JP6235189B1 - 空気ノズル、外筒、ボイラ及び発電システム並びに空気ノズルの外筒の交換方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1の空気ノズルは、内管と外管とを有し、内管および外管にはそれぞれ上部通気孔と下部通気孔が設けられて、空気が内管の内側から上部通気孔を経て外管内に入り、下部通気孔から噴出する。
上記特許文献1では、空気ノズルが備える各部材の取付け態様については考慮されていない。このような空気ノズルでは、各部材ごとに分解することができず、空気ノズルを修理する際には、空気ノズル全体を火炉から取り外さなければならない可能性がある。火炉から空気ノズル全体を取外した場合、修理後には再度空気ノズルを火炉に取り付ける作業が発生するため、この際に上述の慎重な位置合わせと固定を行う必要がある。さらに、空気ノズルは炉底に数多く設置されているため、摩耗の進行度合いに応じて修理が必要な空気ノズルを選定して、取り外して、交換用の空気ノズルを取り付けるという一連の空気供給ノズルの修理作業の際に生じる作業負担は、増大する可能性があった。
本発明の一態様に係る空気ノズルは、火炉内に気体を供給することで、前記火炉内において流動材を流動化させる空気ノズルであって、前記火炉の炉底に固定され、該炉底から鉛直上方に延び、気体が供給される円筒状の内筒と、内部に前記内筒が配置され、前記内筒から排出された気体を前記火炉内に供給する円筒状の外筒と、鉛直上方に延びる筒部を有し、前記外筒の上端部に固定される第1接続部と、鉛直上方に延びる柱部を有し、前記内筒の上端部に固定される第2接続部と、を備え、前記柱部は、該柱部の外周面が前記筒部の内周面に沿うように、前記筒部の内部に収容され、前記柱部の上端部と前記筒部とが溶接固定されている。
また、上記構成では、内筒の内部を流通した気体(空気)が外筒の内部を介して火炉内に供給されるので、内筒と外筒との相対位置及び軸方向態様を所定のものにすることで、火炉内に供給される気体の供給態様も所定のものとし、火炉内の流動材の流動化を好適に行うことができる。
なお、内筒と外筒との水平方向の所定の相対位置及び軸方向態様とは、例えば、内筒の長手方向の軸に対して、外筒の長手方向の軸が略同一位置(所定誤差内で合致する位置)となる相対位置及び軸方向態様である。
上記構成では、柱部と筒部との溶接固定部分を削り落としたり、柱部と筒部との溶接固定部分よりも鉛直下方の位置で、柱部及び筒部を略水平面方向に切断したりすることで溶接固定部分を除去することで、柱部と筒部との固定が解除される。すなわち、内筒と外筒との固定も解除される。これにより、炉底に固定されたままの内筒から、外筒を取り外すことができる。
また、柱部は、上端部を用いて筒部と溶接固定されているので、柱部と筒部との溶接固定部分よりも鉛直下方あって、かつ、柱部の下端よりも鉛直上方の所定の長さ以上の位置で切り離することが可能となる。ここで所定の長さとは、柱部を筒部の内部に収容されて柱部の上端部と筒部とが溶接固定できる長さである。これにより、筒部との溶接固定部を除去しても、柱部は、鉛直上下方向の長さが所定の長さ以上が残存する。したがって、内筒から外筒を取り外した後であっても、再度、内筒に対して交換用の外筒を取り付けることができる。さらに、再度に柱部と筒部との再溶接固定部分を除去しても、柱部の鉛直上下方向の長さが、所定の長さ以上残存するように柱部の鉛直上下方向の長さを設定すれば、複数回に渡り内筒から外筒を取り外して、内筒に対して交換用の外筒を取り付けることができる。
したがって、外筒の交換作業を容易化することができ、外筒の交換作業にかかる作業時間を短縮することができる。よって、空気ノズルの修理作業の際に生じる作業負担を軽減することができる。
したがって、内筒に対して外筒を取り付ける際には、係合部以外での筒部と柱部の挿入を容易に行えるとともに、係合部によって外筒と内筒との位置合わせを確実に行うことができる。さらに、内筒から外筒を取り外す際に、径の小さい小径部が変形・損傷していたとしても、スムーズに取り外すことができる。したがって、係合部以外の管理を簡易化できるので取り扱いを容易にすることができる。
