JP6247516B2 - ハイブリッド式作業車両 - Google Patents

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Description

本発明は、ハイブリッド式作業車両に関する。
従来から、エンジンで発電電動機を駆動して発電した電力で走行電動機を駆動するとともに、回生ブレーキと油圧ブレーキとを用いて制動力を発生させるハイブリッド式ホイールローダが知られている(たとえば特許文献1)。特許文献1に記載のハイブリッド式ホイールローダでは、ブレーキペダルの踏み込み応じて、回生ブレーキ、または、油圧ブレーキと回生ブレーキを併用する回生協調ブレーキによる制動制御が行われる。回生協調ブレーキ制御は、ブレーキペダル踏込量が一定の値以上で行われる。
特開2008−154324号公報
特許文献1のようなハイブリッド式ホイールローダでは、走行電動機の回生電力を消費して回生制動トルクを得ている。回生電力は、蓄電素子への充電や、発電電動機による負荷駆動により消費される。蓄電素子のSOCや発電電動機の負荷状態等により回生可能な電力には、車速に応じた上限値が設定されている。そのため、ブレーキ踏込量一定の条件で油圧ブレーキを併用する回生協調ブレーキを行うと、ブレーキペダルの操作状況によっては必要な制動力が得られず、従来からのトルコン式ホイールローダやHSTホイールローダに比べると、ブレーキ操作の操作感覚に違和感を生じさせるという問題がある。
請求項1の発明は、蓄電装置と、エンジンによって駆動される発電電動機と、前記蓄電装置および前記発電電動機と電気的に接続され、前記蓄電装置および前記発電電動機からの電力で駆動されて車輪に走行駆動力を与える走行電動機と、ブレーキペダルと、前記ブレーキペダルの踏込量に応じてブレーキ圧を発生させるブレーキ圧発生装置と、前記ブレーキ圧発生装置により発生させたブレーキ圧により駆動されて車輪を制動する油圧ブレーキ装置と、前記ブレーキペダルの踏込量を検出するブレーキペダル踏み込み量検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、前記ブレーキペダル踏み込み量検出手段により検出されたブレーキペダル踏込量に基づいて演算された要求制動力が前記車速検出手段で検出された車速に基づいて決定された回生制動力上限値よりも小さい低速域においては、前記走行電動機の回生電力による回生制動力で車両を減速する単独回生制動制御を行い、前記低速域より車速が大きい中速域及びその中速域より車速が大きい高速域においては、前記油圧ブレーキ装置による機械式制動力および前記回生制動力により車両を減速する回生協調制動制御を行う制御手段を備え、前記単独回生制動制御は、前記ブレーキペダルの踏込量に比例して増加する制動力特性を有し、前記回生協調制動制御は、前記ブレーキペダルの踏込量に比例して増加する前記単独回生制動制御の制動力特性と同一の傾きの制動力特性を有し、前記制御手段は、前記回生協調制動制御時には、前記ブレーキペダルとアクセルペダルの同時踏込時に走行駆動力を漸次減少させた上で遮断するインチング制御を行い、前記単独回生制動制御時には、前記インチング制御を行わずに、前記アクセルペダルと前記ブレーキペダルとの操作量に応じて、前記走行駆動力を発生させるか回生制動制御を行うかを切り替えるすることを特徴とする。
本発明によれば、回生制動力の上限を超える制動力が必要な場合には、回生制動力と機械式油圧ブレーキによる制動力とによる回生協調制動制御を行うようにしたので、必要な制動力を確保するとともに、ブレーキ操作の操作感覚に違和感が生じることを防ぐことができる。
本発明の実施の形態によるハイブリッド式ホイールローダの外観側面図 第1の実施の形態によるハイブリッド式ホイールローダの要部構成を示すブロック図 アクセル要求トルクマップの一例を示す図 実施の形態によるハイブリッド式ホイールローダの油圧ブレーキ装置とブレーキ圧発生装置を説明する図 車速に応じた回生ブレーキによる制動力の上限値の特性を示す図 ブレーキペダルの操作量と制動トルクとの関係を示す図 第2の実施の形態によるハイブリッド式ホイールローダの要部構成を示すブロック図 第2の実施の形態によるハイブリッド式ホイールローダにおけるインチング条件に応じた走行駆動力カットを説明するタイムチャート
本発明によるハイブリッド式作業車両は、走行電動機により走行駆動力を得るものであり、また、回生制動力と油圧ブレーキによる機械式制動力とを利用した回生協調ブレーキ制御も行う。本発明は、とくにこの回生協調ブレーキ制御を改良したものである。
−第1の実施の形態−
以下、本発明によるハイブリッド式作業車両の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明によるシリーズハイブリッド式作業車両の一例であるホイールローダ100の側面図である。本実施の形態のホイールローダ100は、走行電動装置100E(図2参照)の回生制動力と、油圧ブレーキ装置30による制動力とにより減速するように構成されている。ホイールローダ100は、アーム111、バケット112、前輪113等を有する前部車体110と、運転室121、エンジン室140、後輪123等を有する後部車体120とで構成される。
本実施の形態のホイールローダ100は、前部車体110と、後部車体120とが連結軸101U,101Lを回転軸として左右に屈曲されるアーティキュレート式のホイールローダ100である。前部車体110と後部車体120とは連結軸101U,101Lにより互いに回動自在に連結され、ステアリングシリンダ116の伸縮により後部車体120に対し前部車体110が左右に屈折して操舵される。
