JP3944110B2 - ガラス床用の支持構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はガラス床用の支持構造に関するものである。詳述すれば、本発明は、種々の建造物に於いて、複数のガラス板を縦横に敷設して構成するガラス床を支持するためのガラス床用の支持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガラス床は現時点ではあまり普及しているとは云えない。これは、標準化された作業により、簡単かつ低廉に施工でき、かつ仕上がり美しいガラス床用の支持構造が提案されていなかったためである。若干行われている施工事例は、その場の建設条件に合わせて個別に設計され、既存の種々の汎用の建設材料を加工して行われたものであり、高価で施工性も悪く、仕上がりも必ずしもスマートなものとは云えないものであった。
【0003】
このようなガラス床の施工例の一つにH型鋼を使用したガラス床の支持構造の例があるが、その概要は次のようなものである。
【0004】
これは、縦横に敷設される床用のガラス板の辺部を目地に沿ってその下方に配したH型鋼の上面で支持した例である。このような床用のガラス板は床エリアに縦横に配され、隣接するガラス板間の目地は全体として見ると格子状になる。前記H型鋼は、Hの文字を横に倒した状態で、該ガラス板の敷設計画に従ってその格子状の目地となる位置の下方に該目地に沿って予め配置し、その上面には合成ゴム等による緩衝板を配置して置く。その後に、ガラス板をその敷設計画に沿って敷設する。このとき、各ガラス板は、それぞれその辺部が、前記緩衝板を介して前記H型鋼の上面片側上に載った状態で支持される。
【0005】
なお前記H型鋼は床下地上にボルト等によって固定される。また隣接するガラス板の辺部間、即ち、目地には目地材を充填する。
【0006】
これは、先に述べたように、一つのガラス床の施工事例であるが、この例の場合は、H型鋼のような重量物を扱うので、軽作業とは云えず、また予め必要な寸法等に切断その他の加工を施して現場に運び込む必要があり、コストが嵩み、全体としてなかなか厄介な作業であると言わざるを得ない。その結果、ガラス床全体のコストが嵩みがちである。
【0007】
更にガラス床として透明なガラス板を用いる場合には、緩衝材やH型鋼が透けて見えることとなり、意匠性や装飾性の点でも優れたものとは言い難い。加えてこのようなH型鋼による床構造では不陸の調整ができないため、床下地に多少の凹凸がある場合等にはその調整が厄介である。その他、施工した後にはガラス板の取り替えが困難であり、またガラス板は、前記のように、H型鋼の上面上に緩衝材を介して載置されているだけであるため、地震その他に起因してH型鋼から浮いてしまうような虞もなきにしもあらずである。
【0008】
特にH型鋼を用いた一例について述べたが、既に述べたように、若干行われている施工事例は、いずれもその場の建設条件に合わせて個別に設計され、既存の種々の汎用の建設材料を加工して行われるものであるため、以上のH型鋼を用いた例と大同小異であって、いずれにしても施工性が悪く、仕上がりも必ずしもスマートなものではなく、それにも拘わらず、高価になっているのが実情である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような従来技術のガラス床用の支持構造の問題点を解決し、施工が簡単であり、かつガラス板を設置する高さの調節が可能であり、しかも確実にガラス板を固定することができるガラス床用の支持構造を提供することを解決の課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の1は、合わせガラスに構成した複数のガラス板を敷設してなるガラス床を支持するガラス床用の支持構造であって、
縦横に敷設するガラス板間の格子状の目地の少なくとも交点に対応させて配する高さ調節機能を備えた支柱部材と、
縦横に敷設するガラス板の少なくとも目地に沿って格子状に配する支持フレームであって、その上面両側で緩衝材を介して該目地両側のガラス板の辺部を支持するとともに、その少なくとも交点で前記支柱部材によって支持される支持フレームと、
縦横に敷設するガラス板の目地中に挿入してその両側のガラス板の下支分ガラス板の辺部を各々支持する一対のガラス係止片であって、前記支持フレームの上部の係止溝にその下部を挿入して係止するガラス係止片と、
該一対のガラス係止片間に挿入して、該各ガラス係止片による下支分ガラス板の支持状態及び該両ガラス係止片の前記支持フレームの係止溝に対する係止状態を固定する挿入固定片と、
縦横に敷設するガラス板の目地中の上支分ガラス板間に挿入する目地材と、
で構成したガラス床用の支持構造である。
【0011】
前記ガラス床としては、前記したように、合わせガラスである正方形又は長方形のガラス板を敷設して構成したそれを想定している。合わせガラスは、二枚のガラス板を、例えば、接着性を備えた中間膜で貼り合わせて構成したものであり、その厚さや材質等は、床として要求される種々の条件、例えば、この上に配置される物品類の重量等を考慮して決定することができる。
【0012】
このような合わせガラスを採用したのは、万一、上面側に位置する上支分ガラス板が破損を生じるようなことがあっても、これと中間膜を介して結合している下支分ガラス板に各破片が結合した状態を維持することにより、容易にこれらを飛散させず、かつ下支分ガラス板によってバックアップされ、床が抜けるような事態を避け得るようにするためである。
【0013】
前記支柱部材は、前記したように、縦横に敷設するガラス板間の格子状の目地の交点に対応させて配し、また必要に応じて交点以外の位置にも配するものである。交点以外の位置としては隣接する二つの交点の中間点などである。前記したようにこの支柱部材は高さ調節機能を備えている必要がある。この高さ調節機能は、直接的にはこれによって支持する支持フレームの高さを所望のそれに調節するものであり、それが可能であれば、特定の構成に限定されない。