また、上記構成では、炉底に固定された内筒を炉底から取り外すことなく外筒を交換することができるので、外筒を交換する際に炉底に対する内筒の位置合わせ作業を省略することができる。また、再度、内筒に対して外筒を取り付ける際にも、筒部に対して柱部が挿入されるように取り付けることができるので、容易に所定の相対位置及び軸方向態様とすることができる。
したがって、外筒の交換作業を大幅に容易化することができ、外筒の交換作業にかかる作業時間を短縮することができる。
また、本発明の一態様に係る空気ノズルの外筒は、前記筒部のうち前記柱部を内部に収容している領域の上下方向の長さは、前記柱部の径方向の長さに対して1倍よりも長く5倍以下の範囲に設定されてもよい。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態について、図1から図4を用いて説明する。
本実施形態に係る発電システム1は、図1に示すように、蒸気を生成するボイラとして循環流動層ボイラ(CFB:Circulating Fluidized Bed)2と、循環流動層ボイラ2で生成された蒸気によって回転駆動する蒸気タービン3と、蒸気タービン3の駆動力によって発電する発電機4とを備える。
なお、以下の説明において、「上方」とは鉛直上側方向を、「下方」とは鉛直下側方向を示している。
なお、図1に示す燃料供給装置6は燃料として石炭を採用した場合の一例である。本実施形態では、燃料供給装置6は、火炉5の内圧力が大気圧より少し高いので、燃料供給系統へ燃焼ガスなどが逆流しないよう、ロータリバルブ10及びシール空気供給装置(図示省略)が設けられている。
各空気ノズル12は、長手軸方向が略鉛直上下方向になるように設置され、炉底11の水平面の領域に対して略垂直に設置され、内筒35と炉底11とが為す角度θは、略90度となるように配置されている。なお、角度θは90度に限定されないが、90度に対して±1〜3度で管理されていることが好ましい。また、内筒35は、炉底11に対して、スリーブ40を介して溶接固定されていてもよい。詳細には、図4に示すように、内筒35が炉底11を貫通する領域において、内筒35の外周面35cと円筒状のスリーブ40の内周面とが接触するようにスリーブ40が設けられ、スリーブ40の上端及び下端と内筒35の外周面35cとが溶接部W1及びW2において溶接固定され、スリーブ40の外周面と炉底11を構成する炉底板32の下面とが溶接部W3において溶接固定されている。
なお、本実施形態では、火炉5の炉底11は、水冷管31と炉底板32とを備えた水冷壁を上方から耐火材33が覆うように構成されている(図4参照)。
空気ノズル12は、火炉5と風箱29とを連通して上下方向に延びる円筒状の内筒35と、火炉5内で内筒35の上部を外側から囲う円筒状の外筒36と、内筒35の上部開口35aを塞ぐ内筒閉塞部材(第2接続部)37と、外筒36の上部開口36aを塞ぐ第1外筒閉塞部材(第1接続部)38と、外筒36の下部開口36bを閉塞する第2外筒閉塞部材39とを備える。内筒35及び外筒36は、耐熱性、耐酸化性さらには、耐磨耗性からステンレス系材料が好ましく、例えばSUS310、SUS304、SUS316などで形成される。
円盤部43の直径は、内筒35の外径と略同一に形成されている。円盤部43は、内筒35の上部開口35aの全域を上方から覆うことで閉塞し、円盤部43の外周面の下端と内筒35の外周面35cの上端とが溶接部W4において溶接固定されている。
円柱部44は、円柱部44の長手方向中心軸と内筒35の長手方向中心軸とが略一致するよう円盤部43の上面43aの略中央に固定されている。なお、円盤部43と円柱部44とは、別々の部材を溶接等で固定してもよいし、一つの部材から一体的に削り出してもよい。
