以下に、第1の実施の形態について、図1乃至図12を参照して説明する。なお、実施形態に係る構成要素や、当該要素の説明について、複数の表現を併記することがある。当該構成要素及び説明について、記載されていない他の表現がされることは妨げられない。さらに、複数の表現が記載されない構成要素及び説明について、他の表現がされることは妨げられない。
図1は、第1の実施の形態に係るサーマルプリンタ10を概略的に示す図である。サーマルプリンタ10は、印字装置の一例である。図1に示すように、サーマルプリンタ10は、インクリボン11と、リボン搬送部12と、媒体搬送部13と、第1の記録部14と、第2の記録部15と、制御部16と、を有する。リボン搬送部12は、搬送部の一例である。第1及び第2の記録部14,15は、例えば、熱転写部、画像形成部、印字部、パターン形成部、又は消去部とも称され得る。
サーマルプリンタ10は、熱転写方式(溶融型熱転写記録方法)によって、媒体20に情報を記録(印字)する。サーマルプリンタ10は、未印字(ブランク)の媒体20に、例えば媒体20の所有者の名前、住所及び電話番号と、媒体20の通し番号と、のような固有情報を印字する。
図2は、媒体20を示す平面図である。媒体20は、例えば、運転免許証、パスポート、及び査証(ビザ)のような、種々の情報記録媒体である。媒体20は、サーマルプリンタ10によって印字された上述の固有情報21を有する。
固有情報21は、例えば、複数の第1の文字情報25と複数の第2の文字情報26とを有する。第1の文字情報25と第2の文字情報26とは、それぞれ、ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベット、数字、記号、及び図形のような種々の文字情報(一つの文字)である。
本実施形態において、複数の第1の文字情報25は、文字列として組み合わされ、媒体20の所有者の住所を示す。複数の第2の文字情報26は、文字列として組み合わされ、媒体20の所有者の生年月日を示す。なお、第1及び第2の文字情報25,26は、これに限らず、固有情報21と異なる情報を含む他の情報を示しても良い。
媒体20において、住所は、生年月日よりも大きいフォント(字体)によって記載される。すなわち、それぞれの第1の文字情報25の大きさ(フォントサイズ)は、それぞれの第2の文字情報26の大きさ(フォントサイズ)よりも大きい。本実施形態において、第1及び第2の文字情報25,26の字体は通常の太さのゴシック体である。なお、第1及び第2の文字情報25,26の字体は、他の字体であっても良い。
図1に戻って説明すると、印字に用いられるインクリボン11は、リボン搬送部12によって搬送される。リボン搬送部12は、送出ローラ31と、複数の中間ローラ32と、巻取ローラ33とを有する。
送出ローラ31に、未使用のインクリボン11が巻き付けられる。巻取ローラ33に、インクリボン11の端部が取り付けられる。巻取ローラ33が回転することで、送出ローラ31に巻き付けられたインクリボン11は、巻回ローラ33に向かって搬送される。中間ローラ32は、送出ローラ31と巻取ローラ33との間のインクリボン11の経路を形成するとともに、例えばインクリボン11に作用する張力を調整する。
インクリボン11は、バックコート層35と、インク層36とを有する。バックコート層35は、インクリボン11の一方の面を形成する。インク層36は、バックコート層35の一つの面に塗布されたインクによって形成され、インクリボン11の他方の面を形成する。インクリボン11は、バックコート層35が巻取ローラ33の外側に向き、インク層36が巻取ローラ33の中心に向くように、巻取ローラ33に巻き取られる。
媒体搬送部13は、媒体20を搬送する。媒体搬送部13は、例えば、ローラ搬送やベルト搬送によって媒体20を搬送する。媒体搬送部13は、ブランクの媒体20を、第1の記録部14に搬送する。
第1の記録部14は、第1のサーマルヘッド41と、プラテンローラ42とを有する。なお、第1の記録部14はこれに限らず、インクを熱転写する他の装置を有しても良い。第1のサーマルヘッド41は、インクリボン11のインクを、媒体搬送部13によって搬送されたブランクの媒体20に熱転写する。プラテンローラ42は、媒体20を第1のサーマルヘッド41に押し付ける。
第1の記録部14において、インクリボン11が第1のサーマルヘッド41と媒体搬送部13との間に位置する。第1の記録部14において、インクリボン11のインク層36は、媒体搬送部13、及び媒体搬送部13によって搬送された媒体20に向く。第1のサーマルヘッド41は、インク層36を形成するインクの一部を媒体20に熱転写することで、媒体20に固有情報21を印字する。
図3は、第2の記録部15及び巻取ローラ33を示す図である。図3に示すように、第2の記録部15は、第2のサーマルヘッド45を有する。第2のサーマルヘッド45は、サーマルヘッドの一例である。
第2のサーマルヘッド45は、巻取ローラ33に巻き取られたインクリボン11のバックコート層35(外周面)に当てられる。このように、リボン搬送部12は、インクリボン11を、第1の記録部14から第2の記録部15に搬送する。
第2のサーマルヘッド45は、バックコート層35からインクリボン11を加熱することで、インク層36のインクの一部36aを、当該インク層36の内側に位置するバックコート層35に熱転写する。
