JP6244693B2 - オートマチックマニュアルトランスミッション装置およびこれを備えた車両 - Google Patents

オートマチックマニュアルトランスミッション装置およびこれを備えた車両 Download PDF

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Description

本発明は、クラッチ操作を必要とせずにマニュアルシフトを可能にし、シフトレバー操作フィーリングを改善したオートマチックマニュアルトランスミッション装置およびこれを備えた車両に関するものである。
自動二輪車のトランスミッション装置において、シフトタイミングを運転者の意思に任せたマニュアルシフトを可能にしながら、クラッチ操作の煩わしさを無くした、所謂AMT(Automatic Manual Transmission)と呼ばれるセミオートマチックトランスミッション装置が、例えば特許文献1,2に開示されている。
これらのトランスミッション装置は、いずれもクラッチを有する既存のマニュアルトランスミッションを流用しており、運転者が足で操作するシフトレバーに荷重検出スイッチが追加されていて、その荷重検出信号がエンジンおよびトランスミッションを制御するコントロールユニットに送信されるようになっている。
シフトレバーが操作されると、荷重検出スイッチから荷重検出信号がコントロールユニットに送信され、この荷重検出信号を受けてコントロールユニットが一時的にエンジンの点火時期を遅らせる、あるいは燃料噴射を停止させる等してエンジンのトルクを低下させ、その間に既存のマニュアルトランスミッションと同様にチェンジペダルの回動操作に基づいて変速ギアのドッグの噛み合わせが変更される。この変速時にはエンジンのトルクが低下しているため、クラッチ操作をしなくてもスムーズに変速を行うことができる。
また、特許文献3に開示されている自動変速制御装置のように、AMTにおいて、変速時にエンジントルクを低減させる変わりに、クラッチ機構を断続操作する電気式のクラッチアクチュエータを設け、自動的にクラッチの断続操作を行うようにしたものもある。この特許文献3の自動変速制御装置では、シフトを行うための電気式のシフトスイッチが操向用ハンドルに設けられている。
ところで、近年、変速操作を機敏に行うために、所謂DCT(Double Crutch Transmission)と呼ばれるトランスミッション装置が実用化されている。このDCTは、カウンタシャフトを2重軸化し、ギアの奇数段と偶数段とで2系統のクラッチを備え、2系統のクラッチを交互に繋ぎ変えながら変速を行うものである。走行時には次のギアが噛み合わされた状態で待機しており(例えば2速走行時には、1速または3速のギアが噛合状態で待機している)、変速指令でもう1系統のクラッチに繋ぎ変えることで変速するので、極めて短時間で変速できるという利点がある。
特許第2987532号公報 特許第2797215号公報 特開2011−158102号公報
DCTは、上記の利点を有する反面、構造が複雑で高価である、コンパクト性に欠ける、重量が大きい、常に一方のクラッチを滑らせているために摩擦抵抗がエンジン出力のロスに繋がる、といった問題点もある。このため、特にコンパクト性やコスト面を厳しく要求され、エンジン出力も限られている自動二輪車の変速装置としてはあまり好ましくない。したがって、自動二輪車用のセミオートマチックトランスミッション装置としては、既存のマニュアルトランスミッションを流用しながら半自動化できるAMTの方が好適である。
しかしながら、特許文献1,2,3に示されているような従来のAMTの問題点としては、運転者がシフト操作を行ってから変速が完了するまでのタイムラグが大きいという点が挙げられる。
何故ならば、特許文献1,2の場合は、運転者がシフトレバーを操作したことをコントロールユニットに伝達する荷重検出スイッチが、単なるON,OFFスイッチとして用いられているに過ぎず、シフトレバーがその回動角の終点まで行き着いてからコントロールユニットによるエンジントルク低下制御が開始され、変速が行われるからである。
また、特許文献3の場合は、シフトスイッチが電気式のON,OFFスイッチであるため、シフト操作してから実際に電気的にシフト動作が行われるまでに、どうしてもタイムラグが発生し、しかも操作感や節度感が得られない。
AMTに対して、マニュアルトランスミッションでは、シフトレバーがその回動角の終点まで行き着いた時には変速が完了している。したがって、特許文献1,2,3に示されているAMTは、そのマニュアルモードにおいては、どうしてもマニュアルトランスミッションに比べて変速のタイムラグが大きい。
しかも、変速タイムラグの発生によって生じる駆動力抜けが空走感となり、駆動力抜けのタイミングが分かり辛いため、車両の挙動制御がし辛いことが課題となっていた。また、シフト時における操作感、節度感に欠けるため、体感的にシフトフィーリングが悪く、折角のマニュアルモードにおいてもスポーティーな操縦感が得難いものであった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、簡素で安価な構成により、シフトレバーを操作してから変速が完了するまでのタイムラグを極力短縮し、シフトレバー操作フィーリングを改善し、マニュアルトランスミッションと同様なスポーティーな操縦感を得ることのできるオートマチックマニュアルトランスミッション装置およびこれを備えた車両を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