円環部45の略中央には開口45aが形成されている。また、円環部45の外径は、外筒36の内径と略同一に形成されている。すなわち、円環部45の外径は、内筒35の外径及び円盤部43の直径よりも大きく形成されている。円環部45は外筒36を上方から覆い、外筒36の上端面36cと円環部45の外端とが溶接部W6において溶接固定されている。
円筒部46は、円筒部46の長手方向中心軸と外筒36の長手方向中心軸とが略一致するよう円環部45の上面の略中央に、開口45aと連通するように固定されている。
なお、円環部45と円筒部46とは、別々の部材を溶接等で固定してもよいし、一つの部材から一体的に削り出してもよい。
また、第1外筒閉塞部材38と内筒閉塞部材37とは、溶接固定されている。具体的には、円筒部46の上端面と、円柱部44の上端部とが溶接部W5において溶接固定されている。なお、本実施形態では、円柱部44の高さが、円筒部46の高さよりも所定の長さSだけ高くなっている。長さSは、溶接固定に必要な高さであり、本実施形態では、例えば、5mm〜10mmに設定される。
外筒36の下部には、水平方向に貫通する複数の外筒通気孔42が形成されている。複数の外筒通気孔42は、外筒36の周方向に沿って、全域に亘って等間隔に形成されている。なお、外筒36に形成された外筒通気孔42は、内筒35に形成された内筒通気孔41よりも低い位置に形成されている。これにより、火炉5内の流動材が内筒35の内部へと侵入することによる空気の噴出に対する影響を抑制することができる。
なお、図4に示すように、火炉5内に設けられた複数の空気ノズル12は、外筒通気孔42の炉底11の上面11aに対する高さが、すべて高さh1で統一されている。また、炉底11の上面11aに対する円環部45の上面までの高さも、すべて高さh2で統一されていて、円環部45の上面までの高さh2を計測して同値に統一することで、外筒通気孔42の高さh1を容易に同値に統一することができる。
円柱部44の直径Dは、内筒35の外径dに対して、1/10倍〜1/2倍の範囲が好適である。すなわち、d/10≦D≦d/2の式を満たすように、直径Dを設定する。具体的には、例えば、内筒35の外径dの長さが80mmの場合には、円柱部44の直径Dの長さは8mm〜40mmの範囲内で設定されるのが好適である。このような範囲にすることで、確実に、内筒35の中心軸線と外筒36の中心軸線とが略同一の位置とすることができる。
高さHは、円柱部44の直径Dに対して、1/2倍以上5倍以下の範囲が好適である。すなわち、D/2≦H≦5・Dの式を満たすように、高さHを設定する。また、高さHは、円柱部44の直径Dの長さに対して、1倍を超え5倍以下の範囲が更に好適である。すなわち、さらに、1・D<H≦5・Dの式を満たすように、高さHを設定し、円柱部44を上下方向に縦長の形状とすることがさらに好ましい。具体的には、例えば、円柱部44の直径Dの長さが20mmの場合には、高さHは、10mm以上100mm以下の範囲内で設定されるのが好適である。また、20mmを超え100mm以下とするとさらに好ましい。このような範囲にすることで、確実に、内筒35の中心軸と外筒36の中心軸とが略同一の位置とすることができるとともに、複数回の外筒36の交換が可能となる(詳しくは後述する)。
FDF27から送られてきた空気は、風箱29内を介して、各内筒35に略均等に流入する。内筒35に流入した空気は、図3黒塗り矢印で示すように、上方向へと流れる。上方向に流れた空気は、内筒通気孔41から、内筒35と外筒36との間の空間(すなわち、外筒36の内部)に排出される。外筒36の内部に排出された空気は、円環部45で閉塞されるために、外筒36の内部を下方向へと流れる。下方向へ流れた空気の多くは、外筒通気孔42を通過し、火炉5の内部の流動層に供給される。すなわち、外筒36の内部を下方向へと流れる空気のうち、隙間β1を通過して、火炉5の内部の流動層に供給される空気は、一部のみとなる。
