以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係るブラインド10の斜視図であり、図2及び図3はブラインドのスラットの動作を説明するための図である。
図1に示すように、ブラインド10は、第1方向(例えば、上下方向)に配列された複数のスラット20と、スラット20を支持及び操作するための手段と、を有している。図2及び図3に示すように、ブラインド10は、窓1等の採光具に対面する位置に配置される。スラット20は、羽根板とも呼ばれ、上下方向と非平行な方向に細長く延びる薄板状の部材として形成されている。スラット20は、その傾きが可変となるように支持されている。スラット20の傾きを調整することによって、窓1に対面する位置に配置されたブラインド10は、後述するように種々の機能を発揮することができる。
本実施形態において、ブラインド10に含まれるスラット20は、第1方向すなわち上下方向に並べられるとともに、各スラット20は水平方向に延びている。このブラインド10は、壁2、天井3及び床4によって区画された室内に配置され、壁2に形成された採光用の窓1に対面するよう、壁2に取り付けられている。ブラインド10は、壁2への取付具となる取付ボックス12と、取付ボックス12から垂下し且つ鉛直方向に間隔をあけて多数のスラット20を支持するラダーコード16と、スラット20を引き上げるための昇降コード18と、ラダーコード16及び昇降コード18に連結された操作グリップ14と、を有する。
本実施形態において、ラダーコード16は、ブラインド10に含まれるすべてのスラット20を概ね平行となるよう、スラット20の傾きを制御する。そして、操作グリップ14を介してラダーコード16を操作することにより、スラット20の傾きを調整することができる。また、一方、操作グリップ14を介して昇降コード18を操作することにより、下方側のスラット20から順に鉛直方向における間隔を狭めるようにして、多数のスラット20を引き上げることができる。この際、多数のスラット20の少なくとも一部が取付ボックス12内に収容され、且つ、窓1が室内に露出する。同様に、操作グリップ14を介して昇降コード18を操作することにより、上方に集められたスラット20を、窓1に対面する位置に下げることができる。本実施形態におけるブラインド10において、取付ボックス12、操作グリップ14、ラダーコード16,昇降コード18、並びに、操作グリップ14を介してラダーコード16及び昇降コード18を操作する機構は、既知の種々の構成を採用することができる。
次に、スラット20についてさらに詳述する。本実施形態において、各スラット20は、図2及び図3に示すように、若干湾曲した薄板状に形成されている。多数のスラット20は、その外輪郭が同一である。その一方で、ここで説明するブラインド10では、上下方向における上方に位置する一部のスラットが、その他のスラットと異なる機能を発揮し得るように構成されている。本実施形態では、ブラインド10に含まれるスラット20は、上下方向における下方となる下方領域10b内に位置する1以上のスラットからなる第1スラット領域と、上下方向における上方となる上方領域10a内に位置する1以上のスラットからなる第2スラット領域とに区分けされ、互いに異なる構成を有する。以下では、第1スラット領域を構成する各スラットを第1スラット21と呼び、第2スラット領域を構成する各スラットを第2スラット22と呼ぶ。第1スラット21は、遮光性スラットであり、全ての可視光を遮蔽する。一方、第2スラット22は、透光性スラットであり、少なくとも一部の可視光は第2スラット22の内部を通って透過する。すなわち、第2スラット領域に含まれるすべての第2スラット22を閉じた(立てた)状態でも、外光の少なくとも一部は第2スラット22を透過するようになっている。なお、第2スラット22は、入射した全波長の可視光を透過させる必要はなく、入射した全量の可視光を透過させる必要もない。
なお、ブラインド10に含まれるスラット20のうち、第1スラット21は、既知のスラットと同様に構成され得る。したがって、第1スラット21は、一例として、耐食アルミニウム合金からなる薄板材、木材からなる薄板材、または樹脂からなる薄板材等を用いることができる。このような第1スラット21は、可視光遮光性を有する。第1スラット21は、可視光を反射する機能を付与し、入射光の進行方向を変化させることもできる。また、第1スラット21の表面に、ブラインド10に対して遮熱、防汚、抗菌、消臭機能を付与するための機能層が形成されていてもよい。一例として、フッ素コートや酸化チタンコートを第1スラット21に設けることができる。なお、各スラット20の外輪郭は、湾曲せずに平らであってもよく、各スラットごとにそれぞれ異なるようにしてもよい。例えば、第1スラット21を若干湾曲した薄板状にして、第2スラット22を平らな薄板状にすることができる。平らな薄板状の方が湾曲した薄板状よりも採光機能を付与するための内部構造の形成が容易である。
図4は第2スラット22の斜視図、図5は第2スラット22の主断面図である。以下では、図4と図5を用いて、第2スラット領域を構成する第2スラット22について説明する。まず、第2スラット22は、可視光が透過することを可能にする透明な部分25を含んでいる。そして、第2スラット22は、透明な部分25を透過する光の進行方向を曲げることができるよう、構成されている。
