JP4809084B2 - 燃焼空気供給ポート - Google Patents

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Description

本発明は、石炭火力発電所等で用いられる微粉炭焚きボイラの燃焼空気供給ポートに関する。
石炭火力発電所等で用いられる微粉炭焚きボイラでは、燃料の微粉炭を燃焼する際に発生する窒素酸化物(NOx)及び未燃分を低減するため、燃焼用空気を複数段に分けて供給して燃焼させる二段燃焼方式が用いられている。この二段燃焼方式の微粉炭焚きボイラでは、ボイラの火炉を構成する火炉壁に燃料の微粉炭を燃焼するバーナが設置して微粉炭を燃料過剰の状態で不完全燃焼させ、燃焼ガスが局部的に高温度になるのを防止してNOxの生成を抑える。更に、このバーナの設置位置より上部の火炉壁にアフタエアを供給する燃焼空気供給ポート(アフタエアポートやオーバーエアポートとも呼ばれる)を配置して過剰の空気(アフタエア)を火炉内の燃焼ガス中に投入して完全燃焼させ、COと未燃分の生成を低減させる燃焼方式となっている。ところで、前記燃焼空気供給ポートは、通常、一体の構造物として製作されているので、長期間使用していると火炉の燃焼ガスの輻射熱の影響や灰付着によって燃焼空気供給ポートを構成する色々な箇所に損耗が生じる。このため、損耗した燃焼空気供給ポート全体を交換したり、補修のためのメンテナンスを行う必要がある。ところで、燃焼空気供給ポートの交換、或いは補修には、燃焼空気供給ポートが一体構造物であるため、ボイラの火炉壁に取り付けられた燃焼空気供給ポートを収容するウインドボックスの背面側と火炉壁の内側との両側から交換、或いは補修作業を行う必要がある。よって、燃焼空気供給ポートの交換や補修作業は、通常、定期検査など、ボイラを長期間運転を停止する際に実施せざるを得なかった。
特許文献1は燃料を燃焼するバーナを対象としたものであるが、このバーナ全体を台車に載置して、ボイラの火炉壁に設置したウインドボックスの背面側からレールを利用して台車ごとバーナを引出し、新しいバーナを台車に載せ替えて交換する技術が開示されている。
特開平9−264509号公報(第1図)
微粉炭焚きボイラの火炉を構成する火炉壁からアフタエアである燃焼用空気を供給する燃焼空気供給ポートは、空気供給ポートからの空気の供給方法やボイラの燃焼条件によって輻射熱の作用で損耗する燃焼空気供給ポートの部分が異なってくる。燃焼空気供給ポートは重量のある大きな構造物であるため、燃焼空気供給ポートを交換、或いは補修作業をする場合に、損耗する燃焼空気供給ポートの部分によってはウインドボックスの背面側だけでなく、ボイラの火炉内側からも作業を行う必要があった。特に火炉内側から交換、或いは補修作業を行う場合には、燃焼空気供給ポートは高所にあるため大きな足場を組む必要があり、作業が大掛かりにならざるを得なかった。
しかしながら、大きな構造物の燃焼空気供給ポートの全体を載置する交換用の大型の台車とレールを備えると、燃焼空気供給ポートを収容するウインドボックスの構造がますます大型化せざるを得なくなる。
本発明の目的は、燃焼空気供給ポート全体を積載する大型の台車や足場を用いずにコンパクトな構造のウインドボックスによって該ウインドボックスの背面側から燃焼空気供給ポートの損耗箇所の交換、或いは補修を容易に行えるようにした燃焼空気供給ポートを提供することにある。
本発明の燃焼空気供給ポートは、燃焼空気供給ポートを外部から空気が供給されるウインドボックスの内部に配置し、前記ウインドボックスの背面側に開口部を形成すると共に該開口部を覆うフランジ部材を着脱自在に取り付け、複数の空気ノズルのうち内側に配設された燃焼用1次空気を供給する1次空気ノズルを分割構成し、分割構成された火炉側の1次空気ノズル先端部は軸方向に移動可能に配設し、分割構成されたウインドボックス背面側の1次空気ノズル後端部はその内側を前記1次空気ノズル先端部が軸方向に移動可能に配設して該ウインドボックス背面側に取り付け、前記1次空気ノズル先端部はその内側に該1次空気ノズル先端部を支持して軸方向に移動させる支持部材を配設し、前記開口部は前記1次空気ノズル先端部がウインドボックスの外側との間で搬出、搬入可能な大きさに形成するように構成したことを特徴とする。
本発明によれば、燃焼空気供給ポート全体を積載する大型の台車や足場を用いずにコンパクトな構造のウインドボックスによって該ウインドボックスの背面側から燃焼空気供給ポートの損耗箇所の交換、或いは補修を容易に行い得るようにした燃焼空気供給ポートが実現できる。
以下、図面を用いて、本発明の一実施例である燃焼空気供給ポートを備えた微粉炭焚きボイラについて説明する。
図1は、本発明の一実施例である石炭火力発電所に用いられる二段燃焼方式の微粉炭焚きボイラ100の概略構成を示している。微粉炭焚きボイラ100の火炉102を構成する火炉壁101には複数個のバーナ1が設置されている。このバーナ1は、配管2を通じて供給された燃料の微粉炭2aを、配管72を通じて供給される燃焼用空気62aと共に燃料過剰の状態で不完全燃焼させて火炉102内で火炎1aを形成させる。そして、火炉102内を流下する燃焼ガス1bが局部的に高温度になるのを防止してNOxの生成を抑えている。
前記バーナ1の下流側となるバーナ1の設置位置より上部に位置する火炉壁101には、アフタエアを供給する燃焼空気供給装置を構成する燃焼空気供給ポート40が設置されており、この燃焼空気供給ポート40を通じて過剰の空気(アフタエア)を火炉102内の燃焼ガス1b中に投入して完全燃焼させ、燃焼ガス1b中のCOと未燃分の生成を低減させている。前記燃焼空気供給ポート40は、火炉壁101に取り付けられた箱型のウインドボックス50の内部に配置されており、空気供給ポート40から火炉102に噴出するアフタエアとして使用される燃焼用1次空気7a、燃焼用2次空気16a及び燃焼用3次空気22aは、外部の空気源から導かれて配管73に設けた空気流量調整器84で配分され、配管61、配管62及び63を通じて前記ウインドボックス50に夫々供給されている。