円柱部44と円筒部46とを溶接固定する溶接部W5よりも下方の位置で、円柱部44及び円筒部46を電動金ノコ等によって略水平面方向に切断したり、溶接部W5よりも下方の位置までグラインダ等によって削り落としたりすることで、溶接固定部分を除去する(除去ステップ)。この時、除去する円柱部44及び円筒部46の長さAは、本実施形態では、例えば、5mm〜10mm程度とする。長さAは、溶接部W5の溶接固定に必要な高さS(図3参照)と同等かもしくは少し長くなる。
所定の長さとは、円柱部44が円筒部46の内部に収容されて、円柱部44の上端部と円筒部46の上端面とが溶接固定できる長さである。これにより、円柱部44は円筒部46との溶接部W5を除去しても、円柱部44の鉛直上下方向の長さは所定の長さ以上が残存する。したがって、円柱部44から円筒部46を取り外した後であっても、再度、円柱部44に対して交換用外筒36’に固定された円筒部46’を取り付けることができる。さらに、円柱部44の鉛直上下方向の長さが十分にある場合には、再度に円柱部44と円筒部46’との再溶接固定部分を除去しても、円柱部44の鉛直上下方向の長さは所定の長さ以上が残存するようにすれば、複数回に亘り、円柱部44から円筒部46を取り外して、円柱部44に対して交換用外筒36’の円筒部46’を取り付けることができる。
ここで交換用外筒36’は、新たに製作したものが好ましいが、損傷状態により、一旦取り外して必要な部分を補修したものでもよい。
次に、交換用外筒36’、交換用第1外筒閉塞部材38’及び交換用第2外筒閉塞部材39’を取り付ける(取付けステップ)。このとき、残存した円柱部44に対して、交換用第1外筒閉塞部材38’の円筒部46’を係合させるように取り付けることで、交換用外筒36’の水平方向の位置が交換前の外筒36の水平方向の位置と同位置となる。また、交換用第1外筒閉塞部材38’の円環部45’の下面が円盤部43の上面43aに接して載置することで、交換用外筒36’の上下方向の位置が交換前の外筒36の上下方向の位置と同位置となる。なお、交換用第1外筒閉塞部材38’の円筒部46’の長さは、残存した円柱部44の長さと略同一の長さに適宜調整される。
次に、円柱部44の上端部と、交換用第1外筒閉塞部材38’の円筒部46’の上端面とを溶接部W5’において溶接固定する(固定ステップ)。
本実施形態では、円柱部44と円筒部46とが、中間ばめまたは隙間ばめの状態で係合し、さらに好ましくは中間ばめに近い隙間ばめの状態で係合している。これにより、炉底11に固定された内筒35に対して外筒36を取り付ける際に、円筒部46の水平方向の移動を円柱部44が規制するとともに、円筒部46の円柱部44に対する軸方向を円柱部44が規制する。したがって、内筒35に対して外筒36を取り付ける際に、内筒35と外筒36との水平方向の相対位置及び内筒35に対する外筒36の軸方向態様を、容易に所定の相対位置及び軸方向態様とすることができる。具体的には、内筒35の中心軸と外筒36の中心軸とが略同一位置(所定の誤差内で合致する状況)となるように位置決めすることができる。
また、内筒35に固定された円盤部43の上面43aに、円環部45の下面を接して載置するように配置されている。これにより、内筒35に対して外筒36を取り付ける際に、内筒35を基準として、外筒36を配置することができる。したがって、容易に、内筒35と外筒36との上下方向の相対位置を所定の相対位置とすることができる。内筒35は炉底11に固定されたままなので、内筒35と外筒36との上下方向の相対位置を所定の相対位置とすることで、火炉5内での外筒36の基準部分の炉底11に対する高さ位置を所定の高さ位置とすることができる。具体的には、火炉5内に設けられた複数の空気ノズル12の、外筒通気孔42の炉底11の上面11aからの高さh1(図4参照)を、すべて同じ高さにすることができる。また、これは計測し易い円環部45の炉底11の上面11aからの高さh2(図4参照)を、すべて同じ高さにすることにより容易に調整と確認ができる。
