以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施の形態1)
先ず、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システムの構成について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システムの構成を模式的に示すブロック図である。尚、図1では、本発明を説明するために必要となる構成要素のみを示し、その他の構成要素については図示を省略している。
図1に示すように、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システム100は、天然ガス等の原燃料を導入してこれを後述する燃料処理器3に供給する原燃料供給器1を備えている。この原燃料供給器1は、図1では特に図示しないが、例えばベローズポンプを備えており、このベローズポンプの動作により原燃料の供給量を適宜調整しながら、燃料処理器3に向けて原燃料を供給する。尚、ベローズポンプの動作は、後述する制御器11により適宜制御される。これにより、原燃料供給器1から燃料処理器3への原燃料の供給量が調整される。
又、図1に示すように、この燃料電池システム100は、水蒸気を発生させるための水を導入して、これを燃料処理器3に供給する、水供給器2を備えている。この水供給器2は、図1では特に図示しないが、例えばプランジャーポンプを備えており、このプランジャーポンプの動作により水の供給量を適宜調整しながら、燃料処理器3に向けて水を供給する。尚、プランジャーポンプの動作は、制御器11によって適宜制御される。これにより、水供給器2から燃料処理器3への水の供給量が調整される。
又、図1に示すように、この燃料電池システム100は、原燃料供給器1及び水供給器2から供給される原燃料及び水を用いて水素を含有する水素含有ガスを生成する燃料処理器3を備えている。この燃料処理器3は、所定の改質触媒を備え、原燃料供給器1から天然ガス等の原燃料が供給されると共に、水供給器2から水蒸気を発生させるための水が供給されて、その所定の改質触媒によって原燃料及び水を用いる水蒸気改質反応を進行させることにより、水素を含有する水素含有ガスを生成する。
水素含有ガスが生成される際、燃料処理器3が有する所定の改質触媒は、水蒸気改質反応の進行に適した温度において維持される。例えば、所定の改質触媒としてRu系遷移金属触媒が用いられる場合、約700℃の温度で維持されるよう、所定の改質触媒が加熱される。この所定の改質触媒の加熱は、本実施の形態では、燃焼用燃料の燃焼により発生する熱エネルギーが用いられて行われる。そのため、図1に示すように、本実施の形態に係る燃料処理器3は、燃焼器5を備えている。この燃焼器5は、原燃料として供給される天然ガスや、後述する燃料電池4から排出される発電に用いられなかった残余水素含有ガス等の燃焼用燃料を燃焼させることにより、熱エネルギーを発生させる。この燃焼器5が発生させる熱エネルギーにより、燃料処理器3が備える所定の改質触媒が水蒸気改質反応の進行に適した温度において維持される。これにより、燃料処理器3は、水素含有ガスを効率良く生成する。
ここで、本実施の形態では、燃料処理器3が備える所定の改質触媒の温度は、燃焼器5に供給される燃焼用燃料としての天然ガスの供給量が調整されることにより、適切に制御される。そのため、図1に示すように、燃料電池システム100は燃焼用燃料調節器6を備えている。この燃焼用燃料調節器6は、図1では特に図示しないが、流量調整弁を備えており、この流量調整弁の動作により燃焼用燃料の供給量を適宜調整しながら、燃焼器5に向けて燃焼用燃料を供給する。尚、流量調整弁の動作は、制御器11により適宜制御される。これにより、燃焼用燃料調節器6から燃焼器5への燃焼用燃料の供給量が適切に調整される。
又、燃焼器5においては、原燃料として供給される天然ガスや、燃料電池4から排出される残余水素含有ガス等の燃焼用燃料を燃焼させる際、所望量の空気が必要となる。そのため、図1に示すように、燃料電池システム100はブロア7を備えている。このブロア7は、例えばブラシレスDCモーターを備えており、このブラシレスDCモーターの動作により空気の供給量を適宜調整しながら、燃焼器5に向けて空気を供給する。尚、ブラシレスDCモーターの動作は、制御器11により燃焼用燃料の供給量に応じて適宜制御される。これにより、大気中から燃焼器5への空気の供給量が適切に調整される。
加えて、図1に示すように、本実施の形態に係る燃料処理器3は、圧力検知器9及び温度検知器10を備えている。ここで、圧力検知器9は、所定の圧力センサを備えており、この所定の圧力センサが燃料処理器3の内部における所定の位置に配設されて、燃料処理器3の内部の圧力を検知する。そして、圧力検知器9は、燃料処理器3の内部の圧力に応じた電気信号を制御器11に向けて出力する。一方、温度検知器10は、所定の温度センサを備えており、この所定の温度センサが燃料処理器3の筐体における所定の位置、その内部における所定の位置、及び、燃料処理器3が備える所定の改質触媒の表面又はその内部における所定の位置の少なくとも何れかの箇所に配設されて、燃料処理器3における少なくとも何れかの箇所の温度を検知する。そして、温度検知器10は、燃料処理器3における少なくとも何れかの箇所の温度に応じた電気信号を制御器11に向けて出力する。
