JP6240895B2 - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム Download PDF

Info

Publication number
JP6240895B2
JP6240895B2 JP2013253855A JP2013253855A JP6240895B2 JP 6240895 B2 JP6240895 B2 JP 6240895B2 JP 2013253855 A JP2013253855 A JP 2013253855A JP 2013253855 A JP2013253855 A JP 2013253855A JP 6240895 B2 JP6240895 B2 JP 6240895B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel cell
gas
temperature
unit
fuel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013253855A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015115092A (ja
Inventor
吉村 晃久
晃久 吉村
中村 彰成
彰成 中村
楠村 浩一
浩一 楠村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2013253855A priority Critical patent/JP6240895B2/ja
Publication of JP2015115092A publication Critical patent/JP2015115092A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6240895B2 publication Critical patent/JP6240895B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Description

本発明は、水素生成装置及び燃料電池システムに関する。
燃料電池システムは、通常、一般的な原料インフラである天然ガスやLPGから水素含有ガス(以後、改質ガスと呼ぶ)を生成させる改質器を有する水素製造装置(以後、改質器と呼ぶ)と改質ガスを利用して発電する燃料電池スタックとで主に構成されている。
改質器は、都市ガスやLPG等の炭化水素系燃料と水を用いた水蒸気改質反応によって、水素、メタン、一酸化炭素(10%程度含有)、二酸化炭素、水蒸気を成分とする改質ガスを生成する改質部と、この改質部を加熱するためのバーナなどの加熱手段を備え、必要に応じて、燃料電池に対して被毒作用のある一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去部から構成されている。そして改質器で製造された改質ガスは燃料電池スタックのアノードに供給され、燃料電池スタックはこの改質ガス中の水素と空気中の酸素を電気化学的に反応させて発電をするようになっている。また、上記する一酸化炭素除去部は、CO変成触媒を充填したCO変成部とCO選択酸化触媒を充填したCO選択酸化部とで形成される構成がある。燃料電池スタックで消費されなかった水素を含む改質ガスはオフガスとして排出されるが、このオフガスは改質器に返却され、加熱手段の燃料ガスとして使用されるようになっている。
ここで、燃料電池に供給される改質ガスには、通常、水素、二酸化炭素に加え、多量の水蒸気が含まれる。この水蒸気を含む改質ガスは、通常、改質器から配管などを介して燃料電池スタックへ供給される。このとき、燃料電池システムを低温環境下で動作させると、配管部が冷却されることにより液滴が発生する。発生した液滴は、配管部を通じて燃料電池スタックに供給され、燃料電池スタックのアノード電極へ流れ込み、反応ガスの供給阻害、いわゆる、フラッディング現象を起こし、発電性能低下を引き起こす課題がある。そこで、例えば特開2007−087742では、燃料電池スタック内部に液滴混入防止手段として、仕切り版を配置し、液滴侵入を防止する方法が開示されている。
しかしながら、このような防止の方法では、低温環境下などで液滴が大量に発生した場合は、仕切り板の液滴侵入防止能力を超える量の液滴が発生し、防止効果が低下する可能性がある。また、仕切り板や吸水処理などによる防止手段は、瞬間的な液滴の侵入を防げたとしても、連続かつ長時間液滴が供給され続けた場合に、防止が不完全となると考えられる。
また、燃料電池システムを縦長の構成とする場合は、重量バランスから燃料電池スタックに対して改質器を下方に配置したり、改質器から燃料電池スタックまで長配管となる構成で配置する場合がある。このとき、改質器から燃料電池スタックへの改質ガス供給配管は、上り配管や長配管となるため、配管内で結露した液滴が配管内部に滞留し、バブリング現象によって改質ガスの供給ガス流量が振動する場合がある。供給ガス流量が振動し、増加したり低下したりを繰り返すと、燃料電池スタックの水素利用率が変動して電極劣化が促進されたり、燃料電池スタック内部で結露した凝縮水が排水されず、フラッディング現象を引き起こす課題がある。また、供給ガスの振動に連動して、燃料電池スタックから排出されるオフガス流量も振動するため、オフガスの燃焼が安定せず、失火現象を引き起こす課題がある。
そこで、配管内部の水凝縮防止手段として、例えば、特開2006−104003に示
すように配管部を改質部などの熱源に巻きつけ加温したり、例えば、特開2008−251447などのように、排気配管部に配管を設置して加温したり、などの方法により凝縮現象そのものを防止する方法が開示されている。
しかしながら、これらの加温手段や構成では、夏期などの高温環境下では、熱源から熱を受け取り過ぎ、ガス温度が過度に上昇してしまう可能性がある。ガス温度が過度に上昇した場合、高温のガスが燃料電池スタックのアノードに供給され、特に固体高分子形燃料電池では、使用している固体高分子膜にダメージを与える可能性がある。また、これらの加温手段は、熱源から熱を授受するため、熱源と燃料電池スタックの配置構成を制限してしまうともに、構造が複雑でコストが上がり好ましくない。
また、配管内部の液滴を排出する手段として、特開2009−259756に示すように、改質器から燃料電池スタックまでの配管途中に気液分離器を設置し、凝縮水を排水する方法が開示されている。
しかしながら、このような凝縮水をトラップし、排水する手段は、排水によって低下した容積分、供給ガスも吸引されるため、一時的に燃料電池スタックに供給されるガス量が減少する。このとき、例えば部分負荷運転などのガス量が少ない運転をしているとき排水動作が発生する場合、ガス不足やフラッディングのリスクがある。また、構造も複雑で高コストとなり好ましくない。
