JP6235208B2 - 筏ベンチ - Google Patents

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本発明は、平時はベンチとして使用しつつ災害時に救命筏として使用することができる筏ベンチに関する。
平成23年3月11日に発生した所謂東日本大震災以降、津波から人命や財産を守るために種々の救命筏が提案されている。例えば、下記特許文献1には、廃車された自動車に対して発泡樹脂などを装着して浮力を持たせるとともに車内への浸水防止の処置を施して津波発生時に車内に乗り込むことができる車両型の救命筏が開示されている。また、下記特許文献2には、水に浮く箱型に形成されて津波発生時に内部に乗り込むことができる箱型の救命筏が開示されている。
実用新案登録第3175093号公報 実用新案登録第3177733号公報
しかしながら、上記特許文献1,2に記載された救命筏においては、物理的な構成が大きいため広い設置スペースが必要となって設置場所が限定されるとともに1台の製作費も高額なため、広く一般に普及させることができないという問題があった。また、上記特許文献1,2に記載された救命筏においては、災害時の救命用途以外に平時においての使用用途がなく設置スペースや製作費に対する利用効率が低いという問題もあった。
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、小型且つ低コストで製作できるとともに災害時のみだけなく平時においても使用用途を有する筏ベンチを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、複数の棒状の基材を互いに連結して水に浮くように構成した筏本体と、筏本体の表面から突出することなく露出する把持部とを備え、筏本体は、複数の基材が互いに平行で接触した状態で連結されて人が乗ることができる大きさの平板状に形成されているとともに、人が腰掛けまたは乗る部分を構成する複数の基材の各表裏面が凸状に湾曲する円弧状に形成されており、屋外に人が腰掛けることができる高さ位置に非固定状態でかつ津波の発生時には漂流可能な非連結状態で設置されていることにある。
このように構成した本発明の特徴によれば、筏ベンチは、水に浮く筏本体が屋外における人が腰掛けることができる高さ位置に非固定状態で設置されている。これにより、筏ベンチは、平時においてはベンチとして使用することができるとともに、津波発生時においては設置面に対して非固定状態であるため救命筏として使用することができる。この場合、筏ベンチは、筏本体の表面から突出することなく露出する把持部が設けられているため、平時においては把持部がベンチとしての使用の妨げにならないとともに、津波に流されている場合においては衝突による破損を防止しつつ漂流する筏本体に容易に掴まることができる。なお、筏ベンチの設置場所は、津波の発生時に津波に乗って流される場所、すなわち、屋外であればどこに設置してもよく、例えば、公園、広場、空き地、道端、駐車場、学校・役場・病院などの各種施設の敷地内における空きスペース、個人宅の庭、学校の屋外興行施設の観客席、駅のホームまたはビルの屋上などが好適な設置場所として考えられる。
削 除
また、本発明の他の特徴は、前記筏ベンチにおいて、筏本体は、複数の基材が互いに平行で接触した状態で連結されているとともに、互いに隣り合う前記基材における各角部の少なくとも一方が凹んで形成されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、筏ベンチは、筏本体を構成する互いに隣り合う前記基材における各角部のうちの少なくとも一方が凹んで形成されているため、筏ベンチが漂流している場合などにおいて互いに隣接する基材同士の隙間が開いたり閉じたりすることによって基材間に手などを挟むことを防止することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記筏ベンチにおいて、さらに、筏本体を設置面上から浮かした状態で支持する支持台を備え、支持台は、土嚢で構成されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、筏ベンチは、筏本体を設置面上から浮かした状態で支持する支持台を備えているため、筏ベンチの設置面と筏本体との間の風通しを確保して筏本体の腐食や虫食いによる劣化を防止することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記筏ベンチにおいて、筏本体は、複数の基材が互いに平行で接触した状態で連結されており、把持部は、筏本体を構成する基材間に跨って形成されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、筏ベンチは、把持部が筏本体を構成する基材間に跨って形成されているため、筏本体の上面に形成された把持部においては把持部を納める筏本体の窪み内に水が溜まることを防止することができ、筏ベンチのベンチおよび筏としての使用感を向上させることができる。
