JP6238415B2 - 光学フィルム、それを用いた偏光板および液晶表示装置 - Google Patents
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Description
しかも、液晶表示装置は益々多様な用途で過酷な使用条件でも耐えることに対する要求が高まり、年々、従来よりも高いレベルの耐久性が求められるようになってきている。
また、近年、TV用途を中心に液晶表示装置の大型化・薄型化が進んでおり、これに伴って構成部材である光学フィルムも薄型化が必要とされている。光学フィルムは加工性の観点からも適切な硬度、良好な裁断性が重要視されてきたが、薄型化した光学フィルムにはさらにその向上が求められるようになった。
例えば、光学フィルムのレターデーションの環境湿度による変動を抑制するために、5位の一方が水素原子で、他方が特定のハメットのσmもしくはσp値を有する基であるバルビツール酸化合物(特許文献1参照)が、また、偏光子の耐久性の改善のために、5位の一方が水素原子で他方がアリール基であるバルビツール酸化合物(特許文献2参照)が提案されている。これらは、いずれも5位に水素原子を有することから、物理化学的には酸として機能する化合物である。これをさらに発展させ、溶液製膜での支持体からの剥離性の改良と偏光子の耐久性改良のために、特定の有機酸を光学フィルムに含有させることも提案(特許文献3参照)されている。
このため、光学フィルムの硬度と耐光性、特に光耐久性における光学フィルムの着色抑制を可能とする光学フィルム、これを用いて光学特性を維持し、表示ムラを含めた耐久性が改善された偏光板および液晶表示装置を提供することを課題とする。
また、上記特定の構造を有するバルビツール酸を含むセルロースアシレートフィルムを偏光子の保護フィルムとして用いることにより、偏光板の耐久性を向上できることを見出した。
<1>セルロースアシレートおよび少なくとも1種の下記一般式(I)で表される化合物を含有する光学フィルム。
<2>R5aが、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1もしくは2のアルコキシ基、炭素数6のアリールオキシ基、炭素数1〜23のアシルオキシ基、炭素数2〜5のアルキルオキシカルボニルオキシ基、炭素数7のアリールアミノカルボニルオキシ基、メルカプト基、炭素数1〜18のアルキルチオ基、炭素数6もしくは7のアリールチオ基、炭素数1〜6のアルキルもしくはアリールスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルもしくはアリールスルホニル基、炭素数1〜27のアルキルアミノ基、炭素数0〜4で環構成原子に酸素原子もしくは窒素原子を含む6員環の飽和ヘテロ環アミノ基または炭素数1〜7のアシル基である<1>に記載の光学フィルム。
<3>R5aが、ヒドロキシ基、炭素数1もしくは2のアルコキシ基、炭素数6のアリールオキシ基、炭素数1〜23のアシルオキシ基、炭素数2〜5のアルキルオキシカルボニルオキシ基、炭素数7のアリールアミノカルボニルオキシ基、メルカプト基、炭素数1〜18のアルキルチオ基、炭素数6もしくは7のアリールチオ基、炭素数1〜6のアルキルもしくはアリールスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルもしくはアリールスルホニル基、炭素数1〜27のアルキルアミノ基または炭素数0〜4で環構成原子に酸素原子もしくは窒素原子を含む6員環の飽和ヘテロ環アミノ基である<1>または<2>に記載の光学フィルム。
<4>R5aが、ヒドロキシ基、炭素数1もしくは2のアルコキシ基、炭素数6のアリールオキシ基または炭素数1〜23のアシルオキシ基である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の光学フィルム。
<5>R5aが、ヒドロキシ基である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の光学フィルム。
<6>R5bが、炭素数1〜14のアルキル基または炭素数6のアリール基である<1>〜<5>のいずれか1つに記載の光学フィルム。
<7>R1a、R3a、R5aおよびR5bに存在する環構造の合計が2個以上である<1>〜<6>のいずれか1つに記載の光学フィルム。
<8>R1aおよびR3aの少なくとも一方が、炭素数1〜25のアルキル基、炭素数6のシクロヘキシル基、炭素数6もしくは7のアリール基または炭素数0〜5で環構成原子に窒素原子を含む6員環のヘテロ芳香環基である<1>〜<7>のいずれか1つに記載の光学フィルム。
<9>R1aおよびR3aの少なくとも一つが、炭素数6もしくは7のアリール基または炭素数6のアリール基が置換された炭素数7のアルキル基である<1>〜<8>のいずれか1つに記載の光学フィルム。
<10>さらに、下記一般式(A)で表される化合物を含有する<1>〜<9>のいずれか1つに記載の光学フィルム。
<11>R1、R3およびR5に存在する環構造の合計が、2個以上である<10>に記載の光学フィルム。
<12>R1、R3およびR5が、それぞれ環構造を有する基である<10>または<11>に記載の光学フィルム。
<13>光学フィルム中に含有する一般式(I)で表される化合物と一般式(A)で表される化合物において、R1とR1a、および、R3とR3aの構造が、各々互いに同一である<12>に記載の光学フィルム。
<14>光学フィルム中に含有する一般式(I)で表される化合物と一般式(A)で表される化合物において、さらに、R5とR5bの構造が、互いに同一である<13>に記載の光学フィルム。
<15>セルロースアシレートの総アシル置換度をAとすると、Aが下記式を満足するセルロースアシレートである<1>〜<14>のいずれか1つに記載の光学フィルム。
<18>さらに多価アルコールエステル系可塑剤を含有する<1>〜<16>のいずれか1つに記載の光学フィルム。
<19>さらに炭水化物誘導体系可塑剤を含有する<1>〜<16>のいずれか1つに記載の光学フィルム。
<20>偏光子と、偏光子の少なくとも一方の面に<1>〜<19>のいずれか1つに記載の光学フィルムを有する偏光板。
<21> <20>に記載の偏光板と液晶セルを少なくとも有する液晶表示装置。
また、同じ原子に少なくとも2つの置換基を有する場合、隣接する結合原子が各々置換基を有する場合、これらの置換基は互いに結合して環を形成してもよい。
さらに複数の同符号の基が存在する場合や、複数の繰返しにより、結果として複数の同符合の基が存在する場合、これらは互いに同一であっても異なってもよい。
本発明の光学フィルムは、セルロースアシレートおよび少なくとも1種の一般式(I)で表される化合物を含有する少なくとも1層のセルロースアシレートフィルムからなる。また、セルロースアシレートフィルムは、複数の層で構成されていてもよいが、一般式(I)で表される化合物はいずれの層に含まれていてもよく、全ての層に含まれていてもよい。
ハードコート層以外には、例えば、防眩層、クリアハードコート層、反射防止層、帯電防止層、防汚層等が挙げられる。これらの層は、ハードコート層上に設けるのが本発明においては好ましい態様である。
本発明において、セルロースアシレートフィルムは上記のように、樹脂構成成分に占めるセルロースアシレートの割合が50質量%以上のフィルムからなるもので、本発明における狭義の光学フィルムである。
セルロースアシレートフィルムは、前述のように、単層であっても、2層以上の積層体であってもよい。セルロースアシレートフィルムが2層以上の積層体である場合は、2層構造または3層構造であることがより好ましく、3層構造であることがさらに好ましい。3層構造の場合は、1層のコア層(すなわち、最も厚い層であり、以下、基層とも言う。)と、コア層を挟むスキン層Aおよびスキン層Bとを有することが好ましい。すなわち、本発明のセルロースアシレートフィルムはスキン層B/コア層/スキン層Aの3層構造であることが好ましい。スキン層Aは、セルロースアシレートフィルムが溶液製膜で製造される際に、後述する金属支持体と接する層であり、スキン層Bは金属支持体とは逆側の空気界面の層である。なお、スキン層Aとスキン層Bを総称してスキン層(または表層)とも言う。
なお、上記で規定されるR 5a は、言い換えると、ハロゲン原子、シアノ基、バルビツール酸骨格に結合する部位がヘテロ原子である置換基、バルビツール酸骨格に結合する部位が−C(=X)−である置換基、バルビツール酸骨格に結合する部位が−C(R 5x )=Y−である置換基、または、バルビツール酸骨格に結合する部位がエチニル基である置換基である。
一般式(I)で表される化合物は、バルビツール酸の基本骨格を構成する部分構造に3つのカルボニル基と2つの窒素原子を有することに加え、セルロースの基本単位であるβ−グルコースと同じ6員環であり、R5aは、6員環に結合する原子が極性な原子(例えば、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アシル基のように、ヘテロ原子による電子的効果を受けてδ+となった極性炭素が存在することで、このβ−グルコースのヒドロキシ基、エーテル結合およびその類似した位置に接近して、これらの各々の極性基と相互作用することが可能な構造になっていると思われ、より効果的に、セルロースアシレートと水素結合等による相互作用を生じ、セルロースアシレートの主鎖近傍に存在することができる。この結果、一般式(I)で表わされる化合物がセルロースアシレートの主鎖間に存在するセルロースアシレート中の自由体積を低減することによって、硬度向上または維持に貢献するものと思われる。
さらに、一般式(I)で表される化合物を含むフイルムを偏光板保護フィルムとして用いた偏光板は、高温高湿経時における直交透過率の上昇を抑制できる。これは、セルロースアシレート中の自由体積を低減することで透湿度を低減する効果が著しく大きいためと考えられる。