【0014】
前記支持フレームは、その上部中央に長さ方向に沿って係止溝が形成された長尺の棒状部材であり、その上面両側で床用に敷設されるガラス板を支持し、また該係止溝で前記一対のガラス係止片を支持するように構成したものである。
【0015】
前記支持フレームは、前記したように、縦横に敷設されるガラス板の少なくとも目地に沿って格子状に配し、上記したように、その上面両側で目地両側のガラス板の辺部を支持する。敷設されるガラス板が平面から見て長方形のものである場合には、必要に応じて、その長さ方向に直交する向きでその中間にも追加的に配することができる。この場合は該ガラス板の中間部を該支持フレームの上面全体で支持することとなる。いずれにしても、既述のように、ガラス板は、該支持フレームの上面に緩衝材を配し、これを介して該上面で支持することとする。
【0016】
上記緩衝材は、以上のように、ガラス板と支持フレームとの間に装入されるものであるが、これは当然ながらガラス板に傷をつけて強度の低下を招かないためのものである。その目的を果たし得るものであれば、ゴム板や樹脂板等の種々の弾性部材を適宜用いることができる。長尺帯状のそれの下面に、例えば、嵌合突条を構成しておき、これを支持フレームの上面に形成してある嵌合溝に嵌合させることにより支持フレームの上面に配置しつつ固定することができる。なお、ガラス板が透明の場合は、この緩衝材も透過して見えることになるので、意匠性も考慮して材質、色及び形状等を決定すべきである。
【0017】
また前記支持フレームは、前記したように、その上部に長さ方向に沿った係止溝を備えているが、これは、これにその下部が挿入される一対のガラス係止片を支持するためのものである。該係止溝は、以上の趣旨から、該一対の各ガラス係止片の下部の形状と対応したものに構成し、該係止溝に装入した該一対のガラス係止片の下部がそれらの間に挿入される前記挿入固定片の楔作用と相まって確実にこれに係止され、固定されるように構成されているものであれば、その構成は特定のそれに限定されない。
【0018】
前記支持フレームは、先に述べたように、少なくともその交点に配置されている前記支柱部材によって支持される。それ故、当然、その下部の形状又は構造は、これを支持する支柱部材の上部の支持形状又は支持構造と対応するものに構成する。
【0019】
前記ガラス係止片は、一対のそれを縦横に敷設するガラス板の目地中に挿入してそれらの上部で両側のガラス板の下支分ガラス板の辺部をそれぞれ係止し、他方、その下部を前記支持フレームの係止溝に挿入し、更に両ガラス係止片間に前記挿入固定片を挿入して該係止溝への挿入状態及び下支分ガラス板の係止状態を固定するようになっているものである。
【0020】
前記ガラス係止片は、以上のように、その上部で下支分ガラス板の辺部を係止するものであるが、その構成は、云うまでもなく、下支分ガラス板の辺部の構成と対応させて決定するものとする。相互の構成は、該ガラス係止片がその上部で確実に下支分ガラスの辺部に係止できるものであれば、特定の構成に限定されない。
【0021】
また前記ガラス係止片は、先に述べたように、前記支持フレームの係止溝に挿入した一対のそれの間に前記挿入固定片を挿入してその状態で該係止溝に固定するものであるが、そのような固定が可能であれば、これも特定の構成に限定されない。
【0022】
前記挿入固定片は、以上のように、前記一対のガラス係止片間に挿入して、該各ガラス係止片による下支分ガラス板の係止及び該両ガラス係止片の前記支持フレームの係止溝に於ける係止状態を固定するための長尺の板状部材である。該挿入固定片は、それ故、これを該一対のガラス係止片の間に挿入すると、その楔作用によりそれらの間が拡張させられ、各ガラス係止片の上部が下支分ガラス板を確実に係止すべくそれらに対して圧接状態になり、かつ各ガラス係止片の下部が前記支持フレームの係止溝に確実に係止状態となるような適切な厚みに設定すべきである。
【0023】
前記目地材は、縦横に敷設するガラス板の上支分ガラス板間の目地に、前記装入固定片が短く、前記両ガラス係止片の上部の間が空いているようであれば、その部位まで充填するものである。屋内のガラス床に用いる場合は、乾式のそれを充填することができるが、屋外でガラス床を施工する場合は水密性の観点から湿式のそれを充填するのが適当である。機能性の面に加えて意匠性を考慮して決定することができる。
【0024】
従って、本発明の1のガラス床用支持構造によれば、ガラス床の施工が容易であり、見た目にもスマートがそれが構成し得、かつ施工後のガラス板の交換、ガラス裏面の清掃、必要に応じて行われる床面下に設置したガラス床の照明装置の補修等のメンテナンスを容易に行なうことができる。
【0025】
このガラス床用の支持構造を採用したガラス床は概ね次の手順で施工することができる。
【0026】
まず、対象の床領域に於いて、縦横に敷設するガラス板の配置を決め、その格子状の目地の少なくとも交点となる位置に支柱部材を立設配置する。次いで、該支柱部材に支持フレームを支持させ、少なくとも敷設するガラス板の目地に沿って格子状に支持フレームを配する。なお、支持フレームの高さの調節を行う必要があるが、これは支柱部材に於ける高さ調節機能の構成の仕方との関係で、該支柱部材で支持フレームを支持する前の時点で、又は支持した後の時点で行う。
【0027】
以上のように格子状に配した支持フレームに、予め決定してある配置で床用のガラス板を配置する。支持フレームは、上記のように、ガラス板の目地予定位置に沿って配置されているため、予定通りに配置すると、ガラス板は、それぞれその各辺部が支持フレームの上面片側上に載置されることとなる。このとき予め支持フレームの該当部位には緩衝材を設置しておき、ガラス板との間に該緩衝材が介在されるようにして置く。
