JP2009032602A - 燃料電池のガス洩れ検知方法およびガス洩れ検知装置 - Google Patents

燃料電池のガス洩れ検知方法およびガス洩れ検知装置 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池のアノードとカソードのガス圧力の差を大きくすることなく、かつ出力電流密度に係る運転条件を変更することなく、通常の運転状態において、燃料電池のアノードとカソード間のガス洩れを検知する手段を提供する。
【解決手段】カソードから排出されるガスを溶解した水の二酸化炭素の濃度または電気伝導度を測定して、アノードとカソード間のガス洩れを検知する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池のアノードとカソード間のガス洩れを検知するガス洩れ検知方法およびガス洩れ検知装置に関する。
燃料電池発電装置は、外部から燃料と酸化剤を連続的に供給しながら電気化学反応により電気を得るもので、化学エネルギーを直接、電気エネルギーに変換する。燃料として、水素の他、都市ガス、LPGなどの燃料ガスが用いられ、酸化剤として、酸素や空気が使用される。使用する電解質の違いにより、リン酸型燃料電池発電装置、固体高分子型燃料電池発電装置などがある。固体高分子型燃料電池発電装置は、固体高分子型燃料電池を用いるもので、電解質として、パーフルオロスルホン酸樹脂膜などの固体高分子電解質膜が使用される。
図6は、従来技術の固体高分子型燃料電池発電装置の構成を示す図である。固体高分子型燃料電池1は、固体高分子電解質膜1cの両側に、アノード(または燃料極)1aとカソード(または空気極)1bが対向して配置されたもので、アノード1aには燃料として改質ガスが、カソード1bには酸化剤として空気がそれぞれ供給される。改質ガスは、改質器3、一酸化炭素変成器4により、都市ガス、LPGなどの燃料ガスを改質、変成したもので、水素を主成分とする他、二酸化炭素、一酸化炭素などを含む。一酸化炭素は、CO除去器5により除去され、改質ガス中の一酸化炭素濃度は低減される。
アノードに供給される改質ガスとカソードに供給される空気は、ともに加湿されて供給される。これは、固体高分子電解質膜1cが乾燥した状態では、固体高分子電解質膜1c内を水素イオンが移動できないため、固体高分子電解質膜1cを湿潤状態に保持するものである。
反応空気ブロア7により供給された空気は、酸素が電池反応により消費されたのち、カソード1bから排出され、排熱回収熱交換器22、脱炭酸装置11を経て、発電装置の外へ排気される。カソード1bからは、水も排出される。カソード1bから排出される水は、加湿するために空気に含まれた水と、後述するようにカソード1bで生成する水とから成る。この水の一部は、水蒸気として空気に含まれ、空気とともにカソード1bから排出される。しかし、カソード1bから排出された空気は、排熱回収熱交換器22において、冷却されるため、空気に含まれる水蒸気は、凝縮して水となる。このため、排熱回収熱交換器22を経た空気には、排熱回収熱交換器22の冷却温度における飽和水蒸気より多くの水蒸気は含まれず、カソード1bから排出された水のほとんどは、水(液体)として、脱炭酸装置11に流入する。
固体高分子型燃料電池1は、電池反応により発熱するため、電池冷却水ポンプ8によって供給された冷却水により冷却され、一定温度に保持される。固体高分子型燃料電池1の冷却に使用された冷却水は、排熱回収熱交換器22において、熱を放出したのち、電池冷却水タンク9にて貯留され、再び電池冷却水ポンプ8によって、固体高分子型燃料電池1に供給される。