即ち、本発明に係るオートマチックマニュアルトランスミッション装置は、運転者が回動操作するシフトレバーと、エンジン回転を変速して後輪に伝達するトランスミッション機構と、前記エンジン回転を前記トランスミッション機構に対して伝達および遮断するクラッチ機構と、前記クラッチ機構を断続操作するクラッチアクチュエータと、前記トランスミッション機構を変速操作するシフトチェンジアクチュエータと、前記シフトレバーの回動操作が開始されたことを検出してシフト検出信号を発信するシフトレバー回動検出部と、前記シフト検出信号を受信し、その受信時に前記クラッチアクチュエータおよび前記シフトチェンジアクチュエータを制御するトランスミッションコントロールユニットと、
を具備してなり、前記シフトレバー回動検出部が前記シフト検出信号を発信するのは、前記シフトレバーが、その回動開始位置と回動終点位置との間に設けられた回動検出位置を通過した時とされ、前記トランスミッションコントロールユニットは、前記シフト検出信号を受信してから、前記シフトレバーが前記回動終点位置まで回動するまでの間に、前記クラッチアクチュエータおよび前記シフトチェンジアクチュエータを制御して変速を完了させ前記シフトレバーが前記回動開始位置から前記回動終点位置まで回動するまでの間に、前記シフトレバーの反力に山型の荷重特性を付与する荷重特性付与機構をさらに備え、前記山型の荷重特性の最大荷重点の発生位置を前記回動検出位置に略一致させたことを特徴とする。
上記構成によれば、シフトレバーの回動操作が開始されるのとほぼ同時にシフトレバー回動検出部からシフト検出信号が発信され、このシフト検出信号を受信したトランスミッションコントロールユニットがクラッチアクチュエータおよびシフトチェンジアクチュエータを制御する。
そして、シフトチェンジアクチュエータによってトランスミッション機構が操作され、変速が行われるため、シフトレバーを操作してから変速が開始されるまでのタイムラグが短縮され、シフトレバー操作フィーリングが改善され、マニュアルトランスミッションと同様なスポーティーな操縦感を得ることができる。
上記構成によれば、シフトレバーが回動開始位置から回動検出位置を経て回動終点位置まで回動するまでの間に変速が完了するため、シフトレバーの操作開始から変速完了までの時間を短縮し、シフトレバー操作フィーリングが改善され、マニュアルトランスミッションに匹敵するシフトレスポンスを得ることができる。
しかも、シフトレバーが回動開始位置から回動検出位置まで回動する間は変速が行われないため、例えば運転者がシフトレバーに意図しない力を加えたとしても、無用な変速が行われてしまうことを防止できる。
上記構成によれば、シフトレバーの反力は、回動開始位置から回動検出位置にかけて大きくなり、回動検出位置を超えてからは小さくなる。このため、運転者は回動検出位置の位置、即ち変速が開始される位置を把握することができ、シフトチェンジの節度感を得ることができる。したがって、変速時の空走感が軽減され、変速タイミングを予測しやすくなり、マニュアルトランスミッションと同様に車体制御が容易になる。
また、本発明に係るオートマチックマニュアルトランスミッション装置は、上記構成において、前記トランスミッション機構は、円筒カム状のシフトカムによりシフトフォークを動かし、該シフトフォークにより変速用ドッグを移動させて変速を行う構成であることを特徴とする。
上記構成によれば、トランスミッション機構として従来のマニュアルトランスミッションのものをそのまま流用することができ、これによってオートマチックマニュアルトランスミッション装置の構成を簡素で安価、且つ信頼性の高いものにすることができる。
また、本発明に係るオートマチックマニュアルトランスミッション装置は、上記構成において、前記荷重特性付与機構は、前記シフトレバーの1回の回動操作につき所定の角度ずつ回動する、変速段数と同じ数の位置決め凸部が設けられた星型のカムプレートと、このカムプレートの前記位置決め凸部の間に弾接されてカムプレートの回転位置に節度を持たせるローラ状のシフトカムストッパとを備えた構成であることを特徴とする。
上記構成によれば、荷重特性付与機構として、従来のマニュアルトランスミッションに設けられていた、シフトカムの位置決め用のカムプレートおよびその回転位置に節度を持たせるローラ状のシフトカムストッパをそのまま流用することができ、これによってオートマチックマニュアルトランスミッション装置の構成を簡素で安価、且つ信頼性の高いものにすることができる。
しかも、シフトカムストッパをカムプレートに弾接させるスプリング等の小変更によりシフトレバー反力の荷重特性を変更できるため、他機種との部品共通化を図ることができる。
さらに、本発明に係る車両は、上記いずれかの構成のオートマチックマニュアルトランスミッション装置を備えたことを特徴とする。
この車両によれば、シフトレバーの回動操作が開始された直後にトランスミッションコントロールユニットがクラッチアクチュエータおよびシフトチェンジアクチュエータを制御して変速を行わせるため、シフトレバーを操作してから変速が開始されるまでのタイムラグを短縮し、マニュアルトランスミッションと同様なスポーティーな操縦感を得ることができる。
本発明によれば、簡素で安価な構成により、シフトレバーを操作してから変速が完了するまでのタイムラグを極力短縮し、シフトレバー操作フィーリングを改善し、マニュアルトランスミッションと同様なスポーティーな操縦感を得ることができる。