内筒35と外筒36との相対位置及び軸方向態様を上記のようにすることで、火炉5内の流動層を均一に流動化することができる。
炉底11に対して空気ノズル12を固定する場合、火炉5内で均一な流動層を形成するために、内筒35の長手軸方向が鉛直方向に設けられるとともに、内筒35の基準部分(円盤部43の上面43a)が炉底11に対する所定の高さ位置に揃えることで外筒36からの外筒通気孔42の高さh1が揃うように、炉底11対する空気ノズル12の慎重な位置合わせ作業が必要となる。本実施形態では、外筒36の交換を行う際に、内筒35を炉底11から取り外さないので、炉底11に対する内筒35の位置合わせ作業省略することができる。また、再度、内筒35に対して外筒36を取り付ける際にも、円筒部46に対して円柱部44が挿入されるように取り付けることができるので、容易に所定の相対位置及び軸方向態様とすることができる。
したがって、外筒36の交換作業を容易化することができ、外筒36の交換作業にかかる作業時間を短縮することができる。よって、空気ノズル12の修理作業の際に生じる作業負担を軽減することができる。
具体的には、本実施形態において、例えば直径Dを20mm、高さHを50mmに設定すると、除去する長さAを例えば5mm、溶接固定に必要な長さSを例えば5mm、円環部45の厚さを例えば10mmとした場合、外筒の交換可能回数は、
(H:50mm−円環部厚さ:10mm−最後の交換時のA:5mm−最後の交換時のS:5mm)/(A:5mm+S:5mm)+最後の交換分の1回
の式で表すことができ、4回となる。
このように、高さHについて、下記の(1)の式を満たすように設定することで、内筒35を交換することなく、複数回外筒の交換を行うことができる。
H≧(X−1)・(A+S)+(円環部45厚さ+A+S) ・・・・(1)
ただし、A:除去する長さ
X:想定する交換回数(複数回外筒を交換する場合には、2以上の整数とする)
S:溶接固定に必要な長さ
続いて、本発明に係る空気ノズルの第2実施形態について、図5を用いて説明する。本実施形態に係る空気ノズル52は、円柱部の構造が第1実施形態と異なっている。なお、第1実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態に係る円柱部53は、円盤部43に固定されて円筒部46と係合する係合部54と、係合部54の上端から上方に延びる小径部55とを一体的に有している。
すなわち、円柱部53の円盤部43に近い側には、係合部54として隙間α2が設けられ、円柱部53と円筒部46との溶接固定を行う先端側には、隙間α2よりも長い隙間α3が設けられている。
本実施形態では、係合部54の上端から上方に延びる小径部55では、外周面55aと円筒部46の内周面46aとの隙間α3の距離が、係合部54の外周面54aと円筒部46の内周面46aとの隙間α2の距離よりも長くなっている。これにより、係合部54より径の小さい小径部55の一部において変形・損傷等が生じた場合であっても、小径部55と円筒部46の内周面46aとを接触し難くして、円筒部46へ円柱部53を挿入し易くすることができる。
したがって、内筒35に対して外筒36を取り付ける際には、係合部54以外での円筒部46へ円柱部53を挿入し易くし、係合部54によって外筒36と内筒35との位置合わせを確実に行えるとともに、内筒35から外筒36を取り外す際に、小径部55が変形・損傷していたとしても、スムーズに取り外すことができる。したがって、係合部54以外での管理を簡素化できるので、取り扱いが容易になる。
続いて、本発明に係る空気ノズルの第3実施形態について、図6を用いて説明する。本実施形態に係る空気ノズル62は、内筒63、内筒閉塞部材65、第2外筒閉塞部材66の形状が第1実施形態と異なっている。また、内筒に対して第3外筒閉塞部67を固定した点が第1実施形態と異なっている。なお、第1実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