尚、本実施の形態では、燃料処理器3が備える所定の改質触媒としてRu系遷移金属触媒を使用する形態について例示しているが、この形態に限定されることはなく、例えばNi系遷移金属触媒やその他の改質触媒を使用する形態としてもよい。かかる形態であっても、本発明を実施することが可能である。
又、本実施の形態では、図1では特に図示しないが、燃料処理器3は、所定の改質触媒に加えて、所定の変成触媒(水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を低減させるための水性ガスシフト反応を進行させるPt系遷移金属触媒やCu−Zn系合金触媒等)や、所定の酸化触媒又はメタン化触媒(水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を更に低減させるための酸化反応又はメタン化反応を進行させるRu系遷移金属触媒やPt系遷移金属触媒やRh系遷移金属触媒等)を備えている。
一方、図1に示すように、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システム100は、ブロア8を備えている。このブロア8は、例えばブラシレスDCモーターを備えており、このブラシレスDCモーターの動作により空気の供給量を適宜調整しながら、燃料電池4に向けて空気に代表される酸化剤を供給する。尚、ブラシレスDCモーターの動作は、制御器11により水素含有ガスの生成量に応じて適宜制御される。これにより、大気中から燃料電池4への酸化剤の供給量が適切に調整される。
そして、この燃料電池システム100は、その発電部の本体としての燃料電池4を備えている。この燃料電池4としては、本実施の形態では、例えば、固体高分子型燃料電池が用いられている。この固体高分子型燃料電池は、燃料処理器3で生成された水素含有ガスがそのアノード側に供給されると共に、酸化剤がそのカソード側に供給されて、各々の電極触媒上で所定の電気化学反応が進行することにより、所定の電力を出力する。尚、この燃料電池4としては、固体高分子型燃料電池の他に、例えば、リン酸型燃料電池を用いることも可能である。このリン酸型燃料電池は、発電運転の際の動作温度がその他の燃料電池の場合と比較して低温であるため、固体高分子型燃料電池と共に、燃料電池システム100を構成する燃料電池4として好適に用いられる。
更に、図1に示すように、この燃料電池システム100は、燃料電池システム100を構成する各構成要素の動作を適宜制御する制御器11を備えている。そして、この制御器11は、図1では特に図示しないが、中央演算処理装置や記憶部等の構成要素を備えている。又、この制御器11は、図1に示すように、計時部11aを備えている。ここで、この計時部11aは、燃料電池システム100や水供給器2等の構成要素の運転時間や、予め記憶部に記憶されている処理命令が実行された場合の経過時間等を必要に応じて計測する。更に、この制御器11は、圧力検知器9及び温度検知器10に代表される検知器の出力信号に基づき、燃料電池システム100やそれを構成する各構成要素の動作を制御することが可能に構成されている。尚、燃料電池システム100の各構成要素の動作に係るプログラムは、予め制御器11の記憶部に記憶されている。そして、この記憶部に記憶されているプログラムに基づいて、制御器11の中央演算処理装置が燃料電池システム100の動作及びそれを構成する各構成要素の動作を適宜制御する。
尚、図1に示すように、燃料電池システム100を構成する各構成要素は、所定の接続配管や配線材料等によって相互に接続されている。
次に、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システムの特徴的な動作及びその基礎となる本発明の原理について、図面を参照しながら詳細に説明する。
先ず、以下に記載する本実施の形態に係る燃料電池システムの特徴的な動作の基礎となる本発明の原理について、模式的に説明する。
本発明は、図1に示す制御器11が、燃料処理器3に水が供給されるよう水供給器2が制御されているときの圧力検知器9により検知される燃料処理器3の内部の圧力に基づいて、燃料電池システム100の運転を継続又は停止させることを特徴としている。
具体的に説明すると、本発明では、水供給器2から燃料処理器3に原燃料の供給割合に応じた適切な供給割合以上で水が供給されている場合には燃料電池システム100の運転を継続させ、それとは反対に、水供給器2から燃料処理器3に原燃料の供給割合に応じた適切な供給割合以上で水が供給されてはいない場合には、燃料電池システム100の運転を強制的に停止させる。そして、本発明では、水供給器2から燃料処理器3に原燃料の供給割合に応じた適切な供給割合以上で水が供給されているか否かを、水の供給量を検出器により検出するのではなく、燃料処理器3の内部の圧力に基づいて判断する。
