JP3202489U - 燃焼バーナ及びボイラ - Google Patents

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Abstract

【課題】燃焼バーナ及びボイラにおいて、熱変形による損傷を抑制すると共に部品点数の増加を抑制する。【解決手段】前部内側ノズル51と、前部内側ノズル51の外側に隙間S1,S2,S3,S4を空けて配置される前部外側ノズル52と、前部内側ノズル51と前部外側ノズル52とを結合する複数の前部結合部材53,54と、前部内側ノズル51の後方に連結される後部内側ノズルと、前部外側ノズル52の後方で且つ後部内側ノズルの外側に隙間を空けて配置される後部外側ノズルとを備え、前部結合部材53は、前部内側ノズル51と前部外側ノズル52との前部の上部隙間S1,および前部の下部隙間S2のそれぞれ水平方向における中間領域に配置している。中間領域は、前部の上部隙間S1および前部の下部隙間S2の水平方向の隙間長に対して、隙間長の中間位置から隙間長の10%を水平方向の両方に設けた範囲である。【選択図】図1

Description

本考案は、燃料と空気を混合して燃焼させる燃焼バーナ、この燃焼バーナにより発生した燃焼ガスにより蒸気を生成するボイラに関するものである。
従来の石炭焚きボイラの燃焼バーナとしては、例えば、下記特許文献1,2に記載されたものがある。各特許文献に記載された燃焼バーナは、一次前部ノズル(以下、前部内側ノズル)の外周側に二次前部ノズル(以下、前部外側ノズル)を配置することで、前部内側ノズルにより微粉炭と燃焼用空気を混合した燃料流路を形成すると共に、前部内側ノズルと前部外側ノズルの間に二次空気流路を形成するものである。
特開2014−105931号公報 実開平01−081414号公報
このように構成された燃焼バーナは、ボイラの運転時に、火炉内での燃焼ガスにより高温になることから、前部内側ノズルと前部外側ノズルに熱伸びが発生する。そして、前部内側ノズルと前部外側ノズルは、前述したように、二重の筒形状をなすことから、前部内側ノズルと前部外側ノズルとの間に温度差が生じて両者の間で熱伸び差が発生する。この前部内側ノズルと前部外側ノズルは、二次空気流路を確保するため、一般的に両者の間に複数の結合部を設けている。例えば、前部内側ノズルと前部外側ノズルは、鉛直方向の上部及び鉛直方向の下部にて、複数の結合部が水平方向に沿って所定間隔で設けられると共に、水平方向左右の各側部にて、複数の結合部が鉛直方向に沿って所定間隔で設けられる。そのため、前部内側ノズルと前部外側ノズルとの間に熱伸び差が発生すると、前部内側ノズルと前部外側ノズルは、各結合部を基点として変形し、破損が生じるおそれがある。
上述した特許文献1の燃焼バーナでは、前部内側ノズルと前部外側ノズルを水平方向左右の各側部で複数の結合部により結合する一方、鉛直方向の上部及び鉛直方向の下部で結合しないことで、前部内側ノズルと前部外側ノズルの熱伸び差による変形や破損を防止している。しかし、前部内側ノズルと前部外側ノズルにおける鉛直方向の上部と鉛直方向の下部で両者を結合しないと、熱変形により前部外側ノズルにたわみが発生し、二次空気流路の流路面積を確保することができない。また、前部内側ノズルと前部外側ノズルとを別部品とすると、燃焼バーナを組付けるときの部品点数が増加し、各部品の管理が煩雑となってコスト増を招いてしまう。一方、特許文献2に記載された微粉炭バーナノズルは、前部内側ノズルと前部外側ノズルとを鉛直方向の上部と鉛直方向の下部と水平左右の各側部で係合部により結合している。この場合、微粉炭バーナノズルは、長期の使用により前部内側ノズルや前部外側ノズルの先端部が熱損傷を受けて交換が必要なとき、微粉炭バーナノズル全体を交換しなければならず、交換コストが増加してしまう。