【0028】
その後、以上のように敷設したガラス板の目地中に、各々背中合わせにした一対のガラス係止片を挿入する。該一対のガラス係止片はその下部を前記支持フレームの上部中央に開口している係止溝まで下降させて挿入する。この後、これらの各一対のガラス係止片の両背中間に前記挿入固定片を挿入してその間を拡開させ、これによって、該ガラス係止片の上部をガラス板の下支分ガラス板の辺部に係止させ、かつその下部を前記係止溝に係止固定させる。
【0029】
最後に、ガラス板の上支分ガラス板間に残った目地、及び場合によってはガラス係止片の上部背中間に残った空間に目地材を充填する。この目地材は室内のガラス床の場合は合成ゴム等で成形した部材を乾式で充填し、屋外のガラス床の場合は、湿式で充填するのが適当である。このようにして本発明の1のガラス床用支持構造を適用したガラス床は、容易かつスピーディに施工可能であり、前記したように、見た目にもスマートなそれが得られ、かつ施工後のメンテナンスも容易なものとなる。
【0030】
本発明の2は、本発明の1のガラス床用の支持構造に於いて、前記支柱部材を、床下地上に固設する台座と、該台座に立設したボルト部材と、該ボルト部材に高さ調節自在に螺合した受台であって、上部に前記支持フレームをその交点で支持する十字溝を備えた受台とで構成したものである。
【0031】
前記台座は、床下地上に安定して配設し得、前記ボルト部材を安定した状態に立ち上げておくことができるものであれば、特定の構成に限定されない。例えば、平板状の金属板材等が採用可能である。この台座自体はコンクリートボルト等により床下地上に固定することができる。また前記ボルト部材はこの台座に溶接又はねじ込んだ上で溶接する等によって立設固定することができる。
【0032】
前記受台は、前記のように、前記支持フレームを支持するための部材であり、そのためにその上部には平面から見て十字状となっている十字溝を構成し、その下部には、前記ボルト部材に螺合する雌ねじが形成してあるものである。この雌ねじは、該受台を合成樹脂類で構成する場合は、場合によっては、該当する部位に金属製のナット部材を埋め込み、該ナット部材の雌ねじを利用して構成することもできる。前記支柱部材の高さ調節機能は、この受台の下部の雌ねじとこれに螺合するボルト部材とによって実現しているものである。云うまでもなく、該受台を正逆回転させることにより該ボルト部材との螺合状態を調節してその高さを調節するものである。
【0033】
該ボルト部材の該受台より下方に必要に応じて金属製のロックナットを螺合しておき、上記のようにして調節して決定した受台の高さを、該受台に対して締付圧接することにより固定することもできる。このように配したロックナットは、更に受台を補強する役割を果たし、その受けた荷重をこれで更に受けることになるものである。前記受台を合成樹脂で構成した場合であっても、その雌ねじを該当する部位にナット部材を埋め込んで構成した場合は、該受台を補強し、その受ける荷重を分担すると言う意味では、必要性が薄れる。
【0034】
なお前記受台は、前記機能を保持する面で不都合がない限り、その形状は自由である。もっとも特別な理由がない限り、平面から見た形状は円形又は正方形が適当である。
【0035】
従って本発明の2のガラス床用の支持構造によれば、前記支持フレームは、前記支柱部材を敷設予定のガラス板の格子状の目地の少なくとも交点に配し、その受台の高さを昇降調節した後に、該受台の上部の十字溝に該支持フレームを嵌め込んで支持させる。該支持フレームは、その交点では、例えば、該交点を通過する一方の支持フレームと、その両側に端部を突き合わせる他の二つの支持フレームとにより平面から見て十字状となる。或いは交差する二つの支持フレームを、一方は下から、他方は上から、各々半分ずつ切り欠いて切欠部を構成し、かつ双方の切欠部で相互を嵌め合わせることにより、平面から見て十字状となる。いずれの場合も、支持フレームは、その交点で、そのままの状態で、受台の十字溝に嵌め込んで支持させることができる。
【0036】
本発明の3は、本発明の1のガラス床用の支持構造に於いて、床下地上に固設する小台座と、該小台座に立設した長ナット部材と、該長ナット部材に高さ調節自在に螺合した受けボルト部材であって、その上部で前記支持フレームの下部を支持するように構成した受けボルト部材とで補助支柱部材を構成し、前記支持フレームをその交点以外の位置で支持すべく、該補助支柱部材を追加したものである。
【0037】
前記小台座は、前記台座と同様の役割を果たすものではあるが、その上部の構成が、支持フレームを交点以外の部分で支持するものであり、小型に構成し得るものとなる関係上、該台座より若干小形に構成することができる。
【0038】
前記長ナット部材及びこれに螺合する前記受けボルト部材は、補助支柱部材の本体部分を構成すると共に、その高さ調整機能を実現するものでもある。それ故、各々はその高さ調整に必要なストロークを確保できる適切な長さに構成すべきものである。
【0039】
また該受けボルト部材の上部は、該支持フレームを交点以外で支持すべきものであり、一条の支持フレームが支持対象である。その支持のための構成は自由であるが、意匠上の関係から、なるべく該支持フレームの両側に突出しない構成が望ましい。例えば、該受けボルト部材を、その上端に連結頭部を備えた構成とし、他方、該支持フレームの下部に長さ方向に沿った連結溝を形成しておき、前記連結頭部を、その連結溝中に、端部からスライド自在に装入して相互を連結する構成とすることができる。なお該連結溝には、その下部両側から鍔部を内側に若干突出させ、該受けボルト部材の抜け止めとする。
【0040】
従って本発明の3のガラス床用の支持構造によれば、支持フレームをその交点以外の部分で良好に支持し得ると共に、ガラス板の直下に大型の部材を位置させない点で意匠上に優れた効果をもたらすことができる。
【0041】
