JP6243155B2 - 密封装置 - Google Patents

密封装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6243155B2
JP6243155B2 JP2013140405A JP2013140405A JP6243155B2 JP 6243155 B2 JP6243155 B2 JP 6243155B2 JP 2013140405 A JP2013140405 A JP 2013140405A JP 2013140405 A JP2013140405 A JP 2013140405A JP 6243155 B2 JP6243155 B2 JP 6243155B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lip
sealing device
pinion shaft
shaft
seal lip
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013140405A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015014309A (ja
Inventor
昭宏 山中
昭宏 山中
一将 坂尾
一将 坂尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koyo Sealing Techno Co Ltd
Original Assignee
Koyo Sealing Techno Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koyo Sealing Techno Co Ltd filed Critical Koyo Sealing Techno Co Ltd
Priority to JP2013140405A priority Critical patent/JP6243155B2/ja
Publication of JP2015014309A publication Critical patent/JP2015014309A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6243155B2 publication Critical patent/JP6243155B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、円筒状の内軸収容部と、この内軸収容部内に回動可能に配設される内軸との間の環状空間を密封する密封装置に関する。
自動車のステアリングホイールの回転を車軸方向への直線運動に変換する機構としてラック・ピニオン機構がある。かかるラック・ピニオン機構では、ステアリングホイールと共回りするピニオン軸が当該ピニオン軸と略直交するラック軸と噛合している。
ラック・ピニオン機構は、ピニオン軸と、当該ピニオン軸の一部を収容している有底円筒状のピニオン軸収容部とを備えている。そして、ピニオン軸収容部のステアリングホイール側の開口部に、ピニオン軸とピニオン軸収容部との間の環状空間を密封して外部からの泥水や塵の侵入を防ぐ密封装置が配設されている。
ラック・ピニオン機構に用いられる従来の密封装置110は、例えば、図4に示すような構成である。図示例の密封装置110は、芯金111とシール部114とで構成されている。芯金111は、円筒部112と、この円筒部112の一端から径内方向に延設された円環部113とで構成されている。また、シール部114は、ニトリルゴム等の弾性材で作製されており、芯金111の外側面に加硫接着された接着部115と、この接着部115の径内方向に当該接着部115と連続するように形成されたリップ部118とで構成されている。
リップ部118は、芯金111の径方向内側の端部付近から軸方向内方(円筒部112の基端112aから先端112bに向かう向き)且つ径内方向に突出している第1リップ118aと、軸方向外方且つ径内方向に突出している第2リップ118bとで構成されている。
密封装置110は、ピニオン軸120とピニオン軸収容部141との間に配設されていない状態の径方向寸法が、ピニオン軸120とピニオン軸収容部141の間の隙間Sの径方向寸法よりも僅かに大きく形成されている。このため、密封装置110がピニオン軸収容部141の開口部141aに内嵌されると、第1リップ118a及び第2リップ118bは、径外方向に向かって僅かに変形してピニオン軸120の外周面に当接する。これにより、ピニオン軸120とピニオン軸収容部141の間の閉空間S(環状空間)が密封される。
ところで、ラック・ピニオン機構では、ドライバーがステアリングホイールを急に大きく回転させると、ピニオン軸120の回転力がラック軸に作用する際に当該ピニオン軸120がラック軸から大きな反力を受けることがある。そしてラック軸からの反力を受けて、ピニオン軸120が、密封装置110を内嵌する際の第1リップ118a及び第2リップ118bの径外方向への変形量Cと同程度か或いはそれよりも大きく偏心することがある。この場合、リップ部118がピニオン軸120の外周面に当接する力が不充分となったり、図5に示すように、変形量Cよりも大きく偏心(偏心量B)すると、リップ部118とピニオン軸120との間に間隙が生じたりする。そしてこのために密封状態を維持できなくなり、閉空間Sに泥水や塵が侵入する虞がある。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、内軸収容部に対して内軸が大きく偏心しても密封状態を維持することができる密封装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明は、円筒状の内軸収容部と、この内軸収容部内に回動可能に配設される内軸との間の環状空間を密封する密封装置であって、
前記内軸収容部に固設される円筒部と、この円筒部の軸方向の一端から径内方向にのみ延設された円環部と、を有する芯金と、
弾性材で作製され、この芯金の前記円環部に接着された接着部と、この接着部の径方向内側の端部から径内方向に向かうにつれて軸方向の一方に向かって延び、ついで径内方向に向かうにつれて軸方向の他方に向かって延びているバネ部と、前記内軸の外周に当接するシールリップを備えており、且つ、前記バネ部の先端部に形成されたリップ部を有するシール部と、
を備え
前記リップ部には、第1シールリップ、第2シールリップおよび第3シールリップの3個のシールリップが形成されており、前記リップ部の基端部から先端部に向かって、前記第3シールリップ、前記第1シールリップ、及び前記第2シールリップがこの順に形成され、前記第1シールリップの先端は、前記第3シールリップの先端よりも径方向内側に位置しており、前記第2シールリップの先端は、前記第1シールリップの先端よりも径方向内側に位置していることを特徴とする密封装置である。























