JPH11192139A - 屋内外設置用金属製家具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 屋外設置した場合、雨を溜り難くして汚れ付
着やバクテリア繁殖を防ぎ、また、屋内設置にあっても
体との接触面積を減らして衛生的に対処できる屋内外設
置用金属製家具を提供する。 【構成】 多数本の金属製の帯板状型材からなる主部材
１０を幅方向が起立するように定間隔で並べて該主部材
１０の両端を金属製の側枠９に固着するとともに、該主
部材１０と直交する棒状の連結材１１を該主部材１０に
配設することにより金属製の格子状盤体６を形成し、該
格子状盤体６をベンチの座部，背凭部、またはテーブル
の天板等の主要構成部材とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、公園等の屋外やタ
ーミナル待合室等の屋内に設置するのに適した金属製の
ベンチ，テーブル等の屋内外設置用金属製家具に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、公園，庭，歩道、或いはビルの屋
上等の屋外に設置されるベンチやテーブルは、一般的に
木製やプラスチック製品で、座板や天板に平板，帯板加
工した面部分を水平にして使ってきた。また、ターミナ
ルや空港待合室，ドーム球場施設等の屋内にあっても、
ベンチ等の座板は平板や該平板に小孔を設けたもので面
部分を利用したものが通常使われてきた。

【０００３】しかるに、屋外設置の場合、平板等の面部
分を水平面使用したベンチ等においては、雨あがり時に
そこに雨が溜り易く、長時間濡れた状態になっていた。
そして、座板や天板に長らく雨が残ることによって、汚
れが付着したりバクテリアの繁殖が進んだりする虞れが
あった。また、屋内にあっても、例えばベンチ等では臀
部と接する座板面積が大きいために、座板を介し汗等に
よって皮膚感染する虞れがあった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するもので、屋外設置した場合、雨を溜り難くし
て汚れ付着やバクテリア繁殖を防ぎ、また、屋内設置に
あっても体との接触面積を減らして衛生的に対処できる
屋内外設置用金属製家具を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
請求項１に係る発明の要旨は、多数本の金属製の帯板状
型材からなる主部材を幅方向が起立するように定間隔で
並べて該主部材の両端を金属製の側枠に固着するととも
に、該主部材に棒状の連結材を直交状態で配設すること
により金属製の格子状盤体を形成し、該格子状盤体をベ
ンチの座部，背凭部、またはテーブルの天板等の主要構
成部材にしてなることを特徴とする屋内外設置用金属製
家具にある。ここで、「帯板状型材」とは帯板状の板材
で、例えば、フラットバー（平鋼）やＩバー等をいう。

【０００６】多数本の主部材を起立状になるように定間
隔で並べた格子状盤体にすると、雨水等との接触面が小
さいので、透水性が良く、雨水が溜まりにくくなる。そ
の結果、汚れ付着やバクテリアの繁殖が抑えられる。そ
して、屋内設置にあっても、格子状盤体がベンチ等の座
板に用いられると、体が格子状盤体に接する接触面積は
少なくなるので、汗等により他人から皮膚感染するのを
防止できる。また、このような格子状盤体を主要構成部
材にすると、断面係数が大になるので、外力により大き
な曲げ応力が掛かっても耐えられるようになる。

【０００７】

【実施の形態】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る屋内外設置用
金属製家具について詳述する。 （１）実施形態１ 図１〜図４は、本発明に係る屋内外設置用金属製家具の
一形態で、ベンチに適用したものである。図１にこのベ
ンチの正面図、図２はその右側面図、図３はそのＡ−Ａ
線断面拡大図を示す。図中、符号１は支柱を示す。支柱
１は、鉄，ステンレス等の金属製パイプを逆Ｕ字形に屈
曲したもので、一対設けられる。支柱１の内側には鉄
板，ステンレス板等の金属板２が張設される。符号３も
前記支柱と同様の金属製の直線状パイプである。該金属
パイプ３の両端部にフランジ４を形成する。該フランジ
４を支柱１の金属板２にボルト・ナット５により固着す
ることで、該金属パイプ３を地面から数十センチの高さ
にて水平に支持する。

【０００８】符号６は前記金属パイプ３に支持させた座
部７と背凭部８とからなる格子状盤体である。該格子状
盤体６は、やや厚手の鉄板，ステンレス板等の金属板を
略Ｌ字状に切裁して一対の側枠９を形成するとともに、
図４に座部７の一部を拡大して示すように、型鋼を製造
する熱間圧延工程により成形した断面Ｉ字状の帯板状型
材（通称「Ｉバー」という。）からなる多数本の主部材
１０を、その幅方向が起立状となり定間隔に並ぶように
して、主部材両端を側枠９に溶接により固着する。ここ
で、座部７から背凭部８へと全体形状がＬ形に曲ってい
ても（図３）、主部材８は真っ直ぐな帯板状型材を曲げ
加工せずにそのままＬ形の側枠９に沿って配設するだけ
なので、製作はいたって簡単になっている。主部材１０
を幅方向が起立状なるように固着することによって断面
係数が大となり、外部から大きな曲げ応力が掛かっても
耐えられる構成にある。