前部車体110には、上下方向に回動可能にアーム111が連結されており、アーム111はアームシリンダ117の駆動により上下方向に回動(俯仰動)する。アーム111の先端にはバケット112が上下方向に回動可能に連結されており、バケット112はバケットシリンダ115の駆動により上下方向に回動(クラウドまたはダンプ)する。
図2は、ホイールローダ100の構成の一例を示す図である。ホイールローダ100は、メインコントローラ20と、エンジン1と、エンジンコントローラ21と、走行電動装置100Eと、作業油圧装置(以下、単に作業装置と称す)100Hと、走行駆動装置100Dとを備えている。
作業装置100Hは、アーム111およびバケット112(図1参照)と、アームシリンダ117およびバケットシリンダ115とを含んで構成され、エンジン1により駆動されるモータ/ジェネレータ5に機械的に接続された作業用油圧ポンプ10から吐出される圧油により駆動される。作業用油圧ポンプ10から吐出される圧油は、制御弁11を介して、アームシリンダ117およびバケットシリンダ115へと供給される。運転室121内のアーム操作レバー57およびバケット操作レバー58を操作することにより、制御弁11が動作し、アームシリンダ117およびバケットシリンダ115へ作動油が適宜分配され、アーム111およびバケット112に所定の動作を行わせることができるようになっている。
走行電動装置100Eは、モータ/ジェネレータ5と、M/Gインバータ25と、フロントモータ3と、フロントインバータ23と、リアモータ4と、リアインバータ24と、蓄電素子(たとえば、キャパシタ)7と、コンバータ27とを含んで構成される。走行駆動装置100Dは、アクスル60F,60Rと、デファレンシャル装置70F,70Rと、プロペラシャフト64とを含んで構成され、フロントモータ3およびリアモータ4によって駆動される。
フロントモータ3とリアモータ4とは以下のような連結構造を有している。フロントモータ3のロータ3rおよびリアモータ4のロータ4rは、両端のそれぞれに自在継手73,74を有するプロペラシャフト64を介して接続されている。プロペラシャフト64の一端の第1自在継手74にリアモータ4のロータ4rのロータシャフト65が接続され、プロペラシャフト64の他端の第2自在継手73にフロントモータ3のロータ3rのロータシャフト63が接続されている。これにより、フロントモータ3のロータ3rとリアモータ4のロータ4rとは、プロペラシャフト64および一対の自在継手73,74により連結され、一体的に回転する。
一対の前輪113は、それぞれ、前輪側アクスル60Fに連結されている。前輪側アクスル60Fは、デファレンシャル装置70Fに接続され、デファレンシャル装置70Fは一対の自在継手からなる連結部72を介してフロントモータ3のロータシャフト63に連結されている。一対の後輪123は、それぞれ、後輪側アクスル60Rに連結されている。後輪側アクスル60Rは、デファレンシャル装置70Rに接続され、デファレンシャル装置70Rは、一対の自在継手からなる連結部75を介してリアモータ4のロータシャフト65に連結されている。
アクスル60F、60Rには、ホイールローダ100を減速、停止させるための油圧ブレーキ装置30が設けられている。油圧ブレーキ装置30は、ブレーキ圧発生装置300から供給される圧油の圧力、すなわち、ブレーキ圧に応じて機械式制動力を発生させる。油圧ブレーキ装置30と、ブレーキ圧発生装置300の詳細については、図4を用いて説明を後述する。
モータ/ジェネレータ5は、エンジン1の出力軸に連結され、エンジン1により駆動されて3相交流電力を発生する発電機として機能する。この3相交流電力は、M/Gインバータ25により直流電力に変換されてフロントインバータ23およびリアインバータ24に供給される。なお、蓄電素子7のSOCが所定値まで低下している場合には、M/Gインバータ25により変換された直流電力はコンバータ27を介して蓄電素子7にも供給され、蓄電素子7が充電される。
M/Gインバータ25、フロントインバータ23およびリアインバータ24は、直流電力を交流電力に、または、交流電力を直流電力に変換する電力変換装置である。M/Gインバータ25、フロントインバータ23およびリアインバータ24は、コンバータ27を介して蓄電素子7に接続されている。コンバータ27は、蓄電素子7の充放電電圧を昇圧または降圧する。
蓄電素子7は、ある程度の電気的仕事(たとえば数10kW、数秒程度の仕事)で発生する電力を蓄電し、所望の時期に蓄電された電荷を放電することが可能な電気二重層キャパシタである。蓄電素子7は、フロントインバータ23およびリアインバータ24やM/Gインバータ25で変換された直流電力により充電される。蓄電素子7は、リチウムイオンバッテリのような二次電池でもよい。
M/Gインバータ25で変換された直流電力、および/または、蓄電素子7から出力された直流電力は、フロントインバータ23およびリアインバータ24により3相交流電力に変換される。フロントモータ3およびリアモータ4は、それぞれフロントインバータ23およびリアインバータ24で変換された3相交流電力により駆動されて回転トルクを発生する。フロントモータ3およびリアモータ4で発生した回転トルクは、デファレンシャル装置70F,70Rおよびアクスル60F,60Rを介して、前輪113および後輪123に伝達される。
一方、回生制動の運転時には、前輪113および後輪123から伝達される回転トルクによりフロントモータ3およびリアモータ4が回転して、3相交流電力が発生する。フロントモータ3およびリアモータ4で発生した3相交流電力は、それぞれフロントインバータ23およびリアインバータ24により直流電力に変換され、コンバータ27を介して蓄電素子7に供給され、蓄電素子7はフロントインバータ23およびリアインバータ24で変換された直流電力により充電される。