外部の空気源からバーナ1及び燃焼空気供給ポート40に供給される燃焼用空気の供給系統を簡単に説明すると、外部から導かれた燃焼用空気61aは、空気流量調整器81によって配管72を流下するバーナ用の燃焼空気62aと、配管73を流下するアフタエア用の燃焼空気63aとに配分される。前記バーナ用の燃焼空気62aは、配管72に設けた空気流量調整器82を経て火炉壁101に取り付けられたバーナ用のウインドボックス4に供給されている。また、前記アフタエア用の燃焼空気63aは、配管73に設けた空気流量調整器84を経て配管61を流れる燃焼用1次空気7a、配管62を流れる燃焼用2次空気16a及び63を流れる燃焼用3次空気22aに夫々配分されて火炉壁101に取り付けたアフタエア用のウインドボックス50に供給される構成となっている。
図2は、アフタエア用のウインドボックス50に設けられた燃焼空気供給ポート40の詳細構造を示す断面図である。ここでは、石炭火力発電所の微粉炭焚きボイラ100に設置した燃焼空気供給ポート40の場合について説明する。図2において、燃焼空気供給ポート40は、二段燃焼方式の微粉炭焚きボイラ100の火炉壁101に設置されているが、この火炉壁101は複数配列された水管3を主体に構成されており、ボイラの火炉102の内部で生成する燃焼ガス1bの熱で前記水管3を流れる給水を加熱して熱を回収している。火炉壁101に開口した燃焼空気供給ポート40の開口部40aの近傍では、前記水管3が燃焼空気供給ポート40の開口部40aを塞がないようにして配列されている。
この燃焼空気供給ポート40は、火炉壁101に取り付けたアフタエア用のウインドボックス50の内部に設置されている。ボイラ100に供給されるアフタエア空気は、全てウインドボックス50に供給されて燃焼空気供給ポート40の開口部40aから火炉102の内部に噴出される。前記燃焼空気供給ポート40では、燃焼空気である燃焼用1次空気7a、燃焼用2次空気16a、及び燃焼用3次空気22aが、夫々同心円状に順次配置された3つの流路7、流路16及び流路22を通じて流下させて燃焼空気供給ポート40の開口部40aから火炉102内に噴出される。前記3つの流路は、軸心側から半径方向外側に向かって、1次空気流路7、2次空気流路16、及び3次空気流路22の順で位置するように流路の外径を異ならせて順次配置している。そして、前記1次空気流路7を流れる燃焼用1次空気7aは直進流として、2次空気流路16を流れる燃焼用2次空気16aは該2次空気流路16内に設置した2次空気レジスタ羽根14によって旋回流として、3次空気流路22を流れる燃焼用3次空気22aは径方向外方から中心軸方向に向かう流れとして夫々燃焼空気供給ポート40の開口部40aに供給され、火炉102の内部に噴出される。
次にアフタエアを微粉炭焚きボイラ100の火炉102に供給する燃焼空気供給装置である燃焼空気供給ポート40を構成する構造の詳細について説明する。燃焼空気供給ポート40は、大きく分けて二つの構造物から構成されている。その構造物の一方は、燃焼用1次空気7aを流す1次空気流路7となるように水平方向の軸心に沿って配置された1次空気ノズル9を構成する1次空気ノズル先端部9aである。この1次空気ノズル先端部9aは、微粉炭焚きボイラ100の火炉102の内部に形成される火炎1bからの輻射熱によって熱変形や溶損を生じやすく、最も補修やメンテナンスが必要な部品である。
そこで、本実施例では、図2、及び図2のA−A方向矢視図である図3に示すように、1次空気ノズル9を分割して構成し、火炉102側となる分割された1次空気ノズル先端部9aは水平方向の軸心に沿った円筒状の軸方向に移動可能な構成とし、この1次空気ノズル先端部9aのウインドボックス背面51側となる分割された1次空気ノズル後端部9bは同じく円筒状に形成してウインドボックス50の背面板51に溶接等で取り付ける構造とした。
そのため、ウインドボックス背面板51に、1次空気ノズル先端部9aを搬入、搬出できる大きさの開口部54aを形成しておき、この開口部54aに該開口部54aを覆う大きさの1次空気ノズル交換用のフランジ54を、ボルトナット53によって着脱可能に固定して該開口部54aをボイラの通常運転時はシールしている。フランジ54の中心位置には小さな穴が開けてあり、1次空気ノズルノズル先端部9aを支持棒10で支持して軸方向に移動操作できるように、前記支持棒10の一端がフランジ54を貫通して突出するように配置している。前記1次空気ノズル先端部9aの内周壁は、該1次空気ノズル先端部9aの軸心方向に沿って配設された支持棒10の2箇所に設けた支持リング11の外周部と固定されており、1次空気ノズル先端部9aの全体をこの支持棒10で支持するように構成している。
上記のように構成したことにより、交換或いは補修が必要となった1次空気ノズル9を構成する1次空気ノズル先端部9aは、まず、ボルトナット53を緩めてウインドボックス50の背面板51に設置した1次空気ノズル交換用フランジ54を取り外して開口部54aを開放し、次に、支持棒10を操作して1次空気ノズル先端部9aを該開口部54aからウインドボックス50の外部に取り出す。その後、交換した新しい1次空気ノズル先端部9a或いは補修作業を行った1次空気ノズル先端部9aは、支持棒10を操作して該開口部54aを通じてウインドボックス50に入れられて所定の位置に配置される。
