JP6235304B2 - 変性シリカ微粒子の製造方法及びその利用 - Google Patents
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Description
このため、硬度の高いシリカ微粒子をフィラーとして配合した紫外線硬化樹脂を主成分とするハードコート層を形成させる方法が知られているが、無機物であるシリカ微粒子は、有機物である紫外線硬化樹脂のモノマー中では均一に分散し難いため、シリカ微粒子の表面に存在するシラノール基を疎水基で置換することが行われている(特許文献1)。
しかし、シリカ微粒子の表面を疎水基で変性したシリカ微粒子を含む紫外線硬化樹脂組成物を、フィルムに塗工すると、硬化させた際にフィルムが湾曲する、すなわち、耐カール性が劣る問題があった。
従って、本発明の目的は、高硬度のハードコートの形成時に、耐カール性を良好にすることのできる変性シリカ微粒子の製造方法を提供することである。
前記工程(I)で得られた生成物と、下記一般式(2)で表現される化合物(2)及び/または下記一般式(3)で表現される化合物(3)から構成されるシランカップリング剤(B)とをアルコール(C)中で混合し、3〜24時間反応させ、変性シリカ微粒子分散液を得る工程(II)と、
前記変性シリカ微粒子分散液及び共沸用有機溶媒(D)を混合し、共沸用有機溶媒(D)との共沸により水を留去した後に、有機溶媒(E)を混合し、共沸用有機溶媒(D)を留去して、変性コロイダルシリカを得る工程(III)とを含み、
前記水性シリカゾルに対する、前記二酸化ケイ素の重量割合は、1〜50重量%であり、前記水性シリカゾルと前記アルコール(C)との重量比(水性シリカゾル/アルコール(C))は、0.01〜10であり、 前記アルコール(C)が、メタノール、エタノール、n−プロパノール及びイソプロパノールから選ばれる少なくとも1種であり、前記共沸用有機溶媒(D)が、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ベンゼン及びトルエンから選ばれる少なくとも1種であり、
前記有機溶媒(E)が、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸2−メトキシ−1−メチルエチル及びシクロヘキサノンから選ばれる少なくとも1種であり、
前記シランカップリング剤(A)が、前記二酸化ケイ素に対して0.1〜20重量%であり、シランカップリング剤(A)とシランカップリング剤(B)との重量比率(B/A)が11〜20である。
R1 mR2 nSiX4−m−n (1)
〔式中、R1は1〜20個の重合性官能基を有する有機基を表す。R2は炭素数1〜10のアルキル基を表す。Xはアルコキシ基またはハロゲンを表す。mは1〜3の整数。nは0〜2の整数。m+nは3以下。〕
R3 pSiY4−p (2)
〔式中、R3は、炭素数1〜20のアルキル基またはアリール基を表し、R3が複数ある場合は、同一であってもよく、異なっていてもよい。pは1〜3の整数。Yはアルコキシ基またはハロゲンを表す。〕
(R4 3Si)2Z (3)
〔式中、R4は、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基を表し、R4が複数ある場合は、同一であってもよく、異なっていてもよい。Zは酸素またはイミノ基を表す。〕
前記R1が、(メタ)アクリロイル基またはビニル基であることが好ましい。
前記シランカップリング剤(B)がヘキサメチルジシラザンであることが好ましい。
前記水性シリカゾルが、水ガラス法で製造されたものであることが好ましい。
本発明の変性コロイダルシリカは、前記製造方法で製造された変性シリカ微粒子及び有機溶媒(E)を含む。
本発明の塗工液は、ハードコート樹脂基材に用いられ、前記変性コロイダルシリカ、紫外線硬化樹脂のモノマー及び光重合開始剤を含む。
本発明のハードコート樹脂基材は、樹脂基材の表面に前記塗工液を硬化させてなる塗膜を有する。
本発明の変性シリカ微粒子の製造方法は、工程(I)と工程(II)とを含み、工程(III)を含むとより好ましい。工程(I)、工程(II)及び工程(III)について、以下に説明する。
工程(I)は、二酸化ケイ素を含む水性シリカゾルと、前記一般式(1)で表現されるシランカップリング剤(A)とを混合し、水性シリカゾル中のシリカ微粒子中に含まれるシラノール基と、シランカップリング剤(A)の加水分解基とを反応させ、シリカ微粒子に重合性官能基を導入する工程である。
前記水性シリカゾルは、酸性水性シリカゾルである場合に後述するアルコール(C)との混和性の観点から、好ましい。
当該酸性水性シリカゾルのpHが2.0〜6.5であると、分散安定性の観点から、好ましい。