図1に戻って説明すると、制御部16は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等を含んで構成される。制御部16は、第1の記録部14を制御し、媒体20に第1及び第2の文字情報25,26を含む固有情報21を印字させる。さらに、制御部16は、第2の記録部15を制御し、インクリボン11のインク層36のインクを、当該インク層36の内側に位置するバックコート層35に熱転写させる。
図1において、本実施形態に係る制御部16内に実現される機能的構成が示される。図1に示す制御部16内の各構成は、制御部16内のCPU(不図示)が、ROM(不図示)内に格納された印字プログラムを実行することで実現される。
図1に示されるように、制御部16は、上記印字プログラムを実行することで、データ入力部51と、第1の印字制御部52と、記憶部53と、パターン選択部54と、第2の印字制御部55と、タイミング制御部56とを実現する。
データ入力部51は、媒体20に印刷される固有情報21のデータを取得する。固有情報21のデータは、例えば、画像データとしてデータ入力部51に入力されても良いし、フォントサイズのような種々の情報を含む文字列データとしてデータ入力部51に入力されても良い。データ入力部51は、固有情報21のデータを、第1の印字制御部52とパターン選択部54とにそれぞれ出力する。
第1の印字制御部52は、データ入力部51から取得した固有情報21のデータに従って、第1の記録部14を制御する。第1の印字制御部52は、第1の記録部14を制御し、第1のサーマルヘッド41にインクリボン11のインク層36のインクを媒体20に熱転写させ、その結果、第1の文字情報25及び第2の文字情報26を含む固有情報21を媒体20に印字させる。
図4は、第1の記録部14において印字がされたインクリボン11の一部を示す平面図である。図4以降の複数の図において、インク層36はハッチングによって示される。図4に示すように、第1の記録部14において印字がされたインクリボン11のインク層36には、複数の第1のインク剥離部61と、複数の第2のインク剥離部62とが形成される。
第1のインク剥離部61及び第2のインク剥離部62は、インク層36のインクが、媒体20に熱転写されることによって形成される。すなわち、第1及び第2のインク剥離部61,62は、インクが剥離したインク層36の一部である。
第1のインク剥離部61は、第1のサーマルヘッド41がインク層36のインクを媒体20に熱転写し、第1の文字情報25を形成するインクがインク層36から剥離することによって形成される。このため、第1のインク剥離部61は、第1の文字情報25の鏡面対象形状を呈する。なお、第1のインク剥離部61の形状はこれに限らない。
第2のインク剥離部62は、第1のサーマルヘッド41がインク層36のインクを媒体20に熱転写し、第2の文字情報26を形成するインクがインク層36から剥離することによって形成される。このため、第2のインク剥離部62は、第2の文字情報26の鏡面対象形状を呈する。なお、第2のインク剥離部62の形状はこれに限らない。第2のインク剥離部62は、第1のインク剥離部61よりも小さい。
図4の矢印は、リボン搬送部12によってインクリボン11が搬送される方向(インクリボン11の長手方向)を示す。第1のインク剥離部61及び第2のインク剥離部62は、インクリボン11の搬送方向に並ぶことで、文字列を形成する。なお、第1のインク剥離部61及び第2のインク剥離部62は、他の方向に並んでも良い。
図1に戻って説明すると、パターン選択部54は、データ入力部51から取得した固有情報21のデータに基づき、記憶部53に格納された複数のパターンD1〜D3のデータから、適切なパターンD1〜D3のデータを選択し取得する。パターン選択部54は、例えば、第1の文字情報25の大きさに対応したパターンD1のデータと、第2の文字情報26の大きさに対応したパターンD2とのデータとを、記憶部53から選択し取得する。記憶部53及びパターン選択部54について、詳しくは後述する。パターン選択部54は、選択したパターンD1,D2のデータを、第2の印字制御部55に出力する。
図5は、第2の記録部15において熱転写がされたインクリボン11の一部を示す平面図である。第2の印字制御部55は、パターン選択部54から取得したパターンD1,D2のデータに従い、第2の記録部15を制御し、第2のサーマルヘッド45にインクリボン11のインク層36のインクを、当該インク層36の内側に位置するバックコート層35に熱転写させ、その結果、インク層36に第3のインク剥離部65と第4のインク剥離部66とを形成する。
本明細書において、インクリボン11のインク層36の、第1のインク剥離部61が設けられた部分を、第1の領域36bと定義する。第1の領域36bは、第1のインク剥離部61を囲む矩形の領域である。第1の領域36bの縦方向及び横方向の四つの辺が、それぞれ第1のインク剥離部61に接する。図5は、第1のインク剥離部61がそれぞれ形成された第1の領域36bを二点鎖線で概略的に示す。
第3のインク剥離部65は、インク層36の第1の領域36bを含む領域に形成される。このため、第3のインク剥離部65は、第1のインク剥離部61に部分的に重なるように形成される。