電池反応において、アノード1aでは、水素がイオン化されて水素イオン(H+)が発生する。水素イオンは、固体高分子電解質膜1c内を移動して、カソード1bに達し、カソード1bに供給された空気中の酸素と反応して、水(H2O)を生成する。ここで、アノード1aの水素とカソード1bの酸素は、固体高分子電解質膜1cにより隔離され、両者が直接、反応することはない。
しかし、固体高分子電解質膜1cに微小な貫通孔があるときは、水素がカソード1bに洩れて、酸素と直接、反応することとなる。また、固体高分子電解質膜1cの厚みが薄くなったときは、水素が固体高分子電解質膜1cを透過しやすくなり、カソード1bに洩れて、酸素と反応することを生じる。このように、アノード1aの水素がカソード1bに洩れ、酸素と反応するときは、発熱を生じるため、洩れを生じた箇所の固体高分子電解質膜1cは損傷することがある。このとき、貫通孔径の拡大を生じるならば、水素の洩れが増すこととなる。また、水素のカソード1bへの洩れは、開回路電圧の低下として現れ、電池電圧の低下は、所望の発電出力を得ることを困難とする。
このため、水素のカソード1bへの洩れ、すなわち固体高分子電解質膜1cを介したアノード1aとカソード1b間のガス洩れを早期に検知し、固体高分子電解質膜1cの交換など対応措置をとることが求められる。
燃料電池のガス洩れを検知する技術として、特許文献1は、アノード1aに供給される水素の圧力を、カソード1bに供給される空気の圧力よりも高く維持した状態で、活性化過電圧領域で出力電圧を測定し、測定された出力電圧の値が、所定の電圧値以下であった場合には、ガスが洩れていると判定するガス洩れ検知方法を開示する。特許文献1の技術は、水素のカソード1bへ洩れがあるとき、活性化過電圧領域における出力電圧の低下が大であることに基づくものであり、容易にガス洩れを検知できる効果を奏すると述べられている。しかし、本技術には、つぎのような問題点がある。
本技術は、アノード1aに供給される水素の圧力を、カソード1bに供給される空気の圧力よりも高く維持した状態で、活性化過電圧領域で出力電圧を測定する。アノード1aに供給される水素の圧力を、カソード1bに供給される空気の圧力よりも高く維持する、すなわち、アノード1aとカソード1bのガス圧力について、両者の差を大きくするのは、水素のカソード1bへの透過量を大とし、ガス洩れの検知精度を確保するためである。しかし、アノード1aとカソード1bのガス圧力の差を大きくして維持することは、すでに存在する微小な貫通孔を拡大する、あるいは新たな貫通孔を生じさせる原因となり、水素のカソード1bへの洩れを増大させることとなる。
また、活性化過電圧領域、すなわち出力電流の電流密度が低電流密度である領域で出力電圧を測定するのは、水素のカソード1bへの洩れがあるとき、活性化過電圧領域、すなわち低電流密度領域において、出力電圧が大きく低下するため、ガス洩れがないときの出力電圧との差が大きくなり、ガス洩れを精度よく検知できるためであると述べられている。
しかし、燃料電池は、低電流密度での運転に限らず、低電流密度より電流密度が高い中間電流密度領域や高電流密度領域においても運転される。通常の運転時に、中間電流密度を出力電流密度として運転する燃料電池について、本技術によりガス洩れ検知を行うときには、出力電流密度を低電流密度に変更して運転することを要することとなる。しかし、低電流密度の運転では、通常の運転時の発電出力が得られないこともあり、低電流密度に変更することなく、通常の運転状態において、ガス洩れを検知できることが望ましい。
特許文献1の他にも、特許文献2や特許文献3において、ガス洩れ検知方法に係る技術が開示されているが、いずれも、電流が流れない状態、すなわち開回路の状態において、出力電圧を測定し、ガス洩れがあるときには、出力電圧が急激に低下することをもとに、ガス洩れを検知するものである。したがって、特許文献2、特許文献3の技術によって、ガス洩れを検知するには、電流が流れない状態とすることが必要であり、両技術は燃料電池の通常の運転状態において、ガス洩れの検知を可能とするものではない。