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、n−オクチル、n−デシル、n−オクタデシル、イソオクタデシルが挙げられる。
また、アルキル基は置換基を有してもよく、このような置換基としては、下記置換基Sが挙げられる。
置換基Sとしては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20で、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、2−エチルヘキシル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20で、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20で、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20で、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素数6〜20で、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数0〜20のヘテロ環基で、環構成ヘテロ原子が酸素原子、窒素原子、硫黄原子が好ましく、5員環または6員環でベンゼン環やヘテロ環で縮環していてもよく、環が飽和環、不飽和環、芳香環であってもよく、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20で、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20で、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、
例えば、アルキル基にアリール基が置換したアラルキル基、アルキル基にアルコキシカルボニル基やシアノ基が置換した基などが挙げられる。
このような置換アルキル基としては、アラルキル基(好ましくはベンジル基)、2または3位にアルコキシカルボニル基またはシアノ基が置換したアルキル基〔好ましくは1−アルコキシカルボニルメチル基、2−(アルコキシカルボニル)エチル基、2−シアノエチル基〕が挙げられる。
一般式(I)のR1aおよびR3aにおけるアルケニル基の炭素数は、2〜20が好ましく、2〜10がより好ましく、2〜5がさらに好ましい。
アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、2−ペンテニル、オレイルが挙げられる。
また、アルケニル基は置換基を有してもよく、このような置換基としては、置換基Sが挙げられる。
シクロアルケニル基としては、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニルが挙げられる。
また、シクロアルケニル基は置換基を有してもよく、このような置換基としては、置換基Sが挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチルが挙げられる。
また、アリール基は置換基を有してもよく、このような置換基としては、置換基Sが挙げられる。
ヘテロ環基におけるヘテロ環としては、5員環または6員環のヘテロ環が好ましく、ヘテロ環は、置換基で置換されていてもよく、またベンゼン環や脂環、ヘテロ環で縮環していてもよい。ここで、置換基としては置換基Sが挙げられる。
ヘテロ環基におけるヘテロ環を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が挙げられ、ヘテロ芳香環であっても芳香環でないヘテロ環であってもよい。
ヘテロ環基のヘテロ環としては、例えば、チオフェン環、フラン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、ピリジン環、ピラジン環、トリアゾール環、ピロリジン環、ピロリン環、ピラゾリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環およびこれらのベンゼン縮環した環(例えば、インドール環、ベンズイミダゾール環等)が挙げられる。
Rzは水素原子または上記の置換基が好ましいが、水素原子がなかでも好ましい。
ここで、硫黄原子は、−S−、−SO−または−SO2−が挙げられ、−S−または−SO2−が好ましく、−S−がより好ましい。
なお、R5aのN(Ra)におけるRaのうち、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アシルオキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基またはヘテロ環アミノ基は、置換基Sにおける対応する基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
Raは、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、アシルオキシ基またはアルコキシ基が好ましい。
ここで、環としては、飽和炭素環、不飽和炭素環、芳香族炭素環、ヘテロ環のいずれであってもよく、これらの環が直接バルビツール酸骨格に置換していても、連結基を介して置換していてもよい。
これらの環は、R1aおよびR3aにおけるシクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロ環で挙げた基の環が好ましく、シクロヘキサン環またはベンゼン環がより好ましい。
R5bは、シクロヘキシル基、フェニル基またはベンジル基が、なかでも好ましく、フェニル基またはベンジル基が特に好ましい。
このうち、環構造が3個の場合は、R1a、R3aおよびR5bがそれぞれ環構造を有する化合物が好ましい一形態である。また、環構造が2個の場合は、R1aおよびR3aがそれぞれ環構造を有する化合物、R1aおよびR5bがそれぞれ環構造を有する化合物が好ましい一形態である。
環構造に関しては、R5bにおいて記載したものが好ましい。このうち、シクロヘキシル基、フェニル基およびベンジル基から選択される基として環を有するものが好ましい。
バルビツール酸骨格の個数は1〜5が好ましく、1〜3がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が特に好ましい。
バルビツール酸骨格は、一般式(I)のR1a、R3a、R5aまたはR5bにおいて、それぞれに規定される基に置換基として含むものが好ましい。
ただし、本発明では、一般式(I)中、R 1a およびR 3a は各々独立に、水素原子、炭素数1〜25のアルキル基、炭素数6のシクロヘキシル基、炭素数6もしくは7のアリール基または炭素数0〜5で環構成原子に窒素原子を含む6員環のヘテロ芳香環基であり、R 5a は、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、炭素数1もしくは2のアルコキシ基、炭素数6のアリールオキシ基、炭素数1〜23のアシルオキシ基、炭素数2〜5のアルキルオキシカルボニルオキシ基、炭素数7のアリールアミノカルボニルオキシ基、メルカプト基、炭素数1〜18のアルキルチオ基、炭素数6もしくは7のアリールチオ基、炭素数1〜6のアルキルもしくはアリールスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルもしくはアリールスルホニル基、炭素数1〜27のアルキルアミノ基、炭素数0〜4で環構成原子に酸素原子もしくは窒素原子を含む6員環の飽和ヘテロ環アミノ基、炭素数1〜7のアシル基、下記式(α1)または式(α2)で表される基である。R 5b は炭素数1〜14のアルキル基または炭素数6のアリール基である。
本発明の一般式(I)で表される化合物のうち、下記一般式(II)で表される化合物が、特に好ましい。
なお、本発明の一般式(I)で表される化合物の合成法は上記に限定されるものではない。
また、セルロースアシレートフィルム中に一般式(I)で表される化合物を2種類以上含有させる場合も、その合計量が、上記の範囲内であることが好ましい。
このような化合物としては、下記一般式(A)で表される化合物が、なかでも好ましい。
このうち、R1、R3およびR5が、それぞれ環構造を有する化合物は好ましい一形態である。
なお、ここで、互いに同一であるとは、例えば、R1がメチル基の場合、R1aもメチル基であることを意味する。
本発明においては、上記に加えて、R5とR5bの構造も互いに同一である組合せが特に好ましい。
また、特開2011−118135号公報および特開2011−126968号公報に記載の化合物も、本発明の一般式(I)で表される化合物と組み合わせて使用することが好ましい。
一般式(I)で表される化合物と一般式(A)で表される化合物の含有量の合計は、セルロースアシレート100質量部に対して、0.1〜50質量部が好ましく、0.2〜30質量部がより好ましく、0.3〜15質量部がさらに好ましく、0.3〜10質量部が特に好ましい。
本発明において、セルロースアシレートフィルムの主成分となるセルロースアシレートは、1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。例えば、セルロースアシレートは、アシル置換基としてアセチル基のみからなるセルロースアセテートであっても、複数の異なったアシル置換基を有するセルロースアシレートを用いてもよく、異なったセルロースアシレートの混合物であってもよい。
本発明では、特に、セルロースアシレートのアシル基はアセチル基1種であるものが、一般式(I)で表される化合物による硬度改善効果に優れる点で、好ましい。
セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位、3位および6位に遊離のヒドロキシ基を有している。セルロースアシレートは、これらのヒドロキシ基の一部または全部をアシル基によりアシル化した重合体(ポリマー)である。
アシル置換度は、2位、3位および6位に位置するセルロースのヒドロキシ基のアシル化の度合いを示すものであり、全てのグルコース単位の2位、3位および6位のヒドロキシ基がいずれもアシル化された場合、総アシル置換度は3であり、例えば、全てのグルコース単位で、6位のみが全てアシル化された場合、総アシル置換度は1である。同様に、全グルコースの全ヒドロキシ基において、各々のグルコース単位で、6位か、2位のいずれか一方の全てがアシル化された場合も、総アシル置換度は1である。
すなわち、グルコース分子中の全ヒドロキシ基が全てアシル化された場合を3として、アシル化の度合いを示すものである。
アシル置換度の測定方法の詳細については、手塚他,Carbohydrate.Res.,273,83−91(1995)に記載されており、ASTM−D817−96に規定の方法に準じて測定することができる。
なお、本発明の一般式(I)で表される化合物は、総アシル置換度であるAが2.00を超えたセルロースアシレートに対して、特に効果が発現される。
本発明の光学フィルム中、特にセルロースアシレートフィルム中には、レターデーション調整剤(レターデーション発現剤およびレターデーション低減剤)や、可塑剤として、重縮合エステル化合物(ポリマー)、多価アルコールの多価エステル、フタル酸エステル、リン酸エステルなど、さらには、紫外線吸収剤、酸化防止剤、マット剤などの添加剤を加えることもできる。
なお、本願明細書では、化合物群を標記するのに、例えば、リン酸エステル系化合物のように、「系」を組み込んで記載することがあるが、これは、上記の場合、リン酸エステル化合物と同じ意味である。
本発明ではレターデーション低減剤として、リン酸エステル系化合物や、セルロースアシレートフィルムの添加剤として公知の非リン酸エステル系の化合物以外の化合物を広く採用することができる。
本発明の光学フィルムは、レターデーション値を発現するために、少なくとも1種のレターデーション発現剤を含有してもよい。
レターデーション発現剤としては、特に制限はないが、棒状または円盤状化合物からなるものや、上記非リン酸エステル系の化合物のうちレターデーション発現性を示す化合物を挙げることができる。棒状または円盤状化合物としては、少なくとも二つの芳香環を有する化合物をレターデーション発現剤として好ましく用いることができる。
レターデーション発現剤は、250〜400nmの波長領域に最大吸収を有することが好ましく、可視領域に実質的に吸収を有していないことが好ましい。
レターデーション発現剤の詳細は公開技報2001−1745の49頁に記載されている。
円盤状化合物からなるレターデーション発現剤の添加量は、セルロースアシレートを含むポリマー成分100質量部に対して0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜20質量部がさらに好ましい。
レターデーション発現剤中に含まれる円盤状化合物が、セルロースアシレート100質量部に対して3質量部未満が好ましく、2質量部未満がより好ましく、1質量部未満が特に好ましい。
光学フィルム、特にセルロースアシレートフィルムでは、可塑剤をセルロースアシレートに含有させると、セルロースアシレートフィルムの含水率や透湿度が低下し、セルロースアシレートフィルム中の水分によるセルロースアシレートの加水分解反応が抑制される。さらに、可塑剤は、高温高湿条件下におけるセルロースアシレートフィルム中から偏光子層への添加剤の拡散を抑制し、偏光子性能の劣化を改良することができる。
以下に本発明に用いられる可塑剤について説明する。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、重縮合エステル可塑剤を含むことも好ましい。重縮合エステル可塑剤を含有させることで、湿度安定性、偏光板耐久性に優れたセルロースエステルフィルムを得ることができる。
重縮合エステル系可塑剤は、2価のカルボン酸化合物とジオール化合物を重縮合して得られる。
重縮合エステル系可塑剤は、下記一般式(a)で表される少なくとも1種のジカルボン酸および下記一般式(b)で表される少なくとも1種のジオールを重縮合して得られることが好ましい。
一方、ジオール化合物も、上記一般式(b)で表される脂肪族化合物以外にも、芳香族もしくはヘテロ環の化合物が挙げられる。
また、数平均分子量が2000以下であればセルロースアシレートとの相溶性が高くなり、製膜時および加熱延伸時のブリードアウトの抑制に優れる。
炭素数の平均が5.5以上であれば耐久性に優れた偏光板を得ることができる。炭素数の平均が10以下であればセルロースアシレートへの相溶性に優れ、セルロースアシレートフィルムの製膜過程でブリードアウトの抑制に優れる。
ジオール化合物と、脂肪族ジカルボン酸を含むジカルボン酸とから得られた重縮合エステルには、脂肪族ジカルボン酸残基が含まれる。
重縮合エステル系可塑剤を合成する脂肪族ジカルボン酸は、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。
重縮合エステル系可塑剤を合成するジオールとしては、芳香族ジオールおよび脂肪族ジオールが挙げられ、本発明においては、少なくとも脂肪族ジオールを用いて合成されることが好ましい。
脂肪族ジオール残基の平均炭素数が7.0より小さいとセルロースアシレートとの相溶性が改善され、ブリードアウト、化合物の加熱減量の増大、およびセルロースアシレートウェブ乾燥時の工程汚染が原因と考えられる面状故障の発生の抑制に優れる。また、脂肪族ジオール残基の平均炭素数が2.5以上であれば合成が容易である。
重縮合エステル系可塑剤は、特開2012−234159号公報の段落番号0062〜0064に記載されているJ−1〜J−38が好ましい。
また、これ以外にも下記に記載の重縮合エステル系可塑剤も好ましく用いることができる。
本発明に用いられる多価アルコールエステル系可塑剤は、アルコール部が2個以上のヒドロキシ基を有する多価アルコールから導かれるエステルであり、アルコール部のアルコールとしては、ヒドロキシ基以外に、エーテル結合を介して分断されてもよい飽和炭化水素にヒドロキシ基が2個以上置換したアルコールが好ましい。
多価アルコールエステル系可塑剤の原料である多価アルコールは下記一般式(c)で表される。
Rα−(OH)m
このような多価アルコールとしては、糖アルコールやグリコール類が挙げられる。
具体的には、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、キシリトールが好ましい。
炭水化物誘導体系可塑剤としては、単糖あるいは2〜10個の単糖単位を含む炭水化物の誘導体、中でもアシル化されたものが好ましい。
炭水化物誘導体系可塑剤はピラノース構造あるいはフラノース構造を有することが好ましい。
なお、本発明では、可塑剤は、特開2012−234159号公報の段落番号0026〜0068に記載の内容が好ましく適用され、これらの段落番号に記載の内容は、本明細書の一部に、好ましく取り込まれる。
本発明の光学フィルムは、酸化防止剤を含むことが好ましい。この酸化防止剤はセルロースアシレート溶液に添加されることができる。本発明において、公知の酸化防止剤、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4,4'−チオビス−(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのフェノール系あるいはヒドロキノン系酸化防止剤を添加することができる。さらに、トリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどのリン系酸化防止剤を用いることが好ましい。
酸化防止剤の添加量は、セルロースアシレート100質量部に対して、0.001〜5.0質量部が好ましく、0.01〜5.0質量部がさらに好ましい。
本発明の光学フィルムは、ラジカル捕捉剤を含むことが好ましい。ラジカル捕捉剤として、HALS(ヒンダードアミン系光安定剤)類、レダクトン類が好ましく用いられる。
HALS類は、特に、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン環を有する化合物が好ましく、ピペリジンの1位が、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、オキシラジカル基(−O・)、アシルオキシ基、アシル基であるものが好ましく、4位は水素原子、ヒドロキシ基、アシルオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基であるものがより好ましい。また分子中に2〜5個の2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン環を有するものも好ましい。このような化合物としては、特開2012−98698号公報の段落番号0028〜0052に記載の化合物を挙げることができる。
このような化合物としては、例えば、Sunlizer HA−622(商品名、株式会社ソート製)、CHIMASSORB 2020FDL、TINUVIN 770DF、TINUVIN 152、TINUVIN 123、FLAMESTAB NOR 116 FF〔商品名、いずれもBASF社(旧チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社)製〕、サイアソーブUV−3346、サイアソーブUV−3529(商品名、いずれもサンケミカル株式会社製)、アデカスタブLA−72、アデカスタブLA−81(商品名、いずれも株式会社アデカ製)が挙げられる。