本考案は上述した課題を解決するものであり、燃焼バーナの前部ノズルの熱変形による損傷を抑制する燃焼バーナ及びボイラを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本考案の燃焼バーナは、前部内側ノズルと、前記前部内側ノズルの外側に鉛直上側に上部隙間と鉛直下側に下部隙間を空けて配置される前部外側ノズルと、前記前部内側ノズルと前記前部外側ノズルとを鉛直上下方向で結合する複数の前部結合部材と、前記前部内側ノズルの後方に連結される後部内側ノズルと、前記前部外側ノズルの後方で且つ前記後部内側ノズルの外側に隙間を空けて配置される後部外側ノズルと、を備える燃焼バーナにおいて、前記前部結合部材は、前記上部隙間と前記下部隙間のそれぞれに、前記上部隙間と前記下部隙間の水平方向長さの中間位置に位置する中間領域の1カ所に配置される、ことを特徴とするものである。
従って、前部内側ノズルと前部外側ノズルは、上部隙間及び下部隙間のそれぞれの中間領域の1か所に配置される結合部材により結合される。すると、前部内側ノズルの上部と前部外側ノズルの上部と下部が熱を受けて熱膨張するとき、前部内側ノズルと前部外側ノズルは、前部結合部材を基点として水平方向に熱伸びすることとなる。このとき、前部内側ノズルと前部外側ノズルの間に熱伸び量の差が発生しても、前部内側ノズルや前部外側ノズルが鉛直方向の上下の各中間領域のそれぞれ1か所を基点として熱伸びするため、この前部内側ノズルや前部外側ノズルに大きな応力が作用することはなく、前部内側ノズルや前部外側ノズルの熱変形により前部結合部材に作用する応力が低減され、前部内側ノズルや前部外側ノズルが前部結合部材付近で塑性変形や破損が生じることを抑制できる。また、前部内側ノズル及び前部外側ノズルと後部内側ノズル及び後部外側ノズルを別部材とすることで、熱負荷が高いために長期間の使用により焼損し易い前部内側ノズル及び前部外側ノズルのみを容易に交換することができる。
ここで、中間領域とは、上部隙間及び下部隙間のそれぞれの水平方向における隙間長に対して隙間長の中間位置から、上部隙間及び下部隙間のそれぞれの水平方向における隙間長の10%の範囲である。水平方向における隙間長の10%以内に前部結合部材を配置することで、左右への熱伸び量が略同等となり、上部隙間及び下部隙間でのそれぞれアンバランスを解消することができる。
そのため、熱変形による前部内側ノズルや前部外側ノズルの損傷を抑制することができる。また、前部内側ノズルと前部外側ノズルとは前部結合部材により結合された1個の部品として構成されることとなり、部品点数の増加を抑制することができる。
本考案の燃焼バーナでは、前記前部結合部材は、1個の上前部結合部材と1個の下前部結合部材を有し、前記上前部結合部材は、前記中間位置に配置され、前記下前部結合部材は、前記中間位置に配置されることを特徴としている。
従って、1個の上前部結合部材を上部隙間の中間位置に配置し、1個の下前部結合部材を下部隙間の中間位置に配置することで、前部内側ノズルと前部外側ノズルは、幅寸法の中間地点を基点として水平方向の左右に熱伸びする。そのため、前部内側ノズルや前部外側ノズルが相互に拘束しないので、大きな応力が作用することはなく、熱変形による前部内側ノズルや前部外側ノズルの塑性変形や破損を抑制することができる。また、前部内側ノズルと前部外側ノズルは、それぞれ幅寸法の中間地点に対して水平方向で左右への熱伸び量が同様となり、非対称な熱変形の発生が抑制されるので、前部内側ノズルと前部外側ノズルとの左右の隙間の大きさが相互に異なるサイズへと変動することはなく、2次空気の噴出量が水平左右でアンバランスになることを抑制することができる。
本考案の燃焼バーナでは、前記前部内側ノズルの外側と前記前部外側ノズルの間に設けた隙間は、水平方向の一端に左部隙間を、水平方向の他端に右部隙間とを有し、複数の左前部結合部材は、前記左部隙間に鉛直方向に所定間隔を空けて配置され、複数の右前部結合部材は、前記右部隙間に鉛直方向に所定間隔を空けて配置されることを特徴としている。
従って、複数の左前部結合部材を左部隙間に鉛直方向に所定間隔を空けて配置し、複数の右前部結合部材を右部隙間に鉛直方向に所定間隔を空けて配置することで、前部内側ノズルと前部外側ノズルの熱伸びにより水平左右部の隙間が閉塞することなく、適量の2次空気を常時噴出させることができる。