前記水性シリカゾルの市販品としては、例えば、日産化学工業(株)製のスノーテックスOXS(粒子径:4〜6nm、固形分:10重量%、pH:2.0〜4.0)、スノーテックスO(粒子径:10〜20nm、固形分:20重量%、pH:2.0〜4.0)、日本化学工業(株)製のシリカドール20A(粒子径:10〜15nm、固形分:20重量%、pH:2.0〜4.0)等を挙げることができる。
シランカップリング剤(A)は、前記一般式(1)で表現される。シランカップリング剤(A)は、シリカ微粒子に重合性官能基を導入する。この重合性官能基は紫外線硬化樹脂に含まれる反応性官能基と反応し、樹脂とシリカとの間に高度な架橋構造を形成させて、硬化塗膜の硬度を高める。
R1に含まれる重合性官能基の数は、1〜20個であり、1〜15個が好ましく、1〜6個がより好ましく、1〜5個が更に好ましい。重合性官能基の数が20を超えると、変性シリカゾルの粘度が高くなり過ぎる観点から好ましくない。
前記一般式(1)中のR2は炭素数1〜10のアルキル基であり、直鎖であっても分岐であってもよい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられ、耐カール性の観点から、好ましくは、メチル基、エチル基である。
本発明で用いられるアルコール(C)として、これに限られないが、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
工程(II)は、前記工程(I)で得られた生成物と、前記一般式(2)で表現される化合物(2)及び/または前記一般式(3)で表現される化合物(3)から構成されるシランカップリング剤(B)とを混合して反応させ、シリカ微粒子に疎水基を導入する工程である。
本発明に用いられるシランカップリング剤(B)は、前記一般式(2)で表現される化合物(2)及び/または前記一般式(3)で表現される化合物(3)から構成される。
前記シランカップリング剤(B)は、水性シリカゾルに含有されるシリカ微粒子の表面に存在するシラノール基と反応し、シリカ微粒子を疎水化することで、紫外線硬化樹脂の組成物中において、シリカ微粒子の凝集を防止し、分散性を向上させる成分である。
一般式(2)中のYは、アルコキシ基または、ハロゲンを表す。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
工程(III)は、変性シリカ微粒子を凝集させることなく分散させるために、工程(II)で得られた、変性シリカ微粒子と、水及びアルコール(C)からなる群より選ばれた少なくとも一種である溶媒と含む変性シリカ微粒子分散液中の前記溶媒を、有機溶媒(E)に置換する工程である。この工程(III)により、変性シリカ微粒子が有機溶媒(E)に分散した変性コロイダルシリカが得られる。
当該重合性官能基としては、アクリル基、メタクリル基、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基、スチリル基等が挙げられる。中でも、アクリル基、メタクリル基、(メタ)アクリロイル基またはビニル基が、樹脂との相溶性の観点から、好ましい。
当該疎水基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基等のオルガノシリル基や、メチル基、エチル基、n‐プロピル基、イソプロピル基、n‐ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n‐ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n‐ヘキシル基、セキシル基、シクロヘキシル基、n‐ヘプチル基、n‐オクチル基、2−エチルヘキシル基、n‐ノニル基、n‐デシル基等のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基等が挙げられる。中でも、紫外線硬化樹脂のモノマー中の分散性が良く、耐カール性が向上する観点から、メチル基、エチル基、n‐プロピル基、n‐ブチル基、n‐ヘキシル基、フェニル基、トリメチルシリル基が好ましい。
前記変性シリカ微粒子の平均粒子径は、動的光散乱法を用いた粒度分布測定装置(例えば大塚電子製、ELSZ−1000S)で測定し、キュムラント法で解析することにより算出した。
したがって、前記工程(III)は、前記変性シリカ微粒子分散液及び共沸用有機溶媒(D)を混合し、共沸用有機溶媒(D)との共沸により水を留去した後に、有機溶媒(E)を混合し、共沸用有機溶媒(D)を留去して、変性コロイダルシリカを得る方法がより好ましい。