例えば、制御器11が燃料処理器3に水が供給されるよう水供給器2を制御しているとき、燃料処理器3に水が全く供給されていない場合には、水蒸気改質反応が全く進行しないため、燃料処理器3の内部の圧力は概ね大気圧と等しい圧力となっている。一方、制御器11が燃料処理器3に水が供給されるよう水供給器2を制御しているとき、燃料処理器3に水が原燃料の供給割合に応じた適切な供給割合以上で供給され、水蒸気改質反応が好適に進行している場合、即ち、水素含有ガスの生成に係る転化率が所定の転化率閾値以上である場合には、水蒸気改質反応により大量の水素が生成されるため、燃料処理器3の内部の圧力が大幅に上昇している。従って、転化率が所定の転化率閾値以上のときに燃料処理器3の内部の圧力を検知すれば、水供給器2から燃料処理器3に原燃料の供給割合に応じた適切な供給割合以上で水が供給されているか否かを正確に判断することができる。
本実施の形態では、水供給器2から燃料処理器3に原燃料の供給割合に応じた適切な供給割合以上で水が供給されているか否かを判断する場合、水素含有ガスの生成に係る転化率が所定の転化率閾値以上となっているか否かを、温度検知器10により検知される所定の改質触媒等の温度が所定の温度閾値以上となっているか否かにより見極める。そして、温度検知器10により検知される所定の改質触媒等の温度が所定の温度閾値以上となっている場合、水素含有ガスの生成に係る転化率が所定の転化率閾値以上となっているとみなし、圧力検知器9により燃料処理器3の内部の圧力を検知する。そして、圧力検知器9により検知される圧力が所定の圧力閾値以上である場合には、燃料処理器3に水が原燃料の供給割合に応じた適切な供給割合以上で供給されていると判断する。しかし、圧力検知器9により検知される圧力が所定の圧力閾値以上ではない場合には、燃料処理器3に水が原燃料の供給割合に応じた適切な供給割合以上で供給されてはいないと判断する。
燃料処理器3の内部の圧力を検知するタイミングを決定付ける所定の温度閾値は、以下の概念において適切に設定される。
図2(a)は、温度検知器が検知する温度と燃料処理器における転化率及び気体の体積との関係を模式的に示す相関図である。尚、図2(a)において、曲線aは転化率の変化を模式的に示している。又、曲線bは、気体の体積の変化を模式的に示している。又、図2(a)では、水供給器から燃料処理器に正常な供給量で水が供給されている場合における相互関係を模式的に示している。
又、図2(b)は、温度検知器が検知する温度と燃料処理器における改質触媒上への炭素の析出量との関係を模式的に示す相関図である。尚、図2(b)において、曲線cは水供給器から燃料処理器に水が供給されてはいない場合における炭素の析出量の変化を模式的に示している。又、便宜上、図2(b)では、図2(a)に示す転化率の変化についても記載している。
図2(a)に示すように、燃料処理器に原燃料及び水が各々正常な供給量で供給されている場合、温度検知器により検知される所定の改質触媒等の温度が上昇するにつれて、水素含有ガスの生成に係る転化率は上昇する。例えば、図2(a)に示すように、温度検知器により検知される温度がT1である場合、水素含有ガスの生成に係る転化率は0%である。しかし、温度検知器により検知される温度がT2(T2>T1)である場合には、水素含有ガスの生成に係る転化率は100%となる。そして、温度検知器により検知される温度が上昇するにつれて、転化率が上昇して水素が大量に生成されるようになるので、燃料処理器における気体の体積も上昇する。例えば、図2(a)に示すように、温度検知器により検知される温度がT1である場合には、転化率が0%であるので、燃料処理器の内部には原燃料及び水(水蒸気)のみが存在して、その燃料処理器における気体の体積はV1となる。しかし、温度検知器により検知される温度がT2である場合には、転化率が100%となり、従って、燃料処理器の内部には水蒸気改質反応により大量に生成された水素と副生成物としての二酸化炭素とが存在するようになるので、その燃料処理器における気体の体積はV2(V2>V1)となる。
化学式を用いて説明すると、原燃料としての天然ガスと水とが燃料処理器に各々正常な供給量で供給され、かつ転化率が100%である場合の水素生成反応は、化学式(1)のように示される。
C1.2H4.4+2.4H2O→1.2CO2+4.6H2 ・・・(1)
即ち、原燃料としての天然ガスと水とが燃料処理器に各々正常な供給量で供給され、かつ転化率が100%である場合には、燃料処理器に1NLMの供給量で天然ガスが供給されると、水蒸気改質反応により、水素と二酸化炭素とが混合した水素含有ガスが5.8NLMの生成量で生成される。しかし、原燃料としての天然ガスと水とが燃料処理器に各々正常な供給量で供給されていても、転化率が0%である場合には、水蒸気改質反応は全く進行しない。従って、燃料処理器の内部には、化学式(1)の左辺に示すように、天然ガスと水とが混合した混合気体が3.4NLMの残存量で残存する。つまり、燃料処理器における気体の体積は、燃料処理器に1NLMの供給量で天然ガスが供給される場合、転化率が0%のときの3.4NLMを最小として、転化率が上昇するにつれて水素含有ガスの体積が増大して、転化率が100%のときの5.8NLMが最大となる。
