JP6248150B2 - 粉体処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被処理物を液体中で粉砕、分散、溶解等する粉体処理装置に関するものである。
湿式粉砕機は、水等の液体に粉砕すべき被処理物を分散し、粉砕ピンやメディア等を用いて磨砕するものであり、広く利用されている。例えば、特許文献1は、回転軸に設けられた撹拌ピンと固定ピンとを備える湿式粉砕機において、その回転軸に硬質材料製の保護部材を取り付けることによって、回転軸の摩耗を防止する技術を開示している。また、特許文献2は、回転軸に設けられた撹拌ピンと固定ピンを備える湿式の混練機において、流路の途中で原料となる粉体を予め混合させておくことによって、効率的に混練する技術を開示している。
実開平1−77847号公報 実開平5−93539号公報
しかしながら、前述のいずれの従来技術を採用しても、例えば、被処理物が医薬の錠剤のような硬い造粒物のような場合には、被処理物が液体中で十分分散しなかったり、あるいは被処理物が細かく粉砕されないまま排出され、その結果製品中に粗大粒子が混入するおそれがあった。そのため、湿式粉砕機に供給する前に予め微粉砕の処理を行ったり、あるいは粉砕後の製品を篩などにかけ粗大粒子を取り除く必要があった。しかし、そのような予備粉砕工程を用いると、吸湿性の高い性質を有する造粒物の場合には、微粉砕の処理中に空気中の水分を吸湿するため、再び固着してしまうという問題が生じる。また、有害な成分を含む造粒物を被処理物とする場合、外気中で微粉砕処理を行うと、生じた粉塵によって人体に悪影響を及ぼす可能性が高まるため、発塵しない状態で処理工程を進めることが望まれる。さらに、上記のような予備粉砕工程や粗大粒子除去工程といった余分な工程が増えることによって生産性が悪くなるため、工程数の減少と併せて、被処理物の粉砕、分散、溶解等の処理能力を増大させることによって、生産性を向上させる技術を提供することも、重要な技術課題といえる。
本発明は、上述の問題を解決するものであり、仮に、硬く液体中で分散しにくい造粒物または凝集物を予め微粉砕を行うことなく、直接、処理装置内に供給した場合であっても、被処理物を十分に粉砕及び/又は混合することが可能な粉体処理装置を提供する。従って、本発明は、代表的には、液体中で硬い造粒物を粉砕する処理が行われる処理技術の発展に大きく貢献するものである。
上述のとおり、仮に硬く液体中で分散しにくい造粒物または凝集物を、直接、粉体処理装置に供給した場合であっても、被処理物を十分に粉砕及び/又は混合することが可能な粉体処理装置の検討が鋭意行われた。その結果、本願発明者らは、効率よく被処理物の粉砕又は混合等(以下、単に粉砕等という)を行う領域と粉砕等された被処理物及び液体を送液する領域とを、特定の構造を採用することによって区画することにより、上述の技術課題が解決され得ることを知見した。本発明は上述のような知見に基づいて創出された。
本発明の1つの粉体処理装置は、被処理物を液体中で粉砕及び/又は混合するケーシングを備える縦型の粉体処理装置である。より具体的には、この粉体処理装置においては、前述のケーシングは、回転刃とそのケーシングの軸芯周りに回転駆動するロータとが内側に設けられている円筒部を有する、第一処理室と、その第一処理室に連通し、かつ前述の円筒部から軸芯に沿って一様に、下方へ向かうほど小径となる、無底筒状の仕切部と、その仕切部に連通し、前述の被処理物及び前述の液体を送液する送液ロータが設けられている第二処理室と、前述の第一処理室に連通する供給口と、前述の第二処理室に連通する排出口とを備える。
この粉体処理装置は、第一処理室に連通し、かつ前述の円筒部から軸芯に沿って一様に、下方へ向かうほど小径となる、無底筒状の仕切部が、第一処理室と第二処理室との間に形成されている。そのため、第一処理室から第二処理室への被処理物及び液体の流量を制限することができる。その結果、例えば、硬く液体中で分散しにくい造粒物または凝集物を予め微粉砕を行うことなく直接、かつ連続的に粉体処理装置内に供給した場合であっても、第一処理室内での被処理物の滞留時間を確保して、被処理物を十分に粉砕及び/又は混合させることが可能となる。従って、この粉体処理装置を用いることによって、各種の製品中への粗大粒子の混入を抑制するとともに、大量の被処理物の粉砕処理が可能となるため、生産工程及び生産コストの大幅な低減を図ることができる。
本発明の1つ粉体処理装置によれば、硬く液体中で分散しにくい造粒物または凝集物を予め微粉砕を行うことなく、直接、かつ連続的に粉体処理装置内に供給することができる。その結果、各種の製品中への粗大粒子の混入を抑制するとともに、大量の被処理物の粉砕処理が可能となるため、生産工程及び生産コストの大幅な低減を図ることができる。
