JP6239044B1 - エレベータ制御盤、およびエレベータ制御方法 - Google Patents

エレベータ制御盤、およびエレベータ制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】煙感知器の誤動作によるエレベータの運転停止を防止するエレベータ制御盤、およびエレベータ制御方法を提供する。【解決手段】実施形態によればエレベータ制御盤は、煙感知器と、運転制御部と、感知動作制御信号出力部とを備える。煙感知器は、煙の発生を検知すると煙感知信号を出力する。運転制御部は、煙感知器から煙感知信号が出力された回数を計数し、新たな煙感知信号を取得したときに、計数した値に基づいて、取得した煙感知信号が所定値以下の回数のときに出力されたものであると判断したときにはエレベータを管制運転に移行せず、所定値を超える回数のときに出力されたものであると判断したときにはエレベータを管制運転に移行させる。感知動作制御信号出力部は、運転制御部において所定値以下の回数のときに出力された煙感知信号が取得されると、煙感知器の動作を所定時間無効にさせるための信号を煙感知器に出力する。を備える。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、エレベータ制御盤、およびエレベータ制御方法に関する。
従来、建物内に設置されたエレベータには、昇降路の上部位置や、昇降路上部に設けられた機械室に、乗りかごの昇降動作を制御するエレベータ制御盤が設置されている。エレベータ制御盤は、乗りかごを吊り下げているロープを巻き上げる巻上げ機の回転を制御することにより、乗りかごを昇降させる。巻上げ機の回転制御には大きな動力が必要となるため、エレベータ制御盤には大電流を扱う主回路が搭載されている。
大電流を扱う主回路では、使用されている部品や配線に熱が発生するが、部品に異常が発生して破損した場合、想定外の電流が流れてより大きな発熱やそれに伴う発煙が起こることがある。エレベータ制御盤で大きな発熱や発煙が発生すると、エレベータの運転が不能になって乗りかごが突然停止し、乗りかご内の利用者の閉じ込めが発生してしまう可能性がある。このような事態の発生を防ぐため、エレベータ制御盤内の発煙を検知する煙感知器を設置し、当該煙感知器で煙が検知されると乗りかごを最寄階に停止させるよう管制運転を行う技術がある。
特開平2−270787号公報
上述した技術に用いる煙感知器には、さまざまな煙感知方式を用いたものがあり、その一つとして、感知器内の光が遮られたときに煙が発生したと判断するものがある。この煙感知器を用いる場合、エレベータ制御盤が設置されている機械室の清掃時や制御盤を冷却するファンの動作時に舞い上がった埃が煙として感知され、誤動作を起こすことがある。煙感知器が誤動作を起こすと、その都度エレベータが管制運転に移行されてしまい、利用者の利便性が低下するという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、煙感知器の誤動作によるエレベータの運転停止を防止するエレベータ制御盤、およびエレベータ制御方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するための実施形態によればエレベータ制御盤は、煙感知器と、感知動作制御信号出力部と、運転制御部とを備える。煙感知器は、煙の発生を検知すると煙感知信号を出力する。感知動作制御信号出力部は、煙感知器から所定値以下の回数の煙感知信号が出力されたときには、煙感知器の動作を所定時間無効にさせるための動作無効信号を出力し、所定時間が経過すると、煙感知器の動作を有効にするための無効解除信号を出力する。運転制御部は、煙感知器から所定値以下の回数の煙感知信号が出力されたときには、エレベータを管制運転に移行させず、以降の乗場呼び登録を禁止するとともにこの時点で登録されている乗場呼びをキャンセルし、煙感知器の動作が無効から有効になったことにより煙感知器から所定値を超える回数の煙感知信号が出力されたときには、エレベータを管制運転に移行させる