第3のインク剥離部65は、複数の第1の剥離部分71を有する。第1の剥離部分71は、インク層36のインクが、バックコート層35に熱転写されることによって形成される。すなわち、第1の剥離部分71は、インク層36のインクが剥離した部分である。
本実施形態において、第1の剥離部分71は、それぞれ正方形を形成する。正方形は模様の一例である。複数の第1の剥離部分71は、正方形である第1の剥離部分71の一辺に相当する距離を挟んで、インクリボン11の長手方向および短手方向(インクリボン11の搬送方向に直交する方向)に並べられる。すなわち、複数の第1の剥離部分71は、いわゆる市松模様(チェッカーボード柄)を形成する。
複数の第1の剥離部分71が形成されることにより、第3のインク剥離部65が形成されたインク層36の第1の領域36bを含む領域に、複数の第1の残存部分72が形成される。第1の残存部分72は、インク層36のインクが残存した部分によって形成される。複数の第1の残存部分72は、互いに繋がっていても、第1の剥離部分71によって互いに切り離されても良い。第1の残存部分72の、第1のインク剥離部61が形成された部分は、インクが剥離されている。
第1の残存部分72も、第1の剥離部分71と同じ模様(正方形)をそれぞれ形成する。第1の剥離部分71と第1の残存部分72とは、インクリボン11の長手方向および短手方向において交互に配置される。このため、第1の領域36bにおいて、第1の剥離部分71の面積と第1の残存部分72の面積とがおおよそ等しくなる。
第1の文字情報25が形成されたインク層36の第1の領域36bは、第3のインク剥離部65が形成されることにより、インク層36から部分的に除去されるとともに、部分的に残される。これにより、インク層36のインクが除去されることで形成された第1のインク剥離部61は、同じくインク層36のインクが除去されることで形成された第3のインク剥離部65に紛れる。このため、インク層36から第1の文字情報25を解読することが難しくなる。
第3のインク剥離部65が形成されると、複数の第1の剥離部分71に相当するインク層36の一部が、バックコート層35に転写される。バックコート層35に転写されたインク層36の一部は、第1の残存部分72に相当する部分が欠けている。このため、バックコート層35から第1の文字情報25を解読することは難しい。
本明細書において、インクリボン11のインク層36の、第2のインク剥離部62が設けられた部分を第2の領域36cと定義する。第2の領域36cは、第2のインク剥離部62を囲む矩形の領域である。第2の領域36cの縦方向及び横方向の四つの辺が、それぞれ第2のインク剥離部62に接する。図5は、第2のインク剥離部62がそれぞれ形成された第2の領域36cを二点鎖線で概略的に示す。第2の領域36cは、第1の領域36bよりも小さい。
第4のインク剥離部66は、インク層36の第2の領域36cを含む領域に形成される。このため、第4のインク剥離部66は、第2のインク剥離部62に部分的に重なるように形成される。
第4のインク剥離部66は、複数の第2の剥離部分75を有する。第2の剥離部分75は、インク層36のインクが、バックコート層35に熱転写されることによって形成される。すなわち、第2の剥離部分75は、インク層36のインクが剥離した部分である。
本実施形態において、第2の剥離部分75は、第1の剥離部分71と同様に、それぞれ正方形を形成する。複数の第2の剥離部分75は、正方形である第2の剥離部分75の一辺に相当する距離を挟んで、インクリボン11の長手方向および短手方向に並べられる。すなわち、複数の第2の剥離部分75は、複数の第1の剥離部分71と同様に、いわゆる市松模様を形成する。
第2の剥離部分75は、第1の剥離部分71よりも小さい。このため、第2の剥離部分75の一辺は、第1の剥離部分71の一辺よりも短い。第4のインク剥離部66における複数の第2の剥離部分75の間隔は、第3のインク剥離部65における複数の第1の剥離部分71の間隔よりも狭い。
複数の第2の剥離部分75が形成されることにより、第4のインク剥離部66が形成されたインク層36の第2の領域36cを含む領域に、複数の第2の残存部分76が形成される。第2の残存部分76は、インク層36のインクが残存した部分によって形成される。複数の第2の残存部分76は、互いに繋がっていても、第2の剥離部分75によって互いに切り離されても良い。第2の残存部分76の、第2のインク剥離部62が形成された部分は、インクが剥離されている。
第2の残存部分76も、第2の剥離部分75と同じ模様(正方形)をそれぞれ形成する。第2の剥離部分75と第2の残存部分76とは、インクリボン11の長手方向および短手方向において交互に配置される。このため、第2の領域36cにおいて、第2の剥離部分75の面積と第2の残存部分76の面積とがおおよそ等しくなる。
第2の文字情報26が形成されたインク層36の第2の領域36cは、第4のインク剥離部66が形成されることにより、インク層36から部分的に除去されるとともに、部分的に残される。これにより、インク層36のインクが除去されることで形成された第2のインク剥離部62は、同じくインク層36のインクが除去されることで形成された第4のインク剥離部66に紛れる。このため、インク層36から第2の文字情報26を解読することが難しくなる。