本実施形態における粉体処理装置の構成を概略的に示す説明図である。 粉体処理装置における循環領域、粉砕・混合領域、分散・溶解領域、及び送液領域を示す図である。 本実施形態における粉砕ロータを示す概略斜視図である 本実施形態における粉砕ロータを示す概略斜視図である。 本実施形態における粉砕ロータを示す概略斜視図である。 本実施形態における固定刃を示す概略斜視図である。 本実施形態における固定刃を示す概略斜視図である。 本実施形態における第1スクリーンの形状の例を示す概略斜視図である。 粉砕試験で行われた工程を概略的に示す図である。
本発明の実施形態を、添付する図面に基づいて詳細に述べる。なお、この説明に際し、全図にわたり、特に言及がない限り、共通する部分には共通する参照符号が付されている。また、図中、各実施形態の要素のそれぞれは、必ずしも互いの縮尺比を保って示されてはいない。また、各図面を見やすくするために、一部の符号が省略され得る。
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態における粉体処理装置100の構成を側面視において概略的に示す説明図である。また、図2は、粉体処理装置100を説明するために便宜上分類した、循環領域、粉砕・混合領域、分散・溶解領域、及び送液領域を示す図である。粉体処理装置100における循環領域及び粉砕・混合領域の2つの領域が第一処理室を形成し、送液領域が第二処理室を形成する。そして、及び分散・溶解領域によって第一処理室と第二処理室とが分離される。なお、本実施形態の粉体処理装置100は、被処理物を液体とともに受け入れ、被処理物を液体中で粉砕処理、分散処理、又は溶解処理等を行う縦型の湿式粉砕機である。粉体処理装置100は、供給された被処理物及び液体に対して、乳化、分散、混合、粉砕、溶解等の工程を行うことが可能である。本実施形態においては、説明の便宜上、代表的に、粉体処理装置100を「粉砕機」として説明するが、この「粉砕機」が、本実施形態の粉体処理装置100の構成の主たる構成を備えることにより、前述の乳化、分散、混合、溶解等を行う装置ともなり得る。また、被処理物は、例えば、造粒物、凝集体、又は顆粒状粉体等の粉体である。特にそれらの大きさは限定されないが、代表的な被処理物の大きさの例は、粒径が10mm以下である。また、本実施形態で採用される代表的な液体は、水や、有機溶剤、あるいはオイル類である。
図1に示すように、本実施形態の粉体処理装置100は、主として、ケーシング5、回転軸25、粉砕ロータ20、送液ロータ58、ライナ10、テーパカバー11、第1スクリーン40、及び第2スクリーン50とを備える。
本実施形態のケーシング5は縦型であり、ケーシング5の底部には架台6が連接されている。また、ケーシング5の内壁には、第一処理室の一部を形成する円筒部70として、ライナ10が設けられている。本実施形態では、ライナ10は、その内周面に固定刃30を備えている。また、ライナ10の下方には、ライナ10と連続し、換言すれば、第一処理室に連通し、円筒部70から軸芯に沿って一様に、下方へ向かうほど小径となる、無底筒状の仕切部を形成するテーパカバー11が取り付けられている。このテーパカバー11によって、図1に示すように、いわば、漏斗状空間80が形成されることになる。なお、テーパカバー11は独立した部材として構成するほか、ケーシング5やライナ10の一部を回転軸25中心方向へ突出させることによっても形成できる。また、ケーシング5は、円筒部70の上方に、円筒部70が形成する空間に連続する上層空間60と、被処理物を液体とともにケーシング5内に供給する供給口55とを備える。加えて、ケーシング5は、底部の一端には粉砕等の処理後の被処理物及び液体を排出する排出口56を備える。さらに、ケーシング5の内壁とライナ10との間には、後述する粉砕ロータ20の回転刃22とライナ10の固定刃30との間隔を調整するスペーサ15が設けられている。スペーサ15は、ケーシング5又はライナ10と一体に形成されてもよい。また、スペーサ15を全く設けない構成も採用し得る。なお、ケーシング5は、冷媒又は熱媒を流すことによってケーシング5内を加熱又は冷却するためのジャケットを備えていてもよい。
ケーシング5内の構造は、腐食による劣化を防ぐ観点から、できる限り溶接部をなくした構成とすることが望ましい。加えて、耐磨耗あるいは耐腐食の観点から、少なくとも液体又は被処理物と接する部材であるケーシング5、ライナ10、スペーサ15、テーパカバー11、回転刃22、固定刃30、及び送液ロータ58は、SUS304やSUS316などのステンレス鋼、チタン合金、ニッケル基合金、アルミナ、ジルコニア、炭化珪素、又は炭化窒素などの材料で構成されるか、あるいはクロムめっきや亜鉛めっきなどのめっき処理されていることが望ましい。
