JP2005178482A - ステアリング装置 - Google Patents
ステアリング装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005178482A JP2005178482A JP2003419929A JP2003419929A JP2005178482A JP 2005178482 A JP2005178482 A JP 2005178482A JP 2003419929 A JP2003419929 A JP 2003419929A JP 2003419929 A JP2003419929 A JP 2003419929A JP 2005178482 A JP2005178482 A JP 2005178482A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rack shaft
- bush
- pinion
- peripheral surface
- holding hole
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Transmission Devices (AREA)
- Support Of The Bearing (AREA)
Abstract
【課題】ラックアンドピニオン式ステアリング装置において、ラック軸とピニオンの噛合のガタを詰めて騒音を低減できると共に、組み立てにかかる労力が少なくて済み、さらにはコストも安価であること。
【解決手段】ラック軸4の一端部8および他端部14を軸方向Sに移動可能に支持するブッシュ12,13が、ハウジング9の対応する保持孔15,16に保持されるようになっている。保持孔15を、ラック軸4の軸線L1に対してピニオン3側となる偏心方向Eに偏心させると共に、ブッシュ12に筒状の弾性部材18を設ける。ラック軸4の一端部8に嵌め合わされたブッシュ12は、偏心した保持孔15に嵌合されると、弾性部材18が変形してラック軸4をピニオン3側(黒塗り矢符方向)へ付勢し、ピニオン3とラック軸4との間の噛み合いのガタを詰める。
【選択図】 図3
【解決手段】ラック軸4の一端部8および他端部14を軸方向Sに移動可能に支持するブッシュ12,13が、ハウジング9の対応する保持孔15,16に保持されるようになっている。保持孔15を、ラック軸4の軸線L1に対してピニオン3側となる偏心方向Eに偏心させると共に、ブッシュ12に筒状の弾性部材18を設ける。ラック軸4の一端部8に嵌め合わされたブッシュ12は、偏心した保持孔15に嵌合されると、弾性部材18が変形してラック軸4をピニオン3側(黒塗り矢符方向)へ付勢し、ピニオン3とラック軸4との間の噛み合いのガタを詰める。
【選択図】 図3
Description
本発明は、ステアリング装置に関するものである。
ラックアンドピニオン式のステアリング装置は、通例、ラック軸の両端を支持する一対のブッシュと、ラック軸をピニオン側に付勢しながら支持するラックガイド装置とを備えている。ラックガイド装置は、ハウジングの収容孔に収容されると共にラック軸の外周に摺接する支持部材を有している。この支持部材は、ばねによってラック軸側に付勢されることで、ラック軸とピニオンの噛み合い部のガタを詰めて駆動時の騒音を低減している。
しかしながら、収容孔と支持部材との間には、径方向隙間(ガタ)があり、支持部材が収容孔内で径方向に移動して保持孔と衝突すること等で騒音が生じてしまう。また、収容孔の形成等の作業の増加や支持部材等の部品点数の増加、さらには構造の複雑化により、製造コストが高くついてしまう。
そこで、ラックガイド装置を設けることなくラック軸とピニオンの噛み合い部のガタを詰めることで、騒音および製造コストを低減するものが種々提案されている。例えば、特許文献1では、偏心ブッシュを用いている。すなわち、偏心ブッシュの外周面は内周面に対して予め偏心している。この偏心ブッシュの外周面をハウジングの保持孔に嵌め込むことで、当該ブッシュに支持されるラック軸の端部の中心を、保持孔の中心に対してピニオン側へ偏心させて、ラック軸をピニオンに押し付ける。
そこで、ラックガイド装置を設けることなくラック軸とピニオンの噛み合い部のガタを詰めることで、騒音および製造コストを低減するものが種々提案されている。例えば、特許文献1では、偏心ブッシュを用いている。すなわち、偏心ブッシュの外周面は内周面に対して予め偏心している。この偏心ブッシュの外周面をハウジングの保持孔に嵌め込むことで、当該ブッシュに支持されるラック軸の端部の中心を、保持孔の中心に対してピニオン側へ偏心させて、ラック軸をピニオンに押し付ける。