本発明の密封装置において、シール部は、接着部の径方向内側の端部から径内方向に向かうにつれて軸方向の一方に向かって延び、ついで径内方向に向かうにつれて軸方向の他方に向かって延びているバネ部を有している。また、シール部は、弾性材で作製されている。このため、本発明の密封装置は、前記バネ部を有していない従来の密封装置に比べて径方向寸法を大きく形成して、前記バネ部を径方向に折り畳んで縮めることで、従来の密封装置よりも自然長から径方向に大きく縮めて内軸と内軸収容部との間に配設することができる。そして、本発明の密封装置を径方向に大きく縮めて内軸と内軸収容部との間に配設すると、内軸収容部に対して内軸が比較的大きく偏心しても、従来の密封装置に比べて内軸を強い力で付勢することができる。したがって、本発明の密封装置は、内軸が大きく偏心して従来の密封装置では内軸に対する付勢力が弱くなり過ぎたり、シールリップと内軸との間に間隙が生じて密封性が損なわれる場合であっても、内軸をより強い力で付勢でき、密封状態を維持することができる。
前記リップ部は、径内方向に突出している第2のシールリップを備えており、この第2のシールリップは、前記密封装置が前記内軸と前記内軸収容部との間に配設されていない状態において、前記シールリップよりも径方向内側に突出していることが好ましい。
この場合、シールリップに加えて第2のシールリップも内軸の外周面に当接させることができる。また、第2のシールリップを備えていない密封装置よりも、内軸を付勢する状態を維持し得る内軸の上限偏心量が大きくなる。したがって、第2のシールリップを備えていない密封装置よりも、密封状態を維持できる内軸の上限偏心量をさらに大きくすることができる。
前記リップ部の径方向外側面に、当該リップ部を径内方向に付勢し得るガータスプリングが全周に亘って巻回されていることが好ましい。この場合、本発明の密封装置を自然長から径外方向に縮めて内軸と内軸収容部との間に備えると、ガータスプリングの付勢力が常に内軸に向かって加えられる。このため、リップ部により内軸をさらに強い力で付勢することができる。また、内軸を付勢する状態を維持できる内軸の上限偏心量をさらに大きくすることができる。
本発明の密封装置によれば、内軸が内軸収容部に対して大きく偏心しても密封状態を維持することができる。
自動車のステアリング装置のラック・ピニオン機構の断面説明図である。 本発明の実施形態に係る密封装置の構成及びピニオン軸収容部に内嵌された状態を示す断面説明図である。 ピニオン軸がピニオン軸収容部に対して偏心した際の図2に示す密封装置の状態を示す断面説明図である。 従来の密封装置の構成及びピニオン軸収容部に内嵌された状態を示す断面説明図である。 ピニオン軸がピニオン軸収容部に対して偏心した際の従来の密封装置の状態を示す断面説明図である。
以下、自動車のステアリング装置のラック・ピニオン機構1に用いられる本発明の実施形態に係る密封装置10を図面に基づいて説明する。
図1は、密封装置10が配設されているラック・ピニオン機構1を示す断面説明図である。なお、簡単のため、後述するステアリングホイール、ステアリングシャフト、タイロッド、及びナックル等の周知の構成については図示を省略している。
ラック・ピニオン機構1を備えたステアリング装置では、ステアリングホイールが固定されているステアリングシャフトは、コラム軸等を介して図1に示すピニオン軸20に連結されている。さらに、このピニオン軸20は、当該ピニオン軸20と略直交するラック軸30と噛合している。これにより、ステアリング操作に伴うステアリングホイールの回転がラック軸30の車軸方向への直線運動に変換される。そして、ステアリングホイールの回転に伴うラック軸30の車軸方向への直線運動が、ラック軸30の両端に連結されたタイロッドを介してナックルに伝達されて、転舵輪の舵角が変更される。
ラック・ピニオン機構1では、ラック軸30に形成されたラック歯31とピニオン軸20に形成されたピニオン歯21とが噛合している。ラック歯31は、その歯すじがラック軸30の軸線に対して傾斜するように形成されたヘリカルギアである。また、ピニオン歯21は、その歯すじがピニオン軸20の軸線に対して傾斜するように形成されたヘリカルギアである。そして、ラック軸30は、ハウジング40内においてピニオン軸20と所定の交差角をなすように配置されている。また、ラック・ピニオン機構1は、ラック軸30をピニオン軸20に押し付けつつ、ラック軸30の軸方向の往復直線運動が可能なように支持するラックガイド70を備えている。
ハウジング40は、ピニオン軸10を収容しているピニオン軸収容部41と、ラック軸30を挟んでピニオン軸収容部41と対向配置されており、ラックガイド70を収容しているラックガイド収容部42と、で構成されている。ピニオン軸収容部41は、ピニオン軸20の軸方向に延び、ステアリングホイール側の端部(図1における上端部)が開口した有底円筒状に形成されている。一方、ラックガイド収容部42は、ピニオン軸20及びラック軸30に略直交する方向に延びる円筒形状に形成されている。
ピニオン軸20は、ステアリングホイール側の端部がピニオン軸収容部41から突出する態様でピニオン軸収容部41内に収容されている。ピニオン軸収容部41の底部にはピニオン軸20の車両底部側の端部(図1における下端部)をピニオン軸収容部41に対して回転自在に支持する第1軸受装置50が配設されている。また、ピニオン軸収容部41のピニオン歯21よりも開口部41a側には、ピニオン軸20のピニオン歯21よりもステアリングホイール側をピニオン軸収容部41に対して回転自在に支持する第2軸受装置60が配設されている。
