JP6033439B2 - セルロースアシレートフィルム - Google Patents
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Description
本発明は、偏光子を含む偏光板の耐久性、さらに光によるフィルムの着色抑制やハードコート層等を設けた場合の密着性を改善し、液晶表示装置の性能をより高めることができるセルロースアシレートフィルムを提供することを課題とする。
また、上記特定構造のバルビツール酸誘導体は、腐食性をほとんど示さず、揮散も少ないことから、上記セルロースアシレートフィルムはその製造面においても優位性を備えるものであった。
<1>セルロースアシレートと、下記一般式(I)で表される化合物とを少なくとも含有するセルロースアシレートフィルム。
<2>R1、R3およびR5のうちの少なくとも2つが、置換基として環構造を有するアルキル基またはシクロアルキル基である<1>に記載のセルロースアシレートフィルム。
<3>R5が、置換基として環構造を有するアルキル基またはシクロアルキル基である<1>または<2>に記載のセルロースアシレートフィルム。
<4>R1およびR3が、各々独立に、置換基を有してよいアルキル基または置換基を有してよい芳香族基である<1>〜<3>のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
<5>セルロースアシレートの総アシル置換度をAとすると、Aが下記式を満足する<1>〜<4>のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
<8>重縮合エステル化合物の少なくとも1種を含有する<1>〜<7>のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
<9>重縮合エステル化合物が、下記一般式(a)で表される少なくとも1種のジカルボン酸と、下記一般式(b)で表される少なくとも1種のジオールとを重縮合して得られる化合物である<8>に記載のセルロースアシレートフィルム。
<10>重縮合エステル化合物の数平均分子量が、500〜2000である<8>または<9>に記載のセルロースアシレートフィルム。
<11>重縮合エステル化合物の末端が封止されている<8>〜<10>のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
<12>単糖、または2〜10個の単糖単位からなる炭水化物化合物の少なくとも1種を含有する<1>〜<11>のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
<13>炭水化物化合物が、置換基としてアルキル基、アリール基またはアシル基を有する<12>に記載のセルロースアシレートフィルム。
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、適宜添付の図面を参照して、下記の記載からより明らかになるであろう。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、偏光板の劣化を抑制する効果を発現でき、偏光板保護フィルム、画像表示面に配置される表面保護フィルム等種々の用途に有用である。
本発明において、セルロースアシレートフィルムは上記のように、樹脂構成成分に占めるセルロースアシレートの割合が50質量%以上のフィルムからなるもので、本発明における狭義の光学フィルムである。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、下記一般式(I)で表される化合物を少なくとも1種含有する。
上記R1、R3およびR5におけるシクロアルキル基の炭素数は、3〜20が好ましく、3〜10がより好ましく、4〜8がさらに好ましく、5または6が特に好ましい。シクロアルキル基の具体例として、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロへキシルが挙げられ、シクロヘキシルが特に好ましい。
上記R1、R3およびR5におけるアルケニル基の炭素数は、2〜20が好ましく、2〜10がより好ましく、2〜5がさらに好ましい。例えば、ビニル、アリルが挙げられる。
上記R1、R3およびR5における芳香族基は、芳香族炭化水素基であっても芳香族複素環基であってもよいが、芳香族炭化水素基であることが好ましい。芳香族基の炭素数は、6〜20が好ましく、6〜16がより好ましく、6〜12がさらに好ましい。
芳香族基、なかでも芳香族炭化水素基としては、フェニル、ナフチルが好ましく、フェニルがより好ましい。
置換基としては、特に制限はなく、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10で、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル等)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20で、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20で、例えば、エチニル、2−ブチニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20で、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素数6〜26で、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数0〜20のヘテロ環基で、環構成ヘテロ原子が酸素原子、窒素原子、硫黄原子が好ましく、5または6員環でベンゼン環やヘテロ環で縮環していてもよく、環が飽和環、不飽和環、芳香環であってもよく、例えば、2−ピリジニル、3−ピリジニル、4−ピリジニル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20で、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜26で、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、
なお、これらの置換基は、R1、R3、R5の各基が有してもよい置換基のみでなく、本明細書に記載の化合物における置換基に適用される。
なかでも、R5が環構造を有する基が置換したアルキル基またはシクロアルキル基であるものが好ましい。
ここで、環構造を有する基の環は、ベンゼン環、ナフタレン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、含窒素ヘテロ芳香環(例えば、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、インドール環、イソインドール環)が好ましい。
また、一般式(I)で表される化合物は、R1、R3およびR5のうちの少なくとも2つが、置換基として環構造を有するアルキル基またはシクロアルキル基であることが好ましい。さらに、R1およびR3が、各々独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよい芳香族基またはシクロアルキル基である場合が、なかでも好ましい。
一般式(I)で表される化合物は、R1、R3およびR5の置換基に存在する環構造の合計が最大4個であることがさらに好ましい。
以下、R5における、上記の好ましいアルキル基、シクロアルキル基をさらに説明する。
環構造の基が置換したアルキル基としては、例えば、ベンジル、フェネチル、3−フェニルプロピル、ナフチルメチル等のアラルキル基、ピリジン−2−イルメチル、ピリジン−3−イルメチル、ピリジン−4−イルメチル、インドール−3−イルメチルが挙げられる。
上記のアルキルカルボニル基としては、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ピバロイルが挙げられ、シクロアルキルカルボニル基としては、例えば、シクロプロピルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニルが挙げられ、アリールカルボニル基としては、例えば、ベンゾイル、トルオイル、ナフトイルが挙げられる。
アシル基が置換したアルキル基は、例えば、2−アシルエチル基、3−アシルプロピル基、2−アシルプロピル基が挙げられ、2−アシルエチル基が好ましい。
・R1、R3およびR5の少なくとも1つが、芳香族環が置換したアルキル基である化合物
なお、芳香族環が置換したアルキル基のなかでも、アルキル基に1個または2個のアリール基が置換したもの(2個のアリール基が置換した場合、同一炭素原子に置換していることが好ましい。)が好ましい。また、アルキル基にアリール基とアシル基(好ましくはアリーロイル基)が置換したものも好ましい。
・R1、R3およびR5のいずれか1つが、シクロアルキル基を含む基で、好ましくは、シクロアルキル基を含む基がシクロアルキル基である化合物
上記環構造としては、環状飽和炭化水素構造または芳香環構造(芳香族炭化水素構造または芳香族複素環構造)が好ましい。また、環構造は縮環構造であってもよい。
上記環構造が環状飽和炭化水素構造である場合、環状飽和炭化水素構造は炭素数3〜20のシクロアルキル基として存在することが好ましい。より具体的には、シクロプロピル基、シクロペンチル基またはシクロへキシル基として存在することがより好ましく、シクロへキシル基として存在することが特に好ましい。
また、上記環構造が芳香環構造である場合、芳香族炭化水素構造であることが好ましい。芳香族炭化水素構造は、炭素数6〜20のアリール基として存在することが好ましい。より具体的には、アリール基の環がベンゼン環、ナフタレン環として存在することがより好ましく、ベンゼン環として存在することが特に好ましい。
上記環構造は置換基を有してもよく、置換基を有する場合は、その好ましい範囲は、R1、R3およびR5の各基が有してもよい置換基と同様である。
分子量をこのような好ましい範囲にすることで、本発明における一般式(I)で表される化合物のフィルムからの揮散抑制に優れ、透明性の高いフィルムを得ることができる。
また、縮合に用いるマロン酸は、無置換のものでも置換基を有するものでもよく、R5に相当する置換基を有するマロン酸を用いれば、バルビツール酸を構築することにより本発明における一般式(I)で表される化合物を合成することができる。また、無置換のマロン酸と尿素誘導体を縮合させると5位が無置換のバルビツール酸が得られるので、これを修飾することにより本発明における一般式(I)で表される化合物を合成してもよい。
なお、本発明に用いる一般式(I)で表される化合物の合成法は上記に限定されるものではない。
一般式(I)で表される化合物の添加量を上記の範囲とすることで、透湿度を効果的に下げることが可能となり、またヘイズの発生が抑えられる。
また、二種類以上の溶媒を同時に含んでもよいし、水と溶媒を含む(例えば、水とアルコール(例えば、メタノール、エタノール、t−ブタノール)等)であってもよい。