また、アスコルビン酸、エリソルビン酸の油溶化誘導体は好ましく用いることができ、ステアリン酸L−アスコルビルエステル、テトライソパルミチン酸L−アスコルビルエステル、パルミチン酸L−アスコルビルエステル、パルミチン酸エリソルビルエステル、テトライソパルミチン酸エリソルビルエステルなどが挙げられる。なかでも、アスコルビン酸骨格を有するものが好ましく、L−アスコルビン酸のミリスチン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステルが特に好ましい。
セルロースアシレートフィルム中のラジカル捕捉剤の含有量は、セルロースアシレート100質量部に対して、0.001〜2.0質量部が好ましく、0.01〜1.0質量部がより好ましい。
セルロースアシレートの劣化防止剤として、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤として知られる添加剤を用いても良い。これらの添加剤としては例えば、特開2006−251746号公報の段落番号0074〜0081、0082〜0117に記載の化合物が挙げられる。
また、2個以上のアミノ基を有する多価アミン類を用いることも好ましく、多価アミンとしては、第一級または第二級のアミノ基を2個以上有しているものが好ましい。2個以上のアミノ基を有する化合物としては、含窒素ヘテロ環化合物(ピラゾリジン環、ピペラジン環などを有する化合物)、ポリアミン系化合物(鎖状もしくは環状のポリアミンで、例えば、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、N,N’−ビス(アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタキス(2−ヒドロキシプロピル)ジエチレントリアミン、ポリエチレンイミン、変性ポリエチレンイミン、シクラムを基本骨格として含む化合物)等が挙げられる。
セルロースアシレートフィルム中の劣化防止剤の含有量は、質量ベースで1ppm〜10%が好ましく、1ppm〜5.0%がより好ましく、10ppm〜1.0%がさらに好ましい。
本発明の光学フィルムは、偏光板または液晶等の劣化防止の観点から、紫外線吸収剤を含んでいてもよい。この紫外線吸収剤はセルロースアシレート溶液に添加されることができる。本発明において、紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。本発明に好ましく用いられる紫外線吸収剤は、例えばヒンダードフェノール系化合物、ヒドロキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられる。
本発明のセルロースアシレートフィルムは公知の剥離促進剤を添加してもよい。
剥離促進剤は、有機酸、多価カルボン酸誘導体、界面活性剤またはキレート剤であることが好ましい。例えば、特開2006−45497号公報の段落番号0048〜0081に記載の化合物、特開2002−322294号公報の段落番号0077〜0086に記載の化合物、特開2012−72348号公報の段落番号0030〜0056に記載の化合物等を、好ましく用いることができる。セルロースアシレートフィルム中の剥離促進剤の含有量は、質量ベースで1ppm〜5.0%が好ましく、1ppm〜2.0%がより好ましい。
カルボン酸成分は、多価のカルボン酸で、カルボン酸は、脂肪族または芳香族のいずれのカルボン酸であっても構わないが、脂肪族カルボン酸が好ましい。脂肪族カルボン酸は、飽和、不飽和であっても、直鎖状、分岐鎖状または環状の脂肪族のカルボン酸であっても、置換基を有していても構わない。このような置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基が挙げられる。
芳香族カルボン酸は、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸などが挙げられ、脂肪族カルボン酸は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸が挙げられ、置換基を有する脂肪族カルボン酸としては、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸が挙げられる。
また、アルコール成分における原料のアルコールは、1価であっても多価であってもよく、多価アルコールは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトールが挙げられ、これらのヒドロキシ基部分(−OH)が、ポリオキシアルキレンオキシ基となったもの〔例えば、−(OCH2CH2)n−OH、−(OC3H6)nOH〕も好ましい。
また、アミン成分における原料のアミン化合物は、1価であっても多価であってもよい。
本発明の光学フィルムは、フィルムすべり性、および安定製造の観点からマット剤を加えてもよい。マット剤は、無機化合物のマット剤であっても、有機化合物のマット剤であってもよい。
無機化合物のマット剤は、ケイ素を含む無機化合物(例えば、二酸化ケイ素、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムなど)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化ジルコニウム、酸化ストロンチウム、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化スズ・アンチモン、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリンおよびリン酸カルシウム等が好ましく、さらに好ましくはケイ素を含む無機化合物や酸化ジルコニウムであるが、セルロースアシレートフィルムの濁度を低減できるので、二酸化ケイ素が特に好ましく用いられる。
有機化合物のマット剤は、例えば、シリコーン樹脂、弗素樹脂およびアクリル樹脂等のポリマーが好ましく、中でも、シリコーン樹脂が好ましい。シリコーン樹脂の中でも、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、トスパール105、トスパール108、トスパール120、トスパール145、トスパール3120およびトスパール240(以上東芝シリコーン(株)製)等の商品名を有する市販品が使用できる。
さらにはドープを流延する直前に添加混合する直前添加方法でもよく、その混合はスクリュー式混練をオンラインで設置して用いられる。具体的には、インラインミキサーのような静的混合機が好ましく、また、インラインミキサーとしては、例えば、スタチックミキサーSWJ(東レ静止型管内混合器Hi−Mixer)(東レエンジニアリング製)のようなものが好ましい。
(硬度)
セルロースアシレートフィルムは実用上十分な弾性率(引張り弾性率)を示す。弾性率の範囲は特に限定されないが、製造適性およびハンドリング性という観点から1.0〜7.0GPaであることが好ましく、2.0〜6.5GPaであることがより好ましい。本発明の一般式(I)で表される化合物は、セルロースアシレートフィルム中に添加されることにより、セルロースアシレートフィルムを疎水化することで弾性率を向上させる作用があり、その点も本発明における利点である。
セルロースアシレートフィルムの光弾性係数の絶対値は、好ましくは8.0×10−12m2/N以下、より好ましくは6×10−12m2/N以下、さらに好ましくは5×10−12m2/N以下である。セルロースアシレートフィルムの光弾性係数を小さくすることにより、セルロースアシレートフィルムを含む本発明の光学フィルムを偏光板保護フィルムとして液晶表示装置に組み込んだ際に、高温高湿下におけるムラ発生を抑制できる。光弾性係数は、特に断らない限り、以下の方法により測定し算出するものとする。
光弾性率の下限値は特に限定されないが、0.1×10−12m2/N以上が実際的である。
セルロースアシレートフィルムの含水率は一定温湿度における平衡含水率を測定することにより評価することができる。平衡含水率は上記温湿度に24時間放置した後に、平衡に達した試料の水分量をカールフィッシャー法で測定し、水分量(g)を試料質量(g)で除して算出したものである。
セルロースアシレートフィルムの25℃相対湿度80%における含水率は5質量%以下が好ましく、4質量%以下がさらに好ましく、3質量%未満がさらに好ましい。セルロースアシレートフィルムの含水率を小さくすることにより、セルロースアシレートフィルムを含む本発明の光学フィルムを偏光板保護フィルムとして液晶表示装置に組み込んだ際に、高温高湿下における液晶表示装置の表示ムラの発生を抑制することができる。含水率の下限値は特に限定されないが、0.1質量%以上が実際的である。
セルロースアシレートフィルムの透湿度は、JIS Z0208の透湿度試験(カップ法)に準じ、温度40℃、相対湿度90%の雰囲気中、試料を24時間に通過する水蒸気の質量を測定し、試料面積1m2あたりの24時間に通過する水蒸気の質量に換算することにより評価することができる。
セルロースアシレートフィルムの透湿度は、500〜2000g/m2・dayが好ましく、900〜1300g/m2・dayがより好ましい。
セルロースアシレートフィルムは、ヘイズが1%以下が好ましく、0.7%以下がより好ましく、0.5%以下が特に好ましい。ヘイズを上記上限値以下とすることにより、セルロースアシレートフィルムの透明性がより高くなり、光学フィルムとしてより用いやすくなるという利点がある。ヘイズは、特に断らない限り、下記方法により測定し算出するものとする。ヘイズの下限値は特に限定されないが、0.001%以上が実際的である。