ラックガイド70は、ラック軸30を軸方向に往復運動可能に支持するサポートヨーク71と、サポートヨーク71をラック軸30側に付勢するコイルバネ72と、を備えている。また、サポートヨーク71は、ラックガイド収容部42内において、ラック軸30及びピニオン軸20の各軸方向と略直交する方向、すなわちラック軸30に対して離接する方向に移動可能に収容されている。ラックガイド収容部42の外部に開口している開口部は筒蓋73が螺着されることによって閉塞されている。そして、コイルバネ72は、サポートヨーク71と筒蓋73との間に圧縮された状態で配置されており、サポートヨーク71をラック軸30に押圧している。
ピニオン軸収容部41の開口部41aには、ピニオン軸収容部41とピニオン軸20との間の閉空間Sを密封する密封装置10が内嵌されている。この密封装置10は、外部から開口部41aを通って閉空間Sに泥水や塵が侵入することを防止している。
図2は、密封装置10の構成及び密封装置10のピニオン軸収容部41に内嵌された状態を示す断面説明図である。
密封装置10は、円環状且つ断面L字状の芯金11にニトリルゴム等の弾性材からなる円環状のシール部14が加硫接着されている構成である。
芯金11は、ピニオン軸収容部41の内径よりもやや小径に形成された、当該ピニオン軸収容部41の内周面に固設される円筒部12と、この円筒部12の一端から円筒部12の径内方向に沿って延設された円環部13と、で構成されている。
シール部14は、芯金11に加硫接着されている接着部15と、芯金11に接着されていない非接着部16と、で構成されている。非接着部16は、接着部15から径内方向に延びている断面U字形状のバネ部17と、このバネ部17の径方向内側の先端部に形成されているリップ部18と、で構成されている。
接着部15は、芯金11の外側面に対して加硫接着されており、芯金11とほぼ同形の断面L字状に形成されている。また、接着部15は、芯金11の円筒部12の先端面にまで回り込んでおり、当該先端面に加硫接着されている。さらに、接着部15は、芯金11の円環部13の先端部において円環部13の内側面にまで回り込んでおり、円環部13の先端面及び円環部13の内側面の先端部分に加硫接着されている。
バネ部17は、接着部15の径方向内側の端部から径内方向に向かうにつれて芯金11の軸方向内方(円筒部12の基端12aから先端12bに向かう向き)に延びて、途中で滑らかに湾曲し、ついで径内方向に向かうにつれて軸方向外方に向かうように延びることにより断面U字形状を呈している。バネ部17の先端部は、円環部13よりも軸方向内側に位置している。接着部15とバネ部17の接続部分の角部17a及び隅部17bは、共に断面が円弧状になるように丸められている。
リップ部18は、バネ部17の先端部の径内方向に当該バネ部17の先端部と連続するように形成されている。リップ部18は、軸方向外方に向かって延びている。リップ部18の先端部は、円環部13よりも軸方向外側に位置している。リップ部18の径方向内側には、リップ部18の基端部から先端部に向かって第3リップ18c、第1リップ18a、及び第2リップ18bがこの順に形成されている。
第1リップ18aは、リップ部18の軸方向の基端部と先端部の間に形成されている。第1リップ部18aは、径内方向に突出する断面三角形状の凸部である。第2リップ18bは、リップ部18の先端部において径内方向に向かうにつれて軸方向外方に向かうように突出している。第3リップ部18cは、リップ部18の基端部において径内方向に向かうにつれて軸方向内方に向かうように突出している。
第1リップ18aの先端は、第3リップ18cの先端よりも径方向内側に位置しており、第2リップ18bの先端は、第1リップ18aの先端よりも径方向内側に位置している。リップ部18の径方向外側面には、環状且つ断面円弧状の溝18eが全周に亘って形成されている。ガータスプリング19は、この溝18eに全周に亘って嵌め込まれることでリップ部18の径方向外側面に自然長を保って巻回されている。ガータスプリング19は、円環部13よりも軸方向外側且つ第1リップ18aと同じ軸方向位置で巻回されている。
密封装置10は、径外側端部から第1リップ18aまでの径方向の自然長Xが、想定される最大偏心量Bだけピニオン軸20が偏心したときの隙間Sの径方向最大寸法Yよりも充分に長くなるように形成されている。換言すると、密封装置10は、内嵌されることで径方向へ縮められる寸法Aが最大偏心量Bよりも充分に大きくなるように形成されている。密封装置10はバネ部17を備えているので、最大偏心量Bは、バネ部を備えていない従来の密封装置110の内嵌時の径方向の変形量Cに比べて大きな量とすることができる。
図2に示すように、密封装置10がピニオン軸収容部41の開口部41aに内嵌されると、バネ部17は、径方向に自然長から折り畳まれて縮められる。また、ガータスプリング19は、径方向に付勢力が生じない自然状態よりも径外方向に押し広げられた状態となる。
そして、第1リップ18a、第2リップ18b、及び第3リップ18cは、バネ部17とガータスプリング19の径内方向への付勢力によりピニオン軸20の外周面に押し付けられるように当接する。密封装置10は、このようにして開口部41aに配設されて外部から閉空間Sへの泥水や塵の侵入を防止することができる。