特開2007−087742号公報 特開2006−104003号公報 特開2008−251447号公報 特開2009−259756号公報
上記先行文献に用いられる燃料電池においては、低温環境下などの凝縮水が多い場合に対応できない。また、加温手段を使う場合は夏期などの高温環境下で熱を受け取りすぎてガス温度が過度にあがるリスクがある。また凝縮水分離手段を用いる場合では、構成が複雑となり、部品配置の自由度が減り、コストが高く、システム構成が制約されるという課題がある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、燃料電池システムにおいて、凝縮水を起因とする、フラッディング現象や失火現象を回避し、部品配置に制限されず、かつ、低コストで実施可能な手段を提供することを目的とする。
この発明にかかる燃料電池システムでは、水素生成器は、水素含有ガスを生成する改質部と、前記改質部より送出される水素含有ガス中の一酸化炭素を低減する変成部と、前記変成部より送出される水素含有ガス中の一酸化炭素を低減する選択酸化部とを有し、改質ガス供給経路における凝縮水の結露を検知する結露検知器を備え、前記結露検知器において結露を検知したときに、水供給器が水素生成器に供給する水または水蒸気の供給量を減少させ、原料ガスに対する水の比率を低下させる結露防止制御を実施し、該結露防止制御を実施中に、前記変成部の温度と前記選択酸化部の温度の少なくとも一方が予め定めたしきい値を超えた場合、前記改質部、前記変成部、前記選択酸化部の温度制御目標を低下させることを特徴とする。
この発明によれば、より低コストかつ単純な方法で、燃料供給経路から燃料電池への凝縮水を起因とするフラッディング現象や失火現象を回避することが可能となり発電性能低下せず安定した燃料電池システムの運転が可能となる。
本発明の実施の形態1における燃料電池システムの構成図
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1の構成について説明する。図1は本発明の実施の形態1にかかる燃料電池システムとして、例えば水素製造装置と燃料電池を示す回路構成図である。図1において、1は原料ガスを昇圧・供給する原料ポンプ、2は水蒸気改質に用いる改質用水を供給する改質水ポンプ、3は原料ガスと改質用水の混合部、4は各部から熱を授受することで、原料ガスと水の混合媒体を加熱する蒸発部、5は改質反応部、6は変成反応部、7は選択酸化反応部、8は改質器から燃料電池スタックまで燃料を供給する燃料電池スタックアノード入口配管、9は燃料電池スタックアノード入口配管に設置されるスタック入口温度計、10は燃料電池アノード出口配管である。11は気液分離装置、12はスタックアノード出口から供給される未利用燃料などを燃焼させるオフガス燃焼器、13はオフガス燃焼器に空気を供給する燃焼空気ファン、14は改質器の選択酸化部および燃料電池スタックカソードへ酸化剤あるいは空気を供給する空気ブロワ、15は空気ブロワから供給される酸化剤を改質器選択酸化部と燃料電池スタックカソードへ分岐させるカソード供給空気分岐部、16は改質器の選択酸化部へ供給される空気量を調節する選択酸化空気調節弁、17は温度センサ電圧センサやアクチュエータの動作信号を取得し、調節弁、ブロワなどのなどアクチュエータを制御する監視制御部、18は燃料電池スタック、19は燃料電池スタックの電流および電圧を計測する燃料電池スタック電流電圧計測部、20は改質器である。21は選択酸化部へ供給される酸化剤の流量を計測する選択酸化流量計、22は燃料電池システム庫内の温度を計測する庫内温度計、23は改質器に供給される原料の流量を計測する原料流量計、24は改質部の反応温度を計測する改質部温度計、25は変成部の反応温度を計測する変成部温度計、26は選択酸化部の反応温度を計測する選択酸化温度計、27はオフガス燃焼器12の燃焼ガスを排気し、蒸発部4、改質部5などに熱を供給する燃焼排気経路、28は燃焼排気の温度を計測する燃焼排気温度計を、29は改質器を冷却する改質器冷却ファン、30は燃料電池スタック18へ供給される酸化剤(主に空気)に水分を供給する加湿器である。31は加湿器30から燃料電池スタック18に接続され空気を供給するカソード入口配管、32はオフガス燃焼器12の近傍に設置される失火検知装置を示す。図1中の矢印実線は物質が移動する配管を意味し、点線は信号線、電力線などを意味する。なお、図面の簡略化、分かりやすさを考慮し監視制御部と点線で接続されていないセンサやアクチュエータがあるが、図示されていないだけで、必要なセンサおよびアクチュエータは監視制御部と全て接続されている。また図1の構成は、本発明を実施するための一つの例であって、その構成は本発明を実施可能な構成でも良い。例えば、空気分岐部15を無くして、代わりにブロワ等の供給源を直接接続しても良いし、更に低コストなる構成としては、選択酸化流量計21を取り外し、選択酸化空気調節弁16以降の配管、構成物などの流量特性と空気分岐部15から燃料電池スタック18へ供給し、排気される流路の流量特性のバランスから選択酸化反応部7に供給される空気流量を監視制御部17で想定してもよい。
また、気液分離器11は、オフガス燃焼器12の燃焼安定性を向上させるため、液滴を排除するために導入されるが、例えばこれを全熱交換器などに変えて、水分を回収してもよいし、燃料電池スタックを改質器より鉛直下方向に配置して、凝縮液による閉塞を回避する構成としても良い。また、燃料電池スタック18の運転温度を上昇させ、結露を発生させない排ガス温度となるように運転してもよい。また、本実施の形態で使用されるスタック入口温度計9は、結露を検知できればよく、例えば湿度計であってもよい。また、さらに低コストなる構成としては、スタック入口温度計9を取り外し、庫内温度計22と選択酸化部温度計26、燃焼排気温度計28とアノード入口配管8の配管材料、配管の厚み、配管の長さ、断熱材などの情報から、アノード入口配管8における放熱量を計算し、その放熱量と改質ガスが持つ熱量から温度低下幅を計算し、結露発生条件を監視制御部17で検知しても良い。また、原料流量計23や選択酸化流量計21などの流量計は、その機
能として流量を計測するが、例えば、原料ポンプの入力電力や仕事率などから流量を想定してもよく、必ずしも流量計は必要ではない。また、庫内温度計22は、アノード入口配管8での放熱量を計算するための温度を得ることができればよく、例えば、外気温を計測するための温度計を利用しても良い。