第1〜第4実施形態によるエレベータ制御盤を利用したエレベータの構成を示す全体図。 第1、第3、および第4実施形態によるエレベータ制御盤内の制御基板の構成を示すブロック図。 第1実施形態によるエレベータ制御盤の動作を示すフローチャート。 第2および第5実施形態によるエレベータ制御盤内の制御基板の構成を示すブロック図。 第2実施形態によるエレベータ制御盤の動作を示すフローチャート。 第3実施形態によるエレベータ制御盤の動作を示すフローチャート。 第4実施形態によるエレベータ制御盤の動作を示すフローチャート。 第5実施形態によるエレベータ制御盤を利用したエレベータシステムの構成を示す全体図。 第5実施形態によるエレベータ制御盤の動作を示すフローチャート。
本発明の実施形態で利用されるエレベータの制御盤について説明する。エレベータの昇降路の上部位置や、昇降路上部に設けられた機械室に設置されたエレベータ制御盤は、乗りかごを吊り下げているロープを巻き上げる巻上げ機の回転を制御することにより、乗りかごを昇降させる。巻上げ機の回転制御には大きな動力が必要となるため、エレベータ制御盤には大電流を扱う主回路が搭載されている。
大電流を扱う主回路では、使用されている部品や配線に熱が発生するが、部品に異常が発生して破損した場合、想定外の電流が流れてより大きな発熱やそれの伴う発煙が起こることがある。エレベータ制御盤で大きな熱や煙が発生すると、エレベータの運転が不能になって乗りかごが突然停止し、乗りかご内の利用者の閉じ込めが発生してしまう可能性がある。そのため、エレベータ制御盤内の発煙を検知する煙感知器を設置し、当該煙感知器で煙が検知されると乗りかごを最寄階に停止させるよう管制運転を行うことで、エレベータ制御盤内で煙が発生したときに乗りかご内の利用者が閉じ込められることを防いでいる。
《第1実施形態》
〈第1実施形態によるエレベータ制御盤を利用したエレベータの構成〉
本発明の第1実施形態によるエレベータの構成について、図1を参照して説明する。本実施形態によるエレベータ1Aは、建物内の昇降路上部の機械室2に設置された巻上げ機3と、巻上げ機3に架け渡されたロープ4の一端に吊り下げられた乗りかご5と、機械室2に設置されて巻上げ機3に接続されたエレベータ制御盤6Aとを備える。
エレベータ制御盤6Aは、煙感知器61と、巻上げ機3に接続された主回路62と、煙感知器61および主回路62に接続された制御基板63Aとを有する。煙感知器61は、エレベータ制御盤6A内で発生した煙を感知すると、煙感知信号を出力する。主回路62は、大電流を扱うことで、巻上げ機3の回転動作を制御する。
制御基板63Aは、図2に示すように、煙感知信号取得部631と、運転制御部632Aと、感知動作制御信号出力部633と、第1タイマ634とを有する。煙感知信号取得部631は、煙感知器61から出力された煙感知信号を取得する。運転制御部632Aは、煙感知器61から煙感知信号が出力された回数を計数し、新たな煙感知信号を取得したときに、計数した値に基づいて、取得した煙感知信号が1回目に出力されたものであると判断したときにはエレベータ1Aを管制運転に移行せず、2回目以降に出力されたものであると判断したときにはエレベータ1Aを管制運転に移行させる。感知動作制御信号出力部633は、運転制御部632Aで1回目に出力された煙感知信号が取得されたと判断されたときに、煙感知器61の感知動作を無効とするための動作無効信号を煙感知器61に出力し、動作無効信号の送信から所定時間が経過したことを検知すると、煙感知器61の感知動作が有効になるように切り替えるための無効解除信号を煙感知器61に出力する。第1タイマ634は、感知動作制御信号出力部633から動作無効信号が出力されるとタイマカウントを開始し、所定時間が経過すると、当該時間の経過を通知する通知信号を感知動作制御信号出力部633に出力する。
〈第1実施形態によるエレベータ制御盤を利用したエレベータの動作〉
次に、本実施形態によるエレベータ1Aの動作について、図3のフローチャートを参照して説明する。図3のフローチャートは、エレベータ1A内のエレベータ制御盤6Aで実行される処理を示す。
まず、エレベータ1Aの稼動中にエレベータ制御盤6A内の煙感知器61で煙が感知されると、煙感知信号が出力される。煙感知器61から出力された煙感知信号は制御基板63Aの煙感知信号取得部631で取得される(S1の「YES」)。煙感知信号取得部631で煙感知信号が取得されると、運転制御部632Aにおいて煙感知信号が出力された回数が計数され、計数値に基づいて当該煙感知信号が1回目に出力されたものであるか否かが判断される(S2)。