本発明の4は、請求項1、2又は3のガラス床用の支持構造に於いて、前記ガラス係止片を、アルミニウム合金で構成し、その下支分ガラス板の辺部に接触する部位又は又は該下支分ガラス板の該ガラス係止片に接触する部位に保護皮膜を施したものである。
【0042】
前記保護皮膜としては、フィルム又はシート状部材等の弾力性を備えた樹脂その他の部材を用いることができる。この保護皮膜はガラス係止片の下支分ガラス板と接触する部位又は下支分ガラス板のガラス係止片に接触する部位のいずれかに貼り付ける又は吹き付け等によって取り付けることができる。
【0043】
従って本発明の4のガラス床用の支持構造によれば、前記下支分ガラス板はアルミニウム合金製のガラス係止片によって確実に支持されながらも対面するいずれかの側に取り付けられた保護皮膜によって保護され、損傷の生じる虞のないものである。
【0044】
本発明の5は、本発明の1、2、3又は4のガラス床用の支持構造に於いて、前記ガラス係止片を、上部に前記下支分ガラス板の辺部の上縁に形成した面取部に係止してこれを支持する係止斜面を備え、かつ下部に前記支持フレームの係止溝の底部に形成した底横溝に係止する横向き鍔片を備えたものに構成したものである。
【0045】
前記係止斜面は、当然、その角度を下支分ガラス板の辺部上縁に形成した面取部の傾斜角度に合わせるべきものである。また前記係止溝の底横溝の奥行きは、ガラス係止片の横向き鍔片の張り出し長さ以上に構成し、かつその厚み以上の高さを持ったものとするのが適当である。
【0046】
従って本発明の4のガラス床用の支持構造によれば、目地中に、背中合わせに挿入した一対のガラス係止片の間に前記挿入固定片を挿入すると、各ガラス係止片の上部の係止斜面が対応する側のガラス板に於ける下支分ガラス板の辺部の面取部にしっかりと係止し、同時に、各ガラス係止片の下部の横向き鍔片がそれぞれ前記支持フレームの係止溝の底横溝に進入してこれにしっかりと係止固定することとなる。即ち、単に、一対のガラス係止片の間に挿入固定片を挿入するという作業のみで、ガラス係止片によるガラス板の固定とそれ自体の支持フレームへの固定が可能となるため、作業の効率が向上し、かつ安全性も確保されることになる。
【0047】
本発明の6は、本発明の1、2、3、4又は5のガラス床用の支持構造に於いて、前記支持フレーム及び前記受台をアルミニウム合金で構成したものである。
【0048】
前記支持フレームは、必要な剛性と硬度とを有するものであれば、種々の材質のそれを自由に採用することができる。例えば、条件を満足すればプラスチック類や木質材も使用可能である。もっとも、該支持フレームは、前記のように、アルミニウム合金で構成するのが、意匠性に優れ、軽量で加工性も良好であり、かつ前記のいずれの観点からも適当である。
【0049】
従って本発明の6のガラス床用の支持構造によれば、ガラス床用の支持構造を軽量かつ堅固でありつつ、意匠性に優れたものに構成することが可能となる。
【0050】
本発明の7は、本発明の1、2、3、4、5又は6のガラス床用の支持構造に於いて、前記挿入固定片を硬質弾性部材で構成したものである。
【0051】
前記硬質弾性部材としては、硬質プラスチック材料や硬質ゴム材等を適宜採用することができる。
【0052】
従って本発明の7のガラス床用の支持構造によれば、目地中に背中合わせに挿入した一対のガラス係止片の間に前記挿入固定片を弾力的に挿入して、ガラス係止片によるガラス板の固定とそれ自体の支持フレームへの固定を確実に行うことができることになる。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を実施例に基づき、かつ添付図を参照しつつ詳細に説明する。
【0054】
<実施例1>
図1〜図4に示すように、この実施例1は、本発明のガラス床用の支持構造を適用したガラス床に関するものであり、床面を構成する複数のガラス板1、1…と、台座2及び受台3を備えた複数の支柱部材4、4…と、該支柱部材4の受台3で支持される支持フレーム5であって、床面を構成するガラス板1、1…を載置する複数の支持フレーム5、5…と、該ガラス板1を支持フレーム5に固定する手段の一つである複数対のガラス係止片6、6…と、該各一対のガラス係止片6、6のガラス板1に対する固定作用の補助及び該ガラス係止片6、6自体の支持フレーム5への固定を補助する挿入固定片7と、床面を構成するガラス板1、1…の目地中の上支分ガラス板1a、1a間及びガラス係止片6、6の上部間に挿入する目地材8とで構成したものである。
【0055】
前記ガラス板1として、この実施例では、長方形のそれを採用した。その短辺と長辺の比は1:2である。また該ガラス板1は合わせガラスに構成したものであり、図1、図3及び図6に示すように、二枚の支分ガラス板を接着性を備えた中間膜9によって貼り合わせたものである。ガラス板1となる合わせガラスの厚さは、ガラス床面上に載せる物の重量を考慮して決定したものである。合わせガラスを構成する二枚の支分ガラス板のうち、上側に位置するものを上支分ガラス板1aと、下側に位置するものを下支分ガラス板1bと称する。
【0056】
なおガラス板1として、以上のような合わせガラスを採用したのは、仮にガラス板1に部分的かつ瞬間的に大きな負荷が掛かる等により、その一部に破損が生じたような場合にも、上支分ガラス板1aと下支分ガラス1bとが中間膜9によって接着結合しているため、多くの場合は、それらの破片等が飛び散ったり、床が抜けたりすることを防止することができる。損傷が下支分ガラス板1bまで届かない場合も多く、この場合は、下支分ガラス板1bによりバックアップされ、修繕するまでこれによって床を維持することができる。
【0057】
前記下支分ガラス板1bの上辺部には、図1、図3及び図6に示すように、ガラス係止片6の係止斜面6bで係止するために、ほぼ45度の角度で面取り加工を施してなる面取部1b1が形成してある。また該下支分ガラス板1bの辺部には、該面取部1b1も含めて樹脂系の保護皮膜10が被覆してある。該保護皮膜10のこの部位への固定は接着剤による。