また、ウインドボックス50の背面側から火炉102に面する1次空気ノズル先端部9aの最先端9cの位置を微調整できるように、ウインドボックス50に設置した1次空気ノズル交換用フランジ54を貫通して配置された支持棒10の端部には1次空気ノズル先端部9aの軸方向の位置を調節する調整ハンドル10aが設けられている。したがって、微粉炭焚きボイラ100の火炉102から排出される燃焼排ガス1c中のNOx濃度やCO濃度を低減する燃焼用1次空気7a、燃焼用2次空気16a及び燃焼用3次空気22aの流量配分に対応した1次空気ノズル先端部9aの最先端9cの位置を、調整ハンドル10aを操作して1次空気ノズル先端部9aを軸心方向に移動して前記最先端9cが最適位置となるように調整することが可能となる。
燃焼空気供給ポート40の構造物の他方は、1次空気ノズル先端部9a以外の部分であり、ウインドボックス背面板51側に設置された1次空気ノズル背面部9bである。この1次空気ノズル背面部9bは1次空気ノズル9を分割構成したものでもあり、円筒形状に形成されて、同じく円筒状の前記1次空気ノズル先端部9aを1次空気ノズル背面部9bの内側を軸方向に移動できるように支持して、1次空気ノズル背面部9bの内周壁と1次空気ノズル先端部9aの外周壁との間に若干の間隙を持たせて配設しているので、1次空気ノズル先端部9aは1次空気ノズル背面部9bの内側を摺動可能となる。
そして、前記1次空気ノズル背面部9bの後端は、ウインドボックス背面板51に溶接等により固定されている。また、前記1次空気ノズル背面部9bの胴体には燃焼用1次空気7aを導く開口部7bと、該開口部7bに近接して円筒状の1次空気ダンパ8が配置されている。この1次空気ノズル背面部9bの軸方向先端は、燃焼用2次空気16aを流下する2次空気流路16を区画する部材となる円盤状の2次空気ノズル背面部17の内径側と溶接等により固定される。2次空気流路16の上流側で、半径方向外方に開口した円環状の開口部16bには燃焼用2次空気16aを案内する2次ノズルガイドプレート43が流路内で円周方向に沿って相互に離間して位置するように、該2次ノズルガイドプレート43を前記2次空気ノズル背面部17及び該2次空気ノズル背面部17に対向する円環状の2次空気ノズル側面部18bとに夫々溶接等により固定する。
この円環状の2次空気ノズル側面部18bは、2次空気流路16を区画する部材となる円筒状の2次空気ノズル18の後端に溶接等により固定される。そして、2次ノズルガイドプレート43の下流側の2次空気流路16には、燃焼用2次空気16aに旋回流を与える2次空気レジスタ羽根14が複数配置されている。また、円筒状の2次空気ノズル先端部18は1次空気ノズル先端部9aの半径方向外方側に同芯状に配設されており、この2次空気ノズル先端部18の内周壁には、2次空気ノズル先端部ガイドリング12が溶接等により固定されている。この2次空気ノズル先端部ガイドリング12は、1次空気ノズル先端部9aが軸方向に移動可能なように該1次空気ノズル先端部9aの外周壁とは溶接されていず、1次空気ノズル先端部9の振れ止めと位置決めに用いられる。また、前記2次空気ノズル先端部18の最下流部は、燃焼用3次空気22aを流下する3次空気流路22を区画する部材である円錐台状の3次空気ノズル背面部19の内径側と溶接等により固定される。
前記3次空気流路22の上流側で、半径方向外方に開口した円環状の開口部22bには燃焼用3次空気22aを案内する複数の3次ノズルガイドプレート44が流路内で円周方向に沿って相互に離間して位置するように、該3次ノズルガイドプレート44を前記3次空気ノズル背面部19及び該3次空気ノズル背面部19に対向して配置された円錐台状のノズル先端部23aとなる3次空気ノズル23とに夫々溶接等により固定する。この円錐台状の3次空気ノズル先端部23a及び3次空気ノズル背面部19との間で、燃焼用3次空気22aを流下させる3次空気流路22となる3次空気ノズル23が区画されている。
前記した1次空気流路7の1次空気ノズル9a、2次空気流路16の2次空気ノズル18及び3次空気流路22の3次空気ノズル23の各最下流は燃焼空気供給ポート40の開口部40aにて合流するように配置されているので、この開口部40aにおいて前記2次空気流路16及び3次空気流路22の各開口部の形状が円形状の1次空気流路7と同芯の円環形状となって開口していることになる。
そして、前記1次空気流路7の1次空気ノズル9、2次空気流路16の2次空気ノズル18、及び3次空気流路22の1次空気ノズル23を夫々流れる燃焼用1次空気7a、燃焼用2次空気12a、燃焼用3次空気22aの各流量の調整は、ウインドボックス50内における1次空気流路7、2次空気流路16及び3次空気流路22の最上流側の開口部7b、16b、22bに近接して設置された円筒状の1次空気ダンパ8、円環状の2次空気ダンパ15及び円環状の3次空気ダンパ21の各位置を、図示していない移動装置により夫々移動させて前記各開口部7b、16b、22bの開度調整を行うことで各流量の調整がなされる。
本実施例は、燃焼空気供給ポート40をひとつの構造物として製作、据付している既存の燃焼装置にも適用できるものとなる。例えば、1次空気ノズル先端部9を前述した実施例のように、支持棒10で支持されて軸心方向に移動可能な火炉102側の1次空気ノズル先端部9aと、ウインドボックス背面板51側の1次空気ノズル背面部9bとに分けて製作し、ウインドボックス50の背面側となるウインドボックス背面板51を改造してウインドボックス背面板51に形成した開口部54aを覆う着脱自在の1次空気ノズル交換用フランジ54を設けるようにすれば、1次空気ノズル先端部9aが損耗した場合に、前記開口部54aを通じてウインドボックス背面板51側から前記1次空気ノズル先端部9aを容易に交換或いは補修することが出来る。
本実施例によれば、燃焼空気供給ポート全体を積載する大型の台車や足場を用いずにコンパクトな構造のウインドボックスによって該ウインドボックスの背面側から燃焼空気供給ポートの損耗箇所の交換、或いは補修を容易に行い得るようにした燃焼用空気供給ポート及び燃焼用空気供給ポートを備えた微粉炭焚きボイラが実現できるという本発明と同様の作用効果を奏することが可能となる。