車体フレームにエンジンユニットが搭載された自動二輪車の車体前部側を示す左側面図。 本発明に係るオートマチックマニュアルトランスミッション装置が適用された自動二輪車のエンジンユニットの左側面図。 図2のIII矢視によるエンジンユニットの後面図。 スプロケットカバー、クラッチアクチュエータ、シフトチェンジアクチュエータ等の左側面図。 図4のV−V線に沿う断面図。 図4のVI−VI線に沿う断面図。 本発明の一実施形態を示す図であり、スプロケットカバー、クラッチアクチュエータ、シフトチェンジアクチュエータ、トランスミッション機構、クラッチ機構、シフトレバー、フットレスト等を左斜め後方から見た斜視図。 スプロケットカバー、クラッチアクチュエータ、シフトチェンジアクチュエータ、トランスミッション機構、クラッチ機構等を右斜め前方から見た斜視図。 シフトレバーブラケット、シフトレバー、シフトレバー回動角センサ、荷重特性付与機構等を示す左側面図。 図9のX矢視による平面図。 図10のXI矢視による右側面図。 シフトレバーブラケット、シフトレバー、シフトレバー回動角センサ、荷重特性付与機構等を右斜め後から見た斜視図。 (A)は図12に示す荷重特性付与機構を拡大した斜視図。(B)は荷重特性付与機構を示す右側面図、(C)は荷重特性付与機構を示す左側面図。 シフトレバーの操作荷重とシフトカムの回動角度との関係をグラフで示す図。 オートマチックマニュアルトランスミッション装置の全体構成を示すブロック図。 オートマチックマニュアルトランスミッション装置の制御の流れをフローチャートで示す図。 本発明のオートマチックマニュアルトランスミッション装置の変速時間と、従来の一般的なAMT、DCT、マニュアルトランスミッションの変速時間とを比較したタイムチャート。
以下、本発明の一実施形態について、図1から図16を参照して説明する。
図1は、4サイクル多気筒エンジンのエンジンユニット1が車体フレーム2に搭載された自動二輪車の車体フレーム前部側を示す左側面図である。エンジンユニット1は、車体フレーム2に懸架されて車体フレーム2の一部を構成している。
図2は、本発明に係るオートマチックマニュアルトランスミッション装置が適用された自動二輪車のエンジンユニット1の左側面図であり、図3は図2のIII矢視によるエンジンユニット1の後面図である。
このエンジンユニット1は、例えばエンジンケース3の上面に、シリンダブロック、シリンダヘッドおよびヘッドカバーからなるシリンダアッセンブリ4が前傾して設置された並列4気筒エンジンであり、エンジンケース3には本発明に係るオートマチックマニュアルトランスミッション装置5(以下、AMT5という。)が組み込まれている。シリンダアッセンブリ4の後面に開口する4つの吸気ポート6には、それぞれ図示しない電子制御スロットル装置が接続される。
図2〜図8に示すように、AMT5の機構部は、エンジン回転、即ちエンジンケース3の内部に軸支されたクランクシャフト8(図1、図2参照)の回転を変速して後輪に伝達するトランスミッション機構10と、クランクシャフト8の回転をトランスミッション機構10に対して伝達および遮断するクラッチ機構11と、クラッチ機構11を断続操作するクラッチアクチュエータ12と、トランスミッション機構10を変速操作するシフトチェンジアクチュエータ13とを備えている。
クラッチアクチュエータ12とシフトチェンジアクチュエータ13は、シリンダアッセンブリ4の後方、且つエンジンケース3の左側面に設置されており、例えばエンジンケース3の左側面に被装されたスプロケットカバー15に固定されている。スプロケットカバー15の内側にはエンジン出力をチェーンで後輪に伝えるドライブスプロケット16(図5、図6参照)が収められている。
トランスミッション機構10は、一般のマニュアルトランスミッション装置に使用されているものと同様の構成である。即ち、クランクシャフト8の後方に平行に位置して車幅方向に延びるカウンタシャフト18およびドライブシャフト19と、図6および図8に示すように、カウンタシャフト18に軸装されて第1速から第6速に対応する6種類のドライブギア20と、ドライブシャフト19に軸装されて上記ドライブギア20に常時噛合する6種類のドリブンギア21とを備えている。なお、先述のドライブスプロケット16はドライブシャフト19の左端に回転一体に固定されている。
また、トランスミッション機構10は、図5に示すように、シフトカム23によって動かされる複数のシフトフォーク24を備えている。従来から公知のように、シフトカム23は、段階的に回動することにより、複数のシフトフォーク24を介してドライブギア20およびドリブンギア21のいずれかに設けられた変速用ドッグ25(図5、図6参照)を軸方向に移動させて6種類のドライブギア20およびドリブンギア21の噛み合わせを選択する。
クラッチ機構11は、公知の湿式多版クラッチであり、例えば図6に示すように、カウンタシャフト18の右端側に設けられている。クラッチ機構11に回転一体に設けられたプライマリードリブンギア27が、クランクシャフト8に設けられた図示しないプライマリードライブギヤに常時噛合している。
カウンタシャフト18は中空軸であり、その内部に摺動自在に挿入されたプッシュロッド28の左端部をクラッチアクチュエータ12が押圧していくと、クラッチ機構11の結合が徐々に解かれ、半クラッチ状態を経て結合が解除される。クラッチ機構11が結合されるとエンジン回転がカウンタシャフト18に伝達され、クラッチ機構11が解除されるとエンジン回転がカウンタシャフト18に対して遮断される。