【0058】
前記支柱部材4は、図1に示すように、その本体をなすボルト部材4aと、これをその中心に立設した台座2と、該ボルト部材4aの最上部に螺合した受台3と、該受台3の直下で該ボルト部材4aに螺合したロックナット11とで構成したものであり、該受台3の正逆回転による昇降調節状態がロックナット11によって固定できるようになっている。
【0059】
前記台座2は、図1及び図2に示すように、平面から見て正方形の金属板材で構成したものであり、その四隅に固定ボルト挿通用の開口部が形成してある。前記ボルト部材4aは、該台座2の中心の雌ねじに螺合し、その裏面側から溶接することで固定してある。
【0060】
前記受台3は、図1及び図8に示すように、中央の約下半分の部位に前記ボルト部材4aと螺合する雌ねじ部3aを備え、かつ外径が上段の大径部と下段の小径部とからなる二段円柱部材であり、その上部の大径部には、平面から見て十字形の溝である十字溝3bを形成した合成樹脂製の部材である。この十字溝3bは、格子状に配される前記支持フレーム5、5…をその交点の部位で嵌合して支持するための構成要素である。
【0061】
また該受台3の大径部の上面、即ち、前記十字溝3bの周囲に高く残った四カ所には、図8(a)、(b)に示すように、それぞれボルト穴3cを開口する。このボルト穴3cは、後述するように、該十字溝3bに嵌合した支持フレーム5の側部溝5bにその係止端を挿入しつつ該大径部の上面に配置した固定片3dを該上面上に固定すべくその上からボルト3eをねじ込むためのものである。
【0062】
前記支持フレーム5は、図1、図2、図3及び図5に示すように、断面長方形を基本とするアルミニウム合金製の角形パイプ状長尺部材で、その上部中央に長さ方向に沿って係止溝5aを、その両側に長さ方向に沿って各々嵌合溝5cを、両側面に長さ方向に沿って各々側部溝5bを、更に下部に同様にその長さ方向に沿って連結溝5dを、それぞれ形成した部材である。
【0063】
該支持フレーム5は、その上面両側で、目地間隔をあけて床用に敷設されるガラス板1、1の該当する辺部を載置し、また該係止溝5aに係止するガラス係止片6、6及びその間に挿入する挿入固定片7を介して該ガラス板1、1をその部位に固定するものである。なお該ガラス板1、1の辺部は緩衝材12を介して該支持フレーム5の該当部位に載置する。
【0064】
前記係止溝5aは、図1、図2、図3及び図5に示すように、垂直に形成された主溝部5a1とその底部から両側に延長した底横溝5a2、5a2とで構成したものであり、前記ガラス係止片6、6の後述する横向き鍔片6cがそれぞれ該底横溝5a2、5a2に進入してここに固定されることになるものである。
【0065】
前記嵌合溝5cは、前記緩衝材12を支持フレーム5の上面のそれぞれ該当する片側に固定するための構成要素であり、図1、図3及び図5に示すように、断面円形の溝で開口幅が内部より若干狭くなっている。該緩衝材12は、弾性合成樹脂の帯状部材であり、その下面中央に対応する嵌合突条12aが形成してある。この嵌合突条12aを該嵌合溝5cに嵌合させることにより、該緩衝材12を支持フレーム5の上面両側にそれぞれ固定するものである。
【0066】
前記側部溝5bは、図1及び図3に示すように、これを備えた支持フレーム5を、前記受台3の十字溝3bに嵌合させた状態で、その開口部の下端側が該受台3の上面と一致する高さの位置に位置させて構成する。前記し、図1、図2及び図3に示すように、支持フレーム5を前記受台3の十字溝3bに嵌合させた状態で、該受台3の大径部の上面にそれぞれ前記固定片3dを配し、その係止端を両側の支持フレーム5、5の側部溝5bに挿入し、そうした上で、該固定片3dをこれを通じてボルト穴3cに進入螺合したボルト3eで該受台3の上面に固定する。これによって受台3の十字溝3bに嵌合した支持フレーム5の無用の浮上を防止する趣旨である。なおこの固定片3dは、以上のように、受台3の上面の四カ所の全てに配するのが確実ではあるが、通常は、対角線の2カ所に配するのみでも十分にその効果を得ることができる。
【0067】
なお前記固定片3dは、図9(a)、(b)に示すように、平面から見て、前記受台3の4カ所に残った上面部とほぼ同一形状寸法の部分及びこれから前記支持フレームの側部溝5bに進入係止する分だけ延長した形状寸法の金属板状部材である。該受台3の該当する上面部に載置した状態で一致する位置にボルト穴が開口してある。
【0068】
前記連結溝5dは、これをその下部に構成した支持フレーム5を前記受台3の十字溝3bに嵌合する場合には無用のものであり、実施例2の補助支柱部材24に取り付ける場合に使用する。詳細は次の実施例2の説明中で述べる。なお支持フレーム5の下部に該連結溝5dが構成されていても、該支持フレーム5を受台3の十字溝3bに嵌合する場合に特に問題が生じるようなことはない。
【0069】
前記ガラス係止片6は、図1、図3、図6及び図7(a)、(b)、(c)に示すように、直立状態の板状部6aの上部に、前記ガラス板1の下支分ガラス板1bの辺部に形成した面取部1b1に当接係止すべく傾斜させた係止斜面6bを備え、かつ下端に側方に向けて鍔状に延長した横向き鍔片6cを備えたアルミニウム合金製の長尺部材である。該直立状態の板状部6aには、その背中側、即ち、前記ガラス板1の辺部に面する側と反対側の面に横向き複数条の突条を形成した固定突条部6dを形成したものである。
【0070】