次に、本実施形態における燃料電池システムの動作を説明する。原料ガスは原料ポンプ1によって昇圧され、原料流量計23を用いて燃料電池スタック18に必要な水素量、および燃料電池スタックで使用される水素量、燃料利用率となるように適切な値に流量制御される。同様に改質水流量は改質水ポンプ2によって適切なS/C比になるように制御される。原料ガスと改質供給水は原料・水混合部で混合され、蒸発部4に供給される。蒸発部4は、選択酸化部の選択酸化反応と燃焼反応による熱と、変成部の変成反応による熱とオフガス燃焼器12の燃焼反応による熱を受け取り、通過する改質水・原料ガスを加温し蒸気を含む燃料状態にする。蒸気を含む燃料は改質部5に供給され改質され、以降、変成部、選択酸化部に供給されCOを所定の値まで低下させた改質ガスを、アノード入口配管8を通じて燃料電池スタック18に供給する。燃料電池スタック18に供給された改質ガスは、燃料電池スタック18内部で水素と酸素の結合反応により消費され、未利用の改質ガスはオフガスとしてアノード出口配管10を通じて、気液分離器11でオフガス中に含まれる水分を回収し、オフガス燃焼器12に供給・燃焼され、燃焼排気経路27を通じて、改質部5に配置される触媒や蒸発部4における原料・水混合液の加温に再利用される。空気は空気ブロワ14にて昇圧され、空気分岐部15で選択酸化部への供給用空気と燃料電池スタック18のカソード酸化剤用の供給空気へ分岐される。空気分岐部15から分岐された選択酸化用空気は、選択酸化流量計21を通過し、選択酸化空気調節弁16を用いて流量を適切に制御される。ここで、選択酸化へ供給される空気量は、監視制御部17によって、燃料電池システムの発電指令値やスタックの電流・電圧計測部19の計測値や原料ポンプ1の制御値、原料流量計23の指示値などから運転点を適切に決定し、その運転点における選択酸化必要空気流量を決定する。
ここで、冬季などの低温環境では、アノード入口配管8は通常運転に比べてより冷却されるため、改質ガスに含まれる蒸気が結露・凝縮し、液滴がスタックアノード入口に侵入し、燃料電池スタック18のアノード供給ガス阻害をひき起こす可能性がある。
本実施例では、監視制御部17は、庫内温度計22とスタック入口温度計9、および改質部温度計24、変成部温度計25、選択酸化部温度計26、燃焼排気温度計28、原料流量計23、改質水ポンプ2の操作量および指示値から、改質ガス転化率とスチームカーボン比を計算する。改質ガス転化率、スチームカーボン比を計算することで改質ガスのガス組成、すなわち水蒸気分圧および露点を計算する。このとき、スタック入口温度計9が結露発生となるしきい値、具体的には改質ガスの露点をガス温度が下回ると、露点より低くなった分が結露していることになり、アノード入口配管8で結露が発生したことを検知する。また、スタック入口温度計9の代わりに、庫内温度計22の指示値とスタック入口温度計9の指示値の関係をあらかじめテーブルや関係式などで監視制御部17が記憶あるいは計算を行い、庫内温度計22の値からアノード入口配管8のガス温度を想定しても良い。また、スタック入口温度計9の代わりに、改質器20の選択酸化反応部7や変成部6や改質部5の反応温度とスタック入口温度計9の指示値の関係をあらかじめテーブルや関係式などで監視制御部17が記憶あるいは計算を行い、庫内温度計22の値からアノード入口配管8のガス温度を想定しても良い。
このとき、さらなる構成として、誤検知を防止するために、ある特定の時間、スタック入口温度計9がしきい値を下回った場合に結露を検知する。発明者らは、燃料電池システムに対して負荷変動要求が発生した場合に、燃料電池システムはある負荷変動速度で変化し、この変動中においては、改質ガスの組成が安定しないことを見出した。このため、こ
の負荷変動速度に対して十分な尤度の検知範囲を設定し、この検知範囲よりも温度低下時間が長い場合に結露を検知する。なお、この検知範囲は、改質器20に備えられた、改質部温度計24、変成部温度計25、選択酸化部温度計26の温度変化、あるいは、選択酸化流量計の流量振動などから、改質器20が安定して改質ガスを生成していると判断出来る場合には、適宜短く設定することができる。
また、より低コストなる構成において、上記したように例えばスタック入口温度計9を取り外した場合は、庫内温度計22とアノード入口配管および付随する断熱材などの配管情報と発電指令値から想定される原料ガス流量および改質ガス組成から、放熱量を計算し、放熱量から温度低下量を計算し、燃料電池スタック18の入口部分で結露が発生したことを検知することもできる。
また、さらなる低コストなる構成は、上記したような結露が発生する条件を外気温および発電指令値などの情報を用いてあらかじめテーブルなどで用意しておき、外気温あるいは季節と発電指令値などから結露が発生したことを検知してもよい。
この構成によれば、低コストなる構成かつ誤検知することなく、高精度に結露状態を検知することが可能となる。
ここで、監視制御部17は、上記した方法で、燃料電池スタック18のアノード入口部で結露を検知した場合、原料ポンプ1の操作量を上昇させ、改質器20に投入される原料ガスを増加させる。原料ガスを増加させると、単位時間あたりに燃料電池スタック18に供給される改質ガスの流量が増加、すなわち熱量が増加する。このとき、具体的にはスタック入口温度計9の温度がガス露点以上となるように原料ガスを増加させる。また、より低コストなる構成としてスタック入口温度計9を取り外した場合は、アノード入口配管8の配管情報と付随する断熱材の情報、および庫内温度計22から放熱量を計算し、その放熱量を上回る熱量となるように原料ガスを増加させる。
この構成によれば、何ら複雑な追加の構成を必要とすることなく、原料ガスを適切に増加させることでアノード入口配管8における結露を防止することが可能となる。
また、この構成によれば、アノード入口配管8での結露を防止することが可能となるため、凝縮液のバブリング動作による改質ガスの微小振動をなくすることができガス流量が安定することから、結露による燃料電池スタック18へのガス供給阻害だけでなく、オフガス燃焼器12での燃焼も安定し、失火のリスクを軽減する追加の効果も得られる。
また、選択酸化反応部7からアノード入口配管8以降に供給されるガス流量も増加するため、本動作が発動する前、例えば起動時などにアノード入口配管8や燃料電池スタック18のセル内部流路や以降の配管に付着した液滴などを吹き飛ばす追加の効果も得られる。また、この方法によれば、追加の構成が不要のため低コストで実施できるだけでなく、より単純な構成として考えられる配管への保温ヒータ巻きつけなどに比して、ガスをそのまま使用するため、ガスから電気を取り出して投入する場合に比べて、ロスが小さく、同じ熱量を発生させるための投入エネルギーを小さくすることができ、燃料電池システムの発電効率に対しても有利である。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。基本的な構成は実施の形態1および図1と同等である。本実施の形態では、監視制御部17は、実施の形態1に示した方法で、燃料電池スタック18のアノード入口部で結露を検知した場合、選択酸化反応部7に投入される選択酸化用空気の投入量を増加させる制御を行う。通常動作、すなわち結露を検知