また、共沸用有機溶媒(D)と有機溶媒(E)との混合溶媒から、共沸用有機溶媒(D)を留去する必要があるため、有機溶媒(E)は共沸用有機溶媒(D)の沸点より10℃以上高い沸点を有することが好ましい。
前記有機溶媒(E)の具体例としては、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸2−メトキシ−1−メチルエチル、シクロヘキサノン等が挙げられ、2種以上の混合でも構わない。
前記変性コロイダルシリカに含有される水分量は、5.0重量%以下が好ましく、1.0重量%以下が更に好ましく、0.3重量%以下が特に好ましい。5.0重量%超であると、塗膜の外観不良を引き起こす可能性がある。
塗工液も、本願の発明であり、紫外線硬化樹脂のモノマー、前記変性コロイダルシリカ及び光重合開始剤を含む。更に、有機溶媒(E)を含有してもよい。
硬化する際に反応性官能基同士や異種の反応性官能基間で架橋結合し、網目構造が形成され、硬化塗膜の硬度を更に高める。当該反応性官能基としては、炭素−炭素二重結合基、エポキシ基等が挙げられる。
前記紫外線硬化樹脂のモノマーの具体例としては、特に限定されないが、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート、及びこれらの変性体が挙げられる。
なお、(メタ)とは、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートの場合には、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタアクリレートを表す。
前記光重合開始剤の具体例としては、特に限定はされないが、例えば、ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等のアルキルフェノン類、キサントン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等どのキサントン、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のアシロインエーテル類、ベンジル、ジアセチル等のα−ジケトン類、テトラメチルチウラムジスルフィド、p−トリルジスルフィド等のスルフィド類、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸類等が挙げられる。これらのうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
紫外線硬化樹脂のモノマーの、塗工液に対する重量割合は、5〜80重量%が好ましく、10〜70重量%がさらに好ましく、15〜60重量%が特に好ましい。5重量%未満では、塗工液が硬化しない可能性がある。80重量%を超えると、強い粘性のため塗工が困難となる可能性がある。
変性コロイダルシリカの、塗工液に対する重量割合は、10〜90重量%が好ましく、15〜85重量%がさらに好ましく、20〜80重量%が特に好ましい。10重量%未満では、鉛筆硬度が低下する可能性がある。90重量%を超えると、塗工液が硬化しない可能性がある。
光重合開始剤の、塗工液に対する重量割合は、0.05〜20重量%が好ましく、0.1〜15重量%がさらに好ましく、0.2〜10重量%が特に好ましい。0.05重量%未満では、塗工液が硬化しない可能性がある。20重量%を超えると、鉛筆硬度が低下する可能性がある。
ハードコート樹脂基材も、本願の発明であり、樹脂基材に対して前記塗工液を硬化させてなる塗膜を有する。
基材の厚さは、本願の耐カール性が得られ易い観点から、10〜1000μmが好ましく、15〜500μmがさらに好ましく、20〜200μmが特に好ましい。
前記乾燥方法としては、例えば、減圧乾燥または加熱乾燥、更にはこれらの乾燥を組み合わせる方法等が挙げられる。また、常圧で乾燥させる場合は、30〜110℃で乾燥させることが好ましい。例えば、変性コロイダルシリカの有機溶媒(E)としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(PM)を用いる場合は、通常室温〜80℃、好ましくは40℃〜70℃の範囲内の温度で、20秒〜20分、好ましくは30秒〜15分の時間で乾燥工程が行われる。
るものではない。
<工程(I)>
減圧蒸留装置を備えたフラスコ(容量1L)に、水性シリカゾルとして、市販の酸性水性シリカゾル(商品名:スノーテックス−O、二酸化ケイ素濃度20重量%、日産化学工業(株)製)165g、アルコール(C)として、イソプロパノール(IPA)257g(330mL)及びシランカップリング剤(A)として、3−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン0.99g(二酸化ケイ素に対し3重量%)を加え、70℃で5時間反応させた。