このように、原燃料と水とが燃料処理器に各々正常な供給量で供給される場合、燃料処理器における転化率が上昇するにつれて、燃料処理器において生成される水素含有ガスの体積が増大する。つまり、温度検知器により検知される燃料処理器における所定の改質触媒等の温度が上昇するにつれて、燃料処理器において生成される水素含有ガスの体積が増大する。そして、燃料処理器において生成される水素含有ガスの体積が増大すると、それに応じて、圧力検知器が検知する燃料処理器の内部の圧力が上昇する。そのため、水供給器から燃料処理器に原燃料の供給割合に応じた適切な供給割合以上で水が供給されているか否かの判断を圧力検知器が検知する燃料処理器の内部の圧力に基づいて正確に行うためには、所定の温度閾値が図2(a)に示す温度T2又はそれに近い温度であることが望ましい。
しかしながら、図2(b)に示すように、水供給器から燃料処理器に水が供給されてはいない場合、原燃料としての天然ガスのみを燃料処理器に供給しながらその燃料処理器の温度を上昇させると、温度検知器により検知される所定の改質触媒等の温度がT3を超える温度領域では、燃料処理器における所定の改質触媒の表面に炭素が析出する。この炭素の析出は、燃料処理器が有する所定の改質触媒の性能を著しく劣化させる。そのため、図2(b)に示すように、転化率が100%となる温度であるT2は、燃料処理器が有する所定の改質触媒を保護する観点から、所定の温度閾値としては適切ではない。
そこで、本実施の形態では、燃料処理器の内部の圧力を検知するタイミングを決定付ける所定の温度閾値としては、水素含有ガスの生成に係る転化率と所定の改質触媒上への炭素の析出量との双方を考慮して、図2(b)に示す温度T3を採用する。この図2(b)に示す温度T3は、転化率が十分に高くなりかつ所定の改質触媒上に炭素が析出しない温度であるので、所定の温度閾値として好適である。
次に、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システムの特徴的な動作について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図3は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システムの起動時における特徴的な動作を模式的に示すタイミングチャートである。
又、図5は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システムの起動時における特徴的な動作を模式的に示すフローチャートである。
燃料電池システム100を起動する場合、制御器11は、燃焼用燃料調節器6が燃焼用燃料を燃焼器5に供給すると共に、ブロア7が燃焼用燃料を燃焼させるために必要となる空気を燃焼器5に供給するよう制御する。又、制御器11は、燃焼器5が燃焼用燃料の燃焼を開始するよう制御する。これにより、燃料電池システム100において、燃料処理器3の昇温動作が行われる。
燃料処理器3における例えば所定の酸化触媒の温度が100℃程度にまで上昇した時点で、制御器11は、原燃料供給器1が燃料処理器3に原燃料としての天然ガスの供給を開始するよう制御する(図3の時刻t1、及び、図5のステップS1)。ここで、この100℃という温度は、所定の酸化触媒としてPt系遷移金属触媒が用いられる場合に、燃料処理器3から排出される水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を10ppm以下にまで低下することが可能な温度である。
そして、制御器11は、燃料処理器3における水の供給を受けてその水を蒸発させる蒸発部の温度Tvが100℃に到達したと判定すると(図5のステップS2でYES)、圧力検知器9により燃料処理器3の内部の圧力値P0を検知して、その検知した圧力値P0を制御器11の記憶部に記憶する(図3の時刻t2、及び、図5のステップS3)。尚、制御器11は、蒸発部の温度Tvが100℃に到達してはいないと判定すると(図5のステップS2でNO)、蒸発部の温度Tvの監視を継続する。
その後、制御器11は、燃料処理器3の内部の圧力値P0を記憶すると、水供給器2から燃料処理器3に向けて所定の供給量で水の供給が開始されるよう制御する(図3の時刻t3、及び、図5のステップS4)。