メインコントローラ20およびエンジンコントローラ21は、CPUや記憶装置であるROMおよびRAM、その他の周辺回路などを有する演算処理装置を含んで構成されている。メインコントローラ20は、ホイールローダ100の走行系および油圧作業系を含むシステム全体の制御を行っており、システム全体が最高のパフォーマンスを発揮するように各部を制御する。
メインコントローラ20には、前後進切換スイッチ51、アクセルペダルセンサ52、車速センサ53、ブレーキペダルセンサ54、エンジン回転数センサ50、ならびに、走行モータ回転数センサ59からの信号がそれぞれ入力される。前後進切換スイッチ51は、車両の前進/後進を指令する前後進スイッチ信号をメインコントローラ20に出力する。アクセルペダルセンサ52は、アクセルペダル55のペダル操作量を検出してアクセル信号をメインコントローラ20に出力する。車速センサ53はホイールローダ100の車両走行速度(車速)を検出して、車速信号をメインコントローラ20に出力する。ブレーキペダルセンサ54は、ブレーキペダル22のペダル操作量を検出してブレーキ信号をメインコントローラ20に出力する。
エンジン回転数センサ50はエンジン1の実回転数を検出して、実回転数信号をメインコントローラ20に出力する。走行モータ回転数センサ59はフロントモータ3およびリアモータ4の回転数を検出して、モータ回転数信号をメインコントローラ20に出力する。
なお、走行モータ回転数センサ59および車速センサ53のうち、いずれかを省略してもよい。たとえば、車速センサ53を省略し、走行モータ回転数センサ59により検出されたモータ回転数に基づいて車速を演算してもよい。
また、エンジン1とモータ/ジェネレータ5は機械的に連結されているから、エンジン回転数はモータ/ジェネレータ5の回転数で代替してもよい。
メインコントローラ20は、アクセルペダル55のペダル操作量を含む車両情報に応じた走行要求トルクをフロントモータ3およびリアモータ4が出力して力行走行するように、エンジン1、フロントインバータ23およびリアインバータ24などを制御する。本実施の形態では、走行要求トルクに従って回生走行も制御される。走行中にブレーキペダルが踏み込まれると、メインコントローラ20は、ブレーキペダル踏み込み量に応じた要求制動力を演算して制動力を制御すべく各種機器、素子を制御する。
例えば、フロントモータ3およびリアモータ4で発電される回生電力を利用して、蓄電素子7を充電したり、モータ/ジェネレータ5を駆動する。これにより、回生電力を消費して回生制動力を得る。
また、メインコントローラ20は、ブレーキペダル踏み込み量に応じた要求制動力が回生制動力上限値を超えている場合、ブレーキ圧発生装置300を制御して油圧ブレーキ装置30による機械式制動力を発生するようにし、回生制動力に加算して車両の制動力を制御する。この制動力制御を回生協調制動と呼ぶ。
メインコントローラ20は、算出したアクセル要求トルクと、ブレーキペダル22のペダル操作量とに基づいて、以下の式(1)を用いて走行要求トルクを算出する。
T1=T2−K・Sbr …(1)
なお、T1は走行要求トルク、T2はアクセル要求トルク、Sbrはブレーキペダルセンサ54から出力されたブレーキ信号、Kはブレーキ信号を制動トルクに変換する比例定数を表す。比例定数Kは、ブレーキペダル22の操作によって過不足のない減速が得られるように予め設定されている。
(1)式によれば、アクセルペダル55のみが踏み込まれて前進走行する時には、走行要求トルクT1は、右辺第1項のアクセル要求トルクT2であり、正の駆動トルクとなる。ブレーキペダル22のみが踏み込まれて減速走行する時には、走行要求トルクT1は、右辺第2項の(−K・Sbr)で演算される制動要求トルクであり、負の制動トルクとなる。アクセルペダル55とブレーキペダル22が両方とも踏み込まれて前進走行する時には、走行要求トルクT1は、(T2−K・Sbr)で演算される走行要求トルクであり、アクセルペダル踏み込み量とブレーキペダル踏み込み量の大きさによって、正の値、または負の値をとる。
走行要求トルクを演算する際、メインコントローラ20は、アクセルペダル55のペダル操作量とフロントモータ3およびリアモータ4の回転数とに基づいて、アクセル要求トルクマップを用いてアクセル要求トルクを算出する。
図3は、アクセル要求トルクマップ(モータ特性)を示す図である。アクセル要求トルクマップは、フロントモータ3およびリアモータ4のカーブを表すマップである。アクセル要求トルクマップは、アクセル要求トルクが、アクセル信号に比例しつつリアモータ4およびフロントモータ3の回転数に反比例するように設定されており、メインコントローラ20内の記憶装置に記憶されている。
メインコントローラ20は、アクセル信号に応じたトルクカーブを決定し、そのトルクカーブに対して、そのときのフロントモータ3およびリアモータ4の回転数を参照し、アクセル要求トルクを決定する。なお、アクセルペダル55が操作されていない場合には、メインコントローラ20はクリープ要求トルクを算出する。
メインコントローラ20は、正の走行要求トルクT1により力行走行するときは、要求走行トルクT1に基づいて走行要求出力を演算し、この走行要求出力に基づいて、モータ/ジェネレータ5で所定の発電量を得るためのエンジン目標回転数Ntを演算し、演算したエンジン目標回転数Ntに基づいてエンジン駆動制御信号をエンジンコントローラ21に出力する。さらに、メインコントローラ20は、モータ/ジェネレータ5で発電した3相交流電力を直流電力に変換するための駆動信号をM/Gインバータ25に出力する。M/Gインバータ25から出力される直流電力は、フロントインバータ23とリアインバータ24により三相交流電力に変換されてフロントモータ3とリアモータ4に供給され、これらのモータが駆動される。