ここで、1回目に出力された煙感知信号であると判断されたときには(S2の「YES」)、当該煙感知信号は、煙以外の埃等の要因により煙感知器61が誤動作したことにより出力された可能性があるため、エレベータ1Aは管制運転には移行されない。また、運転制御部632Aにおいて1回目に出力された煙感知信号であると判断されると、感知動作制御信号出力部633から煙感知器61に、煙感知器61の感知動作を無効とするための動作無効信号が出力される(S3)。煙感知器61では、動作無効信号が取得されると、煙感知動作が無効に設定される。
制御基板63Aでは、感知動作制御信号出力部633から動作無効信号が出力されると、第1タイマ634においてタイマカウントが開始される(S4)。そして、予め設定された所定時間(例えば30秒)が経過してタイムアップすると(S5の「YES」)、当該時間の経過を通知する通知信号が第1タイマ634で生成され、感知動作制御信号出力部633に出力される。
感知動作制御信号出力部633では、第1タイマ634から通知信号を取得すると、動作無効信号の送信から所定時間が経過したと判断されて煙感知器61の感知信号が有効になるように切り替えるための無効解除信号が生成され、煙感知器61に出力される(S6)。無効解除信号が出力されると、制御基板63A内はステップS1に戻る。
煙感知器61では、無効解除信号が取得されると煙感知動作が有効に切り替えられる。煙感知器61が有効に切り替えられた後、再度煙が検知されると、煙感知信号が出力されて制御基板63Aの煙感知信号取得部631で取得される(S1)。
このときは、運転制御部632Aにおいて、煙感知器61から2回目に出力された煙感知信号であると判断される(S2の「NO」)。2回目に出力された煙感知信号が取得されたということは、第1タイマ634で計測された所定時間を挟んで継続して煙が感知されており、煙感知器61の誤動作によるものではないと運転制御部632Aで判断され、エレベータ1Aが管制運転に移行される(S7)。管制運転に移行されると、運転制御部632Aの制御により、乗りかご5が最寄階に停止され、乗りかご5内の利用者が降車可能になる。
以上の第1実施形態によれば、エレベータ制御盤において一定時間煙が発生し続けていることを検知したときにエレベータを管制運転に移行させるため、煙感知器の誤動作によりエレベータの乗りかごが停止されることを防止し、利用者へのサービスの低下を防ぐことができる。
《第2実施形態》
〈第2実施形態によるエレベータ制御盤を利用したエレベータの構成〉
本発明の第2実施形態によるエレベータ1Bの構成は、エレベータ制御盤6Aに換えてエレベータ制御盤6Bを備える他は、第1実施形態で説明したエレベータ1Aと同様であるため、同一機能を有する部分の詳細な構成については省略する。本実施形態によるエレベータ1Bのエレベータ制御盤6Bは、図4に示すように、煙感知信号取得部631と、運転制御部632Bと、感知動作制御信号出力部633と、第1タイマ634と、第2タイマ635とを有する。
本実施形態において運転制御部632Bは、煙感知信号を取得した回数をカウントしており、1回目に出力された煙感知信号を取得してから第2タイマのタイマカウントに基づいて所定時間が経過したことを検知すると、当該カウント値をリセットする。第2タイマ635は、運転制御部632Bにおいて1回目に出力された煙感知信号が取得されたと判断されるとタイマカウントを開始し、所定時間が経過すると、当該時間の経過を通知する通知信号を運転制御部632Bに出力する。
〈第2実施形態によるエレベータ制御盤を利用したエレベータの動作〉
次に、本実施形態によるエレベータ1Bの動作について、図5のフローチャートを参照して説明する。図5のフローチャートは、エレベータ1B内のエレベータ制御盤6Bで実行される処理を示す。
本実施形態においてエレベータ1Bの稼動中にエレベータ制御盤6B内の煙感知器61で煙が感知されて煙感知信号が出力されると、第1実施形態と同様に制御基板63Bの煙感知信号取得部631で取得される(S11の「YES」)。そして、運転制御部632Bにおいて煙感知信号が出力された回数が計数され、計数値に基づいて当該煙検知信号が1回目に出力されたものであるか否かが判断される(S12)。