していない場合は、上記したように選択酸化空気量は、選択酸化反応に必要な空気と流量計精度、制御ばらつき等のマージンを含めた空気が投入されている。このとき、選択酸化反応部7における化学反応は、CO+ 1/2 O2 → CO2である。
しかし、結露検知後は、空気投入量を増加させることにより、選択酸化反応で使用されない未利用の空気が多く発生する。このとき、未利用の空気は、選択酸化反応部7内部に存在している水素および未反応の燃料との間に、次の反応による燃焼反応を起こす。
H2 + CaHb + (2a + b +1 )/2 O2 → a CO2 +
( 1 + b ) H2O ・・・・・(式1)
このため、選択酸化反応に使用されない余分の空気を適切に制御することで、選択酸化部で発生する未利用空気と水素および未反応燃料との燃焼反応量を制御し、この反応熱によって、改質ガスのガス温度を上昇させる。具体的には、アノード入口配管8内で結露が発生しないような、少なくともアノード入口配管8で失われる放熱量以上の燃焼熱量となるように、空気を余分に投入し結露を防止する。また、この反応によって水素および未反応燃料が減少するため、燃料電池スタック18に投入される水素量が減少し、燃料電池スタックにおける燃料利用率が低下する恐れがある。このため、結露防止制御開始時は、後記する燃料追加制御の前に、燃料電池スタック18の発電量を低下させ、燃料利用率の低下を防止する。その後、監視制御部17は、燃料不足の懸念を解消するため、本制御中は、燃料利用率低下を防止する手段も同時に行う。具体的には、改質部5の反応温度を用いて転化率を計算し、選択酸化部への空気追加による燃焼で失われる分の水素および未反応燃料を原料ガス相当分に置き換え、監視制御部17が原料ポンプ1と改質水ポンプ2へその分を追加する制御を行う。なお、燃料電池スタック18の発電量を下げた後に燃料追加制御を行う理由は、その燃料追加制御の効果が安定するまでに遅れ時間が発生するためである。なお、本実施の形態は、先述した実施の形態1と同時に行ってもよい。
この構成によれば、何ら複雑な追加の構成を必要とすることなく、選択酸化部へ投入される空気流量を適切に制御することでアノード入口配管8における結露を防止することが可能となる。
また、この構成によっても、実施形態1と同じくアノード入口配管8での結露を防止することが可能となるため、凝縮液のバブリング動作による改質ガスの微小振動をなくすることができガス流量が安定することから、結露による燃料電池スタック18へのガス供給阻害だけでなく、オフガス燃焼器12での燃焼も安定し、失火のリスクを軽減する追加の効果も得られる。
また、温度が上昇し、選択酸化反応部7からアノード入口配管8以降に供給されるガスの体積流量も増加するため、本動作が発動する前、例えば起動時などにアノード入口配管8や燃料電池スタック18のセル内部流路や以降の配管に付着した液滴などを吹き飛ばす追加の効果も得られる。
また、この方法によれば、追加の構成が不要のため低コストで実施できるだけでなく、より単純な構成として考えられる配管への保温ヒータ巻きつけなどに比して、ガスをそのまま使用するため、ガスから電気を取り出して投入する場合に比べて、ロスが小さく、同じ熱量を発生させるための投入エネルギーを小さくすることができ、燃料電池システムの発電効率に対しても有利である。
また、この構成によれば、ガスの流量増加効果だけでなく、ガス温度の上昇効果が高いため、実施の形態1に比べて、燃料使用量を少なくすることができ、燃料電池システムの発電効率に対してさらに有利となる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。基本的な構成は実施の形態1および図1と同等である。本実施の形態では、監視制御部17は、実施の形態1に示した方法で燃料電池スタック18のアノード入口部で結露を検知した場合、改質水ポンプ2に対して、送液する改質水の流量を減じる指令を送り、改質器20に投入される改質水の量を減少させる制御を行う。通常動作、すなわち結露を検知していない場合、改質水は改質反応で必要な水素量に加え、および改質部5、変成部6、選択酸化反応部7などに担持されている改質触媒にカーボンが析出しないための水蒸気量、蒸発部4にて改質水・燃料の混合液が蒸発するときに燃焼排気経路27および改質部5、変成部6、選択酸化反応部7などとの間に熱の授受を行い、蒸発潜熱を受け取ると同時に、上記、改質部5などに担持された触媒が性能を発揮出来うる温度のバランスを保つような水分量を加味した投入量と計測精度、制御ばらつきなどのマージンを加えた投入量に適宜制御されている。ここで、ある一定の制御安定性が確保できている場合、例えば、負荷変動量が小さい場合などは、制御のばらつきなどのマージンで確保している投入量を減じることができる。すなわち、実施の形態1で示した方法で結露を検知し、かつ、制御が安定している場合は、通常時のS/C比に比べて小さくする。S/Cを減じることによって、改質器20から燃料電池スタック18に投入される改質ガスのガス組成のうち、水蒸気量が低下し、その結果、改質ガスの露点を下げることが出来る。改質ガスの露点が下がることにより、例えば低温環境においても、アノード入口配管8における放熱量に対して結露量が減少、または結露しなくなる条件で動作させることが可能となる。また、監視制御部17は、改質部温度計24、変成部温度計25、選択酸化部温度計26の値と、原料ポンプ1あるいは原料流量計23から計測される原料流量、改質水ポンプ2から計測される改質水投入量、電流・電圧計測部19から得られる電流量から、生成ガス組成を計算、アノード入口配管8の配管情報および付随する断熱材の情報と庫内温度計22から計算される放熱量を用いて、アノード入口配管8におけるガスの温度低下幅を計算し、温度低下しても結露しないようなガス組成となるように、原料ポンプ1、改質水ポンプ2を適宜制御してもよい。具体的には、監視制御部17は、計算されたガス温度、およびアノード入口配管8における放熱量から、燃料電池スタック18のアノード入口部でのガス温度を計算し、このガス温度以下の露点となるように、原料ポンプ1および改質水ポンプ2のフィードバック制御を行う。