このため、アノード1aとカソード1bのガス圧力の差を大きくすることなく、かつ出力電流密度に係る運転条件を変更することなく、通常の運転状態において、燃料電池のアノード1aとカソード1b間のガス洩れを検知する技術が求められる。
そこで、本発明は、アノード1aとカソード1bのガス圧力の差を大きくすることなく、かつ出力電流密度に係る運転条件を変更することなく、燃料電池のアノード1aとカソード1b間のガス洩れを検知する手段を提供することを課題とする。
特開2003−45466号公報 特開平9−27336号公報 特表2000−513134号公報
上記課題は、アノード1aからカソード1bに洩れた二酸化炭素が溶解した水に含まれる二酸化炭素の濃度または水の電気伝導度を測定して、アノードとカソード間のガス洩れを検知する手段により解決できる。
請求項1に記載の発明は、燃料電池のアノードとカソード間のガス洩れを検知する方法において、前記カソードから排出されるガスを溶解した水の二酸化炭素の濃度または電気伝導度を測定して、前記ガス洩れを検知することを特徴とする燃料電池のガス洩れ検知方法に係るものである。
燃料電池の燃料として使用される改質ガスには、二酸化炭素が含まれる。したがって、固体高分子電解質膜1cに貫通孔があり、アノード1aの水素がカソード1bに洩れるときには、二酸化炭素もカソード1bに洩れることとなる。カソード1bに洩れた二酸化炭素は、空気、水とともに存在し、二酸化炭素の一部は、水に溶解し溶存する。
ここで、二酸化炭素は、ヘンリーの法則(一定温度で一定量の液体に溶解する気体の質量は、溶液と平衡にある気体の分圧に比例する。)に従って、水に溶解する。すなわち、一定量の水に溶解する二酸化炭素の質量(mg)は、気相中の二酸化炭素の濃度(体積百分率)に依存し、二酸化炭素の濃度(体積百分率)が増すほど、水に溶解する二酸化炭素の質量(mg)は増す。そして、水に溶解した二酸化炭素の質量(mg)、すなわち水に含まれる二酸化炭素の濃度(mg/水1L)を測定できるときは、気相中の二酸化炭素の濃度(体積百分率)を求めることができる。
本発明は、二酸化炭素が溶解した水について、水に含まれる二酸化炭素の濃度を測定するものである。二酸化炭素が溶解した水の二酸化炭素の濃度(mg/水1L)を測定することにより、気相中の二酸化炭素の濃度(体積百分率)を求めることができる。そして、カソード1bに二酸化炭素が存在し、二酸化炭素の濃度(体積百分率)が求められることは、アノード1aからカソード1bへのガス洩れがあることを示す。アノード1aとカソード1bは、固体高分子電解質膜1cによって隔離されており、固体高分子電解質膜1cを介してアノード1aからカソード1bへガス洩れがないかぎり、アノード1aに供給された二酸化炭素がカソード1bに存在することはないからである。
したがって、本発明によって二酸化炭素が溶解した水の二酸化炭素の濃度(mg/水1L)を測定することにより、アノード1aからカソード1bへのガス洩れを検知することができる。
水に溶解した二酸化炭素は水素イオン(H+)を解離する炭酸(H2CO3)を生じることから、二酸化炭素が溶解した水は電気伝導性を示す。水に溶解する二酸化炭素の量が増したときは、水の電気伝導度が増大する。
本発明は、二酸化炭素が溶解した水について、水の電気伝導度を測定するものである。測定した水の電気電導度の値が、大気中の二酸化炭素が含まれる通常の水の電気伝導度より大きな場合、カソード1bに洩れた二酸化炭素が水に溶解したとして、アノード1aからカソード1bへのガス洩れを検知することができる。