また、本発明の他の特徴は、前記筏ベンチにおいて、筏ベンチにおいて、筏本体は、筏本体の外周部を構成する基材が同外周部より内側を構成する基材よりも比重が重い材料で構成されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、筏ベンチは、筏本体の外周部を構成する基材の比重を同外周部より内側を構成する基材よりも重く形成することにより、筏ベンチが漂流している場合において筏本体を安定させるとともに波や津波に流される人が掴まった際に筏本体が転覆することを抑制することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記筏ベンチにおいて、筏本体は、筏本体の外周部を構成する基材が同外周部より内側を構成する基材よりも比重が軽い材料で構成されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、筏ベンチは、筏本体の外周部を構成する基材の比重を同外周部より内側を構成する基材よりも軽く形成することにより、筏本体が漂流している場合において津波に流されている人が筏本体に乗り込む際に筏本体を容易に傾斜させて筏本体に乗り込ませることができる。
また、これらの場合、前記筏ベンチにおいて、把持部は、少なくとも筏本体における側面に設けることができる。これによれば、筏ベンチは、把持部が少なくとも筏本体における側面に設けられているため、平時においては把持部がベンチとしての使用の妨げにならないとともに津波に流されている場合においては漂流する筏ベンチに容易に掴まることができる。また、これらの場合、前記筏ベンチにおいて、筏本体は、互いに隣り合う基材間にサネ加工、ジベル加工またはダボ加工を施すことができる。これによれば、筏ベンチは、筏本体における互いに隣り合う基材間にサネ加工またはジベル加工が施されているため、筏本体を構成する基材間のずれを防止することができ、筏本体の形状を安定的に保持することができる。
本発明の一実施形態に係る筏ベンチの外観構成の概略を平時の使用状態で示した斜視図である。 図1に示す筏ベンチの外観構成の概略を示す側面図である。 図1に示す筏ベンチの外観構成の概略を津波発生時の使用状態で示した斜視図である。
以下、本発明に係る筏ベンチの一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る筏ベンチ100の外観構成の概略を平時の使用状態で示した斜視図である。また、図2は、図1に示す筏ベンチ100の外観構成の概略を示す側面図である。なお、本明細書において参照する各図は、本発明の理解を容易にするために一部の構成要素を誇張して表わすなど模式的に表していることがあるため、各構成要素間の寸法や比率などは異なっていることがある。この筏ベンチ100は、平時においては公園などに設置されてベンチとして使用され、津波の発生時において津波に乗って漂流する救命筏として用いられるものである。
(筏ベンチ100の構成)
この筏ベンチ100は、筏本体110を備えている。筏本体110は、平時においてはベンチとして用いられるとともに津波発生時においては筏として機能する構造体であり、人が乗ることができる大きさの平板状に延びて構成されている。この筏本体110は、棒状に延びる複数の基材111を互いに連結することによって定員内の人が乗っても沈むことなく浮くことができるように構成されている。
基材111は、筏本体110を構成する部品であり、木材などの水に浮く部材で構成されている。本実施形態においては、基材111は、スギの間伐材を用いて構成されているが、他の間伐材、例えばヒノキなどの間伐材であってもよいことは当然である。この基材111は、外表面が互いに対向する2つの基材表裏面112とこれら2つの基材表裏面112間で互いに対向する2つの基材側面113とで構成されている。これらのうち、2つの基材表裏面112は、人が腰掛けまたは乗る部分を構成する面であり凸状の湾曲する円弧状に形成されている。
一方、2つの基材側面113は、基材111同士が接触し合うまたは筏本体110の側面を構成する面であり平面状に形成されている。また、これら2つの基材側面113のうち基材111同士が接触し合う基材側面113には、長手方向に凹状に凹んだメスザネ113aが形成されている。メスザネ113aは、基材111間のずれを防止しつつ基材111同士を連結する部分である。