また、ハウジングの保持孔に偏心カム機構を有するブッシュを保持させることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。より具体的には、ブッシュと保持孔の間に介装されたスプリングによって、ブッシュにラック軸回りの付勢力(回転力)が与えられており、この付勢力によるブッシュの回動により、ブッシュに保持されたラック軸の端部がピニオン側に移動して、ラック軸をピニオンに押し付けられるようになっている。
さらに、偏心ラック軸を用いる場合がある。すなわち、ラック軸の一端部を他端部に対してピニオン側へ偏心させて、これら両端部にブッシュを取り付け、各ブッシュをハウジングの対応する保持孔に保持させることで、ラック軸をピニオン側へ押し付ける(例えば、特許文献3参照)。
特開平9−277944号公報。
特開平8−301129号公報。
特開2000−233759号公報。
しかしながら、特許文献1および2では、予め偏心した部分を含む専用の偏心ブッシュを用いる必要があり、コストが高くついてしまう。さらにブッシュを保持孔に組み付ける際、保持孔に対するブッシュの周方向の位置を設定しなければならず、組み立てに手間がかかってしまう。特に、特許文献2では、ブッシュの他にスプリングを組み付ける必要があり、組み立てに一層手間がかかってしまう。また、特許文献3では、特殊形状の偏心ラック軸を用いなければならず、コストが高くついてしまう。
本発明は、かかる背景のもとでなされたもので、ラック軸とピニオンの噛合のガタを詰めて騒音を低減できると共に、組み立てにかかる労力が少なくて済み、さらにはコストも安価なステアリング装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、ピニオンと、ピニオンに噛合するラック軸と、ラック軸を軸方向に移動可能に支持するブッシュと、ブッシュを保持する保持孔を含むハウジングとを備えるステアリング装置において、上記保持孔は、ラック軸の軸線に対してピニオン側となる所定の偏心方向に偏心し、ブッシュは筒状の弾性部材を含み、ブッシュが偏心した保持孔に嵌合された状態で弾性部材が変形してラック軸をピニオン側へ付勢することを特徴とする。
本発明によれば、ラック軸とピニオンの噛合のガタを確実に詰めて騒音を低減できる。また、保持孔に対するブッシュの周方向の位置に関わらず、偏心した保持孔に弾性部材を含むブッシュを嵌め込むのみで、ラック軸をピニオン側へ付勢できるので、組み立てにかかる労力を極めて低減することができる。さらに、予め偏心させた部分を含む偏心ブッシュや偏心ラック軸をわざわざ用いる必要が無く、保持孔の位置のオフセットのみで良いので、コストも極めて安価にすることができる。
本発明では、上記ブッシュは、ラック軸に嵌合する内周面と、保持孔に嵌合する外周面とを有し、内周面と外周面とは自由状態において互いに同心に配置される場合がある。この場合、内周面と外周面が互いに同心であって製造が簡単なブッシュを用いても、組み付け時にブッシュの内周面を偏心させることができ、よりコスト安価である。
本発明では、上記ブッシュは、保持孔に嵌合する外周面を有し、保持孔および外周面が互いに合致するテーパ状に形成される場合がある。この場合、ラック軸に取り付けられたブッシュを保持孔に向けて軸方向に押し込むのみで、ブッシュの外周面をラック軸に対して偏心させて弾性部材を変形させ、ラック軸をピニオンに付勢することができる。その結果、組み立てにかかる労力をより低減することができる。
本発明では、上記ブッシュは、保持孔に嵌合する外周面を有し、保持孔および外周面が互いに合致するテーパ状に形成される場合がある。この場合、ラック軸に取り付けられたブッシュを保持孔に向けて軸方向に押し込むのみで、ブッシュの外周面をラック軸に対して偏心させて弾性部材を変形させ、ラック軸をピニオンに付勢することができる。その結果、組み立てにかかる労力をより低減することができる。
本発明では、上記ブッシュは、ブッシュに対するラック軸の相対移動を所定の偏心方向に案内する案内手段を備える場合がある。この場合、ラック軸をより確実にピニオン側へ付勢することができる。さらに、この場合において、上記ブッシュに、上記保持孔の周方向に関するブッシュの位置決めを行う位置決め手段を備えることで、案内手段によるラック軸の案内方向を所定の偏心方向に精度よく一致させることができる。