図3は、ピニオン軸収容部41に対してピニオン軸20が想定される最大偏心量Bだけ偏心した際の密封装置10の状態を示す断面説明図である。ピニオン軸20が最大偏心量Bだけ任意の向き(図3におけるD2の向き)に偏心すると、密封装置10の隙間Sが広がる部分(図3のD1側)では、バネ部17が径方向に広げられる。また、密封装置10の隙間Sが狭くなる部分(図3のD2側)では、バネ部17が径方向にさらに折り畳まれて縮められる。
特に、隙間Sの寸法が最大となる部分(図3に示されているD1側の部分)では、バネ部17が径方向に長さBだけ広げられる。しかし、密封装置10の径外側端部から第1リップ18aまでの径方向の自然長Xが、最大偏心量Bだけ偏心したときの隙間Sの径方向最大寸法Yよりも充分に長いので、バネ部17の付勢力により第1リップ18aがピニオン軸20を強く付勢する状態が維持されている。
また、第2リップ18bの先端は、第1リップ18aの先端よりも径方向外側に位置しているので、第2リップ18bは、第1リップ部18aと同様、バネ部17の付勢力によりピニオン軸20を付勢している状態を維持している。さらに、第1リップ18aと第2リップ18bは、ガータスプリング19の付勢力によってもピニオン軸20を付勢する状態が維持されている。
一方、隙間Sが最も狭くなる部分(図3に示されているD2側の部分)では、バネ部17が径方向に長さBだけさらに折り畳まれて縮められ、バネ部17の付勢力により第1リップ18a、第2リップ18b、及び第3リップ18cがピニオン軸20をさらに強く付勢する。
第2リップ部18bは、第1リップ18aよりも径方向内側に位置している。このため、ピニオン軸20が最大偏心量Bを超えて偏心したとしても、隙間Sの径方向寸法が密封装置10の径方向寸法を超えるまでは、第2リップ部18bがピニオン軸20の外周面に当接する状態を維持し得る。また、仮に、ピニオン軸20が最大偏心量Bを超えて偏心して、バネ部17により第1リップ18aがピニオン軸20を付勢する力が働かなくなっても、ガータスプリング19により第1リップ18aがピニオン軸20を付勢し得る。したがって、密封装置10は、ピニオン軸20が最大偏心量Bを超えても、閉空間Sの密封状態を維持することが可能である。
実施形態に係る密封装置10において、シール部14は、接着部15の径方向内側の端部から径内方向に向かうにつれて軸方向の一方に向かって延び、ついで径内方向に向かうにつれて軸方向の他方に向かって延びているバネ部17を有している。また、シール部14は、弾性材で作製されている。
このため、前記密封装置10は、バネ部17を備えていない従来の密封装置110に比べて径方向寸法を大きく形成して、バネ部17を径方向に折り畳んで縮めることで、従来の密封装置110よりも径方向に自然長から大きく縮めてピニオン軸20とピニオン軸収容部41との間に配設することができる。そして、密封装置10を径方向に大きく縮めてピニオン軸20とピニオン軸収容部41との間に配設すると、ピニオン軸収容部41に対してピニオン軸20が同じ量だけ偏心しても、従来の密封装置110に比べてピニオン軸20を強い力で付勢することができる。したがって、前記密封装置10は、ピニオン軸120が大きく偏心して従来の密封装置110では密封性が損なわれる場合であっても、ピニオン軸20をより強い力で付勢でき、密封状態を維持することができる。
また、リップ部18は、径内方向に突出している第2リップ18bを備えている。そして、この第2リップ18bは、前記密封装置10がピニオン軸20とピニオン軸収容部41との間に配設されていない状態において、第1リップ18aよりも径方向内側に突出している。
このため、第1リップ18aに加えて第2リップ18bもピニオン軸20の外周面に当接させることができる。また、第2リップ18bを備えていない場合に比べて、ピニオン軸20を付勢する状態を維持できる内軸の上限偏心量がさらに大きくなる。したがって、第2リップ18bを備えていない密封装置に比べて、密封性能がさらに向上すると共に密封状態を維持できるピニオン軸20の上限偏心量をさらに大きくすることができる。
また、リップ部18の径方向外側面に、当該リップ部18を径内方向に付勢し得るガータスプリング19が全周に亘って巻回されている。このため、密封装置10を自然長から径方向に縮めてピニオン軸20とピニオン軸収容部41との間に配設すると、ガータスプリング19は径方向に付勢力が生じない自然状態よりも径外方向に押し広げられた状態となる。
このため、ガータスプリング19の付勢力が常にピニオン軸20に向かって加えられ、バネ部17に加えてガータスプリング19によってもピニオン軸20を付勢できる。また、ガータスプリング19を設けることでピニオン軸20を付勢する状態を維持できるピニオン軸20の上限偏心量が大きくなる。したがって、ガータスプリング19を備えていない密封装置に比べて、密封性能がさらに向上すると共に密封状態を維持できるピニオン軸20の上限偏心量をさらに大きくすることができる。
なお、本発明の密封装置は上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、密封装置10は、ラック・ピニオン機構1のみならず円筒状の内軸収容部に対して内軸が偏心する他の機構に対しても適用することができる。また、バネ部17は、断面V字状、蛇腹状等とすることができる。
1:ラック・ピニオン機構、10:密封装置、11:芯金、12:円筒部、13:円環部、14:シール部、15:接着部、17:バネ部、18:リップ部、18a:第1リップ(シールリップ)、18b:第2リップ(第2のシールリップ)、19:ガータスプリング、20:ピニオン軸(内軸)、41:ピニオン軸収容部(内軸収容部)、S:隙間・閉空間(環状空間)

