JP2014148114A - 樹脂積層体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、転写法により、ポリカーボネート等の透明熱可塑性樹脂成形品上に、透明性とガラスに近い耐磨耗性を付与するハードコート層を形成し、自動車等の窓ガラスに最適な樹脂積層体を製造する方法を提供する。
【解決手段】透明基材フィルムの片面に、シリカ含有光硬化性樹脂組成物からなるシリカ含有光硬化性塗膜層を形成し、転写フィルムとする第一の工程と、透明熱可塑性樹脂成型品上に光硬化性密着層樹脂組成物からなる光硬化性密着層を形成し、これと前記転写フィルムのシリカ含有光硬化性塗膜層側を貼り合わせる第二の工程と、前記シリカ含有光硬化性塗膜層と密着層を光硬化せしめてハードコート層とする第三の工程と、ハードコート層を残して前記透明フィルムを剥がす第四の工程とを含む樹脂積層体の製造方法である。
【選択図】図1
【解決手段】透明基材フィルムの片面に、シリカ含有光硬化性樹脂組成物からなるシリカ含有光硬化性塗膜層を形成し、転写フィルムとする第一の工程と、透明熱可塑性樹脂成型品上に光硬化性密着層樹脂組成物からなる光硬化性密着層を形成し、これと前記転写フィルムのシリカ含有光硬化性塗膜層側を貼り合わせる第二の工程と、前記シリカ含有光硬化性塗膜層と密着層を光硬化せしめてハードコート層とする第三の工程と、ハードコート層を残して前記透明フィルムを剥がす第四の工程とを含む樹脂積層体の製造方法である。
【選択図】図1
Description
本発明は、樹脂積層体の製造方法に関し、詳しくは、透明熱可塑性樹脂成形品上に、透明性とガラスに近い耐磨耗性とを付与するハードコート層を形成して、例えば、自動車の窓ガラス等に用いられる樹脂積層体を得ることができる樹脂積層体の製造方法に関する。
近年、自動車の燃費向上と二酸化炭素排出削減のため、車体の軽量化が求められており、その手法の一つとして適応が進みつつあるのが、自動車窓ガラスの樹脂化である。従来、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂の成形品は、ガラスに比べて軽量であるため、これらの代替材料として広く使用されている。しかし、ポリカーボネート(PC)はガラスよりも表面硬度が低く傷が付きやすいことから、それを防ぐために表面にハードコートを施す手法、硬化性フィルムを貼り合わせる手法などにより表面の保護が行われている。
上記のような樹脂ガラスにおける耐磨耗性の規格は、テーバー磨耗試験前後のヘイズ変化が2%以下(ANSI Z 26.1)と無機ガラス同等の高い耐磨耗性が要求されている。これを満たす代表的な方法として、PC表面にプラズマCVDでSiO薄膜を形成する方法や、熱硬化性シリコーン樹脂を塗布・硬化する方法が提案されている。しかしながら、前者の方法は、耐テーバー磨耗性が2%程度と耐磨耗性に優れるが、真空チャンバー等のドライプロセスを必要とすることからプロセスコストが高いという欠点がある。これに対し後者の方法は、ウェットプロセスで成膜可能な為プロセスコストは低いが、硬化に高温でかつ長時間を要する為生産性に乏しく、また耐テーバー磨耗性も十分満足できるものではない。これに加え、樹脂を直接ポリカーボネート成形品へ塗布する手法は、ポリカーボネートの耐溶剤性が低いため、塗布する際に粘度調整として用いられる溶剤の範囲が限定される。
上述の課題を解決すべく、基材フィルム上に溶剤を含まない硬化性塗膜層を形成し、これを転写フィルムとしてポリカーボネート成形品に貼り合わせる手法で表面を保護することが行われている。
例えば、特許文献1では、アルキルアルコキシシランの加水分解縮合により得られるシリコーン系材料単体もしくはアクリル変性シリコーン系材料をハードコート層とした転写箔に関わる発明が開示されている。また、特許文献2では、中空シリカと(メタ)アクリルアルコキシシランとの加水分解縮合物およびアクリレートとの混合物をハードコート層とした活性エネルギー線硬化性組成物、積層体、製造方法に関わる発明が開示されている。しかしながら、これらの発明は樹脂ガラスの規格である耐磨耗性を十分満足できるものではない。
本発明の目的は、転写法により、ポリカーボネート等の透明熱可塑性樹脂成形品上に、透明性とガラスに近い耐磨耗性を付与するハードコート層を形成し、自動車等の窓ガラスに最適な樹脂積層体を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成するために検討を重ねた結果、(メタ)アクリル基と水酸基を有するラジカル重合性化合物に、特定の平均粒径を有するシリカ微粒子を高配合したシリカ含有光硬化性樹脂組成物(A)からなるシリカ含有光硬化性塗膜層を透明基材フィルム上に形成し、光硬化性密着層樹脂組成物(B)からなる密着層を介してポリカーボネート等の透明熱可塑性樹脂成形品に貼り合わせ、光硬化せしめることで、透明性とガラスに近い耐磨耗性を備えた樹脂積層体とする製造方法を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、透明基材フィルムの片面に、シリカ含有光硬化性樹脂組成物(A)からなるシリカ含有光硬化性塗膜層を形成し、転写フィルムとする第一の工程と、透明熱可塑性樹脂成型品上にラジカル重合性(メタ)アクリレートを主成分とした光硬化性密着層樹脂組成物(B)からなる光硬化性密着層を形成し、該光硬化性密着層と前記転写フィルムのシリカ含有光硬化性塗膜層側とを貼り合わせる第二の工程と、前記シリカ含有光硬化性塗膜層と光硬化性密着層とを光硬化せしめてハードコート層とする第三の工程と、ハードコート層を残して前記透明基材フィルムを剥がす第四の工程とを含むことを特徴とする樹脂積層体の製造方法である。
前記シリカ含有光硬化性樹脂組成物(A)の例としては、下記一般式(1)
(但し、Rは(メタ)アクリロイル基を有する有機官能基であり、Xは水素又は(メタ)アクリロイル基を有する有機官能基、nは0または1の整数である)で表される(メタ)アクリル基と水酸基とを有するラジカル重合性化合物(C)、光重合開始剤、及び平均粒径1〜100nmのシリカ微粒子(D)を含み、前記ラジカル重合性化合物(C)とシリカ微粒子(D)との合計100重量部に対して、シリカ微粒子(D)を60〜85重量部の範囲で含有する樹脂組成物を好適な例として挙げることができる。
また、本発明のハードコート層とは、前記シリカ含有光硬化性樹脂組成物(A)からなるシリカ含有光硬化性塗膜層を光硬化せしめてなるトップコート層(I)と、ラジカル重合性(メタ)アクリレートを主成分とした光硬化性密着層樹脂組成物(B)を光硬化せしめてなる密着層(II)との二層からなることを特徴とする。
本発明における(メタ)アクリル基と水酸基とを有するラジカル重合性化合物(C)は、上記一般式(1)で表される。一般式(1)でRは(メタ)アクリロイル基を有する有機官能基であり、Xは水素又は(メタ)アクリロイル基を有する有機官能基である。nは0又は1の整数である。透明性の良好な積層体を得るためには、水酸基を含む不飽和化合物であることが重要である。これは、水酸基がシリカ微粒子の表面に存在するシラノール基に作用してシリカ微粒子の凝集を抑え、樹脂中におけるシリカ微粒子の分散性を高めるからと考えられる。一方、水酸基を有さないラジカル重合性化合物では、シリカ微粒子を多量に配合すると、凝集により樹脂中に均一に分散されず透明性が悪化してしまう場合がある。
一般式(1)の具体的な化合物としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、グリセリンジメタクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート等を例示することが出来る。これらの化合物は分子中に水酸基を有するため、例えばコロイダルシリカに代表されるシリカ微粒子の表面に存在する水酸基と相互作用することが可能であり、樹脂組成物中のコロイダルシリカを制御することが樹脂中への均一な多量の配合を可能にする。また、これらラジカル重合性化合物は単独で使用してもよく、二種類以上を混合して使用してもよい。