請求項2に記載の発明は、前記カソードからガスと水を排出する排出管に水タンクを接続し、前記水タンク内に溜まった水について、前記二酸化炭素の濃度または前記電気伝導度を測定して、前記ガス洩れを検知することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池のガス洩れ検知方法に係るものである。
カソード1bからガスと水を排出する排出管に接続された水タンクには、水が溜まる。水タンク内に溜まった水(液相部)には、カソード1bから排出された水蒸気が凝縮した水が含まれる。水タンク内の空間部(気相部)は、カソード1bから排出されたガスにより満たされる。二酸化炭素がアノード1aからカソード1bへ洩れたときは、気相部のガスに含まれ、その一部は液相部の水に溶解することとなる。
本発明は、カソード1bからガスと水を排出する排出管に水タンクを接続し、水タンク内に溜まった水について、二酸化炭素の濃度または電気伝導度を測定するものである。二酸化炭素がカソード1bへ洩れたときは、二酸化炭素は水タンク内の気相部に存在し、水タンク内の水に溶解することから、水の二酸化炭素の濃度または電気伝導度を測定することにより、アノード1aからカソード1bへのガス洩れを検知することができる。
請求項3に記載の発明は、燃料電池のアノードとカソード間のガス洩れを検知する装置において、前記カソードからガスと水を排出する排出管に接続される水タンクと、前記水タンク内に溜まった水の二酸化炭素の濃度または電気伝導度を測定する測定部と、前記測定部が発する前記二酸化炭素の濃度または前記電気電導度の測定値に係る信号を受信する制御部と、警報を発する警報部とを備え、前記制御部は、前記測定値が所定の基準値を超えるものであるとき、警報発令の信号を前記警報部に発し、かつ運転停止の信号を燃料電池発電装置に発するものであることを特徴とする燃料電池のガス洩れ検知装置に係るものである。
本発明に係る燃料電池のガス洩れ検知装置は、カソードからガスと水を排出する排出管に接続される水タンクと、水タンク内に溜まった水の二酸化炭素の濃度または電気伝導度を測定する測定部と、測定部が発する二酸化炭素の濃度または電気電導度の測定値に係る信号を受信する制御部と、警報を発する警報部とを備える。
カソード1bからガスと水を排出する排出管に接続した水タンクには、水が溜まる。二酸化炭素がカソード1bへ洩れたときは、二酸化炭素は水タンク内の気相部に存在し、水タンク内の水に溶解する。測定部は、二酸化炭素が溶解した水の二酸化炭素の濃度または電気伝導度を測定し、その測定値に係る信号を制御部に送信する。測定値に係る信号を受信した制御部は、この測定値と所定の基準値を比較する。さらに、制御部は測定値が所定の基準値を超えるものであるときは、警報発令の信号を警報部に発し、かつ運転停止の信号を燃料電池発電装置に発する。
ここで、基準値は、測定値が基準値を超えた場合に、ガス洩れがあると判断するための二酸化炭素の濃度または電気伝導度の値である。基準値は、ガス洩れがあるときに生じる開回路電圧の低下量と、水タンク内の水の二酸化炭素の濃度または電気伝導度との関係をもとに求めることができる。たとえば、ガス洩れが有り、開回路電圧の低下量が0.1Vであって、さらに燃料電池の運転を継続すれば、電池特性の急激な低下に至ると判断したときは、開回路電圧の低下量0.1Vに対応する二酸化炭素の濃度の値を基準値とすることができる。
以上のように、本発明は二酸化炭素の濃度または電気伝導度の測定値をもとにガス洩れを検知するものであり、測定値が基準値を超えたときは、警報を発するとともに、燃料電池の運転を停止する措置をとるものである。
請求項1、請求項2または請求項3に記載の発明は、二酸化炭素が溶解した水の二酸化炭素の濃度または電気伝導度を測定することにより、アノード1aからカソード1bへのガス洩れを検知する。カソード1bへのガス洩れがあるときは、洩れた二酸化炭素がカソード1bから排出された水に溶解し、含まれることに基づくものである。