さらに、発明者は、実施の形態3のS/Cを減少させる制御中に、大きな負荷変動要求が発生した場合、あるいは、部分負荷要求が継続時に追従制御を行った場合、改質器20の制御のオーバーシュートによる改質部5、変成部6、選択酸化反応部7の温度バランスが乱れ、改質器20の温度制御、ひいては改質器20から生成される改質ガスの生成量制御が乱れる課題があることを見出した。従って、本実施の形態3における結露防止制御を実施中は、監視制御部17は改質部温度計24、変成部温度計25、選択酸化部温度計の温度状態をモニターし、温度バランスが乱れるような兆候を検知した場合は、S/C減少制御と同時に、温度バランスが均衡するように、改質器の各部の温度制御目標値を抑制制御する。具体的には、S/Cを減ずる結露防止制御中に負荷変動指令が発生した場合、蒸発部4において、改質部5、変成部6、選択酸化反応部7と原料・改質水混合液との熱授受量が低下し、特に投入された液滴が主として蒸発するポイントに位置し、かつ化学反応の生成熱が正、すなわち発熱部である、変成部6、選択酸化反応部7の温度が上昇する傾向があり、ここで、変成部6、選択酸化反応部7の温度が過度に上昇すると担持されている触媒の活性が低下するなどの課題があるため、変成部温度計25、選択酸化部温度計26が、あるしきい値を検知した場合は、改質部5、変成部6、選択酸化反応部7の温度制御目標を低下させ、改質器20全体の温度を低下させ保護制御を行う。なお、改質器20の温度を低下させる具体的な方法については、改質器20に適宜設置された冷却装置、例えば改質器冷却ファン29などの操作量を上げて冷却しても良いし、原料ポンプ1の原料を少量低下させることにより、アノード出口配管10からオフガス燃焼器12へ供給される燃焼ガス量を低下させることによりオフガス燃焼器12での燃焼熱量を下げることで実現しても良い。また、この保護制御を以ってしても改質器20の各部の温度バランスが乱
れる場合は、温度がバランスするポイントへ運転ポイントを変更するさらなる保護制御を実施する。具体的には、保護制御が動作したのち、温度バランスの乱れが改善せず、その状態であるしきい値となる時間を超えた場合に、燃料電池システムの発電電力目標値を上昇あるいは下降させることで温度安定となる運転ポイントに変更する。なお温度が安定する運転ポイントは燃料処理機の構成や使用ガス種あるいは改質水投入量や改質水の蒸発機構によって異なるため、監視制御部17に付随する記憶装置にテーブルなどで安定となる運転ポイントを記憶させておき、参照してもよい。
本実施の形態の保護制御を実施することにより、より簡易でコスト増加させることなく、結露状態を回避し、スタックアノード流路閉塞によるガス不足や、オフガス流速安定化による失火を防止することが可能となる。また、負荷変動要求が発生した場合にも、改質器の温度バランスを崩すこと無く動作させることが可能となる。
次に、本発明の実施の形態4について説明する。基本的な構成は実施の形態1および図1と同等である。本実施の形態では、監視制御部17は、実施の形態1等に示した方法で燃料電池スタック18のアノード入口部で結露を検知した場合、燃料電池システムの発電力指令を上昇させる。発電電力を上昇させることにより、改質器20から供給される改質ガスの流量が増加する運転ポイントへシフトし、アノード入口配管8内部のガス流速が増加する。燃料電池スタック18のアノードガス入口のガス温度は、アノード入口配管8の放熱量と釣り合うように低下するが、ガス流速が増加しているため、同じ放熱量に対して単位時間あたりのガスの熱容量が大きくガス温度が低下しにくい。また、より高度な構成としては、監視制御部17は、改質器20の各部温度計と原料ポンプ1、改質水ポンプ2などから、改質器20から供給される改質ガスの組成を計算し、アノード入口配管8と配管に付属する断熱材などの情報と、庫内温度計22の温度指示値などから、アノード入口配管8における放熱量を計算し、その放熱量からガス温度低下量を計算し、ガス温度低下しても結露が生じないようなガス流速になるように発電電力を上昇させる。具体的な動作としては、実施の形態1に示すような方法で結露を検知した場合は、最初に監視制御部17で必要となるガス流速を計算し、それと見合う結露防止発電指令値を設定する。その後一定時間経過しても、結露状態が改善しない場合は、さらに発電指令値を上昇させる制御を行う。
上記の保護制御を行うことにより、より簡易でコスト増加させることなく、結露状態を回避し、スタックアノード流路閉塞によるガス不足や、オフガス流速安定化による失火を防止することが可能となる。
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5について説明する。基本的な構成は実施の形態1および図1と同等である。本実施の形態では、監視制御部17は、電流・電圧計測部19を通じて燃料電池スタック18の電流挙動、電圧挙動を監視している。ここで、環境温度が低温の場合などに、アノード入口配管に結露が生じ、液滴が燃料電池スタック18のアノード部に侵入すると、流路の閉塞によるガス不足が発生する。このとき、ガス不足が発生した燃料電池スタック内部のセルの端子電圧が瞬間的に低下する。監視制御部17は、この瞬間的な電圧低下値がある一定の値を超えると、結露が発生したことを検知する。電圧低下のしきい値は、具体的にはガス閉塞による反応分布の変化による反応面積の変化、すなわち電流密度増加による電圧低下と水素の消費量、すなわち全電流値で決まる。このため、燃料電池スタック18のセルおよびセパレータなどの容積と電流値で決定するため、セル面積、ガス流路断面積などに応じて適宜決定する。燃料不足が発生すると、炭素の腐食反応により触媒の溶出や粒形増大が発生し、燃料電池スタック18に対して致命的なダメージとなる。触媒溶出が発生する電圧はスタックに用いられているMEAなどの触媒構成や使用されるイオノマーなどの材質、構成比などで変化する。このため、致命的なダメージと
なりうる電圧変化量を監視制御部17に付随する記憶装置などにあらかじめ記憶しておき、監視制御部17がこの電圧変化量を超える電圧変化を観測した場合に、完全閉塞による燃料不足が発生したとして結露を検知する。これらの電圧変化量および電圧変化時間のしきい値は、液滴混入による閉塞がどの程度発生しているかでも変動する。具体的には、液滴量が少量であれば、セルを構成する流路の一部が閉塞するため、電圧変動量が小さく、電圧変動時間が短い。液適量が大量であれば、セルを構成する流路の大部分が閉塞するため、電圧変動量が大きく電圧変動時間も長くなる。このため、あらかじめ投入される液適量と電圧変動量および電圧変動時間の関係を計測しておき、その値を監視制御部17に付随する記憶装置に記憶しておき、例えばしきい値を2つ以上に分けて、液適量が少量の場合の検知、液適量が大量の場合の検知として、制御を行うことも可能である。例えば、液滴量が少量であると検知した場合は、別途記載する結露回避動作を行い、液適量が大量であれば、燃料電池スタック18に致命的なダメージを与える可能性があるため、燃料電池スタック18への電流出力指令値を下げるあるいはゼロとして燃料電池電極反応を低下あるいは停止させ、電極へのダメージを防止する制御が可能である。