図4は、本発明の実施例である石炭火力発電所に用いられる微粉炭焚きボイラのアフタエア用のウインドボックス50に設けられた燃焼空気供給ポート40の他の実施形態を示す。本実施例2では、図2に示した実施例1と基本構成は共通であるので、共通の構成についてはその説明を省略し、相違する部分についてのみ説明する。
本実施例は、燃焼空気供給ポート40に設けられた3次空気流路22の上流側に開口した開口部22bの開口形状と3次空気ダンパ21の配置方向を変更した構成である。即ち、燃焼用3次空気22aを3次空気流路22に導く開口部22bが、実施例1の如く1次空気ノズル9の半径方向外方に向かって開口した構成とは異なって、1次空気ノズル9の軸心方向に沿ってウインドボックス背面側51に向かって開口した開口部22bの構成となっており、3次空気流路22の開口部22bの開口面積を調節する3次空気ダンパ21が該1次空気ノズル9の軸心と直交する方向に上下にスライドする構造となっている。
本実施例では開口部22bが1次空気ノズル9の軸心方向に沿って開口しているので、開口部22bを通じて3次空気ノズル23の3次空気流路22内に流入した軸心方向に向かう3次空気流路22を流下する燃焼用3次空気22aは、円錐台形状に配設された3次空気ノズル先端部23aの内壁が磨耗する恐れがある。よって、3次空気流路22を形成する前記3次空気ノズル23を構成する3次空気ノズル先端部23aの板厚を、3次空気ノズル23を構成するウインドボックス背面側51となる3次空気ノズル背面部19の板厚よりも肉厚に形成して、3次空気ノズル23が燃焼用3次空気22aによる磨耗に対する耐久性を高めて耐用年数を延命化するものである。
本実施例では、前記3次空気ダンパ21をウインドボックス天板52に設置した図示していない操作機構を介してスライドさせるよう操作することも可能である。本実施例は、ウインドボックス背面板51側に、1次空気ノズル交換用フランジ54、1次空気ノズル先端部9aの軸方向の位置を調節する調整ハンドル10aなどの部品を取り付けて、ウインドボックス背面板51側から3次空気ダンパ21を操作することが難しい場合に適用すれば、ウインドボックス天板52側から3次空気ダンパ21を操作することが容易となる。本実施例においても本発明と同様の作用効果を奏することが出来る。
図5は、本発明の実施例である石炭火力発電所に用いられる微粉炭焚きボイラのアフタエア用のウインドボックス50に設けられた燃焼空気供給ポート40の別の実施形態を示す。本実施例3では、図2に示した実施例1と基本構成は共通であるので、共通の構成についてはその説明を省略し、相違する部分についてのみ説明する。
本実施例では、2次空気ノズル18と、3次空気ノズル23の取り付け構造を変更した構成である。即ち、燃焼空気供給ポート40を構成する全部品を複数の構造物、例えば4つの構造物に分割して構成し、これらのうち、任意の構造物を、ウインドボックス背面板51側から搬出、搬入させて該構造物を交換、或いはメンテナンス可能にした構成である。
詳細に説明すると、燃焼空気供給ポート40を分解可能な4つの構造物に分割して構成したものである。そして、4分割構成した1つ目の構造物は、図2に示した実施例1と同じ構成の1次空気ノズル9であり、この1次空気ノズル9を、支持棒10に固定されて軸方向に移動可能な1次空気ノズル先端部9aと、ウインドボックス背面板51に固定された1次空気ノズル背面部9bとに分けて分割構成したものである。尚、前記1次空気ノズル9の構成については、前述した第1実施例と同じであるので説明は省略する。
そして、本実施例では、ウインドボックス背面板51に、1次空気ノズル9の軸心と直交する高さ方向及び幅方向の燃焼空気供給ポート40の最大寸法よりも大きな寸法の開口部55aが形成されている。ボイラ100の通常運転時は、着脱自在の大型のフランジ55をボルトナット53によってウインドボックス背面板51に取り付けて前記開口部55aを塞いでいる。そして、燃焼空気供給ポート40を構成する部品に焼損が生じた場合に、この開口部55aを通じて、必要に応じて燃焼空気供給ポート40を構成する分割構成された複数の構造物毎に、例えば1次空気ノズル9を構成する1次空気ノズル先端部9aの構造物だけを、或いは1次空気ノズル先端部9aの構造物と2次空気流路16の2次空気ノズル18を構成する構造物を、或いは1次空気ノズル先端部9a、2次空気流路16の2次空気ノズル18、及び3次空気流路22を構成する3次空気ノズル23の構造物の全部品まで含めた任意の数の構造物を、ウインドボックス背面板51の前記開口部55aを通じて搬出、搬入させてこれら分割構成された任意の構造物の交換或いはメンテナンス作業を行うように構成したものである。
燃焼空気供給ポート40を4分割構成した2つ目の構造物は、1次空気ノズル9を構成する1次空気ノズル背面部9bと2次空気ノズル18を構成する2次空気ノズル背面部17である。前記1次空気ノズル背面部9bは、フランジ55に溶接等により固着される。一方、1次空気ノズル背面部9bの先端は、2次空気ノズル18を構成する円盤状の2次空気ノズル背面部17と溶接等により固着される。尚、本実施例では前記2次空気ノズル18の開口部16bから2次ノズルガイドプレート43を取り除いた構成になっている。よって、これら1次空気ノズル背面部9bと2次空気ノズル背面部17は、ひとつの構造物としてフランジ55に支持されているので、前記フランジ55を開閉すれば、前記開口部55aを通じて1つ目の構造物を搬出した後に、前記2つ目の構造物である1次空気ノズル背面部9bと2次空気ノズル背面部17を、前記開口部55aを通じて交換、或いはメンテナンス作業が可能となる。