本発明では、セルロースアシレートをフィルムの主成分として用いる。ここで本明細書では、「主成分」とは、原料となる成分が1種である態様ではその成分を、2種以上である態様では、最も質量分率の高い成分をいうものとする。セルロースアシレートの1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。セルロースアシレートのアシル置換基は、例えばアセチル基単独からなるセルロースアシレートであっても、複数の異なったアシル置換基を有するセルロースアシレートを用いてもよく、異なったセルロースアシレートの混合物であってもよい。
セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位、3位および6位に遊離のヒドロキシ基を有している。セルロースアシレートは、これらのヒドロキシ基の一部または全部をアシル基によりアシル化した重合体(ポリマー)である。
アシル置換度は、2位、3位および6位に位置するセルロースのヒドロキシ基のアシル化の度合いを示すものであり、全てのグルコース単位の2位、3位および6位のヒドロキシ基がいずれもアシル化された場合、総アシル置換度は3であり、例えば、全てのグルコース単位で、6位のみが全てアシル化された場合、総アシル置換度は1である。同様に、全グルコースの全ヒドロキシ基において、各々のグルコース単位で、6位か、2位のいずれか一方の全てがアシル化された場合も、総アシル置換度は1である。
すなわち、グルコース分子中の全ヒドロキシ基が全てアシル化された場合を3として、アシル化の度合いを示すものである。
アシル置換度の測定方法の詳細については、手塚他,Carbohydrate.Res.,273,83−91(1995)に記載の方法やASTM−D817−96に規定の方法に準じて測定することができる。
なお、本発明における一般式(I)で表される化合物は、総アセチル置換度であるBが2.50を超えたセルロースアシレートに対して、特に効果的に効果が発現される。
本発明のセルロースアシレートフィルム中には、レターデーション調整剤(レターデーション発現剤およびレターデーション低減剤)、可塑剤(重縮合エステル化合物(ポリマー)、多価アルコールの多価エステル、フタル酸エステル、リン酸エステル等)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、マット剤、剥離促進剤等の添加剤を加えることもできる。
なお、本明細書では、化合物群を標記するのに、例えば、リン酸エステル系化合物のように、「系」を組み込んで記載することがある。これは、上記の場合、リン酸エステル化合物と同じ意味である。
高分子レターデーション低減剤は、リン酸ポリエステルポリマー、スチレンポリマー、アクリルポリマー、およびこれらの共重合体から選択される少なくとも1種が好ましく、アクリルポリマーおよびスチレンポリマーから選択される少なくとも1種の負の固有複屈折を有するポリマーがより好ましい。
非リン酸エステル化合物である低分子量レターデーション低減剤は、特に限定されない。なお、詳細は特開2007−272177号公報の段落番号0066〜0085に記載されている化合物が好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、レターデーション値を発現するために、少なくとも1種のレターデーション発現剤を含有することもできる。
レターデーション発現剤としては、特に制限はなく、棒状または円盤状化合物からなるものや、上記非リン酸エステル化合物のうちレターデーション発現性を示す化合物を挙げることができる。棒状または円盤状化合物としては、少なくとも二つの芳香族環を有する化合物をレターデーション発現剤として好ましく用いることができる。
セルロースアシレートフィルム中、棒状化合物からなるレターデーション発現剤の含有量は、セルロースアシレート100質量部に対して0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜20質量部がさらに好ましい。また、セルロースアシレートフィルム中、レターデーション発現剤中に含まれる円盤状化合物の含有量は、セルロースアシレート100質量部に対して3質量部未満が好ましく、2質量部未満がより好ましく、1質量部未満が特に好ましい。
円盤状化合物はフィルム膜厚方向のレターデーション(Rthレターデーション)発現性において棒状化合物よりも優れているため、特に大きなRthレターデーションを必要とする場合には好ましく使用される。2種類以上のレターデーション発現剤を併用してもよい。
レターデーション発現剤は、250〜400nmの波長領域に最大吸収波長を有することが好ましく、可視領域に実質的に吸収を有していないことが好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、可塑剤(疎水化剤)として、多価アルコールの多価エステル化合物(以後、多価アルコールエステル可塑剤とも称す。)、重縮合エステル化合物(以後、重縮合エステル可塑剤とも称す。)および炭水化物化合物(以後、炭水化物誘導体可塑剤とも称す。)の中から選ばれる少なくとも一種の化合物を含むことが好ましい。
可塑剤は、セルロースアシレートフィルムのガラス転移温度(Tg)をできるだけ下げずに、セルロースアシレートフィルム中の含水率を低減できるものが好ましい。このような可塑剤を使用することにより高温高湿下においてセルロースアシレートフィルム中の添加剤が偏光子層へ拡散するのを抑制し、偏光子性能の劣化を改良することができる。
以下に本発明に用いられる可塑剤について詳しく説明する。
本発明では、多価アルコールエステル可塑剤の合成原料である多価アルコールは下記一般式(c)で表される。
Rα−(OH)m
本発明のセルロースアシレートフィルムは、重縮合エステル化合物を含むことが好ましく、重縮合エステル化合物として重縮合エステル可塑剤を含むことが好ましい。重縮合エステル可塑剤を含有させることで、湿度安定性、偏光板耐久性に優れたセルロースエステルフィルムを得ることができる。
重縮合エステル可塑剤は、下記一般式(a)で表される少なくとも1種のジカルボン酸および下記一般式(b)で表される少なくとも1種のジオールを重縮合して得られる。
なお、2価のシクロアルキレン基としてはシクロペンチレン、シクロヘキシレンが挙げられる。
重縮合エステル可塑剤の脂肪族ジオール残基中には、エチレングリコール残基が10mol%〜100mol%含まれることが好ましく、20mol%〜100mol%含まれることがより好ましい。
また、2000以下であればセルロースエステルとの相溶性が高くなり、製膜時および加熱延伸時のブリードアウトが抑制される。
重縮合エステル可塑剤の数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定、評価することができる。また、末端が封止のないポリエステルポリオールの場合、質量あたりのヒドロキシ基の量(以下、水酸基価とも言う)により算出することもできる。本発明において、水酸基価は、ポリエステルポリオールをアセチル化した後、過剰の酢酸の中和に必要な水酸化カリウムの量(mg)を測定して得ることができる。
平均炭素数を5.5以上にすることで耐久性により優れた偏光板を得ることができる。また、平均炭素数を10.0以下にすることでセルロースエステルとの相溶性により優れ、セルローエステルフィルムの製膜過程でブリードアウトが抑制される。
本発明に用いる重縮合エステル可塑剤のジカルボン酸残基中、芳香族ジカルボン酸残基の比率は40mol%以上が好ましく、40mol%〜100mol%がより好ましい。
ジカルボン酸残基は重縮合エステルの部分構造であり、例えばジカルボン酸HOC(=O)−X−CO2Hから形成されるジカルボン酸残基は−C(=O)−X−C(=O)−である。
重縮合エステル可塑剤の合成に使用する脂肪族ジカルボン酸は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
重縮合エステル可塑剤中の脂肪族ジカルボン酸残基は、具体的には、コハク酸残基を含むことが好ましい。また、重縮合エステル可塑剤中に2種以上の脂肪族ジカルボン酸残基を含む場合には、脂肪族ジカルボン酸残基は、コハク酸残基とアジピン酸残基を含むことが好ましい。
一般式(b)で表されるジオール化合物(HO−Z−OH)により形成されるジオール残基は−O−Z−O−である。
重縮合エステル可塑剤は、平均炭素数が2.0〜7.0の脂肪族ジオール残基を含むことが好ましく、平均炭素数が2.0〜4.0の脂肪族ジオール残基を含むことがより好ましい。
脂肪族ジオール残基の平均炭素数が7.0以下であるとセルロースアシレートとの相溶性が改善され、ブリードアウトが生じにくくなり、また、化合物の加熱減量が増大しにくくなり、セルロースアシレートウェブ乾燥時の工程汚染が原因と考えられる面状故障の発生が抑制される。また、脂肪族ジオール残基の平均炭素数が2.0以上であれば合成が容易である。重縮合エステル可塑剤中の脂肪族ジオール残基は、具体的には、エタンジオール、プロパンジオールおよびシクロヘキサンジメタノールを含むことが好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、さらに炭水化物誘導体可塑剤を含むことが好ましい。炭水化物誘導体可塑剤を含有させることで、湿度安定性、偏光板耐久性に優れたセルロースアシレートフィルムを得ることができる。
炭水化物誘導体可塑剤としては、単糖あるいは2〜10個の単糖単位を含む炭水化物の誘導体が好ましい。
炭水化物誘導体可塑剤が有する置換基は、アルキル基、アリール基およびアシル基から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましく、さらに好ましくはアシル基である。
キシローステトラアセテート、グルコースペンタアセテート、フルクトースペンタアセテート、マンノースペンタアセテート、ガラクトースペンタアセテート、マルトースオクタアセテート、セロビオースオクタアセテート、スクロースオクタアセテート、キシリトールペンタアセテート、ソルビトールヘキサアセテート、キシローステトラプロピオネート、グルコースペンタプロピオネート、フルクトースペンタプロピオネート、マンノースペンタプロピオネート、ガラクトースペンタプロピオネート、マルトースオクタプロピオネート、セロビオースオクタプロピオネート、スクロースオクタプロピオネート、キシリトールペンタプロピオネート、ソルビトールヘキサプロピオネート、キシローステトラブチレート、グルコースペンタブチレート、フルクトースペンタブチレート、マンノースペンタブチレート、ガラクトースペンタブチレート、マルトースオクタブチレート、セロビオースオクタブチレート、スクロースオクタブチレート、キシリトールペンタブチレート、ソルビトールヘキサブチレート、キシローステトラベンゾエート、グルコースペンタベンゾエート、フルクトースペンタベンゾエート、マンノースペンタベンゾエート、ガラクトースペンタベンゾエート、マルトースオクタベンゾエート、セロビオースオクタベンゾエート、スクロースオクタベンゾエート、キシリトールペンタベンゾエート、およびソルビトールヘキサベンゾエートから選ばれる少なくとも1種。