第4のインク剥離部66が形成されると、複数の第2の剥離部分75に相当するインク層36の一部が、バックコート層35に転写される。バックコート層35に転写されたインク層36の一部は、第2の残存部分76に相当する部分が欠けている。このため、バックコート層35から第2の文字情報26を解読することは難しい。
図1に示される記憶部53は、上述の第3及び第4のインク剥離部65,66を形成するための、複数のパターンD1〜D3のデータを格納する。パターンD1に基づいて形成される第1の剥離部分71は、パターンD2に基づいて形成される第2の剥離部分75よりも大きい。このように、複数のパターンD1〜D3の剥離部分(第1及び第2の剥離部分71,75)は、大きさがそれぞれ異なる。なお、記憶部53に格納される複数の消去用パターンは、その剥離部分の形状がそれぞれ異なっても良い。
図6は、パターンD1のデータに従って第3のインク剥離部65が形成されたインク層36の第1の領域36bを示す平面図である。図6に示すように、本明細書において、第1のインク剥離部61(第1の文字情報25)の大きさL1は、第1の文字情報25の縦方向又は横方向における第1のインク剥離部61の最大寸法(第1の領域36bの最も長い辺の寸法)として定義される。第3のインク剥離部65の第1の剥離部分71の大きさL2は、例えば、第1のインク剥離部61の大きさL1の20〜25%である。本実施形態における第1の剥離部分71の大きさL2は、正方形である第1の剥離部分71の一辺の寸法である。
ここで、第1の剥離部分71の寸法の比較例について説明する。図7は、比較のために示す、パターンD2のデータに従って第3のインク剥離部65が形成されたインク層36の第1の領域36bを示す平面図である。図8は、比較のために示す、パターンD3のデータに従って第3のインク剥離部65が形成されたインク層36の第1の領域36bを示す平面図である。
図7に示す比較例において、第2の印字制御部55はパターンD2のデータに従い、第2の記録部15を制御し、第2のサーマルヘッド45にインクリボン11のインク層36のインクをバックコート層35に熱転写させ、その結果、インク層36の第1の領域36bに第3のインク剥離部65を形成する。この場合における第2のインク剥離部65の第1の剥離部分71の大きさL2は、本実施形態において選択されるパターンD1のデータに基づく第1の剥離部分71の大きさL2より小さく、第1のインク剥離部61の大きさL1の約5%である。
図7に示すように、パターンD2のデータに従って第3のインク剥離部65が形成されたインク層36の第1の領域36bにおいて、第1のインク剥離部61は、図6に示す本実施形態の場合よりも明瞭に認識され得る。言い換えると、本実施形態のようにパターンD1のデータに従って第3のインク剥離部65が形成された場合、パターンD2のデータに従って第3のインク剥離部65が形成された場合よりも、第1のインク剥離部61が認識され難い。
図8に示す比較例において、第2の印字制御部55はパターンD3のデータに従い、第2の記録部15を制御し、第2のサーマルヘッド45にインクリボン11のインク層36のインクをバックコート層35に熱転写させ、その結果、インク層36の第1の領域36bに第3のインク剥離部65を形成する。この場合における第3のインク剥離部65の第1の剥離部分71の大きさL2は、本実施形態において選択されるパターンD1のデータに基づく第1の剥離部分71の大きさL2より大きく、第1のインク剥離部61の大きさL1の約40%である。
図8に示すように、パターンD3のデータに従って第3のインク剥離部65が形成されたインク層36の第1の領域36bにおいて、第1のインク剥離部61は、図6に示す本実施形態の場合よりも明瞭に認識され得る。言い換えると、本実施形態のようにパターンD1のデータに従って第3のインク剥離部65が形成された場合、パターンD3のデータに従って第3のインク剥離部65が形成された場合よりも、第1のインク剥離部61が認識され難い。
以上説明したように、第1の剥離部分71の大きさL2が第1のインク剥離部61(第1の文字情報25)の大きさL1の20〜25%である場合、第1の文字情報25がより認識されにくくなる。パターン選択部54は、例えば、第1の剥離部分71の大きさL2が第1のインク剥離部61の大きさL1の20〜25%であるパターンD1を、記憶部53に格納されたパターンD1〜D3から選択し取得する。
同様に、第2の剥離部分75の大きさ(一辺の寸法)が第2のインク剥離部62(第2の文字情報26)の大きさの20〜25%である場合、第2のインク剥離部62が認識されにくくなる。パターン選択部54は、例えば、第2の剥離部分75の大きさが第2のインク剥離部62の大きさの20〜25%であるパターンD2を、記憶部53に格納されたパターンD1〜D3から選択する。
このように、パターン選択部54は、第1のインク剥離部61及び第2のインク剥離部62のそれぞれの大きさに応じたパターンD1〜D3を選択する。このため、第4のインク剥離部66の第2の剥離部分75は、第3のインク剥離部65の第1の剥離部分71よりも小さい。