次いで、制御器11は、水供給器2から燃料処理器3に向けて水の供給を開始してからの経過時間が2分間に到達して(図5のステップS5でYES)、更に温度検知器10により検知される燃料処理器3が備える所定の改質触媒の温度Trが500℃に到達したと判定すると(図5のステップS6でYES)、圧力検知器9により燃料処理器3の内部の圧力値P1を検知して、その検知した圧力値P1を制御器11の記憶部に記憶する(図3の時刻t5、及び、図5のステップS7)。尚、制御器11は、水供給器2から燃料処理器3に水の供給を開始してからの経過時間が2分間に到達してはいないと判定すると(図5のステップS5でNO)、水供給器2から燃料処理器3に水の供給を開始してからの経過時間の監視を継続する。又、制御器11は、温度検知器10により検知される燃料処理器3が備える所定の改質触媒の温度Trが500℃に到達してはいないと判定すると(図5のステップS6でNO)、燃料処理器3が備える所定の改質触媒の温度Trを継続して監視する。
次いで、制御器11は、数式(1)に示す圧力値P0と圧力値P1との差圧である差圧値ΔPを計算して、その差圧値ΔPと予め実験的に求められ記憶部に記憶されている所定の差圧閾値Pstdとの比較を行う。そして、制御器11は、差圧値ΔPが所定の差圧閾値Pstd以上であると判定すると(図5のステップS8でYES)、燃料電池システム100の運転を継続させる(図5のステップS9a)。しかし、制御器11は、差圧値ΔPが所定の差圧閾値Pstd未満であると判定すると(図5のステップS8でNO)、燃料電池システム100の運転を強制的に停止させる(図5のステップS9b)。
ΔP=P1−P0 ・・・(1)
図5のステップS5において、水供給器2から燃料処理器3に水の供給を開始から2分間以上経過したか否かを判断する理由は、以下の通りである。即ち、燃料電池システム100においては、水供給器2から燃料処理器3への水の供給開始直後はその水の供給量が安定せず、従って、蒸発部における水蒸気の発生量も安定しない。そのため、水供給器2から燃料処理器3に水が正常な供給量で供給されていても、圧力検知器9が検知する燃料処理器3の内部の圧力は、水が正常な供給量で供給されていない場合と同じ圧力を示す場合がある。そこで、本実施の形態では、水供給器2から燃料処理器3に正常な供給量で水が供給されているか否かを正確に判断するために、燃料処理器3への水の供給を開始してから2分間以上経過した後に、燃料処理器3の内部の圧力を検知する。
又、本実施の形態では、温度検知器10により検知される所定の改質触媒の温度Trが所定の温度閾値としての500℃に到達したと判定されると、圧力検知器9により燃料処理器3の内部の圧力が検知される。ここで、所定の温度閾値は、図2(a)及び(b)を用いて既に説明した概念に基づいて適切に設定される。
又、図5のステップS8において用いられる所定の差圧閾値Pstdは、例えば、以下のように設定することができる。即ち、燃料電池システム100を起動して、温度検知器10により検知される所定の改質触媒の温度が500℃に到達した際、圧力検知器9により検知される燃料処理器3の内部の圧力値をPaとする。一方、燃料電池システム100を起動して、水供給器2から燃料処理器3への水の供給を行わない状況下で温度検知器10により検知される所定の改質触媒の温度が500℃に到達した際、圧力検知器9により検知される燃料処理器3の内部の圧力値をPbとする。そして、数式(2)に基づき、これらの圧力値Pa及び圧力値Pbを用いて所定の差圧閾値Pstdを設定する。
Pstd=(Pa+Pb)÷2 ・・・(2)
図3に示す時刻t6以降、制御器11は、圧力検知器9により燃料処理器3の内部の圧力が所定の周期で検知されかつ記憶されるよう制御する。例えば、図3の時刻t6〜時刻t10に示すように、制御器11は、燃料処理器3の内部の圧力を所定の周期で検知してこれを圧力値P2〜圧力値P6として記憶する。そして、制御器11は、所定の周期で図5のステップS8に示す判定を行い、差圧値ΔPが所定の差圧閾値Pstd以上である場合には燃料電池システム100の運転を継続させ、差圧値ΔPが所定の差圧閾値Pstd未満である場合には燃料電池システム100の運転を停止させる。
尚、燃料電池4の発電運転を開始した後は、燃料電池システム100の出力電力の増減に応じて、燃料電池4への水素含有ガスの供給量、つまりは、燃料処理器3への原燃料及び水の供給量を増減させる必要がある。そこで、燃料電池4の発電運転の開始後は、燃料処理器3への原燃料の供給量に応じて、所定の差圧閾値を適宜変更させる。例えば、燃料処理器3に天然ガスがαNLMの供給量で供給されて燃料電池4が発電運転している際の圧力検知器9により検知される燃料処理器3の内部の圧力値Pc(α)を予め実験的に計測しておくことにより、所定の差圧閾値Pstd(α)は数式(3)で求められる。かかる所定の差圧閾値Pstdを予め制御器11の記憶部に複数記憶させておくことにより、燃料処理器3への原燃料の供給量に応じて、所定の差圧閾値を適宜変更させることが可能になる。
Pstd(α)=(Pc(α)+Pb)÷2 ・・・(3)
以上、本実施の形態によれば、圧力検知器9により検知される燃料処理器3の内部の圧力に基づき、その圧力が予め定められた所定の閾値未満である場合には制御器11が燃料電池システム100の運転を停止させるので、水の供給量を精度良く検出するための高価な検出器を用いることなく、燃料電池システム100のコストを低く抑えながら、燃料処理器3の性能を長期間に渡り確実に確保することができる、長期信頼性に優れた燃料電池システム100を安価に提供することが可能になる。