本発明におけるシリカ微粒子(D)は、ケイ素酸化物であれば特に限定されるものではないが、樹脂への分散性の観点から有機溶媒に分散されたコロイド状シリカ(コロイダルシリカ)であることが好ましい。さらに、上記シリカ微粒子(D)は、(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤にて表面処理されていることがより好ましい。シリカ微粒子の表面処理方法は特に限定されるものではなく、予め(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤で表面処理されている市販品を用いてもよく、表面処理が未処理のシリカ微粒子を用いる場合は、公知の手法によりシランカップリング剤による表面処理を行って用いてもよい。
シリカ微粒子(D)は、前記ラジカル重合性化合物(C)とシリカ微粒子(D)との合計100重量部に対して60〜85重量部の範囲で配合され、好ましくは75〜85重量部の範囲で配合されているのがよい。シリカ微粒子(D)の配合量が60重量部未満であると耐磨耗性が十分に発現できず、反対に85重量部を超えると、透明性が低下するおそれがある。
シリカ微粒子(D)の平均粒径は、シリカ含有光硬化性樹脂組成物(A)の透明性を担保するため、1〜100nmであることが好ましい。さらに、平均粒径が1〜100nmの範囲内であれば粒径の異なるシリカ微粒子を複数種組み合わせて用いることができる。なお、シリカ微粒子の平均粒径は動的光散乱法によって測定した数平均粒子径を表す。
また、本発明における積層体の製造にあたり、前記第一の工程で透明基材フィルム上に形成されたシリカ含有光硬化性樹脂組成物(A)からなるシリカ含有光硬化性塗膜層は、前記第二の工程において、透明熱可塑性樹脂成形品上に形成された光硬化性密着層樹脂組成物(B)からなる光硬化性密着層と貼り合わせる際に、シリカ含有光硬化性塗膜層を予め光硬化せしめても、未硬化であってもかまわない。また、シリカ含有光硬化性塗膜層を未硬化のまま光硬化性密着層と貼り合わせる場合は、シリカ含有光硬化性塗膜層と密着層との界面で樹脂の混和が起こることから、層間密着性の向上も期待できる。しかしながら、シリカ含有光硬化性塗膜層を光硬化せずに貼り合わせを行う場合、平均粒径15nm以下のようなより細かなシリカ微粒子のみを含有するシリカ含有光硬化性樹脂組成物(A)を用いると、シリカ含有光硬化性塗膜層と光硬化性密着層の樹脂の混和により、シリカ微粒子の光硬化性密着層側への流出が起こるため、光硬化後のトップコート層(I)における耐磨耗性が低下するおそれがある。このシリカ微粒子の流出は、光硬化性密着層樹脂組成物(B)に用いられるラジカル重合性(メタ)アクリレートと15nm以下のシリカ微粒子が相溶し易いことによって起こる。この流出を防ぐ為、第二の工程にてシリカ含有光硬化性塗膜層を未硬化のまま光硬化性密着層との貼り合わせを行う場合は、光硬化性密着層樹脂組成物(B)に用いられるラジカル重合性(メタ)アクリレートと相溶し難い平均粒径16〜100nmのシリカ微粒子を用いることがより好ましく、より好ましくは平均粒径30〜100nmのシリカ微粒子である。但し、平均粒径1〜100nmの範囲で粒径の異なるシリカ微粒子を複数種組み合わせて用いる場合、平均粒径16〜100nmのシリカ微粒子がシリカ含有光硬化性樹脂組成物(A)中のシリカ微粒子(D)100重量部に対し50重量部以上含まれていれば、15nm以下のシリカ微粒子が一部混在していても構わない。
シリカ含有光硬化性樹脂組成物(A)に含有される光重合開始剤は、アセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、チオキサンソン系、アシルホスフィンオキサイド系等の化合物を好適に使用することができる。具体的には、トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、ベンゾインメチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、チオキサンソン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、カンファーキノン、ベンジル、アンスラキノン、ミヒラーケトン等を例示することができる。これら光重合開始剤は単独でも、二種類以上を混合して使用してもよい。また、光硬化反応を促進するため等の目的で、光重合開始剤と組み合わせて効果を発揮する光開始助剤や鋭感剤を併用することもできる。
シリカ含有光硬化性樹脂組成物(A)の光重合開始剤の添加量は、(メタ)アクリル基と水酸基とを有するラジカル重合性化合物(C)とシリカ微粒子(D)の合計100重量に対して、0.1〜10重量部の範囲とすることがよく、好ましくは0.5〜10重量部の範囲である。この添加量が0.1重量部に満たないと硬化が不十分となり、得られる積層体の強度、剛性が低くなり、一方、10重量部を超えると積層体の着色等の問題が生じるおそれがある。
また、本発明のシリカ含有光硬化性樹脂組成物(A)は、下記一般式(3)で表される籠型シルセスキオキサン樹脂をさらに含有してもよい。
[RSiO3/2]n (3)
(式中、Rは(メタ)アクリロイル基又は下記式(4)を示し、nは8、10、12又は14を示す)
(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、mは1〜3の整数を示す)
[RSiO3/2]n (3)
(式中、Rは(メタ)アクリロイル基又は下記式(4)を示し、nは8、10、12又は14を示す)
前記籠型シルセスキオキサン樹脂は、下記一般式(5)
RSiX3 (5)
(式中、Rは(メタ)アクリロイル基又は下記一般式(4)を示し、Xはアルコキシ基、又はアセトキシ基から選ばれる加水分解基を示す)
(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、mは1〜3の整数を示す)で表わされるケイ素化合物を有機極性溶媒及び塩基性触媒存在下で加水分解反応させると共に一部縮合させ、得られた加水分解生成物を更に非極性溶媒及び塩基性触媒存在下で再縮合させることにより得ることができる。
RSiX3 (5)
(式中、Rは(メタ)アクリロイル基又は下記一般式(4)を示し、Xはアルコキシ基、又はアセトキシ基から選ばれる加水分解基を示す)
このような籠型シルセスキオキサン樹脂は、樹脂中のケイ素原子全てに(メタ)アクリロイル基を有する有機官能基からなる反応性官能基を有し、且つ、分子量分布及び分子構造の制御された籠型シルセスキオキサン樹脂であることが好ましい。また、このような籠型シルセスキオキサン樹脂の分子構造は、完全に閉じた多面体でなくてもよく、例えば、一部が開裂したような構造であってもよい。また、このような籠型シルセスキオキサン樹脂の平均分子量も特に限定されず、このような籠型シルセスキオキサン樹脂がオリゴマーであってもよい。この籠型シルセスキオキサンを、本発明のシリカ含有コーティング用樹脂組成物(C)に添加することにより、耐テーバー磨耗性に加え、表面硬度の評価方法の一つである鉛筆硬度を向上させる効果が得られる。このような籠型シルセスキオキサン樹脂は、(メタ)アクリル基と水酸基とを有するラジカル重合性化合物(C)に対して1〜100重量部の範囲で含有させることができる、含有量が1重量部より少ないと鉛筆硬度向上の効果が得られず、含有量が100重量部を超えるとこれ以上の効果の向上が見られないうえ、(メタ)アクリル基と水酸基とを有するラジカル重合性化合物(C)の有する水酸基の効果を低減させるので好ましくない。
シリカ含有光硬化性樹脂組成物(A)には、本発明の目的から外れない範囲で各種添加剤を添加することができる。各種添加剤として、溶剤、有機/無機フィラー、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、帯電防止剤、着色剤、架橋剤、分散助剤、樹脂成分等を例示することができる。