また、発明者らは、投入される液適量が少ない場合、すなわち電圧変動量が小さく、電圧変動時間が瞬間的であった場合は、燃料電池スタック18のセルの流路入口に液滴が到達した直後から、ガス閉塞が発生し、その後、セパレータ内部のガス流路が分岐する、すなわちガス流路断面積が変化するところまで液滴が進行すると、ガス流路と液滴に隙間が生じてガス閉塞が解消されることを見出した。この場合、ガス流量と流路断面積から計算される平均ガス流速と、セパレータ内部のガス流路分岐部までの距離から、ガスが閉塞している時間を求めることができ、セル電圧の低下時間がガスが閉塞している時間以上に継続した場合に結露が発生したことを検知する。
このような検知構成とすることで、燃料電池スタック18に接続される電源装置(図示されていない)などの電流電圧のノイズ成分と液滴侵入によるセル電圧振動の違いを切り分けることができるため、誤検知の可能性を低減し、高精度に結露を検知することが可能となる。
また、好適な構成としては、燃料電池スタック18の各セル電圧を計測することが良いが、高コストな構成となるため、液滴が入る可能性が高いセル、例えば、ガス入口部に最も近い端部セルの電圧を計測することで代用しても良いし、電流・電圧計測部19の計測精度が高ければ、燃料電池スタック18の両端電圧を計測し、電圧振動を検知しても良い。また、発明者は、燃料電池スタック18に液滴が混入した場合には、セル反応面におけるガス分布が大きく変動することにより、セル面内の反応分布、すなわち電流分布が大きく変動することも発見した。このため、より好適な構成としては、電流・電圧計測部19に発振器を内蔵し、燃料電池スタック18の両端にスタックから取り出される電流とは別のある一定の周波数成分の微小電流を重畳させ、応答する周波数成分遅れの変動から液滴が混入したことを検知することも出来る。
この構成によれば、更に高精度に結露を検知することが可能となる。
また、発明者は燃料電池スタック18のカソードに液滴を混入させた場合に、より大きなセル電圧振動を計測することを見出した。これは、空気中の酸素分圧が20%程度しか無いため、液滴混入によるセル反応面での酸素分布の差が、改質ガスに比べて大きくなるためである。このため、電流・電圧計測部19で電圧振動を計測しながら、空気ブロワ14を適宜変動させることにより、液滴混入、すなわちカソード入口配管31での結露が生じる空気流量を求めることができる。監視制御部17は、この結露が発生する空気流量から、カソード入口配管31での放熱量を計算することで、庫内温度を逆算することができる。
この構成によれば、電流・電圧計測部19の電圧計測精度を低く、かつ、庫内温度計22が無くとも、庫内温度を推定し、結露を検知することが可能となり、実施の形態1における結露検知よりも更に低コストとなる構成とすることが可能である。
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6について説明する。基本的な構成は実施の形態1および図1と同等である。本実施の形態では、監視制御部17はオフガス燃焼器12近傍に設けられた失火検知器32の値を常時監視する。失火検知器32は、フレームロッドなどの火炎電流検知装置でも良いし、熱電対などの温度計測器でもよい。例えば、失火検知器32にフレームロッドを用いる場合、結露が発生すると、液滴が燃料電池スタック18のアノードに侵入あるいはアノード入口配管8でのバブリングにより、オフガス流量が振動するため、オフガス燃焼器12における火炎形状が変化する。また、液滴侵入量が多い場合は、ガス流量振動が大きくなりオフガス燃焼器12が失火する。監視制御部17は、フレームロッドによる火炎電流を常時監視しており、火炎形状変化あるいは失火に伴う火炎電流の変化を検知することで、燃料電池スタック18に液滴が侵入したこと、すなわち結露の発生を検知する。
また、失火検知器32に熱電対を用いる場合は、結露が発生すると燃料電池スタック18への液滴侵入あるいはアノード入口配管8でのバブリングによりオフガス流量が振動する。オフガス流量が振動すると火炎形状の変化あるいは失火により熱電対による計測温度が瞬間的に低下する。この温度低下により結露の発生を検知する。なお、失火検知器32はオフガス燃焼器12の失火を検知できればよく、例えばガス検知器としてもよい。なお、ガス検知器の場合は、燃焼排気経路27のどこかにあればよく、オフガス燃焼器12の近傍に配置する必要はない。ガス検知器を用いる場合は、オフガス燃焼器12からの排ガス成分の変化、例えば一酸化炭素や水素、未燃焼原料などの変化を検知してもよく、これらの変動を検知することで結露の発生を検知する。
この構成によれば、失火検知のために導入している失火検知器32の計測値を用いることにより、結露検知器として用いることが可能となり、追加のコストを必要とすること無く結露を検知することが可能となる。
(実施の形態7)
次に、本発明の実施の形態7について説明する。基本的な構成は実施の形態1および図1と同等である。本実施の形態では、監視制御部17は、実施の形態1等に示した方法で燃料電池スタック18のアノード入口部で結露を検知した場合、燃焼空気ファン13の操作量を増加させて、オフガス燃焼用空気量を増加させる。オフガス燃焼用の空気を増加させることにより、オフガス燃焼器12における燃焼空気比を増大させる。この操作を行うことにより、燃焼排気経路27を通過する燃焼排ガスの流量が増加する。通常運転時は、燃焼排ガスは燃焼排気経路27を通過中に、改質部5および蒸発部4へ熱を供給するため、選択酸化反応部7を通過する際には排気ガス温度が低下している。ここで、オフガス燃焼用空気量を増加させると、単位時間あたりの排気ガスから奪い去られる熱量が低下し、排気ガスが高温状態を保ちながら、選択酸化部温度計26近傍まで到達することが出来る。このため選択酸化部温度計26への排気ガスからの熱供給量が増加し、結果として改質ガスの温度を上昇させることが可能となる。具体的には、結露を検知した場合には、改質ガスが結露を解消しうる温度となるように燃焼空気比の目標値を徐々に増加させる。
本発明にかかる燃料電池システムは、より低コストかつ単純な方法で、燃料供給経路から燃料電池への凝縮水を起因とするフラッディング現象や失火現象を回避することが可能
となり発電性能低下せず安定した燃料電池システムの運転が可能となる。
1 原料ポンプ
2 改質水ポンプ
3 原料・水混合部
4 蒸発部
5 改質部
6 変成部
7 選択酸化反応部
8 アノード入口配管
9 スタック入口温度計
10 アノード出口配管
11 気液分離器
12 オフガス燃焼器
13 燃焼空気ファン
14 空気ブロワ
15 空気分岐部
16 選択酸化空気調節弁
17 監視制御部
18 燃料電池スタック
19 電流・電圧計測部
20 改質器
21 選択酸化流量計
22 庫内温度計
23 原料流量計
24 改質部温度計
25 変成部温度計
26 選択酸化部温度計
27 燃焼排気経路
28 燃焼排気温度計
29 改質器冷却ファン
30 加湿器
31 カソード入口配管
32 失火検知器