エンジンコントローラ21は、エンジン回転数センサ50で検出されたエンジン1の実回転数Naと、メインコントローラ20からのエンジン目標回転数Ntとを比較して、エンジン1の実回転数Naをエンジン目標回転数Ntに近づけるために燃料噴射装置(不図示)を制御する。
掘削制御装置の要求油圧出力があれば、エンジンコントローラ21は、この要求油圧出力も加味してエンジン目標回転数Ntを演算する。
メインコントローラ20は、蓄電素子7の充電率(SOC:State Of Charge)が所定の下限値を下回らないように、かつ、所定の上限値を上回らないように、車両の運転状況、すなわち車速情報やアクセルペダル55のペダル操作量、充電率等に応じて、エンジン1、M/Gインバータ25、フロントインバータ23、リアインバータ24およびコンバータ27等を制御する。
次に、本実施の形態の油圧ブレーキ装置30への圧油の給排を制御するブレーキ圧発生装置300の詳細について説明する。
図4は油圧ブレーキ装置30を含むブレーキ圧発生装置300の構成を説明する図である。油圧ブレーキ装置30は、ブレーキ圧発生装置300からの圧油により駆動されるブレーキシリンダ31と、ブレーキシリンダ31により駆動され、ブレーキディスクを加圧して機械式制動力を得るブレーキパッド32と、ブレーキパッド戻しばね33とを備えている。
ブレーキ圧発生装置300は、エンジン2とモータ/ジェネレータ5と機械的に接続された油圧ポンプ301と、ブレーキペダル22の踏み込み量や車速に応じたブレーキ圧を生成して油圧ブレーキ装置30に供給するブレーキバルブ302と、ブレーキバルブ302の出力特性を可変制御するための制御圧を生成する圧力制御弁303と、要求制動力が回生制動力上限値以下の場合には、ブレーキペダル22の踏み込みによるバルブスプール位置によるブレーキ圧を無効とする電磁弁(アンロード弁)304とを備えて構成されている。
圧力制御弁303は、メインコントローラ20による指示に従って、油圧ポンプ301からの圧油の圧力を制御し、制御圧としてブレーキバルブ302に出力する比例電磁式圧力制御弁である。ブレーキバルブ302は、ブレーキペダル22により機械的に操作されるとともに、圧力制御弁303からの制御圧および電磁弁304によっても操作される。
ブレーキバルブ302は、ブレーキペダル22による機械式操作力と圧力制御弁303からの制御圧による油圧式操作力とに応じた出力特性により生成されるブレーキ圧を出力する。すなわち、単独回生制動制御時、ブレーキバルブ302は、ブレーキペダル22による機械式操作力のみで操作されるが、電磁弁304によりブレーキ圧を出力しないように構成されている。また、回生協調制動制御時、ブレーキバルブ302は、ブレーキペダル22による機械式操作力と圧力制御弁303からの制御圧で操作されるが、要求制動力と回生制動力の上限値との差分の制動力に相当するブレーキ圧を出力するように構成されている。
本実施の形態のホイールローダ100は、走行電動装置100Eの回生制動力と、油圧ブレーキ装置30による機械式制動力とにより減速する。
図5は車速に応じた回生制動力の上限値の特性を示す図である。図5において、実線は回生制動力の上限値であり、上限値は車速の増加に伴って減少する。回生制動力の上限値は、回生電力を消費可能な電力で規定される。
回生電力は、フロントモータ3およびリアモータ4の制動トルクと、フロントモータ3およびリアモータ4の回転数(すなわち車速)との積によって表される。
ここで、車速、すなわちモータ回転数をNm、制動トルクをTk、回生電力をPkで示すとき、回生電力Pkは以下の(2)式で表すことができる。
Pk=Tk×Nm …(2)
したがって、車速、すなわちモータ回転数Nmが大きいほど、回生電力Pkは大きくなる。この回生電力Pkを消費して回生制動トルク、すなわち回生制動力が得られる。
しかし、蓄電素子7の充電状態、モータ/ジェネレータ5の負荷などに依存して、発生した回生電力を消費できない条件がある。そこで、回生電力の消費量の最大値PKmaxに応じた回生制動力を図5に示す実線の回生制動力上限値Fklimitとして設定している。すなわち図5は、横軸に車速、縦軸に回生制動力をとった、車速に対する回生制動力上限値の特性線図である。
ハイブリッド式作業車両においては、通常はブレーキペダル22は半分程度の踏込量のブレーキ力を使用することが多い。図5において、破線F1は、ブレーキペダル22が半分程度踏み込まれた時の要求制動力Fhalfを示し、一点鎖線F2は、ブレーキペダル22が最大に踏み込まれた時の要求制動力Fmaxを示している。上述したように、回生制動力の上限値は車速が速くなるほど小さくなる特性Fklimitで示されている。
図5においては、低速域においては、ブレーキペダル22が半分程度踏み込まれた時の要求制動力Fhalfは回生制動力上限値Fklimitよりも小さいので、低速域では、ブレーキペダル22が半分程度踏み込まれた時でも油圧ブレーキによる機械式制動力は必要がない。一方、中速域、高速域においては、ブレーキペダル22が半分程度踏み込まれた時の要求制動力Fhalfは回生制動力上限値Fklimitよりも大きい。したがって、車速が低速域を超えた中速領域と高速領域では、ブレーキペダル22が半分程度踏み込まれた時の要求制動力Fhalfと、回生制動力上限値Fklimitとの差分だけ制動力が不足する。
そこで、本実施の形態では、(3)式により油圧ブレーキによる機械式制動力Fbrを算出する。
Fbr=Frq−Fklimit …(3)
ここで、Fbrは油圧ブレーキによる機械式制動力、Frqはブレーキペダル22の踏込み量に応じた要求制動力である。ブレーキペダル22が半分踏み込まれたときの要求制動力をFhalf、車速が中速Vmdのときの回生制動力上限値をFklimit_md、油圧ブレーキによる機械式制動力をFbr_mdとすると、油圧ブレーキによる機械式制動力Fbr_mdは、(4)式のように示すことができる。