このように、第2スラット領域の少なくとも一部の透光性スラットは、採光機能を有する。すなわち、第2スラット領域に入射した外光がスラットの内部を透過しながら入射した角度とは異なる角度で出射されるので、斜め上方からの外光を室内に所望の方向に向かって取り入れることができる。ブラインド全体に占める第1スラット領域と第2スラット領域との面積比は特に制限されるものではないが、ブラインド本来の機能である目隠し機能と遮光機能に加えて、採光機能をより強調したい場合には、第2スラット領域の面積を第1スラット領域の面積よりも大きくするのが望ましい。
なお、上述したように、本実施形態において、第1スラット21及び第2スラット22は、湾曲した薄板形状の輪郭を有する。ただし、図5においては、第2スラット22の全体的な光学機能の理解を容易にするため、第2スラット22を平坦な薄板形状の輪郭にて示している。また、図4及び図5に示された第2スラット22は、図3に示すように起立した状態を示している。
本実施形態では、上下方向に配置された複数の第2スラット22のうち、第1スラット21に隣接した第2スラット22を、その第1スラット21と同系色相の色で着色している。ここで、同系色相の色とは、アメリカ光学会による修正マンセル表色系にて、有彩色の場合はマンセル色相環の基本10色相で同一色相およびその隣接色相に属する色を指し、無彩色の場合は同一色相に属する色を指す。より統一感を得るためには、第1スラット21の色が属する色相と同一色相に属する色にすることが好ましい。色の色相、明度、および彩度は、白色板上のサンプルの色を色票集(Munsell Book of Color)の色と対比して決定することができる。
図6は第1スラット21と第2スラット22の外観の色を模式的に示した図である。図示のように、第1スラット21はすべて同じ色であるのに対し、第2スラット22は個々のスラットごとに色が段階的に変化しており、第1スラット21に近いほど、第2スラット22の色に近い色合いになっており、第1スラット21に隣接した第2スラット22およびそれに連続する幾つかの第2スラット22は、第1スラット21と同系色相の色で着色されている。ここで、第1スラット21は、不透明であり、採光機能は持たないが、第2スラット22の一部又は全部は、採光機能を持っている。なお、第1スラット21に隣接している第2スラット22は、採光機能は持っていても持っていなくてもどちらでもよい。着色材の量を多くすると採光機能が低下する傾向があるので、第1スラット21に隣接している第2スラット22は色合いの統一のために主に用いて、第1スラット21から離隔した第2スラット22を採光のために主に用いることによって、意匠性と採光機能のバランスが良好になるように調整することが容易である。また、本実施形態では、第1スラット21に隣接している第2スラット22は、色合いの統一のためにその第1スラット21と同系色相の色で着色されているが、第1スラット21に隣接している第2スラット22に連続する第2スラット22は着色されていても着色されていなくてもどちらでもよい。もっとも、第1スラット21に隣接している第2スラット22に連続する第2スラット22のうち幾つも第1スラット21と同系色相の色で着色されている方が、色合いの統一のためにより好ましい。
図6のように、第1スラット21に隣接した第2スラット22を第1スラット21と同系色相で着色するため、採光機能を持たない第1スラット21と採光機能を持つ第2スラット22との境界が目立ちにくくなり、ブラインド全体として色の統一感を出すことができる。また、第2スラット22の色を第1スラット領域に隣接したスラットから上方に向かって各スラットごとに段階的に変化させることで、意匠性を高めることができる。第2スラット22の色を各スラットごとに段階的に変化させる方法としては、同系色相に属する色の範囲内で、色相、明度および彩度の少なくともいずれか一つを変えればよい。この場合、変化を明確にするために、色相値、明度値、および彩度値の少なくとも一つの値は1以上異なることが好ましい。さらに、後述のように、第2スラット22に含まれる着色材の量を増減して、第2スラット22の色を段階的に変化させることで、例えば第1スラット21から離れた位置にある第2スラット22ほど、採光効率を高めることができる。なお、採光効率とは入光量に対する採光量の割合をいう。
図4及び図5に示すように、第2スラット22は、基材層40と、基材層40上に支持された光制御層30と、を有している。基材層40及び光制御層30は、第2スラット22の板面に沿って延びている。
基材層40は、後述する光制御層30の製造方法に起因して設けられているが、特に必須の構成要素ではない。したがって、一例として、単なる透明または半透明な樹脂製フィルムから形成され得る。
また、図4及び図5において二点鎖線で示すように、光制御層30の基材層40とは反対側に、何らかの機能、例えば、防汚、抗菌、消臭、保護機能を発現することを期待された機能層45をさらに設けるようにしてもよい。
第2スラット22は、基材層40及び光制御層30の少なくとも一部分によって形成される透明な部分を有する。この透明な部分があるおかげで、第2スラット22は、入射光を第2スラット22の厚み方向に透過させることができる。このように、第2スラット22は透光性を持つ点で、透光性を持たない第1スラット21と大きく異なる。