燃焼空気供給ポート40を4分割構成した3つ目の構造物は、2次空気ノズル18を構成する円環状の2次空気ノズル側面部18bと3次空気ノズル23を構成する円錐台状の3次空気ノズル背面部19である。前記2次空気ノズル側面部18bはその半径方向外縁部を、固定冶具27を用いて、ウインドボックス天板52及び空気ポート支持柱58に夫々ボルト締めされて支持、固定されている。尚、本実施例では前記3次空気ノズル23の開口部22bから3次ノズルガイドプレート44を取り除いた構成になっている。
よって、これら2次空気ノズル側面部18bと3次空気ノズル背面部19は、ひとつの構造物として構成されているので、固定冶具27のボルト締めを外して前記フランジ55を開閉すれば、1つ目乃至2つ目の構造物を開口部55aを通じて搬出した後に、前記3つ目の構造物である2次空気ノズル側面部18bと3次空気ノズル背面部19を、前記開口部55aを通じて交換、或いはメンテナンス作業が可能となる。
燃焼空気供給ポート40を4分割に構成した4つ目の構造物は、3次空気ノズル23を構成する3次空気ノズル先端部23aである。この構造物の3次空気ノズル先端部23aは円錐台状に形成されており、この3次空気ノズル先端部23aの半径方向外縁部を、3次空気ノズル先端部固定冶具26を用いて、ウインドボックス天板52及び空気ポート支持柱58にボルト締めされて支持、固定されている。よって、この3次空気ノズル先端部23aの構造物は、固定冶具26のボルト締めを外して、前記フランジ55を開閉すれば、1つ目乃至3つ目の構造物を開口部55aを通じて搬出した後に、前記開口部55aを通じて前記4つ目の構造物である3次空気ノズル先端部23aの交換、或いはメンテナンス作業が可能となる。
尚、上記した各分割構造の構造物の移動、据付に際しては、ウインドボックス50内にチェーンブロックや台車などの移動手段を別途備えていると、作業がより安全で簡単に実施できる。また、固定冶具27及び固定冶具26を、ウインドボックス天板52及び空気ポート支持柱58に取り付けるに際して、ボルト貫通用の穴を複数設けたり、ボルト貫通用の穴を楕円状として、ボルトの取り付け位置を左右に移動可能にしておくと更に使い勝手が良くなる。これは、燃焼用3次空気22aの流路幅(すなわち流速)や、燃焼用2次空気16aの旋回流が調整可能となるためである。
また、本実施例は、燃焼空気供給ポート40の全体構造を1つの構造物として製作、据付している既存の燃焼装置にも適用できる。例えば、定期検査などで燃焼空気供給ポート40を交換する際に、次の手順で改造すればよい。まず、ウインドボックス背面板51を改造して小さな開口部54aと、大きな開口部55aと、該開口部54aを塞ぐ1次空気ノズル交換用の小型のフランジ54と、該開口部55aを塞ぐ2次空気ノズル、3次空気ノズル交換用の大型のフランジ55を夫々設ける。次に、ウインドボックス天板52にボルト穴を設け、固定冶具27及び固定冶具32をボルト等で締め付けて取り付けるようにする。空気ポート支柱58がない場合には、これを設置して、ウインドボックス天板52と同様にボルト穴を設ける。また、ウインドボックス天板52に燃焼空気供給ポート40の各部品の解体、据付を補助する吊りフックなどを設けておくとよい。その後、前記フランジ55を開閉して開口部55aから取り出して燃焼空気供給ポート40を、新しい燃焼空気供給ポート40に交換、或いは補修して元の場所に設置すれば良い。
本実施例によれば、前記開口部55aを通じてウインドボックス背面板51側から、4分割に構成した燃焼空気供給ポート40の各構成物を交換、或いはメンテナンス作業することが出来るので、本実施例でも本発明と同様の作用効果を奏することが可能となる。
図6は、本発明の実施例である石炭火力発電所に用いられる微粉炭焚きボイラのアフタエア用のウインドボックス50に設けられた燃焼空気供給ポート40の他の実施形態を示す。本実施例4も図2に示した実施例1と基本構成は共通であるので、共通の構成についてはその説明を省略し、相違する部分についてのみ説明する。
本実施例は、実施例3に記載した燃焼空気供給ポート40から、分割構造物を構成する2次空気ノズル18と3次空気ノズル23の取り付け構造を変更した構成である。本実施例は、3次空気ノズル背面部19の重量が重かったり、円筒状の2次空気ノズル18が軸方向寸法が長くて、固定冶具27による一点支持では支持が不安定な場合に有効である。本実施例の燃焼空気供給ポート40は、前述した図5に示す実施例3と同様に4分割された構造物から構成されている。実施例3と相違する構成は、2次空気ノズル18を構成する円環状の2次空気ノズル側面部18bと3次空気ノズル23を構成する円錐台状の3次空気ノズル背面部19からなる3つ目の構造物の取り付け構造である。即ち、本実施例では、3つ目の構造物を2箇所で支持できるように構成した。2次空気ノズル18の2次空気ノズル側面部18bは固定冶具27によって、また、3次空気ノズル23の3次空気ノズル背面部19は固定冶具32によって、夫々ウインドボックス天板52及び空気ポート支持柱58にボルト締めされて支持・固定されている。この3つ目の構造物である2次空気ノズル側面部18bと3次空気ノズル背面部19の交換、或いはメンテナンス作業は、実施例3の場合と同様に、ウインドボックス背面板51に着脱可能に取り付けた前記フランジ55を開閉して、1つ目乃至2つ目の構造物を開口部55aを通じて搬出した後に、前記開口部55aを通じて3つ目の構造物の交換、或いはメンテナンス作業が行なわれる。尚、1つ目の構造物、1つ目乃至2つ目の構造物の交換、或いはメンテナンス作業は図5に示した実施例3と同様であるので説明を省略する。