【０００９】符号１３，１４は鉄，ステンレス等の金属
製角パイプ（勿論、丸パイプでもよい）からなる前枠材
と後枠材で、該前枠材１３および後枠材１４の両端を夫
々側枠９の前縁部と後縁部に溶接により固着している。
また、符号１１は該主部材１０に対して直交する方向に
設けられた鉄，ステンレス等の金属製の角棒状の連結材
で、該連結材１１を主部材１０の上縁部に予め設けられ
た切欠１２に嵌挿することで該各主部材１０を連結する
とともに、該各連結材１１の両端を前枠材１３および後
枠材１４に夫々溶接により固着し、格子状の形態をなす
ようにしている。切欠１２にて主部材１０と連結材１１
を溶接等によって固着すると、格子状盤体６が剛体にな
ってより好ましくなる。主部材１０と連結材１１との交
差部については、切欠１２を設けずして、大電流を印加
することにより発熱させ、金属を局部的に溶融させる電
気圧接接合でもよい。また、交差部は機械的にカシメる
だけの固着でもよい。

【００１０】主部材１０は、前述のごとく帯板状型材か
らなり、本実施形態では厚さ約４．５ｍｍ、幅約２５ｍ
ｍで断面Ｉ字状の帯板状型材を用いている。該各主部材
間の間隔は２５ｍｍ程度に設定されている。ここでは、
主部材１０に図３のようにＩバーを用いたが、これに代
え平鋼等を勿論使用することができる。連結材１１は約
４ｍｍ角の棒材（丸状棒材でも可）である。連結材１１
は、側枠９の形態と同じく略Ｌ字状に折り曲げ、主部材
１０の切欠１２中に嵌着することにより座部７から背凭
部８にわたって配設される。そして、この一対の側枠９
の屈曲部に前記金属パイプ３を貫挿し溶接することによ
り、座部７と背凭部８とからなる格子状盤体６が該金属
パイプ３に固定され、地上一定高さで支持されるように
している。

【００１１】ところで、側枠９に対して多数本の主部材
１０は、直線状にそのまま使われ、その固着位置を自由
に設定できるので、座部７から背凭部８にわたっては図
示したような形態よりもさらに滑らかな曲面状の形態に
形成することも容易である。このため、使用者の体形に
合わせ、或いはデザイナーの創作性に応じ所望の曲面形
状のものを設計，製作することができる。また、ベンチ
全体に塗装やプラスチックコーティングを施すことによ
って外観をカラフルに処理することもできる。その際、
抗菌処理を行えば、バクテリア繁殖が抑制され、より好
ましくなる。

【００１２】（２）実施形態２ 本実施形態の屋内外設置用金属製家具も、図５，図６に
示すごとくベンチに適用したものである。ここでのベン
チは、座部７および背凭部８のユニット部分２０と、該
ユニット部分２０を取付ける直線状パイプ部３０と、支
柱部４０とに分解できるようにしたものである。ユニッ
ト部分２０を複数（ここでは三つ）設置し得るパイプ部
３０を準備することで、一つのベンチに座席が用途に応
じていくつも並ぶものを簡単に取り揃えられるようにな
っている。また、分解できるので、持ち運びが楽になっ
ている。符号２２はユニット部分２０の形状を保形する
補強パイプである。ユニット部分２０は、例えば平盤の
格子状盤体６を造った後、ベンダー等による曲げ加工を
加えて、座部７および背凭部８の曲面形状にまずもって
いく。しかる後、舌片２１，補強パイプ２２を取着して
ユニット部分２０を完成させていくことになる。組立
は、ユニット部分２０の両サイドに取着した舌片２１と
パイプ部３０から上方へ張出す鍔３１とをボルト５１に
より螺着し、ユニット部分２０とパイプ部３０とを結合
する。尚、図５では、ボルト５１の図示を省略する。そ
して、パイプ部３０の両端寄りで下方に張出す鍔３２と
支柱部４０の上端部分４１とをボルト５２で螺着するこ
とによってパイプ部３０と支柱部４０とを結合させ、本
発明たるベンチの完成品とする。斯るベンチは、実施形
態１と同様、格子状盤体６が座部７および背凭部８を形
成するが、実施形態１と異なり、主部材１０をフラット
バーで、側枠９，前枠材１３，後枠材１４をパイプで造
っている。ただ、基本構成に変りがなく、多数本の主部
材１０を幅方向が起立するように定間隔で並べて該主部
材１０の両端を金属製の側枠９に固着するとともに、主
部材１０に連結材１１を直交状態で配設することにより
金属製の格子状盤体６としている。連結材１１には角材
またはパイプが用いられる。尚、図６において、主部材
１０は、煩雑防止のため、その配設ピッチを大きくして
一部主部材の図示を省略する。