そして、この基材111は、複数の基材111が互いに連結されることによって筏本体110構成している。具体的には、これら複数の基材111は、複数の基材111におけるメスザネ113aが形成された基材側面113同士をオスザネ114を介して接触させた状態で固定具115によって互いに連結されている。この場合、オスザネ114は、基材111の基材側面113に形成されたメスザネ113aに嵌り込む棒状の部材であり、基材111の長さ以下の長さでかつ断面が方形に形成されている。本実施形態においては、オスザネ114は、基材111と同じスギの間伐材を用いて構成されているが、他の間伐材、例えばヒノキなどの間伐材であってもよいことは当然である。
固定具115は、複数の基材111を連結するための締付具であり、筏本体110を構成する複数の基材111を貫通する長さステンレス製のボルトとこのボルトに噛み合うステンレス製のナット(図示せず)とで構成されている。この場合、筏本体110における両端に形成される基材111の基材側面113には、所謂ザグリ穴がそれぞれ形成されており、固定115は固定115の両端部が基材側面113の表面から突出しない長さに形成されている。本実施形態においては、筏本体110は、6つの基材111を6つのオスザネ114を介してそれぞれ配置した状態で4つの固定115によって固定することにより構成されている。この場合、本実施形態においては、基材111は、直径が25cmで長さが3mのスギの丸太材を2面カットして構成されている。
複数の基材111の各基材表裏面112によって面状に広がって形成された筏本体110における筏表裏面116には、基材表裏面112によって逃げ部117が形成されている。逃げ部117は、筏本体110に人が乗った場合や筏ベンチ100を筏として使用している場合において基材111同士が動いて基材111同士間に一時的に隙間が生じた際にこの隙間に指、手または衣類などが挟み込まれないようにする部分であり、筏表裏面116の表面から凹状に窪んで形成されている。本実施形態においては、逃げ部117は、基材表裏面112を円弧状に形成することにより基材111の角部を逃がした形状に形成されている。
また、複数の基材111の各端面および複数の基材111における最も外側に配置された基材111の基材側面113によって形成された筏本体110における筏側面118および前記筏表裏面116には、把持部120がそれぞれ形成されている。
把持部120は、筏ベンチ100を筏として使用している場合において筏本体110に掴まる部分であり、樹脂製の棒状の取っ手によって構成されている。この場合、把持部120は、筏本体110の表面に凹状に窪んで形成された凹部121に内に設けられて筏本体110の表面から突出しないように同表面より内側に設けられている。この場合、把持部120が筏本体110の表面から突出とは、筏本体110の表面と面一以下が好ましいが、実質的には筏本体110のベンチとして使用時および救命筏としての使用時において他の物体との衝突による破損を防止しつつ人体に接触した際に危害を与えない範囲で具体的には筏本体110の表面から30mm以下の突出範囲が適している。また、把持部120は、筏本体110における1つの基材111内または2つの基材111間に跨るようにそれぞれ設けてられている。
この把持部120は、筏本体110がどのような向きや姿勢で漂流した場合であっても把持部120を確保するために、筏本体110における表裏面116および筏側面118にそれぞれ複数個ずつ設けられている。この場合、筏本体110における4つの筏側面118にそれぞれ形成される把持部120は、同筏側面118の形成方向に沿って延びて形成されている。また、筏本体110における2つの筏表裏面116にそれぞれ形成される把持部120は、筏本体110の長手方向に平行な向きと直交する向きとでそれぞれ形成される。
この筏本体110は、支持台130上に支持されている。支持台130は、筏本体110を筏本体110の設置面Gから浮かした状態で支持するための台であり、筏本体110の設置面G上に配置されている。本実施形態においては、支持台130は、複数の土嚢袋にそれぞれ砂を充填した所謂砂袋で構成されている。
(筏ベンチ100の作動)
次に、このように構成した筏ベンチ100の作動について説明する。まず、筏ベンチ100を設置する作業者は、筏本体110と支持台130とをそれぞれ用意する。本実施形態においては、1つの筏本体110に対して12個の支持台130を用意する。次に、作業者は、筏ベンチ100を設置する公園などの設置場所に支持台130を筏本体110の大きさおよび形状に応じて配置する。本実施形態においては、筏本体110の両端および中央部の3ヶ所に4つずつの支持台130を一列に並べて配置する。