本考案の燃焼バーナでは、前記後部内側ノズルの外側と前記後部外側ノズルの間に設けた隙間は、鉛直上側に上部隙間を、鉛直下側に下部隙間を有し、水平方向の一端に左部隙間を、水平方向の他端に右部隙間とを有し、複数の上後部結合部材は、前記上部隙間に水平方向に所定間隔を空けて配置され、前記複数の下後部結合部材は、前記下部隙間に水平方向に所定間隔を空けて配置され、左後部結合部材は、前記左部隙間に鉛直方向に所定間隔を空けて配置され、右後部結合部材は、前記右部隙間に鉛直方向に所定間隔を空けて配置されることを特徴としている。
従って、複数の上後部結合部材を上部隙間に水平方向に所定間隔を空けて配置し、複数の下後部結合部材を下部隙間に水平方向に所定間隔を空けて配置し、左後部結合部材を左部隙間に鉛直方向に所定間隔を空けて配置し、右後部結合部材を右部隙間に鉛直方向に所定間隔を空けて配置することで、熱負荷が少ない後部内側ノズル及び後部外側ノズルにおける高い剛性を確保して、燃焼による振動の発生を抑制することができる。
本考案の燃焼バーナでは、前記前部内側ノズル及び前記前部外側ノズルと前記後部内側ノズル及び前記後部外側ノズルとは、締結ボルトにより着脱自在に連結されることを特徴としている。
従って、長時間使用し続けると、特に火炉11側の部位が高い熱負荷で徐々に焼損してゆくが、メンテナンス時に、前部内側ノズル及び前部外側ノズルを後部内側ノズル及び後部外側ノズルに対して取外すことができ、メンテナンス性を向上することができる。
本考案の燃焼バーナでは、前記前部結合部材は、前記前部内側ノズル及び前記前部外側ノズルに対して交差するように配置される板形状をなし、一端部が前記前部内側ノズルの外面に結合され、他端部が前記前部外側ノズルの内面に結合され、前記前部内側ノズルの厚さと前記前部外側ノズルの厚さは、前記前部結合部材の厚さ以上に設定されることを特徴としている。
従って、前部内側ノズルの厚さと前部外側ノズルの厚さを前部結合部材の厚さ以上とすることで、前部内側ノズル及び前部外側ノズルの十分な剛性を確保することができると共に、前部内側ノズルや前部外側ノズル52が熱変形したときの応力を前部結合部材の変形により吸収することができるので、塑性変形や破損を抑制することができる。また、前部結合部材の薄形化により重量増及びコスト増を抑制することができる。
本考案の燃焼バーナでは、前記前部結合部材は、前記前部内側ノズル及び前記前部外側ノズルに対して交差するように配置される板形状をなし、一端部が前記前部内側ノズルの外面に結合され、他端部が前記前部外側ノズルの内面に結合され、前記前部結合部材と前記前部内側ノズルの外面及び前記前部外側ノズルの内面との結合部に、前記前部内側ノズル及び前記前部外側ノズル及び前記前部結合部材と角度の相違する結合面が形成されることを特徴としている。
従って、前部内側ノズル及び前部外側ノズル52と前部結合部材との結合部の角部が補強されることとなり、前部内側ノズルや前部外側ノズルが熱変形したとき、前部内側ノズル及び前部外側ノズルと前部結合部材との結合部の破損を抑制することができる。
本考案の燃焼バーナでは、前記前部内側ノズルの内側に整流部材が配置されることを特徴としている。
従って、前部内側ノズルの内側に整流部材を配置することで、燃料ガスを整流して噴出することができ、安定した燃焼状態を維持することができる。また、整流部材が支持体となって、前部内側ノズル51が熱膨張変形により内側へと変形することが抑制するので、前部内側ノズルや前部外側ノズルに大きな応力が作用することはなく、前部内側ノズルや前部外側ノズルの内側の変形を抑制することができる。整流部材の損傷を抑制することができる。また、前部内側ノズルと前部外側ノズルとの隙間の大きさが相互に異なるサイズへと変動することはなく、2次空気の噴出量が鉛直方向や水平方向でアンバランスになることを抑制することができる。
本考案の燃焼バーナでは、前記中間領域は、前記上部隙間と前記下部隙間の水平方向長さにおけるそれぞれの中間位置から、前記上部隙間と前記下部隙間のそれぞれの水平方向長さの10%の範囲であることを特徴としている。
