JP6247122B2 - 電子デバイス - Google Patents
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Description
図15に示すように、加速度スイッチ100は、中央電極132と、中央電極132を内側に収容する収容孔133を有するとともに、中央電極132に接離可能とされた錘部134と、錘部134の周囲を取り囲む円弧状とされ、枠体131との間で錘部134を弾性支持する梁部135と、枠体131の上下に設けられた封止用の基板の対向面側に備わり、錘部134の変位を許容するための窪みである逃げ部156,157とを備えている。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、動作信頼性を向上させることができる電子デバイスを提供することである。
この構成によれば、錘部が重力(自重)によって沈み込んだ際、下側収容部に設けられた下側支持部によって支えられるので、錘部の内側面と中央電極の外側面との接離位置(水平位置)のずれを抑止できる。その結果、本発明によれば、錘部の変位を許容するための収容部に当該錘部を配置した場合でも、錘部への重力の作用にかかわらず中央電極と錘部との接離可能な状態を保つことが出来る為、電子デバイスとしての動作信頼性を向上させることができる。
この構成によれば、錘部を中央電極に対して対称な位置で支えることが出来る為、錘部が傾くことによる感度ばらつきを抑制することができる。
この構成によれば、下側突出部と錘部の間に作用する静電気力・摩擦力を抑制することができる為、静電引力による錘部と下側突出部との張り付きや、摩擦力による錘部の中央電極との接離動作の阻害を防ぎ、一層の電子デバイスとしての動作信頼性の向上を図ることができる。
この構成によれば、下側突出部と錘部の間に作用する静電気力・摩擦力を抑制することができる為、静電引力による錘部と下側突出部との張り付きや、摩擦力による錘部の中央電極との接離動作の阻害を防ぎ、一層の電子デバイスとしての動作信頼性の向上を図ることができる。しかも、下側突出部自体は、材料が限定されないため、例えば、下側封止基板と同一材によって当該下側封止基板と一体形成することも可能となり、製造工程の簡略化も図ることが出来る。
この構成によれば、本発明に係る電子デバイスが上下方向逆向きに利用される場合であっても、錘部が重力によって沈み込んだ際、上側収容部に設けられた上側支持部によって支持することが出来る。
この構成によれば、上側突出部と錘部の間に作用する静電気力・摩擦力を抑制することができる為、静電引力による錘部と上側突出部との張り付きや、摩擦力による錘部の中央電極との接離動作の阻害を防ぎ、一層の電子デバイスとしての動作信頼性の向上を図ることができる。
この構成によれば、上側突出部と錘部の間に作用する静電気力・摩擦力を抑制することができる為、静電引力による錘部と上側突出部との張り付きや、摩擦力による錘部の中央電極との接離動作の阻害を防ぎ、一層の電子デバイスとしての動作信頼性の向上を図ることができる。
しかも、上側突出部自体は、材料が限定されないため、例えば、上側封止基板と同一材によって当該上側封止基板と一体形成することも可能となり、製造工程の簡略化も図ることが出来る。
<第1実施形態>
[加速度スイッチ]
図1は第1実施形態におけるスイッチ本体11(電子デバイス)の平面図であり、図2は図1のA−A線に相当する断面図である。
図1、図2に示すように、本実施形態の加速度スイッチ1は、スイッチ本体11(構造体基板)と、スイッチ本体11を厚さ方向で挟持する第1基板12(下側封止基板)及び第2基板13(上側封止基板)と、を備えている。
図2に示すように、スイッチ本体11は、例えばシリコン材やSOI(Silicon−On−Insulator)材等からなる基板20を用いてMEMS技術によって製造されるものである。なお、以下の説明では、基板20の厚さ方向(図2における上下方向)を単に高さ方向といい、特に図2における上方から下方向きを重力方向として、図2における下側を下方とし、上側を上方とする。ただし、本実施形態における加速度スイッチ1は、上記高さ方向が逆向きに使用される態様もあるため、当該上下の向きは便宜上の表現に過ぎない。
枠体31は、厚さ方向から見た平面視(縦断面視)で矩形状とされ、その中央部には基板20を厚さ方向に貫通する上面視円形状の貫通孔31aが形成される。
錘部34は、平面視で円形状からなり、その中央部には基板20を厚さ方向に貫通する収容孔33が形成される。
円弧部51は、周方向の全周に亘って一定の曲率半径で延在し、その周方向の両端部が近接した状態で対向する。
図2に示すように、第1基板12は、例えば、ボロシリケートガラス等のガラス材等からなり、平面視外形がスイッチ本体11と同等の形状を呈し、重力方向の下方よりスイッチ本体11を封止する。また、第1基板12は、第1接合膜41を介してスイッチ本体11の枠体31及び中央電極32に接合されている。また、第1基板12におけるスイッチ本体11側の主面のうち、枠体31及び中央電極32以外に位置する部分は、錘部34の変位を許容する(錘部34を重力方向において離間した状態で収容する)逃げ部56(下側収容部)が形成されている。そして、図2に示すように、当該逃げ部56の上面のうち、錘部34の下方に相当する位置には、突起部70(下側突出部)が設けられる。
次に、上述した加速度スイッチ1の製造方法について説明する。図4、図5は、加速度スイッチ1の製造方法を説明するための工程図であって、図2に相当する断面図である。
まず、図4(a)に示すように、基板20の厚さ方向における一端側の主面上に、第1接合膜41を形成する(第1接合膜形成工程)。具体的には、リフトオフ法等を用い、基板20の厚さ方向における一端側の主面上のうち、枠体31、及び中央電極32に相当する部分のみに第1接合膜41を残存させる。
その後、図5(c)に示すように、基板20のうち、枠体31及び中央電極32に対して、第2接合膜42を介して第2基板13を接合する(第2基板接合工程)。