ここで、1回目に出力された煙感知信号が取得されたと判断されると(S12の「YES」)、第2タイマ635において予め設定された期間(例えば10分)を計測するためのタイマカウントが開始される(S13)。また、1回目に出力された煙感知信号が取得されたと判断されたときに、感知動作制御信号出力部633、第1タイマ634で実行されるステップS13〜S17の処理は、第1実施形態で説明したステップS2〜S6の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
ステップS17において無効解除信号が出力されて制御基板63B内がステップS1に戻ったときに、煙感知信号が取得されていないときには(S11の「NO」)第2タイマ635によるタイマカウントが継続され、第2タイマ635がタイムアップすると(S19の「YES」)、運転制御部632Bにおいて計数されている煙感知信号の取得回数がリセットされる(S20)。煙感知信号の取得回数がリセットされたことにより、以降に新たに煙感知信号が取得されたときには、運転制御部632Bにおいて1回目に出力された煙感知信号であると認識される。
以上の第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を有するとともに、エレベータ制御盤において1回煙感知信号が取得されてから所定時間、煙感知信号が取得されないときには1回目の煙感知信号は誤動作によるものとして認識することができ、さらに精度よく、煙感知信号の誤動作による乗りかごの停止を防止することができ、利用者へのサービスの低下を防ぐことができる。
《第3実施形態》
〈第3実施形態によるエレベータ制御盤を利用したエレベータの構成〉
本発明の第3実施形態によるエレベータ1Cの構成は、エレベータ制御盤6Aに換えてエレベータ制御盤6Cを備える他は、第1実施形態で説明したエレベータ1Aと同様であるため、同一機能を有する部分の詳細な構成については省略する。本実施形態によるエレベータ1Cのエレベータ制御盤6Cは、図2に示すように、煙感知信号取得部631と、運転制御部632Cと、感知動作制御信号出力部633と、第1タイマ634とを有する。
本実施形態において運転制御部632Cは、煙感知器61から煙感知信号が出力された回数を計数し、新たな煙感知信号を取得したときに、計数した値に基づいて、取得した煙感知信号が所定値以下の回数のときに出力されたものであると判断したときにはエレベータ1Cを管制運転に移行せず、所定値を超える回数のときに出力されたものであると判断したときにはエレベータ1Cを管制運転に移行させる。感知動作制御信号出力部633は、運転制御部632Cにおいて所定値以下の回数のときに出力された煙感知信号が取得されると、煙感知器61の動作を所定時間無効にさせるための信号を煙感知器61に出力する。
〈第3実施形態によるエレベータ制御盤を利用したエレベータの動作〉
次に、本実施形態によるエレベータ1Cの動作について、図6のフローチャートを参照して説明する。図6のフローチャートは、エレベータ1C内のエレベータ制御盤6Cで実行される処理を示す。
本実施形態においてエレベータ1Cの稼動中にエレベータ制御盤6C内の煙感知器61で煙が感知されて煙感知信号が出力されると、第1実施形態と同様に制御基板63Cの煙感知信号取得部631で取得される(S21の「YES」)。そして、運転制御部632Cにおいて煙感知信号が出力された回数が計数され、計数値に基づいて当該煙検知信号がN回目以下に出力されたものであるか否かが判断される(S22)。本実施形態においては、N=2と設定されているものとし、1回目に出力された煙検知信号が取得されたときにはN回目以下の回数のときに出力されたものであるため(S22の「YES」)ステップS23に移行する。
ここで、N回目以下に出力された煙感知信号が取得されたと判断されたときに実行されるステップS23〜S26の処理は、第1実施形態で説明したステップS2〜S6の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。ここで、本実施形態においては第1タイマ634でカウントする時間は10秒に設定されているものとする。
動作無効信号の出力から10秒が経過し、ステップS26において無効解除信号が出力されて制御基板63C内がステップS1に戻って再度煙感知信号が取得されたとき(S21の「YES」)には、運転制御部632Cにおいて2回目に出力された煙感知信号であると判断される。このときも、取得された煙検知信号はN回目以下の回数のときに出力されたものであるため(S22の「YES」)、1回目と同様にステップS23〜S26の処理が実行される。