なお、本実施形態の粉体処理装置100を用いた一例としての処理方法においては、まず、供給口55から液体とともに供給された被処理物が、回転刃22とケーシング5の軸芯周りに回転駆動する粉砕ロータ20とが内側に設けられている円筒部70内に導入される。そうすると、被処理物は、固定刃30と、回転軸25に連接されて回転する粉砕ロータ20の回転刃22とから繰り返し衝撃を受けることにより粉砕等(代表的には、粉砕及び/又は混合)される。従って、本実施形態では、回転刃22と固定刃30とが協働して被処理物を粉砕等することになる。その後、粉砕等された被処理物は液体とともに回転する送液ロータ58によって排出口56から粉体処理装置100外へ排出される。
本実施形態の粉体処理装置100についてより詳細に説明すると、図2に示すように、本実施形態の粉体処理装置100は、大きく4つの構成部分に分類される。具体的には、本実施形態の粉体処理装置100は、循環領域、粉砕・混合領域、分散・溶解領域、及び送液領域を備えている。
まず、その1つの構成部分は、図2の領域Bで示される主として被処理物を粉砕及び/又は混合するための領域(以下、便宜上、「粉砕・混合領域」という)である。本実施形態では、粉体処理装置100のケーシング5における円筒部70内の領域が、粉砕・混合領域として機能する。
本実施形態の円筒部70内には、ライナ10が備える固定刃30と、図3乃至図5において後述する回転刃22を備えた粉砕ロータ20とが設けられている。また、円板状の第1スクリーン40が、円筒部70と漏斗状空間80との間に設けられる。
まず、円筒部70内について説明する。円筒部70内に設けられる粉砕ロータ20は、導入された被処理物を粉砕する。また、粉砕ロータ20は、回転軸25に連接され、その回転刃22はライナ10の内周面近傍まで延出する。すなわち、ライナ10または固定刃30と回転刃22との間には隙間が設けられている。
本実施形態の粉体処理装置100では、粉砕ロータ20の回転によって、円筒部70内のライナ10の内周壁にそって旋回する渦流が形成され得る。粉砕ロータ20を回転させることにより、液体による渦流を生じさせることができる。このため、ケーシング5内に、被処理物が供給口55から供給されると、被処理物が、回転刃22と固定刃30とによって粉砕されるとともに、液体及び粉砕等された被処理物の一部は渦流によってライナ10及びケーシング5の内壁に沿って上方へ移動する。即ち、粉砕等された被処理物は、渦流によって上昇および下降を繰り返しながら回転刃22、固定刃30、及びライナ10との衝突によって、さらに粉砕されることになる。
また、粉砕ロータ20は、上述のとおり、乳化、分散、混合、粉砕、溶解等の目的に応じて交換可能であり、特定の形状に限定されるものではない。なお、代表的な粉砕ロータ20の回転刃22の例は、丸棒ロータ型、斜め羽根型、及び凹凸ディスク型などがある。また、粉砕ロータ20の具体的な寸法は、特に限定されず、その適用場所や態様等に応じて適宜調整することができる。
なお、図1に示すように、回転軸25は円筒部70の軸芯方向に沿って設けられている。回転軸25は、ケーシング5と同軸芯に配置されて、その一端が上部に設けられた図示しないモータの出力軸に連結されている。また、回転軸25には、粉砕ロータ20が設けられている。なお、本実施形態の回転軸25の速度は特に限定されないが、回転軸25のジョイント部分に液体が侵入することを防ぐ観点から、粉砕ロータ20の回転刃22の先端周速が、60m/s以下の回転速度とすることが望ましい。
図3乃至図5は、本実施形態の粉砕ロータ20の形状の例を示す概略斜視図である。図3は、本実施形態における丸棒2段型ロータ20aを示す概略斜視図である。丸棒2段型ロータ20aは、回転刃22として円筒状の外筒21と外筒21の外周面に設けられた2段の複数のピン状の丸棒型回転刃22aを備える。また、外筒21の中央の貫通孔23には、回転軸25に固定するためのキー溝24が設けられている。なお、丸棒型回転刃22aの径及び本数は、適宜変更可能である。例えば、丸棒型回転刃22aの径が大きくなると被処理物の粉砕能力が向上するが、回転軸25の動力源の負担が大きくなるため、丸棒型回転刃22aの径を使用態様に応じて適宜決定することになる。また、図3では丸棒型回転刃22aが2段の例を示したが、丸棒型回転刃22aの段数は2段に限定されない。例えば、丸棒型回転刃22aが1段だけ設けられたものであってもよく、回転軸25の動力源の負担を考慮した上で3段以上設けられたものであってもよい。その他、丸棒型回転刃22aを複数段設けた場合には、粉砕ロータ20を上から見たとき、N段目の隣り合う丸棒型回転刃22a同士の間に、(N+1)段目の丸棒型回転刃22aが配置されるように、N段目と(N+1)段目の丸棒型回転刃22aとを互いにずらせて設けてもよい。