光制御層30は、上下方向と非平行な第2方向d2に延び且つ第3方向d3に配列された多数の第1部分31と、第3方向d3に沿って第1部分31と交互に配列された多数の第2部分32と、を有する。図示された例において、第1部分31及び第2部分32は互いに隣接して交互に配列されている。また、光制御層30は、第1部分31及び第2部分32を支持するシート状のベース部分(ランド部)33をさらに有している。このベース部分33は、第1部分31と一体的に形成されており、第1部分31とともに光制御層本体34を形成している。
このように、光制御層30は、複数の溝34aが形成された光制御層本体34と、光制御層本体34の複数の溝34a内にそれぞれ形成された第2部分32と、を有し、光制御層本体34は第1部分31とベース部分33とで構成されている。
図4に示すように、本実施形態において、第1部分31及び第2部分32は、第2スラット22の長手方向に平行となるよう、水平方向に延びている。すなわち、第1部分31及び第2部分32の長手方向となる第2方向d2は、水平方向に延びている。また、第1部分31及び第2部分32は、第2方向d2に直交し且つ薄板状からなる第2スラット22の板面と平行である第3方向d3に交互に配列されている。なお、スラット20の板面とは、対象となる板状のスラット20を全体的かつ大局的に観察した場合においてその平面方向と一致する面のことを指す。したがって、本実施形態においては、スラット20の板面は、曲面となっている。
なお、図4に示すように、各スラット20は、水平方向に延びる軸線を中心として湾曲した形状となっている。また、図4に矢印A1で示すように、各スラット20は、ラダーコード16によって、水平方向に延びる軸線を中心として回動するようにその板面の傾きを変化させることができる。
次に、第1部分31及び第2部分32の形状について説明する。図5に示すように、第2部分32は、光制御層30の基材層40側とは反対側の面の一部をなす底面35と、底面35から延び出た第1側面36及び第2側面37と、を含んでいる。図示された例において、第2スラット22の板面に沿った第1側面36及び第2側面37の離間間隔は、第2スラット22の板面への法線方向に沿って底面35から離間するにつれて、互いに接近していき、最終的に互いに接続している。図示された例において、第2側面37は平坦面として形成されているが、第1側面36は折れ面として形成されている。とりわけ、図示された例では、第1側面36は、底面35に接続する急斜面36aと、底面35から離間した側に位置して第2側面37と接続する緩斜面36bと、を含んでいる。第2スラット22の板面への法線方向に対して急斜面36aがなす角度は、第2スラット22の板面への法線方向に対して緩斜面36bがなす角度よりも大きくなっている。
図示された例において、第2部分32は、第3方向d3に沿って等間隔に配置されている。また、図示された例において、一つの第2スラット22に含まれる第2部分32は、互いに同一に構成されている。以上の第2部分32の構成にともない、図示された例では、一つの第2スラット22に含まれる第1部分31は、第3方向d3に沿って等間隔に配置され、且つ、互いに同一に構成されている。
図5に示された断面での、第2部分32の第3方向d3に沿った配列ピッチは、一例として、1mm以下とすることができ、第2スラット22の板面への法線方向に沿った第2部分32の高さは、1mm以下とすることができる。また、第2スラット22の板面への法線方向に沿った光制御層30の厚みは、100μ以上2mm以下とすることができる。
なお、図示された第1部分31及び第2部分32の構造は、単なる例示であり、種々の変更が考えられる。一例として、第2部分32の断面形状を、三角形形状や台形形状等の種々の形状に変更することができる。また、複数の第2スラット22が、互いに同一に構成されていてもよいし、或いは、複数の第2スラット22の間で、第1部分31及び第2部分32の少なくとも一方についての形状や配列が異なるようにしてもよい。
次に、第1部分31及び第2部分32の材料について説明する。第2スラット22は、その厚み方向に光を透過可能とする透明な部分25を有している。したがって、第2スラット22の板面に沿って配列された第1部分31及び第2部分32のうちの少なくとも一方が透明となっている。本明細書において「透明」とは、可視光透過率が50%以上となっていることを意味している。なお、本明細書における可視光透過率は、測定対象となる部位をなすようになる材料を東洋紡績製PETフィルム(品番:コスモシャインA4300、厚さ100μm)の上に膜厚1μmで成膜し、分光光度計((株)島津製作所製「UV−2450」、JISK0115準拠品)を用いて測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定したときの、各波長における透過率の平均値として特定される。