次に、作業者は、支持台130上に筏本体110を載置する。この場合、作業者は、複数人の作業者によって筏本体110を持ち上げて支持台130上に載置することができるとともに、クレーンなどの重機を用いて筏本体110を持ち上げて支持台130上に載置することもできる。また、この場合、作業者は、筏本体110における2つの筏表裏面116が互いに同一に形成されているため、どちらの面を上側または下側に向けてもよい。
次に、作業者は、筏本体110における図示上側の筏表裏面116を水平にする。具体的には、作業者は、水準器などを用いて筏表裏面116の水平度を確認しながら筏表裏面116を叩いたり乗ったりなどして筏表裏面116を水平にする。この場合、筏本体110を支持する支持台130が所謂砂袋で構成されているため、作業者は容易に筏表裏面116を水平にすることができる。また、筏本体110を設置する高さは、筏表裏面116上に腰掛けることができる適当な範囲の高さに設定される。これにより、筏ベンチ100の設置作業は完了する。すなわち、筏ベンチ100は、筏本体110が支持台130に単に載っているだけで設置面Gに対して非固定状態で設置される。
このように設置された筏ベンチ100は、平時においてはベンチとして用いられる。そして、災害発生時、具体的には、津波が発生した場合においては、図3に示すように、筏本体110は津波とともに流される。この場合、筏本体110は、支持台130上に単に載置されており設置面Gに対して非固定状態であるため、津波によって容易に流される。また、筏本体110は、水に浮くように構成されているため津波に一時的に飲み込まれた場合であっても沈むことはない。
筏本体110が津波に流された場合においては、筏本体110は津波上を漂流する。したがって、津波に流されている人は筏本体110に掴まるまたは筏本体110上に乗ることによって津波の難から逃れることができる。この場合、筏本体110の付近で流されている人や筏本体110上に乗っている人は、筏本体110の至る所に設けられている把持部120を掴むことにより筏本体110を掴むことができるとともに筏本体110から離脱することが防止される。そして、津波が収まった後は、筏本体110を支持台130上に設置して再びベンチとして使用することができる。なお、津波発生時に筏本体110の近くに居る場合おいては、津波が襲来する前に筏本体110に乗って津波の襲来に備えることもできる。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、筏ベンチ100は、水に浮く筏本体110が屋外における人が腰掛けることができる高さ位置に非固定状態で設置されている。これにより、筏ベンチ100は、平時においてはベンチとして使用することができるとともに、津波発生時においては設置面Gに対して非固定状態であるため救命筏として使用することができる。この場合、筏ベンチ100は、把持部120が筏本体110の表面より内側に設けられて同表面に突出しない状態で露出して設けられているため、平時においては把持部120がベンチとしての使用の妨げにならないとともに津波に流されている場合においては漂流する筏本体110に容易に掴まることができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、筏本体110は、複数の基材111を平行に並べて互いに連結することにより構成した。しかし、筏本体110は、複数の基材111を互いに連結して構成されていればよく、必ずしも上記実施形態に限定されるものではない。したがって、筏本体110は、複数の基材111を井桁に組んだり、互いに積み重ねたりして構成することもできる。これらの場合、基材111同士の連結は、ボルトとナットとで構成される固定具115に限られず、縄、ワイヤーまたは釘などを用いて連結することができる。また、これらの場合、固定具115に代えて、または加えて基材111同士を直接嵌合させて連結することもできる。すなわち、筏本体110は、固定具115を省略して構成することもできる。
また、上記実施形態においては、筏本体110は、平面視で長方形状に形成した。しかし、筏本体110の形状や大きさは、設置場所や乗船定員などに応じて適宜設定されればよく、必ずしも上記実施形態に限定されるものではない。したがって、筏本体110は、三角形、正方形または六角形などの多角形、円形または楕円形を単体でまたはこれらを適宜組み合わせて構成することができる。また、筏本体110は、筏表裏面116を貫通する貫通孔を設けてリング状または穴あき状に構成することもできる。これによれば、筏本体110は、津波に流されている場合における筏本体110へのアクセス、例えば、筏本体110の真下を流される人の筏本体110へのアクセスを容易にすることができる。