セルロースアシレートフィルム40mm×80mmを、25℃、相対湿度60%の環境下で、ヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)を用いて、JIS K7136に従って測定する。
セルロースアシレートフィルムの平均膜厚は、10〜100μmが好ましく、15〜80μmがより好ましく、15〜70μmがさらに好ましい。15μm以上とすることにより、ウェブ状のフィルムを作製する際のハンドリング性が向上し好ましい。また、70μm以下とすることにより、湿度変化に対応しやすく、光学特性を維持しやすい。
また、セルロースアシレートフィルムが3層以上の積層構造を有する場合、コア層の膜厚は3〜70μmが好ましく、5〜60μmがより好ましく、スキン層Aおよびスキン層Bの膜厚は、ともに0.5〜20μmがより好ましく、0.5〜10μmが特に好ましく、0.5〜3μmが最も好ましい。
セルロースアシレートフィルムは、幅が700〜3000mmが好ましく、1000〜2800mmがより好ましく、1300〜2500mmが特に好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムの製造方法は、特に限定されるものではないが、溶融製膜法又は溶液製膜法により製造することが好ましい。溶液製膜法(ソルベントキャスト法)による製造がより好ましい。ソルベントキャスト法を利用したセルロースアシレートフィルムの製造例については、米国特許第2,336,310号、同第2,367,603号、同第2,492,078号、同第2,492,977号、同第2,492,978号、同第2,607,704号、同第2,739,069号および同第2,739,070号の各明細書、英国特許第640731号および同第736892号の各明細書、並びに特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号および同62−115035号等の各公報を参考にすることができる。また、セルロースアシレートフィルムは、延伸処理を施されていてもよい。延伸処理の方法および条件については、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号等の各公報を参考にすることができる。
溶液の流延方法としては、調製されたドープを加圧ダイから金属支持体上に均一に押し出す方法、一旦金属支持体上に流延されたドープをブレードで膜厚を調節するドクターブレードによる方法、逆回転するロールで調節するリバースロールコーターによる方法等があるが、加圧ダイによる方法が好ましい。加圧ダイにはコートハンガータイプやTダイタイプ等があるが、いずれも好ましく用いることができる。また、ここで挙げた方法以外にも、従来知られているセルロースアシレート溶液を流延製膜する種々の方法で実施することができ、用いる溶媒の沸点等の違いを考慮して各条件を設定することにより、それぞれの公報に記載の内容と同様の効果が得られる。
セルロースアシレートフィルムの形成においては共流延法、逐次流延法、塗布法などの積層流延法が好ましく、特に同時共流延法は、安定製造および生産コスト低減の観点から特に好ましい。
共流延法および逐次流延法により製造する場合には、先ず、各層用のセルロースアセテート溶液(ドープ)を調製する。共流延法(重層同時流延)は、流延用支持体(バンドまたはドラム)の上に、各層(3層あるいはそれ以上でも良い)各々の流延用ドープを別のスリットなどから同時に押出す流延用ダイからドープを押出して、各層同時に流延し、適当な時期に支持体から剥ぎ取って、乾燥しフィルムを成形する流延法である。図3に、共流延ダイ3を用い、流延用支持体4の上に表層用ドープ1とコア層用ドープ2を3層同時に押出して流延する状態を断面図で示した。
また、上記金属支持体の材質については特に制限はないが、SUS製(例えば、SUS316)であることがより好ましい。
セルロースアシレートフィルムの製造方法は、上記ドープ膜を金属支持体から剥ぎ取る工程を含むことが好ましい。セルロースアシレートフィルムの製造方法における剥離の方法については特に制限はなく、公知の方法を用いた場合に剥離性を改善することができる。
セルロースアシレートフィルムの製造方法では、製膜された延伸する工程を含むことが好ましい。セルロースアシレートフィルムの延伸方向はセルロースアシレートフィルム搬送方向(MD方向)と搬送方向に直交する方向(TD方向)のいずれでも好ましいが、セルロースアシレートフィルム搬送方向に直交する方向(TD方向)が、後に続く、セルロースアシレートフィルムを用いた偏光板加工プロセスの観点から特に好ましい。
セルロースアシレートフィルムの製造方法では、セルロースアシレートフィルムを乾燥する工程と、乾燥後のセルロースアシレートフィルムをガラス転移温度(Tg)−10℃以上の温度で延伸する工程とを含むことが、レターデーション発現性の観点から好ましい。
本発明の光学フィルムにおいて、セルロースアシレートフィルム上に所望により設けられるハードコート層は、本発明の光学フィルムに硬度や耐傷性を付与するための層である。例えば、塗布組成物をセルロースアシレートフィルム上に塗布し、硬化させることによって、上記一般式(I)で表される化合物と相俟ってセルロースアシレートフィルムと密着性の高いハードコート層を形成することができる。ハードコート層にフィラーや添加剤を加えることで、機械的、電気的、光学的などの物理的な性能や撥水・撥油性などの化学的な性能をハードコート層自体に付与することもできる。ハードコート層の厚みは0.1〜6μmが好ましく、3〜6μmがさらに好ましい。このような範囲の薄いハードコート層を有することで、脆性やカール抑制などの物性改善、軽量化および製造コスト低減がなされたハードコート層を含む光学フィルムになる。
利用可能なマトリックス形成バインダー用モノマーまたはオリゴマーの例には、電離放射線硬化性の多官能モノマーおよび多官能オリゴマーが含まれる。多官能モノマーや多官能オリゴマーは架橋反応、または、重合反応可能なモノマーであるのが好ましい。電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーの官能基としては、光、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。
ネオペンチルグリコールアクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;
ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;
2,2−ビス{4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{4−(アクリロキシ・ポリプロポキシ)フェニル}プロパン等のエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類;
等が挙げられる。
具体的には、(ジ)ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリアクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサトリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリアクリレート、1,2,3−クロヘキサンテトラメタクリレート、ポリエステルポリアクリレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリロイル」は、それぞれ「アクリレートまたはメタクリレート」、「アクリル酸またはメタクリル酸」、「アクリロイルまたはメタクリロイル」を表す。
3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレート系化合物類の具体化合物としては、特開2007−256844号公報の段落番号0096等を参考にすることができる。
具体的な化合物の具体例としては特開2007−256844号公報の段落番号0017等の記載を参考にすることができる。
ハードコート層は、高分子化合物を含有していてもよい。高分子化合物を添加することで、硬化収縮を小さくでき、また、樹脂粒子の分散安定性(凝集性)に関わる塗布液の粘度調整をより優位に行うことができ、さらには、乾燥過程での固化物の極性を制御して樹脂粒子の凝集挙動を変えたり、乾燥過程での乾燥ムラを減じたりすることもでき、好ましい。
ハードコート層の形成に利用可能な硬化性組成物の一例は、(メタ)アクリレート系化合物を含む硬化性組成物である。硬化性組成物は、(メタ)アクリレート系化合物とともに、光ラジカル重合開始剤または熱ラジカル重合開始剤を含有するのが好ましく、所望により、さらにフィラー、塗布助剤、その他の添加剤を含有していてもよい。硬化性組成物の硬化は、光ラジカル重合開始剤または熱ラジカル重合開始剤の存在下、電離放射線の照射または加熱により重合反応を進行させることで実行できる。電離放射線硬化と熱硬化の双方を実行することもできる。光および熱重合開始剤としては市販の化合物を利用することができ、それらは、「最新UV硬化技術」(p.159,発行人;高薄一弘,発行所;(株)技術情報協会,1991年発行)や、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)のカタログに記載されている。
本発明の光学フィルムのセルロースアシレートフィルム上に形成されるハードコート層は、セルロースアシレートフィルムと高い密着性を有している。特に、一般式(I)で表される化合物を含有するセルロースアシレートフィルム上に上述の好適な硬化性組成物で形成されたハードコート層は、その硬化性組成物が一般式(I)で表される化合物と相俟って、セルロースアシレートフィルムとさらに高い密着性で形成される。したがって、このようなセルロースアシレートフィルムおよびハードコート層を有する本発明の光学フィルムは、光照射等によってもセルロースアシレートフィルムとハードコート層との密着性を維持し、光耐久性に優れる。