また、図4は、本実施形態における斜め羽根型ロータ20bを示す概略斜視図である。斜め羽根型ロータ20bは、回転刃22として円筒状の外筒121の外周に一定間隔で傾斜させた複数の羽根型回転刃22bを備えている。また、外筒121の中央の貫通孔123には、回転軸25に固定するためのキー溝124が設けられている。斜め羽根型ロータ20bは、回転軸25の回転方向と羽根型回転刃22bの角度とを考慮し、被処理物及び液体を底部空間90へ送り出す向きに回転軸25に取り付けられる。なお、羽根型回転刃22bの角度及び枚数は適宜変更可能であり、例えば、羽根型回転刃22bの角度を20°以上50°以下とすることは、被処理物及び液体の粉砕・混合領域及び後述する循環領域のおける好適な滞留時間を得る上で好ましい。
また、図5は、本実施形態における凹凸ディスク型ロータ20cを示す概略斜視図である。凹凸ディスク型ロータ20cは、回転刃22として凸型円筒状の外筒221の外周部の周方向に、複数の凸状の凸型回転刃22cを備えている。凸型回転刃22cは、周方向に複数箇所設けられた凹部(溝部)225により分割されている。また、外筒221の中央には、回転軸25に固定するためのキー溝224を有する貫通孔223が設けられている。図5に示すように、凹部225の側壁は、凸型回転刃22cに対して垂直に形成されているが、凹部225の側壁はこの形状に限定されない。例えば、凹部225の側壁が凸型回転刃22cに対して斜行するようにしてもよいし、凹部225の底面を平坦ではなく曲面状に凹んでいる形状とすることもできる。また、凸型回転刃22cの形状、大きさ、及び数は、適宜変更可能である。
なお、回転刃22は上述した丸棒型回転刃22a、羽根型回転刃22b、及び凸型回転刃22c以外にも、楕円状又は角柱状のピン(図示省略)、あるいは円筒状の外筒の外周表面に複数の凹凸溝を設けた回転刃(図示省略)とすることもできる。また、回転刃22を直接回転軸25に形成し、回転軸25が粉砕ロータ20の役割を兼ねることも可能である。
次に、図6乃至図7は、本実施形態の固定刃30の形状の具体例を示す概略図である。固定刃30を設けることにより、さらに被処理物が粉砕等され易くなる。
固定刃30の形状は、特に限定されるものではないが、代表的な固定刃30の形状の例は、後述するように、丸棒型、及び凸条型などがある。なお、これらの固定刃30の具体的な寸法も特に限定されず、その適用場所や態様等に応じて適宜調整することができる。なお、被処理物の種類によっては、固定刃30を設けないことも可能である。
図6は、本実施形態における固定刃30を示す概略斜視図である。固定刃30は、ライナ10の内周面に設けられた複数のピン状の固定刃である丸棒型固定刃30aを備える。また、ライナ10の側面には、スペーサ15に固定するためのキー溝34が設けられている。なお、丸棒型固定刃30aの径及び本数は、適宜変更可能であり、丸棒型固定刃30aを2段以上設けることも可能である。丸棒型固定刃30aを複数段設けた場合には、ライナ10を上から見たとき、N段目の隣り合う丸棒型固定刃30a同士の間に、(N+1)段目の丸棒型固定刃30aが配置されるように、N段目と(N+1)段目の丸棒型固定刃30aとを互いにずらせて設けてもよい。
また、図7は、本実施形態における凸条型固定刃30bを示す概略斜視図である。凸条型固定刃30bは、ライナ10の内周面に、複数の断面が三角形の凸条型固定刃30bを備えている。また、ライナ10の側面には、スペーサ15に固定するためのキー溝134が設けられている。なお、凸条型固定刃30bの高さ、数、及び形状は、適宜変更可能である。
上述のとおり、それぞれ多様な形状の回転刃22と固定刃30との組み合わせを採用することが可能となる。例えば、丸棒2段型ロータ20aと凸条型固定刃30bとの組み合わせや、丸棒2段型ロータ20aと丸棒型固定刃30aとの組み合わせなどを採用することも他の一態様である。また、回転刃22と固定刃30は、回転軸25の軸芯方向に複数段設けることも可能である。なお、回転刃22と固定刃30を設置するピッチは、顆粒状または造粒物などの粒径に合わせて設定すればよく、そのピッチは被処理物の大きさよりも小さくすることが好ましい。また、丸棒2段型ロータ20aと丸棒型固定刃30aとの組み合わせのように、回転刃22及び固定刃30にピン状の刃を使用し、さらに回転刃22又は固定刃30のうち少なくとも一方を複数段設けることも採用し得る他の一態様である。その場合には、図1に示すように、固定刃30は回転刃22との関係においては、側面視において回転刃22と固定刃30とを軸芯方向に間隔をあけて交互に、換言すれば櫛歯状に配列されていることが望ましい。このように、櫛歯状に配列することで、被処理物が回転刃22及び固定刃30に衝突する確率が高くなることで、被処理物がより粉砕等され易くなり、処理能力を向上させることができる。
次に、2つ目の構成部分は、図2の領域Cで示される主として粉砕等された被処理物を液体中に分散・溶解させる領域(以下、便宜上、「分散・溶解領域」という)である。また、3つ目の構成部分は、領域Dで示される主として被処理物及び液体を送液する領域(以下、便宜上、「送液領域」という)である。本実施形態では、粉体処理装置100の漏斗状空間80の下端から底部空間90に至るまでの領域は送液領域として機能する。換言すれば、仕切部を形成するテーパカバー11によって、被処理物及び液体を送液する送液領域が、循環領域、粉砕・混合領域、及び分散・溶解領域から分離されることになる。