このうち溶剤は、第一の工程にてシリカ含有光硬化性樹脂組成物(A)を透明基材フィルム上に塗布する際の粘度を調整する目的で使用できる。具体例としては、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコールなどのアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類等が挙げられる。
前記光硬化性密着層樹脂組成物(B)に用いられる樹脂は、透明性および光硬化性に優れるラジカル重合性(メタ)アクリレートが好ましい。ラジカル重合性(メタ)アクリレートの中でも多官能アクリレートが好ましく、特に二官能アクリレート、アクリレートオリゴマーが好ましい。三官能以上の多官能アクリレートは光硬化時の体積収縮が大きいため、密着性が低下する恐れがある。二官能アクリレートの具体例としては、1,9−ノナンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ジシクロペンタニルジメチロールジ(メタ)アクリレート等がある。このラジカル重合性(メタ)アクリレートは単独でも、二種類以上を混合して使用しても、これらのオリゴマー体を用いてもよい。中でもジシクロペンタニルジメチロールジ(メタ)アクリレートは、ポリカーボネート樹脂の表面を適度に侵食するため、密着性が向上する。これに加え、光硬化物の線膨張係数が70ppm/Kと、一般的なポリカーボネート樹脂の線膨張係数(60〜80ppm/K)と近い値を示すため、耐熱性が向上することから好適である。一方、ポリカーボネートへの侵食性が高いテトラエチレングリコールジメタクリレートなどのアクリレートを用いる場合は、透明性の低下を防ぐ目的で、他のアクリレートまたはアクリレートオリゴマーと混合して用いることが好ましい。なお、ラジカル重合性(メタ)アクリレートを主成分とした光硬化性密着層樹脂組成物(B)とは、該樹脂組成物中にラジカル重合性(メタ)アクリレートを50重量%以上の割合で含むことを意味する。
また、光硬化性密着層樹脂組成物(B)には光重合開始剤を含めるようにするのがよい。この光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、チオキサンソン系、アシルホスフィンオキサイド系等の化合物を好適に使用することができる。具体的には、トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、ベンゾインメチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、チオキサンソン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、カンファーキノン、ベンジル、アンスラキノン、ミヒラーケトン等を例示することができる。これら光重合開始剤は単独でも、二種類以上を混合して使用してもよい。また、光硬化反応を促進するためなどの目的で、光重合開始剤と組み合わせて効果を発揮する光開始助剤や増感剤を併用することもできる。
光硬化性密着層樹脂組成物(B)には、本発明の目的から外れない範囲で各種添加剤を添加することができる。各種添加剤として、溶剤、有機/無機フィラー、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、熱線吸収剤、レベリング剤、着色剤等を例示することができる。
このうち溶剤は、光硬化性密着層樹脂組成物(B)を塗布する際の粘度を調整する目的で使用できる。具体例としては、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコールなどのアルコール類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類等を用いることができる。
次に本発明における樹脂積層体の製造方法を詳しく説明する。
本発明の樹脂積層体の製造方法は、転写法により樹脂積層体を得る方法であり、従来のディッピング法、ロールコート法、スピンコート法などの順次密着層とトップコート層とを形成する方法に比べ、透明基材フィルムによりラミネーションを行うことから塗膜の平坦性が向上し、外観の向上が期待できる。また、ポリカーボネートなど耐薬品性が低い透明熱可塑性樹脂成形品にハードコートを形成する場合、透明性を担保するため樹脂の粘度調整として用いる溶剤の選択が必要である。しかしながら、転写法を用いる場合、脱溶剤された塗膜を密着層へ貼り合わせるため、溶剤の選択が不要である。
以下、第一の工程について詳しく説明する。第一の工程は、透明基材フィルム上に、シリカ含有光硬化性樹脂組成物(A)からなるシリカ含有光硬化性塗膜層を形成する工程である。
前記透明基材フィルムは、公知のフィルムを利用することができる。また剥離性を有するフィルムであれば尚、好適であるが、剥離性が不充分の場合であれば、フィルムの表面に剥離層を設けてもよい。
透明基材フィルムの例としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、ポリプロピレン、ポリエチレン、アセテート、アクリル、フッ化ビニル、ポリアミド、ポリアリレート、セロファン、ポリエーテルスルホン、ノルボルネン樹脂系、等のフィルムを単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用できる。ただし、硬化性樹脂組成物との剥離が可能でなければならない。この為、これらの透明フィルムは、平滑性に優れていることが好ましい。また、表面にシリコン塗布、フッ素塗布等の易剥離処理が施されているものも使用してよい。さらに、該透明フィルムは、紫外光から可視光の10〜700nmの波長を透過することが好ましく、光硬化のための波長10〜400nmの紫外線や視認性のための波長400〜700nmの可視光線を透過するものである。
透明基材フィルムの厚さとしては特に制限はないが、しわや亀裂などのない転写フィルムの製造が容易にできる観点から5μm以上が好ましく、500μm以下が好ましい。より好ましくは、20μm〜300μmの範囲である。
シリカ含有光硬化性樹脂組成物(A)を用い、シリカ含有光硬化性塗膜層を透明基材フィルム上に形成する方法としては、例えば、流延法、ローラーコート法、バーコート法、噴霧コート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、フローコート法、カーテンコート法、フィルムカバー法及びディッピング法が挙げられる。
粘度調整の目的で、シリカ含有光硬化性樹脂組成物(A)中に溶剤を含有する場合には、シリカ含有光硬化性塗膜層を前記手法にて形成後、溶剤を乾燥等により除去することが好ましい。なお、塗工膜厚は乾燥・光硬化後の形成膜厚を考慮して適宜調節される。
また、透明基材フィルム上に形成されたシリカ含有光硬化性塗膜層は、次の工程において、透明熱可塑性樹脂成形品上に形成された光硬化性密着層樹脂組成物(B)からなる光硬化性密着層と貼り合わせる際に、シリカ含有光硬化性塗膜層を予め光硬化せしめても、未硬化であってもかまわない。しかしながら、光硬化せしめる場合は、シリカ含有光硬化性塗膜層を光硬化せしめてなるトップコート層(I)と密着層(密着層(II))との層間密着性を担保するため、シリカ含有光硬化性樹脂組成物(A)に含まれる官能基の消費率が50%以上90%以下になるように光硬化させることが好ましい。
また、シリカ含有光硬化性塗膜層を硬化する方法は、波長10〜400nmの紫外線や波長400〜700nmの可視光線を照射することで、塗膜層を硬化することができる。用いる光の波長は特に制限されるものではないが、特に波長200〜400nmの近紫外線が好適に用いられる。紫外線発生源として用いられるランプとしては、低圧水銀ランプ(出力:0.4〜4W/cm)、高圧水銀ランプ(40〜160W/cm)、超高圧水銀ランプ(173〜435W/cm)、メタルハライドランプ(80〜160W/cm)、パルスキセノンランプ(80〜120W/cm)、無電極放電ランプ(80〜120W/cm)等を例示することができる。これらの紫外線ランプは、各々その分光分布に特徴があるため、使用する光重合開始剤の種類に応じて選定される。また、光エネルギーの有効利用の観点から、紫外線ランプには楕円型、放物線型、拡散型等の反射板を取り付けるのが好ましく、さらには、冷却対策として熱カットフィルター等を装着するようにしてもよい。