前記挿入固定片7は、図1、図3、図6及び図7(c)に示すように、若干弾力性を持った硬質プラスチック製の長尺板状部材であり、その下部は下方に向かって楔状に細まるように形成したものである。この挿入固定片7の厚みは、特に図7(c)に示すように、支持フレーム5の係止溝5aに下端部を挿入した一対のガラス係止片6、6の間に、これを挿入した場合に、該一対のガラス係止片6、6間を最大限度に拡開させ、その各下端の横向き鍔片6cを該係止溝5aに確実に係止させることになる寸法とする。また該挿入固定片7は、その両側の面がこの状態で、図1、図3及び図7(c)に示すように、両側のガラス係止片6、6の各固定突条部6dでしっかりと固定され、容易に抜けない状態になる。
【0071】
前記目地材8は、図1、図3、図6及び図7(c)に示すように、弾力性を持った合成ゴム製の長尺板状部材であり、その両側面には、複数の弾性鍔状突片8a、8a…が多重状態に張り出し構成してある。該目地材8は、床用に配設されるガラス板1、1の目地に挿入すると、先に挿入してある前記挿入固定片7の上端に届く高さ方向の寸法を有しており、かつその上部は、端面方向から見て該ガラス板1、1の辺部(縁)から大曲率で僅かに膨らむ円弧状となる形状を持つものとなっている。
【0072】
従ってこの実施例1のガラス床は概ね次の手順で施工し、これを構成することができる。
【0073】
ガラス板1、1…は、これを縦横に配置して床を構成するものであるが、その構成領域にどのような位置関係で配置すべきかをまず初めに決定し、図4に示すように、その格子状の目地予定ラインの交点に当たる位置及び各ガラス板1の長辺に沿った目地予定ラインの中間点に当たる位置にそれぞれ支柱部材4を配置する。なお各支柱部材4は、図1に示すように、その下端に台座2を備え、該台座2から立ち上げたボルト部材4aの途中にロックナット11を螺合し、その上部に受台3を螺合したものであり、予め、そのようにセットしてあるものを、上記し、かつ図4に示すように、配置する。台座2は床下地上にコンクリート用の固定ボルトにより固定する。
【0074】
次いで、以上のように配置された各支柱部材4のボルト部材4aに螺合してある受台3を回転させてその高さを所定の高さになるように調節し、その下方のロックナット11を該受台3側に締め付けて圧接し、該受台3のその高さを固定する。なお該受台3のこれを回転させることによる高さ調節は、その十字溝3bで支持する支持フレーム5、5の向きが決まっている関係上、360度の内、90度毎の4カ所以外では固定できないこととなるが、支柱部材4の螺旋のピッチは十分小さいので施工上問題になることはない。
【0075】
こうして全ての支柱部材4、4…の各受台3の高さを調節し、これをロックした後、図4に示すように、前記目地予定ライン、及び敷設予定の各ガラス板1の長辺に沿った目地予定ラインの中間点間を結ぶラインに沿って、それぞれ支持フレーム5を配し、それらの各交点を各支柱部材4のボルト部材4aに螺合固定してある受台3で支持する。
【0076】
該受台3による支持は、その上部の十字溝3bによって行う。支持フレーム5の各交点では、特に図2に示すように、原則として、該十字溝3bの縦方向及び横方向の溝部の内、一方の溝部(図2中では縦方向の溝部)には、一本の支持フレーム5を通過状態に嵌合保持し、他方の溝部(図2中では横方向の溝部)には、該一方の溝部に嵌合した支持フレーム5に端部が突き合わせ状態になるように、交差方向の二本の支持フレーム5、5を嵌合保持することとなる。
【0077】
受台3による支持フレーム5の支持は、ガラス床の構成領域の角部及び四辺の途中では、図4に示すように、若干異なる。角部では、受台3の十字溝3bの縦横の溝部には、各々90度の角度で該当する方向から中央まで支持フレーム5、5の端部がL字状に進入して嵌合保持され、四辺の途中では、受台3の十字溝3bの縦横の溝部の内、辺に沿った一方の溝部には支持フレーム5が通過状態に嵌合保持され、これに直交する溝部には、該辺の支持フレーム5の側部に端部が突き合わせ状態になるように、ガラス板1の敷設領域側から延びた支持フレーム5が嵌合保持されることになる。
【0078】
なお図4中、斜線で示した部分は、一枚のガラス板1を示している。
【0079】
以上の各支持フレーム5は、前記したように、受台3の十字溝3bに対する嵌合状態が前記固定片3dによって固定される。図1、図2及び図3に示すように、該固定片3dを、受台3の大径部の4カ所の上面に各々配すると共に、各々その係止端を両側の支持フレーム5、5の側部溝5bに挿入した上で、該固定片3dを該位置に固定する。この固定は、そのボルト穴からボルト3eを受台3のボルト穴3cに進入螺合させて行う。こうして受台3の十字溝3bに嵌合した支持フレーム5はその位置に確実に固定される。なお、前記したように、前記固定片3は、受台3の大径部の4カ所の内、相互に対角線の位置に位置する上面上にのみ配して固定することとしても、概ね満足な支持フレーム5の固定効果を得ることができる。
【0080】
この後、前記支持フレーム5、5…の係止溝5aの両側に緩衝材12を配置した上で、ガラス板1、1…を配置する。該緩衝材12は、前記したように、その下面中央の嵌合突条12aを上記該当部位に形成してある嵌合溝5cに嵌合させることにより上記部位にそれぞれ固定することができる。
【0081】
該各ガラス板1は、図1、図3及び図6に示すように、その四辺の辺部をそれぞれ該当する目地予定位置に位置する支持フレーム5の上面に載置する。支持フレーム5へのこの載置は、先に述べたように、係止溝5aの一方の側に緩衝材12を介して行われるものである。またガラス板1は、その長さ方向に直交する向きで、その中間に位置する支持フレーム5には、その係止溝5aの両側の面上に緩衝材12を介して載置された状態になる。
【0082】
こうして、ガラス板1、1…の全敷設領域への敷設が完了した後、図6に示すように、それらのガラス板1、1…の上部から目地中に一対のガラス係止片6、6を挿入する。ガラス係止片6、6は、同図及び図7(a)、(b)に示すように、背中合わせの状態で目地中に挿入し、それらの下部の各横向き鍔片6cは、更にその下方の支持フレーム5の係止溝5a中にまで進入させる。
【0083】