また、4つ目の構造物である3次空気ノズル先端部23aについては、固定冶具26を用いてウインドボックス天板52及び空気ポート支持柱58にボルト締めすることにより、支持、固定される。この4つ目の構造物の支持方法は、実施例3と似ているが、3次空気ノズル先端部23aと固定冶具26の接続部が実施例3と異なっており、本実施例では最も下流側(ボイラ100の火炉102側)に位置している。これは、固定冶具32を設置したことにより、ストローク確保のために3次空気ダンパ21の可動方向を、実施例3と逆方向に移動するようにしたことによる。ここで、3次空気ノズル先端部23aと固定冶具26の接続方法は、ボルト締め、溶接のどちらでも良い。
よって、前記4つ目の構造物である3次空気ノズル先端部23aの交換、或いはメンテナンス作業は、固定冶具26のボルト締めを外して、前記フランジ55を開閉すれば、前記開口部55aを通じて3次空気ノズル先端部23aの交換、或いはメンテナンス作業が可能となる。
本実施例によれば、前記開口部55aを通じてウインドボックス背面板51側から、図5に示す実施例3と同様に4分割に構成した燃焼空気供給ポート40の各構成物を交換、或いはメンテナンス作業することが出来るので、本実施例でも本発明と同様の作用効果を奏することが可能となる。
図7は、本発明の実施例である石炭火力発電所に用いられる微粉炭焚きボイラのアフタエア用のウインドボックス50に設けられた燃焼空気供給ポート40の他の実施形態を示す。本実施例5も図2に示した実施例1と基本構成は共通であるので、共通の構成についてはその説明を省略し、相違する部分についてのみ説明する。
本実施例は、実施例1に記載した燃焼空気供給ポート40の1次空気ノズル9を構成する1次空気ノズル先端部9aを長寿命化させ、メンテナンスコストの低減を図るものである。
1次空気ノズル先端部9aの最先端近傍の内壁面に熱電対29を設置し、1次空気ノズル先端部9の金属温度を計測する。熱電対29の設置位置は、ノズル最先端から50〜200mm程度ウインドボックス背面側51に入った所とするのが望ましい。これは、ボイラ100の火炉102内の火炎による輻射熱の影響を軽減するためである。また、配線29bは、1次空気ノズル先端部9aの内壁面及び1次空気ノズル先端部9aの支持棒10に取り付け、ウインドボックス50の外に設けられた温度指示計30に接続すればよい。このように構成したことにより、熱電対29で検出した1次空気ノズル先端部9aの温度が高すぎる場合は、燃焼用1次空気7aの流量を増加させるか、10を操作して1次空気ノズル先端部9aを軸方向に移動調整して1次空気ノズル先端部9aの最先端位置をウインドボックス背面側51の方向に引っ込めて最高でも900℃未満の所望の温度となるようにすることで、1次空気ノズル先端部9aの長寿命化を図れる。ここで、1次空気ノズル先端部9aの上限温度は、1次空気ノズル先端部9の材料が炭素鋼やステンレス系材料の場合は約400〜500度、インコネルやハステロイ系材料の場合でも約800〜900度である。また、最も高温となる1次空気ノズル先端部9aの最先端部の温度を計測することで、ノズル材料の熱特性に応じたノズルの交換及びメンテナンス時期の予測も可能となる。
また、本実施例において、1次空気ノズル先端部9aが損耗した場合に、前記開口部54aを通じてウインドボックス背面板51側から前記1次空気ノズル先端部9aを交換、或いは補修する手順は図2に示す実施例1と同様なので説明を省略する。本実施例によれば、本発明と同様の作用効果を奏することが可能となる。
図8は、本発明の実施例である石炭火力発電所に用いられる微粉炭焚きボイラのアフタエア用のウインドボックス50に設けられた燃焼空気供給ポート40の他の実施形態を示す。本実施例6も図2に示した実施例1と基本構成は共通であるので、共通の構成についてはその説明を省略し、相違する部分についてのみ説明する。
本実施例は、実施例1に記載した燃焼空気供給ポート先端部の水管3への燃焼空気(特に燃焼用2次空気16a)の衝突を抑制し、水管3の長寿命化を図るものである。
まず、水管3を、3次空気ノズル先端部23aのスロートの半径方向外側に位置するように配置する。これにより、燃焼用2次空気16a及び燃焼用3次空気22aが直接衝突することによる水管3の磨耗が抑制される。次に、3次空気ノズル先端部23aの最先端部に環状部材31を溶接等により固着しておく。この環状部材31を配置することにより、最も損耗したり灰付着しやすい燃焼空気供給ポート40の開口部40a側の水管3のメンテナンスコストが軽減される。ここで、環状部材31の口径は、3次空気ノズル先端部23aの交換又は補修を考慮して3次空気ノズル先端部23aのスロート径と同径とし、環状部材31が延在する2次空気ノズル18の軸方向に沿った長さは50mm程度でよい。
本実施例においても、1次空気ノズル先端部9aが損耗した場合に、前記開口部54aを通じてウインドボックス背面板51側から前記1次空気ノズル先端部9aを交換、或いは補修する手順は図2に示す実施例1と同様なので説明を省略する。本実施例によれば、本発明と同様の作用効果を奏することが可能となる。
図9は、本発明の実施例である石炭火力発電所に用いられる微粉炭焚きボイラのアフタエア用のウインドボックス50に設けられた燃焼空気供給ポート40の他の実施形態を示す。本実施例7も図2に示した実施例1と基本構成は共通であるので、共通の構成についてはその説明を省略し、相違する部分についてのみ説明する。
本実施例は、実施例1に記載した燃焼空気供給ポート40について、燃焼用3次空気22aによる磨耗に対する耐久性を高めたものである。
図9に示すように、3次空気ダンパ21を経由して半径方向外方に向かって開口した開口部22bを通じて3次空気ノズル23の3次空気流路22内に流入した半径方向内方に向かう燃焼用3次空気22aは、円錐台形状に配設された3次空気ノズル背面部19の内壁面に衝突し、その後、3次空気流路22に沿って流れて燃焼空気供給ポート40の開口部40aの軸芯方向に向かい、該開口部40aからボイラ100の火炉102内に供給される。この場合、3次空気ノズル23の流路面積はノズル先端の開口部40aに近くなるほど減少していくので、燃焼用3次空気22aの流速はノズル先端に近くなるほど増加していく。従って、3次空気ノズル背面部19の内壁は、燃焼用3次空気22aの衝突により磨耗する恐れがある。