従って、前部結合部材が中間領域内から外れてしまうと、水平方向の隙間長の広い側は、熱による前部外側ノズルの変形量が増加し、前部外側ノズルと前部内側ノズルとの隙間が狭くなってしまう。中間領域を中間位置から水平方向長さの10%の範囲にすることで、2次空気の噴出量が水平左右でアンバランスになることを抑制することができる。
また、本考案のボイラは、中空形状をなして鉛直方向に沿って設置される火炉と、前記火炉に配置される少なくとも1つの前記燃焼バーナを含む複数の燃焼バーナと、前記火炉の上部に配置される煙道と、前記煙道に配置される熱交換器と、を有することを特徴とするものである。
従って、燃焼バーナの熱変形による前部内側ノズルや前部外側ノズルの損傷を抑制することができるので、ボイラの安定した性能を維持することができる。また、燃焼バーナの部品点数の増加を抑制することができるので、メンテナンスが容易になり、コストアップを抑制できる。
本考案の燃焼バーナ及びボイラによれば、燃焼バーナの前部ノズルの前部内側ノズルと前部外側ノズルとを水平方向における中間領域に配置される前部結合部材により結合するので、熱変形による前部内側ノズルや前部外側ノズルの損傷を抑制することができる。
図1は、本実施形態の燃焼バーナの正面図である。 図2は、燃焼バーナの縦断面(図1のII−II断面)図である。 図3は、燃焼バーナの横断面(図1のIII−III断面)図である。 図4は、燃焼バーナにおける後部ノズルを表す断面(図2のIV−IV断面)図である。 図5は、燃焼バーナにおける前部内側ノズルと前部外側ノズルと前部結合部材との結合部を表す概略図である。 図6は、本実施形態の石炭焚きボイラを表す概略構成図である。 図7は、燃焼バーナの配置構成を表す平面図である。
以下に添付図面を参照して、本考案に係る燃焼バーナ及びボイラの好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本考案が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
図6は、本実施形態の石炭焚きボイラを表す概略構成図、図7は、燃焼バーナの配置構成を表す平面図である。
本実施形態のボイラは、石炭を粉砕した微粉炭を微粉燃料(固体燃料)として用い、この微粉炭を燃焼バーナにより燃焼させ、この燃焼により発生した熱を回収することが可能な微粉炭焚きボイラである。
本実施形態において、図6に示すように、石炭焚きボイラ10は、火炉11と燃焼装置12と煙道13を有している。火炉11は、四角筒の中空形状をなして鉛直方向に沿って設置され、この火炉11を構成する火炉壁が伝熱管により構成されている。
燃焼装置12は、この火炉11を構成する火炉壁(伝熱管)の下部に設けられている。この燃焼装置12は、火炉壁に装着された複数の燃焼バーナ21,22,23,24,25を有している。本実施形態にて、この燃焼バーナ21,22,23,24,25は、周方向に沿って4個均等間隔で配設されたものが1セットとして、鉛直方向に沿って5セット、つまり、5段配置されている。但し、火炉の形状や一つの段における燃焼バーナの数、段数はこの実施形態に限定されるものではない。
この各燃焼バーナ21,22,23,24,25は、微粉炭供給管26,27,28,29,30を介して粉砕機(微粉炭機/ミル)31,32,33,34,35に連結されている。火炉11は、各燃焼バーナ21,22,23,24,25の装着位置に風箱36が設けられており、この風箱36に空気ダクト37の一端部が連結されており、この空気ダクト37の他端部に送風機38が連結されている。
煙道13は、火炉11の上部に連結されている。この煙道13は、燃焼ガスの熱を回収するための熱交換器としての過熱器(スーパーヒータ)41,42,43、再熱器(リヒータ)44,45、節炭器(エコノマイザ)46,47が設けられており、火炉11での燃焼で発生した燃焼ガスと水との間で熱交換が行われる。また、煙道13は、その下流側に熱交換を行った燃焼ガスが排出されるガスダクト48が連結されている。このガスダクト48は、空気ダクト37との間にエアヒータ49が設けられ、空気ダクト37を流れる空気と、ガスダクト48を流れる排ガスとの間で熱交換を行い、燃焼バーナ21,22,23,24,25に供給する燃焼用空気を昇温することができる。