2回目の動作無効信号の出力から10秒が経過し、ステップS26において無効解除信号が出力された制御基板63C内がステップS1に戻ってさらに煙感知信号が取得されたとき(S21の「YES」)には、運転制御部632Cにおいて3回目に出力された煙感知信号であると判断される。このときには、取得された煙感知信号はN回目を超える回数のときに出力されたものであり(S22の「NO」)、所定時間の間に複数回煙が感知されているため煙感知器61の誤動作によるものではないと運転制御部632Cで判断され、エレベータ1Cが管制運転に移行される(S27)。管制運転に移行されると、運転制御部632Cの制御により、乗りかご5が最寄階に停止され、乗りかご5内の利用者が降車可能になる。
以上の第3実施形態によれば、エレベータ制御盤において一定時間に複数回煙が感知されたときにエレベータを管制運転に移行させるため、煙感知器の誤動作によりエレベータの乗りかごが停止されることを精度よく防止し、利用者へのサービスの低下を防ぐことができる。
《第4実施形態》
〈第4実施形態によるエレベータ制御盤を利用したエレベータの構成〉
本発明の第4実施形態によるエレベータ1Dの構成は、エレベータ制御盤6Aに換えてエレベータ制御盤6Dを備える他は、第1実施形態で説明したエレベータ1Aと同様であるため、同一機能を有する部分の詳細な構成については省略する。本実施形態によるエレベータ1Dのエレベータ制御盤6Dは、図2に示すように、煙感知信号取得部631と、運転制御部632Dと、感知動作制御信号出力部633と、第1タイマ634とを有する。
本実施形態において運転制御部632Dは、取得した煙感知信号が1回目に出力されたものであると判断したときに、以降の乗場呼び登録を禁止し、各階の乗場に設置された乗場表示装置(図示せず)に、エレベータのサービスが停止中であることを示すサービス停止通知情報を表示させるとともに、既に登録された乗場呼びをキャンセルする。
〈第4実施形態によるエレベータ制御盤を利用したエレベータの動作〉
次に、本実施形態によるエレベータ1Dの動作について、図7のフローチャートを参照して説明する。図7のフローチャートは、エレベータ1D内のエレベータ制御盤6Dで実行される処理を示す。
本実施形態においてエレベータ1Dの稼動中にエレベータ制御盤6D内の煙感知器61で煙が感知されて煙感知信号が出力され、制御基板63Dの煙感知信号取得部631で取得されたときに実行されるステップS31〜S34の動作は、第1実施形態で説明したステップS1〜S4の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
ステップS34において、感知動作制御信号出力部633から動作無効信号が出力されて第1タイマ634においてタイマカウントが開始されると、運転制御部632Dにより、以降の乗場呼び登録が禁止され、各階の乗場に設置された乗場表示装置(図示せず)に、エレベータのサービスが停止中であることを示すサービス停止通知情報が表示される(S35)。また、運転制御部632Dにより、この時点で登録されている乗場呼びがキャンセルされる(S36)。このように、1回目の煙感知信号の出力時に、以降の乗場呼び登録を禁止し、且つ既に登録された乗場呼びをキャンセルすることで、乗りかご5内の利用者が操作したかご呼びのみに対して応答が行われ、利用者がすべて降車すると呼び登録がなくなり乗りかごが停止状態になり、以降に2回目の煙感知信号が取得されたときに管制運転に移行し易い状態にしておくことができる。
その後、第1タイマ634によるカウントがタイムアップすると(S37の「YES」)、第1タイマ634からの通知信号に基づいて感知動作制御信号出力部633で無効解除信号が生成されて煙感知器61に出力されるとともに、運転制御部632Dで乗場呼び登録の禁止が解除され、乗場表示装置に表示したサービス停止通知の表示が消去され、ステップS31に戻る。ステップS31に戻った後に実行される処理は、第1実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