本実施形態のテーパカバー11の傾斜面が形成する漏斗状空間80は、下方側ほど小径となる漏斗状の形状を有する。また、漏斗状空間80は、円筒部70が形成する空間と同軸芯となるように、該空間の軸芯方向の下方に連続している。ここで、本実施形態では、漏斗状空間80が先端側ほど小径となる漏斗状の形状を有することにより、後述する底部空間90へ送液する流量を制限することになる。その結果、循環領域、粉砕・混合領域及び分散・溶解領域での被処理物の滞留時間を長くすることが可能となり、被処理物がより粉砕等される。さらに、粉砕等された塊状又は粒状の被処理物(以下、単に「粒子」ともいう)のうちの比較的大きな粒子が、渦流に乗って漏斗状空間80を形成するテーパカバー11の傾斜面に沿って上昇し、漏斗状空間80から底部空間90への流出が留められ、その間に再度分散・溶解作用を受ける。そのため、液体中に分散又は溶解するための滞留時間をより長くすることが可能となる。
なお、粉砕等された被処理物の比較的大きな粒子が、漏斗状空間80を形成するテーパカバー11の傾斜面に沿ってスムーズに上昇することを可能にする観点から、仕切部の側面傾斜角度、すなわち、漏斗状空間80を形成するテーパカバー11の傾斜部分11bの傾斜角度は、漏斗状空間80の上端から見たときに、水平面に対して俯角5°以上60°以下となるように形成することが好ましい。これらの角度の範囲よりも急峻であれば、上述の被処理物の滞留時間を十分に得ることができない。他方、これらの角度の範囲よりも緩やかであれば、その滞留時間が長くなりすぎて被処理物の処理速度が低減することになる。上述の観点から言えば、漏斗状空間80を形成するテーパカバー11の傾斜部分11bの傾斜角度が約30°となることは、最も好ましい態様といえる。また、本実施形態においては、漏斗状空間80を形成するテーパカバー11の先端部11aは曲面に形成されているが、鋭角状に屈折させてもよい。但し、よりスムーズな流体の移動を実現する観点から言えば、漏斗状空間80を形成するテーパカバー11の先端部11aは曲面に形成されることが好ましい。
本実施形態の底部空間90は、円筒部70及び漏斗状空間80と同軸芯となるように漏斗状空間80の軸芯方向の下方に連続している。また、底部空間90は、送液ロータ58と排出口56とを備えている。
また、本実施形態の送液ロータ58は、排出口56に向けて粉砕等された被処理物及び液体を排出口56に向けて送液する。送液ロータ58を回転させることによって、排出量を調節して、効率よく粉砕等された被処理物及び液体を排出させる流れを作り出す。送液ロータ58は、公知の形状を使用することができる。送液ロータ58の送液羽根は、テーパカバー11の下方開口よりも回転軸25中心方向内側から形成されていることが望ましい。粉砕ロータ20が回転することにより発生するテーパカバー11の内周壁に沿って旋回する渦流によって、比較的大きい粒子径の被処理物ほど漏斗状空間80を形成するテーパカバー11の壁面に沿って上昇しやすくなる。一方、細かい粒子径の被処理物は、送液ロータ58によって強制的に下方に流れることになる。
なお、本実施形態では、送液ロータ58を粉砕ロータ20同じ回転軸25に取り付けているが、必ずしも同じ回転軸25に取り付ける必要はない。例えば、ケーシング5に回転軸25とは別の回転軸を下方から取り付け、その回転軸に送液ロータ58を取り付けるようにしてもよい。このような構成を採用することにより、粉砕ロータ20と送液ロータ58との回転速度や回転方向をそれぞれ独立して変えることが可能となる。一般的に、送液ロータ58の回転速度が遅くなれば被処理物及び液体の排出量は減少する。従って、送液ロータ58の回転速度を調整することによっても、被処理物の滞留時間を調整することが可能となる。
また、本実施形態の排出口56は、粉砕等された被処理物及び液体を排出する。回転刃22及び固定刃30により粉砕等された被処理物は、液体に分散、溶解、又は液体と乳化、あるいは液体と混合された状態で排出口56から排出される。このように、本実施形態の粉体処理装置100の構成を採用すれば、ケーシング5の上部に設けられた供給口55から被処理物を連続的に供給し、ケーシング5の下部に設けられた排出口56から連続的に取り出すという、連続操業が可能になる点は特筆に値する。
なお、上述の最終的に得られる被処理物の粒子径のバラつきを更に低減する観点から、本実施形態の第1スクリーン40及び第2スクリーン50が採用される。第1スクリーン40及び第2スクリーン50は、所望の大きさに粉砕等された固形物を通過させて選別するものであり、必要に応じて設置することができる。図1に示すように、本実施形態においては、円板状の第1スクリーン40が、粉砕ロータ20と漏斗状空間80との間に設けられる。また、円筒状の第2スクリーン50が、底部空間90の送液ロータ58の付近に設けられる。