照射条件はそれぞれのランプ条件によって異なるが、照射露光量が10〜10000mj/cm2程度であればよい。照射露光量として好ましくは10〜5000mj/cm2であり、より好ましくは、10〜3000mj/cm2である。照射露光量が5000mj/cm2を超える値であると、官能基消費率が高くなり、積層体とした際にトップコート層(I)と密着層との密着性が担保できずに層間剥離が起こる。
次に、第二の工程について詳しく説明する。第二の工程は、透明熱可塑性樹脂成型品上に光硬化性密着層樹脂組成物(B)からなる光硬化性密着層を形成し、これと前記転写フィルムのシリカ含有光硬化性塗膜層側を貼り合わせる工程である。
本発明に用いる透明熱可塑性樹脂成形品はポリカーボネートからなるものが好ましい。この成形品の形状は特に限定されず、平板でもよいし、曲面形状でもよい。また、本発明の目的から外れない範囲で各種添加剤を含有していてもよい。具体例としては、着色剤、有機/無機フィラー、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、熱線吸収剤等が挙げられる。なお、透明熱可塑性樹脂成形品として、ポリカーボネート以外にも、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)からなるものなどを用いるようにしてもよい。
本発明の透明熱可塑性樹脂成形品の厚みは、1000〜5000μmであることが好ましい。これは、1000μmより薄いと強度的に不利であり、5000μmを超えると透明性が低下することがあるためで、強度あるいは透明性が問われない場合はこの範囲外であってもかまわない。
透明熱可塑性樹脂成形品上に光硬化性密着層樹脂組成物(B)からなる光硬化性密着層を形成する方法としては、例えば、流延法、ローラーコート法、バーコート法、噴霧コート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、フローコート法、カーテンコート法、フィルムカバー法及びディッピング法が挙げられる。
光硬化性密着層樹脂組成物(B)には溶剤を含有しないものが好ましいが、粘度調整の目的で溶剤を含有する場合には、光硬化性密着層を前記手法にて形成後、溶剤を乾燥等により除去することが好ましい。なお、塗工膜厚は乾燥・光硬化後の形成膜厚を考慮して適宜調節される。
また、前記透明熱可塑性樹脂成形品は、光硬化性密着層と成形品の密着性を担保するため、予めプライマー処理を施されたものを使用することが好ましい。プライマー処理の手法は、公知の手法を用いることができ、例えばシランカップリング処理やプラズマ処理等が挙げられる。
透明基材フィルム上に形成されたシリカ含有光硬化性塗膜層と光硬化性密着層を張り合わせる手法は特に限定されないが、方法としては、ゴムロールで圧着する方法が挙げられる。
透明基材フィルム上に形成されたシリカ含有光硬化性塗膜層と透明熱可塑性樹脂成形品上に形成された光硬化性密着層とを貼り合わせる方法としては、フィルム、透明熱可塑性樹脂成形品のそれぞれが搬送された状態で前記のゴムロールで圧着し貼りあわせる方法、フィルムと透明熱可塑性樹脂成形品を重ね合わせた状態で前記のゴムロールで圧着し貼りあわせる方法などが挙げられる。前者のフィルム、透明熱可塑性樹脂成形品のそれぞれが搬送された状態で貼りあわせる方法は、連続方式の際に採用されることが好ましく、また後者のフィルムと樹脂基材を重ね合わせた状態で、ゴムロールで圧着し貼りあわせる方法は、バッチ方式の際などに採用されることが好ましい。
前記第二の工程でシリカ含有光硬化性塗膜層と光硬化性密着層を貼り合わせた後、第三の工程として、透明基材フィルムを介して紫外線を照射し、シリカ含有光硬化性塗膜層と光硬化性密着層を硬化する。以下、詳しく述べる。
シリカ含有光硬化製樹脂組成物(A)からなるシリカ含有光硬化性塗膜層及び光硬化性密着層樹脂組成物(B)からなる光硬化性密着層を完全に光硬化せしめる方法としては、前述の通り波長10〜400nmの紫外線や波長400〜700nmの可視光線を照射することで、トップコート層(I)及び密着層(II)よりなるハードコート層を形成することができる。用いる光の波長は特に制限されるものではないが、特に波長200〜400nmの近紫外線が好適に用いられる。紫外線発生源として用いられるランプとしては、低圧水銀ランプ(出力:0.4〜4W/cm)、高圧水銀ランプ(40〜160W/cm)、超高圧水銀ランプ(173〜435W/cm)、メタルハライドランプ(80〜160W/cm)、パルスキセノンランプ(80〜120W/cm)、無電極放電ランプ(80〜120W/cm)等を例示することができる。これらの紫外線ランプは、各々その分光分布に特徴があるため、使用する光重合開始剤の種類に応じて選定される。
第三の工程での照射露光量として好ましくは10〜10000mj/cm2であり、より好ましくは1000〜10000mj/cm2である。二段階目の照射露光量が10mj/cm2未満であると硬化不十分となり、意図する表面硬度を得られず、耐磨耗性が著しく低下する。
本発明においては、第三の工程で光硬化を施しトップコート層(I)と密着層(II)を透明熱可塑性樹脂成形品上に形成した後、第四の工程として透明基材フィルム上に設けたシリカ含有光硬化性塗膜層を残して透明基材フィルムを剥がす。すなわち透明基材フィルムのシリカ含有光硬化性塗膜層は透明熱可塑性樹脂成形品上の密着層上に転写されたものとなる。
本発明の積層体は、前記シリカ含有光硬化性塗膜層(A)を光硬化せしめてなるトップコート層(I)と、光硬化性密着層樹脂組成物(B)を光硬化せしめてなる密着層(II)とを、透明熱可塑性樹脂であるポリカーボネート等の透明熱可塑性樹脂成形品上に有し、また、その厚みはトップコート層(I)の厚みが5〜100μm、好ましくは5〜50μmであり、また、密着層(II)の厚みが1〜100μm、好ましくは1〜50μmであることが好ましい。トップコート層(I)の厚みがこの範囲より小さいと目的の耐磨耗性が発現せず、この範囲より大きいと硬化収縮によって成形体が変形する恐れがある。また、密着層(II)の厚みがこの範囲より小さいと密着層としての密着力が担保できず、この範囲より大きいと耐磨耗性の低下を招くことがある。
本発明で得られる樹脂積層体は、透明熱可塑性樹脂成形品の表面に、密着層として光硬化性密着層樹脂組成物(B)の硬化膜である密着層(II)を介し、その密着層(II)上にシリカ含有光硬化性樹脂組成物(A)の硬化物であるトップコート層(I)が順次積層された積層体である。本発明のシリカ含有光硬化性樹脂組成物(A)は、(メタ)アクリル基と水酸基を有するラジカル重合性化合物に、平均粒径1〜100nmのシリカ微粒子を高配合することで、ポリカーボネート等の透明熱可塑性樹脂の透明性を損なうことなく耐磨耗性を付与することが可能であり、これを光硬化せしめてなるトップコート層の効果により、ガラスに近い透明性と耐磨耗性を有する積層体を提供することができる。
以下、実施例を示しながら、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。尚、各例における耐テーバー磨耗性、及び初期全光線透過率の評価は、以下に示した方法で実施した。また、メタクリル基を有する籠型シルセスキオキサン樹脂は、下記合成例1によって製造した。
(テーバー磨耗試験)
JIS R 3212に準拠し、磨耗輪CS−10F、60±2rpm、500g荷重、1000回転の条件で実施した。磨耗前後において、磨耗輪の軌跡上の等間隔4箇所のヘイズを算出し、磨耗前、磨耗後それぞれのヘイズの平均値を差し引いて評価した(ΔH)。