以上の第4実施形態によれば、エレベータ制御盤において一定時間煙が発生し続けていることを検知したときに、スムーズにエレベータを管制運転に移行させることができ、煙感知器の誤動作によりエレベータの乗りかごが停止されることを防止し、利用者へのサービスの低下を防ぐことができる。
《第5実施形態》
〈第5実施形態によるエレベータ制御盤を利用したエレベータシステムの構成〉
本発明の第5実施形態によるエレベータシステムの構成について、図8を参照して説明する。本実施形態によるエレベータシステム10は、複数のエレベータ1E−1、1E−2、1E−3と、これら複数のエレベータに接続された群管理装置11とを備える。各エレベータ1E−1〜1E−3はそれぞれ、巻上げ機3−1〜3−3と、ロープ4−1〜4−3にそれぞれ吊り下げられた乗りかご5−1〜5−3と、エレベータ制御盤6E−1〜6E−3とを備える。エレベータ制御盤6E−1〜6E−3はそれぞれ、煙感知器61−1〜61−3と、主回路62−1〜62−3と、制御基板63E−1〜63E−3を有する。これらエレベータ1E−1〜1E−3の構成は、第2実施形態で説明した図4のエレベータ1Bと同様であるため、同一機能を有する部分の詳細な構成については省略する。
本実施形態によるエレベータ1E−1〜1E−3のエレベータ制御盤6E−1〜6E−3は、図4に示すように、煙感知信号取得部631−1〜631−3と、運転制御部632E−1〜632E−3と、感知動作制御信号出力部633−1〜633−3と、第1タイマ634−1〜634−3と、第2タイマ635−1〜635−3とを有する。
本実施形態において運転制御部632E−1〜632E−3は、取得した煙感知信号が1回目に出力されたものであると判断し、第1タイマ634−1〜634−3のタイマカウントが開始したときに、群管理装置11による群管理の対象から自エレベータを切り離し、タイムアップすると再度群管理対象に戻す処理を行う。
群管理装置11は、エレベータ1E−1〜1E−3から運転状況を示す情報や呼び登録情報を所定時間間隔で取得し、いずれかの階床で乗場呼びが発生すると、当該乗場呼びに応答させるエレベータを割当てる。
〈第5実施形態によるエレベータ制御盤を利用したエレベータシステムの動作〉
次に、本実施形態によるエレベータシステム10内のエレベータの動作について、図9のフローチャートを参照して説明する。本実施形態においては、エレベータシステム10内のエレベータの動作の一例として、エレベータ1E−1で実行される処理について説明する。
本実施形態においてエレベータ1E−1の稼動中にエレベータ制御盤6E−1内の煙感知器61−1で煙が感知されて煙感知信号が出力され、制御基板63E−1の煙感知信号取得部631−1で取得されたときに実行されるステップS41〜S45の動作は、第2実施形態で説明したステップS11〜S15の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
ステップS45において、感知動作制御信号出力部633から動作無効信号が出力されて第1タイマ634においてタイマカウントが開始されると、運転制御部632Dにより、群管理装置11による群管理の対象から自エレベータ1E−1を切り離す処理が行われる(S46)。群管理の対象から切り離すための処理としては、例えば、群管理装置11との通信を切断させる処理が実行される。このように、1回目の煙感知信号の出力時に群管理から外すようにすることで、乗場呼びが登録されなくなり、乗りかご5内の利用者が操作したかご呼びのみに対して応答が行われ、利用者がすべて降車すると呼び登録がなくなり乗りかごが停止状態になり、以降に2回目の煙感知信号が取得されたときに管制運転に移行し易い状態にしておくことができる。
その後、第1タイマ634−1によるカウントがタイムアップすると(S47の「YES」)、第1タイマ634−1からの通知信号に基づいて感知動作制御信号出力部633−1で無効解除信号が生成されて煙感知器61−1に出力されるとともに、運転制御部632E−1により再度群管理対象に戻す処理が行われる(S48)。群管理対象に戻すための処理としては例えば、ステップS46で通信が切断された群管理装置11との通信を再接続させる処理が実行される。ステップS41に戻った後に実行される処理は、第2実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