【００１３】（３）実施形態３ 本発明に係る屋内外設置用金属製家具の他の実施形態と
しての金属製テーブルを図７に示す。このテーブルは格
子状盤体６を天板として使用し、その四隅部に金属パイ
プからなる支脚１５を固着してなる。この格子状盤体６
は略方形状に形成された側枠９の内側にベンチの場合と
同様に主部材１０を多数本幅方向が起立するように定間
隔で固着するとともに、該主部材に連結材１１を直交状
に固着してなる。従って、この種のテーブルでは、天板
の対荷重性が著しく改善され、重い荷重が掛かっても変
形，破壊等のおそれがない一方、頗る頑強になってい
る。なお、テーブルの外観についてもここに図示したも
のに限らず、デザイナーの創作により自由にできること
は言うまでもない。

【００１４】（４）効果 このように構成した屋内外設置用金属製家具は、前述の
ベンチ，テーブルのごとく、格子状盤体が座部，背凭
部、または天板等の主要構成部材になり、多数本の帯板
状型材からなる主部材１０がその幅方向を起立状なるよ
うに定間隔で並べて側枠９に固着されているので、外力
に対して非常に頑丈である。そして、ベンチやテーブル
面が格子状になっているので、透水性を高める。雨の降
った後でも、雨がベンチの座板やテーブル面に溜ること
がない。雨あがりも、座板が濡れてないので、すぐにベ
ンチに腰かけることができる。また、屋内設置のベンチ
等にあっても、主部材１０をその幅方向が起立するよう
に並べていると、腰掛けた際、臀部は主部材１０の細幅
の肉厚部分に接するので、汗等による他人からの皮膚感
染を効果的に防ぐことができる。さらに、主部材１０が
起立していて、ベンチやテーブル面には主部材１０の薄
い肉厚部分だけが現われるので、面積占有率が小さくな
って雨水等の汚れも付着し難く、バクテリア等の繁殖も
抑えられ、衛生的になる。ベンチ全体が格子状盤体から
なり、透けて見えるので、防犯上からも優れたものとな
る。加えて、斯る屋内外設置用金属製家具は金属製グレ
ーチング加工技術によって容易に製作でき、金属製グレ
ーチングの特質として、風雨による劣化が少なく公園等
の屋内外に設置されても耐久性がいかんなく発揮され、
長期間メンテナンスフリーにて快適に使用できる利点が
ある。曲線形状となるベンチの座部，背凭部等も、平盤
状のグレーチングを造った後、ベンダー等の曲げ加工に
より容易に製作できる。

【００１５】尚、本発明においては、前記実施形態に示
すものに限られず、目的，用途に応じて本発明の範囲で
種々変更できる。格子状盤体６を構成する主部材１０と
連結材１１の方向、あるいはその間隔や本数等はその家
具の使い勝手を考慮して適宜変更し得る。実施形態に示
したベンチやテーブルに限らず、屋内外に設置されるそ
の他の家具にも適用可能である。

【００１６】

【発明の効果】以上のごとく、本発明に係る屋内外設置
用金属製家具は、屋外設置した場合、雨が溜り難く、汚
れ付着やバクテリアの繁殖等を抑えることができ、ま
た、屋内に置いても、主部材が起立していて主部材の薄
い肉厚部分が体に接することになるので、体との接触比
率が小さく衛生的で皮膚感染等の防止に役立ち、優れた
効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施形態１の屋内外設置用金属製家具で、金属
製ベンチに適用したその正面図である。

【図２】図１の右側面図である。

【図３】図１のＡ−Ａ線断面拡大図である。

【図４】図１の金属製ベンチの部分拡大斜視図である。

【図５】実施形態２の屋内外設置用金属製家具で、ベン
チに適用した正面図である。

【図６】図５のＢ−Ｂ線断面図である。

【図７】実施形態３の屋内外設置用金属製家具で、金属
製テーブルに適用したその斜視図である。

【符号の説明】

６ 格子状盤体 ９ 側枠 １０ 主部材 １１ 連結材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数本の金属製の帯板状型材からなる主
   部材を幅方向が起立するように定間隔で並べて該主部材
   の両端を金属製の側枠に固着するとともに、該主部材に
   棒状の連結材を直交状態で配設することにより金属製の
   格子状盤体を形成し、該格子状盤体をベンチの座部，背
   凭部、またはテーブルの天板等の主要構成部材にしてな
   ることを特徴とする屋内外設置用金属製家具。