クラッチアクチュエータ12は、例えばサーボモータ31と、多段ギアからなる減速機構32と、カム軸状のクラッチレリーズカム33とを備えて構成されており、サーボモータ31の回転が減速機構32により減速されてクラッチレリーズカム33の回動に変換され、クラッチレリーズカム33の回動角が増すに従ってプッシュロッド28の押圧量が増大していく。
クラッチアクチュエータ12にはクラッチポジションセンサ36が設けられている。このクラッチポジションセンサ36は、例えば減速機構32のギアの回転角度を検知することによってクラッチ機構11の繋がり具合を判定するセンサであり、そのクラッチポジション信号CPが後述するトランスミッションコントロールユニット80(以下、TCU80と略す)に受信される(図15参照)。
シフトチェンジアクチュエータ13は、例えばサーボモータ41と、多段ギアからなる減速機構42とを備えて構成されており、サーボモータ41の回転が減速機構42により減速されてシフトチェンジシャフト43を回動させ、シフトチェンジシャフト43の回動がシフトギア44によってシフトカム23に伝達されるようになっている。
また、シフトチェンジアクチュエータ13には、図7に示すように、シフトポジションセンサ47が設けられている。このシフトポジションセンサ47は、例えばシフトチェンジシャフト43の回動角度を検知することによってギアポジションを判定するセンサであり、そのシフトポジション信号SPが後述するTCU80に受信される(図15参照)。
一方、自動二輪車の車体フレーム2には、運転者が足を載せる左右一対のフットレスト51が、エンジンユニット1の後方に位置するように設けられている(図1、図7参照)。そして、エンジンユニット1の左側面には、左側のフットレスト51の前下方に位置するようにシフトレバー52が設けられている。運転者は、左側のフットレスト51に載せた左足の爪先でシフトレバー52を上方または下方に繰り返し回動操作してAMT5のシフト操作を行なう。例えば、シフトレバー52を上方に回動させるとAMT5がシフトアップし、下方に回動させるとAMT5がシフトダウンする。
図1〜図3、図7および図9〜図13、特に図10に示すように示すように、シフトレバー52は、その根元の回動軸(シフトシャフト)53が、エンジンケース3の左下側面に取り付けられたシフトレバーブラケット54に軸支されており、回動軸53にはリターンスプリング55が軸装されている。リターンスプリング55は、シフトレバーブラケット54に突設されたスプリングストッパ56に係止されており、シフトレバー52の非操作時には、シフトレバー52を図9に示す回動開始位置52Nに保持する。
また、シフトレバーブラケット54には、図3に示すように、シフトレバー52と共に、シフトレバー回動角センサ(シフトレバー回動検出部)60と、荷重特性付与機構61とが設置されている。シフトレバー回動角センサ60は、シフトレバー52の回動角度を検知することにより、シフトレバー52の回動操作が開始されたことを検出してシフト検出信号SU,SDを発信するセンサである。なお、シフトレバー回動角センサ60としては、回動角センサに限らず、例えば荷重センサを用いてもよい。また、荷重特性付与機構61は、後述するようにシフトレバー52の回動に所定の荷重特性を付与する機構である。
シフトレバー52は、図9に示すように、回動開始位置52Nから、上方の回動終点位置52UPと、下方の回動終点位置52DOWNまで回動することができる。また、回動開始位置52Nと、上下の回動終点位置52UP,52DOWNとの間には、それぞれ回動検出位置PUとPDが設定されている。これらの回動検出位置PU,PDは、それぞれ回動終点位置52UP,52DOWNよりも回動開始位置52Nにやや近い位置に設けられている。
シフトレバー52が回動検出位置PUを通過する時には、シフトレバー回動角センサ60がシフトアップを伝えるシフト検出信号SU(図15参照)を発信し、シフトレバー52が回動検出位置PDを通過する時には、シフトレバー回動角センサ60がシフトダウンを伝えるシフト検出信号SDを発信する。これらのシフト検出信号SU,SDは、図15に示すTCU80に受信される。
図9〜図13に荷重特性付与機構61の構成を示す。荷重特性付与機構61は、シフトレバー52が回動開始位置52Nから回動終点位置52UPまたは52DOWNまで回動するまでの間に山型の荷重特性を付与する機構であり、シフトドライブプレート64と、このシフトドライブプレート64の自由端部に重なるように軸支された星型のカムプレート65と、シフトカムストッパ66とを備えて構成されている。
シフトドライブプレート64は、図12に示すように、シフトレバー52の回動軸53に軸装されてシフトレバー52と一体に回動するプレート状のレバーであり、図13(A),(B)に示すように、その自由端付近に回動量規制穴67と、上下2つの係合爪68a,68bとが形成されている。また、このシフトドライブプレート64は、その自由端部が左右方向(車幅方向)に揺動でき、回動軸53に軸装されたプレッシャスプリング69によってその自由端部がカムプレート65側に押し付けられている。