以上の第5実施形態によれば、複数のエレベータが群管理されているエレベータシステムにおいて、いずれかのエレベータの制御盤において一定時間煙が発生し続けていることを検知したときに、スムーズに当該エレベータを管制運転に移行させることができ、煙感知器の誤動作によりエレベータの乗りかごが停止されることを防止し、利用者へのサービスの低下を防ぐことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1A,1B,1C,1D,1E−1〜1E−3…エレベータ、2…機械室、3,3−1〜3−3…巻上げ機、4,4−1〜4−3…ロープ、5…乗りかご、6A,6B,6C,6D,6E−1〜6E−3…エレベータ制御盤、10…エレベータシステム、11…群管理装置、61,61−1〜61−3…煙感知器、62,62−1〜62−3…主回路、63,63A…制御基板、63A,63B,63C,63D,63E−1〜63E−3…制御基板、631,631−1〜631−3…煙感知信号取得部、632A,632B,632C,632D,63E−1〜63E−3…運転制御部、633,633−1〜633−3…感知動作制御信号出力部、634,634−1〜634−3…第1タイマ、635,635−1〜635−3…第2タイマ

Claims (5)

  1. 建物に設置されたエレベータ内のエレベータ制御盤において、
    煙の発生を検知すると煙感知信号を出力する煙感知器と、
    前記煙感知器から所定値以下の回数の煙感知信号が出力されたときには、前記煙感知器の動作を所定時間無効にさせるための動作無効信号を出力し、前記所定時間が経過すると、前記煙感知器の動作を有効にするための無効解除信号を出力する感知動作制御信号出力部と、
    前記煙感知器から所定値以下の回数の煙感知信号が出力されたときには、前記エレベータを管制運転に移行させず、以降の乗場呼び登録を禁止するとともにこの時点で登録されている乗場呼びをキャンセルし、前記煙感知器の動作が無効から有効になったことにより前記煙感知器から所定値を超える回数の煙感知信号が出力されたときには、前記エレベータを管制運転に移行させる
    運転制御部と
    を備えることを特徴とするエレベータ制御盤。
  2. 前記運転制御部は、取得した煙感知信号が1回目に出力されたものであると判断したときには前記エレベータを管制運転に移行せず、2回目以降に出力されたものであると判断したときには前記エレベータを管制運転に移行させる
    ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ制御盤。
  3. 前記運転制御部は、1回目に出力された煙感知信号を取得してから所定時間が経過すると、煙感知信号が出力された回数の計数値をリセットする
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータ制御盤。
  4. 前記エレベータは、前記建物に設置された群管理装置により群管理される複数のエレベータの中のいずれかであり、
    前記運転制御部は、前記感知動作制御信号出力部から前記動作無効信号が出力されてから前記無効解除信号が出力されるまでの前記煙感知器の動作が無効の間は、前記群管理装置による群管理の対象から自エレベータを切り離すことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のエレベータ制御盤。
  5. 建物に設置され、煙の発生を検知すると煙感知信号を出力する煙感知器を有するエレベータ制御盤が、
    前記煙感知器から所定値以下の回数の煙感知信号が出力されたときには、前記煙感知器の動作を所定時間無効にさせるための動作無効信号を出力し、当該エレベータを管制運転に移行させず、以降の乗場呼び登録を禁止するとともにこの時点で登録されている乗場呼びをキャンセルし、前記所定時間が経過すると、前記煙感知器の動作を有効にするための無効解除信号を出力し、
    前記煙感知器の動作が無効から有効になったことにより前記煙感知器から所定値を超える回数の煙感知信号が出力されたときには、前記エレベータを管制運転に移行させる
    ことを特徴とするエレベータ制御方法
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