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施の形態のステアリング装置1の概略構成を示す模式的な一部断面正面図であり、図2は、ステアリング装置1の一部断面側面図である。図1および図2を参照して、ステアリング装置1は、ステアリングホイール(図示せず)に同伴回転可能に連結されるピニオン軸2と、車両の左右方向に延び、ピニオン軸2に設けられたピニオン3に噛合するラック軸4とを有している。
図1は、本発明の一実施の形態のステアリング装置1の概略構成を示す模式的な一部断面正面図であり、図2は、ステアリング装置1の一部断面側面図である。図1および図2を参照して、ステアリング装置1は、ステアリングホイール(図示せず)に同伴回転可能に連結されるピニオン軸2と、車両の左右方向に延び、ピニオン軸2に設けられたピニオン3に噛合するラック軸4とを有している。
ラック軸4の両端部にはそれぞれタイロッド5が連結されており、各タイロッド5は、対応するナックルアーム6を介して対応する車輪7に連結されている。ピニオン3は、ラック軸4の一端部8近傍に配置されている。ステアリングホイールの回転操作に伴いピニオン軸2が回転されると、この回転はピニオン3およびラック軸4によって、車両の左右方向に沿うラック軸4の直線運動に変換される。これにより車輪7の転舵が達成される。
ピニオン軸2、ピニオン3およびラック軸4を収容するハウジング9が設けられている。ピニオン軸2の軸方向中間部および先端部には、対応する軸受10,11がそれぞれ嵌め合わされており、ピニオン軸2は、これら軸受10,11を介してハウジング9に回転可能に支持されている。また、ラック軸4を軸方向Sに移動可能に支持するブッシュ12,13が、ラック軸4の対応する一端部8および他端部14に取り付けられている。なお、以下では、ラック軸4の軸方向Sを単に「軸方向S」ともいう。
ハウジング9には、対応するブッシュ12,13をそれぞれ保持する保持孔15,16が形成されている。各保持孔15,16には、対応するブッシュ12,13が嵌め合わされている。すなわち、ラック軸4の一端部8および他端部14はそれぞれ、対応するブッシュ12,13を介して対応する保持孔15,16に軸方向Sに移動可能に支持されている。
ラック軸4の他端部14に取り付けられたブッシュ13は、内周面と外周面が互いに同心に形成されており、ストッパ17等によって保持孔16に対する軸方向移動を規制されている。ピニオン3にラック軸4が噛合された状態において、ラック軸4の他端部14は、保持孔16と同心に配置されている。ラック軸4の一端部8に取り付けられたブッシュ12は、例えば圧入嵌合によって保持孔15に対する軸方向移動を規制されている。
図3は、ステアリング装置1の要部を模式的に示した平面図である。図3(A)は、ラック軸4がピニオン3に付勢されていない状態を示しており、図3(B)は、ラック軸4がピニオン3に付勢された状態を示している。
図1〜図3を参照して、本実施の形態の特徴とするところは、保持孔15,16のうち、ピニオン3に近いほうの保持孔15を、ラック軸4の軸線L1に対してピニオン3側となる所定の偏心方向Eに偏心させると共に、ブッシュ12に筒状の弾性部材18を設けることで、ブッシュ12が偏心した保持孔15に嵌合された状態で弾性部材18が変形してラック軸4をピニオン3側へ付勢し、ピニオン3とラック軸4との間の噛み合いのガタを詰める点にある。
図1〜図3を参照して、本実施の形態の特徴とするところは、保持孔15,16のうち、ピニオン3に近いほうの保持孔15を、ラック軸4の軸線L1に対してピニオン3側となる所定の偏心方向Eに偏心させると共に、ブッシュ12に筒状の弾性部材18を設けることで、ブッシュ12が偏心した保持孔15に嵌合された状態で弾性部材18が変形してラック軸4をピニオン3側へ付勢し、ピニオン3とラック軸4との間の噛み合いのガタを詰める点にある。
具体的には、偏心方向Eとは、ラック軸4の軸線L1およびピニオン3の軸線L2の両方に直交する方向(図1において紙面に垂直な方向、図2において左右方向)のうちの一方(図2において左方向)をいう。保持孔15の軸線L3は、ラック軸4の軸線L1に対して、偏心方向Eに偏心している。換言すれば、保持孔15の軸線L3は、保持孔16の軸線でもある軸線L1に対して偏心方向Eに偏心している。