なお、第3のインク剥離部65及び第4のインク剥離部66はこれに限らない。例えば、制御部16は、第1の文字情報25及び第2の文字情報26の大きさに所定の比率(例えば20〜25%)を乗算し、適切な第1の剥離部分71及び第2の剥離部分75の大きさをそれぞれ算出しても良い。この場合、制御部16は、当該算出された大きさに基づいた第1の剥離部分71及び第2の剥離部分75を、インク層36の第1の領域36b及び第2の領域36cにそれぞれ形成するよう、第2の記録部15を制御する。
図1に戻って説明すると、タイミング制御部56は、第1の印字制御部52から、第1の記録部14が媒体20に印字したことを知らせる通知信号を入力される。さらに、タイミング制御部56は、例えば、センサや、送出ローラ31の回転量に基づき、図3に示す巻取ローラ33に巻き取られたインクリボン11の巻き径LWを取得する。巻き径LWは、巻取ローラ33の中心から、巻取ローラ33に巻き取られたインクリボン11の外周までの距離である。
タイミング制御部56は、巻き径LWを用いて、インクリボン11の経路における第1の記録部14から第2の記録部15までの距離を算出する。当該距離は、巻取ローラ33によってインクリボン11が巻き取られ、巻き径LWが増大することで変化する。
さらに、タイミング制御部56は、当該距離とリボン搬送部12によるインクリボン11の搬送速度とを用いて、第1の記録部14による印字がされてから第2の記録部15による熱転写を開始するまでの待機時間を算出する。当該待機時間は、第1の記録部14によって第1のインク剥離部61及び第2のインク剥離部62が形成されてから、当該第1及び第2のインク剥離部61,62が第2の記録部15に到達するまでの時間である。
タイミング制御部56は、第1の記録部14による印字がされてから上記待機時間が経過したときに、第2の印字制御部55に第2の記録部15による熱転写を許可する信号を出力する。言い換えると、第1の記録部14によって形成された第1のインク剥離部61及び第2のインク剥離部62が第2の記録部15に到達したタイミングで、第2の記録部15によって第3のインク剥離部65及び第4のインク剥離部66が形成される。
次に、以上のように構成された本実施形態のサーマルプリンタ10による印字処理について説明する。なお、サーマルプリンタ10の印字処理は、以下に説明するものに限らない。図9は、サーマルプリンタ10の印字処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図9に示すように、まず、制御部16のデータ入力部51が、固有情報21のデータを取得する(ステップS11)。例えば、作業員がキーボードのような入力装置に固有情報21のデータを入力し、又はデータベースから固有情報21のデータがサーマルプリンタ10に入力される。データ入力部51は、入力された固有情報21のデータを取得する。データ入力部51は、固有情報21のデータを第1の印字制御部52とパターン選択部54とに出力する。当該固有情報21のデータは、第1の文字情報25及び第2の文字情報26のフォントサイズのデータを含む。
次に、パターン選択部54は、入力された固有情報21のデータを元に、第1の文字情報25の大きさ(フォントサイズ)に対応するパターンD1のデータ、及び第2の文字情報26の大きさ(フォントサイズ)に対応するパターンD2のデータを、記憶部53に格納されたパターンD1〜D3のデータから選択し取得する(ステップS12)。例えば、パターン選択部54は、第1及び第2の文字情報25,26のそれぞれのフォントサイズと、パターンD1〜D3との対応表(テーブル)を有する。パターン選択部54は、当該対応表を用いて第1及び第2の文字情報25,26のそれぞれのフォントサイズに対応したパターンD1〜D3を選択する。パターン選択部54は、取得したパターンD1,D2のデータを、第2の印字制御部55に出力する。
次に、タイミング制御部56は、インクリボン11の巻き径LWを示す信号を、例えばセンサから取得する(ステップS13)。上述のように、タイミング制御部56は、例えば送出ローラ31の回転量から、インクリボン11の巻き径LWを算出しても良い。
次に、タイミング制御部56は、上述の待機時間を算出する(ステップS14)。すなわち、タイミング制御部56は、インクリボン11の巻き径LWとリボン搬送部12によるインクリボン11の搬送速度とを用いて、第1の記録部14による印字がされてから第2の記録部15による熱転写を開始するまでの時間を算出する。
次に、媒体搬送部13が、媒体20を第1の記録部14に搬送する。第1の印字制御部52は、第1の記録部14を制御し、取得した固有情報21のデータに基づいて、第1の記録部14に媒体20への印字を行わせる(ステップS15)。第1のサーマルヘッド41が、インクリボン11のインク層36のインクを媒体20に熱転写することで、当該インクによって形成される第1及び第2の文字情報25,26が媒体20に形成される。さらに、インクリボン11のインク層36に、第1のインク剥離部61と第2のインク剥離部62とが形成される。第1の印字制御部52は、媒体20への印字を行ったことを知らせる通知信号をタイミング制御部56に出力する。
前記通知信号が入力されると、タイミング制御部56は、タイマ(不図示)を用いて、前記通知信号を受信してから、算出した前記待機時間が経過したかを判断する(ステップS16)。すなわち、タイミング制御部56は、インクリボン11のインク層36に形成された第1のインク剥離部61及び第2のインク剥離部62が、第2の記録部15に到達するまで待機する。
タイミング制御部56は、前記通知信号を受信してから前記待機時間が経過すると(ステップS16:YES)、熱転写を許可する許可信号を第2の印字制御部55に出力する。なお、タイミング制御部56はこれに限らず、例えばインクリボン11に形成されたマークをカメラ等で検出することで、第1のインク剥離部61及び第2のインク剥離部62が第2の記録部15に到達したことを検知しても良い。
前記許可信号が入力されると、第2の印字制御部55は、第2の記録部15を制御し、取得したパターンD1,D2のデータに基づき、第2の記録部15にバックコート層35への熱転写を行わせる(ステップS17)。第2のサーマルヘッド45が、インクリボン11のインク層36のインクをバックコート層35に熱転写することで、インク層36に第3のインク剥離部65と第4のインク剥離部66とが形成される。言い換えると、第2の記録部15は、第1のインク剥離部61に第3のインク剥離部65を上書きし、第2のインク剥離部62に第4のインク剥離部66を上書きする。
第1の実施の形態に係るサーマルプリンタ10において、第2の記録部15は、インク層36に、第1のインク剥離部61に部分的に重ねられる第3のインク剥離部65を形成する。さらに、第2の記録部15は、第1のインク剥離部61よりも小さい第2のインク剥離部62に部分的に重ねられるとともに、第3のインク剥離部65よりも小さい第4のインク剥離部66を形成する。すなわち、第2の記録部15が形成する第3及び第4のインク剥離部65,66の大きさは、インク層36に形成された第1及び第2のインク剥離部61,62の大きさによって変えられる。これにより、インクリボン11に形成された文字情報(第1及び第2のインク剥離部61,62)が読み取られ難くなり、情報の流出を抑制できる。
第3及び第4のインク剥離部65,66は、それぞれが模様(矩形)を形成する複数の第1及び第2の剥離部分71,75を有する。第2の剥離部分75は、第1の剥離部分71よりも小さい。これにより、第1及び第2のインク剥離部61,62の大きさに応じた第1及び第2の剥離部分71,75が形成され、インクリボン11に形成された文字情報(第1及び第2のインク剥離部61,62)がより読み取られ難くなる。
第3のインク剥離部65が形成されることで、同じ模様を形成する第1の剥離部分71と第1の残存部分72とが交互に配置される。さらに、第4のインク剥離部66が形成されることで、同じ模様を形成する第2の剥離部分75と第2の残存部分76とが交互に配置される。これにより、インクリボン11に残る部分(第1及び第2の残存部分72,76)と熱転写される部分(第1及び第2の剥離部分71,75に存在したインク)との形状及び面積が、インク層36とバックコート層35との一方に偏って存在することが抑制される。このため、インク層36とバックコート層35とのどちらにおいても文字情報(第1及び第2のインク剥離部61,62)がより読み取られ難くなる。
制御部16は、第2の記録部15が形成する第3のインク剥離部65を第1のインク剥離部61(第1の文字情報25)の大きさに応じて変更し、第2の記録部15が形成する第4のインク剥離部66を第2のインク剥離部62(第2の文字情報26)の大きさに応じて変更する。これにより、例えばインクリボン11の搬送方向に第1のインク剥離部61と第2のインク剥離部62とが並んで配置されたとしても、第1及び第2のインク剥離部61,62の大きさにそれぞれ応じた大きさの第3及び第4のインク剥離部65,66が形成され、情報の流出を抑制できる。
図10は、第1の実施形態の変形例に係る第3のインク剥離部65が形成されたインク層36の第1の領域36bを示す平面図である。図10に例示するように、第1及び第2の剥離部分71,75が形成する模様は、正方形に限らず、正三角形のような他の形状であっても良い。図10に示す場合、第1の剥離部分71の大きさL2は、正三角形である第1の剥離部分71の一辺の寸法である。
第1及び第2の剥離部分71,75が形成する模様は、さらに、正六角形のような多角形、円、楕円、及び星形のような種々の幾何学形状であっても良い。この場合、例えば、第1及び第2の剥離部分71,75の最大寸法(当該幾何学形状の外接円の径)が、第1のインク剥離部61の大きさL1の20〜25%である。
図11は、第1の実施形態の他の変形例に係る第1の記録部14において印字がされたインクリボン11の一部を示す平面図である。図12は、第1の実施形態の他の変形例に係る第2の記録部15において熱転写がされたインクリボン11の一部を示す平面図である。
図11に示す変形例において、第1及び第2のインク剥離部61,62は、それぞれ数字を形成する。この場合、図12に示すように、第1及び第2の剥離部分71,75がそれぞれ形成する模様は数字である。第1の剥離部分71の大きさ(フォントサイズ)は、第1のインク剥離部61の大きさとほぼ同じにされる。同様に、第2の剥離部分75の大きさ(フォントサイズ)は、第2のインク剥離部62の大きさとほぼ同じにされる。
第3及び第4のインク剥離部65,66が形成されることで、第1及び第2のインク剥離部61,62に、同じ大きさの文字情報(第1及び第2の剥離部分71,75)が重ねられる。これにより、第1のインク剥離部61が第1の剥離部分71に紛れ、第1のインク剥離部61が認識され難くなる。同様に、第2のインク剥離部62が第2の剥離部分75に紛れ、第2のインク剥離部62が認識され難くなる。
図11及び図12の変形例のように、第1及び第2の剥離部分71,75が形成する模様は、ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベット、数字、記号、及び図形のような種々の文字情報であっても良い。この場合、第1及び第2の剥離部分71,75は、第1及び第2のインク剥離部61,62と同じ種類の文字情報であっても良いし、ランダムに配置される複数種類の文字情報であっても良い。
なお、本実施形態のサーマルプリンタ10で実行される印字プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
本実施形態のサーマルプリンタ10で実行される印字プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成しても良い。
さらに、本実施形態のサーマルプリンタ10で実行される印字プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のサーマルプリンタ10で実行される印字プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成しても良い。
本実施形態のサーマルプリンタ10で実行される印字プログラムは、上述した各部(データ入力部51、第1の印字制御部52、パターン選択部54、第2の印字制御部55、及びタイミング制御部56)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから印字プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、データ入力部51、第1の印字制御部52、パターン選択部54、第2の印字制御部55、及びタイミング制御部56が主記憶装置上に生成されるようになっている。
以下に、第2の実施の形態について、図13を参照して説明する。なお、以下の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
図13は、第2の実施の形態に係る第2の記録部15を概略的に示す平面図である。図13に示すように、第2の実施形態において、第2の記録部15は、第2のサーマルヘッド45の代わりに、第1のヒートローラ81と、第2のヒートローラ82とを有する。
第1のヒートローラ81と第2のヒートローラ82とは、巻取ローラ33に巻き取られたインクリボン11のバックコート層35に当てられる。第1及び第2のヒートローラ81,82は、バックコート層35からインクリボン11を加熱することで、インク層36のインクの一部を、当該インク層36の内側に位置するバックコート層35に熱転写する。
第1のヒートローラ81の外周面に、例えば、複数の正方形の凸部が形成される。当該凸部がインクリボン11のバックコート層35に当てられ、インク層36のインクの一部を熱転写することにより、当該インク層36に第3のインク剥離部65が形成される。第1のヒートローラ81の前記凸部は、第1の剥離部分71をそれぞれ形成する。
第2のヒートローラ82の外周面に、例えば、複数の正方形の凸部が形成される。第2のヒートローラ82の前記凸部は、第1のヒートローラ81の前記凸部よりも小さい。第2のヒートローラ82の前記凸部がインクリボン11のバックコート層35に当てられ、インク層36のインクの一部を熱転写することにより、当該インク層36に第4のインク剥離部66が形成される。第2のヒートローラ82の前記凸部は、第2の剥離部分75をそれぞれ形成する。
第1のヒートローラ81は、インクリボン11の搬送方向に直交する方向(インクリボン11の短手方向)において、インク層36に形成された第1のインク剥離部61が設けられる位置に予め配置される。言い換えると、第1のヒートローラ81は、リボン搬送部12に搬送されるインクリボン11に形成された第1のインク剥離部61が通過する位置に配置される。
第2のヒートローラ82は、インクリボン11の搬送方向に直交する方向において、インク層36に形成された第2のインク剥離部62が設けられる位置に予め配置される。言い換えると、第2のヒートローラ82は、リボン搬送部12に搬送されるインクリボン11に形成された第2のインク剥離部62が通過する位置に配置される。第2のヒートローラ82は、インクリボン11の搬送方向に直交する方向において、第1のヒートローラ81と並べられる。
第1及び第2のヒートローラ81,82は、インクリボン11がリボン搬送部12によって搬送される間、常にインクリボン11のバックコート層35に当てられ、インク層36に第3及び第4のインク剥離部65,66を形成する。これにより、第3及び第4のインク剥離部65,66が、インクリボン11が搬送される方向に延びる。なお、第1及び第2のヒートローラ81,82は、例えば制御部16に制御されることで、インクリボン11から離されても良い。