アノード1aとカソード1bを隔離する固体高分子電解質膜1cにガス洩れを生じる箇所があるときは、カソード1bに供給された改質ガス中の二酸化炭素は、カソード1bに洩れ、水に溶解して溶存する。この二酸化炭素がカソード1bに洩れ、水に溶存することは、アノード1aとカソード1bへ供給するガス圧力を同じとした運転条件においても、生じるものであり、格別、アノード1aとカソード1bのガス圧力の差を大きくすることを要しない。したがって、本発明によれば、格別、アノード1aとカソード1bのガス圧力の差を大きくすることなく、カソード1bに洩れた二酸化炭素が溶解した水の二酸化炭素の濃度または電気電導度を測定することにより、アノード1aからカソード1bへのガス洩れを検知することができる。
本発明において、カソード1bに洩れた二酸化炭素が溶解した水の二酸化炭素の濃度または電気電導度を測定する際に、格別、運転条件を変えることを要しない。燃料電池の連続運転中においても、運転条件を変更することなく、そのままの状態で、二酸化炭素の濃度または電気伝導度を測定することができる。したがって、本発明によれば、従来のガス洩れ検知手段が必要とする出力電流密度に係る運転条件の変更を要することなく、二酸化炭素の濃度または電気電導度を測定することにより、アノード1aからカソード1bへのガス洩れを検知することができる。
以上のように、本発明は、格別、アノード1aとカソード1bのガス圧力の差を大きくすることなく、かつ、出力電流密度に係る運転条件を変更することなく、二酸化炭素の濃度または電気伝導度を測定することにより、アノード1aからカソード1bへのガス洩れを検知する手段を提供するものである。
本発明のガス洩れ検知方法およびガス洩れ検知装置を用いて、燃料電池のアノード1aとカソード1b間のガス洩れを検知する実施例について、以下の実施例1にて説明するが、実施例1の前に、予備実験として、水素がカソード1bへ洩れたときに生じる開回路電圧の低下と、カソード1bに洩れた二酸化炭素が溶解した水に含まれる二酸化炭素の濃度との関係を求める実験を行った。また、併せて、水素がカソード1bへ洩れたときに生じる開回路電圧の低下と、カソード1bに洩れた二酸化炭素が溶解した水の電気伝導度との関係を求めることも行った。
予備実験
固体高分子電解質型燃料電池1として、電極面積100cm2の単セルを用いた。単セルのアノード1aに水素と二酸化炭素の混合ガスを、カソード1bに空気をそれぞれ供給し、電流を流さない開回路の状態において、単セルの開回路電圧を測定した。また、カソード1bからガスと水を排出する排出管に、水タンクを接続した。水タンクに溜まった水について、水に溶解した二酸化炭素の濃度をポータブル炭酸ガス濃度計(東亜デイーケーケー(株)製、CGP・1)により、また水の電気伝導度を電気伝導度計(東亜電波工業(株)製、CM・20S)により、それぞれ測定した。
アノード1aの混合ガスのガス圧力を、カソード1bの空気のガス圧力よりも高くして、混合ガスのカソード1bへの洩れを大きくし、両者の圧力の差を変えて、開回路電圧を測定した。アノード1aとカソード1bのガス圧力の差(アノード1aの方がカソード1bより高い。)を変えて、開回路電圧の低下量(ガス圧力の差がないときの開回路電圧の値を基準とする。)を求めた結果を図2に示す。ガス圧力の差が大となるに従い、開回路電圧の低下量は増すものとなる。これは、ガス圧力の差が大となるに従い、水素が固体高分子電解質膜1cを介してカソード1bに洩れる量が増し、開回路電圧の低下が大となったことを示している。