<工程(II)>
工程(I)で得られた生成物に、シランカップリング剤(B)として、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)9.9g(二酸化ケイ素に対し30重量%)を加えて3時間反応を行うことにより変性シリカ微粒子の水/IPA溶媒分散液を得た。シランカップリング剤(B)とシランカップリング剤(A)との重量比率(B/A)は10であった。
<工程(III)>
変性シリカ微粒子の水/IPA溶媒分散液の液面を保持しつつ、共沸用有機溶媒(D)として、IPA515g(600mL)を加えながら減圧蒸留による共沸により水分を留去し、その後有機溶媒(E)として、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PM)90gを加えてIPAを蒸留で取り除き、更に濃縮して固形分濃度30重量%の変性コロイダルシリカが得られた。得られたゾルの前記変性シリカ微粒子の平均粒子径は、19nmであった(動的光散乱法により測定し、キュムラント法で計算されたもの)。粘度は、1.9mPa・sで、外観は無色透明、水分量は0.2%、アルコール(C)及び共沸用有機溶媒(D)は検出されなかった。尚、水分はカールフィッシャー法で確認した。また、アルコール(C)及び共沸用有機溶媒(D)の残存量は1H−NMRで確認した。
紫外線硬化樹脂のモノマーとして、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート48重量部に、当該変性コロイダルシリカ40重量部と有機溶媒(E)9.1重量部、光重合開始剤(ベンゾフェノン 東京化成(株)製)2.9重量部を加え、紫外線硬化樹脂モノマーに対する変性シリカ微粒子の重量割合が25重量%となるように、塗工液を調製した。
<ハードコート樹脂基材>
バーコーターNo.5でPETフィルム(膜厚125μm)に塗布(膜厚11μm)し、70℃で10分乾燥させた後、7秒UV照射(1000mJ/cm2)をして硬化させ、硬化塗膜を有するハードコート樹脂基材を得た。
表1及び表2に記載の各例の配合成分に変更した以外は実施例1と同様にして、評価した。その結果を表1及び表2に示す。なお、表中の略号は、次の化合物を示すものとする。ただし、実施例1、3、4、5、6及び10は、それぞれ参考例1、3、4、5、6及び10とする。
工程(I)及び工程(II)では、実施例8と同様に行い、工程(III)を経ることなく、変性シリカ微粒子の水/IPA溶媒分散液の揮発成分を留去して、変性シリカ微粒子の乾燥粉体を取り出した。次に、有機溶媒(E)として酢酸ブチル77gを添加し、該変性シリカ微粒子を分散させ、固形分濃度30重量%の変性コロイダルシリカが得られた。得られたゾル中の前記変性シリカ微粒子の平均粒子径は、57nmであった(動的光散乱法で確認)。粘度は、0.74mPa・sで、外観は無色透明、水分、アルコール(C)及び共沸用有機溶媒(D)は検出されなかった。
変性シリカ微粒子を添加せず、紫外線硬化樹脂のモノマーとして、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート60重量部に、有機溶媒(E)として酢酸ブチル40重量部と光重合開始剤(ベンゾフェノン 東京化成(株)製)3重量部を加え、塗工液を調製した。以降は、実施例1と同様にした。
減圧蒸留装置を備えたフラスコ(容量1L)に、実施例1と同じ水性シリカゾル165gを加え、工程(I)及び工程(II)を経なかったこと以外は、実施例1と同様にした。
工程(II)において、シランカップリング剤(B)を使用しなかったこと以外は実施例1と同様にした。
工程(I)及び工程(II)では、シランカップリング剤(A)を使用しなかったこと以外は実施例1と同様に行い、工程(III)を経ることなく、変性シリカ微粒子の水/IPA溶媒分散液の揮発成分を留去して、変性シリカ微粒子の乾燥粉体を取り出した。次に、有機溶媒(E)としてPM77gを添加し、該変性シリカ微粒子を分散させ、固形分濃度30重量%の変性コロイダルシリカが得られた。得られたゾル中の前記変性シリカ微粒子の平均粒子径は、85nmであった(動的光散乱法で確認)。粘度は、1.9mPa・sで、外観は無色透明、水分、アルコール(C)及び共沸用有機溶媒(D)は検出されなかった。