本発明の偏光板は、偏光子と本発明の光学フィルムとを少なくとも有する。本発明の偏光板は、偏光子と偏光子の片面または両面に本発明の光学フィルムを有することが好ましい。偏光子には、ヨウ素系偏光子、二色性染料を用いる染料系偏光子やポリエン系偏光子がある。ヨウ素系偏光子および染料系偏光子は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。本発明の光学フィルムを偏光板保護膜として用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。例えば、本発明の光学フィルムのセルロースアシレートフィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号公報、特開平6−118232号公報に記載されているような易接着加工を施してもよい。セルロースアシレートフィルムの処理面と偏光子を貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙げられる。
ここで、実質的に直交または平行であるとは、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含む。例えば、平行、直交に関する厳密な角度から±10°未満の範囲内であることを意味し、厳密な角度との誤差は、5°以下が好ましく、3°以下がより好ましい。
偏光子の透過軸とセルロースアシレートフィルムの遅相軸が平行とは、セルロースアシレートフィルムの主屈折率nxの方向と偏光子の透過軸の方向とのなす角が±10°の範囲内であることを意味する。この角度の範囲は、±5°が好ましく、±3°がより好ましく、±1°がさらに好ましく、±0.5°が最も好ましい。なお、この角度が0°のとき、セルロースアシレートフィルムの主屈折率nxの方向と偏光子の透過軸の方向とは交わらず完全に平行である。
また、偏光子の透過軸とセルロースアシレートフィルムの遅相軸が直交するとは、セルロースアシレートフィルムの主屈折率nxの方向と偏光板の透過軸の方向とが90°±10°の角度で交わっていることを意味する。この角度は、90°±5°が好ましく、90°±3°がより好ましく、90°±1°がさらに好ましく、90°±0.5°が最も好ましい。
貼り合せに際してこのように角度調整することで、偏光板クロスニコル下での光抜けをより低減することができる。遅相軸の測定は、任意の種々の方法で測定することができ、例えば、複屈折計(KOBRA DH、王子計測機器(株)社製)を用いて行うことができる。
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと本発明の偏光板とを少なくとも有する。本発明の液晶表示装置において、偏光板、後述する第一偏光板および第二偏光板を有する場合には少なくとも一方が、本発明の偏光板であるIPS、OCBまたはVAモードの液晶表示装置であることが好ましい。
本発明の液晶表示装置は、好ましくは、液晶セルと、液晶セルの両側に積層され、液晶セル側とは反対側の面に光学フィルムを具備する偏光板とを有している。すなわち、本発明の液晶表示装置は、第一偏光板、液晶セルおよび第二偏光板を有し、偏光板それぞれと液晶セルとで挟持される偏光板面と反対面に本発明の光学フィルムを具備しているのが好ましい。このような構成を有する液晶表示装置は、表示ムラの抑制に優れ、高い表示性能を発揮する。
また、本発明の液晶表示装置は、好ましくは、視認側に配置された偏光板が視認側の光学フィルム表面上にハードコート層を有する光学フィルム、特にセルロースアシレートフィルムを有している。このような構成を有する液晶表示装置は、表示ムラの抑制に優れた高い表示性能に加えて、優れた耐擦傷性と光耐久性を発揮する。
なお、図1および図2に、本発明の液晶表示装置の一例についての構成を示したが、本発明の液晶表示装置の具体的な構成としては特に制限はなく公知の構成を採用できる。また、特開2008−262161号公報の図2に記載の構成も好ましく採用することができる。
本発明の一般式(I)で表される化合物を以下のようにして合成した。
代表的な化合物の合成例を以下に示す。
1,3−ジメチル−5−フェニルバルビツール酸を酢酸中、臭素で、臭素化し、例示化合物(A−7)を合成した。
得られた化合物の構造は、1H−NMRで確認した。
例示化合物(A−7)とベンジルアミンを反応させ、例示化合物(D−3)を合成した。
得られた化合物の構造は、1H−NMRで確認した。
例示化合物(A−7)と同様にして、1,5−ジフェニルバルビツール酸を酢酸中、臭素で、臭素化し、例示化合物(A−6)を合成した。
得られた化合物の構造は、1H−NMRで確認した。
Organic Chemistry,第68巻,4684頁(2003年)に記載の方法により、1,3−ジメチル−5−ベンジルバルビツール酸を、酢酸中、酢酸マンガンを触媒として酸化し、例示化合物(B−1)を合成した。
得られた化合物の構造は、1H−NMRで確認した。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d6):δ 2.50(s、6H)、3.12(s、2H)、6.51(s、1H)、6.92(m、2H)、7.24(m、3H)
1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸とメタクロル過安息香酸(mCPBA)を反応させ、例示化合物(B−3)を合成した。得られた化合物の構造は、1H−NMRで確認した。
得られた化合物の構造は、1H−NMRで確認した。
1H−NMR(300MHz、CDCl3):δ 4.13(br、1H)、5.12(m、2H)、7.08(s、2H)、7.26〜7.46(m、13H)
1H−NMR(300MHz、CDCl3):δ 3.33(dd、2H)、3.65(br、1H)、4.94(m、2H)、6.88(m、2H)、7.14〜7.48(m、13H)
1H−NMR(300MHz、DMSO−d6):δ 0.75(t、3H)、1.04−1.16(m、4H)、1.76(m、2H)、4.87(s、2H)、6.11(s、1H)、7.26−7.33(m、5H)、11.59(s、1H)
1H−NMR(300MHz、DMSO−d6):δ 1.49(s、3H)、4.87(s、2H)、6.32(s、1H)、7.29(m、5H)、11.50(s、1H)
1H−NMR(300MHz、DMSO−d6):δ 3.12(s、2H)、6.40(s、1H)、7.03(m、2H)、7.28(m、3H)、11.21(s、2H)
得られた化合物の構造は、1H−NMRで確認した。
得られた化合物の構造は、1H−NMRで確認した。
(A)セルロースアシレートフィルム(光学フィルム)の作製および評価−1−
(セルロースアセテートの調製)
総アセチル置換度(B)2.87のセルロースアセテートを下記のようにして調製した。
触媒として硫酸(セルロース100質量部に対し7.8質量部)を添加し、酢酸を添加し40℃でセルロースのアセチル化反応を行った。またアセチル化後に40℃で熟成を行った。さらにこのセルロースアセテートの低分子量成分をアセトンで洗浄し除去した。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
セルロースアセテート溶液の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
総アセチル置換度(B)2.87、重合度370のセルロースアセテート
100.0質量部
下記表2に記載の一般式(I)で表される化合物
10.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 402.0質量部
メタノール(第2溶媒) 60.0質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
なお、以降では、光学フィルムを偏光板保護フィルムとも称す。
作製した各光学フィルムのNo.101〜103および比較の光学フィルムのNo.c01〜c03のフィルム硬度(表面硬度)を測定した。
フィッシャーインスツルメンツ(株)社製“フィッシャースコープH100Vp型硬度計”を用い、圧子の短軸の向きをセルロースアシレートフィルム製膜時の搬送方向(MD方向;鉛筆硬度試験での試験方向)に対して平行に配置したヌープ圧子により、ガラス基板に固定したサンプル表面を負荷時間10秒、クリープ時間5秒、除荷時間10秒、最大荷重50mNの条件で測定した。押し込み深さから求められる圧子とサンプルとの接触面積と最大荷重の関係により、硬度を算出し、この5点の平均値を表面硬度とした。
なお、評価が「C」以上であるとセルロースアセテートフィルムとしての硬度が高く、加工性の観点から十分に実用的である。
A:添加剤なしのヌープ硬度の値の1.15倍以上
B:添加剤なしのヌープ硬度の値の1.10倍以上1.15倍未満
C:添加剤なしのヌープ硬度の値の1.03倍以上1.10倍未満
D:添加剤なしのヌープ硬度の値の1.03倍未満
上記で作製した本発明の各光学フィルムに対して、スーパーキセノンウェザーメーター(スガ試験機(株)製SX75)を用い、放射照度150W/m2、ブラックパネル温度63℃、相対湿度50%の条件で、120時間光照射を行った。その後島津製作所の分光光度計UV3150を用いて色相b*を測定した。色相b*の値がマイナス側に大きくなると透過光は青味が増し、プラス側に大きくなると黄色味が増す。光照射前後のb*の値の変化をΔb*とし、これを光着色に対する指標とした。