炭水化物誘導体可塑剤はピラノース構造あるいはフラノース構造を有することが好ましい。
なお、以下の構造式中、Rはそれぞれ独立に任意の置換基を表し、複数のRは同一でも、異なっていてもよい。
下記表2〜5において、例えば表2では、8個のヒドロキシ基(Rがいずれも水素原子)であるものを、2種類のアシル化剤でアシル化したものであり、この2種類のアシル化剤で導入されたRの一方を「置換基1」、他方のRを「置換基2」として示し、置換度は、全ヒドロキシ基8個中の個数を表す。
全Rの数は、表3では5個、表4および5では8個である。ここで、「フェニルアセチル」は、−C(=O)−CH2−C6H5を示す。
なお、これらの可塑剤は2種類以上添加してもよい。2種類以上添加する場合も、添加量の具体例および好ましい範囲は上記と同一である。
本発明のセルロースアシレートフィルムには、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)を添加してもよい。また、紫外線吸収剤も劣化防止剤の1つである。これらの劣化防止剤などは、特開昭60−235852号、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号、同6−118233号、同6−148430号、同7−11056号、同7−11055号、同7−11056号、同8−29619号、同8−239509号、特開2000−204173号の各公報に記載がある。
また、「高分子添加剤ハンドブック」(CMC出版)の21〜69頁に記載の市販の安定化剤はいずれも好ましく用いることができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、酸化防止剤を含有することが好ましい。酸化防止剤を含有することにより、本発明における一般式(I)で表される化合物が効果的に作用し、より良好な偏光板耐久性の改良効果が得られる。
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等のフェノール系およびヒドロキノン系酸化防止剤が挙げられる。
トリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリストールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等のリン系酸化防止剤やN,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン等のヒドロキシルアミン系酸化防止剤を用いることも好ましい。ヒドロキシルアミン系化合物については、特開平8−62767号公報の段落番号0005〜0020、段落番号0022〜0026に記載の化合物も好ましく用いることができる。
これらの環は縮環していてもよく、縮環する環としては、飽和環、不飽和環のいずれでもよい。
Ra1は置換基を有してもよいアルキル基が好ましく、−CH(ORa3)CH2ORa2がより好ましく、この場合、上記一般式(A2)で表される化合物となる。
RB1およびRB2におけるアルキル基は、炭素数1〜10が好ましい。
RB1およびRB2におけるアルケニル基は、炭素数2〜10が好ましく、ビニル、アリルが好ましく、特にビニルが好ましい。
RB1およびRB2におけるシクロアルキル基は、炭素数3〜10が好ましく、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルが好ましい。
これらのアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基は置換基を有してもよく、置換基はヒドロキシ基、カルボキシル基およびスルホ基から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
なお、アルケニル基がビニルの場合、カルボキシル基が置換したビニル基も好ましい。
RB1およびRB2におけるアシル基は、ホルミル、アセチル、イソブチリルおよびベンゾイルが好ましい。
RB1およびRB2におけるアミノ基は、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基を含み、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、フェニルアミノ、N−メチル−N−フェニルアミノが好ましい。
RB1およびRB2におけるアルコキシカルボニル基はメトキシカルボニルが好ましい。
RB1およびRB2における複素環基は、環構成ヘテロ原子が酸素原子、硫黄原子および窒素原子が好ましく、環構造が5員環または6員環であることが好ましい。複素環基は、芳香族複素環基であっても飽和複素環基であっても、また縮環していても構わない。
複素環基における複素環は、ピリジン環、ピリミジン環、ピロール環、フラン環基、チオフェン環、ピラゾール環、ピペリジン環、ピペラジン環およびモルホリン環が好ましい。
RB3およびRB4におけるアシルアミノ基は、アセチルアミノおよびベンゾイルアミノが好ましい。
RB3およびRB4におけるアルキルスルホニルアミノ基は、メチルスルホニルアミノが好ましい。
RB3およびRB4におけるアリールスルホニルアミノ基は、ベンゼンスルホニルアミノおよびp−トルエンスルホニルアミノが好ましい。
RB3およびRB4におけるアルコキシカルボニルアミノ基は、メトキシカルボニルアミノが好ましい。
なかでも、L−アスコルビン酸のミリスチン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステルが特に好ましい。
セルロースアシレートフィルム中の酸化防止剤の含有量は、セルロースアシレート100質量部に対して、0.0001〜5.0質量部が好ましい。酸化防止剤の含有量をこのような範囲内とすることで、十分な酸化防止効果と偏光板耐久性を得ることができる。セルロースアシレートフィルム中の酸化防止剤の含有量は、さらに好ましくは、セルロースアシレート100質量部に対して、0.001〜1.0質量部であり、より好ましくは、0.01質量部〜0.5質量部である。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、ラジカル捕捉剤を含有することが好ましい。ラジカル捕捉剤を含有することにより、本発明における一般式(I)で表される化合物の分解が抑制され、より良好な偏光子の耐久性が得られる。
RH1における置換基は、アルキル基、アリール基もしくはヘテロ環基を有するアミノ基、さらにはヒドロキシ基、アルコキシ基またはアシルオキシ基が好ましい。
これらの中でも、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジンとN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ポリ〔{(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}およびコハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重縮合物から選ばれ、数平均分子量は2000〜5000が好ましい。
上記構造(Hα)または(Hβ)の化合物は、BASF社(旧チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社)製の商品名、CHIMASSORB 2020FDL(CAS−No.192268−64−7)、CHIMASSORB 944FDL(CAS−No.71878−19−8)およびTINUVIN 770DF(CAS−No.52829−07−9)、サンケミカル株式会社製の商品名、サイアソーブUV−3346(CAS−No.82541−48−7)、同サイアソーブUV−3529(CAS−No.193098−40−7)として上市され、入手可能である。
ZH1は置換基を有してもよいアルキル基またはシクロアルキル基が好ましく、分岐構造を有する無置換アルキル基、アリール基を置換基として有するアルキル基またはシクロアルキル基がより好ましく、シクロアルキル基がさらに好ましい。なお、ZH1が有する置換基は特に限定しない。
ZH1におけるアルキル基の炭素数は1〜20が好ましく、1〜14がさらに好ましい。ZH1におけるシクロアルキル基の炭素数は3〜20が好ましく、3〜14がさらに好ましい。また、ZH1におけるアリール基の炭素数は6〜20が好ましく、6〜14がさらに好ましい。
YH1は置換基が好ましい。YH1における置換基は特に限定されない。ただし、窒素原子または酸素原子でピペリジン環と結合する置換基が好ましく、また、置換基を有していてもよいアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(炭素数は、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜14)、アリールオキシ基(炭素数は、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜12)、またはアシルオキシ基(炭素数は、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜14)であることがより好ましく、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基またはヘテロ環基を置換基として有するアミノ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、または炭素数2〜10のアシルオキシ基がさらに好ましい。
RH11は水素原子またはアルキル基がより好ましく、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基がさらに好ましく、プロピル基またはブチル基が特に好ましい。
RH12はアルキル基または複素環基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基または環員数1〜2の窒素原子を含む複素環基が特に好ましく、トリアジンが特に好ましい。
RH13は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基または炭素数1〜12のアシル基が好ましく、炭素数1〜12のアシル基が特に好ましい。
一般式(H1−c)中、RH05〜RH08は各々独立にアルキル基を表し、RHaおよびRHbは各々独立に水素原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表し、WH1は置換基を表す。
従って、一般式(H)で表される化合物の分子量は300〜100000が好ましく、500〜50000がより好ましく、700〜30000が特に好ましい。