次に、アノード1aとカソード1bのガス圧力の差を変えて、水タンク内の水に溶解した二酸化炭素の濃度(ppm)を求めた結果を図3に示す。ガス圧力の差が大となるに従い、二酸化炭素の濃度(ppm)が増す結果である。ここで、二酸化炭素の濃度(ppm)は、1Lの水(30℃)に溶存する二酸化炭素の質量(mg)を表す。水タンク内気相部の二酸化炭素の濃度(体積百分率)は、水に溶存する二酸化炭素の濃度(ppm)をもとにヘンリーの法則により求められる。たとえば、水タンク内の水に溶存する二酸化炭素の濃度が30ppmであるとき、気相部の二酸化炭素の濃度(体積百分率)は2%であり、溶存する二酸化炭素の濃度(ppm)が増すに従い、気相部の二酸化炭素の濃度(体積百分率)は増す。なお、大気中の二酸化炭素の濃度は、通常0.03%(体積百分率)ほどであり、この二酸化炭素が水1L(30℃)に溶解する質量は、0.5mgほどである。
したがって、図3において、ガス圧力の差が大となるに従い、二酸化炭素の濃度(ppm)が増す結果であるのは、ガス圧力の差が大となるに従い、気相部の二酸化炭素の濃度(体積百分率)が増したことを表す。これは、混合ガスに含まれる二酸化炭素が、水素と同様にカソードに洩れ、その洩れる量が、ガス圧力の差が大となるに従い、増大したことによる。
アノード1aとカソード1bのガス圧力の差を変えて、水タンク内の水の電気伝導度を求めた結果を図4に示す。ガス圧力の差が大となるに従い、電気伝導度が増す結果である。水タンク内の水が電気伝導性を示すのは、水に二酸化炭素が溶解し、水素イオン(H+)を解離する炭酸(H2CO3)を生じたことによる。ガス圧力の差が大となるに従い、電気伝導度が増す結果であるのは、ガス圧力の差が大となるに従い、タンク内の水に溶存する二酸化炭素の濃度(ppm)が増したことによる。
図2と図3の結果をもとに、アノード1aとカソード1bのガス圧力の差を変えて得られた開回路電圧の低下量と、水タンク内の水に溶解した二酸化炭素の濃度(ppm)との関係を求めた結果を図5に示す。図5に基づいて、二酸化炭素の濃度の測定値をもとに、ガス洩れの有無を判断するための基準値を求めることができる。すなわち、測定値が所定の基準値を超えた場合に、ガス洩れがあると判断する基準値を求めるものである。たとえば、開回路電圧の低下量が0.1Vであるときは、さらに燃料電池の運転を継続すれば、電池特性の急激な低下に至ると判断したときは、図5において、開回路電圧の低下量0.1Vに対応する二酸化炭素の濃度100ppmを基準値とすることができる。
電気伝導度の測定値をもとに、ガス洩れの有無を判断するための基準値についても同様に、図2と図4の結果から得られる開回路電圧の低下量と、電気伝導度との関係をもとに求めることができる。
実施例1を図1にて説明する。図1は、実施例1に係るガス洩れ検知装置の構成を示すものである。本ガス洩れ検知装置は、水タンク50、測定部51、制御部52および警報部53とから構成される。
水タンク50は、固体高分子型燃料電池1のカソード1bからガスと水を排出する排出管54に接続されるもので、カソード1bから排出された水を溜めることができる。水タンク50内に溜まった水50aの上部空間(気相部)50bは、カソード1bから排出されたガスによって満たされる。水タンク50には、カソード1bから排出されたガスと水を水タンク内に導入する導入管55、溜まった水50aを排出する排水管56および気相部50bのガスを排気する排気管57が設けられている。排水管56には、水タンク50内の水50aの量を一定に保持する調節バルブ58が接続されている。
測定部51は、水タンク50内の水50aに含まれる二酸化炭素の濃度(ppm)を測定するものである。二酸化炭素の濃度の測定は、ポータブル炭酸ガス濃度計(東亜デイーケーケー(株)製、CGP・1)を用いて行うことができる。測定した二酸化炭素の濃度の値は信号線によって制御部52に送られる。
制御部52は、測定部51が発した測定値に係る信号を受けて、警報発令の信号と固体高分子型燃料電池1の運転停止の信号を発するものである。制御部52は、二酸化炭素の濃度の測定値が、所定の基準値を超えるものであるときは、警報発令の信号を警報部53に送るとともに、運転停止の信号を信号線59により固体高分子型燃料電池発電装置に送る。