カムプレート65は、図13(A)に示すように、シフトレバー52の1回の回動操作につき所定の角度ずつ回動する、AMT5の変速段数(ここでは6段)と同じ数(6箇所)の位置決め凸部71が60度間隔で設けられた星型あるいは花びら形状のプレートであり、そのシフトドライブプレート64側の側面に、各位置決め凸部71の位置に対応して6本のピン72が突設されている。これらのピン72はシフトドライブプレート64の係合爪68a,68bと係合可能である。また、カムプレート65の中心軸73がシフトドライブプレート64の回動量規制穴67に通されている。
一方、シフトカムストッパ66は、図12に示すように、シャフトボルト76でシフトレバーブラケット54に回動自在に軸支されたストッパアーム77と、このストッパアーム77の自由端に回転自在に軸支されたストッパローラ78と、ストッパローラ78がカムプレート65の各位置決め凸部71の間(谷部)に弾接されるようにストッパアーム77を付勢してカムプレート65の回転位置に節度を持たせるストッパスプリング79とを備えている。
このように構成された荷重特性付与機構61において、図9に示すように、シフトレバー52が回動開始位置52Nから回動終点位置52UPに1度回動操作されると、シフトドライブプレート64の下側の係合爪68aがカムプレート65のピン72の1つに係合し、カムプレート65を図13(A)中のF方向に60度回動させる。
また、シフトレバー52が回動開始位置52Nから回動終点位置52DOWNに1度回動操作されると、シフトドライブプレート64の上側の係合爪68bがカムプレート65のピン72の1つに係合し、カムプレート65を図13(A)中のR方向に60度回動させる。
さらに、シフトレバー52を回動開始位置52Nから回動終点位置52UPまたは回動終点位置52DOWNに複数回、連続的に回動させると、その回動回数だけカムプレート65が60度ずつF方向またはR方向に断続的(間欠的)に回動する。この時には、図12に示すように、シフトレバー52がリターンスプリング55の付勢力によって回動開始位置52Nに復帰する度に、シフトドライブプレート64がプレッシャスプリング69の付勢力に抗してカムプレート65から離反し、係合爪68aまたは68bが次のピン72に係合するようになっている。
なお、シフトドライブプレート64の回動量規制穴67の内周部がカムプレート65の中心軸73に当接することにより、シフトレバー52が回動終点位置52UPまたは回動終点位置52DOWNの位置で停止するようになっている。
上記のようにカムプレート65が図13(A)に示すように、60度ずつF方向またはR方向に回動するに伴い、シフトカムストッパ66のストッパローラ78が、カムプレート65の複数の位置決め凸部71の間の谷部から谷部に順次移動する。この時、ストッパスプリング79の付勢力によってストッパローラ78がカムプレート65の谷部に弾接される(押し付けられる)ため、カムプレート65の回動位置に節度がもたらされる。
また、図14に示すように、シフトレバー52が回動開始位置52Nから回動終点位置52UPまたは52DOWNに回動するまでの間に、荷重特性付与機構61によってシフトレバー52の反力に山型の荷重特性が付与される。即ち、シフトレバー52と共にカムプレート65が回動すると、ストッパローラ78が星形あるいは花びら形状のカムプレート65の谷部から位置決め凸部71の斜面を登る間はシフトレバー52の反力(荷重)が直線的に増大して行き、ストッパローラ78が位置決め凸部71の頂点を乗り越えると反力が直線的に減少して行く。
そして、この山型の荷重特性の最大荷重点Wmaxの発生位置は、シフトレバー52の回動検出位置PU,PDの位置に略一致するように設定されている。このため、シフトレバー52の反力は、回動開始位置52Nから回動検出位置PU,PDにかけて大きくなり、回動検出位置PU,PDを超えてからは小さくなる。そして、最も反力が高くなった時に、前述したようにシフトレバー回動角センサ60からシフトアップまたはシフトダウンのシフト検出信号SUまたはSDがTCU80に送信される。カムプレート65の星形あるいは花びら形状如何によってはシフトレバー52の反力(操作荷重)に種々の変化を付与することができる。
図15は、AMT5の全体構成を示すブロック図である。
AMT5の制御部であるTCU80には、クラッチアクチュエータ12と、シフトチェンジアクチュエータ13と、イグニッションコントローラ83と、電子制御スロットルコントローラ84とが接続され、それぞれTCU80から発信される作動信号A1〜A4に基づいて作動する。
また、TCU80には、クラッチポジションセンサ36と、シフトポジションセンサ47と、シフトレバー回動角センサ60とが接続され、クラッチポジションセンサ36から発信されるクラッチポジション信号CPと、シフトポジションセンサ47から発信されるシフトポジション信号SPと、シフトレバー回動角(または荷重)センサ60から発信されるシフト検出信号SU,SDとが、それぞれTCU80に入力される。
さらに、TCU80には、カウンタシャフト18の回転速度信号CSを発信するカウンタシャフトスピードセンサ85と、自動二輪車の車速信号VSを発信する車速センサ86と、自動二輪車の運転者が操作するスロットルグリップの開度信号TPSを発信するスロットルポジションセンサ87と、電子制御スロットルの開度信号APSを発信するアクセルポジションセンサ88と、トランスミッション機構10のギアポジション信号GPSを発信するシフトカムポジションセンサ89と、燃料噴射システムに必要なその他各種の信号ETCを発信するエンジン運転状態検知用センサ類90(冷却水温度センサ、吸気温度センサ、油温センサ、O2センサ等)と、が接続されている。