第1スクリーン40が、円筒部70と漏斗状空間80との間に設けられることによって、粉砕等された被処理物が、粉砕・混合領域である円筒部70内で滞留する時間がより確度高く調節され得る。具体的には、円筒部70内の回転刃22及び固定刃30によって、被処理物に対して粉砕処理が繰り返し行われ、やがて、第1スクリーン40の開口部から漏斗状空間80に向けて下降し、送液ロータ58によって抜け出ることになる。従って、第1スクリーン40の開口面積を大きくすると、被処理物がすぐに通過してしまうため、被処理物の滞留時間が短くなる。そうすると、回転刃22や固定刃30から衝撃を受ける回数が少なくなるため、得られる粉砕等された被処理物の粒径も比較的大きくなる。また、第1スクリーン40及び第2スクリーン50は、水の抵抗をできる限り低減する形状を採用することが好ましい。
図8は、本実施形態における第1スクリーン40の形状の例を示す概略斜視図である。図8に示すように、円板状の第1スクリーン40は、リム部41とフィルター部45と備えている。また、フィルター部45の中心部には、回転軸25に嵌挿される挿通孔46が形成されている。フィルター部45は、粉砕ロータ20と対抗する表面に、開口部42,44及び突起部43を設けている。より具体的には、フィルター部45における直交座標系の第1象限及び第3象限に該当する部分に、X軸方向に長穴形状の凹陥部を形成する複数の開口部42が一定間隔で形成され、突起部43が各開口部42の間に等間隔で形成されている。また、フィルター部45における直交座標系の第2象限及び第4象限に該当する部分に、Y軸方向に長穴形状の凹陥部を形成する複数の開口部44が一定間隔で形成され、突起部43が各開口部44の間に等間隔で形成されている。
第1スクリーン40が複数の突起部43を備えることにより、粉砕等された被処理物は、粉砕ロータ20によって第1スクリーン40の突起部43に押し付けられることになるため、より粉砕が進行し易くなる。また、リム部41は、第1スクリーン40とライナ10とを固定するためのボルトを通す穴であるボルト穴47を複数備えている。なお、第1スクリーン40の突起部43の設置は任意である。従って、第1スクリーン40の表面に、開口部42,44のみを設けてもよい。
また、本実施形態の第2スクリーン50は、底部空間90と同軸芯に配置される。また、円筒状の第2スクリーン50は、複数の長穴形状や丸穴形状などの開口部を、円筒壁の回りに備えている。第2スクリーン50が、底部空間90が備える排出口56付近に設けられることによって、粉砕等された被処理物が、送液領域の一部である底部空間90内で滞留する時間が調節される。その結果、底部空間90内で被処理物の滞留する時間が長くなることによって、本実施形態における粉体処理装置100は、粉砕等された被処理物の分散及び/又は溶解能力を向上させることが可能となる。また、第1スクリーン40と第2スクリーン50とは、開口部の大きさを変えることも採用し得る他の一態様である。例えば、排出口56に近い第2スクリーン50の開口部の大きさを第1スクリーン40の開口部よりも小さくすることによって、粉砕等された被処理物の分散及び/又は溶解能力をより向上させることができる。
また、第1スクリーン40及び第2スクリーン50の形状は、特に限定されるものではない。また、第1スクリーン40及び第2スクリーン50の具体的な寸法は特に限定されず、その適用場所や態様等に応じて適宜調整することができる。さらに、第1スクリーン40及び第2スクリーン50における開口部の形状は、長穴形状、丸穴形状、角穴形状等、種々の形状を用いることができ、その開口部の大きさ、数、配列パターン、及びサイズも適宜変更することが可能である。
そして、4つ目の構成部分は、図2の領域Aで示される主として粉砕等された被処理物を液体中で循環させながら分散及び/又は溶解させる領域(以下、便宜上、「循環領域」という)である。本実施形態では、粉体処理装置100の上層空間60は、循環領域として機能する。
本実施形態の上層空間60には、被処理物及び液体を供給する供給口55が設けられている。上層空間60の形状は、特に限定されるものではないが、上層空間60は、上述のとおり、固定刃30と、回転刃22とにより粉砕等された被処理物を循環させながら分散及び/又は溶解させる領域であるため、粉砕等された被処理物が上昇しやすい形状であることが望ましい。本実施形態においては、上層空間60の底面部と側面部との境界部分60aが、角部を備えているが、この形状に限定されない。例えば、境界部分60aが曲面状に形成されていることは、粉砕等された被処理物がより上昇し易くなるため採用し得る好適な一態様である。
また、上層空間60は、供給された被処理物及び液体を一時的に貯留するためのバッファ領域としても機能する。すなわち、仮に粉砕・混合領域で処理可能な量以上の被処理物及び液体が供給されたとしても、粉砕・混合領域の上部に設けられた上層空間60内で過剰量の被処理物及び液体を一旦貯留・循環させながら、粉砕・混合領域で順次粉砕等の処理が行われる。そのため、被処理物及び液体を粉体処理装置100に連続的かつ大量に供給することが可能となり、生産性が向上する。
また、本実施形態の供給口55は、図1に示すように、斜め上方から斜め下方に向けて被処理物と液体とをケーシング5内に供給する。なお、供給口55は、被処理物をスムーズにケーシング5内に供給するとともに、供給口55と接合される液体タンクの設置を容易にするために、傾斜角度が水平面に対して10°以上60°以下となるように形成することが好ましい。なお、前述の各観点から、傾斜角度が水平面に対して約20°となるように設置することが最も好ましい。
以上述べたとおり、本実施形態における粉体処理装置100は、ケーシング5内において、循環領域、粉砕・混合領域及び分散・溶解領域と送液領域とが区画されている。従って、例えば被処理物が医薬品として用いられる錠剤のような硬い造粒物(一般に、硬度40N〜100N)又は凝集物を予め微粉砕を行うことなく、直接、被処理物を粉砕機内に供給した場合であっても、被処理物の循環領域、粉砕・混合領域及び分散・溶解領域での滞留時間を確保して、被処理物を十分に粉砕及び/又は混合させることが可能となる。その結果、本実施形態の粉体処理装置100を用いることによって製品中への粗大粒子の混入を抑制するとともに大量の被処理物の粉砕処理が可能となるため、生産工程及び生産コストを大幅に低減することができる。
<実施例>
以下、上述の実施形態をより詳細に説明するために、実施例をあげて説明するが、上述の実施形態はこれらの例によって限定されるものではない。以下に、粉体処理装置100を用いて被処理物の粉砕試験を行った結果を示す。
まず、粉砕試験で行われた具体的な工程と次のとおりである。図9は、粉砕試験で行われた工程を概略的に示す図である。本実施例の被処理物は、ラクトース造粒品(粒径約10mm)ある。また、ライナ10の内径は、120mmに設定した。テーパカバー11の傾斜角度は、30°に設定した。また、粉砕ロータ20は、8本の丸棒(φ115mm)2段型(図3に記載)である。また、固定刃30は、8本の丸棒(長さ35mm)1段型(図6に記載)である。第1スクリーン40は、長穴形状の開口部(短径3mm)及び突起部(3mm×3mm×3mm)を備える円板状のスクリーン(図6に記載)である。また、第2スクリーン50は、長穴形状の開口部(短径3mm)を備える円板状のスクリーンである。さらに、粉砕ロータ、固定刃、及びスクリーンの材質は、SUS304である。また、粉砕ロータ20の回転刃22である丸棒の先端周速は、約22m/s(回転速度3600rpm)に設定した。
図9に示すとおり、まず、ラクトース造粒品と水道水とを供給口55から粉体処理装置100内に供給した。具体的には、水道水が、液体タンク210からポンプ220を用いて、流量計230の管理下で4500kg/hで粉体処理装置100に供給された。また、被処理物であるラクトース造粒品は、被処理物供給機240から、1000kg/hで粉体処理装置100に供給された。
液体とともに供給された被処理物を、固定刃30と、回転する粉砕ロータ20とによって粉砕処理し、粉砕等された被処理物を、水道水とともに粉体処理装置100から排出させた。排出口56からの排出量は、流量計250の管理下で5500kg/hであった。また、本実施例の条件において、運転動力は9kWであった。
排出された被処理物及び水道水を、回収タンク260に回収することにより、本実施形態の粉砕能力を、ふるい上の質量割合で評価した。具体的には、回収された被処理物及び水道水を0.84mmの目開きのふるいを用いてふるい、そのふるい上に残った粉砕物の質量を測定して得た値を、粉体処理装置100に供給した被処理物の質量で除して質量割合(%)が求められた。その結果、0.84mmのふるい上の質量割合は、10質量%という良好な結果であった
以上の結果から、本実施形態の粉体処理装置100によって、液体供給量が4500kg/hであり、ラクトース造粒品供給量が1000kg/hであるという条件であっても、従来は不可能であった大量の硬い被処理物を予め微粉砕させることなく、粉砕及び分散処理をすることが可能であることが明らかとなった。
上述のとおり、本実施形態における粉体処理装置によれば、被処理物が硬い造粒物からなるものであっても、予め微粉砕を行うことなく乳化、分散、混合、粉砕、溶解等の工程が可能である。また、本実施形態における粉体処理装置を用いることによって、大量の処理が可能となる。従って、生産性、工業性に優れた粉体処理装置の提供に大きく貢献するものである。
<その他の実施形態>
上述の実施形態においては、円筒部の軸芯方向にケーシングと同軸に配置された回転軸に、粉砕ロータが設けられ、固定刃がケーシングの内壁に備えられたライナに設けられていたが、粉砕ロータと固定刃との態様は、それらの態様に限定されない。例えば、円筒部の軸芯部分に固定刃を設け、円筒部の内周面に沿って設けられた回転筒に粉砕ロータが備えられることも、採用し得る他の一態様である。
以上述べたとおり、上述の各実施形態の開示は、それらの実施形態の説明のために記載したものであって、本発明を限定するために記載したものではない。加えて、各実施形態の他の組合せを含む本発明の範囲内に存在する変形例もまた、特許請求の範囲に含まれるものである。
5 ケーシング
6 架台
10 ライナ
11 テーパカバー(仕切部)
11a 先端部
11b 傾斜部分
15 スペーサ
20 粉砕ロータ
20a 丸棒2段型ロータ
20b 斜め羽根型ロータ
20c 凹凸ディスク型ロータ
22 回転刃
22a 丸棒型回転刃
22b 羽根型回転刃
22c 凸型回転刃
21,121,221 外筒
23,123,223 貫通孔
24,34,124,134,234 キー溝
25 回転軸
30 固定刃
30a 丸棒型固定刃
30b 凸条型固定刃
40 第1スクリーン
41 リム部
42 開口部
43 突起部
44 開口部
45 フィルター部
46 挿通孔
47 ボルト穴
50 第2スクリーン
55 供給口
56 排出口
58 送液ロータ
60 上層空間
60a 境界部分
70 円筒部
80 漏斗状空間
90 底部空間
100 粉体処理装
220 ポンプ
222 切刃
225 凹部
230 流量計
240 被処理物供給機
250 流量計
260 回収タンク

Claims (6)

  1. 被処理物を液体中で粉砕及び/又は混合するケーシングを備える縦型の粉体処理装置であって、
    前記ケーシングは、
    回転刃と前記ケーシングの軸芯周りに回転駆動するロータとが内側に設けられている円筒部を有する、第一処理室と、
    前記第一処理室に連通し、かつ前記円筒部から軸芯に沿って一様に、下方へ向かうほど小径となる漏斗状の傾斜面によって形成された無底筒状の仕切部と、
    前記ロータと前記仕切部との間に、前記被処理物と前記液体とを通過させて選別するスクリーンと、
    前記仕切部に連通し、前記被処理物及び前記液体を送液する送液ロータが設けられている第二処理室と、
    前記第一処理室に連通する供給口と、
    前記第二処理室に連通する排出口と、を備え、
    前記第一処理室が、前記円筒部の上方に位置し、前記被処理物を前記液体中で循環させながら分散及び/又は溶解させる循環領域をさらに備える、
    粉体処理装置。
  2. 被処理物を液体中で粉砕及び/又は混合するケーシングを備える縦型の粉体処理装置であって、
    前記ケーシングは、
    回転刃と前記ケーシングの軸芯周りに回転駆動するロータとが内側に設けられている円筒部を有する、第一処理室と、
    前記第一処理室に連通し、かつ前記円筒部から軸芯に沿って一様に、下方へ向かうほど小径となる漏斗状の傾斜面によって形成された無底筒状の仕切部と、
    前記仕切部に連通し、前記被処理物及び前記液体を送液する送液ロータが設けられている第二処理室と、
    前記第一処理室に連通する供給口と、
    前記第二処理室に連通する排出口と、を備え、
    前記第一処理室が、前記円筒部の上方に位置し、前記被処理物を前記液体中で循環させながら分散及び/又は溶解させる循環領域をさらに備え、かつ
    前記円筒部の内側には、前記回転刃と協働して前記被処理物を粉砕及び/又は混合する固定刃がさらに設けられた、
    粉体処理装置。
  3. 前記仕切部は、前記傾斜面の下方の先端部が曲面状に形成された無底筒状の仕切部である、
    請求項1又は請求項2に記載の粉体処理装置。
  4. 前記回転刃と前記固定刃とがともにピンを備え、前記回転刃と前記固定刃とを軸芯方向に間隔をあけて交互に配列するように配置した、
    請求項2に記載の粉体処理装置。
  5. 前記循環領域が、前記供給口から供給された前記被処理物及び前記液体を一時的に貯留する、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の粉体処理装置。
  6. 斜め上方から斜め下方に向けて前記被処理物と前記液体を供給する前記供給口に連続する、前記ケーシング内の前記循環領域の底面部と、前記ケーシングの側面部との境界領域が曲面状である、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の粉体処理装置。
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