セルロースアシレートフィルム中の一般式(H)で表される化合物の含有量は、セルロースアシレート100質量部に対して、0.0001〜5.0質量部が好ましい。セルロースアシレートフィルム中の一般式(H)で表される化合物の含有量を上記範囲内とすることで、十分な酸化防止効果と偏光子耐久特性を得ることができる。セルロースアシレートフィルム中の一般式(H)で表される化合物の含有量は、さらに好ましくはセルロースアシレート100質量部に対して、0.001〜2.0質量部であり、さらに好ましくは、0.01〜1.0質量部である。
本発明においてはセルロースアシレート溶液に、偏光板または液晶等の劣化防止の観点から、紫外線吸収剤を加えてもよい。紫外線吸収剤は、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。本発明に用いられる紫外線吸収剤は、ヒンダードフェノール化合物、ヒドロキシベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、サリチル酸エステル化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノアクリレート化合物およびニッケル錯塩化合物から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
セルロースアシレートの劣化防止剤として、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤として知られる添加剤を用いても良い。これらの安定化剤としては例えば、特開2006−251746号公報の段落番号0074〜0081、0082〜0117に記載の化合物が挙げられる。
また、アミン類も劣化防止剤として知られており、例えば特開平5−194789号公報の段落番号0009〜0080に記載の化合物や、トリ−n−オクチルアミン、トリイソオクチルアミン、トリス(2−エチルヘキシル)アミン、N,N−ジメチルドデシルアミン等の脂肪族アミンが挙げられる。
また、2個以上のアミノ基を有する多価アミン類を用いることも好ましく、多価アミンとしては、第一級または第二級のアミノ基を2個以上有しているものが好ましい。2個以上のアミノ基を有する化合物としては、含窒素ヘテロ環化合物(ピラゾリジン環、ピペラジン環等を有する化合物)、ポリアミン系化合物(鎖状もしくは環状のポリアミンで、例えば、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、N,N’−ビス(アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタキス(2−ヒドロキシプロピル)ジエチレントリアミン、ポリエチレンイミン、変性ポリエチレンイミン、シクラムを基本骨格して含む化合物)等が挙げられる。
セルロースアシレートフィルム中の劣化防止剤の含有量は、セルロースアシレート100質量部に対して、1ppm〜10%が好ましく、1ppm〜5.0%がより好ましく、10ppm〜5000ppmがさらに好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムには、フィルムすべり性、および安定製造の観点からマット剤を加えてもよい。マット剤は、無機化合物のマット剤であっても、有機化合物のマット剤であってもよい。
無機化合物のマット剤は、ケイ素を含む無機化合物(例えば、二酸化ケイ素、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化ジルコニウム、酸化ストロンチウム、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化スズ・アンチモン、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリンおよびリン酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種が好ましく、更に好ましくはケイ素を含む無機化合物および酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも1種である。なお、セルロースアシレートフィルムの濁度をより低減する観点から、二酸化ケイ素を用いることが特に好ましい。
有機化合物のマット剤に特に制限はない。ただし、シリコーン樹脂、フッ素樹脂およびアクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種のポリマーが好ましく、中でも、シリコーン樹脂が好ましい。シリコーン樹脂の中でも、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、トスパール105、トスパール108、トスパール120、トスパール145、トスパール3120およびトスパール240(以上東芝シリコーン(株)社製)等の商品名を有する市販品を使用できる。
更にはドープを流延する直前に添加混合してもよく、その混合はスクリュー式混練をオンラインで設置して行われることが好ましい。具体的には、インラインミキサーのような静的混合機を用いることが好ましい。また、インラインミキサーとしては、例えば、スタチックミキサーSWJ(東レ静止型管内混合器Hi−Mixer)(東レエンジニアリング社製)のようなものが好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムには剥離促進剤を添加してもよい。剥離促進剤としては、例えば特開2006−45497号公報の段落番号0048〜0081に記載の化合物、特開2002−322294号公報の段落番号0077〜0086に記載の化合物、特開2012−72348号公報の段落番号0030〜0056に記載の化合物等を、好ましく用いることができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムには有機酸を添加してもよい。
有機酸としては、特開2002−322294号公報の段落番号0079〜0082に記載の化合物が挙げられ、例えば、クエン酸、シュウ酸、アジピン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸等が挙げられる。
本発明のセルロースアシレートフィルムには多価カルボン酸誘導体を添加してもよい。
多価カルボン酸誘導体としては、エステル化合物とアミド化合物が好ましい。
カルボン酸成分は、多価のカルボン酸で、カルボン酸は、脂肪族または芳香族のいずれのカルボン酸であっても構わない。ただし、脂肪族カルボン酸が好ましい。脂肪族カルボン酸は、飽和、不飽和であっても、直鎖状、分岐鎖状または環状の脂肪族のカルボン酸が好ましく、置換基を有していても構わない。置換基は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基が挙げられる。
芳香族カルボン酸は、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1、3、5−ベンゼントリカルボン酸等が挙げられ、脂肪族カルボン酸は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸が挙げられ、置換基を有する脂肪族カルボン酸としては、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸が挙げられる。
また、アルコール成分における原料のアルコールは、1価であっても多価であってもよく、多価アルコールは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトールが挙げられ、これらのヒドロキシ基部分(−OH)が、ポリオキシアルキレンオキシ基となったもの〔例えば、−(OCH2CH2)n−OH、−(OC3H6)nOH〕も好ましい。
また、アミン成分における原料のアミン化合物は、1価であっても多価であってもよい。
本発明のセルロースアシレートフィルムには界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤としては、特開2006−45497号公報の段落番号0050〜0051に記載の化合物、特開2002−322294号公報の段落番号0127〜0128に記載の化合物を好ましく用いることができる。ノニオン系の界面活性剤として具体的にはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニールエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコール、多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、トリエタノールアミン脂肪酸部分エステル、ポリエーテルアミンが挙げられる。また、市販品としては、ナイミーンL−202、スタホームDO、スタホームDL(日油)等が挙げられる。
本発明のセルロースアシレートフィルムにはキレート剤を添加してもよい。
キレート剤は、鉄イオン等金属イオンやカルシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン等の多価金属イオンに配位(キレート)できる化合物であり、アミノポリカルボン酸、アミノポリホスホン酸、アルキルホスホン酸、ホスホノカルボン酸に代表されるような各種キレート剤のいずれを用いてもよい。キレート剤としては、特公平6−8956号、特開平11−190892号、特開2000−18038号、特開2010−158640号、特開2006−328203号、特開2005−68246号、特開2006−306969号の各公報に記載の化合物を用いることができる。
また、油溶性のキレート剤を用いることも好ましい。市販品としては、テークランDO(ナガセケムテックス株式会社)、キレストMZ−2、キレストMZ−8(キレスト株式会社)を用いることができる。
(弾性率)
本発明のセルロースアシレートフィルムの弾性率の範囲は特に限定されない。ただし、製造適性およびハンドリング性の観点から1.0GPa〜7.0GPaが好ましく、2.0GPa〜6.5GPaがより好ましい。本発明における一般式(I)で表される化合物は、セルロースアシレート中に添加されることにより、フィルムを疎水化するとともに弾性率を向上させる作用がある。すなわち、本発明における一般式(I)で表される化合物の添加は、弾性率の観点からも有利である。
本発明のセルロースアシレートフィルムの光弾性係数の絶対値は、好ましくは8.0×10−12m2/N以下、より好ましくは6×10−12m2/N以下、さらに好ましくは5×10−12m2/N以下である。樹脂フィルムの光弾性係数を小さくすることにより、樹脂フィルムを偏光板保護フィルムとして液晶表示装置に組み込んだ際に、高温高湿下におけるムラ発生を抑制できる。光弾性係数は、特に断らない限り、以下の方法により測定し算出するものである。
光弾性率の下限値は特に限定されない。なお、0.1×10−12m2/N以上が実際的である。