以上のガス洩れ検知装置を固体高分子型燃料電池1と組み合わせ、アノード1aとカソード1b間のガス洩れを検知する実験を行った。
固体高分子型燃料電池1として、電極面積100cm2の単セルを用いた。単セル10個を製作し、セル番号を付して、セル1〜セル10とした。10個の単セルそれぞれに、本ガス洩れ検知装置を組み合わせて、3000時間の連続運転実験を行った。燃料として改質ガス(水素75%、二酸化炭素20%)をアノード1aに、酸化剤として空気をカソード1bにそれぞれ供給し、出力電流密度を0.4A/cm2として、運転実験を開始した。供給ガス圧力はともに0.12MPaとした。
本ガス洩れ検知装置の制御部52は、二酸化炭素の濃度の測定値が、所定の基準値を超えるものであるときは、警報発令の信号を警報部53に送信する。基準値として、予備実験の結果をもとに、開回路電圧の低下量0.1Vに対応する二酸化炭素の濃度100ppmを設定した。
運転開始後、3時間経過したときに、各セルに接続した水タンク50内の水50aの二酸化炭素の濃度を測定した結果、セル1〜10のすべてについて、二酸化炭素の濃度は1ppm以下であった。以後、各セルについて、一時間ごとに二酸化炭素の濃度を測定し、測定値の変化を記録した。1500時間経過において、セル5以外の単セルでは測定値の大きな変化はなかったが、セル5は、二酸化炭素の濃度が急に増大し、基準値の100ppmに達した。このため、制御部52から、警報発令の信号が警報部53に送信され、同時に運転停止の信号がセル5に送信された結果、警報が鳴り、セル5の運転は停止した。運転を停止したセル5について、開回路電圧を測定した結果、運転実験開始前の開回路電圧の値より0.1V低下した値であった。また、アノード1aにのみ窒素を供給し、カソード1bから排出されるガスの流量を、液膜流量計(エステック(株)製、SF−1)を用い測定した結果、100ml/min.の流量があり、アノード1aからカソード1bへのガス洩れが認められた。さらに、セル5を分解し、固体高分子電解質膜1cを観察した結果、微小な貫通孔が観察された。
セル5以外の単セルについて、さらに運転を継続した。2400時間経過において、セル7以外の単セルでは測定値の大きな変化はなかったが、セル7は、二酸化炭素の濃度が急に増大し、基準値の100ppmに達した。このため、制御部52から、警報発令の信号が警報部53に送信され、同時に運転停止の信号がセル5に送信された結果、警報が鳴り、セル5の運転は停止した。運転を停止したセル7について、開回路電圧を測定した結果、運転実験開始前の開回路電圧の値より0.1V低下した値であった。また、アノード1aにのみ窒素を供給し、カソード1bから排出されるガスの流量を測定したが、100ml/min.の流量があり、アノード1aからカソード1bへのガス洩れが認められた。さらに、セル7を分解し、固体高分子電解質膜1cを観察した結果、微小な貫通孔が観察された。
残りの8個のセルについて、3000時間まで運転を継続し、連続運転実験を終了したが、すべてのセルにおいて、二酸化炭素濃度の測定値に大きな変化は認められなかった。8個のセルすべてについて、開回路電圧を測定したが、すべて運転実験開始前の開回路電圧の値とほぼ同じであった。また、アノード1aにのみ窒素を供給し、カソード1bから排出されるガスの流量を測定したが、ガスの流れは無かった。さらに、8個のセルのすべてを分解し、固体高分子電解質膜1cを観察したが、貫通孔などの損傷は認められなかった。
以上の連続運転実験において、水50aに溶存する二酸化炭素の濃度が増大したセルは、開回路電圧の値が低下した。また、カソード1bへのガス洩れが認められ、固体高分子電解質膜1cに微小な貫通孔が生じていた。これは、固体高分子電解質膜1cに貫通孔があり、アノード1aからカソード1bにガスが洩れたセルは、二酸化炭素の濃度が増大したことを示す。