使用ヘイズメーター:日本電色株式会社製 NDH5000
JIS R 3212に準拠し、磨耗輪CS−10F、60±2rpm、500g荷重、1000回転の条件で実施した。磨耗前後において、磨耗輪の軌跡上の等間隔4箇所のヘイズを算出し、磨耗前、磨耗後それぞれのヘイズの平均値を差し引いて評価した(ΔH)。
使用ヘイズメーター:日本電色株式会社製 NDH5000
(初期全光線透過率)
JIS K 7361に準じた全光線透過率をヘイズメーターにて測定した。
JIS K 7361に準じた全光線透過率をヘイズメーターにて測定した。
(鉛筆硬度試験)
JIS K 5600−5−4 引っかき硬度(鉛筆法)に準拠して行った。
JIS K 5600−5−4 引っかき硬度(鉛筆法)に準拠して行った。
(合成例1)
撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた反応容器に、溶媒として2−プロパノール(IPA)40mlと塩基性触媒として5%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)を装入した。滴下ロートにIPA 15mlと3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製SZ-6030)12.69gを入れ、反応容器を撹拌しながら、室温で3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランのIPA溶液を30分かけて滴下した。3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン滴下終了後、加熱することなく2時間撹拌した。2時間撹拌後溶媒を減圧下で溶媒を除去し、トルエン50mlで溶解した。反応溶液を飽和食塩水で中性になるまで水洗した後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。無水硫酸マグネシウムをろ別し、濃縮することで加水分解生成物(シルセスキオキサン)を8.6g得た。このシルセスキオキサンは種々の有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。
撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた反応容器に、溶媒として2−プロパノール(IPA)40mlと塩基性触媒として5%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)を装入した。滴下ロートにIPA 15mlと3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製SZ-6030)12.69gを入れ、反応容器を撹拌しながら、室温で3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランのIPA溶液を30分かけて滴下した。3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン滴下終了後、加熱することなく2時間撹拌した。2時間撹拌後溶媒を減圧下で溶媒を除去し、トルエン50mlで溶解した。反応溶液を飽和食塩水で中性になるまで水洗した後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。無水硫酸マグネシウムをろ別し、濃縮することで加水分解生成物(シルセスキオキサン)を8.6g得た。このシルセスキオキサンは種々の有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。
次に、撹拌機、ディンスターク、冷却管を備えた反応容器に上記で得られたシルセスキオキサン20.65gとトルエン82mlと10%TMAH水溶液3.0gを入れ、徐々に加熱し水を留去した。更に130℃まで加熱しトルエンを還流温度で再縮合反応を行った。このときの反応溶液の温度は108℃であった。トルエン還流後2時間撹拌した後、反応を終了とした。反応溶液を飽和食塩水で中性になるまで水洗した後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。無水硫酸マグネシウムをろ別し、濃縮することで目的物である籠型シルセスキオキサン(混合物)を18.77g得た。得られた籠型シルセスキオキサンは種々の有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。
再縮合反応後の反応物の液体クロマトグラフィー分離後の質量分析を行ったところ下記構造式(i)、(ii)及び(iii)の分子構造にアンモニウムイオンが付いた分子イオンが確認され、構成比率はT8:T10:T12及びその他が約2:4:1:3であり、籠型構造を主たる成分とするシリコーン樹脂であることが確認できる。なお、T8、T10、T12は、式(i)、(ii)及び(iii)の順に対応する(Rは式(4);但し、R1=メチル基、m=3である)に示したとおりである)。
〔実施例1〕
反応容器に、ペンタエリスリトールトリアクリレート20重量部、上記合成例1で得られたメタクリル基を有する籠型シルセスキオキサン樹脂5重量部、メタクリル基を有するシランカップリング剤で表面修飾されたコロイド状シリカ微粒子(平均粒子径40nm)(日産化学工業株式会社製MEK−AC−4101)250重量部(固形分30重量部)、及び光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)0.7重量部を入れ、攪拌した。その後、減圧下で固形分50重量部となるように溶媒を除去し、シリカ含有光硬化性樹脂組成物を得た。
反応容器に、ペンタエリスリトールトリアクリレート20重量部、上記合成例1で得られたメタクリル基を有する籠型シルセスキオキサン樹脂5重量部、メタクリル基を有するシランカップリング剤で表面修飾されたコロイド状シリカ微粒子(平均粒子径40nm)(日産化学工業株式会社製MEK−AC−4101)250重量部(固形分30重量部)、及び光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)0.7重量部を入れ、攪拌した。その後、減圧下で固形分50重量部となるように溶媒を除去し、シリカ含有光硬化性樹脂組成物を得た。
次に、テトラエチレングリコールジメタクリレート25重量部、及びジシクロペンタニルジメチロールジアクリレート75重量部に、光重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)2.5重量部を入れ、混合し、光硬化性密着層樹脂組成物を得た。
前記シリカ含有光硬化性樹脂組成物を、ミカサ株式会社製スピンコーターMS−A150を用いて、厚み188μmのPETフィルム(コスモシャインA4100:東洋紡績株式会社製)の剥離面に塗布した。その後、90℃熱風乾燥により溶剤を揮発し、厚み15μmのシリカ含有光硬化性塗膜層を形成した。
前記光硬化性密着層樹脂組成物を、予めプライマー処理された厚み3mm、100×100mm角のポリカーボネート平板(カーボグラスポリッシュクリア:旭硝子株式会社製)の表面に塗布し、前記シリカ含有光硬化性塗膜層を有するPETフィルムの塗膜層側と密着層樹脂組成物が合わさるように貼り合わせた。その後、光硬化性密着層の膜厚が20μmとなるよう、ゴムロールを用いて過剰な光硬化性密着層樹脂組成物をしごき出しながら、気泡を含まないように圧着させた。圧着後、高圧水銀ランプを用いて紫外線を8400mJ/cm2照射し、前記PETフィルムを剥離したところ、図1に示すようなトップコート層(I)、密着層(II)及びポリカーボネート基板よりなる積層体を得た。
〔実施例2〕