フィルムを3.5cm×12cmに切り出し、荷重無し、250g、500g、1000g、1500gのそれぞれの荷重におけるフィルムの面内方向におけるレターデーション(Re)をエリプソメーター(M150[商品名]、日本分光(株))で測定し、応力に対するRe変化の直線の傾きから光弾性係数を算出する。
セルロースアシレートフィルムの含水率は一定の温湿度における平衡含水率を測定することにより評価することができる。平衡含水率は上記温湿度に24時間放置した後に、平衡に達した試料の水分量をカールフィッシャー法で測定し、水分量(g)を試料質量(g)で除して算出したものである。
セルロースアシレートフィルムの透湿度は、JIS Z0208の透湿度試験(カップ法)に準じ、温度40℃、相対湿度90%の雰囲気中、試料を通過する24時間あたりの水蒸気の質量を測定し、試料面積1m2の値に換算することにより評価することができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムの透湿度は、500〜2000g/m2・dayが好ましく、900〜1300g/m2・dayがより好ましく、1000〜1200g/m2・dayが特に好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、ヘイズが、1%以下が好ましく、0.7%以下がより好ましく、0.5%以下が特に好ましい。ヘイズを上記上限値以下にすることにより、フィルムの透明性がより高くなり、光学フィルムとしてより用いやすくなるという利点がある。ヘイズの下限値は特に限定されない。なお、0.001%以上が実際的である。
ヘイズは、セルロースアシレートフィルム40mm×80mmを、25℃、相対湿度60%の環境下で、ヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)を用いて、JIS K7136に従って測定する。
本発明のセルロースアシレートフィルムの平均膜厚は、10〜100μmが好ましく、15〜80μmがより好ましく、15〜70μmがさらに好ましい。15μm以上にすることにより、ウェブ状のフィルムを作製する際のハンドリング性が向上し好ましい。また、70μm以下にすることにより、湿度変化に対応しやすく、本発明の改良効果がより効果的に発揮される。
また、本発明のセルロースアシレートフィルムが3層以上の積層構造を有する場合、コア層の膜厚は3〜70μmが好ましく、5〜60μmがより好ましい。本発明のセルロースアシレートフィルムが3層以上の積層構造を有する場合、フィルム両面の表層(スキンA層およびスキンB層)の膜厚は、ともに0.5〜20μmが好ましく、0.5〜10μmがより好ましく、0.5〜3μmが特に好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムのフィルム幅は700〜3000mmが好ましく、1000〜2800mmがより好ましく、1100〜2500mmが特に好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムの製造方法は、特に限定されるものではない。なお、溶融製膜法又は溶液製膜法による製造することが好ましく、溶液製膜法(ソルベントキャスト法)による製造がより好ましい。本発明のセルロースアシレートフィルムは、ソルベントキャスト法により製造されることが好ましい。ソルベントキャスト法を利用したセルロースアシレートフィルムの製造例については、米国特許第2,336,310号、同第2,367,603号、同第2,492,078号、同第2,492,977号、同第2,492,978号、同第2,607,704号、同第2,739,069号および同第2,739,070号の各明細書、英国特許第640731号および同第736892号の各明細書、並びに特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号および同62−115035号等の各公報を参考にすることができる。また、セルロースアシレートフィルムは、延伸処理を施されていてもよい。延伸処理の方法および条件については、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号等の各公報を参考にすることができる。
溶液の流延方法としては、調製されたドープを加圧ダイから金属支持体上に均一に押し出す方法、一旦金属支持体上に流延されたドープをブレードで膜厚を調節するドクターブレードによる方法、逆回転するロールで調節するリバースロールコーターによる方法等があり、加圧ダイによる方法が好ましい。加圧ダイにはコートハンガータイプやTダイタイプ等があり、いずれも好ましく用いることができる。またここで挙げた方法以外にも、従来知られているセルローストリアセテート溶液を流延製膜する種々の方法で実施することができ、用いる溶媒の沸点等の違いを考慮して各条件を設定することにより、従来法と同様に流延製膜することができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムの形成においては共流延法(重層同時流延)、逐次流延法、塗布法等の積層流延法を用いることが好ましく、共流延法を用いることが、安定製造および生産コスト低減の観点から特に好ましい。
共流延法により2層以上のセルロースアシレートフィルムを製造する場合には、先ず、各層用のセルロースアセテート溶液(ドープ)を調製する。続いて、各層用の流延用ドープを別のスリット等から同時に押出す機能をもつ流延用ギーサからドープを押出して、流延用支持体(バンドまたはドラム)の上に、各層用ドープを同時に流延し、適当な時期に支持体から剥ぎ取って、乾燥しフィルムを成形する。図2に、共流延ギーサ3を用い、流延用支持体4の上に表層用ドープ1とコア層用ドープ2を3層同時に押出して流延する状態を断面図で示した。
逐次流延法では、流延用支持体の上に先ず第1層用の流延用ドープを流延用ギーサから押出して、流延し、乾燥あるいは乾燥することなく、その上に第2層用の流延用ドープを流延用ギーサから押出して流延する要領で、必要なら第3層以上まで逐次ドープを流延・積層して、適当な時期に支持体から剥ぎ取って、乾燥しフィルムを成形する。
塗布法は、一般的には、コア層のフィルムを溶液製膜法によりフィルムに成形し、表層に塗布する塗布液を調製し、適当な塗布機を用いて、片面ずつまたは両面同時にフィルムに塗布液を塗布・乾燥して積層構造のフィルムを成形する方法である。
また、金属支持体の材質については特に制限はないが、SUS製(例えば、SUS316)であることがより好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムの製造では、上記ドープから形成された膜を金属支持体から剥ぎ取る工程を含むことが好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムの製造方法では、製膜された後に延伸する工程を含むことが好ましい。セルロースアシレートフィルムの延伸方向はフィルム搬送方向と搬送方向に直交する方向(幅方向)のいずれでもよい。なお、フィルム搬送方向に直交する方向(幅方向)であることが、後に続くフィルムを用いた偏光板加工プロセスの観点から好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムの製造方法では、セルロースアシレートフィルムを乾燥する工程と、乾燥後の本発明のセルロースアシレートフィルムをガラス転移温度(Tg)−10℃以上の温度で延伸する工程とを含むことが、レターデーション発現性の観点から好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムを偏光板保護フィルムとして用いる場合、偏光板保護フィルム上に所望により目的に応じた機能層を設けることができる。機能層としては、ハードコート層、反射防止層、光散乱層、防汚層、帯電防止層、等が挙げられ、これらは一層で複数の機能を兼ねていていてもよい。
一例として、以下にハードコート層について説明する。
偏光板保護フィルムとして用いられる、本発明のセルロースアシレートフィルム上に所望により設けられるハードコート層は、本発明のセルロースアシレートフィルムに硬度や耐傷性を付与するための層である。例えば、ハードコート層を形成するための塗布組成物をセルロースアシレートフィルム上に塗布し、硬化させることによって、本発明における一般式(I)で表される化合物と相俟ってセルロースアシレートフィルムと密着性の高いハードコート層を形成することができる。ハードコート層にフィラーや添加剤を加えることで、機械的、電気的、光学的、物理的な性能や撥水・撥油性などの化学的な性能をハードコート層自体に付与することもできる。ハードコート層の厚みは0.1〜6μmが好ましく、3〜6μmがさらに好ましい。このような範囲の薄いハードコート層を有することで、脆性やカール抑制などの物性改善、軽量化および製造コスト低減がなされたハードコート層を含む光学フィルムになる。
利用可能なマトリックス形成バインダー用モノマーまたはオリゴマーの例には、電離放射線硬化性の多官能モノマーおよび多官能オリゴマーが含まれる。多官能モノマーや多官能オリゴマーは架橋反応、または、重合反応可能なモノマーが好ましい。電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーの官能基としては、光、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。
ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;
ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;
2,2−ビス{4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{4−(アクリロキシ・ポリプロポキシ)フェニル}プロパン等のエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類;
等が挙げられる。
具体的には、(ジ)ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラ(メタ)クリレート、ポリエステルポリアクリレート、カプロラクトン変性トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、等が挙げられる。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリロイル」は、それぞれ「アクリレートまたはメタクリレート」、「アクリル酸またはメタクリル酸」、「アクリロイルまたはメタクリロイル」を表す。
3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレート系化合物類の具体化合物としては、特開2007−256844号公報の段落番号0096等を参考にすることができる。