以上により、上述した加速度スイッチ1が完成する。
次いで、本実施形態に係る加速度スイッチ1の動作について説明する。ここで、図6は、加速度スイッチ1の動作説明図であって、図2に相当する断面図である。
このように構成された加速度スイッチ1では、図2に示した初期状態より、錘部34が自重(重力)によって下方に沈み込み、図6に示すように突起部70に支持される。この際、例えば加速度スイッチ1に対して、図6における左側〜右側方向(以下、加速度方向)への加速度が入力されると、錘部34を除く加速度スイッチ1全体が当該加速度方向に移動する。一方、錘部34は、梁部35を介して枠体31に支持されているため、慣性によりその場に留まろうとする。これにより、枠体31及び中央電極32と錘部34とが相対移動するとともに、この相対移動に伴い梁部35が弾性変位する。
そして、外部装置は、貫通電極59を介して加速度スイッチ1のON状態を検出信号として検出することで、所定の動作を行う。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。ここで、図7は第2実施形態におけるスイッチ本体100の断面図であり、図8は突起部の形成位置を説明するためのスイッチ本体100の平面図である。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図9は第3実施形態におけるスイッチ本体100の断面図である。なお、以下の説明では、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係るスイッチ本体100では、図9に示すように、突起部70aの上面に導電性膜71が形成される。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図10は第4実施形態におけるスイッチ本体100の断面図である。なお、以下の説明では、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係るスイッチ本体100では、図10に示すように、突起部70aの上面に固体潤滑膜72が形成される。
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図11は第5実施形態におけるスイッチ本体100の断面図である。なお、以下の説明では、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係るスイッチ本体100では、図11に示すように、第2基板13の逃げ部57(上側収容部)にも突起部80(上側突出部)が形成される。
第5実施形態に係るスイッチ本体100は、第2基板13の突起部80に対して、図12に示すような下面へ導電性膜81を形成したものや、図13に示すような下面へ固体潤滑膜82を形成したもの、としても良い。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上記各実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせても構わない。
11…スイッチ本体
12…第1基板
13…第2基板
31…枠体
32…中央電極
33…収容孔
34…錘部
35…梁部
36…張出部
41…第1接合膜
42…第2接合膜
45,46…電極膜
56,57…逃げ部
58…露出孔
59…貫通電極
70,70a,80…突起部
71,81…導電性膜
72,82,90,91…固体潤滑膜
100…加速度スイッチ
131…枠体
132…中央電極
133…収容孔
134…錘部
135…梁部
136…張出部
145,146…電極膜
156,157…逃げ部
Claims (7)
- 中央電極と、
前記中央電極を内側に収容するとともに、内側面が前記中央電極の外側面に接離可能とされた錘部と、前記錘部の周囲を取り囲むとともに、支持部との間で前記錘部を弾性支持する梁部と、を備えた構造体基板と、
前記構造体基板を重力方向の下方より封止し、前記錘部を前記重力方向において離間した状態で収容する下側収容部を備えた下側封止基板と、
前記下側収容部のうち前記錘部の前記重力方向の下端面と対向する面の少なくとも一部に、前記下端面に向けて突出する下側突出部と、
を備え、
前記錘部の内側面の一部と対向する前記中央電極の外側面の一部とには、それぞれ電極膜が形成され、
前記下側突出部は前記錘部の前記重力方向の下端面と当接する際に、前記電極膜同士が当接可能な高さに前記錘部を支持することを特徴とする電子デバイス。 - 前記下側突出部は、平面視で前記中央電極に対して対称な位置に形成されることを特徴とする請求項1記載の電子デバイス。
- 前記下側突出部は、導電性と固体潤滑性との少なくとも何れか一方の性質を有する材料からなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電子デバイス。
- 前記下側突出部は、前記錘部の重力方向の下端面に対向する面が導電性と固体潤滑性との少なくとも何れか一方の性質を有する膜で覆われることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電子デバイス。
- 前記構造体基板を重力方向の上方より封止し、前記錘部を前記重力方向において離間した状態で収容する上側収容部を備えた上側封止基板と、
前記上側収容部のうち前記錘部の前記重力方向の上端面と対抗する面の少なくとも一部に、前記上端面に向けて突出する上側突出部と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の電子デバイス。 - 前記上側突出部は、導電性と固体潤滑性との少なくとも何れか一方の性質を有する材料からなることを特徴とする請求項5記載の電子デバイス。
- 前記上側突出部は、前記錘部の重力方向の上端面に対向する面が導電性と固体潤滑性との少なくとも何れか一方の性質を有する膜で覆われることを特徴とする請求項5記載の電子デバイス。
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