Claims (1)

  1. 円筒状の内軸収容部と、この内軸収容部内に回動可能に配設される内軸との間の環状空間を密封する密封装置であって、
    前記内軸収容部に固設される円筒部と、この円筒部の軸方向の一端から径内方向にのみ延設された円環部と、を有する芯金と、
    弾性材で作製され、この芯金の前記円環部に接着された接着部と、この接着部の径方向内側の端部から径内方向に向かうにつれて軸方向の一方に向かって延び、ついで径内方向に向かうにつれて軸方向の他方に向かって延びているバネ部と、前記内軸の外周に当接するシールリップを備えており、且つ、前記バネ部の先端部に形成されたリップ部を有するシール部と、
    を備え
    前記リップ部には、第1シールリップ、第2シールリップおよび第3シールリップの3個のシールリップが形成されており、前記リップ部の基端部から先端部に向かって、前記第3シールリップ、前記第1シールリップ、及び前記第2シールリップがこの順に形成され、前記第1シールリップの先端は、前記第3シールリップの先端よりも径方向内側に位置しており、前記第2シールリップの先端は、前記第1シールリップの先端よりも径方向内側に位置していることを特徴とする密封装置。
JP2013140405A 2013-07-04 2013-07-04 密封装置 Active JP6243155B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013140405A JP6243155B2 (ja) 2013-07-04 2013-07-04 密封装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013140405A JP6243155B2 (ja) 2013-07-04 2013-07-04 密封装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015014309A JP2015014309A (ja) 2015-01-22
JP6243155B2 true JP6243155B2 (ja) 2017-12-06