ここで、燃焼装置12について詳細に説明するが、この燃焼装置12を構成する燃焼バーナ21,22,23,24,25は、それぞれほぼ同様の構成をなしていることから、燃焼バーナ21を代表して説明する。
燃焼バーナ21は、図7に示すように、火炉11における4つの壁部にそれぞれ設けられる燃焼バーナ21a,21b,21c,21dから構成されている。各燃焼バーナ21a,21b,21c,21dは、微粉炭供給管26から分岐した各分岐管26a,26b,26c,26dが連結されると共に、空気ダクト37から分岐した各分岐管37a,37b,37c,37dが連結されている。
そのため、各燃焼バーナ21a,21b,21c,21dは、火炉11に対して、微粉炭と搬送用空気が混合した微粉炭混合気(以下、燃料ガス)を吹き込むと共に、その微粉炭混合気の周囲外側に燃焼用空気(燃料ガス燃焼用空気/2次空気)を吹き込む。そして、この微粉炭混合気に着火することで、4つの火炎F1,F2,F3,F4を形成することができ、この火炎F1,F2,F3,F4は、火炉11の鉛直上方から見て(図7にて)反時計周り方向に旋回する火炎旋回流Cとなる。
ここで、このように構成された燃焼バーナ21(21a,21b,21c,21d)について詳細に説明する。図1は、本実施形態の燃焼バーナの正面図、図2は、燃焼バーナの縦断面(図1のII−II断面)図、図3は、燃焼バーナの横断面(図1のIII−III断面)図、図4は、燃焼バーナにおける後部ノズルを表す断面(図2のIV−IV断面)図、図5は、燃焼バーナにおける前部内側ノズルと前部外側ノズルと前部結合部材との結合部を表す概略図である。なお、以下の説明で、前部とは、燃料ガス及び燃焼用空気の流れ方向の下流側(火炉11側)であり、後部とは、燃料ガス及び燃焼用空気の流れ方向の上流側(風箱36側)である。また、上下と左右とは、燃焼バーナ21の正面視(図1)にて、鉛直方向に沿った上下と水平方向に沿った左右である。また、燃焼バーナ21の長手方向に沿い燃料ガス及び燃焼用空気の流れ方向を軸方向とし、軸方向で燃焼バーナ断面の中心を通過するものを中心軸とする。この中心軸に対して、内側とは中心軸に近い側を、外側とは中心軸に遠い側を示している。
燃焼バーナ21は、図1から図4に示すように、前部内側ノズル51と、前部外側ノズル52と、複数の前部結合部材53,54と、後部内側ノズル55と、後部外側ノズル56と、複数の後部結合部材57,58とを備えている。ここで、前部内側ノズル51と前部外側ノズル52により前部ノズルが構成され、後部内側ノズル55と後部外側ノズル56により後部ノズルが構成される。
前部内側ノズル51は、四角筒形状をなすと共に四方の角部が湾曲形状をなしており、前端部が後端部に比べて外側に広がるように傾斜している。前部外側ノズル52は、この前部内側ノズル51の外側に隙間S1,S2,S3,S4を空けて配置されている。この前部外側ノズル52は、前部内側ノズル51と同様に、四角筒形状をなすと共に四方の角部が湾曲形状をなしており、前部内側ノズル51の外周より鉛直方向高さ及び水平方向の幅が大きく、この前部内側ノズル51の外側に配置できる。
前部内側ノズル51と前部外側ノズル52は、複数の前部結合部材53,54により結合されている。鉛直前部結合部材53は、1個の鉛直上前部結合部材53aと1個の鉛直下前部結合部材53bとを有し、鉛直上前部結合部材53aは、前部の上部隙間S1の水平方向における中間領域に配置され、鉛直下前部結合部材53bは、前部の下部隙間S2の水平方向における中間領域に配置されている。この中間領域とは、前部内側ノズル51の水平方向の中心位置から、前部内側ノズル51の幅寸法の10%だけ水平方向の両側にずれた位置までの範囲である。言い換えると、前部の上部隙間S1および前部の下部隙間S2の水平方向の隙間長に対して、隙間長の中間位置から隙間長の10%を水平方向の両方に設けた範囲である。鉛直上前部結合部材53aは、前部の上部隙間S1の水平方向における中間領域の1カ所に1個だけ配置され、鉛直下前部結合部材53bは、前部の下部隙間S2の水平方向における中間領域の1カ所に1個だけに配置されている。また、鉛直上前部結合部材53aと鉛直下前部結合部材53bとの水平方向における位置は、同位置が望ましいが、中間領域内であれば、一致しなくてもよい。