一方、二酸化炭素の濃度に変化がなかったセルは、開回路電圧の値に低下はなく、カソード1bへのガス洩れも無かった。また、固体高分子電解質膜1cに貫通孔などの損傷は観察されなかった。固体高分子電解質膜1cに貫通孔が無ければ、カソード1bへのガス洩れは無く、二酸化炭素の濃度に変化がない結果である。
以上において、ガス洩れの有無と、二酸化炭素の濃度の変化とは対応関係にあり、二酸化炭素の濃度を測定することによって、アノード1aとカソード1b間のガス洩れを検知することができる。
以上の実施例1では、二酸化炭素が溶解した水タンク50内の水50aの二酸化炭素の濃度を測定したが、水50aの電気伝導度を測定することによっても、ガス洩れを検知することができる。電気伝導度は、電気伝導度計(東亜電波工業(株)製、CM・20S)を用いて測定することができるが、電気伝導度計は、長期間使用しても、測定素子などのメンテナンスが不要であり、ガス洩れを長期間、連続して監視する場合に適している。また、測定部51は、炭酸ガス濃度計と電気伝導度計をともに用いて、二酸化炭素の濃度および電気伝導度を測定することもできる。
なお、実施例1で用いたガス洩れ検知装置を図6の固体高分子型燃料電池発電装置に組み合わせて使用する場合には、排熱回収熱交換器22の出口、すなわちカソードから排出されたガスと水が排出される出口に、ガス洩れ検知装置の水タンク50を接続することが望ましい。
本発明の実施例1に係るガス洩れ検知装置の構成を表す図 本発明の実施例に係る予備実験結果を表す図 本発明の実施例に係る予備実験結果を表す図 本発明の実施例に係る予備実験結果を表す図 本発明の実施例に係る予備実験結果を表す図 従来技術の固体高分子型燃料電池発電装置の構成を表す図
符号の説明
1 固体高分子型燃料電池
1a アノード
1b カソード
1c 固体高分子電解質膜
3 改質器
4 一酸化炭素変成器
5 CO除去器
7 反応空気ブロア
8 電池冷却水ポンプ
9 電池冷却水タンク
11 脱炭酸装置
22 排熱回収熱交換器
50 水タンク
50a 水タンク内の水
50b 水タンク内の気相部
51 測定部
52 制御部
53 警報部
54 排出管
55 導入管
56 排水管
57 排気管
58 調節バルブ
59 信号線

Claims (3)

  1. 燃料電池のアノードとカソード間のガス洩れを検知する方法において、前記カソードから排出されるガスを溶解した水の二酸化炭素の濃度または電気伝導度を測定して、前記ガス洩れを検知することを特徴とする燃料電池のガス洩れ検知方法。
  2. 前記カソードからガスと水を排出する排出管に、水タンクを接続し、前記水タンク内に溜まった水について、前記二酸化炭素の濃度または前記電気伝導度を測定して、前記ガス洩れを検知することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池のガス洩れ検知方法。
  3. 燃料電池のアノードとカソード間のガス洩れを検知する装置において、前記カソードからガスと水を排出する排出管に接続される水タンクと、前記水タンク内に溜まった水の二酸化炭素の濃度または電気伝導度を測定する測定部と、前記測定部が発する前記二酸化炭素の濃度または前記電気電導度の測定値に係る信号を受信する制御部と、警報を発する警報部とを備え、前記制御部は、前記測定値が所定の基準値を超えるものであるとき、警報発令の信号を前記警報部に発し、かつ運転停止の信号を燃料電池発電装置に発するものであることを特徴とする燃料電池のガス洩れ検知装置。
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