そこで、3次空気ノズル背面部19の板厚を、3次空気ノズル先端部23aの板厚よりも肉厚に形成しておくことで、3次空気ノズル23が燃焼用3次空気22aによる磨耗に対する耐久性を高めて耐用年数を延命化するものである。
本実施例においても、1次空気ノズル先端部9aが損耗した場合に、前記開口部54aを通じてウインドボックス背面板51側から前記1次空気ノズル先端部9aを交換、或いは補修する手順は図2に示す実施例1と同様なので説明を省略する。本実施例によれば、本発明と同様の作用効果を奏することが可能となる。
図10は、本発明の実施例である石炭火力発電所に用いられる微粉炭焚きボイラのアフタエア用のウインドボックス50に設けられた燃焼空気供給ポート40の他の実施形態を示す。本実施例8も図2に示した実施例1と基本構成は共通であるので、共通の構成についてはその説明を省略し、相違する部分についてのみ説明する。
本実施例は、実施例1に記載した燃焼空気供給ポート40を構成する3次空気ノズル先端部23aと火炉壁102、水管3との間に伝熱板33を追設し、3次空気ノズル先端部23aの放熱と冷却を促進して3次空気ノズル先端部23aが高温化による損耗を抑制するものである。更に、2次空気ノズル先端部18と3次空気ノズル背面部19との間にも伝熱板34を追設して、2次空気ノズル先端部18と3次空気ノズル背面部19の放熱と冷却を促進し、2次空気ノズル先端部18と3次空気ノズル背面部19が高温化による損耗を抑制するものである。
即ち、前記3次空気ノズル先端部23aの伝熱板33は、3次空気ノズル先端部23、ボイラ側壁102、水管33とに接している。ボイラ100の火炉102からの輻射熱で加熱された3次空気ノズル先端部23aの熱は、3次空気ノズル先端部伝熱板33から放熱してボイラ側壁102及び水管3を通過する冷却水へと伝えられる。これにより、3次空気ノズル先端部23aの放熱が促進され、高温腐食などによる3次空気ノズル先端部23の損耗や灰付着を抑制できる。
また、2次空気ノズル先端部伝熱板34も、3次空気ノズル背面部19と2次空気ノズル先端部18とに接している。これにより、3次空気ノズル背面部19又は2次空気ノズル先端部18で高温な部品の放熱が促進される。
本実施例に記載の燃焼空気供給ポート40の燃焼空気の供給方法として、2次空気16aや3次空気22aの供給を休止させる場合が考えられる。この場合、空気の流れないノズル部品は、ボイラ100の火炉102からの輻射熱を受けて高温化するが、上記実施例のように構成することによって、3次空気ノズル先端部伝熱板33や2次空気ノズル先端部伝熱板34による放熱、冷却によってノズル先端部を輻射熱から保護する効果を促進できる。
本実施例においても、1次空気ノズル先端部9aが損耗した場合に、前記開口部54aを通じてウインドボックス背面板51側から前記1次空気ノズル先端部9aを交換、或いは補修する手順は図2に示す実施例1と同様なので説明を省略する。本実施例によれば、本発明と同様の作用効果を奏することが可能となる。
図11は、本発明の実施例である石炭火力発電所に用いられる微粉炭焚きボイラのアフタエア用のウインドボックス50に設けられた燃焼空気供給ポート40の他の実施形態を示す。本実施例9も図2に示した実施例1と基本構成は共通であるので、共通の構成についてはその説明を省略し、相違する部分についてのみ説明する。
本実施例は、燃焼空気供給ポート40への燃焼空気の供給方法の一例を示している。空気供給ブロワ89から送られた燃焼空気を空気加熱器88で約340℃に加熱し、高温空気供給系統となる配管82を通じてウインドボックス50に供給する。また、空気加熱器88とウインドボックス50の前記配管82の途中にスプレーノズル87を設置し、配管85を通じて供給される水又は水蒸気、或いは配管86を通じて供給される空気又は燃焼排ガスを前記スプレーノズル87から配管82の燃焼用空気中に混合することで、ウインドボックス50に供給される燃焼用空気を冷却する。このことにより、ウインドボックス50から燃焼空気供給ポート40に流下する燃焼用空気の流速を適切に低減して燃焼空気供給ポート40の先端部の磨耗抑制と、燃焼空気供給ポート40の効果的な冷却が促進される。
一方、ボイラ100においても、燃焼用空気の流速を変えることにより燃料の微粉炭との混合状態の調整が可能となる。また、ボイラ100の燃焼排ガスのNOx濃度が高い場合には、配管85を通じて供給される水又は水蒸気を利用して燃焼空気供給ポート40から火炉102内に水分を投入することもできる。これによりボイラ100の火炉102内の燃焼ガスが冷却され、高温場で発生するサーマルNOxを抑制するので、ボイラ100の火炉102で生成される燃焼排ガス中のNOx濃度を低減できるものとなる。
本実施例においても、1次空気ノズル先端部9aが損耗した場合に、前記開口部54aを通じてウインドボックス背面板51側から前記1次空気ノズル先端部9aを交換、或いは補修する手順は図2に示す実施例1と同様なので説明を省略する。本実施例によれば、本発明と同様の作用効果を奏することが可能となる。
図12は、本発明の実施例である石炭火力発電所に用いられる微粉炭焚きボイラのアフタエア用のウインドボックス50に設けられた燃焼空気供給ポート40の他の実施形態を示す。本実施例10も図2に示した実施例1と基本構成は共通であるので、共通の構成についてはその説明を省略し、相違する部分についてのみ説明する。