Family

ID=52436165

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013140405A Active JP6243155B2 (ja) 2013-07-04 2013-07-04 密封装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6243155B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102201277B1 (ko) * 2015-06-10 2021-01-12 현대자동차주식회사 랙 하우징 내압 조절 장치
JP7068629B2 (ja) * 2018-04-27 2022-05-17 豊和工業株式会社 揺動式チャックのシール構造

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2507600Y2 (ja) * 1990-03-26 1996-08-14 エヌオーケー株式会社 振り切り機能付密封装置
JP2537288Y2 (ja) * 1991-09-11 1997-05-28 光洋精工株式会社 オイルシ−ル
JP2963593B2 (ja) * 1993-02-19 1999-10-18 光洋精工株式会社 ステアリング装置
JP3498769B2 (ja) * 1995-10-13 2004-02-16 Nok株式会社 オイルシール
JPH09112704A (ja) * 1995-10-20 1997-05-02 Nok Corp オイルシール
JP4465739B2 (ja) * 1999-06-03 2010-05-19 Nok株式会社 密封装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015014309A (ja) 2015-01-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2018192955A (ja) ステアリング装置
WO2012147724A1 (ja) ラックピニオン式ステアリングギヤユニット
JP6052988B2 (ja) パワーステアリング装置
JP6167198B1 (ja) 電動パワーステアリング装置及び電動パワーステアリング装置の製造方法
WO2019026928A1 (ja) 軸受およびステアリング機構
JP6243155B2 (ja) 密封装置
JP2015063157A (ja) パワーステアリング装置
JP2019077235A (ja) ラックブッシュおよびステアリング機構
JP6132147B2 (ja) ラックガイド装置
JP2015016717A (ja) ステアリング装置
JP2011162186A (ja) 自動車操向装置のラックバー支持装置
JP2019086010A (ja) シールリング及び伸縮シャフト
JP2005104416A (ja) ステアリング装置
JP2007050762A (ja) ステアリング装置
JP2014136437A (ja) ラックピニオン式ステアリング装置
JP2017013648A (ja) ラックガイド装置
JP6845786B2 (ja) パワーステアリング装置
JP6710174B2 (ja) ラックガイドおよびギア機構
JP2019078309A (ja) ブーツの取付構造
JP2015000635A (ja) ステアリング装置
JP2016097840A (ja) ステアリング装置
JP2005178482A (ja) ステアリング装置
JP7415295B2 (ja) 衝撃吸収部材およびダンパ装置
WO2019026850A1 (ja) 軸受およびステアリング機構
JP2014052029A (ja) ステアリング装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160425

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170905

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171006

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171031

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171109

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6243155

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250