図4は、ラック軸4およびブッシュ12の自由状態での一部断面側面図であり、図5は、ブッシュ12およびラック軸4の一部断面正面図である。なお、自由状態とは、ブッシュ12が外力を受けていない状態をいう。図4および図5を参照して、ブッシュ12は、上記の弾性部材18と、弾性部材18の径方向内方に配置される円筒状の内筒19と、弾性部材18の径方向外方に配置される円錐テーパ状の外筒20と、外筒20と一体に設けられて弾性部材18の一側面18aを覆う環状側壁21とを備えている。
弾性部材18は、例えば弾性を有するゴム材により形成されてラック軸4を取り囲んでいる。弾性部材18に対するラック軸4の径方向の相対移動によって、弾性部材18は偏肉され、ラック軸4に反発力(付勢力)を付与する。内筒19、外筒20および環状側壁21は、金属材や樹脂材等(本実施の形態では、金属材)によって環状に形成されている。内筒19の外周面は、弾性部材18の内周面に接合されている。内筒19の内周面は、ブッシュ12の内周面12aを構成し、ラック軸4の一端部8と嵌合している。内筒19の内周面には、ラック軸4の摺動摩擦を低減するコーティング加工が施されており、ラック軸4を極めて滑らかに摺動できるようになっている。
外筒20の内周面は、弾性部材18の外周面に接合されている。外筒20の外周面は、ブッシュ12の外周面12bを構成し、保持孔15に嵌合するようになっている。ブッシュ12の外周面12bおよび保持孔15の周面(図1参照)は、テーパ状に形成されて互いに合致する形状とされている。これにより、ブッシュ12を保持孔15に向けて軸方向に押し込むことで、ブッシュ12の外周面12bを、保持孔15の周面と同心になるように調心しながら保持孔15に嵌め込むことができる。
再び図4および図5を参照して、ブッシュ12の内周面12aおよび外周面12bは、自由状態において、互いに同心に配置されている。このように、ブッシュ12には、自由状態において偏心部分が設けられていない。
環状側壁21は、外筒20の一端部から径方向内方に延設されている。環状側壁21および外筒20は、内筒19と別体に形成されており、内筒19をこれら環状側壁21および外筒20に対して独立して移動させることが可能となっている。
環状側壁21は、外筒20の一端部から径方向内方に延設されている。環状側壁21および外筒20は、内筒19と別体に形成されており、内筒19をこれら環状側壁21および外筒20に対して独立して移動させることが可能となっている。
環状側壁21は、ブッシュ12に対するラック軸4の相対移動を偏心方向Eに案内する案内手段としての挿通孔22と、保持孔15の周方向Rに関するブッシュ12の位置決めを行う位置決め手段としての係合部23とを備えている。挿通孔22は、ラック軸4の外径より大きな径を有すると共に、偏心方向Eに延びる長孔に形成されており、ラック軸4が挿通されている。挿通孔22の周面は、偏心方向Eの両端に配置される円弧部と、偏心方向Eに延びて各円弧部間を接続する直線部22aとを含んでいる。これにより、環状側壁21に対するラック軸4の移動を偏心方向Eに案内するとともに、偏心方向E以外の方向への移動を規制している。
この挿通孔22は、ブッシュ12に対するラック軸4の相対移動を所定量A以下に規制する規制手段としての機能も備えている。具体的には、挿通孔22は、偏心方向Eに所定量Aだけ延びている。ラック軸4の一端部8は、挿通孔22の長手方向両端部の何れか一方に当接すると、挿通孔22の周面に受けられる。これにより、例えば路面からの反力等に起因してラック軸4に極めて大きな曲げ力が生じても、ラック軸4の過大な撓みを防止できる。
図2および図4を参照して、係合部23は、環状側壁21に円周等配に例えば2箇所設けられている。各係合部23は、環状側壁21の外周縁の一部を例えば半円形形状に切り欠くことで形成されている。一方、保持孔15の周面には、各係合部23の位置に対応する位置に、被係合部としての突起24が突設されている。ブッシュ12を保持孔15に嵌合した状態では、各係合部23が対応する突起24に係合し、保持孔15に対するブッシュ12の相対回動が規制される。
図3を参照して、ブッシュ12の組み付けは以下のように行われる。すなわち、図3(A)に示すように、予めラック軸4をピニオン3に噛合すると共に他端部14をブッシュ13を介して保持孔16に支持させておく。次に、ブッシュ12をラック軸4の一端部8に取り付け、ブッシュ12を保持孔15に向けて軸方向(白抜き矢符方向)に押し込んで嵌合させ(図3(B)参照)、ブッシュ12の外周面12bをラック軸4に対して偏心方向Eに偏心させる。これにより、ブッシュ12の弾性部材18の肉の一部が圧縮変形されて偏心方向E(黒塗り矢符方向)に付勢力を生じ、ラック軸4をピニオン3側に付勢する。