第1突出部63aの外周端と、第2突出部65bの外周端とは、溶接部W8において溶接固定されている。
まず、外筒36を内筒63から取り外す。外筒36を取外す方法は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
第1突出部63aと第2突出部65bとは外端部で溶接固定されていて、除去長さBは、突出長さLよりも短くなっている。これにより、溶接部W8を除去しても、第1突出部63a及び第2突出部65bは再度に溶接固定が出来る所定の長さだけ残存する。
次に、交換用内筒閉塞部材を取り付ける。このとき、凸部65cが内筒63の内部に配置されて嵌め合うように、交換用内筒閉塞部材を内筒63の上端面に載置する。凸部65cの直径は、内筒63の内径と略同一とされているので、凸部65cと内筒63とが係合し、交換用内筒閉塞部材の水平方向の移動を規制し、容易に、交換用内筒閉塞部材の水平方向の位置が交換前の内筒閉塞部材65の水平方向の位置と同位置とすることができる。また、交換用内筒閉塞部材の円盤部を内筒63の上端面に載置することで、交換用内筒閉塞部材の上下方向の位置が交換前の内筒閉塞部材の上下方向の位置と同位置とすることができる。したがって、容易に、交換用内筒閉塞部材を取り付けることができる。なお、交換用内筒閉塞部材の第2突出部の長さは、残存した第1突出部の長さと略同一の長さに適宜調整される。
次に、内筒63に対して外筒36を取り付ける。外筒36を取外す方法は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
内筒閉塞部材65(特に円柱部65d)は、火炉5の影響や交換用外筒との再取り付け等によって、損傷や変形する場合がある。
本実施形態では、内筒閉塞部材65が損傷等した場合であっても、炉底11に固定された内筒35を取り外すことなく、内筒閉塞部材65を内筒63から取り外し交換することができる。したがって、内筒閉塞部材65の修理作業の際に生じる作業負担を軽減することができる。
例えば、上記各実施形態では、本発明を循環流動層ボイラ2に適用する例について説明したが、本発明は、流動床ボイラ(BFB:Bubbling Fluidized Bed)に適用してもよい。
なお、上記各実施形態では、円柱部の形状を円柱状とし、円筒部の形状を円筒形状としたが、円柱部と円筒部とは係合する形状であればよく、円柱部及び円筒部の形状は、上記各実施形態の形状に限定されない。円柱部は、上下方向に延びる柱状であればよく、例えば角柱であってもよい。また、円筒部の形状も、円柱部と係合する形状であればよく、例えば角筒であってもよい。
また、上記各実施形態では、外筒と第1外筒閉塞部材と第2外筒閉塞部材とを概念上分けて説明したが、外筒(すなわち、筒状の部分)と、第1外筒閉塞部材と、第2外筒閉塞部材とで外筒を形成すると考えてもよい。
2 循環流動層ボイラ(ボイラ)
3 蒸気タービン
4 発電機
5 火炉
11 炉底
12 空気ノズル
13 サイクロン
29 風箱
35 内筒
36 外筒
37 内筒閉塞部材(第2接続部)
38 第1外筒閉塞部材(第1接続部)
39 第2外筒閉塞部材
43 円盤部
44 円柱部(柱部)
45 円環部
46 円筒部(筒部)
52 空気ノズル
53 円柱部
54 係合部
55 小径部
62 空気ノズル
63 内筒
63a 第1突出部
65 内筒閉塞部材
65b 第2突出部
66 第2外筒閉塞部材
67 第3外筒閉塞部材
W1〜W9 溶接部
Claims (12)
- 火炉内に気体を供給することで、前記火炉内において流動材を流動化させる空気ノズルであって、
前記火炉の炉底に固定され、該炉底から鉛直上方に延び、気体が供給される円筒状の内筒と、
内部に前記内筒が配置され、前記内筒から排出された気体を前記火炉内に供給する円筒状の外筒と、
鉛直上方に延びる筒部を有し、前記外筒の上端部に固定される第1接続部と、