TCU80は、シフトレバー52の回動操作に伴いシフトレバー回動角センサ60から送信されるシフト検出信号SUまたはSDを受信すると、各センサ類36,47,85〜90から送信される各種の信号CP,SP,CS,VS,TPS,APS,GPS,ETCを参照しながらエンジンユニット1の出力を制御するとともに、クラッチアクチュエータ12とシフトチェンジアクチュエータ13とを制御して変速を実行する。
この時、TCU80は、シフト検出信号SU,SDを受信してから、シフトレバー52が回動終点位置52UP,52DOWNまで回動するまでの間に、クラッチアクチュエータ12およびシフトチェンジアクチュエータ13を制御して変速を完了させる。
即ち、TCU80は、シフト検出信号SU,SDを受信すると同時に、クラッチアクチュエータ12を作動させてクラッチ機構11の接続を解除し、次にシフトチェンジアクチュエータ13を作動させてトランスミッション機構10のシフトカム23を回動させ、変速を行わせた後、再度クラッチアクチュエータ12を作動させてクラッチ機構11を接続する。
TCU80は、シフトチェンジアクチュエータ13を作動させて変速を行う際に、各種のセンサの入力信号からエンジンユニット1の運転状況を判断し、例えばシフトアップ時にはイグニッションコントローラ83を制御して点火カット(間引き点火)や点火時期の遅角化等を行い、シフトダウン時には電子制御スロットルコントローラ84を制御してブリッピング(空吹かし)を行う。これらにより、ドライブギア20とドリブンギア21とに設けられた変速用ドッグ25に加わる荷重が抜かれ、変速がスムーズに行われて変速に要する時間が短縮される。
また、TCU80は、変速が完了してクラッチ機構11を接続させる時に、各種のセンサの入力信号に基づいて、クラッチ機構11の接続に伴う変速ショックが大きいか否かを判定し、変速ショックが大きい状況である場合には、クラッチアクチュエータ12を制御してクラッチ機構11の接続をゆっくり行い、半クラッチ状態を長くすることによって変速ショックを低減させる。
図16に、TCU80によるAMT5の制御の流れを示す。
例えば、エンジンユニット1が始動した時点で制御が開始され、まずステップS1でシフトレバー回動角センサ(または荷重センサ)60からシフト検出信号SUまたはSDの受信があったか否かが判定される。この判定結果がYesであればステップS2に移行し、クラッチアクチュエータ12が操作されてクラッチ機構11の接続が遮断される。
次に、ステップS3に移行し、変速用ドッグ25に加わる荷重が許容値以下であるか否かが判定される。この判定は、カウンタシャフトスピードセンサ85や、車速センサ86、油温センサ(非図示)、変速用ドッグ荷重マップ等のデータを参照して行われる。そして、ステップS3の判定結果がYes、即ち許容値以下であれば、ステップS4に移行し、シフトチェンジアクチュエータ13が操作されてシフトチェンジが実行される。
次に、ステップS5に移行し、クラッチ機構11の接続に際して変速ショックが大きいか否かが判定される。この変速ショックが大きいか否かの判定は、ギアポジション、エンジン回転数、車速等のデータを参照して行われる。この判定結果がYes、即ち変速ショックが大きいと判断される場合には、ステップS6に移行し、半クラッチを使用してクラッチ機構11をゆっくり接続して変速ショックを吸収する。
また、ステップS5の判定結果がNo、即ち変速ショックが小さいと判断される場合には、ステップS7に移行し、半クラッチを使用せずにクラッチ機構11を素早く接続する。これでシフトチェンジが完了し、制御が元に戻る。
一方、ステップS3における判定結果がNo、つまり変速用ドッグ25に加わる荷重が許容値を超える場合には、ステップS8に移行してシフトアップかシフトダウンかが判断される。ここでは、ステップS1においてシフト検出信号SUが受信されていればシフトアップ、シフト検出信号SDが受信されていればシフトダウンと判定される。
変速用ドッグ25に加わる荷重が許容値以上でシフトアップの場合はステップS9に移行し、エンジントルクを低減させながらシフトアップが行われる。エンジントルクを低減させる方法としては、点火カット(間引き点火)や点火時期の遅角化が行われる。このようにシフトアップ時にエンジントルクを低減させることにより、変速用ドッグ25に加わる荷重を減らし、変速用ドッグ25が噛み合う時間を短縮して素早いシフトアップが可能になる。
また、ステップS8がシフトダウンの場合はステップS10に移行し、電子制御スロットルコントローラ84を制御してエンジンユニット1をブリッピングさせてからシフトダウンされる。このようにシフトダウン時にエンジンを空吹かしさせることにより、トランスミッション機構10のドライブギア20とドリブンギア21の回転を合わせて変速用ドッグ25が噛み合うまでの時間を短縮し、素早いシフトダウンが可能になる。
ステップS9でシフトアップが行われた後、あるいはステップS10でシフトダウンが行われた後は、ステップS5に移行し、それ以降は前述したステップS5,S6,S7のルーティンが実行されてシフトチェンジが完了し、制御が元に戻る。
以上説明したように、このAMT5は、シフトレバー52の回動操作が開始されたことを検出してシフト検出信号SU,SDを発信するシフトレバー回動角センサ60(シフトレバー回動検出部)を設け、AMT5を制御するTCU80に上記シフト検出信号SU,SDを受信させてクラッチアクチュエータ12およびシフトチェンジアクチュエータ13を制御させて変速を行うものである。