このように、本実施の形態によれば、ブッシュ12を保持孔15に嵌合させることで、弾性部材18が変形してラック軸4をピニオン3側へ付勢するので、ラック軸4とピニオン3の噛合のガタを確実に詰めて騒音を低減できる。特に、保持孔15,16のうちピニオン3に近い側の保持孔15を偏心させることで、ラック軸4のピニオン3への付勢(与圧付与)をより確実に行うことができる。
また、保持孔15に対するブッシュ12の周方向の位置に関わらず、保持孔15にブッシュ12を嵌め込むのみで、弾性部材18を圧縮してラック軸4をピニオン3側へ付勢できるので、組み立てにかかる労力を極めて低減することができる。
これに加え、保持孔15の周面およびブッシュ12の外周面12bを互いに合致するテーパ状に形成しているので、ラック軸4に取り付けられたブッシュ12を保持孔15に向けて軸方向に押し込むのみで、ブッシュ12の外周面12bをラック軸4に対して偏心させて弾性部材18を変形させ、ラック軸4をピニオン3に付勢することができる。その結果、組み立てにかかる労力をより低減することができる。
これに加え、保持孔15の周面およびブッシュ12の外周面12bを互いに合致するテーパ状に形成しているので、ラック軸4に取り付けられたブッシュ12を保持孔15に向けて軸方向に押し込むのみで、ブッシュ12の外周面12bをラック軸4に対して偏心させて弾性部材18を変形させ、ラック軸4をピニオン3に付勢することができる。その結果、組み立てにかかる労力をより低減することができる。
また、予め偏心させた部分を含む偏心ブッシュや偏心ラック軸をわざわざ用いる必要が無く、保持孔15の位置のオフセットのみで良い。したがって、内周面12aと外周面12bが互いに同心であって製造が簡単なブッシュ12を用いても、組み付け時にブッシュ12の内周面12aを偏心させることができ、極めてコスト安価である。
さらに、環状側壁21に挿通孔22を設けることで、ブッシュ12に対するラック軸4の相対移動を偏心方向Eに案内することができ、ラック軸4をより確実にピニオン3側へ付勢することができる。このように、挿通孔22によってラック軸4の移動を偏心方向Eに案内する場合には、ブッシュ12に係合部23を設けて保持孔15の突起24に係合させることで、周方向Rに関するブッシュ12の位置決めを行うことができる。その結果、挿通孔22によるラック軸4の案内方向を偏心方向Eに精度よく一致させることができる。
さらに、環状側壁21に挿通孔22を設けることで、ブッシュ12に対するラック軸4の相対移動を偏心方向Eに案内することができ、ラック軸4をより確実にピニオン3側へ付勢することができる。このように、挿通孔22によってラック軸4の移動を偏心方向Eに案内する場合には、ブッシュ12に係合部23を設けて保持孔15の突起24に係合させることで、周方向Rに関するブッシュ12の位置決めを行うことができる。その結果、挿通孔22によるラック軸4の案内方向を偏心方向Eに精度よく一致させることができる。
本発明は、以上の実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、ラック軸4の両端部8,14に偏心させた保持孔15を設けても良い。
また、保持孔15の周面およびブッシュ12の外周面12bを、テーパを設けない円筒面に形成しても良い。さらに、位置決め手段としての係合部23を、ブッシュ12の外筒20の外周面12bに形成しても良い。さらにまた、係合部23をハウジング9の保持孔15に形成すると共に、突起24を、ブッシュ12の環状側壁21または外周面12bに形成しても良い。また、係合部23および突起24を廃止しても良い。
また、保持孔15の周面およびブッシュ12の外周面12bを、テーパを設けない円筒面に形成しても良い。さらに、位置決め手段としての係合部23を、ブッシュ12の外筒20の外周面12bに形成しても良い。さらにまた、係合部23をハウジング9の保持孔15に形成すると共に、突起24を、ブッシュ12の環状側壁21または外周面12bに形成しても良い。また、係合部23および突起24を廃止しても良い。
さらに、案内手段としての挿通孔22を楕円形形状や小判形形状に形成しても良いし、廃止しても良い。
また、内筒19を挿通孔22に挿通されるように延設し、挿通孔22によって、内筒19を偏心方向Eに所定量A以下だけ案内させても良い。さらに、内筒19および外筒20の少なくとも一方を廃止して、ブッシュ12の内周面12aおよび外周面12bを、弾性部材18の対応する内周面および外周面で構成しても良い。また、環状側壁21を、外筒20に代えて内筒19と一体に形成しても良いし、廃止しても良い。
