JPS5826526B2 - 感震器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は水銀の如き導電性を有する液体を密閉容器中に
所定量封入し、密閉容器に配設された一対の電極間を水
平方向の振動加速度によって前記の導電性液体を移動さ
せて電気回路を開閉する感震器に関するものであり、特
に異なった周期の振動が印加されたときに於いても感震
器が作動する最少限の加速度値即ち振動周期の相違によ
る加速度閾値の変化を少な（した事を特徴とするもので
ある。

以下図面を参照して詳述すれば、第１図において鉄板な
どを成形した皿状容器１と蓋体２は各々のフランジ部１
ｆと２ｆをリングプロゼクション溶接などの方法により
固着させて密閉容器を構成している。

皿状容器１はこの感震器が正規姿勢で置かれた時に内部
に封入した導電性液体５を定置させるほぼ垂直な壁面を
有する収納部１ａとその外周に隣接するほぼ水平な平坦
面１ｂとさらに外周に円錐の一部分である傾斜面１ｃ及
びフランジ部１ｆとから構成されており、蓋体２は中心
に穿けられた孔２ａ中に電極棒３をガラスの如き絶縁性
充填材４によってハーメチックシールしている。

図示の正規姿勢において電極棒３は導電性液体５と接触
しており電極棒と密閉容器との間の電気的導通は保たれ
ている。

この状態で感震器に地震などの所定の震動が加わると導
電性液体５は定置されている収納部１ａから移動して電
極棒３と開離するので電極棒と密閉容器との間の電気的
導通は遮断される。

このように感震器が外部から加えられる振動加速度に応
じて動作する場合の最少限の加速度値即ち加速度閾値は
、外部振動の周期が異なるとその値を一定にする事が非
常にむづかしいものである。

例えば従来の皿状容器の形状は第１図に示した皿状容器
の収納部１ａのほぼ垂直な壁面に直接円錐の一部である
傾斜面１ｃが隣接したもので平坦部１ｂが無いものであ
ったがこういう形状のものでは第２図に示す如く周期Ｔ
１乃至Ｔ２と異なる振動に対して加速度閾値が曲線Ｂに
て示すように可成り変化している。

しかるに本発明の如く収納部１ａと傾斜面１ｃとの間に
平坦面１ｂを形成する事によって第２図に示す曲線Ａの
ように規定範囲の周期Ｔ１乃至Ｔ２に対してほとんど一
定の秀れた動作特性を得る事が出来る。

即ち振動加速度を受けた導電性液体５が、はぼ垂直な壁
面を有する収細部１ａの壁面を乗り越えて外方へ流出し
電極３との接触を断つ時の振動の大きさく加速度閾値）
を振動周期の違いによって異ならしめないで一定にする
ためには導電性液体５が収納部１ａのほぼ垂直な壁面を
乗り越えてその液体５の一部が収納部から脱出した時に
その脱出した部分の乗っている場所が傾斜していると、
重力加速度の分力の影響を受は再び収納部１ａ中へ引戻
される事になり電極３との接触を断つ状態に至る迄の導
電性液体の流動状態が極めて複雑となりスムーズに行か
ない事に起因していると思われる。

従って周期の長い振動の場合には高い加速度閾値でない
と接点が開となる状態に至らず振動周期の短い場合には
比較的低い加速度閾値で接点が開となる状態が生ずるも
のと考えられる。

これに対して収納部１ａのほぼ垂直な壁面に隣接する部
分がほぼ水平な平坦面であると、前述した如き加速度閾
値でようや（壁面を乗り越えた導電性液体５の一部分が
重力の分力による引き戻し力を受ける事がないのでこの
脱出運動がスムーズに連続して引継がれ電極３と導電性
液体５との接触が断たれるに至るのに必要な加速度閾値
の振動周期の長短による相違差が極めて少なくなるため
と考えられる。

しかしながら振動が止んだ時には導電性液体の自己復元
を重力により達成する為に、平坦面１ｂの半径方向の寸
法は、導電性液体５が平坦面１ｂ上に乗った時にその表
面張力や重力などによって占める大きさに比較して平坦
面の径方向の長さが短い事が必要である。

本発明の他の実施例として皿状容器の形状としては、第
３図に示すように円錐形の傾斜面１１ｃの途中を水平に
してこの部分を平坦面１１ｂとしこの平坦面に隣接する
中心部がほぼ垂直な壁面で落ち込みこれが収納部１１ａ
となったものであっても所期の目的を達成する事が出来
る。

フランジ部１１ｆ及びその他の記号や動作については第
１図に準するので詳しい説明は省略する。

さらに他の実施例として蓋体を平らな金属板で作る場合
に内部空間を広くするために第４図の如く皿状容器の方
に垂直部を設ければよい。

第４図に於て蓋体２１はその中心孔２１ａに電極棒３が
ガラス等の充填材４によりハーメチックシールされてい
る。

皿状容器１２は収納部１２ａ・平坦面１２ｂ−傾斜面１
２ｃ・垂直部１２ａ及びフランジ部１２ｆとから成って
いる。

その他の記号及び動作などについては前述の説明から容
易に判るので省略する。

以上の如く本発明は導電性液体を慣性体及び接点として
利用した感震器において、外部振動により移動する導電
性液体の受は皿の形状の主要部がほぼ垂直の壁面を有す
る収納部とこれに隣接するほぼ水平な傾斜のない平坦面
とさらにその外側に隣接する円錐の一部である傾斜面を
同心円的に設けて成る事を要旨とするものであり、振動
周期の違いに依る加速度閾値の変化がない秀れた特性が
地震等を検出する感震器として極めて有効な工業的価値
の高いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図・第３図及び第４図は本発明の実施例をそれぞれ
示す縦断面図であり、第２図は感震器の振動周期に対す
る加速度閾値の関係を説明するグラフである。 １．１１，１２・・・・・・皿状容器、２，２１・・・
・・・蓋体、ｉａ、１１ａ、１２ａ＝＝収納部、ｌｂ。 １１ ｂ 、 １２ｂ−・−・平坦面、ｌｃ、１１ｃ、
１２ｃ・−・・・・傾斜面、３・・・・・・電極棒、５
・・・・・・導電性液体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 正規姿勢の静止状態において導電性液体を定置させ
   るほぼ垂直の壁面を有する収納部とこれに隣接するほぼ
   水平な傾斜のない平坦面とさらにその外側に隣接する円
   錐の一部である傾斜面を同心円的に設けてなる内壁面の
   形状をもった皿状容器と前記導電性液体と接離する電極
   棒を設けた蓋体とを気密に固着してなる密閉容器中に所
   定量の導電性液体を封入し、前記平坦面の径方向長さは
   この面上に前記導電性液体が乗った時にその表面張力な
   どによって占める導電性液体の大きさより短かく設定さ
   れた事を特徴とする感震器。