このため、シフトレバー52の回動操作が開始されるのとほぼ同時にシフトレバー回動角センサ60からシフト検出信号SU,SDが発信され、このシフト検出信号SU,SDを受信したTCU80がクラッチアクチュエータ12およびシフトチェンジアクチュエータ13を作動させて変速を行うため、シフトレバー52を操作してから変速が開始されるまでのタイムラグが短縮され、マニュアルトランスミッションと同様なスポーティーな操縦感を得ることができる。
また、シフトレバー回動角センサ60がシフト検出信号SU,SDを発信するのは、シフトレバー52が、その回動開始位置52Nと回動終点位置52UP,52DOWNとの間に設けられた回動検出位置PU,PDを通過した時とされるとともに、TCU80はシフト検出信号SU,SDを受信してからシフトレバー52が回動終点位置52UP,52DOWNまで回動するまでの間に、クラッチアクチュエータ12およびシフトチェンジアクチュエータ13を制御して変速を完了させるようになっている。
上記構成によれば、AMT5は、シフトレバー52が回動開始位置52Nから回動検出位置PU,PDを経て回動終点位置52UP,52DOWNまで回動するまでの間に変速が完了するため、シフトレバー52の操作開始から変速完了までの時間を大幅に短縮し、マニュアルトランスミッション(MT)に匹敵、もしくはそれを凌ぐシフトレスポンスを得ることができる。
図17は、本発明のAMT5の変速時間と、従来の一般的なAMT、DCT、マニュアルトランスミッション(MT)の変速時間とを比較したタイムチャートである。
ここに示すように、従来の一般的なAMTやDCTがシフトチェンジ操作を開始した時間T1から、クラッチが遮断されてギアチェンジが開始される時間T2付近までの間に、本発明に係るAMT5では、クラッチ遮断とギアチェンジとクラッチ接続が全て完了してしまう。
従来の一般的なAMTやDCTでは、クラッチが遮断された時間T2の後、さらにギアチェンジが完了し、クラッチが接続されてシフトチェンジ操作が全て完了するのは、本発明のAMT5のシフトチェンジが完了した時間T2よりも遅い時間T3またはT4となる。このため、本発明のAMT5は、従来のAMTやDCTと比べて格段に速くシフトチェンジすることができるのである。
さらに、一般的なマニュアルトランスミッション(MT)では、シフトチェンジ操作を開始した時間T1から、クラッチ遮断、ギアチェンジ操作、クラッチ接続までの全てが完了する時間がT5となり、従来の一般的なAMTのシフト操作完了時間T4よりもさらに遅いタイミングとなる。
つまり、通常のマニュアルトランスミッションや、従来のAMTおよびDCTでは、シフトレバーを回動終点位置まで回動させないとシフトチェンジが完了しないのに対して、本発明のAMT5では、シフトレバー52が、その回動開始位置52N寄りに設定された回動検出位置PU,PDを通過すると同時にシフト検出信号SU,SDが発信され、それをトリガーにしてクラッチアクチュエータ12によりクラッチ機構11の結合が遮断され、間髪を入れずにシフトチェンジアクチュエータ13によってシフトチャンジが行われる。このため、シフトレバー52が回動終点位置52UPまたは52DOWNに突き当る時間T2までの間にシフトチェンジを完了させることができる。
しかも、クラッチ機構11の結合が遮断されている時間が、ギアチェンジに必要な時間のみとなり、結果的にマニュアルトランスミッションよりもクラッチ遮断時間が短くなるため、エンジンの駆動力が途切れる時間がマニュアルトランスミッションよりも短くなるというメリットがありながら、シフトチェンジのフィーリングをマニュアルトランスミッションと同様な節度のある好ましいものにすることができる。
さらに、シフトレバー52が回動開始位置52Nから回動検出位置PU,PDまで回動する間は変速が行われないため、例えば運転者がシフトレバー52に意図しない力を加えたとしても、無用な変速が行われてしまうことを防止できる。
また、このAMT5は、シフトレバー52が回動開始位置52Nから回動終点位置52UP,52DOWNまで回動するまでの間に、シフトレバー52の反力に山型の荷重特性を付与する荷重特性付与機構61を備えており、この山型の荷重特性の最大荷重点Wmaxの発生位置が回動検出位置PU,PDの位置に略一致している。
このため、シフトレバー52の反力は、図14に示すように、回動開始位置52Nから回動検出位置PU,PDにかけて大きくなり、回動検出位置PU,PDを超えてからは小さくなる。このため、運転者は回動検出位置PU,PDの位置、即ち変速が開始される位置を体感して把握することができ、シフトチェンジの節度感を得ることができる。したがって、変速時の空走感が大幅に軽減され、変速タイミングを予測しやすくなり、マニュアルトランスミッションと同様な節度感をもって車体制御を容易にすることができる。
また、このAMT5において、トランスミッション機構10は、円筒カム状のシフトカム23によりシフトフォーク24を動かし、該シフトフォーク24により変速用ドッグ25を移動させて変速を行う構成であるため、トランスミッション機構10として従来のマニュアルトランスミッションのものをそのまま流用することができ、これによってAMT5の構成を簡素で安価、且つ信頼性の高いものにすることができる。