鉛直上方に延びる柱部を有し、前記内筒の上端部に固定される第2接続部と、を備え、
前記柱部は、該柱部の外周面が前記筒部の内周面に沿うように、前記筒部の内部に収容され、
前記柱部の上端部と前記筒部とが溶接固定されている空気ノズル。 - 前記柱部と前記筒部とは、中間ばめ又は隙間ばめの状態で係合している請求項1に記載の空気ノズル。
- 前記内筒の上端面上に前記筒部の下端面が配置されている請求項1または請求項2に記載の空気ノズル。
- 前記柱部は、外周面が前記筒部の内周面に沿う係合部と、該係合部よりも径の小さく形成されていて該係合部の上端から鉛直上方に延びる小径部とを備える請求項1から請求項3のいずれかに記載の空気ノズル。
- 前記第2接続部は、前記柱部の下端に設けられた円盤部を有し、
前記円盤部の下面は、前記内筒の前記上端部に載置されている請求項1から請求項4のいずれかに記載の空気ノズル。 - 前記内筒は、筒状の本体部と、該本体部の上端部から半径方向外側に突出する第1突出部を有し、
前記第2接続部は、前記円盤部の外周端から半径方向外側に突出する第2突出部とを有し、
前記円盤部の直径は、前記本体部の直径と略同一に形成されていて、
前記内筒と前記第2接続部とは、前記第1突出部の外端部と前記第2突出部の外端部とが溶接固定されることで固定されている請求項5に記載の空気ノズル。 - 内部に配置された内筒から排出された気体を火炉内に供給することで前記火炉内において流動材を流動化させる空気ノズルの外筒であって、
筒状の本体部と、
鉛直上方に延びる筒部を有し、前記本体部の上端部に固定される第2接続部と、を備え、
前記筒部は、前記内筒の上端部に固定された第1接続部が有する鉛直上方に延びる柱部を、前記柱部の外周面が該筒部の内周面に沿うように内部に収容し、
前記筒部は、前記柱部の上端部と溶接固定される空気ノズルの外筒。 - 前記筒部のうち前記柱部を内部に収容している領域の上下方向の長さは、前記柱部の径方向の長さに対して1/2倍以上であって5倍以下の範囲に設定される請求項7に記載の空気ノズルの外筒。
- 前記筒部のうち前記柱部を内部に収容している領域の上下方向の長さは、前記柱部の径方向の長さに対して1倍よりも長く5倍以下の範囲に設定される請求項7に記載の空気ノズルの外筒。
- 請求項1から請求項6のいずれかに記載の空気ノズルまたは請求項7から請求項9のいずれかに記載の外筒を備えた空気ノズルによって、内部で流動材を流動させている火炉と、
前記火炉で生成された燃焼ガスが流通する煙道と、
該煙道に設けられて、前記燃焼ガスの熱によって蒸気を生成する熱交換器と、を備えるボイラ。 - 請求項10に記載のボイラと、
前記ボイラで生成した蒸気によって駆動する蒸気タービンと、
前記蒸気タービンの駆動力によって発電する発電機と、を備える発電システム。 - 火炉内に気体を供給することで、前記火炉内において流動材を流動化させる空気ノズルであって、
前記火炉の炉底に固定され、該炉底から鉛直上方に延び、気体が供給される円筒状の内筒と、
内部に前記内筒が配置され、前記内筒から排出された気体を前記火炉内に供給する円筒状の外筒と、
鉛直上方に延びる筒部を有し、前記外筒の上端部に固定される第1接続部と、
鉛直上方に延びる柱部を有し、前記内筒の上端部に固定される第2接続部と、を備え、
前記柱部は、該柱部の外周面が前記筒部の内周面に沿うように、前記筒部の内部に収容され、
前記柱部の上端部と前記筒部とが溶接固定されている空気ノズルの外筒の交換方法であって、
溶接固定されている部分を除去する除去ステップと、
前記除去ステップの後に、前記内筒から前記外筒を取り外す取外しステップと、
前記取外しステップの後に、前記内筒に対して交換用外筒を取り付ける取付けステップと、
前記取付けステップの後に、前記柱部の上端部と前記筒部とを溶接固定する固定ステップと、を備える空気ノズルの外筒の交換方法。
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