工程(I)及び工程(II)では、実施例1と同様に行い、工程(III)を経ることなく、変性シリカ微粒子の水/IPA溶媒分散液の揮発成分を留去して、変性シリカ微粒子の乾燥粉体を取り出した。次に、有機溶媒(E)としてPM77gを添加し、該変性シリカ微粒子を分散させ、固形分濃度30重量%の変性コロイダルシリカが得られた。得られたゾル中の前記変性シリカ微粒子の平均粒子径は、80nmであった(動的光散乱法で確認)。粘度は、1.9mPa・sで、外観は無色透明、水分、アルコール(C)及び共沸用有機溶媒(D)は検出されなかった。 比較例1〜5の評価結果を表3に示す。
以下の◎及び○を合格とした。
◎:無色透明
○:微黄色〜黄色透明
×:ブツ状の凝集物が見られる
<鉛筆硬度試験>
前記試験片の塗膜の鉛筆硬度を、JIS K5600−5−4に従い、B〜4Hの試験用鉛筆を用いて、荷重750gの鉛筆引っかき試験によって評価した。
H以上を合格とし、F以下を不合格とした。
(硬い) 4H>3H>2H>H>F>HB>B (柔らかい)
<塗膜外観>
塗膜の外観を目視にて確認し、以下の○を合格、×を不合格とした。
○:無色透明
×:スジ、ユズ肌等が見られる
<耐カール性>
ハードコート樹脂基材のPETフィルムの5cm四方の塗膜について、塗膜を作成してから24時間後の4角の浮いた高さ(mm)を測定し、その平均値で評価した。値が小さいほどカールが小さく優れた塗膜である。
以下の◎及び○を合格とした。
◎:3.0mm以下
○:3.0mm超〜3.5mm以下
×:3.5mm超
一方、比較例1〜5では、シランカップリング剤(A)とシランカップリング剤(B)のいずれかを反応させていないために(比較例1〜4)、及びシランカップリング剤(A)とシランカップリング剤(B)との重量比率(B/A)が6〜20の範囲にない(比較例5)ために、本願の効果が得られない。
Claims (4)
- 二酸化ケイ素を含む水性シリカゾルと、下記一般式(1)で表現されるシランカップリング剤(A)とをアルコール(C)中で混合し、反応させる工程(I)と、
前記工程(I)で得られた生成物と、下記一般式(2)で表現される化合物(2)及び/または下記一般式(3)で表現される化合物(3)から構成されるシランカップリング剤(B)とをアルコール(C)中で混合し、3〜24時間反応させ、変性シリカ微粒子分散液を得る工程(II)と、
前記変性シリカ微粒子分散液及び共沸用有機溶媒(D)を混合し、共沸用有機溶媒(D)との共沸により水を留去した後に、有機溶媒(E)を混合し、共沸用有機溶媒(D)を留去して、変性コロイダルシリカを得る工程(III)とを含み、
前記水性シリカゾルに対する、前記二酸化ケイ素の重量割合は、1〜50重量%であり、前記水性シリカゾルと前記アルコール(C)との重量比(水性シリカゾル/アルコール(C))は、0.01〜10であり、
前記アルコール(C)が、メタノール、エタノール、n−プロパノール及びイソプロパノールから選ばれる少なくとも1種であり、
前記共沸用有機溶媒(D)が、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ベンゼン及びトルエンから選ばれる少なくとも1種であり、
前記有機溶媒(E)が、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸2−メトキシ−1−メチルエチル及びシクロヘキサノンから選ばれる少なくとも1種であり、
前記シランカップリング剤(A)が、前記二酸化ケイ素に対して0.1〜20重量%であり、シランカップリング剤(A)とシランカップリング剤(B)との重量比率(B/A)が11〜20である、変性シリカ微粒子の製造方法。
R1 mR2 nSiX4−m−n (1)
〔式中、R1は1〜20個の重合性官能基を有する有機基を表す。R2は炭素数1〜10のアルキル基を表す。Xはアルコキシ基またはハロゲンを表す。mは1〜3の整数。nは0〜2の整数。m+nは3以下。〕
R3 pSiY4−p (2)
〔式中、R3は、炭素数1〜20のアルキル基またはアリール基を表し、R3が複数ある場合は、同一であってもよく、異なっていてもよい。pは1〜3の整数。Yはアルコキシ基またはハロゲンを表す。〕
(R4 3Si)2Z (3)
〔式中、R4は、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基を表し、R4が複数ある場合は、同一であってもよく、異なっていてもよい。Zは酸素またはイミノ基を表す。〕 - 前記R1が、(メタ)アクリロイル基またはビニル基である、請求項1に記載の変性シリカ微粒子の製造方法。
- 前記シランカップリング剤(B)がヘキサメチルジシラザンである、請求項1または2に記載の変性シリカ微粒子の製造方法。
- 前記水性シリカゾルが、水ガラス法で製造されたものである、請求項1〜3のいずれかに記載の変性シリカ微粒子の製造方法。
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