又、本実施の形態によれば、原燃料から水素含有ガスが生成する割合としての転化率が所定の閾値以上であるとき、燃料処理器3の内部の圧力に基づき、燃料電池システム100の運転を停止させるか否かを判断する。これにより、燃料処理器3への水の供給が好適である場合の圧力と好適ではない場合の圧力との圧力差が拡大して検知されるので、誤判断等による燃料電池システム100の不要な停止を確実に回避することが可能になる。
又、本実施の形態によれば、燃料処理器3への水の供給を開始してから一定時間経過後から、圧力検知器9による燃料処理器3の内部の圧力の検知が開始されるので、水蒸気の発生量の不足に起因する誤判断等を確実に回避することができる。これにより、燃料電池システム100の不要な停止を確実に回避することが可能になる。
更に、本実施の形態によれば、燃料処理器3へ水を供給する前後の圧力差に基づき、燃料電池システム100の運転を停止させるか否かを判断する。これにより、圧力検知器9の特性に経時変化が生じた場合であっても、燃料処理器3への水の供給状態を正確に認識することができるので、誤判断等による燃料電池システム100の不要な停止を確実に回避することが可能になる。
ところで、本実施の形態では、圧力検知器9により検知される燃料処理器3の内部の圧力が比較的大きな圧力になるよう、温度検知器10により検知される所定の改質触媒の温度が500℃に到達した時点で、圧力値P1を検知してこれを制御器11の記憶部に記憶する形態を示している。しかし、燃料電池システム100において、水素含有ガスの流路における圧力損失が大きい場合は、温度検知器10により検知される所定の改質触媒の温度が500℃に到達してはいない場合であっても、燃料処理器3への水の供給開始前後における差圧ΔPは比較的大きな差圧になる。そのため、水素含有ガスの流路における圧力損失が大きい燃料電池システム100では、燃料処理器3における転化率が比較的低い場合であっても、水供給器2から燃料処理器3に原燃料の供給割合に応じた適切な供給割合以上で水が供給されているか否かの判断を正確に行うことができる。例えば、温度検知器10により検知される所定の改質触媒の温度が400℃に到達した時点で、圧力検知器9により圧力値P1の検知を開始してもよい。
〔変形例〕
図4は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システムの変形例の起動時における特徴的な動作を模式的に示すタイミングチャートである。
図4に示すように、制御器11は、燃料処理器3における蒸発部の温度Tvが100℃に到達したと判定すると、圧力検知器9により燃料処理器3の内部の圧力値P0を検知して、その検知した圧力値P0を制御器11の記憶部に記憶する(図4の時刻t2)。
その後、制御器11は、水供給器2から燃料処理器3に向けて所定の供給量で水の供給が開始されるよう制御する(図4の時刻t3)。
そして、制御器11は、温度検知器10により検知される所定の改質触媒の温度Trが400℃に到達したと判定して、その後、水供給器2から燃料処理器3に水の供給を開始してからの経過時間が2分間に到達したと判定すると、温度Trが500℃未満であっても、圧力検知器9により燃料処理器3の内部の圧力値P1を検知する。そして、その検知した圧力値P1を、制御器11の記憶部に記憶する(図4の時刻t4)。
このように、本実施の形態における図3に示すタイミングチャートと、図4に示すタイミングチャートとの相違点は、温度検知器10により検知される所定の改質触媒の温度が500℃に到達していない場合であっても、燃料処理器3への水の供給を開始してから2分以上経過した時点で、圧力検知器9による燃料処理器3の内部の圧力値P1の検知を開始する点である。尚、その他の点については、図3に示す燃料電池システム100の動作と図4に示す燃料電池システム100の動作とは同様である。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る燃料電池システムのハードウェア上の構成は、実施の形態1で示した燃料電池システム100のハードウェア上の構成と基本的に同様である。従って、本実施の形態では、実施の形態1で示した燃料電池システム100のハードウェア上の構成と同様の構成に関する詳細な説明は省略する。
図6は、本発明の実施の形態2に係る燃料電池システムの構成を模式的に示すブロック図である。
図6に示すように、本実施の形態に係る燃料電池システム200は、図1に示す温度検知器10に代えて、濃度検知器12を備えている。この濃度検知器12は、燃料処理器3で生成された水素含有ガス中の水素濃度、又は、二酸化炭素濃度を検知する。そして、この濃度検知器12は、所定のガスセンサを備えており、この所定のガスセンサが燃料処理器3の内部における所定の位置に配設されて、燃料処理器3の内部における水素濃度又は二酸化炭素濃度を検知する。尚、その他の点については、図1に示す燃料電池システム100の構成と図6に示す燃料電池システム200の構成とは同様である。