Claims (11)

  1. 原料ガスから、水素を含む燃料ガスを生成する水素生成器と、
    前記燃料ガスと酸化剤ガスとを用いて発電を行う燃料電池と、
    前記燃料ガスを前記水素生成器から前記燃料電池へと供給する燃料供給経路と、
    前記水素生成器に供給される原料ガスに水または水蒸気を供給する水供給器と、
    前記燃料供給経路における凝縮水の結露を検知した場合に、前記結露を解消する制御を行う監視制御器と、
    を備え、
    前記水素生成器は、水素含有ガスを生成する改質部と、前記改質部より送出される水素含有ガス中の一酸化炭素を低減する変成部と、前記変成部より送出される水素含有ガス中の一酸化炭素を低減する選択酸化部とを有し、
    前記監視制御器は、前記結露を検知した場合に、前記水供給器が前記水素生成器に供給する水または水蒸気の供給量を減少させ、前記原料ガスに対する水の比率を低下させる結露防止制御を実施し、
    該結露防止制御を実施中に、前記変成部の温度と前記選択酸化部の温度の少なくとも一方が予め定めたしきい値を超えた場合、前記改質部、前記変成部、前記選択酸化部の温度制御目標を低下させる燃料電池システム。
  2. 記監視制御器は、前記結露を検知した場合に、前記選択酸化部に供給される空気の供給量を増加させる、
    請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記監視制御器は、前記結露を検知した場合に、前記燃料電池の発電量を増加させる、
    請求項1または2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃料電池で発電に使用された後の燃料ガスである燃料オフガスと空気とを燃焼する燃焼器を備え、
    前記監視制御器は、前記結露を検知した場合に、前記燃焼器へ供給される空気の流量を増加させる、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃料電池で発電する電圧を測定する電圧測定器をさらに備え、
    前記監視制御器は、前記電圧測定器で測定された電圧が第1電圧以下となった場合、もしくは、前記電圧測定器で測定された電圧が所定時間で第2電圧以上低下した場合、前記結露が発生したことを検知する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  6. 時間を計測する時間計測器を備え、
    前記監視制御器は、前記電圧測定器で測定された電圧が第1電圧以下となった時間が第1時間長さ以上となった場合に、前記結露が発生したことを検知する、
    請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 記燃焼器の失火状態を検知する失火検知器を備え
    前記監視制御器は、前記失火検知器が失火を検知すると、前記結露が発生したことを検知する、
    請求項4に記載の燃料電池システム。
  8. 前記燃料供給経路の温度、前記水素生成器の温度、及び前記燃料電池システムの庫内の温度のうち少なくとも一つの温度を測定する温度測定器をさらに備え、
    前記監視制御器は、前記温度測定器が測定した温度が第1温度以下となった場合に、前記結露が発生したことを検知する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  9. 時間を計測する時間計測器を備え、
    前記監視制御器は、前記温度測定器で測定された温度が第1温度以下となった時間が第2時間長さ以上となった場合に、前記結露が発生したことを検知する、
    請求項8に記載の燃料電池システム。
  10. 前記水素生成器に供給される前記燃料ガスの流量、もしくは、前記水素生成器に供給される前記原料ガスの流量を測定する流量計を備え、
    前記監視制御器は、前記流量計で測定された前記燃料ガスの流量もしくは前記原料ガスの流量に基づいて、前記第1温度の値を変化させる、
    請求項8または9に記載の燃料電池システム。
  11. 前記燃料電池に供給される前記酸化剤ガスの流量を測定する酸化剤ガス流量計を備え、
    前記酸化剤ガス流量計で測定される流量が第1流量以下となった場合に、前記結露が発生したことを検知する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
JP2013253855A 2013-12-09 2013-12-09 燃料電池システム Active JP6240895B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013253855A JP6240895B2 (ja) 2013-12-09 2013-12-09 燃料電池システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013253855A JP6240895B2 (ja) 2013-12-09 2013-12-09 燃料電池システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015115092A JP2015115092A (ja) 2015-06-22
JP6240895B2 true JP6240895B2 (ja) 2017-12-06