また、内筒19を挿通孔22に挿通されるように延設し、挿通孔22によって、内筒19を偏心方向Eに所定量A以下だけ案内させても良い。さらに、内筒19および外筒20の少なくとも一方を廃止して、ブッシュ12の内周面12aおよび外周面12bを、弾性部材18の対応する内周面および外周面で構成しても良い。また、環状側壁21を、外筒20に代えて内筒19と一体に形成しても良いし、廃止しても良い。
1 ステアリング装置
3 ピニオン
4 ラック軸
9 ハウジング
12 ブッシュ
12a 内周面
12b 外周面
15 保持孔
18 弾性部材
22 挿通孔(案内手段)
23 係合部(位置決め手段)
S 軸方向
E 偏心方向
L1 軸線
R 周方向
3 ピニオン
4 ラック軸
9 ハウジング
12 ブッシュ
12a 内周面
12b 外周面
15 保持孔
18 弾性部材
22 挿通孔(案内手段)
23 係合部(位置決め手段)
S 軸方向
E 偏心方向
L1 軸線
R 周方向
Claims (5)
- ピニオンと、ピニオンに噛合するラック軸と、ラック軸を軸方向に移動可能に支持するブッシュと、ブッシュを保持する保持孔を含むハウジングとを備えるステアリング装置において、
上記保持孔は、ラック軸の軸線に対してピニオン側となる所定の偏心方向に偏心し、ブッシュは筒状の弾性部材を含み、ブッシュが偏心した保持孔に嵌合された状態で弾性部材が変形してラック軸をピニオン側へ付勢することを特徴とするステアリング装置。 - 請求項1において、上記ブッシュは、ラック軸に嵌合する内周面と、保持孔に嵌合する外周面とを有し、内周面と外周面とは自由状態において互いに同心に配置されることを特徴とするステアリング装置。
- 請求項1または2において、上記ブッシュは、保持孔に嵌合する外周面を有し、保持孔および外周面が互いに合致するテーパ状に形成されることを特徴とするステアリング装置。
- 請求項1,2または3において、上記ブッシュは、ブッシュに対するラック軸の相対移動を所定の偏心方向に案内する案内手段を備えることを特徴とするステアリング装置。
- 請求項4において、上記ブッシュは、上記保持孔の周方向に関するブッシュの位置決めを行う位置決め手段を備えることを特徴とするステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003419929A JP2005178482A (ja) | 2003-12-17 | 2003-12-17 | ステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003419929A JP2005178482A (ja) | 2003-12-17 | 2003-12-17 | ステアリング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005178482A true JP2005178482A (ja) | 2005-07-07 |
Family
ID=34781659
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003419929A Pending JP2005178482A (ja) | 2003-12-17 | 2003-12-17 | ステアリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005178482A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008087535A (ja) * | 2006-09-29 | 2008-04-17 | Jtekt Corp | ステアリング装置 |
KR101453402B1 (ko) | 2010-09-09 | 2014-10-21 | 한국델파이주식회사 | 랙 바 지지 구조 |
CN104806634A (zh) * | 2014-01-23 | 2015-07-29 | 株式会社昭和 | 衬套轴承的结构 |
JP2016141342A (ja) * | 2015-02-04 | 2016-08-08 | 富士重工業株式会社 | ステアリング装置のラック支持構造 |
WO2019026928A1 (ja) * | 2017-08-03 | 2019-02-07 | オイレス工業株式会社 | 軸受およびステアリング機構 |