また、荷重特性付与機構61は、シフトレバー52の1回の回動操作につき所定の角度ずつ回動する、変速段数と同じ数の位置決め凸部71が設けられた星型のカムプレート65と、このカムプレート65の位置決め凸部71の間に弾接されてカムプレート65の回転位置に節度を持たせるローラ状のシフトカムストッパ66とを備えた構成である。
このため、荷重特性付与機構61として、従来のマニュアルトランスミッションに設けられていた、シフトカムの位置決め用のカムプレートおよびその回転位置に節度を持たせるローラ状のシフトカムストッパをそのまま流用することができ、これによってAMT5の構成を簡素で安価、且つ信頼性の高いものにすることができる。
しかも、シフトカムストッパ66をカムプレート65に弾接させるストッパスプリング79等の小変更によってシフトレバー52の反力の荷重特性を容易に変更できるため、他機種との部品共通化を図ることができる。
そして、以上のように構成されたAMT5を搭載した車両(好ましくは自動二輪車)は、シフトレバー52の回動操作が開始された直後にTCU80がクラッチアクチュエータ12およびシフトチェンジアクチュエータ13を制御して変速を行わせるため、シフトレバー52を操作してから変速が開始されるまでのタイムラグを短縮し、マニュアルトランスミッションと同様なスポーティーな操縦感を得ることができる。
なお、本発明は前記実施形態の構成のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更や改良を加えることができ、このように変更・改良等を加えた実施形態も本発明の権利範囲に含まれるものとする。
例えば、前記実施形態では、変速時にクラッチアクチュエータ12によってクラッチ機構11の結合・解除操作を行うものとして説明したが、クラッチ機構の操作を行わずに、エンジントルクの低減制御やエンジン回転数を合わせる制御のみを行って変速するAMTについても、シフトレバーにシフト検出信号を発信するシフトレバー回動検出部を設けてシフト検出信号を上記制御のトリガーとし、素早い変速を実現できるようにしてもよい。
1 エンジンユニット
2 車体フレーム
3 エンジンケース
4 シリンダアッセンブリ
5 オートマチックマニュアルトランスミッション装置(AMT)
10 トランスミッション機構
11 クラッチ機構
12 クラッチアクチュエータ
13 シフトチェンジアクチュエータ
23 シフトカム
24 シフトフォーク
25 変速用ドッグ
51 フットレスト
52 シフトレバー
52N 回動開始位置
52UP,52DOWN 回動終点位置
60 シフトレバー回動角センサ(シフトレバー回動検出部)
61 荷重特性付与機構
65 カムプレート
66 シフトカムストッパ
71 位置決め凸部
80 トランスミッションコントロールユニット(TCU)
PU,PD 回動検出位置
SU,SD シフト検出信号
Wmax 最大荷重点

Claims (4)

  1. 運転者が回動操作するシフトレバーと、
    エンジン回転を変速して後輪に伝達するトランスミッション機構と、
    前記エンジン回転を前記トランスミッション機構に対して伝達および遮断するクラッチ機構と、
    前記クラッチ機構を断続操作するクラッチアクチュエータと、
    前記トランスミッション機構を変速操作するシフトチェンジアクチュエータと、
    前記シフトレバーの回動操作が開始されたことを検出してシフト検出信号を発信するシフトレバー回動検出部と、
    前記シフト検出信号を受信し、その受信時に前記クラッチアクチュエータおよび前記シフトチェンジアクチュエータを制御するトランスミッションコントロールユニットと、
    を具備してなり、
    前記シフトレバー回動検出部が前記シフト検出信号を発信するのは、前記シフトレバーが、その回動開始位置と回動終点位置との間に設けられた回動検出位置を通過した時とされ、
    前記トランスミッションコントロールユニットは、前記シフト検出信号を受信してから、前記シフトレバーが前記回動終点位置まで回動するまでの間に、前記クラッチアクチュエータおよび前記シフトチェンジアクチュエータを制御して変速を完了させ
    前記シフトレバーが前記回動開始位置から前記回動終点位置まで回動するまでの間に、前記シフトレバーの反力に山型の荷重特性を付与する荷重特性付与機構をさらに備え、
    前記山型の荷重特性の最大荷重点の発生位置を前記回動検出位置に略一致させたことを特徴とするオートマチックマニュアルトランスミッション装置。
  2. 前記トランスミッション機構は、円筒カム状のシフトカムによりシフトフォークを動かし、該シフトフォークにより変速用ドッグを移動させて変速を行う構成であることを特徴とする請求項1に記載のオートマチックマニュアルトランスミッション装置。
  3. 前記荷重特性付与機構は、前記シフトレバーの1回の回動操作につき所定の角度ずつ回動する、変速段数と同じ数の位置決め凸部が設けられた星型のカムプレートと、このカムプレートの前記位置決め凸部の間に弾接されてカムプレートの回転位置に節度を持たせるローラ状のシフトカムストッパとを備えた構成であることを特徴とする請求項1に記載のオートマチックマニュアルトランスミッション装置。
  4. 請求項1からのいずれか1項に記載のオートマチックマニュアルトランスミッション装置を備えたことを特徴とする車両。
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