Family

ID=53528744

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013253855A Active JP6240895B2 (ja) 2013-12-09 2013-12-09 燃料電池システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6240895B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6891668B2 (ja) * 2017-06-28 2021-06-18 株式会社アイシン 燃料電池システム
CN114759218B (zh) * 2022-05-20 2024-01-19 上海捷氢科技股份有限公司 一种散热结构、燃料电池系统及散热控制方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002362903A (ja) * 2001-06-12 2002-12-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 水素発生装置
JP2003007320A (ja) * 2001-06-20 2003-01-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 燃料電池システム、燃料電池発電方法、プログラム、および媒体
JP2005243614A (ja) * 2004-01-27 2005-09-08 Fuji Electric Holdings Co Ltd 燃料電池発電装置の運転方法
JP2011210405A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Toyota Motor Corp 燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法
JP2010257993A (ja) * 2010-08-05 2010-11-11 Aisin Seiki Co Ltd 燃料電池システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015115092A (ja) 2015-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006351506A (ja) 燃料電池システム
JP2011034701A (ja) 燃料電池システム
JP2005100873A (ja) 燃料電池システム
JP2015185265A (ja) 燃料電池システム
JP6706820B2 (ja) 水素生成システムおよび燃料電池システム
JPWO2006088018A1 (ja) 水素生成装置及びその運転方法並びに燃料電池システム
JP5491062B2 (ja) 燃料電池システム
JP5469503B2 (ja) 燃料電池システム
EP2602228B1 (en) Hydrogen generation device and fuel cell system
JP6240895B2 (ja) 燃料電池システム
JP2006331821A (ja) 燃料電池システム
JP5985840B2 (ja) 燃料電池システム
EP2639872B1 (en) Fuel cell system
JP5148681B2 (ja) 燃料電池システム
JP2006066115A (ja) 燃料電池システム
JP2013084456A (ja) 燃料電池システム
JP2008103278A (ja) 燃料電池システム
JP5332089B2 (ja) 燃料電池システム、燃料電池システムの停止方法
JP5311736B2 (ja) 燃料電池システム
JP2010015937A (ja) 燃料電池発電装置
JP4221662B2 (ja) 燃料電池発電装置とその運転方法
JP5147198B2 (ja) 燃料電池システム
JP2010146751A (ja) 燃料電池システム
JP2010129454A (ja) 燃料電池ユニット
JP2009032602A (ja) 燃料電池のガス洩れ検知方法およびガス洩れ検知装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160308

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20160519

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170316

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170404

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170427

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170905

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170915

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170926

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171009

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6240895

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151