評価は下記基準で行った。
B:Δb*が0.04以上、0.06未満
C:Δb*が0.06以上、0.08未満
D:Δb*が0.08以上
比較化合物(R−2)(比較の光学フィルムのNo.c02)と比べると、本発明の光学フィルムのNo.101〜103はいずれも高い表面硬度を示している。これは、本発明の一般式(I)で表される化合物が環構造あるいは極性基を有することによってセルロースアセテートとの相互作用がより強まっているものと考えられる。
また、比較化合物(R−1)(比較の光学フィルムのNo.c01)と比べると、本発明の光学フィルムのNo.101〜103はいずれも光によるフィルムの着色が抑えられていることを示している。
(B)セルロースアシレート(光学フィルム)の作製および評価−2−
一般式(I)で表される化合物の種類を下記表3のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして本発明の光学フィルムのNo.111〜120を作製した。各特性の評価は実施例1と同様にして行った。
(C)セルロースアシレート(光学フィルム)の作製および評価−3−
実施例1と同様にして、セルロースアシレートの置換度、一般式(I)で表される化合物の種類およびセルロースアシレートフィルムの膜厚を下記表4のように変更した以外は、実施例1と同様にして、本発明の光学フィルムのNo.131〜137を作製した。
各特性の評価は実施例1と同様にして行った。
(D)セルロースアシレート(光学フィルム)の作製および評価−4−
実施例1と同様にして、セルロースアシレートの種類、各添加剤の種類、セルロースアシレートフィルムの膜厚を下記表5のように変更した以外は、実施例1と同様にして、本発明の光学フィルムのNo.141〜145および比較の光学フィルムのNo.c41〜c43をそれぞれ作製した。
各特性の評価は実施例1と同様にして行った。ただし、表面硬度の評価に際しては、下記のとおり、膜厚に応じて押し込み荷重を変更した。
上記で得られたセルロースアシレートフィルムを、押し込み荷重20mNとした以外は実施例1に記載の方法と同様にして、フィルム硬度(表面硬度)を測定した。
それぞれのフィルムのヌープ硬度の値を、添加剤を加えずに作製したフィルムのヌープ硬度の値と比較して、下記の基準で評価した。
B:添加剤を加えなかった場合のヌープ硬度の値の1.10倍以上1.15倍未満
C:添加剤を加えなかった場合のヌープ硬度の値の1.03倍以上1.10倍未満
D:添加剤を加えなかった場合のヌープ硬度の値の1.03倍未満
(ハードコート層付き光学フィルムの作製)
実施例1および2で作製した単層の各光学フィルムの表面に下記の組成物のハードコート層溶液を塗布し、紫外線を照射して硬化させ、厚み6μmのハードコート層を形成したハードコート層付き光学フィルムを作製した。
ハードコート層溶液の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
モノマー ペンタエリスリトールトリアクリレート/
ペンタエリスリトールテトラアクリレート(混合質量比3/2)
53.5質量部
UV開始剤 IrgacureTM907
(BASF社製) 1.5質量部
酢酸エチル 45質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
各ハードコート層付き光学フィルムを、25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した後、JIS−S6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS−K5400が規定する鉛筆硬度評価法に従い、500gのおもりを用いて各硬度の鉛筆でハードコート層表面を5回繰り返し引っ掻き、傷が1本となるまでの硬度を測定した。なお、JIS−K5400で定義される傷は塗膜の破れ、塗膜のすり傷であり、塗膜のへこみは対象としないと記載されているが、本評価では、塗膜のへこみも含めて傷と判断した。その結果、本発明の光学フィルムのNo.101〜103、111〜120に基づくハードコート層付き光学フィルムはいずれも3Hと良好な値を示すことがわかった。
(偏光板保護フィルムの鹸化処理)
実施例1で作製した本発明の光学フィルムのNo.101からなる偏光板保護フィルムを、2.3mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で3分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、実施例1〜4で作製した各光学フィルムからなる偏光板保護フィルムに対して表面の鹸化処理を行った。なお、偏光子は前述の<<偏光板>>の項で説明したような常用されているものを用いた。
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光子を作製した。
実施例1で作製し、上記の鹸化処理した偏光板保護フィルムのNo.101を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の片側に貼り付けた。市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士フイルム(株)製)も同様の鹸化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、鹸化処理した偏光板保護フィルムのNo.101が貼り付けてある側とは反対側の偏光子の面に、鹸化処理済みの上記市販のセルローストリアセテートフィルムを貼り付けた。
この際、偏光子の透過軸と、実施例1で作製した鹸化処理済みの偏光板保護フィルムのNo.101の遅相軸とが平行になるように配置した。また、偏光子の透過軸と鹸化処理済みの市販のセルローストリアセテートフィルムの遅相軸についても、直交するように配置した。
このようにして本発明の偏光板101を作製した。
本発明の偏光板は、組み込まれた本発明の光学フィルムの性能を反映して、優れた性能を示した。
この結果、本発明の光学フィルム、それを用いた偏光板を使用することで、以上に示したような優れた性能の液晶表示装置が作製できる。
(可塑剤との組み合わせ)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液71を調製した。
セルロースアシレート溶液71の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
・アセチル置換度(B)2.87、重合度370のセルロースアセテート
100.0質量部
・可塑剤: 疎水化剤(1)
フタル酸/エタンジオールの重縮合物
末端は酢酸エステル基で数平均分子量は800
10.0質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 389.8質量部
・メタノール(第2溶媒) 58.2質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液72を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
マット剤溶液72の組成
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平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、
日本アエロジル(株)製) 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 75.5質量部
メタノール(第2溶媒) 11.3質量部
セルロースアシレート溶液71 0.9質量部
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下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、偏光子耐久性改良剤溶液73を調製した。
偏光板耐久性改良剤溶液73の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
例示化合物(B−3) 20.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 73.5質量部
メタノール(第2溶媒) 6.4質量部
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下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、紫外線吸収剤溶液74を調製した。
紫外線吸収剤溶液74の組成
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下記紫外線吸収剤(UV−1) 10.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 78.3質量部
メタノール(第2溶媒) 11.7質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
上記マット剤溶液72を1.3質量部、偏光板耐久性改良剤溶液73を3.3質量部および紫外線吸収剤溶液74を4.0質量部、それぞれ濾過後にインラインミキサーを用いて混合し、さらにセルロースアシレート溶液71を91.4質量部加えて、インラインミキサーを用いて混合した。バンド流延装置を用い、上記で調製したドープをステンレス製の流延支持体(支持体温度22℃)に流延した。ドープ中の残留溶媒量が略20質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をテンターで把持し、残留溶媒量が5〜10質量%の状態で、120℃の温度下で幅方向に1.10倍(10%)延伸しつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥し、光学フィルムのNo.701を作製した。得られた光学フィルムの厚みは23μm、幅は1480mmであった。