具体的な化合物の具体例としては特開2007−256844号公報の段落番号0017等の記載を参考にすることができる。
ハードコート層は、高分子化合物を含有していてもよい。高分子化合物を添加することで、硬化収縮を小さくでき、また、樹脂粒子の分散安定性(凝集性)に関わる塗布液の粘度調整をより優位に行うことができ、さらには、乾燥過程での固化物の極性を制御して樹脂粒子の凝集挙動を変えたり、乾燥過程での乾燥ムラを減じたりすることもでき、好ましい。
ハードコート層の形成に利用可能な硬化性組成物の一例は、(メタ)アクリレート系化合物を含む硬化性組成物である。硬化性組成物は、(メタ)アクリレート系化合物とともに、光ラジカル重合開始剤または熱ラジカル重合開始剤を含有することが好ましく、所望により、さらにフィラー、塗布助剤、その他の添加剤を含有していてもよい。硬化性組成物の硬化は、光ラジカル重合開始剤または熱ラジカル重合開始剤の存在下、電離放射線の照射または加熱により重合反応を進行させることで実行できる。また、電離放射線硬化と熱硬化の双方を実行することもできる。光または/および熱重合開始剤としては市販の化合物を利用することができる。このような光または/および熱重合開始剤は、「最新UV硬化技術」(p.159,発行人;高薄一弘,発行所;(株)技術情報協会,1991年発行)や、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)のカタログに記載されている。
本発明の光学フィルムのセルロースアシレートフィルム上に形成されるハードコート層は、セルロースアシレートフィルムと高い密着性を有している。特に、一般式(I)で表される化合物を含有するセルロースアシレートフィルム上に上述の好適な硬化性組成物で形成されたハードコート層は、その硬化性組成物が一般式(I)で表される化合物と相俟って、セルロースアシレートフィルムとさらに高い密着性で形成される。従って、このようなセルロースアシレートフィルムおよびハードコート層を有する本発明の光学フィルムは、光照射等によってもセルロースアシレートフィルムとハードコート層との密着性を維持し、光耐久性に優れる。
本発明の偏光板は、偏光子と、偏光子の少なくとも一方の面に本発明のセルロースアシレートフィルムとを有する。
本発明の偏光板は、偏光子と、この偏光子の片面または両面に本発明のセルロースアシレートフィルムを有することが好ましい。偏光子には、ヨウ素系偏光子、二色性染料を用いる染料系偏光子やポリエン系偏光子がある。ヨウ素系偏光子および染料系偏光子は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。本発明のセルロースアシレートフィルムを偏光板保護フィルムとして用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。例えば、本発明のセルロースアシレートフィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号公報、特開平6−118232号公報に記載されているような易接着加工を施してもよい。セルロースアシレートフィルムの処理面と偏光子を貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙げられる。
偏光子の透過軸とセルロースアシレートフィルムの遅相軸が平行とは、セルロースアシレートフィルムの主屈折率nxの方向と偏光子の透過軸の方向とのなす角が±10°の範囲内であることを意味する。この角度の範囲は、±5°が好ましく、±3°がより好ましく、±1°がさらに好ましく、±0.5°が最も好ましい。なお、この角度が0°のとき、セルロースアシレートフィルムの主屈折率nxの方向と偏光子の透過軸の方向とは交わらず完全に平行である。
また、偏光子の透過軸とセルロースアシレートフィルムの遅相軸が直交するとは、セルロースアシレートフィルムの主屈折率nxの方向と偏光板の透過軸の方向とが90°±10°の角度で交わっていることを意味する。この角度は、90°±5°が好ましく、90°±3°がより好ましく、90°±1°がさらに好ましく、90°±0.5°が最も好ましい。貼り合せに際してこのように角度調整することで、偏光板クロスニコル下での光抜けをより低減することができる。遅相軸の測定は、任意の種々の方法で測定することができ、例えば、複屈折計(KOBRA DH、王子計測機器(株)社製)を用いて行うことができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムは偏光子を利用する表示装置用途として好ましく用いられる。本発明の表示装置は、液晶セルおよび本発明の偏光板を有する。
この様な表示装置として液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス表示装置の反射防止用途等が挙げられる。
本発明の液晶表示装置は液晶セルと液晶セルの両側に配置された一対の偏光板を有する液晶表示装置であって、一対の偏光板の少なくとも一方が本発明の偏光板である、IPS、OCBまたはVAモードの液晶表示装置であることが好ましい。典型的な液晶表示装置の内部構成を図1に示した。本発明の液晶表示装置の具体的な構成としては特に制限はなく任意の構成を採用できる。また、特開2008−262161号公報の図2に記載の構成も好ましく採用することができる。
本発明における一般式(I)で表される化合物を以下のようにして合成した。
代表的な化合物の合成例を以下に示す。
以下の反応スキームで例示化合物(A−1)を合成した。
温度計、還流冷却管および攪拌機を付した5Lのガラス製フラスコにベンジルアミン321gとアセトニトリル2Lを仕込み、水浴で冷却して攪拌しながらイソシアン酸フェニル358gを反応液の内温が40℃以下に保たれる速度で滴下した。そのまま2時間攪拌した後に、反応溶液に水2Lを加えて吸引ろ過して析出した結晶をろ取し、水1Lで3回洗浄した。得られた結晶を80℃で減圧乾燥して中間体N−ベンジル−N’−フェニル尿素610gを得た。
得られた化合物の構造は、1H−NMRスペクトルで確認した。
温度計、還流冷却管および撹拌機を付した300mlのガラス製フラスコにN−ベンジル−N’−フェニル尿素5.0g、フェニルマロン酸8.16g、酢酸10mLおよび無水酢酸15mLを仕込み、攪拌しながら内温が60℃になるように加熱し、そのまま60℃で1.5時間攪拌を続けた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、ジイソプロピルエーテル100mLを加えた。氷水浴にて反応溶液を冷却して1時間攪拌した後に、吸引ろ過して析出した結晶をろ取し、冷却したジイソプロピルエーテルで洗浄したあとで乾燥し、例示化合物(A−1)を4.2g得た。
得られた化合物の構造は、1H−NMRスペクトルで確認した。
融点:160℃
(A)ルート1による例示化合物(A−3)の合成
温度計、還流冷却管および撹拌機を付した300mlのガラス製フラスコに、合成例1で合成した中間体N−ベンジル−N’−フェニル尿素5.0g、ベンジルマロン酸6.4g、トルエン10mLおよび無水酢酸15mLを仕込み、攪拌しながら内温が75℃になるように加熱し、そのまま75℃で2時間攪拌を続けた。その後、反応溶液を50℃まで冷却し、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液50mLを加えた。有機相を廃棄し水相を氷水浴にて冷却、攪拌しながら6M塩酸10mLを滴下した。さらに0℃で1時間攪拌した後に吸引ろ過して析出した結晶をろ取し、水で洗浄後、乾燥し、例示化合物(A−3)を7.5g得た。
得られた化合物の構造は、1H−NMRスペクトルで確認した。
(B)ルート2による例示化合物(A−3)の合成
以下のようにして例示化合物(A−3)を合成した。
温度計、還流冷却管および撹拌機を付した300mlのガラス製フラスコに合成例1で合成したN−ベンジル−N’−フェニル尿素5.0g、マロン酸2.5g、トルエン20mL、および無水酢酸5.6gを仕込み、攪拌しながら内温が80℃になるように加熱し、そのまま80℃で3時間攪拌を続けた。その後、反応溶液を50℃まで冷却し、水15mLを加えて分液し、水相を廃棄した。有機層を室温で攪拌しながらイソプロパノール5mLを滴下した。さらに10℃以下で0.5時間攪拌した後に吸引ろ過して析出した結晶をろ取し、冷却したイソプロパノールで洗浄後、乾燥し、中間体1−ベンジル−3−フェニルバルビツール酸4.6gを得た。
得られた化合物の構造は、1H−NMRスペクトルで確認した。
温度計、還流冷却管および撹拌機を付した300mlのガラス製フラスコに1−ベンジル−3−フェニルバルビツール酸4.0g、ベンズアルデヒド1.6g、酢酸40mLを仕込み、硫酸1滴を加えて攪拌しながら内温が100℃になるように加熱し、そのまま100℃で3時間攪拌を続けた。その後、反応溶液を50℃まで冷却し、イソプロパノール39mLと水17mLの混合溶液を加えて10℃以下で1時間攪拌した後に吸引ろ過して析出した結晶をろ取し、メタノールで洗浄後、中間体1−ベンジル−5−ベンジリデン−3−フェニルバルビツール酸3.9gを得た。
得られた化合物の構造は、1H−NMRスペクトルで確認した。
50mlのオートクレーブに1−ベンジル−5−ベンジリデン−3−フェニルバルビツール酸3.5g、メタノール8mLを仕込み、触媒として10%パラジウム炭素Pd−C(10%)0.1gを加えて攪拌しながら、H2を充填し内温が50℃になるように加熱し、そのまま50℃で3時間攪拌を続けた。その後Pd−Cを濾別し、反応溶液を5℃まで冷却し、さらに水4mLを加えて5℃で1時間攪拌した後に吸引ろ過して析出した結晶をろ取し、メタノール/水=1/1の混合溶媒で洗浄後、乾燥し、例示化合物(A−3)を3.0g得た。
得られた化合物の構造は、1H−NMRスペクトル、IRスペクトルおよびマススペクトルで確認した。
なお、得られた化合物の構造は、1H−NMRスペクトルで、合成例2で得られたものと一致することを確認した。
例示化合物(A−2)の合成
融点:139℃
例示化合物(A−4)の合成
融点:88℃
例示化合物(A−5)の合成
N−ベンジル−N’−フェニル尿素に変えて、N,N’−ジベンジル尿素を用いた他は合成例2と同様にして、例示化合物(A−5)を合成した。
融点:113℃
例示化合物(A−19)の合成
N−ベンジル−N’−フェニル尿素に変えて、N,N’−ジシクロヘキシル尿素を用いた他は合成例2と同様にして、例示化合物(A−19)を合成した。
例示化合物(A−6)の合成
N−ベンジル−N’−フェニル尿素に変えて、N−フェニル−N’−フェネチル尿素を用いた他は合成例1と同様にして、例示化合物(A−6)を合成した。
例示化合物(A−14)、(A−21)の合成
N−ベンジル−N’−フェニル尿素に変えて、N−フェニル−N’−シクロヘキシル尿素またはN−ジフェニルメチル尿素を用いた他は合成例2と同様にして、例示化合物(A−14)、(A−21)を合成した。
以下のようにして、セルロースアシレートフィルムを作製し、耐光性として、光によるフィルムの経時着色を評価した。