本実施形態では、第1部分31が透明となっており、好ましくは、第1部分20の可視光透過率は70%以上となっており、より好ましくは、第1部分20の可視光透過率は90%以上となっている。すなわち、本実施形態において、光の進行方向を変化させる透明な部分25は、第1部分31と、ベース部分33及び基材層40のうちの第2スラット22の板面への法線方向に沿って第1部分31と並んだ部分と、によって形成されている。第1部分31及び第1部分31と一体的に形成されるベース部分33をなす光制御層本体34に用いられる材料として、例えば、樹脂材料、とりわけ電離放射線の照射により硬化する電離放射線硬化性樹脂の硬化物を用いることができる。電離放射線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、可視光線硬化性樹脂、近赤外線硬化性樹脂等が挙げられる。樹脂材料の具体例としては、アクリル樹脂が挙げられる。
一方、第2部分32は、第1部分31とは異なる屈折率を有する。本実施形態において、第2部分32は、バインダーとして機能する主部32aと、主部32a中に分散された任意の機能性含有物32bと、を有している。主部32aの屈折率は、第1部分31の屈折率と異なっており、この結果、第1部分31と第2部分32との界面が、屈折率差を有し、可視光を反射する面として機能する。第1部分31側から入射した可視光を第1部分31と第2部分との界面で反射させるためには、第2部分32の屈折率を第1部分31の屈折率よりも小さくなるように調節することが好ましい。第2部分32の主部32aに用いられる材料として、例えば、樹脂材料、とりわけ電離放射線の照射により硬化する電離放射線硬化性樹脂の硬化物を用いることができる。電離放射線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、可視光線硬化性樹脂、近赤外線硬化性樹脂等が挙げられる。樹脂材料の具体例としては、第1部分31に用いるアクリル樹脂とは屈折率が異なるアクリル樹脂が挙げられる。もっとも、機能性含有物32bを有する場合にその機能性含有物32bによって第2部分32の屈折率が変わるのであれば、第1部分31に用いるものと同じアクリル樹脂を用いてもよい。
本実施形態では、第2スラット22内の第2部分32に、第1スラット21と同系色相の色を発現する着色材を含有させ、この着色材の量を第2スラット22のそれぞれごとに相違させている。着色材としては、可視光波長帯域の少なくとも一部の波長域の光を吸収する機能を有する粒子を用いることができる。着色材の一例として、顔料、より具体的には、第1スラット21の色に合わせて、カーボンブラック、黒鉛、窒化チタン等の黒色顔料や、酸化チタン等の白色顔料を用いることができる。また、紺色、青色、紫色等の青みを帯びた粒子、赤みを帯びた粒子、黄色みを帯びた粒子等を着色材として用いてもよい。
本実施形態では、第1スラット21に近い側に配置される第2スラット22ほど、第2スラット22の外観の色が第1スラット21の色に近づくように、対応する第2部分32に含有させる着色材の量を増やしている。言い換えると、第1スラット21から距離が離れるほど、第2スラット22内の第2部分32に含有させる着色材の量を減らしている。これにより、図6に示したように、第1スラット21に近い側に配置される第2スラット22の外観の色は第1スラット21とほとんど変わらない色で視認され、第1スラット21から遠くなるにつれて、少しずつ第2スラット22の外観の色が変化するようになる。
本実施形態では、第2部分32の屈折率を第1部分31の屈折率よりも小さくなるように調節することが好ましい。第1部分31側から入射した可視光は第1部分31と第2部分との界面で反射するので、第1部分31側から入射した可視光は第2部分22に含有されている着色材の影響を受けにくいからである。
なお、第2スラット22の外観の色を変化させる手法は、第2部分32に含有させる着色材の量を調整することに限定されない。着色材の種類を変えてもよいし、例えば、第2部分32の形状やサイズを変えてもよい。より具体的には、第1スラット21に近い側の第2スラット22ほど、その内部の第2部分32の幅を大きくしたり、あるいは第2部分32の深さを深くしてもよい。この場合、第2部分32に含有される着色材の単位体積当たりの密度を同じにしても、第2部分32の体積が大きい第2スラット22ほど、濃い色で視認されることになる。
また、第2スラット22内に設けられる第2部分32の数や間隔(ピッチ)を調整することでも、第2スラット22の外観の色を変化させることができる。例えば、第1スラット21に近い側ほど、第2スラット22内に設けられる第2部分32の数を増やして、第2部分32のピッチを狭めればよい。この場合、第2部分32に含有される着色材の量をすべての第2部分32で共通にしても、第2スラット22内に設けられる第2部分32の数が多いほど、第2スラット22の外観の色は濃く視認される。
さらに、第2部分32に着色材を含有させる代わりに、あるいは第2部分32に着色材を含有させることに加えて、第1部分31に着色材を含有させてもよい。この場合、第1スラット21に近い側の第2スラット22ほど、対応する第1部分31に含有される着色材を増やせばよい。ただし、第1部分31に着色材を含有させると、着色材の単位体積当たりの含有量が多くなるほど、透過率が低下してしまうため、採光機能が少なからず損なわれてしまう。このため、透過率の低下が許容される範囲内で、第1部分31に着色材を含有させる必要がある。
また、第1部分31や第2部分32に着色材を含有させる代わりに、あるいは第1部分31や第2部分32に着色材を含有させることに加えて、第2スラット22に配置される機能層(保護層)45や基材層40などの層に着色材を含有させてもよい。この場合、第1スラット21に近い側の第2スラット22ほど、対応する機能層45に含有される着色材を増やせばよい。ただし、この場合も、機能層45に含有される着色材の単位体積当たりの含有量が増えるほど、採光機能が損なわれてしまうため、透過率の低下が許容される範囲内で、機能層45に着色材を含有させる必要がある。