Fbr_md=Fhalf−Fklimit_md …(4)
同様に、高速域である車速Vhにおいてブレーキペダル22が半分程度踏み込まれたときの要求制動力をFhalf、車速が高速Vhのときの回生制動力上限値をFklimit_h、油圧ブレーキによる機械式制動力をFbr_hとすると、(5)式のように示すことができる。
Fbr_h=Fhalf−Fklimit_h …(5)
図5において、車速が中速Vmdの場合、回生制動力上限値がFklimit_md以下の領域を単独回生制動領域R1、回生制動力上限値がFklimit_mdを超える領域を回生協調制動領域R2と呼ぶ。車速が高速Vhの場合は回生制動力上限値がFklimit_h以下の領域を単独回生制動領域R1と呼び、回生制動力上限値がFklimit_hを超える領域を回生協調制動領域R2と呼ぶ。
要求制動トルクK・Sbrは要求制動力Frqと比例関係にある物理量であり以下の式で示すことができる。
Frq=K・Sbr・α …(6)
ここで、αは、要求制動トルクK・Sbrを要求制動力Frqに変換する係数である。
このように算出される機械式制動力Fbrを得るための演算手順と制御手順は次のとおりである。
メインコントローラ20は、車速と、ブレーキ踏み込み量と、回生制動力上限値を読み込み、(3)式に基づいて、必要な機械式制動力Fbrを算出する。メインコントローラ20は、算出された必要な機械式制動力Fbrを得るためのブレーキ圧(必要ブレーキ圧)を算出し、このブレーキ圧を出力するようにブレーキバルブ302を制御する。このとき、ブレーキペダル踏込量はメインコントローラ20が認識しており、ブレーキペダル踏込によるバルブスプール位置によって出力されているブレーキ圧と、必要ブレーキ圧との差を算出し、この圧力差を解消するためのスプール変位を算出する。そして、このスプール変位を与えるための制御圧を演算する。メインコントローラ20は、算出された制御圧が圧力制御弁303から出力されるよう、圧力制御弁303のソレノイドに駆動信号を出力する。この駆動信号により圧力制御弁303は油圧ポンプ301の吐出圧を減圧して所定の制御圧をブレーキバルブ302のパイロットポートに供給する。
図6を参照してさらに説明する。図6の横軸の範囲R1は、要求制動力が回生制動力のみで得られる単独回生制動領域を示し、範囲R2は、要求制動力を回生制動力と機械式制動力との和で得られる回生協調制動領域を示す。
図6(a)、(b)にブレーキペダルのペダル操作量と制動トルク、すなわち制動力との関係を示す。なお、図6(a)は車速が中速Vmdの場合、図6(b)は車速が高速Vhの場合を示している。図5から分かるように、中速Vmd時の回生制動力上限値はFklimit_mdであり、高速Vh時の回生制動力上限値はFklimit_hである。
回生による制動力(制動トルク)は、ブレーキペダル22のペダル操作量に比例して増加する。しかし、図5で説明したように、車速ごとに上限回生制動力が仕様上決まっているので、ブレーキペダル踏み込みによる要求回生制動力が回生制動力上限値を超えると、中速時はFklimit_md、高速時はFklimit_hの一定値となる。このため、油圧ブレーキによる機械式制動力を考慮しない場合、回生制動力は、図6(a)、(b)の実線L1のように変化する。すなわち、ブレーキペダル22のペダル操作量が0〜P1までは回生制動力は比例増加し、ブレーキペダル22のペダル操作量がP1以上となると、回生制動力は上限値である一定値Fklimit_mdまたはFklimit_hとなる。
この実施の形態では、ブレーキペダル22のペダル操作量がP1以上となった場合、メインコントローラ20は、油圧ブレーキ装置30を動作させて機械式制動力を発生させる。この場合、メインコントローラ20は、ブレーキ圧発生装置300を制御する。すなわち、ブレーキペダルセンサ54からのブレーキ信号と、車速センサ53からの車速とを利用して、(3)式に基づいて油圧ブレーキによる機械式制動力Fbrを算出する。メインコントローラ20は、この機械式制動力Fbrを油圧ブレーキ装置30が発生させるために必要なブレーキ圧を演算する。メインコントローラ20は、このブレーキ圧をブレーキバルブ302が発生させるためソレノイド駆動信号を演算して圧力制御弁303に出力する。圧力制御弁303は、ソレノイド駆動信号に応じて油圧ポンプ301の圧油の圧力を制御し、制御圧としてブレーキバルブ302のパイロットポートに導入する。これにより、ブレーキバルブ302は、要求制動力と回生制動力上限値との差分の制動力を発揮させるブレーキ圧を油圧ブレーキ装置30に導入することができる。
このため、図6(a)、(b)の一点鎖線L2のように、ブレーキ圧に応じた機械式制動力はブレーキペダル22のペダル操作量に比例して増加する。
上述したメインコントローラ20の制御により、図6(a)、(b)の斜線で示す領域R4に対応する制動力が、中速時はFklimit_md、高速時はFklimit_hで示される回生制動力上限値に加算される。その結果、中速時も高速時も、ブレーキペダル22のペダル操作量が回生制動力上限値を超える操作量P1以上となると、一点鎖線で示す特性L2のように、ブレーキペダル22のペダル操作量に比例して増加する制動力を得ることができる。
図6(a)、(b)のペダル操作量P2はブレーキペダル22が半分踏み込まれた時の値である。特許文献1の作業車両では、車速に拘わらず踏込量がP2以上で回生協調ブレーキを用いるようにしているので、制動特性は、L1からL3のように折れ曲がった特性である。したがって、踏込量P1からP2の範囲では、ブレーキペダルを踏み込んでも制動力が大きくならず、制動操作性の改善が必要であった。
