及び触媒粒子3がバインダー2によって結着されて、多孔質層を形成している。
触媒層11には、従来公知の空気電池正極用の電極触媒を用いることができ、具体的には、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、タングステン(W)、鉛(Pb)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)等の金属及びその化合物、並びにこれらの合金などを例示することができる。
接着層14は、補強層13と液密通気層12との界面を接着するものであって、図2に示すカーボンブラック1b等の炭素粒子や炭素繊維などの導電性材料を含有している。本実施形態において、触媒層11と液密通気層12とは、バインダー2によって結着されてほぼ一体化されており、また、液密通気層12と補強層13とにあっても、接着層14によりほぼ一体化されている。これにより各層間の接触抵抗が非常に小さくなる。液密通気層12をインク塗布によって補強層13上に形成する場合は、当該インクに含まれるバインダーが、焼成乾燥後に接着層14となる。また、液密通気層12を先にシート(保持体)上に形成した後に接着する場合は、別途接着剤を塗布することによって接着層14を形成することとなる。
上記構成を備えた電極構造体Dは、図1(B)に示すように、複数個を直列に配置すると共に、隣接する電極構造体D同士の間に電解液30を収容したホルダー60を備えた構成とすることで、空気電池スタックSを構成する。ここで、電極構造体Dは、隣接するもの同士の間において、補強層13、液密通気層12及び触媒層11から成る正極10と、電解液30を収容したホルダー60と、負極金属層21及び負極集電体層22から成る負極20とにより、空気電池Aを構成する。
電解液30としては、従来公知のものを用いることができ、例えば、塩化カリウム、塩化ナトリウム及び水酸化カリウムなどの水溶液や非水溶液を用いることができる。この電解液30は、例えば微多孔膜から成るセパレータに含浸させてもよい。
なお、図1(B)には二つの電極構造体Dを示したが、それ以上の個数を積層して空気電池スタックSを構成した場合には、積層方向一端側の電極構造体は、負極(又は正極)を省略したものを使用し、積層方向他端側の電極構造体は、正極(又は負極)を省略したものを使用する(図3参照)。
ここで、例えば、液密通気層12の補強層13やガス流路形成層50に金属製部材を用いた場合には、液密通気層12と金属製の補強層13との界面、金属製のガス流路形成層50と負極金属層21との界面、接着剤で接着した負極金属層21と負極集電体層22との界面において接触抵抗が大きくなる。このため、積層方向に高い圧力を付与して接触抵抗を軽減させる必要がある。
これに対して、上記の電極構造体Dは、負極金属層21以外には、金属製部材を使用せず、導電性炭素を含有する材料を使用しているので、各層間における接触抵抗を大幅に低減することができ、貫通抵抗(厚さ方向の抵抗)を下げて空気電池Aの高出力化を実現することができる。
このようにして、上記の電極構造体Dは、負極集電層22、ガス流路形成層50、液密通気層12及び触媒層11を、導電性炭素材料を含有する材料で形成したことから、各層間の接触抵抗が低減されることとなり、良好なガス透過性と厚さ方向の良好な導電性とを両立させることができる。これにより、電極構造体Dは、空気電池Aの高出力化を実現すると共に、空気電池Aの直列接続に有用なものとなる。また、空気電池Aの直列接続により構成される空気電池スタックSは、高出力であって、車載用の電源として非常に好適である。
さらに、上記の電極構造体Dは、剛性が異なる複数の層により構成されている。例えば、負極集電体層22は、負極金属層21を保持するので高剛性にする必要がある。ガス流路形成層50は、ガス流路40が確保できれば良いので、高剛性にする必要はない。補強層13は剛性が小さく、液密通気層12は剛性がさらに小さい。触媒層11は、剛性が小さい方が望ましい。
このため、電極構造体Dは、複数個を積層し、さらに積層方向に所定の圧力を付与して空気電池スタックSを構成した際に、図3に示すように歪みが生じることがある。このとき、液密通気層12には、主に曲げによる変形が発生し、ガス流路形成層50には、主に伸縮による変形が発生する。なお、図3は歪みを誇張して示したもので、実際の歪みは非常に小さい。
そこで、上記の電極構造体Dは、ガス流路形成層50及び液密通気層12の少なくとも一方の層の剛性を、負極集電体層22の剛性よりも小さくする、すなわち弾性変形し易くしている。これにより、電極構造体Dは、ガス流路形成層50又は液密通気層12、若しくは両方の層50,12を弾性変形させて、積層により発生した歪みを吸収し、各層の破壊を阻止しつつ各層の接合状態を良好に維持し、空気電池の高寿命化を実現する。
次に、図4〜図6に基づいて、本発明の電極構造体の製造方法を説明する。
〈製造方法の第1実施形態〉