-
2003
- 2003-12-17 JP JP2003419929A patent/JP2005178482A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008087535A (ja) * | 2006-09-29 | 2008-04-17 | Jtekt Corp | ステアリング装置 |
KR101453402B1 (ko) | 2010-09-09 | 2014-10-21 | 한국델파이주식회사 | 랙 바 지지 구조 |
CN104806634A (zh) * | 2014-01-23 | 2015-07-29 | 株式会社昭和 | 衬套轴承的结构 |
JP2015137721A (ja) * | 2014-01-23 | 2015-07-30 | 株式会社ショーワ | ブッシュ軸受の構造 |
JP2016141342A (ja) * | 2015-02-04 | 2016-08-08 | 富士重工業株式会社 | ステアリング装置のラック支持構造 |
WO2019026928A1 (ja) * | 2017-08-03 | 2019-02-07 | オイレス工業株式会社 | 軸受およびステアリング機構 |
US11548546B2 (en) | 2017-08-03 | 2023-01-10 | Oiles Corporation | Bearing and steering mechanism |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP3388309B1 (en) | Steering system | |
WO2016038927A1 (ja) | 電動式パワーステアリング装置 | |
JP4367432B2 (ja) | ラックピニオン式舵取装置 | |
JP5062465B2 (ja) | ステアリング装置 | |
JP4667340B2 (ja) | ステアリングシャフトの回転抵抗付与装置 | |
JP6934801B2 (ja) | ラックブッシュおよびステアリング機構 | |
JP5062467B2 (ja) | ステアリング装置 | |
JP2005178482A (ja) | ステアリング装置 | |
WO2018139569A1 (ja) | ステアリング装置 | |
JP6132147B2 (ja) | ラックガイド装置 | |
JP2007008216A (ja) | ステアリング装置 | |
WO2020039880A1 (ja) | ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット | |
WO2019044283A1 (ja) | パワーステアリング装置 | |
JP2000006822A (ja) | ステアリングギヤボックス構造 | |
JP4623353B2 (ja) | 舵取り装置 | |
JP4214752B2 (ja) | 舵取装置 | |
JP4626990B2 (ja) | ステアリング装置 | |
KR100991992B1 (ko) | 차량용 스티어링컬럼의 텔레스코픽부시 | |
JP6875962B2 (ja) | パワーステアリング装置 | |
US20220250672A1 (en) | Motor assembly and steering apparatus for vehicle having the same | |
JP6806649B2 (ja) | パワーステアリング装置 | |
WO2019017261A1 (ja) | 滑り軸受 | |
JP2007076513A (ja) | ステアリング装置 | |
JP2023007883A (ja) | ウォーム減速機 | |
JP2010195211A (ja) | ラック軸支持構造及びラックピニオン式ステアリング装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20061122 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20090219 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20090625 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |