JP6241701B2 - 磁性シート、コイル部品および磁性シートの製造方法 - Google Patents

磁性シート、コイル部品および磁性シートの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6241701B2
JP6241701B2 JP2012096547A JP2012096547A JP6241701B2 JP 6241701 B2 JP6241701 B2 JP 6241701B2 JP 2012096547 A JP2012096547 A JP 2012096547A JP 2012096547 A JP2012096547 A JP 2012096547A JP 6241701 B2 JP6241701 B2 JP 6241701B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
main surface
sintered body
dividing line
hole
ferrite sintered
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012096547A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013225565A (ja
Inventor
石田 徹
徹 石田
山本 義明
義明 山本
小湯原 徳和
徳和 小湯原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Metals Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP2012096547A priority Critical patent/JP6241701B2/ja
Publication of JP2013225565A publication Critical patent/JP2013225565A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6241701B2 publication Critical patent/JP6241701B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Hard Magnetic Materials (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)

Description

本発明は、フェライト焼結体を用いた磁性シートに関するものであり、例えば、磁気シールド、磁気ヨーク等として用いられる。
近年、電子機器、情報通信機器における電磁波干渉の抑制や磁気回路の一部(磁気ヨーク)を構成する目的で、シート状の磁性材料で構成された磁性シートが用いられている。例えば、RF−ID、非接触充電等の電子機器、情報通信機器における、アンテナ、磁気シールド、磁気ヨークなどには、フェライト焼結体を用いた磁性シートが広く適用されている。磁性シートには、使用される空間や貼付する対象の形状によって、ある程度の可撓性が要求される。この点、フェライト焼結体は、磁気特性やコストに優れるものの、セラミックスであるため可撓性に乏しい。そこで、溝や貫通孔列を設けた板状のフェライト焼結体を、保護シートを貼付した状態で個片化して、可撓性を付与することが行われている。
かかる個片化によって可撓性を付与する例として、例えば、特許文献1では、円錐台形状の複数の貫通孔が形成された構成が開示されている。特許文献1によれば、かかる複数の貫通孔を仮想線上に断続的に形成することで、分割や折り曲げによって電子部品の複雑な形状に合わせて配設することができ、不定形な割れや欠けを防止できるとされている。
特開2007−184492号公報
複数の貫通孔を設ける方法は、溝を形成する場合のような複雑な深さ制御を必要とせず、簡易である点で優れる。しかしながら、特許文献1の構成においては、円錐台状の貫通孔を形成するため、フェライト焼結板の拡径する側は開口を挟んだ両側のフェライト間の距離が特に大きくなってしまう。一方、縮径する側においても、開口縁が円形であるため、開口を挟んだ両側のフェライト間の距離が大きくなってしまい、インダクタンスの低下が大きくなってしまう。また、所望の分割を行うためには、多くの円錐台状の貫通孔を形成する必要があるところ、かかる貫通孔はパンチ、ブラスト、レーザ等を用いて形成するため、貫通孔形成工程が煩雑なものとなってしまう。
そこで、上記課題に鑑み、本発明は、板状のフェライト焼結体と、前記フェライト焼結体の少なくとも片方の主面に貼付された保護シートとを備えた磁性シートにおいて、貫通孔による分割線を備えながらインダクタンスの低下を抑えた構成を提供することを目的とした。さらに、かかる磁性シートを簡易な方法で提供することを目的とした。
本発明の磁性シートは、板状のフェライト焼結体と、前記フェライト焼結体の少なくとも片方の主面に貼付された保護シートとを備えた磁性シートであって、前記フェライト焼結体は、互いに平行に形成された複数の分割線からなる第1の分割線群と、互いに平行に、かつ前記第1の分割線群の分割線と交差する方向に形成された複数の分割線からなる第2の分割線群とを有し、前記各分割線は、直線状に並んだ複数の帯状の貫通孔によってミシン目状に構成されており、前記帯状の貫通孔は、厚み方向の断面において一方の主面側に楔形の凹部を有し、それに連なる破断部分の先端が他方の主面側に到達していて、前記帯状の貫通孔の壁面の全体が自由焼成面であって、前記フェライト焼結体の一方の主面側では、前記貫通孔の開口部の長手方向に沿った縁は直線状であり、他方の主面側では、前記貫通孔の開口部の長手方向に沿った縁は破断線状であることを特徴とする。かかる構成によれば磁性シートに可撓性等を付与するための分割線を貫通孔で構成する場合であっても、長手方向に垂直な方向における貫通孔両側のフェライト焼結体の離間距離が小さく抑えられるため、インダクタンスの低下が抑制される。
また、前記磁性シートにおいて、前記帯状の貫通孔は前記一方の主面側において、長手方向に垂直な方向の開口部の幅が、フェライト焼結体の厚さの30%以下であり、前記一方の主面側に形成された直線状の開口部よりも前記他方の主面側に形成された破断線状の開口部の幅が小さく、各分割線において、前記開口部の長手方向の長さの合計が分割線全体に対して30%以上70%以下であり、各フェライト焼結体の端辺にかかる貫通孔を有することが好ましい。かかる構成によれば、インダクタンスの低下をよりいっそう抑制することができる。
さらに、前記磁性シートにおいて、前記フェライト焼結体が、前記保護シートが貼付された状態で前記第1の分割線群および前記第2の分割線群に沿って個片化されていて、前記個片は側面に前記貫通孔の壁面の自由焼成面と、貫通孔間のフェライト焼結体の破断面を有するのが好ましい。かかる構成によれば、優れた可撓性を有する磁性シートが提供される。
本発明のコイル部品は、前記いずれかの磁性シートと、前記磁性シートの主面に対向するように配置されたコイルとを備えたことを特徴とする。
本発明の磁性シートの製造方法は、板状のフェライト焼結体と、前記フェライト焼結体の少なくとも片方の主面に貼付された保護シートとを備えた磁性シートの製造方法であって、前記フェライト焼結体の製造工程は、フェライトグリーンシートに、互いに平行に形成された複数の分割線からなる第1の分割線群と、互いに平行に、かつ前記第1の分割線群の分割線と交差する方向に形成された複数の分割線からなる第2の分割線群を形成する第1の工程と、前記第1および第2の分割線群が形成されたフェライトグリーンシートを焼成する第2の工程とを有し、前記第1の工程において形成される第1および第2の分割線群の各分割線は、直線状に並んだ複数の帯状の貫通孔によってミシン目状に構成されており、前記フェライトグリーンシートの一方の主面側から帯状の刃先を有する刃を押し込み破断させることで、厚み方向の断面において一方の主面側に楔形の凹部を有し、それに連なる破断部分の先端を他方の主面側に到達させて前記帯状の貫通孔とし、前記一方の主面側では、開口部の長手方向に沿った縁は直線状に、他方の主面側では、開口部の長手方向に沿った縁は破断線状であって、前記帯状の貫通孔の壁面の全体が自由焼成面であることを特徴とする。かかる構成によれば、磁性シートに可撓性等を付与するための分割線を貫通孔で構成する場合であっても、長手方向に垂直な方向における貫通孔両側のフェライト焼結体の離間距離を小さく抑え、インダクタンスの低下が抑制された磁性シートを提供することができる。
本発明によれば、板状のフェライト焼結体と、前記フェライト焼結体の少なくとも片方の主面に貼付された保護シートとを備えた磁性シートにおいて、貫通孔による分割線を備えながらインダクタンスの低下を抑えた構成を提供することができる。さらに、かかる磁性シートを簡易な方法で提供することができる。
本発明に係る磁性シートの実施形態を示す図である。 フェライト焼結体に形成された貫通孔の形態を示す図である。 フェライト焼結体に形成された分割線群の形態を示す図である。 フェライト焼結体に形成された分割線群の形態を示す図である。 貫通孔を形成するための刃の一例を示す図である。 貫通孔を形成するための刃の他の例を示す図である。 フェライト焼結体に貫通孔を形成する工程示す図である。 フェライト焼結体に形成された貫通孔の開口部を示す写真である。
以下、本発明に係る磁性シートの実施形態を、図を用いて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、各実施形態において説明する構成は、他の実施形態の趣旨を損なわない限りにおいて他の実施形態においても適用することが可能であり、その場合、重複する説明は適宜省略する。
(磁性シートの第1の実施形態)
図1(a)は本発明の磁性シートの実施形態を示す分解斜視図、(b)は磁性シートの用いられるフェライト焼結体の平面図である。図1に示す磁性シート1は、板状のフェライト焼結体2と、フェライト焼結体2の両方の主面に貼付された保護シート3、4を備える。図示されていないが保護シート3、4とフェライト焼結体2との間には、これらを一体化するための粘着層が設けられている。図1に示す磁性シートの外形は矩形であるが、磁性シートの外形はこれに限定されるものではないし、切り欠きや開口を備えた形状でもよい。フェライト焼結体2には、互いに平行に形成された複数の分割線からなる第1の分割線群5と、互いに平行に、かつ第1の分割線群5の分割線と交差する方向に形成された複数の分割線からなる第2の分割線群6とを有する。第1の分割線群と第2の分割線群の各分割線は直線状に並んだ複数の帯状の貫通孔7によって構成されている。個片化する前の段階では、各貫通孔7の間は分割線上においてもフェライト焼結体は連続しており、分割線を挟んだ両側のフェライト焼結体部分は一体となっている。第1の分割線群の分割線と第2の分割線群の分割線とは互いに交差するように形成すればよく、その交差角度は必要とされる可撓性の方向性等によって選択すればよい。但し、実用上は、可撓性は直交する二方向に設定するのが使いやすい。そこで図1に示す実施形態では、第1の分割線群の分割線と第2の分割線群の分割線とは互いに直交するように形成されている。以降の実施形態も同様である。
保護シート3、4は、フェライト焼結体が割れたり、個片化された場合に、破片が飛散することを防ぐ。また、保護シート3、4によって、フェライト焼結体が個片化された場合等において、磁性シートの形状を維持されるとともに、可撓性も発揮される。かかる機能を発揮するものであれば、保護シートの種類や材質はこれを特に限定するものではない。各種の樹脂シートを用いることができるが、例えばPET(Polyethylene terephthalate)を用いればよい。また、図1に示す実施形態では、保護シートはフェライト焼結体の両方の主面側に貼付されているが、少なくとも片方の主面に貼付されていればよい。また、保護シートは、粘着層で構成することも可能である。フェライト焼結体は、Mn−Zn系、Ni−Zn系等のスピネルフェライト、Z型、Y型等の六方晶フェライト等、各種のフェライト材料から、要求される特性に応じて選択される。フェライト焼結体は薄すぎると製造自体が困難であり、厚すぎると個片化が困難になるため、その厚さは50μm〜1mm程度が実用的な範囲である。
第1の分割線群と第2の分割線群の各分割線は直線状に並んだ複数の帯状の貫通孔7によってミシン目状に形成されているため、外力が加わった場合に、かかる分割線に沿って規則的に割れるようになるため、予期せぬ方向への割れを低減することができる。一方、あらかじめフェライト焼結体2を、保護シート3、4が貼付された状態で第1の分割線群5および第2の分割線群6に沿って個片化しておくことで、磁性シートに可撓性を付与することができる。
上述の帯状の貫通孔7は例えば焼結前のフェライトグリーンシートに貫通孔7に対応した形状を有する刃を押し込むことによって形成される。かかる貫通孔の形成方法については別途後述する。貫通孔7の形態の例を図2に示す。図2は貫通孔の開口部の形状を示し、(a)はフェライト焼結体の一方の主面側の開口部7a、(b)は他方の主面側の開口部7bを示している。フェライト焼結体の一方の主面側では、貫通孔7の開口部7aの長手方向に沿った縁は直線状であり(図2(a))、他方の主面側では、貫通孔7の開口部7bの長手方向に沿った縁は破断線状である(図2(b))。図2(a)に示す一方の主面側の開口部7aの形状は、焼結前のフェライトグリーンシートへの刃の押し込みによって形成される形状である。一方、図2(b)に示す他方の主面側の開口部7bの形状は、押し込まれ刃の進行方向前方におけるフェライトグリーンシートの破断によって形成される形状である。貫通孔を形成する場合、貫通孔を挟んだ両側のフェライト焼結体が離間し、その分インダクタンスが低下する傾向を示す。特に、上述の特許文献1の構成のように円錐台状の貫通孔を設けてしまうと、その部分でのフェライト焼結体の離間距離が大きくなってしまう。これに対して、帯状の貫通孔は、上記離間距離を小さくすることができる。また、帯状の貫通孔を設ける際にも、刃の形状に倣ったままの形状で貫通させてしまうと、フェライトの離間距離を十分に小さくすることが難しい。これに対して、図2に示すように、他方の主面側の開口部の形状を破断線状とすることで、他方の主面側での貫通孔を挟んだフェライト焼結体の離間距離を極力小さくすることができる。刃の形状に倣って形成された開口部と異なり、破断によって形成された開口部では、その長手方向に垂直な方向の幅(離間距離)は非常に小さなものとなる。
他方の主面側の開口部7bの、長手方向(x方向)に垂直な方向(y方向)の幅は非常に小さいため、フェライト焼結体部分が離間した孔として視認できない場合があるが、貫通孔の先端が他方の主面側に到達していればよいので、開口部7bが破断線状として認識できればよい。
一方の主面側において、開口部7aのy方向の幅が大きくなって貫通孔の両側のフェライト焼結体の離間距離が大きくなるとインダクタンスの減少量が増える。また、かかる貫通孔を形成する場合には、他方の主面側の破断も予期せず広がるおそれがある。そのため、開口部7aの、長手方向に垂直な方向の幅はフェライト焼結体2の厚さの30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましい。また、分割線を形成した後に分割線で区画されたフェライト片が脱落することを防ぐため、開口部7aの長手方向の長さLは、少なくとも一方の分割線群においては、分割線のピッチよりも小さくする。一方、開口部7aの長手方向の長さLが小さくなりすぎると、分割線に沿って割れる機能(以下、分割性ともいう)を確保するためには、貫通孔の数をそれだけ増やす必要があり、開口部を形成するための工程・部材が複雑になってしまう。かかる観点からは、開口部7aの長手方向の長さLは分割線のピッチの1/10以上が好ましく、1/4以上がより好ましい。貫通孔7の長手方向の長さLに対する幅Wの比W/Lは0.005〜0.05にするとよい。
第1の分割線群と第2の分割線群とで、分割線のピッチは同じにしてもよいし、これを変えてもよい。また、各分割線群における分割線のピッチは、分割線以外の部分での割れを低減するとともに、より高い可撓性を得る観点からは、焼結体厚さの5〜50倍程度にするとよい。また、分割性の確保の観点からは、各分割線における、分割線全体に対する貫通孔7aの長手方向の長さの合計の割合は30%以上にすることが好ましく、40%以上がさらに好ましい。一方、製造工程におけるハンドリング性の維持やインダクタンスの低減の抑制のためには、かかる割合は、70%以下にすることが好ましい。また、フェライト焼結体の面内方向における分割性のばらつきを抑える観点からは、各分割線における貫通孔のピッチは、分割性のピッチよりも小さくするとよい。
図3には第1の分割線群5と第2の分割線群の形成パターンの例を示してある。第1の分割線群における分割線のピッチP1と第2の分割線群の分割線のピッチP2は互いに異なるものにしてもよいが、図3の(a)〜(c)に示す各例では、x方向とy方向で可撓性に差が生じることを抑えるためにP1とP2は同じにしてある。図3に示すように、第1の分割線群5と第2の分割線群6との位置関係は種々のものを用いることができる。図3の(a)は第1の分割線群5の全ての分割線と第2の分割線群6の全ての分割線とが、互いの貫通孔7が形成されていない部分で交差する形態であり、(b)はそれらが互いの貫通孔が形成された部分で交差する形態である。また、(c)は、第1の分割線群5の全ての分割線は第2の分割線群6の分割線の貫通孔が形成されていない部分で交差し、第2の分割線群6の全ての分割線は第1の分割線群5の分割線の貫通孔が形成されている部分で交差する形態である。図3の(c)のように分割線を形成した場合、磁性シートでは、まず第1の分割線群5に沿ってフェライト焼結体を分割し、次に第2の分割線群に沿ってフェライト焼結体を分割するとよい。先に第2の分割性群に沿って分割すると、分割線群2の分割線上には、第1の分割線群の貫通孔と交差していない、直交する第1の分割線群の貫通孔が存在するため、第2の分割線群に沿った分割を阻害するおそれがあるからである。一方、図3の(a)および(b)の形態は、x方向とy方向との間で、貫通孔の配置に異方性がないため、第1の分割線群と第2の分割線群のいずれから分割しても、その後の分割を阻害することがないため、分割線群の配置として好ましい。
また、図4は、フェライト焼結体の角の部分における分割線群の配置を示した図である。図4(b)に示すように、フェライト焼結体の端辺8と、それに隣接する第1の分割線群の分割線および第2の分割線群の分割線との間隔を、第1の分割線群の分割線および第2の分割線群の分割線のピッチと同じにして、貫通孔がフェライト焼結体の端辺8にかからないようにしてもよい。一方、図4(a)に示すように、フェライト焼結体の端辺と、それに隣接する第1の分割線群の分割線および第2の分割線群の分割線との間隔を、第1の分割線群の分割線および第2の分割線群の分割線のピッチよりも小さくし、貫通孔がフェライト焼結体の端辺にかかるようにして、フェライト焼結体端辺に、分割の際のクラックの起点となりやすい、フェライト焼結体の端辺に対してオープンな貫通孔を配置してもよい。なお、図4に示す例では分割線はフェライト焼結体の端辺と平行または垂直に配置されているが、磁性シートの外周の辺に対して可撓性を示す方向を変えるために、端辺に対して斜めに配置することも可能である。また、分割線のピッチはフェライト焼結体の部位によって変化させてもよい。
次に、板状のフェライト焼結体と、前記フェライト焼結体の少なくとも片方の主面に貼付された保護シートとを備えた、本発明に係る磁性シートの製造方法を、図1および図5〜7を参照しながら説明する。フェライト焼結体の製造工程は、フェライトグリーンシートに、互いに平行に形成された複数の分割線からなる第1の分割線群と、互いに平行に、かつ前記第1の分割線群の分割線と直交する方向に形成された複数の分割線からなる第2の分割線群を形成する第1の工程と、前記第1および第2の分割線群が形成されたフェライトグリーンシートを焼成する第2の工程とを有する。かかるフェライトグリーンシートに形成した第1の分割線群と第2の分割線群が図1に示すフェライト焼結体の第1の分割線群5と第2の分割線群6となる。以下、グリーンシートにおいても、焼結体と対応する部分に関しては同じ符号を用いて説明する。フェライトグリーンシートの製造方法は従来から知られている方法を採用すればよい。例えば、フェライトの原料粉末をバインダ、可塑剤等と混練してスラリーを形成し、該スラリーをドクターブレード法等によってシート成形することによって得られる。第1の工程において形成される第1および第2の分割線群5、6の各分割線は、直線状に並んだ複数の帯状の貫通孔7によって構成されている。これらの帯状の貫通孔7は、フェライトグリーンシートの一方の主面側から帯状の刃先を有する刃を押し込み、他方の主面側では前記刃の押し込みによって破断させることで、前記一方の主面側では、開口部の長手方向に沿った縁は直線状に、他方の主面側では、開口部の長手方向に沿った縁は破断線状に形成される。
ここで第1の分割線群と第2の分割線群の分割線を形成する工程について詳述する。図5には、分割線の形成に使用する刃の一例を示した。図5の(a)は刃の主面を見た図であり、(b)はその厚さ方向の断面図、(c)はその断面の拡大図である。刃9は鋭利な刃先を有し、該刃先は複数の貫通孔に対応して複数の凸状部分10として形成されている。図5に示す例では、刃先の各凸状部分10の先端は直線状をなし、該凸状部分10は矩形である。また、図5に示す例では(c)に示すように刃先は両刃になっているが、刃先は片刃でもよい。また、図6に示すように、刃先の凸部は刃の先端側に行くにしたがって幅が小さくなる台形形状でもよい。凸部が台形形状の刃を用いると、貫通孔は長手方向に垂直な幅方向だけでなく、長手方向の両端側もテーパを持つようになり、フェライト焼結体の一方の主面側の開口部分の長さを確保した上で、貫通孔によってフェライトが離間する部分を低減することができる。第1の分割線群を形成した後、刃またはフェライトグリーシート側を回転させて、同様に第2の分割線群を形成する。
次に、貫通孔7の開口部において、一方の主面側では、長手方向に沿った縁を直線状に、他方の主面側では、長手方向に沿った縁を破断線状に形成する方法について図7を用いて説明する。フェライトグリーンシート13をベースシート14上に載置し(a)、フェライトグリーンシート13の法線方向から帯状の刃先10を有する刃9を下降させてフェライトグリーンシート13の一方の主面側から押し込む(b)。フェライトグリーシート13は厚さの途中までは刃先10の形状に倣って楔形に変形し、凹部が形成されるが、刃先10が他方の主面に近づくと変形よりも破断の作用が勝り、他方の主面側では刃の押し込みによって、刃先の形状に沿って破断する(c)。刃9を上昇させると、一方の主面側では、長手方向に沿った縁が直線状で、他方の主面側では、長手方向に沿った縁が破断線状の、帯状の開口部を有する貫通孔7が形成される(d)。
刃先の角度が大きすぎると破断の作用が大きくなってしまい、貫通孔を形成する工程で他方の主面側の破断線状の開口部が拡大して分割線全体に渡って破断してしまう。したがって、図5に示す刃先の角度θは小さいことが好ましく、例えば、10〜40度の範囲のものを使用するとよい。
第1の分割線群と第2の分割線群を形成する第1の工程を経たフェライトグリーンシートは焼成(第2の工程)に供される。かかる焼成を経て、一方の主面側では長手方向に沿った縁が直線状で、他方の主面側では長手方向に沿った縁が破断線状の、帯状の開口部を有する貫通孔7が形成されたフェライト焼結体が得られる。上記貫通孔を形成した部分には、自由焼成面が形成される。すなわち、貫通孔を形成した部分では、自由焼成面を呈す壁面の端部に、グリーンシートにおいて形成した破断線状の縁が現れる。また、磁性シートにおいて、分割線に沿ってフェライト焼結体を個片化した場合は、貫通孔が形成されていた自由焼成面と、貫通孔と貫通孔の間のフェライト焼結体の破断面とが現れることになる。第2の工程を経て得られた板状のフェライト焼結体には、少なくとも片方の主面に保護シートが貼付されて磁性シートが構成される。フェライト焼結体を、保護シートが貼付された状態で第1の分割線群および第2の分割線群に沿って個片化することで、磁性シートに可撓性が付与される。なお、かかる個片化の際には貫通孔以外の焼結体部分の破断を伴うが、焼結体の破断面の凹凸は、貫通孔の破断線状の凹凸よりもはるかに小さなものになる。
磁性シートは、例えば、粘着層を介して電子機器、情報通信機器内に貼着して用いられる。また、他の部品に直接貼着して用いることもできる。例えば、本発明に係る磁性シートと、該磁性シートの主面に対向するように配置された平面状のコイルを用いてコイル部品を構成してもよい。特にコイル自体も可撓性を有する場合に特に好適である。かかるコイル部品は、例えばアンテナや非接触充電装置などに用いることができる。
図1に示す構成の磁性シートを作製した。Ni−Zn系フェライト材料の、厚さ120μmのグリーンシートに、図5に示す刃を用い、互いに平行な複数の分割線からなる第1の分割線群と、互いに平行で、かつ第1の分割線群の分割線と直交する方向に形成された複数の分割線からなる第2の分割線群を、それぞれ2.5mmの分割線ピッチで形成した。使用した刃の凸部の幅は1mm、凹部の幅は1mmであり、フェライトグリーンシートには2mmのピッチで帯状の貫通孔が形成された。また、刃先の角度は20度とした。貫通孔を形成したグリーンシートを焼成し、一方の主面側では、貫通孔の開口部の長手方向に沿った縁は直線状であり、他方の主面側では、貫通孔の開口部の長手方向に沿った縁は破断線状である貫通孔を有するフェライト焼結体を得た。焼結体における分割線のピッチは2mm、一方の主面側の開口部の長手方向の長さは0.8mm、長手方向に垂直な方向の幅は11μm、開口部と開口部の間のフェライト焼結体部分は0.9mmであり、貫通孔のピッチは1.7mmであった。また、フェライト焼結体の厚さは0.1mmであり、開口部の、長手方向に垂直な方向の幅は、フェライト焼結体の厚さの11%であった。貫通孔の、一方の主面側の開口部の形状の写真を図8(a)に、他方の主面側の開口部の形状の写真を図8(b)に示す。図8(b)には紙面の横方向を長手方向とする貫通孔に加えて、紙面の上下方向を長手方向とする貫通孔の一部も示されている。なお、図8に示す(a)および(b)は同一の貫通孔の写真ではないが、一方の主面側および他方の主面側において、それぞれ開口部の形態は図8(a)、(b)と同様である。図8(a)に示すように刃を入れた主面側では、開口部の長手方向に沿った縁は直線状に、他方の主面側では破断線状に形成されており、破断線状に形成された開口部の、長手方向に垂直な方向の幅が非常に小さなものになっていることがわかる。
得られたフェライト焼結体の一方の面には、厚さ30μmの両面テープ付のPETシートを貼り合せた。また他方の面には厚さ30μmの両面テープを貼り合せて、磁性シートを得た。得られた磁性シートに外力を加えてフェライト焼結体を個片化した(No1)。また、得られた磁性シートを内径10mm、外径14mmのリング状に打ち抜き、6枚重ねて、1ターンのコイルを用い、13.56MHzの条件でインダクタンス値を測定した。また、比較のために、分割線を設けないフェライト焼結体を用いて磁性シートを構成し(No2)、同様の評価を行った。結果を表1に示す。
No1の磁性シートは、第1、第2の分割線群に沿って個片化されており、良好な可撓性を示した。一方、分割線を施していないNo2の磁性シートは可撓性に劣り、ハンドリングの際に不定形に割れていた。また、No1の磁性シートは、貫通孔によって構成した分割線に沿ってフェライト焼結体が個片化されているにもかかわらず、個片化されていないNo2の磁性シートに比べて透磁率の低下は5%以下であり、ほとんど透磁率が低下していないことがわかる。また、分割性に沿って、フェライト焼結体を個片化することで、No2の磁性シートに比べてQは1.5倍以上に向上していることがわかる。
1:磁性シート
2:フェライト焼結体
3、4:保護シート
5:第1の分割線群
6:第2の分割線群
7:貫通孔
8:フェライト焼結体の端辺
9、11:刃
10、12:刃先
13:フェライトグリーンシート
14:ベースシート

Claims (5)

  1. 板状のフェライト焼結体と、
    前記フェライト焼結体の少なくとも片方の主面に貼付された保護シートとを備えた磁性シートであって、
    前記フェライト焼結体は、
    互いに平行に形成された複数の分割線からなる第1の分割線群と、
    互いに平行に、かつ前記第1の分割線群の分割線と交差する方向に形成された複数の分割線からなる第2の分割線群とを有し、
    前記各分割線は、直線状に並んだ複数の帯状の貫通孔によってミシン目状に構成されており、
    記帯状の貫通孔は、厚み方向の断面において一方の主面側に楔形の凹部を有し、それに連なる破断部分の先端が他方の主面側に到達していて、
    前記帯状の貫通孔の壁面の全体が自由焼成面であって、
    前記フェライト焼結体の一方の主面側では、前記貫通孔の開口部の長手方向に沿った縁は直線状であり、他方の主面側では、前記貫通孔の開口部の長手方向に沿った縁は破断線状であることを特徴とする磁性シート。
  2. 前記帯状の貫通孔は前記一方の主面側において、長手方向に垂直な方向の開口部の幅が、フェライト焼結体の厚さの30%以下であり、
    前記一方の主面側に形成された直線状の開口部よりも前記他方の主面側に形成された破断線状の開口部の幅が小さく、
    各分割線において、前記開口部の長手方向の長さの合計が分割線全体に対して30%以上70%以下であり、各フェライト焼結体の端辺にかかる貫通孔を有することを特徴とする請求項1に記載の磁性シート。
  3. 前記フェライト焼結体が、前記保護シートが貼付された状態で前記第1の分割線群および前記第2の分割線群に沿って個片化されていて、前記個片は側面に前記貫通孔の壁面の自由焼成面と、貫通孔間のフェライト焼結体の破断面を有することを特徴とする請求項1または2に記載の磁性シート。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の磁性シートと、前記磁性シートの主面に対向するように配置されたコイルとを備えたコイル部品。
  5. 板状のフェライト焼結体と、
    前記フェライト焼結体の少なくとも片方の主面に貼付された保護シートとを備えた磁性シートの製造方法であって、
    前記フェライト焼結体の製造工程は、
    フェライトグリーンシートに、互いに平行に形成された複数の分割線からなる第1の分割線群と、互いに平行に、かつ前記第1の分割線群の分割線と交差する方向に形成された複数の分割線からなる第2の分割線群を形成する第1の工程と、
    前記第1および第2の分割線群が形成されたフェライトグリーンシートを焼成する第2の工程とを有し、
    前記第1の工程において形成される第1および第2の分割線群の各分割線は、直線状に並んだ複数の帯状の貫通孔によってミシン目状に構成されており、
    前記フェライトグリーンシートの一方の主面側から帯状の刃先を有する刃を押し込み破断させることで、厚み方向の断面において一方の主面側に楔形の凹部を有し、それに連なる破断部分の先端を他方の主面側に到達させて前記帯状の貫通孔とし、
    前記一方の主面側では、開口部の長手方向に沿った縁は直線状に、他方の主面側では、開口部の長手方向に沿った縁は破断線状であって、
    前記帯状の貫通孔の壁面の全体が自由焼成面であることを特徴とする磁性シートの製造方法。
JP2012096547A 2012-04-20 2012-04-20 磁性シート、コイル部品および磁性シートの製造方法 Active JP6241701B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012096547A JP6241701B2 (ja) 2012-04-20 2012-04-20 磁性シート、コイル部品および磁性シートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012096547A JP6241701B2 (ja) 2012-04-20 2012-04-20 磁性シート、コイル部品および磁性シートの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013225565A JP2013225565A (ja) 2013-10-31
JP6241701B2 true JP6241701B2 (ja) 2017-12-06

Family

ID=49595441

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012096547A Active JP6241701B2 (ja) 2012-04-20 2012-04-20 磁性シート、コイル部品および磁性シートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6241701B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016092735A1 (ja) * 2014-12-11 2016-06-16 戸田工業株式会社 セラミック複合シート及びその製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4608474B2 (ja) * 2006-11-10 2011-01-12 北川工業株式会社 複合磁性部材
JP4369519B2 (ja) * 2008-01-29 2009-11-25 株式会社Maruwa フェライトシート複合体及びその製造方法
TWI417908B (zh) * 2009-12-25 2013-12-01 Ind Tech Res Inst 具可撓性之高導磁率片材及其製作方法
JP5685827B2 (ja) * 2010-03-29 2015-03-18 ソニー株式会社 磁性シート、アンテナモジュール及び電子機器
JP5609225B2 (ja) * 2010-04-12 2014-10-22 Fdk株式会社 フェライト基板

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013225565A (ja) 2013-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101137271B1 (ko) 페라이트 복합 시트와 그 제조 방법 및 그와 같은 페라이트 복합 시트에 사용되는 소결 페라이트 소편
US9240333B2 (en) Manufacturing method for monolithic ceramic electronic component
JP4400509B2 (ja) セラミックシート、アンテナ装置、無線通信媒体処理装置、及びセラミックシートの製造方法
JP4361532B2 (ja) フェライト部品
WO2006129704A1 (ja) フェライトシート及びその製造方法
JP2008124197A (ja) 複合磁性部材
JP2010045120A (ja) 磁性シート原反
JP6241701B2 (ja) 磁性シート、コイル部品および磁性シートの製造方法
JP5995137B2 (ja) 磁性シート、コイル部品および磁性シートの製造方法
JP5881012B2 (ja) 磁性シート、コイル部品および磁性シートの製造方法
KR101259080B1 (ko) 페라이트 시트 어셈블리 및 그 제조방법
JP5609225B2 (ja) フェライト基板
JP2011151281A (ja) 電子部品の製造方法
JP2009130325A (ja) 積層型電子部品
JP6222355B2 (ja) マザーセラミック基板、セラミック基板、マザーモジュール部品、モジュール部品およびマザーセラミック基板の製造方法
KR101195024B1 (ko) 플렉시블 자성 시트 복합체, 자성 시트의 홈 형성 방법, 및 플렉시블 자성 시트 복합체의 제조 방법
JP6536171B2 (ja) 転動装置、転動治具および電子部品の製造方法
CN113454414B (zh) 陶瓷结构体
JP2007242939A (ja) セラミック積層基板の製造方法
JP3847210B2 (ja) 分割溝を有するセラミックス基板とその製造方法
JP4999029B1 (ja) 裁断焼結セラミックシート及びその製造方法
JP2013149824A (ja) フェライトシートの製造方法
CN216000966U (zh) 一种压槽刀具及冲压模具
JP7281278B2 (ja) 配線基板およびその製造方法
JP5210451B1 (ja) 裁断焼結セラミックシート及びその製造方法並びに焼結セラミックシートをせん断する方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150310

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160325

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161227

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170512

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170810

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20170821

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171013

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171026

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6241701

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350