本発明によれば、制動特性は、L1からL2のように一直線となり、制動力操作性が改善される。
なお、ブレーキペダル22の操作感覚に車速による違和感を生じさせないように、ブレーキペダル操作量がP1以下の範囲における制動力特性L1の傾きと、ブレーキペダル操作量がPIを超えた範囲における制動力特性L2の傾きとが実質的に同一として示した。この特性L1と特性L2の傾きは異なってもよい。
以上で説明した第1の実施の形態によるハイブリッド式作業車両は、蓄電装置7と、エンジン1によって駆動されるモータ/ジェネレータ5と、蓄電装置7およびモータ/ジェネレータ5と電気的に接続され、蓄電装置7およびモータ/ジェネレータ5からの電力で駆動されて車輪に走行駆動力を与えるフロントモータ3およびリアモータ4と、ブレーキペダル22と、ブレーキペダル22の踏込量に応じてブレーキ圧を発生させるブレーキ圧発生装置300と、ブレーキ圧で駆動されて車輪を制動する油圧ブレーキ装置30と、ブレーキペダル22の踏込量を検出するブレーキペダルセンサ54と、車速を検出する車速センサ53と、メインコントローラ20を備えている。そして、メインコントローラ20は、ブレーキペダルセンサ54により検出されたブレーキペダル踏込量に基づいて演算された要求制動力Frqと、車速センサ53で検出された車速に基づいて決定された回生制動力上限値Fklimitとの大小関係により、フロントモータ3およびリアモータ4の回生電力による回生制動力で車両を減速する単独回生制動制御と、油圧ブレーキ装置30による機械式制動力および回生制動力により車両を減速する回生協調制動制御のいずれか一方により車両を減速させる。
メインコントローラ20は、要求制動力Frq((6)式のK・Sbr・αに相当)が回生制動力上限値Fklimitより大きいときは、要求制動力Frqと回生制動力上限値Fklimitとの差分の制動力Fbrを演算し、差分の制動力Fbrに相当するブレーキ圧をブレーキ圧発生装置300で発生させて油圧ブレーキ装置30を動作させる。
メインコントローラ20は、要求制動力Frqが回生制動力上限値Fklimit以下である制動条件において、ブレーキペダル22とアクセルペダル55の操作がともに検出された場合には、ブレーキペダル22の踏込量による要求制動トルクK・Sbr((1)式)とアクセルペダル55の踏込量による要求走行トルクT2((1)式)を比較して、要求制動トルクK・Sbrが大きいときは単独回生制動制御または回生協調制動制御によりフロントモータ3とリアモータ4を回生運転させ、要求走行トルクT2が大きいときはフロントモータ3とリアモータ4を力行運転させる。
第1の実施の形態によれば、以下の作用効果が得られる。
(1)メインコントローラ20は、ブレーキペダル22の踏込量によって算出される要求制動力が車速に応じた回生制動力上限値以下の場合には、フロントモータ3、リアモータ4による回生制動力をブレーキペダル踏込量に応じて発生させる。すなわち、単独回生制動制御を行う。要求制動力が車速に応じた回生制動力上限値を超える場合は、油圧ブレーキ装置30による機械式制動力も発生させる。すなわち、回生協調制動制御を行う。この結果、図6(a)、(b)に示すペダル操作量がP1〜P3の範囲において、ブレーキペダル22のペダル操作量に比例して増加する制動力を得ることができ、ブレーキ操作の操作感覚に違和感が生じることを防ぐことができる。
(2)ブレーキ圧発生装置300は、ブレーキペダル22の踏み込みによる機械式操作量と制御圧による油圧式操作力とに応じた出力特性によりブレーキ圧を出力するブレーキバルブ302と、制御圧を発生する圧力制御弁303とを備える。メインコントローラ20は、要求制動力Frqが回生制動力上限値Fklimitより大きい制動条件において、要求制動力Frqと回生制動力上限値Fklimitとの間の偏差に相当する制動力Fbrを得るために必要なブレーキ圧を演算し、このブレーキ圧を出力するために必要な制御圧を演算する。このようなブレーキバルブ302を使用したので、電気系統の故障が発生した場合でも機械式制動力を得ることができる。
−第2の実施の形態−
図7を参照して、本発明によるホイールローダの第2の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施の形態と同じである。第1の実施の形態の作業車両は、ブレーキペダル踏込による要求制動力が車速に応じて決定される回生制動力上限値より大きいときに回生協調制動制御を行う。第2の実施の形態は、このような第1の実施の形態の作業車両に設けるインチング制御を改良したものである。
図7に第2の実施の形態によるホイールローダ100の構成の一例を示す。ホイールローダ100の運転室121には、インチングダイヤル60が設けられている。インチングダイヤル60は、たとえばインチングON、1/3、2/3、OFFのうち何れかをオペレータが択一的に選択可能となるように構成された操作部材である。
図8は、(a)にアクセルペダル踏込量に基づく要求走行トルクT1の時間変化を、(b)にブレーキペダル踏込量に基づく要求制動トルクK・Sbrの時間変化を、(c)〜(f)にインチング条件に応じた走行駆動トルクの遮断タイミングを示すタイミングチャートである。
オペレータによりインチングONが選択されたときの駆動トルクの遮断タイミングを図8(c)に示す。アクセルペダル55が操作された状態において、ブレーキペダル22のペダル操作量の踏込みにより油圧ブレーキ装置30による制動力が発生するタイミング、すなわち、図8(b)のブレーキペダル踏込量P1において、フロントモータ3およびリアモータ4の駆動トルクがカット、すなわち遮断される。なお、図8(c)の一点鎖線に示すように、ブレーキペダル踏込量P1から駆動トルクが徐々に減少するように制御されるものについても本発明の一態様に含まれる。
オペレータによりインチング1/3が選択されたときの駆動トルクの遮断タイミングを図8(d)に示す。アクセルペダル55が操作された状態において、ブレーキペダル22のペダル操作量の踏込みにより油圧ブレーキ装置30による制動力が最大制動力の1/3に対応する操作量P10(図8(b))となるタイミングで、フロントモータ3およびリアモータ4の駆動トルクがカットされる。なお、図8(d)の一点鎖線に示すように、ブレーキペダル踏込量P10から駆動トルクが徐々に減少するように制御されるものについても本発明の一態様に含まれる。
オペレータによりインチングダイヤル60によりインチング2/3が選択されたときの駆動トルクの遮断タイミングを図8(e)に示す。アクセルペダル55が操作された状態において、ブレーキペダル22のペダル操作量の踏込みにより油圧ブレーキ装置30による制動力が最大制動力の2/3に対応する操作量P20(図8(b))となるタイミングで、フロントモータ3およびリアモータ4の駆動トルクがカットされる。なお、図8(e)の一点鎖線に示すように、ブレーキペダル踏込量P20から駆動トルクが徐々に減少するように制御されるものについても本発明の一態様に含まれる。
インチングダイヤル60によりインチングOFFが選択されたときの駆動トルクの遮断タイミングを図8(f)に示す。アクセルペダル55が操作された状態でブレーキペダル22が操作されたとき、ペダル操作量によらずフロントモータ3およびリアモータ4の駆動トルクはカットされない。
以下、ブレーキペダル22のペダル操作量が単独回生ブレーキ領域R1の場合と回生協調ブレーキ領域R2の場合とに分けて説明する。
1.ペダル操作量が単独回生ブレーキ領域R1の場合
ブレーキペダル22のペダル操作量がP1未満の場合には、ブレーキペダル22のペダル操作量による要求制動トルクとアクセルペダル55の操作量による要求走行トルクとの大小に応じて駆動力を発生させるか、回生制動を行わせるかを切り替える。
メインコントローラ20は、アクセルペダルセンサ52により検出されたアクセルペダル55のペダル操作量による要求走行トルクと、ブレーキペダルセンサ54により検出されたブレーキペダル22のペダル操作量による要求制動トルクとを比較する。要求走行トルクが大きい場合には、メインコントローラ20は、要求走行トルクでリアモータとフロントモータが駆動されるように、エンジン1によりモータ/ジェネレータ5を駆動して走行用電力を発電する。このとき、油圧ブレーキ装置30は動作させない。
ブレーキペダル22のペダル操作量による要求制動トルクが大きい場合には、メインコントローラ20は単独回生制動制御を行う。この場合、メインコントローラ20は、モータ/ジェネレータ5を電動モードとしてリアモータ4とフロントモータ3の回生による制動力で車両を制動する。
換言すると、この単独回生制動領域R1においてはインチング条件に拘わらず、インチング制御は行われない。
2.ペダル操作量が回生協調ブレーキ領域R2の場合
ブレーキペダル22のペダル操作量がP1以上の場合には、インチングダイヤル60による設定に応じたブレーキペダル22のペダル操作量になった場合に、走行駆動力をカットする。
インチングダイヤル60がインチングONに設定されている場合には、ブレーキペダル22のペダル操作量がP1以上となると、メインコントローラ20は、フロントモータ3およびリアモータ4の駆動トルクをカットして、モータ/ジェネレータ5を電動機モードで駆動する。したがって、フロントモータ3およびリアモータ4の回生による制動力と、油圧ブレーキ装置30による機械式制動力の和である要求制動力で制動を行う。すなわち、ブレーキペダル22のペダル操作量がP1以上となると、油圧ブレーキ装置30が作動するタイミングでフロントモータ3およびリアモータ4の駆動トルクがカットされることにより、油圧ブレーキ装置30によるブレーキパッドの引き摺りを最小限に抑制することができる。
インチングダイヤル60がインチング1/3に設定されている場合、メインコントローラ20は、ブレーキペダル22のペダル操作量がP10未満のときは、アクセルペダル踏み込み量に基づいて算出した要求走行トルクを発生するように、フロントモータ3およびリアモータ4が駆動制御される。ブレーキペダル22のペダル操作量がP10以上となった場合には、メインコントローラ20は、フロントモータ3およびリアモータ4の駆動トルクをカットして、油圧ブレーキ装置30のブレーキ圧による機械式制動力で減速される。
インチングダイヤル60がインチング2/3に設定されている場合には、メインコントローラ20は、ブレーキペダル22のペダル操作量がP20未満のときは、アクセルペダル踏み込み量に基づいて算出した要求走行トルクを発生するように、フロントモータ3およびリアモータ4が駆動制御される。ブレーキペダル22のペダル操作量がP20以上となった場合には、メインコントローラ20は、フロントモータ3およびリアモータ4の駆動トルクをカットして、油圧ブレーキ装置30のブレーキ圧による機械式制動力で減速される。
以上のように、インチングダイヤル60をインチング1/3または2/3に選択することによって、オペレータが所望する位置にブレーキペダル22を踏み込むまでは、駆動力を得ることができる。
第2の実施の形態の作業車両は、第1の実施の形態のハイブリッド式作業車両において、ブレーキペダル22とアクセルペダル55の同時踏込時に走行駆動力を遮断するインチング条件を設定する手段であるインチングダイヤル60を備えたものである。そして、メインコントローラ20は、インチングダイヤル60で設定されたインチング条件に基づいて、回生協調制動時にフロントモータ3とリアモータ4の駆動力を遮断するものである。