反応容器に、ペンタエリスリトールトリアクリレート15重量部、グリセリンジメタクリレート10重量部、上記合成例1で得られたメタクリル基を有する籠型シルセスキオキサン樹脂10重量部、メタクリル基を有するシランカップリング剤で表面修飾されたコロイド状シリカ微粒子(平均粒子径40nm)(日産化学工業株式会社製MEK−AC−4101)65重量部、及び光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)0.9重量部を入れ、攪拌した。その後、減圧下で固形分50重量部となるように溶媒を除去し、シリカ含有光硬化性樹脂組成物を得た。
反応容器に、ペンタエリスリトールトリアクリレート15重量部、グリセリンジメタクリレート10重量部、上記合成例1で得られたメタクリル基を有する籠型シルセスキオキサン樹脂10重量部、メタクリル基を有するシランカップリング剤で表面修飾されたコロイド状シリカ微粒子(平均粒子径40nm)(日産化学工業株式会社製MEK−AC−4101)65重量部、及び光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)0.9重量部を入れ、攪拌した。その後、減圧下で固形分50重量部となるように溶媒を除去し、シリカ含有光硬化性樹脂組成物を得た。
次に、1,9−ノナンジオールジアクリレート25重量部、及びテトラエチレングリコールジメタクリレート75重量部に、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)2.5重量部を入れ、混合し、光硬化性密着層樹脂組成物を得た。
次いで、実施例1において、PETフィルム上に形成されたシリカ含有光硬化性塗膜層の膜厚を5μm、光硬化性密着層の厚みを10μmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、積層体を製造した。
〔実施例3〕
反応容器に、ペンタエリスリトールトリアクリレート5重量部、グリセリンジメタクリレート10重量部、平均粒子径が15nmのメタクリル基を有するシランカップリング剤で表面修飾されたコロイド状シリカ微粒子(日産化学工業株式会社製MEK−AC−2101、固形分30重量部)85重量部、平均粒子径が40nmのメタクリル基を有するシランカップリング剤で表面修飾されたコロイド状シリカ微粒子(日産化学工業株式会社製MEK−AC−4101、固形分30重量部)28重量部、平均粒子径が100nmのメタクリル基を有するシランカップリング剤で表面修飾されたコロイド状シリカ微粒子(日産化学工業株式会社製MEK−AC−5101、固形分30重量部)170重量部、及び光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)0.5重量部を入れ、攪拌した。その後、減圧下で固形分50重量部となるように溶媒を除去し、シリカ含有光硬化性樹脂組成物を得た。
反応容器に、ペンタエリスリトールトリアクリレート5重量部、グリセリンジメタクリレート10重量部、平均粒子径が15nmのメタクリル基を有するシランカップリング剤で表面修飾されたコロイド状シリカ微粒子(日産化学工業株式会社製MEK−AC−2101、固形分30重量部)85重量部、平均粒子径が40nmのメタクリル基を有するシランカップリング剤で表面修飾されたコロイド状シリカ微粒子(日産化学工業株式会社製MEK−AC−4101、固形分30重量部)28重量部、平均粒子径が100nmのメタクリル基を有するシランカップリング剤で表面修飾されたコロイド状シリカ微粒子(日産化学工業株式会社製MEK−AC−5101、固形分30重量部)170重量部、及び光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)0.5重量部を入れ、攪拌した。その後、減圧下で固形分50重量部となるように溶媒を除去し、シリカ含有光硬化性樹脂組成物を得た。
次に、1,9−ノナンジオールジアクリレート50重量部、及びテトラエチレングリコールジメタクリレート50重量部に、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)2.5重量部を入れ、混合し、光硬化性密着層樹脂組成物を得た。
次いで、実施例1と同様にして、積層体を製造した。
〔実施例4〕
反応容器に、ペンタエリスリトールトリアクリレート15重量部、グリセリンジメタクリレート20重量部、メタクリル基を有するシランカップリング剤で表面修飾されたコロイド状シリカ微粒子(平均粒子径40nm)(日産化学工業株式会社製MEK−AC−4101)217重量部、及び光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)0.7重量部を入れ、攪拌した。その後、減圧下で固形分50重量部となるように溶媒を除去し、シリカ含有光硬化性樹脂組成物を得た。
反応容器に、ペンタエリスリトールトリアクリレート15重量部、グリセリンジメタクリレート20重量部、メタクリル基を有するシランカップリング剤で表面修飾されたコロイド状シリカ微粒子(平均粒子径40nm)(日産化学工業株式会社製MEK−AC−4101)217重量部、及び光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)0.7重量部を入れ、攪拌した。その後、減圧下で固形分50重量部となるように溶媒を除去し、シリカ含有光硬化性樹脂組成物を得た。
次に、テトラエチレングリコールジメタクリレート25重量部、ジシクロペンタニルジメチロールジアクリレート75重量部に、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)2.5重量部、及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASFジャパン株式会社製:Irgacure819)0.3重量部、紫外線吸収剤として2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと(2−エチルヘキシル)−グリシド酸エステルの反応生成物(BASFジャパン株式会社製:Tinuvin 405)1重量部、光安定剤としてビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケートとメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートの混合物(BASFジャパン株式会社製:Tinuvin 292)1重量部を入れ、混合し、光硬化性密着層脂組成物を得た。
次いで、実施例1と同様にして、積層体を製造した。
〔実施例5〕
反応容器に、ペンタエリスリトールトリアクリレート25重量部、メタクリル基を有するシランカップリング剤で表面修飾されたコロイド状シリカ微粒子(平均粒子径15nm)(日産化学工業株式会社製MEK−AC−2101、固形分30重量部)250重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)0.7重量部を入れ、攪拌した。その後、減圧下で固形分50重量部となるように溶媒を除去し、シリカ含有光硬化性樹脂組成物を得た。
反応容器に、ペンタエリスリトールトリアクリレート25重量部、メタクリル基を有するシランカップリング剤で表面修飾されたコロイド状シリカ微粒子(平均粒子径15nm)(日産化学工業株式会社製MEK−AC−2101、固形分30重量部)250重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)0.7重量部を入れ、攪拌した。その後、減圧下で固形分50重量部となるように溶媒を除去し、シリカ含有光硬化性樹脂組成物を得た。
次に、テトラエチレングリコールジメタクリレート25重量部、ジシクロペンタニルジメチロールジアクリレート75重量部に、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)2.5重量部を入れ、混合し、光硬化性密着層樹脂組成物を得た。
次いで実施例1と同様に、シリカ含有光硬化性樹脂組成物をPETフィルム上に塗布し、シリカ含有光硬化性塗膜層を形成した後、高圧水銀ランプを用いて紫外線を300mJ/cm2照射したこと以外は実施例1と同様にして、積層体を製造した。