第2部分32の機能性含有物32bは、上述した着色材以外に、熱線吸収材を含有していてもよい。熱線吸収材として、赤外光波長帯域に吸収特性を有し、且つ、可視光波長帯域に透過特性を有する粒子が用いられる。具体的には、熱線吸収材として、透明性を有する無機ナノ粒子を用いることができ、例えば、アンチモン錫酸化物(ATO) 、インジウム錫酸化物(ITO)、六ホウ化ランタン(LaB6)、アルミニウムドープ酸化亜鉛、インジウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、酸化タングステン、六ホウ化セリウム、無水アンチモン酸亜鉛および硫化銅またはそれらの混合物のナノ粒子等を用いることができる。
図6では、第2スラット領域を構成する個々の第2スラット22ごとに色を変化させる例を説明した。すなわち、一つの第2スラット22の色は同じであることを前提としていた。これに対して、一つの第2スラット22の中で徐々に色を変化させてもよい。
図7は図6の一変形例を示す図である。図7に示すように、第2スラット22のそれぞれは、第1スラット領域に近い側から順に、第1スラット領域と同系色相の範囲内で、一つの第2スラット22の内部で徐々に色が変化するようにグラデーションを持たせて着色されている。グラデーションを持たせるには、同系色相に属する色の範囲内で、色相、明度および彩度の少なくともいずれか一つを段階的に変えていけばよい。このようなグラデーション着色を実現する一手法は、第2スラット22内の第2部分32に含有される着色材の量を、第2部分32の並ぶ方向に沿って段階的に変えればよい。より具体的には、第1スラット領域に近い側ほど、第2部分32に含有される着色材の量を多くすればよい。
また、図6のようなスラット単位で色を変える第2スラット22と、スラット内でグラデーションを持たせて色を変える第2スラット22とを混在させてもよい。
なお、以上のような構成からなる、光制御層30は次のようにして製造され得る。まず、第1部分31及びベース部分33をなす光制御層本体34を、例えば、電子線、紫外線等の電離放射線の照射により硬化する特徴を有するエポキシアクリレート等の硬化性材料を用いて、作製する。具体的には、光制御層本体34の溝34aの構成(配置、形状等)に対応した凸部を有する型ロール、言い換えると、第1部分31の構成(配置、形状等)に対応した凹部を有する型ロールを準備する。当該型ロールとニップロールとの間に基材層40をなすようになるシートを送り込み、該シートの送り込みに合わせて、硬化性材料を型ロールと基材層40との間に供給する。その後、基材層40上に供給された未硬化状態で液状の硬化性材料が型ロールの凹部に充填されるように、型ロールおよびニップロールで該硬化性材料を押圧する。このとき、型ロールの凹部の深さより厚くなるように、すなわち、型ロールと基材層40とが接触しないように、硬化性材料を基材層40上に供給しておくことによって、上述したベース部分(ランド部)33が、第1部分31と一体的に硬化性材料から形成されるようになる。以上のようにして基材層40と型ロールとの間に未硬化で液状の硬化性材料を充填した後、光を照射して該硬化性材料を硬化(固化)させることによって光制御層本体34を形成することができる。
次に、硬化することによって主部32aをなすようになる硬化性材料と、任意の機能性含有物32bと、を含んだ未硬化で液状の組成物を用いて第2部分32を作製する。硬化することによって主部32aをなすようになる硬化性材料として、電離放射線により硬化する特徴を有するウレタンアクリレート等の硬化性材料を用いることができる。まず、先に形成された光制御層本体34上に組成物を供給する。その後、隣り合う第1部分31の間の形成された溝34a、すなわち、型ロールの凸部に対応していた部分の内部に、ドクターブレードを用いながら、組成物を充填しつつ、該溝34a外に溢出した余剰分の組成物を掻き落としていく。その後、第1部分31の間の組成物に電離放射線を照射して硬化させることにより、第2部分32が形成される。これにより、基材層40、並びに、基材層40上に設けられたベース部分33と、ベース部分33上に設けられた第1部分31及び第2部分32と、を有する第2スラット22が作製される。
次に、以上に説明した本実施の形態のブラインド10の作用について説明する。まず、操作グリップ14を操作することにより、窓1に対面する位置において上下に間隔をあけて配列された多数のスラット20の傾きを調整する。本実施の形態では、その板面が互いに平行となるようにして、薄板状のスラット20が配列されている。そして、操作グリップ14を操作することにより、ブラインド10に含まれるすべてのスラット20の傾きを調節することができる。
図2に示された状態では、スラット20の板面は、室外側から室内側に向けてしだいに下方に位置するようにして、水平方向および鉛直方向の両方向に対し傾斜している。とりわけ、スラット20の板面が、太陽光の入射方向と概ね平行となるように、スラット20の傾きが調整されている。このようなブラインド10によれば、太陽光L21,L22,L23を高い効率にて室内へ採光することができ、太陽光L21,L22,L23によって室内を明るく照明することができる。また同時に、下方領域10bに設けられた、第2スラット22は不透明であることから、この第2スラット22によって、室外から室内の視認性を悪化させることができる。すなわち、第2スラット22により、採光を可能にしながら、併せて、室外から室内を覗かれることを防止することができる。
なお、上方領域10aに位置する第1スラット21は、透光性となっている。しかしながら、通常、窓1の上縁は人間の目身長よりも高い位置に配置されていることから、当該窓1が配置されている周辺環境にもよるが、窓1の上方部分を介して室内が覗かれることが問題となることは稀である。したがって、第2スラット22が透光性であることにより、ブラインド10の目隠し機能が著しく劣化することは想定し難い。
ただしこの観点から、第2スラット22が配置される上方領域10aは、一般的な人間の身長や室内にいる人間の目線よりも高い位置にあること、例えば180cmより上方に位置していることが好ましい。また、本実施形態では、第1スラット領域に近い側に配置された第2スラット22については、第1スラット領域と同系色相で着色しているため、第2スラット22によっても、室外から室内が覗かれることを効果的に防止することができ、これにより、ブラインド10が、室内への太陽光の採光を可能としながら、プライバシー保護機能を十分に発揮することができる。
一方、図3に示された状態では、スラット20の板面は、概ね鉛直方向に延びている。このようなブラインド10によれば、下方領域10bに位置する遮光性の第1スラット21が目隠し機能を発揮し、室外から室内を覗かれることを極めて効果的に防止することができ、例えばプライバシーの保護が図られる。また、太陽光L32,L33が進行方向を変えることなくそのまま室内に入射することを防止することができる。すなわち、ブラインド10が、防眩の観点から、室内への直達光を規制する遮光機能を発揮することができる。また、スラット20が閉じたブラインド10は、室内及び室外の間での熱移動を規制し、遮熱機能を発揮することができる。
ところで、図3に示された全閉状態において、従来のブラインドであれば、太陽光の室内への入射が規制されるため、室内が暗くなってしまい、室内照明を用いる必要が生じる。一方、本実施の形態によれば、ブラインド10に含まれるスラット20のうちの、上方に位置する一部の第2スラット22が、屈折率界面を構成する第1部分31及び第2部分32を含んだ光制御層30を有している。そして、第1部分31及び第2部分32の配列方向である第3方向d3は、図3に示された全閉状態において、図5に示すように概ね鉛直方向に延びるようになり、且つ、本実施の形態では、第2部分32の底面35の側が室外側に位置して第1側面36が上方に位置するようになる。このため、図5に示すように、第2スラット22に斜め上方から入射する太陽光L51,L52は、第1部分31と第2部分32の第1側面36との界面において、反射する。したがって、図3に示すように、斜め上方からの太陽光L31が、室内の上方の領域、典型的には、入射した第2スラット22よりも上方の領域に跳ね上げられるようになる。このため、第2スラット22による採光は、窓1から離間した室内の奥側の領域まで太陽光L31を導くことができる。
とりわけ第2部分32の屈折率が第1部分31の屈折率よりも低い場合には、第1部分31に入射して第1部分31及び第2部分32の界面に到達した光を全反射することができる。全反射によれば、反射損失を生じさせることがないので、期待した方向に太陽光を高い効率にて採光することができ且つ第1スラット21の温度上昇を回避することもできる点においても好ましい。
加えて、本実施の形態では、図5に示すように、第2部分32の第1側面36は、入光側となる室外側に急斜面36aを有し、室内側に緩斜面36bを有している。このため、図5に示すように、水平方向に対して比較的に大きく傾いた方向に進む光L52が急斜面36aに入射しやすくなる。急斜面36aは、このような傾斜のきつい方向からの光L52の進行方向を大きく立ち上げ過ぎないように曲げ、室内の窓1から離間した奥側へ効果的に誘導することができる。一方、水平方向に対して比較的に緩やかに傾いた方向に進む光L51が緩斜面36bに入射しやすくなる。緩斜面36bは、このような傾斜の緩やかな方向からの光L51の進行方向を大きく立ち上げ過ぎないように曲げ、室内の窓1から離間した奥側へ効果的に誘導することができる。
このように、第1の実施形態では、通常の目隠し機能および遮光機能を備えた第1スラット21と、主に採光機能を有する第2スラット22とを備えたブラインド10において、第1スラット21に隣接した第2スラット22を第1スラットと同系色相の色で着色したため、第1スラット21と第2スラット22をすべて閉じたときに、ブラインド10全体としての色に統一感を持たせることができ、第1スラット領域と第2スラット領域の境目が目立ちにくくなる。また、第2スラット22は、個々のスラットごとに色を変化させるようにしたため、第1スラット21からの距離が離れるにつれて採光機能を高めることができ、ブラインド10全体としての色の統一感もより向上する。これにより、本実施形態によれば、従来の目隠し機能および遮光機能に加えて採光機能を持ちつつ、意匠性にも優れたブラインド10を提供できる。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、ブラインド10を第1スラット領域と第2スラット領域の2つに区分けする例を示したが、以下に説明する第2の実施形態では、第2スラット領域をさらに2つに区分けして、計3つのスラット領域を設けるものである。