また、光学フィルムのNo.701において、偏光板耐久性改良剤溶液73を混合しなかったこと以外は光学フィルムのNo.701と同様にして、比較の光学フィルムのNo.c73を作製した。
疎水化剤1:フタル酸/エタンジオールの重縮合物(末端は酢酸エステル基で数平均分子量は800)
重縮合ポリマー(A):アジピン酸とエタンジオールからなるポリエステル(末端はヒドロキシ基)(数平均分子量=1000)
モノペット(登録商標)SB (可塑剤): 第一工業化学社製
SAIB−100 (可塑剤): イーストマン・ケミカル社製
このようにして作製した各光学フィルムを実施例4と同様の評価方法と評価基準で評価した。
上記で作製した本発明の光学フィルムのNo.701〜705、711〜715、801〜805、811〜815および比較の光学フィルムのNo.c71〜c73、c81〜c83の各光学フィルムからなる各偏光板保護フィルムを、2.3mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で3分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥し、鹸化処理した各偏光板保護フィルムを作製した。
鹸化処理した上記の各偏光板保護フィルムを使用した以外は、実施例2と同様にして、本発明の光学フィルムのNo.701〜705、711〜715、801〜805、811〜815および比較の光学フィルムのNo.c71〜c73、c81〜c83に対応する偏光板を作製した。
偏光板耐久性試験は偏光板をガラスに粘着剤を介して貼り付けた形態で次のように行った。
ガラスの上に偏光板を本発明の光学フィルムが空気界面側になるように貼り付けたサンプル(約5cm×5cm)を2つ作製する。単板直交透過率測定ではこのサンプルのフィルムの本発明の光学フィルムの側を光源に向けてセットして測定する。2つのサンプルをそれぞれ測定し、その平均値を本発明の偏光板の直交透過率とした。偏光板の直交透過率は、日本分光(株)製、自動偏光フィルム測定装置VAP−7070を用いて380nm〜780nmの範囲で測定し、410nmにおける測定値を採用した。その後、下記条件にて経時保存した後に同様の方法で直交透過率を測定した。経時前後の直交透過率の変化を求め、これを偏光板耐久性として下記基準で評価した。
なお、調湿なしの環境下での相対湿度は、0〜20%の範囲であった。
60℃、相対湿度95%の環境下で500時間
A :経時前後の直交透過率の変化が0.8%以上1.0%未満
B :経時前後の直交透過率の変化が1.0%以上1.2%未満
C :経時前後の直交透過率の変化が1.2%以上
60℃、相対湿度95%の環境下で500時間
A :経時前後の直交透過率の変化が0.6%以上0.7%未満
B :経時前後の直交透過率の変化が0.7%以上0.8%未満
C :経時前後の直交透過率の変化が0.8%以上
この結果、本発明の偏光板を使用することで、以上に示したような優れた性能の液晶表示装置が作製できる。
(一般式(A)で表される化合物との併用)
実施例7と同様にして一般式(I)で表される化合物の種類と添加量を下記表7のように変更し、さらに一般式(A)で表される化合物やその他の添加剤を下表7のように加えた。それ以外は実施例7と同様にして、本発明の光学フィルムのNo.901〜917を作製し、下記の条件で、偏光板の耐久性を評価した。
60℃、相対湿度95%の環境下で500時間
A+ :経時前後の直交透過率の変化が0.7%以上0.8%未満
A :経時前後の直交透過率の変化が0.8%以上1.0%未満
B :経時前後の直交透過率の変化が1.0%以上1.2%未満
C :経時前後の直交透過率の変化が1.2%以上
レダクトンL:6−O−パルミトイル−L−アスコルビン酸(東京化成工業(株)社製)
TINUVIN(登録商標)123:BASF社製
キレストPH−540:キレスト(株)社製
テークランDO:ナガセケムテックス(株)社製
ポエムK−37V:理研ビタミン(株)社製
エポミンPP−061:(株)日本触媒社製
この結果、本発明の偏光板を使用することで、以上に示したような優れた性能の液晶表示装置が作製できる。
22 カラーフィルタ基板
23 液晶層(液晶セル)
24 アレイ基板
25 導光板
26 光源
31a、31a’、31b 光学フィルム(偏光板保護フィルム)
311a セルロースアシレートフィルム
311b ハードコート層
32 偏光子
R 偏光方向
Claims (21)
- セルロースアシレートおよび少なくとも1種の下記一般式(I)で表される化合物を含有する光学フィルム。
- 前記R5aが、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1もしくは2のアルコキシ基、炭素数6のアリールオキシ基、炭素数1〜23のアシルオキシ基、炭素数2〜5のアルキルオキシカルボニルオキシ基、炭素数7のアリールアミノカルボニルオキシ基、メルカプト基、炭素数1〜18のアルキルチオ基、炭素数6もしくは7のアリールチオ基、炭素数1〜6のアルキルもしくはアリールスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルもしくはアリールスルホニル基、炭素数1〜27のアルキルアミノ基、炭素数0〜4で環構成原子に酸素原子もしくは窒素原子を含む6員環の飽和ヘテロ環アミノ基または炭素数1〜7のアシル基である請求項1に記載の光学フィルム。
- 前記R5aが、ヒドロキシ基、炭素数1もしくは2のアルコキシ基、炭素数6のアリールオキシ基、炭素数1〜23のアシルオキシ基、炭素数2〜5のアルキルオキシカルボニルオキシ基、炭素数7のアリールアミノカルボニルオキシ基、メルカプト基、炭素数1〜18のアルキルチオ基、炭素数6もしくは7のアリールチオ基、炭素数1〜6のアルキルもしくはアリールスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルもしくはアリールスルホニル基、炭素数1〜27のアルキルアミノ基または炭素数0〜4で環構成原子に酸素原子もしくは窒素原子を含む6員環の飽和ヘテロ環アミノ基である請求項1または2に記載の光学フィルム。
- 前記R5aが、ヒドロキシ基、炭素数1もしくは2のアルコキシ基、炭素数6のアリールオキシ基または炭素数1〜23のアシルオキシ基である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
- 前記R5aが、ヒドロキシ基である請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルム。
- 前記R5bが、炭素数1〜14のアルキル基または炭素数6のアリール基である請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルム。
- 前記R1a、R3a、R5aおよびR5bに存在する環構造の合計が2個以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルム。
- 前記R1aおよびR3aの少なくとも一方が、炭素数1〜25のアルキル基、炭素数6のシクロヘキシル基、炭素数6もしくは7のアリール基または炭素数0〜5で環構成原子に窒素原子を含む6員環のヘテロ芳香環基である請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルム。
- 前記R1aおよびR3aの少なくとも一つが、炭素数6もしくは7のアリール基または炭素数6のアリール基が置換された炭素数7のアルキル基である請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学フィルム。
- 前記R1、R3およびR5に存在する環構造の合計が、2個以上である請求項10に記載の光学フィルム。
- 前記R1、R3およびR5が、それぞれ環構造を有する基である請求項10または11に記載の光学フィルム。
- 前記光学フィルム中に含有する前記一般式(I)で表される化合物と前記一般式(A)で表される化合物において、R1とR1a、および、R3とR3aの構造が、各々互いに同一である請求項12に記載の光学フィルム。
- 前記光学フィルム中に含有する前記一般式(I)で表される化合物と前記一般式(A)で表される化合物において、さらに、R5とR5bの構造が、互いに同一である請求項13に記載の光学フィルム。
- 前記セルロースアシレートの総アシル置換度をAとすると、Aが下記式を満足するセルロースアシレートである請求項1〜14のいずれか1項に記載の光学フィルム。
1.5≦A≦3.0 - 前記セルロースアシレートのアシル基がアセチル基であり、総アセチル置換度をBとすると、Bが、下記式を満足するセルロースアシレートである請求項1〜15のいずれか1項に記載の光学フィルム。
2.0≦B≦3.0 - さらに重縮合エステル系可塑剤を含有する請求項1〜16のいずれか1項に記載の光学フィルム。
- さらに多価アルコールエステル系可塑剤を含有する請求項1〜16のいずれか1項に記載の光学フィルム。
- さらに炭水化物誘導体系可塑剤を含有する請求項1〜16のいずれか1項に記載の光学フィルム。
- 偏光子と、該偏光子の少なくとも一方の面に請求項1〜19のいずれか1項に記載の光学フィルムを有する偏光板。
- 請求項20に記載の偏光板と液晶セルを少なくとも有する液晶表示装置。
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