総アセチル置換度(B)2.87のセルロースアシレートを調製した。これは、触媒として硫酸(セルロース100質量部に対し7.8質量部)を添加し、アシル置換基の原料となるカルボン酸を添加し40℃でアシル化反応を行った。またアシル化後に40℃で熟成を行った。さらにこのセルロースアシレートの低分子量成分をアセトンで洗浄し除去した。
・セルロースアシレート溶液の調製
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液を調製した。
セルロースアシレート溶液の組成
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総アセチル置換度(B)2.87、重合度370のセルロースアセテート
100.0質量部
第一工業化学社製モノペット(登録商標)SB(可塑剤)
9.0質量部
イーストマン・ケミカル社製SAIB−100(可塑剤) 3.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 353.9質量部
メタノール(第2溶媒) 89.6質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 4.5質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液を調製した。
マット剤溶液の組成
――――――――――――――――――――――――――――――――――
平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、
日本アエロジル(株)社製) 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 69.3質量部
メタノール(第2溶媒) 17.5質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 0.9質量部
セルロースアシレート溶液 0.9質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、紫外線吸収剤溶液を調製した。
紫外線吸収剤溶液の組成
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下記紫外線吸収剤(UV−1) 20.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 61.0質量部
メタノール(第2溶媒) 15.4質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 0.8質量部
セルロースアシレート溶液 12.8質量部
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・セルロースアシレート溶液の調製
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、基層用ドープを調製した。
セルロースアシレート溶液の組成
――――――――――――――――――――――――――――――――――
総アセチル置換度(B)2.87、重合度370のセルロースアセテート
100.0質量部
第一工業化学社製モノペット(登録商標)SB(可塑剤)
9.0質量部
イーストマン・ケミカル社製SAIB−100(可塑剤) 3.0質量部
例示化合物(A−1) 4.0質量部
紫外線吸収剤(UV−1) 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 297.7質量部
メタノール(第2溶媒) 75.4質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 3.8質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
ドラム流延装置を用い、上記のように調製した基層用ドープと、その両側に表層用ドープとを3層同時にステンレス製の流延支持体(支持体温度−9℃)に流延口から均一に流延した。各層のドープ中の残留溶媒量が略70質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をピンテンターで固定し、残留溶媒量が3〜5質量%の状態で、幅方向に1.28倍(28%)延伸しつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥し、本発明のセルロースアシレートフィルム101を得た。得られたセルロースアシレートフィルム101の厚みは60μm、幅は1480mmであった。
得られた結果は、実施例2の結果とともに、まとめて後述の表6および7に示す。
なお、これらのセルロースアシレートフィルムは、以下において偏光板保護フィルムとも称す。
上記のようにして作製した各セルロースアシレートフィルムに対して、スーパーキセノンウェザーメーター(スガ試験機(株)社製、商品名:SX75)を用い、放射照度150W/m2、ブラックパネル温度63℃、相対湿度50%の条件で、120時間光照射を行った。その後、島津製作所の分光光度計UV3150を用いて色相b*を測定した。色相b*の値がマイナス側に大きくなると透過光は青味が増し、プラス側に大きくなると黄色味が増す。
また、上記光照射前後での各セルロースアシレートフィルムのb*の変化の絶対値をΔb*として光によるフィルムの経時着色の指標とした。
評価は下記基準で行った。
B :Δb*が0.05を超えて0.10以下
C :Δb*が0.10を超えて0.15以下
D :Δb*が0.15を超える
実施例1で作製したセルロースアシレートフィルムを使用して、以下のようにして偏光板を作製して偏光板の耐久性を評価するとともに、ハードコート層付き光学フィルムを作製して耐光密着性を評価した。
実施例1で作製したセルロースアシレートフィルム101からなる偏光板保護フィルムを、2.3mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で3分間浸漬した。その後、室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、各偏光板保護フィルムに対して表面の鹸化処理を行った。
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光子を作製した。
実施例1で作製し、上記の鹸化処理した偏光板保護フィルム101を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の片側に貼り付けた。市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士フイルム(株)社製)も同様の鹸化処理を行った。ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、鹸化処理した偏光板保護フィルム101が貼り付けてある側とは反対側の偏光子の面に、鹸化処理済みの上記市販のセルローストリアセテートフィルムを貼り付けた。
この際、偏光子の透過軸と、実施例1で作製して鹸化処理済みの偏光板保護フィルムの遅相軸とが平行になるように配置した。また、偏光子の透過軸と鹸化処理済みの市販のセルローストリアセテートフィルムの遅相軸についても、直交するように配置した。
このようにして本発明の偏光板101を作製した。
本発明において、偏光板の直交透過率CTは、日本分光(株)社製自動偏光フィルム測定装置VAP−7070を用いて、以下の方法により波長410nmまたは510nmで測定した。
本発明の偏光板を、粘着剤を介してガラスの上に貼り付けたサンプル(5cm×5cm)を2つ作製した。この際、本発明の偏光板保護フィルムがガラスと反対側(空気界面)側になるように貼り付けた。直交透過率測定はこのサンプルのガラスの側を光源に向けてセットして測定した。2つのサンプルをそれぞれ測定し、その平均値を直交透過率CTとする。
その後、フィルムの膜厚に応じた条件下で各偏光板を経時保存した後に同様の方法で直交透過率CTを測定した。経時前後の直交透過率CTの変化を求め、(経時前後の直交透過率CTの変化量/経時前の直交透過率CT)×100から変化率を算出した。この変化率を偏光板耐久性として下記基準で評価した。
なお、調湿なしの環境下での相対湿度は、0〜20%の範囲であった。
サンプル101〜117、201〜205、301〜304、311〜314、c10〜c13、c30〜c33およびc40〜c43:
80℃、相対湿度90%の環境下で168時間および336時間
サンプル131〜135、およびc21:
80℃、相対湿度90%の環境下で120時間および240時間
サンプル141〜145、およびc22:
60℃、相対湿度95%の環境下で500時間および1000時間
B:経時前後の直交透過率CTの変化率が0.6〜1.0%
C:経時前後の直交透過率CTの変化率が1.0%を超える
下記表に記載の各成分を混合した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過してハードコート層用塗布液を調製した。
ハードコート層溶液の組成
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モノマー ペンタエリスリトールトリアクリレート/
ペンタエリスリトールテトラアクリレート(混合質量比3/2)
53.5質量部
UV開始剤 IrgacureTM907
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製) 1.5質量部
酢酸エチル 45質量部
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この様にして、各セルロースアシレートフィルムに、ハードコート層を形成し、ハードコート層付きセルロースアシレートフィルムをそれぞれ作製した。
なお、下記表6および7では、単層の光学フィルムNo.と、これに対応するハードコート層付き光学フィルムNo.に共通のフィルムNo.を付けて表している。
まず、上記で作製した各実施例および比較例のハードコート層付き偏光板保護フィルムに対して、(株)スガ試験機社製スーパーキセノンウェザーメーターSX75で、60℃、相対湿度50%の環境下で96時間光を照射した。
次にハードコート層付き偏光板保護フィルムのそれぞれを、温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した。ハードコート層を有する側の表面に、ハードコート層付き偏光板保護フィルム1cm角に対してカッターナイフで碁盤目状に各々1mm間隔で、縦11本、横11本の切り込みを入れて、1mm角の正方形の升目を合計100個刻み、その面に日東電工(株)社製のポリエステル粘着テープ(No.31B)を貼りつけた。30分経時したあとに、垂直方向にテープを素早く引き剥がし、剥がれた升目の数を数えて、下記4段階の基準で評価した。同じ密着評価を3回行って平均をとった。