次に、本発明の実施の形態2に係る燃料電池システムの特徴的な動作について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図7は、本発明の実施の形態2に係る燃料電池システムの起動時における特徴的な動作を模式的に示すタイミングチャートである。
又、図9は、本発明の実施の形態2に係る燃料電池システムの起動時における特徴的な動作を模式的に示すフローチャートである。
実施の形態1の場合と同様、燃料電池システム200を起動する場合、制御器11は、燃焼用燃料調節器6が燃焼用燃料を燃焼器5に供給すると共に、ブロア7が燃焼用燃料を燃焼させるために必要となる空気を燃焼器5に供給するよう制御する。そして、制御器11は、燃焼器5が燃焼用燃料の燃焼を開始するよう制御する。これにより、燃料電池システム200において、燃料処理器3の昇温動作が行われる。
燃料処理器3における例えば所定の酸化触媒の温度が100℃程度にまで上昇した時点で、制御器11は、原燃料供給器1が燃料処理器3に原燃料としての天然ガスの供給を開始するよう制御する(図7の時刻t1、及び、図9のステップS1)。
次いで、制御器11は、燃料処理器3における蒸発部の温度Tvが100℃に到達したと判定すると(図9のステップS2でYES)、圧力検知器9により燃料処理器3の内部の圧力値P0を検知して、その検知した圧力値P0を制御器11の記憶部に記憶する(図7の時刻t2、及び、図9のステップS3)。
次いで、制御器11は、燃料処理器3の内部の圧力値P0を記憶すると、水供給器2から燃料処理器3に向けて所定の供給量で水の供給が開始されるよう制御する(図7の時刻t3、及び、図9のステップS4)。
次いで、制御器11は、水供給器2から燃料処理器3に向けて水の供給を開始してからの経過時間が2分間に到達して(図9のステップS5でYES)、更に、濃度検知器12により検知される燃料処理器3における水素濃度Chが所定の濃度閾値Caに到達したと判定すると(図9のステップS6でYES)、圧力検知器9により燃料処理器3の内部の圧力値P1を検知して、その検知した圧力値P1を制御器11の記憶部に記憶する(図7の時刻t5、及び、図9のステップS7)。尚、制御器11は、濃度検知器12により検知される燃料処理器3における水素濃度Chが所定の濃度閾値Caに到達してはいないと判定すると(図9のステップS6でNO)、燃料処理器3における水素濃度Chを継続して監視する。
そして、制御器11は、数式(1)に示す圧力値P0と圧力値P1との差圧である差圧値ΔPを計算して、その差圧値ΔPと所定の差圧閾値Pstdとの比較を行う。制御器11は、差圧値ΔPが所定の差圧閾値Pstd以上であると判定すると(図9のステップS8でYES)、燃料電池システム100の運転を継続させる(図9のステップS9a)。しかしながら、制御器11は、差圧値ΔPが所定の差圧閾値Pstd未満であると判定すると(図9のステップS8でNO)、燃料電池システム100の運転を強制的に停止させる(図9のステップS9b)。
ΔP=P1−P0 ・・・(1)
このように、本実施の形態では、濃度検知器12により検知される燃料処理器3における水素濃度Chが所定の濃度閾値以上となっている場合、水素含有ガスの生成に係る転化率が所定の転化率閾値以上となっているとみなし、圧力検知器9により燃料処理器3の内部の圧力を検知する。尚、その他の点については、図1に示す燃料電池システム100の動作と図6に示す燃料電池システム200の動作とは同様である。
ところで、本実施の形態では、濃度検知器12により検知される燃料処理器3における水素濃度Chが所定の濃度閾値Caに到達した時点で、圧力値P1を検知してこれを制御器11の記憶部に記憶する形態を示している。しかし、水素濃度Chに代えて、濃度検知器12により検知される燃料処理器3における二酸化炭素濃度Cdが所定の濃度閾値Cbに到達した時点で、圧力値P1を検知してこれを制御器11の記憶部に記憶する形態としてもよい。
〔変形例〕
図8は、本発明の実施の形態2に係る燃料電池システムの変形例の起動時における特徴的な動作を模式的に示すタイミングチャートである。
図8に示すように、制御器11は、燃料処理器3における蒸発部の温度Tvが100℃に到達したと判定すると、圧力検知器9により燃料処理器3の内部の圧力値P0を検知して、その検知した圧力値P0を制御器11の記憶部に記憶する(図8の時刻t2)。
次いで、制御器11は、水供給器2から燃料処理器3に向けて所定の供給量で水の供給が開始されるよう制御する(図8の時刻t3)。