この後、図6及び図7(c)に示すように、以上のように配した各対のガラス係止片6、6の間に、挿入固定片7を挿入する。これを強く押し込むと、図1、図3及び図7(c)に示すように、その両側のガラス係止片6、6の間隔が拡開し、それらの上部の各係止斜面6bが、それぞれ対応する側の下支分ガラス板1bの面取部1b1に保護皮膜10を介して当接係止し、ガラス板1、1をその位置に固定することとなる。またガラス係止片6、6それ自体も、その下部の横向き鍔片6cがそれぞれ前記係止溝5aの底横溝5a2に係止して抜け止めされた状態となる。更に挿入固定片7の挿入状態は、その両面が対応するガラス係止片6の固定突条部6dでしっかりと固定され、容易に抜けない状態となる。
【0084】
更にこの後、図1及び図3に示すように、残存している各上支分ガラス板1a、1a間の目地及びその直下のガラス係止片6、6の上部間の空間に目地材8を充填する。前記目地材8は、残存空間に弾力的に挿入され、両側の上支分ガラス板1a、1a間にしっかりと固定され、無用に抜けるようなことのないものとなる。
【0085】
なおガラス床の構成領域の四辺に於いては現場の状況に応じて適当な手段でガラス板1の該当部位を固定し、或いは生じた空間を閉じる等適宜の処理を行う。
【0086】
従ってこの実施例のガラス床は、重量物を取り扱う作業をなくして安全かつスピーディにこれを構成することができる。意匠的にも優れたガラス床を提供することができる。また前記目地材8と前記挿入固定片7と前記ガラス係止片6とは、施工後も取り外しが可能であるので、施工後のメンテナンスを容易に行なうこともできる。またこのガラス床は、これに加わる荷重が、ガラス板1及び支持フレーム5を介して合成樹脂製の受台3に加わることになっているが、該受台3はその直下でボルト部材4aに螺合しているロックナット11によってバックアップされており、大きな荷重が加わることがあっても、その荷重を確実に受けることが可能になっているものでもある。
【0087】
<実施例2>
実施例2は、実施例1の変形例であり、実施例1に於いて、ガラス板1、1…の長さ方向中間部にこれに直交する向きに配した支持フレーム5を省略し、ガラス板1の長辺に沿った支持フレーム5の中間点の支持を補助支柱部材24で行うようにしたものであり、以上の点のみが実施例1と異なる。従ってこの実施例2については、以上の異なる点についてのみ説明する。
【0088】
まず前記補助支柱部材24から説明する。これは、図11に示すように、床下地上に固設する小台座22と、該小台座22に立設した長ナット部材24aと、該長ナット部材24aに高さ調節自在に螺合した受けボルト部材24bとで構成したものである。
【0089】
図11に示すように、前記小台座22は、平面から見て正方形の金属板材で構成し、その四隅に固定ボルト挿通用の開口部を形成したものである。実施例1の台座2と同様の構成であるが、若干小寸法となっている。
【0090】
前記長ナット部材24a及びこれに螺合する前記受けボルト部材24bは補助支柱部材24の本体部分を構成すると共に、該受けボルト部材24bを正逆回転させることで高さ調節機能を実現するものである。なお該長ナット部材24aは、その下部外周の雄ねじを小台座22の中心に形成した雌ねじ部にねじ込むとともに裏面側から溶接して直立状態に固設してある。
【0091】
前記受けボルト部材24bは、図11に示すように、その上端に連結頭部24b1を備えており、これが前記支持フレーム5の連結溝5dにスライド自在に嵌合するようになっている。
【0092】
前記連結溝5dは、図11及び図5に示すように、支持フレームの最下部に形成した溝であり、長さ方向に沿って構成され、下方に開口している。溝下端では両側から鍔部が若干突出しており、その開口部は溝幅より狭く、前記受けボルト部材24bのボルト部の径を僅かに越える寸法となっている。内部の溝幅は該受けボルト部材24bの連結頭部24b1の幅を僅かに越え、かつ内部の溝高さは該連結頭部24b1の高さ寸法を僅かに越えるそれとなっている。この連結溝5dは、該支持フレーム5の端部で長さ方向にも開口しているものである。
【0093】
前記受けボルト部材24bは、それ故、その連結頭部24b1を支持フレーム5の端部で該連結溝5dに挿入し、必要な位置までスライド移動させることができる。
【0094】
この実施例2では、前記し、かつ図10に示すように、ガラス板1、1…の長さ方向中間部にこれに直交する向きに配した支持フレーム5を省略し、ガラス板1の長辺に沿った支持フレーム5の中間点の支持を以上の補助支柱部材24で行うようにしたものである。
【0095】
以上のガラス板1の長辺に沿った位置に配される支持フレーム5には、予め前記連結頭部24b1を、前記のように、その端部から前記連結溝5dに挿入し、所定の位置、即ち、ガラス板1の長辺の中間位置に対応する位置までスライド移動させておく。この状態で、該支持フレーム5は、ガラス板1の長辺に沿った位置に配置する。このとき、該連結頭部24b1を必要に応じて再スライドさせて位置決めの微調整を行い、更に前記長ナット部材24aを正逆回転させて前記受けボルト部材24bとの螺合状態を調節することにより、前記支持フレーム5の支持位置の高さの調節を行う。これは90度毎の回転角で行い、決定した状態で、前記小台座22を床下地にボルトにより固定する。
【0096】
従ってこの実施例2のガラス床用の支持構造によれば、ガラス板1の長辺に沿った位置に位置する支持フレーム5は、図11に示すように、これより幅の狭い受けボルト部材24b及び長ナット部材24aで支持されるものであるため、ガラス板1側からは見え難く、意匠的に優れたものとなる。またガラス板1の長辺の中間点での支持を加えることにより、ガラス板1のたわみを防止することができることにもなる。
【0097】
【発明の効果】
本発明の1のガラス床用の支持構造によれば、ガラス板の不陸の調節が容易であり、かつ確実にガラス板を支持できるガラス床を施工性良好に構成することが可能となる。また構成されるガラス床がスマートであり、更には施工後のメンテナンスも容易となる。