本実施例も、燃焼空気供給ポート40への燃焼空気の供給方法の一例を示している。空気供給ブロワ89から送られた燃焼空気を空気加熱器88で約340℃に加熱し、高温空気供給系統となる配管82を通じてウインドボックス50に供給する。また、空気加熱器88をバイパスして、低温空気供給系統81となる配管を通じて、ウインドボックス50に燃焼用空気を供給する。前記配管81の低温空気供給系統としては、例えば石炭火力発電所において、燃料の微粉炭を搬送する空気供給系統から分岐しても良い。
本実施例によれば、ウインドボックス50に供給する燃焼用空気の温度を調整できる。燃焼空気供給ポート40から火炉102内に噴出する燃焼用空気の噴出流速や、ボイラ100の燃焼ガス温度が変化するため、ボイラ100の火炉102内での燃料と空気の混合状態やボイラ100の火炉102内の火炎1aの温度も変化する。従って、ボイラ100の火炉102で生成する燃焼排ガス1bのNOx濃度の低減に有効である。また、本実施例は、空気供給ブロワ89、空気加熱器88、及び燃焼用空気を供給する配管を増設することで対応できるものとなる。
本実施例においても、1次空気ノズル先端部9aが損耗した場合に、前記開口部54aを通じてウインドボックス背面板51側から前記1次空気ノズル先端部9aを交換、或いは補修する手順は図2に示す実施例1と同様なので説明を省略する。本実施例によれば、本発明と同様の作用効果を奏することが可能となる。
本発明は、火力発電所などの二段燃焼方式を用いる燃焼装置における燃焼空気供給用ポート、及び燃焼空気供給用ポートを備えた微粉炭焚きボイラに適用できる。
本発明の実施例である石炭火力発電所に用いられる二段燃焼方式の微粉炭焚きボイラを示す概略構造図。 図1の微粉炭焚きボイラに適用されるアフタエア用のウインドボックスに設けられる本発明の燃焼空気供給ポートの一実施例。 本発明の一実施例である燃焼空気供給ポートを示す図2のA−A方向矢視図。 アフタエア用のウインドボックスに設けられる本発明の燃焼空気供給ポートの他の実施例。 アフタエア用のウインドボックスに設けられる本発明の燃焼空気供給ポートの更に他の実施例。 アフタエア用のウインドボックスに設けられる本発明の燃焼空気供給ポートの別の実施例。 アフタエア用のウインドボックスに設けられる本発明の燃焼空気供給ポートの更に別の実施例。 アフタエア用のウインドボックスに設けられる本発明の燃焼空気供給ポートの他の一実施例。 アフタエア用のウインドボックスに設けられる本発明の燃焼空気供給ポートの更に他の一実施例。 アフタエア用のウインドボックスに設けられる本発明の燃焼空気供給ポートの別の一実施例。 アフタエア用のウインドボックスに設けられる本発明の燃焼空気供給ポートの更に別の一実施例。 アフタエア用のウインドボックスに設けられる本発明の燃焼空気供給ポートの更に他の例を示す一実施例。
符号の説明
1:バーナ、100:ボイラ、101:火炉壁、102:火炉、3:水管、50:ウインドボックス、51:ウインドボックス背面板、7a:1次空気、7b、16b、22b:開口部、8:1次空気ダンパ、9a:1次空気ノズル先端部、9b:1次空気ノズル背面部、10:支持棒、11:支持リング、12:ガイドリング、13:調整ハンドル、14:2次空気レジスタ羽根、15:2次空気ダンパ、16a:2次空気、17:2次空気ノズル背面部、18:2次空気ノズル先端部、19:3次空気ノズル背面部、21:3次空気ダンパ、22a:3次空気、23a:3次空気ノズル先端部、26、27、32:固定冶具、29:熱電対、30:温度指示計、31:環状部材、33、34:伝熱板、40:燃焼空気供給ポート、40a:開口部、54、55:フランジ、58:空気ポート支持柱、87:スプレーノズル、88:空気加熱器、89:空気供給ブロワ、82:高温空気供給系統、81:低温空気供給系統、85、86:配管。

Claims (4)

  1. 微粉炭焚きボイラの火炉壁に設置され、該微粉炭焚きボイラの火炉内に燃焼用空気を供給する複数の空気ノズルを配置した燃焼空気供給ポートにおいて、前記燃焼空気供給ポートを外部から空気が供給されるウインドボックスの内部に配置し、前記ウインドボックスの背面側に開口部を形成すると共に該開口部を覆うフランジ部材を着脱自在に取り付け、前記複数の空気ノズルのうち内側に配設された燃焼用1次空気を供給する1次空気ノズルを分割構成し、分割構成された火炉側の1次空気ノズル先端部は軸方向に移動可能に配設し、分割構成されたウインドボックス背面側の1次空気ノズル後端部はその内側を前記1次空気ノズル先端部が軸方向に移動可能に配設して該ウインドボックス背面側に取り付け、前記1次空気ノズル先端部はその内側に該1次空気ノズル先端部を支持して軸方向に移動させる支持部材を配設し、前記開口部は前記1次空気ノズル先端部がウインドボックスの外側との間で搬出、搬入可能な大きさに形成されていることを特徴とする燃焼空気供給ポート。
  2. 請求項1の燃焼空気供給ポートにおいて、1次空気ノズル先端部を支持して軸方向に移動させる支持部材を操作する持具をウインドボックス背面側に配置して1次空気ノズル先端部の先端位置を調整するように構成したことを特徴とする燃焼空気供給ポート。
  3. 請求項1の燃焼空気供給ポートにおいて、外部からウインドボックスに供給する燃焼用空気の経路に空気加熱装置を設置して該空気加熱装置で加熱された燃焼用空気をウインドボックスに供給するように構成し、更に前記空気加熱装置の上流側から分岐して該空気加熱装置をバイパスした加熱前の燃焼用空気を前記ウインドボックスに供給する別の経路を配設したことを特徴とする燃焼空気供給ポート。
  4. 請求項1の燃焼空気供給ポートにおいて、外部からウインドボックスに供給する燃焼用空気の経路の途中に、水又は蒸気、或いは空気又は燃焼排ガスを注入する注入ノズルを配設したことを特徴とする燃焼空気供給ポート。
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