また、上記実施形態においては、筏本体110は、基材111にメスザネ113aを形成するとともに2つの基材111間おけるメスザネ113a間にオスザネ114を嵌合して構成した。すなわち、筏本体110は、互いに隣接する基材111間にサネ加工を施して形成した。この場合、サネ加工は、筏本体110における基材111間のずれを防止できれば、必ずしも上記実施形態に限定されるものではない。したがって、筏本体110は、サネ加工以外の方法、例えば、ジベル加工やダボ加工によって互いに隣接する基材111同士を連結することもできる。この場合、ジベル加工とは、互いに隣接する2つの基材111間に平面板状や波板状の板材を基材111の長手方向に沿って互いに挿し込み合うことによって2つの基材111間のずれを防止する工法である。また、ダボ加工とは、互いに隣接する2つの基材111間に棒状体を基材111の長手方向に沿って互いに挿し込み合うことによって2つの基材111間のずれを防止する工法である。また、これらに代えて、筏本体110は、固定具115によって基材111同士のずれが生じない場合や、基材111間ずれが許容できる場合にはサネ加工、ジベル加工およびダボ加工を省略して構成することもできる。
また、上記実施形態においては、筏本体110は、把持部120のみを備えて構成した。しかし、筏本体110は、把持部120に加えて反射板、GPS機器または発信機などを設けて構成することもできる。これらによれば、筏本体110の存在や位置を確認し易くすることができる。
また、上記実施形態においては、筏本体110における6面の全面に把持部120を形成した。しかし、把持部120は、筏本体110の表面から実質的に突出することなく設けられていれば、把持部120の形態、形状、大きさ、数および設置位置は適宜決定されればよく必ずしも上記実施形態に限定されるものではない。したがって、把持部120は、棒状以外に、十字状に形成することができるとともに、縄などの紐体で構成することができる。この場合、把持部120を十字状に形成することにより、把持部120の向きに拘らず把持部120を掴み易くすることができる。また、把持部120を紐体で構成した場合においては、紐体の一方の端部を自由端にしてもよいし紐体の両端部を筏本体110にそれぞれ固定することもできる。また、把持部120を紐体で構成した場合においては、平時においては紐体を凹部121内に収納しておくことにより筏本体110のベンチとしての妨げとならないようにすることができ、紐体自体を長く形成することができる。また、把持部120は、樹脂材の他、金属材料、木材または布によって構成することもできる。
また、把持部120は、筏本体110の筏側面118に設置することにより津波に流されている人が筏本体110を掴み易くなるとともに、筏本体110の筏表裏面116に設置することにより筏本体110が津波で転覆した場合や筏本体110の真下を流される人が筏本体110を掴み易くなる。
また、把持部120を形成する位置においても、上記実施形態においては、1つの基材111上および互いに隣接する2つの基材111間に跨るように形成した。この場合、把持部120を1つの基材111上に形成することにより、筏本体110が津波に流された際になどにおいて万一、筏本体110が破損して基材111が単体で分離した場合であっても津波で流された人が基材111に形成された把持部120を掴むことによって基材111を掴むことができる。また、把持部120を互いに隣接する2つの基材111間に跨るように形成した場合においては、把持部120が形成された凹部121内に溜まった水を2つの基材111間から逃がすことができ水が溜まり続けることを抑制して筏本体110をベンチとして利用し易くすることができる。
また、上記実施形態においては、筏本体110は、砂袋で構成した支持台130上に設置した。しかし、支持台130は、筏本体110を設置面Gから浮かした状態かつ非固定状態で支持することができれば、必ずしも上記実施形態に限定されるものではない。したがって、支持台130は、例えば、土嚢袋にセメントを充填することにより継時的に固化するように構成してもよいし、木材、石またはコンクリートブロックで構成することもできる。また、筏本体110は、設置面Gに直接載置することもできる。すなわち、筏ベンチ100は、支持台130を省略して構成することもできる。
また、上記実施形態においては、筏本体110における筏表裏面116に逃げ117を形成した。しかし、逃げ117は、互いに隣接する基材111の角部の少なくとも一方が凹状に窪んで形成されていれば、必ずしも上記実施形態に限定されるものではない。したがって、逃げ部117は、例えば、互いに隣接する基材111の角部の少なくとも一方を面取り加工することにより構成することもできる。