図4に示す製造方法は、図1に示す電極構造体を製造する方法であって、液密通気層を形成する液密通気層用インクを調整する工程と、保持体上に液密通気層用インクを塗布する工程と、塗布した液密通気層用インクにガス流路形成層及び補強層のいずれか一方を重ねて前記液密通気層用インクを乾燥させて焼成することで液密通気層を形成する工程を備えると共に、前記液密通気層、ガス流路形成層、補強層、負極集電体層、及び触媒層を積層する。
すなわち、図4(A)に示すように、液密通気層を形成する液密通気層用インクIAを調整する。このインクを調製する際に用いられる溶媒としては、特に制限されないが、水やメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール系溶媒などが挙げられる。また、各インクには、必要に応じて公知の界面活性剤や増粘剤を混合してもよい。
次に、図4(B)に示すように、保持体H上に液密通気層用インクIAを塗布し、塗布した液密通気層用インクIAに、ガス流路形成層50及び補強層13のいずれか一方(図示例では両方)を重ね、前記液密通気層用インクIAを乾燥させて焼成することで液密通気層12を形成する。これにより、液密通気層12に、ガス流路形成層50及び補強層13が一体化される。その後、図4(C)に示すように、液密通気層12、補強層13及びス流路形成層50を保持体Hから剥離させ、図示しない負極集電体層及び触媒層を積層して電極構造体とする。なお、触媒層にあっても、触媒層用インクの調整、塗布、乾燥及び焼成により形成することができる。
上記の製造方法において、インクの乾燥温度は、インク中の溶媒が除去される温度ならば特に限定されないが、例えば80〜120℃とすることが好ましい。また、焼成温度は特に限定されないが、例えば100〜350℃とすることが好ましい。以下の実施形態においても同様である。
〈製造方法の第2実施形態〉
図5に示す製造方法は、図1に示す電極構造体を製造する方法であって、液密通気層を形成する液密通気層用インクと、触媒層を形成する触媒層用インクを調整する工程と、補強層に液密通気層用インクを塗布し、この液密通気層用インクを乾燥させて焼成することで液密通気層を形成する工程と、形成した液密通気層に触媒層用インクを塗布し、この触媒層用インクを乾燥させて焼成することで触媒層を形成する工程とを備え、前記補強層を含む液密通気層及び触媒層に、ガス流路形成層及び負極集電体層を積層する。
すなわち、図5(A)に示すように、液密通気層を形成する液密通気層用インクIAと、触媒層を形成する触媒層用インクIBを調整する。次に、図5(B)に示すように、保持体H上に補強層13を配置し、図5(C)に示すように、配置した補強層13に液密通気層用インクIAを塗布し、この液密通気層用インクIAを乾燥させて焼成することで液密通気層12を形成する。
その後、図5(D)に示すように、形成した液密通気層12に触媒層用インクIBを塗布し、この触媒層用インクIBを乾燥させて焼成することで触媒層11を形成する。これにより、図5(E)に示すように、補強層13、液密通気層12及び触媒層11が一体化される。つまり、正極10が形成される。そして、この正極10に、図示しないガス流路形成層及び負極集電体層を積層して電極構造体とする。
〈製造方法の第3実施形態〉
図6に示す製造方法は、図1に示す電極構造体を製造する方法であって、液密通気層を形成する液密通気層用インクと、触媒層を形成する触媒層用インクを調整する工程と、保持体上に液密通気層用インクを塗布し、これを乾燥させて焼成することで液密通気層を形成する工程と、形成した液密通気層に触媒層用インクを塗布し、これを乾燥させて焼成することで触媒層を形成する工程とを備え、前記液密通気層及び触媒層に、ガス流路形成層及び負極集電体層を積層する。
すなわち、図6(A)に示すように、液密通気層を形成する液密通気層用インクIAと、触媒層を形成する触媒層用インクIBを調整する。次に、6(B)に示すように、保持体H上に液密通気層用インクIAを塗布し、これを乾燥させて焼成することで液密通気層12を形成する。その後、図6(C)に示すように、保持体Hから液密通気層12を剥離し、図6(D)に示すように、保持体H上に再び配置した液密通気層12に触媒層用インクIBを塗布し、これを乾燥させて焼成することで触媒層11を形成する。これにより、液密通気層12と触媒層11が一体化される。そして、前記液密通気層12及び触媒層11に、図示しないガス流路形成層及び負極集電体層を積層して電極構造体とする。
このように、上記第1〜3の実施形態で説明した電極構造体の製造方法は、各層用のインクIA,IBを使用し、保持体Hへの補強層13やガス流路形成層50の配置、インクの塗布、乾燥及び焼成を組み合わせることで、各層が一体化された正極10並びに電極構造体を製造することができる。この際、正極10は、厚さ方向の貫通抵抗が小さく、導電性が非常に良好であり、液密通気層12と触媒層11との間に、酸素、触媒成分及び電解液の三層界面を形成しやすくなるため、電池出力を高めることが可能となる。
したがって、上記の製造方法によれば、従来の電極を調製する手法を用いて、良好なガス透過性及び良好な導電性を両立させて空気電池の高出力化を実現し得る電極構造体を容易に且つ低コストで製造することができる。また、電極の大面積化も実現し易い。