第2の実施形態のサーマルプリンタ10において、第3のインク剥離部65を形成する第1のヒートローラ81が、第1のインク剥離部61が通過する位置に配置される。さらに、第4のインク剥離部66を形成する第2のヒートローラ82が、第2のインク剥離部62が通過する位置に配置される。これにより、インクリボン11が搬送されるだけで、第1のインク剥離部61が設けられたインク層36の第1の領域36bに第3のインク剥離部65が形成され、第2のインク剥離部62が設けられたインク層36の第2の領域36cに第4のインク剥離部66が形成される。したがって、容易に第3及び第4のインク剥離部65,66を形成できる。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、第2の記録部は、インク層に、第1のインク剥離部に部分的に重ねられる第3のインク剥離部を形成する。さらに、第2の記録部は、第1のインク剥離部よりも小さい第2のインク剥離部に部分的に重ねられるとともに、第3のインク剥離部よりも小さい第4のインク剥離部を形成する。すなわち、第2の記録部が形成する第3及び第4のインク剥離部の大きさは、インク層に形成された第1及び第2のインク剥離部の大きさによって異なる。これにより、インクリボンに形成された文字情報が読み取られにくくなり、情報の流出を抑制できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上述の実施形態において、第2の記録部15は、巻取ローラ33に巻き取られたインクリボン11のインク層36のインクをバックコート層35に熱転写する。しかし、第2の記録部15はこれに限らず、インク層36のインクを紙のような他の部材に熱転写させることで、第3及び第4のインク剥離部65,66をインク層36に形成しても良い。
以下に、出願当初の特許請求の範囲の内容を付記する。
[1]
インクリボンに設けられたインク層のインクを媒体に熱転写することによって、前記媒体に、前記インクによって形成された第1の文字情報と、前記インクによって形成されるとともに前記第1の文字情報より小さい第2の文字情報と、を記録するとともに、前記インク層に、前記第1の文字情報を形成するインクが剥離することによって形成された第1のインク剥離部と、前記第2の文字情報を形成するインクが剥離することによって形成された第2のインク剥離部と、を形成する、第1の記録部と、
前記インク層のインクを熱転写することによって、前記インク層に、前記第1のインク剥離部に部分的に重ねられる第3のインク剥離部と、前記第2のインク剥離部に部分的に重ねられるとともに前記第3のインク剥離部よりも小さい第4のインク剥離部と、を形成する第2の記録部と、
前記インクリボンを前記第1の記録部から前記第2の記録部に搬送する搬送部と、
を具備する印字装置。
[2]
前記第3のインク剥離部は、それぞれが模様を形成する複数の第1の剥離部分を有し、
前記第4のインク剥離部は、それぞれが前記模様を形成するとともに前記第1の剥離部分よりも小さい複数の第2の剥離部分を有する、[1]の印字装置。
[3]
前記第2の記録部は、
前記第3のインク剥離部を形成することで、前記インク層の前記第1のインク剥離部が設けられた第1の領域に、前記複数の第1の剥離部分と、前記インク層の一部によって形成され、前記複数の第1の剥離部分と交互に配置されるとともに前記第1の剥離部分と同じ前記模様をそれぞれ形成する複数の第1の残存部分と、を形成し、
前記第4のインク剥離部を形成することで、前記インク層の前記第2のインク剥離部が設けられた第2の領域に、前記複数の第2の剥離部分と、前記インク層の一部によって形成され、前記複数の第2の剥離部分と交互に配置されるとともに前記第2の剥離部分と同じ前記模様をそれぞれ形成する複数の第2の残存部分と、を形成する、
[2]の印字装置。
[4]
前記第2の記録部は、
前記搬送部に搬送される前記インクリボンに形成された前記第1のインク剥離部が通過する位置に配置され、前記インク層の前記インクを熱転写することで、前記インクリボンが搬送される方向に延びる前記第3のインク剥離部を形成する第1のヒートローラと、
前記搬送部に搬送される前記インクリボンに形成された前記第2のインク剥離部が通過する位置に配置され、前記インク層の前記インクを熱転写することで、前記インクリボンが搬送される方向に延びる前記第4のインク剥離部を形成する第2のヒートローラと、
を有する、[3]の印字装置。
[5]
前記第2の記録部を制御する制御部をさらに具備し、
前記第2の記録部は、前記インク層の前記インクを熱転写することで、前記第3のインク剥離部及び第4のインク剥離部を前記インク層に形成するサーマルヘッドを有し、
前記制御部は、前記第2の記録部が形成する第3のインク剥離部を前記第1の文字情報の大きさに応じて変更し、前記第2の記録部が形成する前記第4のインク剥離部を前記第2の文字情報の大きさに応じて変更する、
[3]の印字装置。
[6]
前記複数の第1の剥離部分と前記複数の第1の残存部分とのそれぞれの大きさは、第1のインク剥離部の大きさの20〜25%であり、
前記複数の第2の剥離部分と前記複数の第2の残存部分とのそれぞれの大きさは、第2のインク剥離部の大きさの20〜25%である、
[3]の印字装置。