〔実施例6〕
反応容器に、グリセリンジメタクリレート25重量部、メタクリル基を有するシランカップリング剤で表面修飾されたコロイド状シリカ微粒子(平均粒子径40nm)(日産化学工業株式会社製MEK−AC−4101、固形分30重量部)250重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)0.7重量部を入れ、攪拌した。その後、減圧下で固形分50重量部となるように溶媒を除去し、シリカ含有光硬化性樹脂組成物を得た。
反応容器に、グリセリンジメタクリレート25重量部、メタクリル基を有するシランカップリング剤で表面修飾されたコロイド状シリカ微粒子(平均粒子径40nm)(日産化学工業株式会社製MEK−AC−4101、固形分30重量部)250重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)0.7重量部を入れ、攪拌した。その後、減圧下で固形分50重量部となるように溶媒を除去し、シリカ含有光硬化性樹脂組成物を得た。
次に、テトラエチレングリコールジメタクリレート35重量部、1,9−ノナンジオールジアクリレート65重量部に、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)2.5重量部、およびビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASFジャパン株式会社製:Irgacure819)3重量部、紫外線吸収剤として2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと(2−エチルヘキシル)−グリシド酸エステルの反応生成物(BASFジャパン株式会社製:Tinuvin 405)5重量部、光安定剤としてビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートとメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートの混合物(BASFジャパン株式会社製:Tinuvin 292)1重量部を入れ、混合し、光硬化性密着層樹脂組成物を得た。
次いで、実施例1と同様にして、積層体を製造した。
〔実施例7〕
反応容器に、グリセリンジメタクリレート20重量部、上記合成例1で得られたメタクリル基を有する籠型シルセスキオキサン樹脂5重量部、メタクリル基を有するシランカップリング剤で表面修飾されたコロイド状シリカ微粒子(平均粒子径40nm)250重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)0.7重量部、紫外線吸収剤として2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと(2−エチルヘキシル)−グリシド酸エステルの反応生成物(BASFジャパン株式会社製:Tinuvin 405)5重量部、光安定剤としてデカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物(BASFジャパン株式会社製:Tinuvin 123)1重量部を入れ、攪拌した。その後、減圧下で固形分50重量部となるように溶媒を除去し、シリカ含有光硬化性樹脂組成物を得た。
反応容器に、グリセリンジメタクリレート20重量部、上記合成例1で得られたメタクリル基を有する籠型シルセスキオキサン樹脂5重量部、メタクリル基を有するシランカップリング剤で表面修飾されたコロイド状シリカ微粒子(平均粒子径40nm)250重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)0.7重量部、紫外線吸収剤として2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと(2−エチルヘキシル)−グリシド酸エステルの反応生成物(BASFジャパン株式会社製:Tinuvin 405)5重量部、光安定剤としてデカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物(BASFジャパン株式会社製:Tinuvin 123)1重量部を入れ、攪拌した。その後、減圧下で固形分50重量部となるように溶媒を除去し、シリカ含有光硬化性樹脂組成物を得た。
次に、ジシクロペンタニルジメチロールジアクリレート70重量部、1,9−ノナンジオールジアクリレート30重量部に、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)2.5重量部、およびビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASFジャパン株式会社製:Irgacure819)3重量部、紫外線吸収剤としてベンゼンプロパン酸、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ、C7−9側鎖及び直鎖アルキルエステル(BASFジャパン株式会社製:Tinuvin 384−2)5重量部、光安定剤としてビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートとメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートの混合物(BASFジャパン株式会社製:Tinuvin 292)1重量部を入れ、混合し、光硬化性密着層樹脂組成物を得た。
次いで、実施例1と同様にして、積層体を製造した。
〔比較例1〕
反応容器に、ジシクロペンタニルジメチロールジアクリレート20重量部、上記合成例1で得られたメタクリル基を有する籠型シルセスキオキサン樹脂5重量部、メタクリル基を有するシランカップリング剤で表面修飾されたコロイド状シリカ微粒子(平均粒子径40nm)(日産化学社製MEK−AC−4101)250重量部、及び光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)0.7重量部を入れ、攪拌した。その後、減圧下で固形分50重量部となるように溶媒を除去し、シリカ含有光硬化性樹脂組成物を得た。
反応容器に、ジシクロペンタニルジメチロールジアクリレート20重量部、上記合成例1で得られたメタクリル基を有する籠型シルセスキオキサン樹脂5重量部、メタクリル基を有するシランカップリング剤で表面修飾されたコロイド状シリカ微粒子(平均粒子径40nm)(日産化学社製MEK−AC−4101)250重量部、及び光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)0.7重量部を入れ、攪拌した。その後、減圧下で固形分50重量部となるように溶媒を除去し、シリカ含有光硬化性樹脂組成物を得た。
次に、1,9−ノナンジオールジアクリレート25重量部、テトラエチレングリコールジメタクリレート75重量部に、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)2.5重量部を入れ、混合し、光硬化性密着層樹脂組成物を得た。
次いで、実施例1と同様にして、積層体を製造した。
〔比較例2〕
反応容器に、ジシクロペンタニルジメチロールジアクリレート30重量部、上記合成例1で得られたメタクリル基を有する籠型シルセスキオキサン樹脂5重量部、メタクリル基を有するシランカップリング剤で表面修飾されたコロイド状シリカ微粒子(平均粒子15nm)(日産化学社製MEK−AC−2101)217重量部、及び光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)0.9重量部を入れ、撹拌した。その後、減圧下で固形分50重量部となるように溶媒を除去し、シリカ含有光硬化性樹脂組成物を得た。