以上、本発明を若干の実施形態によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。また、本発明の電極構造体は、塩水電池の電極構造体に応用することも可能である。
1 炭素粒子
1a 黒鉛
1b カーボンブラック
2 バインダー
3 触媒粒子
10 正極
11 触媒層
12 液密通気層
13 補強層
14 接着層
20 負極層
21 負極金属層
22 負極集電体層
30 電解液
40 空気流路
50 ガス流路形成層
60 ホルダー
A 空気電池
D 電極構造体
S 空気電池スタック

Claims (16)

  1. 負極を構成する負極集電体層、正極に対するガス流路を形成するガス流路形成層、正極を構成する液密通気層及び触媒層を順に積層した構造を有し、
    負極集電体層、ガス流路形成層、液密通気層及び触媒層が、導電性炭素材料を含有する材料から成ると共に、
    前記液密通気層が、少なくとも一方の主面に、導電性炭素を含有する多孔体から成る補強層を備えていることを特徴とする電極構造体。
  2. 前記ガス流路形成層及び液密通気層の少なくとも一方の層が、負極集電体層の剛性よりも小さい剛性を有していることを特徴とする請求項1に記載の電極構造体。
  3. 前記補強層が、液密通気層の空隙率よりも大きい空隙率を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の電極構造体。
  4. 前記負極集電体層、液密通気層及び触媒層が、電解液に対する耐食性を有する樹脂を含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極構造体。
  5. 前記負極集電体層が、電解液に対する撥液性を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極構造体。
  6. 前記負極集電体層が、電解液に対する不透過性を有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電極構造体。
  7. 前記液密通気層が、導電性炭素の一次粒子の凝集体から成る導電パス材を含有していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電極構造体。
  8. 前記液密通気層が、導電性炭素の一次粒子の凝集体から成る導電パス材、及び導電性炭素粒子から成る多孔質体構成粒子を含有する多孔質層であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電極構造体。
  9. 前記導電パス材が、カーボンブラックであることを特徴とする請求項7又は8に記載の電極構造体。
  10. 前記導電パス材が、アセチレンブラックであることを特徴とする請求項7又は8に記載の電極構造体。
  11. 前記多孔質体構成粒子が、黒鉛であることを特徴とする請求項に記載の電極構造体。
  12. 前記多孔質体構成粒子が、鱗片状黒鉛であることを特徴とする請求項に記載の電極構造体。
  13. 前記多孔質体構成粒子が、炭素繊維であることを特徴とする請求項に記載の電極構造体。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の電極構造体を複数備え、
    これらの電極構造体を直列に配置すると共に、隣接する電極構造体同士の間に電解液を収容したホルダーを備えたことを特徴とする空気電池スタック。
  15. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の電極構造体を製造するに際し、
    液密通気層を形成する液密通気層用インクを調整する工程と、
    保持体上に液密通気層用インクを塗布する工程と、
    塗布した液密通気層用インクにガス流路形成層及び補強層のいずれか一方を重ねて前記液密通気層用インクを乾燥させて焼成することで液密通気層を形成する工程を備えると共に、
    前記液密通気層、ガス流路形成層、補強層、負極集電体層、及び触媒層を積層することを特徴とする電極構造体の製造方法。
  16. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の電極構造体を製造するに際し、
    液密通気層を形成する液密通気層用インクと、触媒層を形成する触媒層用インクを調整する工程と、
    補強層に液密通気層用インクを塗布し、この液密通気層用インクを乾燥させて焼成することで液密通気層を形成する工程と、
    形成した液密通気層に触媒層用インクを塗布し、この触媒層用インクを乾燥させて焼成することで触媒層を形成する工程とを備え、
    前記補強層を含む液密通気層及び触媒層に、ガス流路形成層及び負極集電体層を積層することを特徴とする電極構造体の製造方法。
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