次いで、制御器11は、水供給器2から燃料処理器3に向けて水の供給を開始してからの経過時間が2分間に到達して(図8の時刻t4)、更に、濃度検知器12により検知される燃料処理器3における二酸化炭素濃度Cdが所定の濃度閾値Cbに到達したと判定すると、圧力検知器9により燃料処理器3の内部の圧力値P1を検知して、その検知した圧力値P1を制御器11の記憶部に記憶する(図8の時刻t5)。尚、制御器11は、濃度検知器12により検知される燃料処理器3における二酸化炭素濃度Cdが所定の濃度閾値Cbに到達してはいないと判定すると、燃料処理器3における二酸化炭素濃度Cdを継続して監視する。
このように、本実施の形態における図7に示すタイミングチャートと、図8に示すタイミングチャートとの相違点は、濃度検知器12により燃料処理器3における水素濃度を検知することに代えて、濃度検知器12により燃料処理器3における二酸化炭素濃度を検知する点である。尚、その他の点については、図7に示す燃料電池システム200の動作と図8に示す燃料電池システム200の動作とは同様である。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る燃料電池システムのハードウェア上の構成は、実施の形態1で示した燃料電池システム100のハードウェア上の構成と同様である。従って、本実施の形態では、燃料電池システムの構成に関する詳細な説明は省略する。
燃料電池システムの構成が適切である場合には、燃料電池システムが起動されてから、又は、燃料処理器に水が供給されるよう制御されてから燃料処理器における転化率が所定の転化率閾値に到達するまでの時間は、概ね一定の時間となる。そこで、本実施の形態では、燃料電池システムが起動されてからの経過時間や、燃料処理器に水が供給されるよう制御されてからの経過時間が所定の時間閾値に到達したとき、所定の改質触媒の温度や水素含有ガス中の水素濃度を検知することなく、燃料処理器における転化率が所定の転化率閾値に到達したとみなして、圧力検知器により燃料処理器の内部の圧力を検知する。そして、圧力検知器により検知される燃料処理器の内部の圧力に基づく差圧値ΔPが所定の差圧閾値以下である場合に、燃料電池システムの運転を停止させる。かかる構成としても、水供給器から燃料処理器に原燃料の供給割合に応じた適切な供給割合以上で水が供給されているか否かを正確に判断することができる。
又、燃料電池システムの構成が適切である場合には、圧力検知器により検知される燃料処理器の内部の圧力は再現性良く経時的に変動する。そこで、本実施の形態では、所定の改質触媒の温度が所定の温度閾値に到達した場合や、水素含有ガス中の水素濃度が所定の濃度閾値に到達した場合、差圧値ΔPを求めることなく、圧力検知器により検知される燃料処理器の内部の圧力値のみに基づき、水供給器から燃料処理器に原燃料の供給割合に応じた適切な供給割合以上で水が供給されているか否かを判断する。そして、圧力検知器により検知される燃料処理器の内部の圧力が所定の圧力閾値以下である場合には、燃料電池システムの運転を停止させる。かかる構成としても、燃料電池システムの運転を継続させるか、又は、その運転を停止させるかの判断を正確に行うことができる。
尚、以上に説明したように、本発明を実施するための最良の形態では、燃料処理器における蒸発部の温度Tvが100℃に到達した時点で圧力値P0を検知して、水供給器2から燃料処理器3への水の供給を開始してから2分以上経過した後、温度検知器10により検知される所定の改質触媒等の温度Trが500℃又は400℃に到達した時点で圧力値P1を検知するよう制御しているが、このような形態に限定されることはない。即ち、水供給器2から燃料処理器3に原燃料の供給割合に応じた適切な供給割合以上で水が供給されているか否かを正確に判断することが可能な構成であれば、上述した所定の時間閾値や所定の温度閾値を、燃料電池システムの仕様に応じて任意に設定することが可能である。尚、原燃料として炭化水素系の原燃料を使用する場合、所定の温度閾値は350℃〜500℃の範囲内の温度が適当である。
又、本発明を実施するための最良の形態では、所定の圧力閾値及び所定の差圧閾値は、水供給器2から燃料処理器3への水の供給量と相関する所定の物理量に応じて設定されている。ここで、本発明では、水供給器2から燃料処理器3への水の供給量と相関する所定の物理量からは、水供給器2から燃料処理器3への水の流量値は除外される。即ち、水供給器2から燃料処理器3への水の供給量と相関する所定の物理量としては、例えば、水供給器2が備えるプランジャーポンプの出力指令値等が挙げられる。
更に、本発明を実施するための最良の形態では、燃料電池4の発電運転の際、燃料処理器3への原燃料の供給量に応じて所定の差圧閾値(所定の圧力閾値)を適宜変更させることとしているが、このような形態に限定されることはない。例えば、原燃料供給器1から燃料処理器3への原燃料の供給量と相関する、原燃料供給器1が備えるベローズポンプの出力指令値等に代表される所定の物理量に応じて所定の差圧閾値が適宜変更される形態としてもよい。但し、この場合においても、原燃料供給器1から燃料処理器3への原燃料の供給量と相関する所定の物理量からは、水供給器2から燃料処理器3への水の流量値は除外される。かかる構成としても、本発明を実施するための最良の形態において得られる効果と同様の効果を得ることが可能である。