図8は第2の実施形態に係るブラインド10の外観を示す図である。図8に示すように、第2スラット領域は、第3スラット領域と第4スラット領域に区分けされている。第3スラット領域は、第1方向(上下方向)に沿って第1スラット領域と離隔して配置され、1以上の透光性スラットを有する。第4スラット領域は、第1方向に沿って第1スラット領域と第3スラット領域とに接するように配置され、第1スラット領域に隣接する透光性スラットが第1スラット領域と同系色相で着色されている。以下では、第3スラット領域を構成する1以上のスラットを第3スラット23と呼び、第4スラット領域を構成する1以上のスラットを第4スラット24と呼ぶ。
本実施形態では、第3スラット領域と第4スラット領域はともに採光機能を有する透光性スラットを有するが、第4スラット領域では、第1スラット領域のスラットの色と同系色相の色にすることを優先して第3領域のスラットよりも採光効率が低いスラットを用いている。ただし、第4スラット領域では、採光機能を有さない透光性スラットを用いてもよい。
第3スラット領域はブラインド10の最上部側に配置され、この第3スラット領域と、最下部側に配置される第1スラット領域との間に、第4スラット領域が配置されている。第3スラット領域は、ブラインド10の最上部側に配置されるため、第4スラット領域よりも採光効率を高くして、外光をより多く室内に取り込めるようにしている。そして、第3スラット領域は、前記第1スラット領域のスラットの色と色相が異なっている。なお、色相が異なるとは、同一色相ではないことをいう。
第3スラット領域を構成する第3スラット23に、採光機能以外の機能、例えば熱線吸収や直進透過光抑制の機能を持たせたい場合は、第3スラット23の第1部分31と第2部分32の少なくとも一方に、熱線吸収材や特定の着色材を含有させればよい。このように、第3スラット23の第1部分31と第2部分32の少なくとも一方には、着色材が含有されて、それによって第3スラット23の外観に何等かの色が現れることがありうるが、第3スラット23の外観の色は、第1スラット21の外観の色と関連性を持たせる必要はない。
第4スラット領域は、第1スラット領域と第3スラット領域との間に配置されるため、第4スラット領域を構成する第4スラット24のうち、第1スラット領域に隣接した第4スラット24は、第1スラット21と同系色相の色で着色されている。また、第4スラット領域を構成する第4スラット24のうち、第3スラット領域に隣接した第4スラット24は、第3スラット23と同系色相の色で着色されていることが望ましい。このようにするときには、第4スラット領域を構成する第4スラット24の色を、第1スラット領域に近い側から第3スラット領域に近い側にかけて、段階的に変化させることが望ましい。第4スラット24の色を変化させる具体的な手段は、第1の実施形態で説明したように、第4スラット24内の第1部分31と第2部分32の少なくとも一方に含有される着色材の量や種類を変えたり、第2部分32の形状、サイズ、数および間隔の少なくとも一つを変えたり、機能層45や基材層40の層に含有される着色材の量や種類を変えればよい。
第4スラット領域を構成する各第4スラット24の色を、第1スラット領域に隣接した第4スラット24から上方に沿ってスラットごとに色が段階的に変化させ、または/および第3スラット領域に隣接した第4スラット24から下方に沿ってスラットごとに色が段階的に変化させることにより、仮に第3スラット領域が何等かの色で着色されていたとしても、第1スラット領域と第4スラット領域との境界、または/および第4スラット領域と第3スラット領域との境界が目立ちにくくなり、ブラインド10全体としての色に統一感を持たせることができる。
上述した第2の実施形態の変形例として、ブラインド10を4つ以上のスラット領域に区分けして、これらスラット領域のうち、第1方向(上下方向)に離隔して配置される2つのスラット領域が互いに同系色相でない色で着色されていてもよい。この場合、これら2つのスラット領域の間に配置された1つ以上のスラット領域を構成する各スラットの色を段階的に変化させることにより、同系色相でない2つのスラット領域との境界を目立たなくさせることができる。
なお、第2の実施形態においても、スラット単位で第4スラット24の色を変えるのではなく、図7に示すように、一つのスラット内で第4スラット24の色を変えるグラデーション着色を行ってもよい。このようにすることで、色が急激に変わることによる美観の低下を抑制することができる。
上述した第1および第2の実施形態では、ブラインド10内の第2スラット22の内部に、図4および図5に示すような第1部分31と第2部分32を設ける例を示したが、第2スラット22の内部構造は、図4および図5に示す例に限定されない。例えば、図9は第2スラット22の一変形例に係る内部構造を示す図であり、第3方向に沿ってプリズム面50を有し、このプリズム面50での反射や屈折によって光の進行方向を曲げて光を取り込むものである。図9のプリズム面50は、シート状の本体部51と、この本体部51上に配列された多数の単位プリズム52とを有し、本体部51と単位プリズム52は、光が透過可能となるように透明材料で形成されている。個々の単位プリズム52は、第2スラット22の短手方向である第3方向に沿って配置され、第2スラット22の長手方向である第2方向(紙面の表裏方向)に延在されている。また、個々の単位プリズム52は、プリズム面50上に隙間無く配列されている。