反応容器に、ジシクロペンタニルジメチロールジアクリレート30重量部、上記合成例1で得られたメタクリル基を有する籠型シルセスキオキサン樹脂5重量部、メタクリル基を有するシランカップリング剤で表面修飾されたコロイド状シリカ微粒子(平均粒子15nm)(日産化学社製MEK−AC−2101)217重量部、及び光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)0.9重量部を入れ、撹拌した。その後、減圧下で固形分50重量部となるように溶媒を除去し、シリカ含有光硬化性樹脂組成物を得た。
次に、1,9−ノナンジオールジアクリレート25重量部、及びテトラエチレングリコールジメタクリレート75重量部に、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)2.5重量部を入れ、混合し、光硬化性密着層樹脂組成物を得た。
次いで、実施例1と同様にして、積層体を得た。
〔比較例3〕
反応容器に、ペンタエリスリトールトリアクリレート35重量部、グリセリンジメタクリレート20重量部、上記合成例1で得られたメタクリル基を有する籠型シルセスキオキサン12.5重量部、メタクリル基を有するシランカップリング剤で表面修飾されたコロイド状シリカ微粒子(平均粒子径40nm)(日産化学社製MEK−AC−4101)108重量部、及び光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)1.6重量部を入れ、攪拌した。その後、減圧下で固形分50重量部となるようにメチルエチルケトンを溶媒として添加し、シリカ含有光硬化性樹脂組成物を得た。
反応容器に、ペンタエリスリトールトリアクリレート35重量部、グリセリンジメタクリレート20重量部、上記合成例1で得られたメタクリル基を有する籠型シルセスキオキサン12.5重量部、メタクリル基を有するシランカップリング剤で表面修飾されたコロイド状シリカ微粒子(平均粒子径40nm)(日産化学社製MEK−AC−4101)108重量部、及び光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)1.6重量部を入れ、攪拌した。その後、減圧下で固形分50重量部となるようにメチルエチルケトンを溶媒として添加し、シリカ含有光硬化性樹脂組成物を得た。
次に、テトラエチレングリコールジメタクリレート25重量部、及びジシクロペンタニルジメチロールジアクリレート75重量部に、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)2.5重量部を入れ、混合し、光硬化性密着層樹脂組成物を得た。
次いで、実施例1と同様にして、積層体を得た。
〔比較例4〕
ペンタエリスリトールトリアクリレート100重量部に、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)2.5重量部を入れ、攪拌した。その後、固形分50重量部となるようにメチルエチルケトンを溶媒として添加し、光硬化性樹脂組成物を得た。
ペンタエリスリトールトリアクリレート100重量部に、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)2.5重量部を入れ、攪拌した。その後、固形分50重量部となるようにメチルエチルケトンを溶媒として添加し、光硬化性樹脂組成物を得た。
次に、テトラエチレングリコールジメタクリレート25重量部、及びジシクロペンタニルジメチロールジアクリレート75重量部に、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)2.5重量部を入れ、混合し、光硬化性密着層樹脂組成物を得た。
次いで実施例1と同様に、光硬化性樹脂組成物をPETフィルム上に塗布し、光硬化性塗膜層を形成した後、高圧水銀ランプを用いて紫外線を300mJ/cm2照射したこと以外は実施例1と同様にして、積層体を製造した。
〔比較例5〕
グリセリンジメタクリレート75重量部、メタクリル基を有する籠型リシルセスキオキサン25重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)2.5重量部を入れ、攪拌した。その後、固形分50重量部となるようにメチルエチルケトンを溶媒として添加し、光硬化性樹脂組成物を得た。
グリセリンジメタクリレート75重量部、メタクリル基を有する籠型リシルセスキオキサン25重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)2.5重量部を入れ、攪拌した。その後、固形分50重量部となるようにメチルエチルケトンを溶媒として添加し、光硬化性樹脂組成物を得た。
次に、1,9−ノナンジオールジアクリレート65重量部25重量部、ジシクロペンタニルジメチロールジアクリレート75重量部に、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製:Irgacure184)2.5重量部を入れ、混合し、光硬化性密着層樹脂組成物を得た。
次いで実施例1と同様に、光硬化性樹脂組成物をPETフィルム上に塗布し、光硬化性塗膜層を形成した後、高圧水銀ランプを用いて紫外線を300mJ/cm2照射したこと以外は実施例1と同様にして、積層体を製造した。
上記実施例1〜7及び比較例1〜5で得られた積層体について、初期全光線透過率及びテーバー磨耗試験前の初期ヘイズと、テーバー磨耗試験後の耐テーバー磨耗性を試験前後のヘイズ変化(ΔH)で評価した。得られた結果を表1に示す。
1:トップコート層
2:密着層
3:ポリカーボネート基板
2:密着層
3:ポリカーボネート基板
Claims (7)
- 透明基材フィルムの片面に、シリカ含有光硬化性樹脂組成物(A)からなるシリカ含有光硬化性塗膜層を形成し、転写フィルムとする第一の工程と、透明熱可塑性樹脂成型品上にラジカル重合性(メタ)アクリレートを主成分とした光硬化性密着層樹脂組成物(B)からなる光硬化性密着層を形成し、該光硬化性密着層と前記転写フィルムのシリカ含有光硬化性塗膜層側とを貼り合わせる第二の工程と、前記シリカ含有光硬化性塗膜層と光硬化性密着層とを光硬化せしめてハードコート層とする第三の工程と、ハードコート層を残して前記透明基材フィルムを剥がす第四の工程とを含むことを特徴とする樹脂積層体の製造方法。
- 前記シリカ含有光硬化性樹脂組成物(A)におけるシリカ微粒子(D)がケイ素酸化物かつコロイダルシリカであり、さらに(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤にて表面処理されていることを特徴とする請求項2に記載の樹脂積層体の製造方法。
- 前記シリカ含有光硬化性樹脂組成物(A)は、シリカ微粒子(D)が平均粒径16〜100nmのシリカ微粒子を全シリカ微粒子100重量部に対して50重量部以上含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂積層体の製造方法。
- 前記透明熱可塑性樹脂成形品がポリカーボネートからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂積層体の製造方法。
- 前記光硬化性密着層樹脂組成物(B)に含まれるラジカル重合性(メタ)アクリレートが多官能(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂積層体の製造方法。
- 前記ハードコート層のうち、シリカ含有光硬化性樹脂組成物(A)からなる光硬化性塗膜層を光硬化せしめてなるトップコート層(I)の厚みが5〜50μmであり、前記光硬化性密着層樹脂組成物(B)を光硬化せしめてなる密着層(II)の厚みが1〜50μmであり、また、樹脂積層体の総厚みが1000〜5000μmの範囲であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂積層体の製造方法。
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