【0098】
本発明の2のガラス床用の支持構造によれば、簡単で作業性良好にガラス板の敷設作業ができ、確実に支持することができると共に、外観的にもスマートなデザインとなる。
【0099】
本発明の3のガラス床用の支持構造によれば、ガラス床上からはその支持構造が見え難く意匠的に優れたものとなる。またガラス板の長辺の中間点での支持を加えることにより、ガラス板のたわみを防止することができることにもなる。
【0100】
本発明の4のガラス床用の支持構造によれば、下支分ガラス板の辺部を損傷を生じさせることなく確実にこれを係止することができる。
【0101】
本発明の5のガラス床用の支持構造によれば、ガラス板を確実に支持することができる。
【0102】
本発明の6のガラス床用の支持構造によれば、ガラス床用の支持構造を軽量かつ堅固に構成することが可能となる。
【0103】
本発明の7ガラス床用の支持構造によれば、目地中に背中合わせに挿入した一対のガラス係止片の間に前記挿入固定片を弾力的に挿入することによりガラス係止片によるガラス板の固定とそれ自体の支持フレームへの固定を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】床用のガラス板を支持する支持構造の主要部を示す断面図。
【図2】一本の支柱部材の受台とこれに固定された支持フレームとを示す平面図。
【図3】図1の上部のみを示す拡大断面図。
【図4】ガラス床施工時の支柱部材及び支持フレームの配置図。
【図5】短尺に切断した支持フレームの斜視図。
【図6】支持フレーム上にガラス板を固定するガラス係止片、挿入固定片及び目地材の取り付けの様子を示す拡大断面図。
【図7】 (a)は一対のガラス係止片の下部を支持フレームの係止溝に挿入する前の状態を示す断面斜視図。
(b)は一対のガラス係止片の下部を支持フレームの係止溝に挿入した状態を示す断面斜視図。
(c)は下部を支持フレームの係止溝に挿入した一対のガラス係止片の間に挿入固定片を挿入し、かつその上の目地に目地材を挿入しようとしている状態を示す断面斜視図。
【図8】 (a)は支柱部材の受台の正面図。
(b)は支柱部材の受台の平面図。
【図9】 (a)は固定片の平面図。
(b)は固定片の正面図。
【図10】他の実施例のガラス床施工時の支柱部材、補助支柱部材及び支持フレームの配置図。
【図11】床用のガラス板を支持する支持フレームを補助支柱部材で支持する状態を示した断面図。
【符号の説明】
1 ガラス板
1a 上支分ガラス板
1b 下支分ガラス板
1b1 面取部
2 台座
3 受台
3a 雌ねじ部
3b 十字溝
3c ボルト穴
3d 固定片
3e ボルト
4 支柱部材
4a ボルト部材
5 支持フレーム
5a 係止溝
5a1 主溝部
5a2 底横溝
5b 側部溝
5c 嵌合溝
5d 連結溝
6 ガラス係止片
6a 板状部
6b 係止斜面
6c 横向き鍔片
6d 固定突条部
7 挿入固定片
8 目地材
8a 弾性鍔状突片
9 中間膜
10 保護皮膜
11 ロックナット
12 緩衝材
12a 嵌合突条
22 小台座
24 補助支柱部材
24a 長ナット部材
24b 受けボルト部材
24b1 連結頭部
Claims (7)
- 合わせガラスに構成した複数のガラス板を敷設してなるガラス床を支持するガラス床用の支持構造であって、
縦横に敷設するガラス板間の格子状の目地の少なくとも交点に対応させて配する高さ調節機能を備えた支柱部材と、
縦横に敷設するガラス板の少なくとも目地に沿って格子状に配する支持フレームであって、その上面両側で緩衝材を介して該目地両側のガラス板の辺部を支持するとともに、その少なくとも交点で前記支柱部材によって支持される支持フレームと、
縦横に敷設するガラス板の目地中に挿入してその両側のガラス板の下支分ガラス板の辺部を各々支持する一対のガラス係止片であって、前記支持フレームの上部の係止溝にその下部を挿入して係止するガラス係止片と、
該一対のガラス係止片間に挿入して、該各ガラス係止片による下支分ガラス板の支持状態及び該両ガラス係止片の前記支持フレームの係止溝に対する係止状態を固定する挿入固定片と、
縦横に敷設するガラス板の目地中の上支分ガラス板間に挿入する目地材と、
で構成したガラス床用の支持構造。 - 前記支柱部材を、床下地上に固設する台座と、該台座に立設したボルト部材と、該ボルト部材に高さ調節自在に螺合した受台であって、上部に前記支持フレームをその交点で支持する十字溝を備えた受台とで構成した請求項1のガラス床用の支持構造。
- 床下地上に固設する小台座と、該小台座に立設した長ナット部材と、該長ナット部材に高さ調節自在に螺合した受けボルト部材であって、その上部で前記支持フレームの下部を支持するように構成した受けボルト部材とで補助支柱部材を構成し、前記支持フレームをその交点以外の位置で支持すべく、該補助支柱部材を追加した請求項1のガラス床用の支持構造。
- 前記ガラス係止片を、アルミニウム合金で構成し、その下支分ガラス板の辺部に接触する部位又は又は該下支分ガラス板の該ガラス係止片に接触する部位に保護皮膜を施した請求項1、2又は3のガラス床用の支持構造。
- 前記ガラス係止片を、上部に前記下支分ガラス板の辺部の上縁に形成した面取部に係止してこれを支持する係止斜面を備え、かつ下部に前記支持フレームの係止溝の底部に形成した底横溝に係止する横向き鍔片を備えたものに構成した請求項1、2、3又は4のガラス床用の支持構造。
- 前記支持フレーム及び前記受台をアルミニウム合金で構成した請求項1、2、3、4又は5のガラス床用の支持構造。
- 前記挿入固定片を硬質弾性部材で構成した請求項1、2、3、4、5又は6のガラス床用の支持構造。
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