このハイブリッド式作業車両において、インチング条件は、アクセルペダルとブレーキペダルが同時操作されたときに走行駆動力をカットする第1条件、すなわちインチングONと、アクセルペダル55とブレーキペダル22が同時操作されたときに要求制動力が第1の制動力のときに走行駆動力を遮断する第2条件、すなわちインチング1/3と、アクセルペダル55とブレーキペダル22が同時操作されたときに要求制動力が第1の制動力よりも小さい第2の制動力のときに走行駆動力を遮断する第3条件すなわちインチング2/3とを少なくとも含む。
以上で説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態により得られる作用効果に加えて、以下の作用効果が得られる。
(1)回生協調制動領域R2における駆動力を遮断するための、走行駆動力を遮断開始するブレーキペダル22の操作量、すなわちインチング条件を選択するためのインチングダイヤル60を備えるようにした。したがって、低速で間欠的に停止と前進または後進を繰り返すような場合に、油圧ブレーキ装置30による制動力に対して駆動力を遮断する位置を運転状況等に応じてオペレータが任意に設定することができるので、利便性の向上に寄与する。
(2)インチングダイヤル60がインチングOFFに設定されている場合、メインコントローラ20は、ブレーキペダル22のペダル操作量に関わらず、算出した要求走行トルクを発生するようにフロントモータ3およびリアモータ4の駆動を制御する。すなわち、油圧ブレーキ装置30が油圧制動力を発生させている場合であっても、走行駆動力を得ることができる。このため、たとえば急勾配での坂道発進が容易に行うことができる。
以上で説明した第1および第2の実施の形態のハイブリッド式作業車両100を次のように変形できる。
(1)実施の形態の作業車両200では、一対のフロントモータ3とリアモータ4を使用しているが、一つの走行電動機を使用した作業車両でもよい。
(2)エンジン1により駆動されたモータ/ジェネレータ5によって車輪18を駆動するシリーズハイブリッド式を用いるものに代えて、エンジン1と、エンジン1により駆動されたモータ/ジェネレータ5との少なくとも一方によって車輪18を駆動するパラレルハイブリッド式を用いてもよい。
(3)実施の形態の作業車両はホイールローダで説明したが、ブレーキペダルセンサにより検出されたブレーキペダル踏込量に基づいて演算された要求制動力と、車速センサで検出された車速に基づいて決定された回生制動力上限値との大小関係により、走行電動機の回生電力による回生制動力で車両を減速する単独回生制動制御と、油圧ブレーキ装置による機械式制動力および回生制動力により車両を減速する回生協調制動制御のいずれか一方により車両を減速させるようにした種々のハイブリッド式作業車両に本発明を適用できる。
(4)第2の実施の形態では、インチングダイヤル60は、インチングON、1/3、2/3、OFFを選択させるものとしたが、これらの条件に限定されない。たとえばスライダ機構等により、インチングON、OFFとの中間位置を任意の位置に選択可能に構成されているものも本発明の一態様に含まれる。
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
1…エンジン、3…フロントモータ、4…リアモータ、5…モータ/ジェネレータ、
7…蓄電素子、10…作業用油圧ポンプ、20…メインコントローラ、
22…ブレーキペダル、30…油圧ブレーキ装置、52…アクセルペダルセンサ、
53…車速センサ、54…ブレーキペダルセンサ、55…アクセルペダル、
60…インチングダイヤル、100…ホイールローダ、
300…ブレーキ圧発生装置、301…油圧ポンプ、302…ブレーキバルブ、
303…圧力制御弁

Claims (1)

  1. 蓄電装置と、
    エンジンによって駆動される発電電動機と、
    前記蓄電装置および前記発電電動機と電気的に接続され、前記蓄電装置および前記発電電動機からの電力で駆動されて車輪に走行駆動力を与える走行電動機と、
    ブレーキペダルと、
    前記ブレーキペダルの踏込量に応じてブレーキ圧を発生させるブレーキ圧発生装置と、
    前記ブレーキ圧発生装置により発生させたブレーキ圧により駆動されて車輪を制動する油圧ブレーキ装置と、
    前記ブレーキペダルの踏込量を検出するブレーキペダル踏み込み量検出手段と、
    車速を検出する車速検出手段と、
    前記ブレーキペダル踏み込み量検出手段により検出されたブレーキペダル踏込量に基づいて演算された要求制動力が前記車速検出手段で検出された車速に基づいて決定された回生制動力上限値よりも小さい低速域においては、前記走行電動機の回生電力による回生制動力で車両を減速する単独回生制動制御を行い、前記低速域より車速が大きい中速域及びその中速域より車速が大きい高速域においては、前記油圧ブレーキ装置による機械式制動力および前記回生制動力により車両を減速する回生協調制動制御を行う制御手段を備え、
    前記単独回生制動制御は、前記ブレーキペダルの踏込量に比例して増加する制動力特性を有し、前記回生協調制動制御は、前記ブレーキペダルの踏込量に比例して増加する前記単独回生制動制御の制動力特性と同一の傾きの制動力特性を有し、
    前記制御手段は、前記回生協調制動制御時には、前記ブレーキペダルとアクセルペダルの同時踏込時に走行駆動力を漸次減少させた上で遮断するインチング制御を行い、前記単独回生制動制御時には、前記インチング制御を行わずに、前記アクセルペダルと前記ブレーキペダルとの操作量に応じて、前記走行駆動力を発生させるか回生制動制御を行うかを切り替えることを特徴とするハイブリッド式作業車両。
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