B :100升において11〜20升の剥がれが認められた
C :100升において21〜30升の剥がれが認められた
D :100升において31升以上の剥がれが認められた
なお、表6および7におけるモノペットSBは第一工業化学社製モノペット(登録商標)SB(可塑剤)であり、SAIBはイーストマン・ケミカル社製SAIB−100(可塑剤)である。
本発明における一般式(I)で表される化合物も比較の化合物も含まない比較例のセルロースアシレートフィルムである偏光板保護フィルムc13、c21、c22、c33およびc40〜c43では、いずれも、本発明のセルロースアシレートフィルムである偏光板保護フィルムと比較して、偏光板としたときの偏光板耐久性において劣った。
この結果、本発明のセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板を使用することで、以上に示したような優れた性能の液晶表示装置を作製できる。
〔化合物の金属腐食性の評価〕
以下のようにして、本発明における一般式(I)で表される化合物の金属腐食性に関する評価を行った。
耐圧容器中に、基層用ドープ作製に用いる混合溶剤に対して各化合物を1質量%の濃度で溶解させ溶液を20g秤量し、その中に幅2cm×長さ3cmに切り出した厚み0.5cmのSUS316の試験片を浸漬した。耐圧容器を密閉し、90℃で70時間経時させたのちに耐圧容器の蓋をあけ、試験片の腐食およびこれに起因する有機酸溶液の変化を観察し、以下の基準により評価した。
B :試験片表面の平滑性の変化は小さいが、溶液は黄色に着色
C :試験片表面がざらざらしており、溶液は茶褐色で濁りあり
このように、表6、7と上記表8の結果から、本発明における一般式(I)で表される化合物は、偏光板の耐久性改良効果と着色抑制に有効であると同時に、製造工程の安定化に対して有利であることがわかる。
以下のようにして、偏光板を作製し、偏光板耐久性を評価した。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液401を調製した。
セルロースアシレート溶液401の組成
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・アセチル置換度2.87、重合度370のセルロースアセテート
100.0質量部
・可塑剤:
フタル酸/エタンジオールの重縮合物(疎水化剤1)
末端は酢酸エステル基で数平均分子量は800
10.0質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 389.8質量部
・メタノール(第2溶媒) 58.2質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液402を調製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
マット剤溶液402の組成
――――――――――――――――――――――――――――――――――
平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、
日本アエロジル(株)社製) 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 75.5質量部
メタノール(第2溶媒) 11.3質量部
セルロースアシレート溶液401 0.9質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、偏光子耐久性改良剤溶液403を調製した。
偏光板耐久性改良剤溶液403の組成
――――――――――――――――――――――――――――――――――
例示化合物(A−3) 20.0質量部
レダクトン(L) 1.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 73.5質量部
メタノール(第2溶媒) 6.4質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、紫外線吸収剤溶液404を調製した。
紫外線吸収剤溶液404の組成
――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記紫外線吸収剤(UV−2) 10.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 78.3質量部
メタノール(第2溶媒) 11.7質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
上記マット剤溶液402を1.3質量部、偏光板耐久性改良剤溶液403を3.3質量部および紫外線吸収剤溶液404を4.0質量部、それぞれ濾過後にインラインミキサーを用いて混合し、さらにセルロースアシレート溶液401を91.4質量部加えて、インラインミキサーを用いて混合し、ドープを調整した。バンド流延装置を用い、調製したドープをステンレス製の流延支持体(支持体温度22℃)に流延した。ドープ中の残留溶媒量が略20質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をテンターで把持し、残留溶媒量が5〜10質量%の状態で、120℃の温度下で幅方向に1.10倍(10%)延伸しつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、更に乾燥し、セルロースアシレートフィルム401を得た。得られたセルロースアシレートフィルムの厚みは23μm、幅は1480mmであった。
また、セルロースアシレートフィルム401において、偏光板耐久性改良剤溶液403を混合しなかったこと以外はセルロースアシレートフィルム401と同様にして、比較のセルロースアシレートフィルムc50を作製した。
なお、偏光板の耐久性の評価は、下記の経時条件で行い、得られた結果を下記の評価基準により評価した。
サンプル401〜426およびc50:
60℃、相対湿度95%の環境下で500時間
A :経時前後の直交透過率CTの変化率が0.5%以上0.7%未満
B :経時前後の直交透過率CTの変化率が0.7%以上1.0%未満
C :経時前後の直交透過率CTの変化率が1.0%以上
レダクトンL:6−O−パルミトイル−L−アスコルビン酸(東京化成工業(株)社製)
トリアジン化合物T−1:特開平8−333325号公報の段落番号0166に記載のF−10
トリアジン化合物T−2:特開平8−194277号公報の段落番号0039に記載のA−8
ヒドロキシルアミン化合物H1:特開平8−62767号公報の段落番号0026に記載のA−50
多価アミンA:N,N,N’,N”,N”−ペンタキス(2−ヒドロキシプロピル)ジエチレントリアミン(東京化成工業(株)社製)
多価アミンB:テトラエチレンペンタミン(東京化成工業(株)社製)
アミンC:トリ(n−オクチル)アミン(東京化成工業(株)社製)
キレスト3PA:キレスト(株)社製
キレストPH−540:キレスト(株)社製
アデカスタブPEP−36:旭電化(株)社製
IRGANOX1010:BASF社製
IRGANOX HP−136:BASF社製
IRGANOX MD 1024:BASF社製
TINUVIN123:BASF社製
TINUVIN152:BASF社製
TINUVIN770:BASF社製
アデカスタブLA−81:旭電化(株)社製
テークランDO:ナガセケムテックス社製
ポエムK−37V:理研ビタミン(株)社製
スタホームDL:日油(株)社製
ナイミーンL−202:日油(株)社製
エポミンSP−006:(株)日本触媒社製
エポミンPP−061:(株)日本触媒社製
重縮合ポリマー(A):アジピン酸とエタンジオールからなるポリエステル(末端はヒドロキシ基)(数平均分子量=1000)
さらに、本発明のセルロースアシレートフィルム401〜426を使用した偏光板は、比較のセルロースアシレートフィルムc50を使用した偏光板に対して、経時前後の直交透過率CTの変化が低減され、偏光性能の劣化が抑えられていた。
この結果、本発明の偏光板を使用することで、以上に示したような優れた性能の液晶表示装置を作製できる。
2 コア層(基層)用ドープ
3 共流延ギーサ
4 流延用支持体
21A、21B 偏光板
22 カラーフィルタ基板
23 液晶層
24 アレイ基板
25 導光板
26 光源
31a、31b セルロースアシレートフィルム(偏光板保護フィルム)
32 偏光子
Claims (13)
- 前記R1、R3およびR5のうちの少なくとも2つが、置換基として環構造を有するアルキル基またはシクロアルキル基である請求項1に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 前記R5が、置換基として環構造を有するアルキル基またはシクロアルキル基である請求項1または2に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 前記R1およびR3が、各々独立に、置換基を有してよいアルキル基または置換基を有してよい芳香族基である請求項1〜3のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 前記セルロースアシレートの総アシル置換度をAとすると、Aが下記式を満足する請求項1〜4のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
1.5≦A≦3.0 - 前記セルロースアシレートのアシル基がアセチル基であり、総アセチル置換度をBとすると、Bが下記式を満足する請求項1〜5のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
2.0≦B≦3.0 - 前記総アセチル置換度であるBが、2.5以上2.97未満である請求項6に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 重縮合エステル化合物の少なくとも1種を含有する請求項1〜7のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 前記重縮合エステル化合物の数平均分子量が、500〜2000である請求項8または9に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 前記重縮合エステル化合物の末端が封止されている請求項8〜10のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 単糖、または2〜10個の単糖単位からなる炭水化物化合物の少なくとも1種を含有する請求項1〜11のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 前記炭水化物化合物が、置換基としてアルキル基、アリール基またはアシル基を有する請求項12に記載のセルロースアシレートフィルム。
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