また、上記実施形態においては、筏本体110は、基材111を全て木材で構成した。しかし、筏本体110は、人を載せた状態で水にように構成されていればよく、必ずしも上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、筏本体110は、基材111を木材に代えてまたは加えて木材以外の素材、例えば、樹脂材(発泡樹脂も含む)を用いて構成することもできる。また、筏本体110は、筏本体110全体として水に浮かべばよいため、基材111の全てが必ずしも水に浮く必要はなく、基材111の一部が水に浮かない材料で構成されていてもよい。
例えば、筏本体110は、筏本体110の外周部を構成する基材111が同外周部より内側を構成する基材111よりも比重が重い材料で構成することができる。具体的には、筏本体110の外周部を構成する基材111を木材、例えば、スギ(比重0.4)やヒノキ(比重0.5)で構成するとともに、同外周部より内側を構成する基材111をヒノキ材よりも比重が重い材料、例えば、樫(比重0.9)や鉄(比重7.8)で構成することができる。これによれは、筏本体110は、筏本体110の外周部を構成する基材111が同外周部より内側を構成する基材111よりも比重が重い材料で構成されているため、水に浮いている状態において筏本体110を安定させるとともに波や津波に流される人が掴まった際に筏本体110が転覆することを抑制することができる。
また、これとは反対に例えば、筏本体110は、筏本体110の外周部を構成する基材111が同外周部より内側を構成する基材111よりも比重が軽い材料で構成することができる。これによれ、筏本体110は、筏本体110の外周部を構成する基材111が同外周部より内側を構成する基材111よりも比重が軽い材料で構成されているため、
筏本体110が漂流している場合において津波に流されている人が筏本体110に乗り込む際に筏本体110を容易に傾斜させて筏本体110に乗り込ませることができる。
また、上記実施形態においては、筏ベンチ100は、平時にはベンチとして使用した。しかし、筏ベンチ100における平時の使用用途はベンチのみに限られず、例えば、机、作業台、踏み台または自転車などの軽量物の置台として利用することもできる。
G…設置面、
100…筏ベンチ、
110…筏本体、111…基材、112…基材表裏面、113…基材側面、113a…メスザネ、114…オスザネ、115…固定具、116…筏表裏面、117…逃げ部、118…筏側面、
120…把持部、121…凹部、
130…支持台。

Claims (6)

  1. 複数の棒状の基材を互いに連結して水に浮くように構成した筏本体と、
    前記筏本体の表面から突出することなく露出する把持部とを備え、
    前記筏本体は、
    前記複数の基材が互いに平行で接触した状態で連結されて人が乗ることができる大きさの平板状に形成されているとともに、人が腰掛けまたは乗る部分を構成する前記複数の基材の各表裏面が凸状に湾曲する円弧状に形成されており、屋外に人が腰掛けることができる高さ位置に非固定状態でかつ津波の発生時には漂流可能な非連結状態で設置されていることを特徴とする筏ベンチ。
  2. 請求項1に記載した筏ベンチにおいて、
    前記筏本体は、
    前記複数の基材が互いに平行で接触した状態で連結されているとともに、互いに隣り合う前記基材における各角部の少なくとも一方が凹んで形成されていることを特徴とする筏ベンチ。
  3. 請求項1または請求項2に記載した筏ベンチにおいて、さらに、
    前記筏本体を設置面上から浮かした状態で支持する支持台を備え、
    前記支持台は、
    土嚢で構成されていることを特徴とする筏ベンチ。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載した筏ベンチにおいて、
    前記筏本体は、
    前記複数の基材が互いに平行で接触した状態で連結されており、
    前記把持部は、
    前記筏本体を構成する前記基材間に跨って形成されていることを特徴とする筏ベンチ。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載した筏ベンチにおいて、
    前記筏本体は、前記筏本体の外周部を構成する前記基材が同外周部より内側を構成する前記基材よりも比重が重い材料で構成されていることを特徴とする筏ベンチ。
  6. 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載した筏ベンチにおいて、
    前記筏本体は、前記筏本体の外周部を構成する前記基材が同外周部より内側を構成する前記基材よりも比重がい材料で構成されていることを特徴とする筏ベンチ。
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