単位プリズム52はプリズム面50に対して傾斜した角度を持つ第1面52a及び第2面52bと、を有している。第2スラット22では、第1面52a及び第2面52bの一方から単位プリズム52に入射された光を、当該単位プリズム52の第1面52a及び第2面52bの他方で反射させることにより、太陽光の進行方向を変化させ且つ当該太陽光が第2スラット22を透過することを可能にする。
本実施形態では、プリズム面50のうち、少なくとも第1スラット領域に近い側については、第1スラット領域と同系色相の色で着色している。プリズム面50を着色する際には、少なくとも一部の単位プリズム52の部分に着色材を含有させればよい。あるいは、プリズム面50の本体部51の少なくとも一部に着色材を含有させてもよい。
(第3の実施形態)
上述した第1および第2の実施形態では、窓1等の採光具の全体を覆うブラインド10を念頭に置いていたが、本発明は、窓1等の採光具の一部を覆うブラインド10にも適用可能である。
図10は窓1等の採光具11の下部側を覆うブラインド10を備えた照明装置の一例を示す図である。図10のブラインド10は、第1および第2の実施形態で説明した第1スラット21と同様の既知のスラットを第1方向(例えば上下方向)に複数配列したものである。ブラインド10の最上部には、スラット21の少なくとも一部を収納可能な取付ボックス12が設けられているが、本実施形態では、スラット21と取付ボックス12がともに同じ色で着色されているものとする。
図10の採光具11は、窓1単体でもよいし、窓1にウインドウフィルム45を貼り付けたものでもよい。以下では、窓1にウインドウフィルム45を貼り付けた採光具11について主に説明する。図11は窓1にウインドウフィルム45を貼り付けた採光具11の断面図である。図11のウインドウフィルム45は、その内部構造として、第1部分41と複数の第2部分42とを備えている。第1部分41は、ウインドウフィルム45の一方の表面1a上の第1方向(鉛直方向)に離隔して形成され、それぞれが第2方向(水平方向)に延びる複数の溝を有する。これら溝に所定の充填物を充填したものが複数の第2部分42である。
一方の表面1a上には接着層43を介して窓1が貼り付けられ、他方の表面1b上には基材層44が設けられている。
図10では、第2部分42の断面形状が台形の例を示しているが、第2部分42の断面形状は必ずしも台形でなくてもよく、例えば矩形状でもよい。
第1部分41と第2部分42は、可視光領域において所望の透過率を有するように調整され得る。可視光領域における平均透過率は、一例として、70%以上に調整される。平均透過率が上記範囲を満たすと、ウインドウフィルム45全体としての可視光領域における透過率を十分に得られるため、ウインドウフィルム45の外観が暗くなることや、室内等へ十分な採光が確保できずに室内等の照度が不足することを抑制することができる。
第1部分41の屈折率と第2部分42の屈折率は異なっており、第1部分41を透過して第2部分42の側面に入射された光は、この側面で反射されて、斜め上方に跳ね上げられる。これにより、外光を室内の天井方向に取り込むことができる。
本実施形態では、ウインドウフィルム45をブラインド10と同系色相に着色し、窓1等の採光具11とブラインド10との境界を目立たなくさせている。ウインドウフィルム45の着色は、例えば、ウインドウフィルム45内の第1部分41と第2部分42の少なくとも一方に、ブラインド10と同系色相の着色材を含有させればよい。着色材を含有させると、採光効率が悪くなるおそれがあることから、ブラインド10に近い側の第1部分41と第2部分42の少なくとも一方は着色材の含有量を多くして、ブラインド10から遠くなるほど、第1部分41と第2部分42の少なくとも一方の着色材の含有量を少なくして採光効率の低下を抑制するのが望ましい。
また、着色材の含有量を増減する代わりに、第2部分42の形状、サイズ、数および間隔を可変させて、ウインドウフィルム45の外観上の色を変化させてもよい。
なお、ウインドウフィルム45を設けずに、上述した第1部分41と第2部分42が窓1に一体的に組み込まれた採光具11の場合においても、ブラインド10に近い側の第1部分41と第2部分42の少なくとも一方は着色材の含有量を多くして、ブラインド10から遠くなるほど、第1部分41と第2部分42の少なくとも一方の着色材の含有量を少なくして採光効率の低下を抑制するのが望ましい。
このように、第3の実施形態では、所定の色に着色された通常のブラインド10が窓1等の採光具11の下部側のみに設けられている場合には、ブラインド10で覆われない採光具11の上部側をブラインド10と同系色相の色で着色するため、ブラインド10と採光具11との境界が目立ちにくくなり、ブラインド10と採光具11を合わせた照明装置の全体で色の統一感を出すことができる。
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。