また、水平前部結合部材54は、複数(本実施形態では、2個)の水平左前部結合部材54aと複数(本実施形態では、2個)の水平右前部結合部材54bとを有し、各水平左前部結合部材54aは、前部の左部隙間S3の鉛直方向に所定間隔を空けて配置され、各水平右前部結合部材54bは、前部の右部隙間S4の鉛直方向に所定間隔を空けて配置されている。
後部内側ノズル55は、四角筒形状をなすと共に四方の角部が湾曲形状をなしており、前部内側ノズル51の後方に配置されている。後部外側ノズル56は、この後部内側ノズル55の外側に隙間S11,S12,S13,S14を空けて配置されると共に、前部外側ノズル52の後方に配置されている。この後部外側ノズル56は、後部内側ノズル55と同様に、四角筒形状をなすと共に四方の角部が湾曲形状をなしており、後部外側ノズル56の内周は後部内側ノズル55の外周より鉛直方向高さ及び水平方向の幅が大きく、この後部内側ノズル55の外側に配置できる。
後部内側ノズル55と後部外側ノズル56は、複数の後部結合部材57,58により結合されている。鉛直後部結合部材57は、複数(本実施形態では、3個)の鉛直上後部結合部材57aと複数(本実施形態では、3個)の鉛直下後部結合部材57bとを有し、各鉛直上後部結合部材57aは、後部の上部隙間S11の水平方向に所定間隔を空けて配置され、各鉛直下後部結合部材57bは、後部の下部隙間S12の水平方向に所定間隔を空けて配置されている。また、水平後部結合部材58は、複数(本実施形態では、2個)の水平左後部結合部材58aと複数(本実施形態では、2個)の水平右後部結合部材58bとを有し、各水平左後部結合部材58aは、後部の左部隙間S13の鉛直方向に所定間隔を空けて配置され、各水平右後部結合部材58bは、後部の右部隙間S14の鉛直方向に所定間隔を空けて配置されている。この場合、各鉛直前部結合部材53は、鉛直後部結合部材57の一部と軸方向に並んで配置され、各水平前部結合部材54は、水平後部結合部材58と軸方向に並んで配置されている。
前部内側ノズル51及び前部外側ノズル52と後部内側ノズル55及び後部外側ノズル56とは、着脱自在に連結されている。即ち、前部内側ノズル51の後端部と後部内側ノズル55の前端部は、その内周と外周がほぼ同形状をなし、ほぼ隙間なく密着している。また、前部外側ノズル52の後端部と後部外側ノズル56の前端部は、その内周と外周がほぼ同形状をなし、ほぼ隙間なく密着している。前部外側ノズル52は、水平左右側部の内壁面における各後端部に2個のフランジ部61が鉛直方向にずれて一体に形成され、後部外側ノズル56は、水平左右側部の内壁面における前端部に2個のフランジ部62が鉛直方向にずれて一体に形成されている。各フランジ部61,62は、互いに密着し、締結ボルト63が後部外側ノズル56の後部側から前部外側ノズル52側へ貫通し、フランジ部62に固定された締結ナット64に螺合している。
この各締結ボルト63は、燃焼バーナ21の前方側に露出しており、燃焼バーナ21の前方側から工具を挿入して回転することができる。そのため、石炭焚きボイラ10の運転停止時に、作業者が火炉11内側から工具を用いて締結ナット64を回転させることで、締結ボルト63を弛緩し、前部内側ノズル51及び前部外側ノズル52を後部内側ノズル55及び後部外側ノズル56から取り外し、メンテナンス作業や交換作業などを実施することが可能となる。
ところで、鉛直前部結合部材53と水平前部結合部材54である各前部結合部材53,54は、板形状をなし、各隙間S1,S2,S3,S4にて、前部内側ノズル51及び前部外側ノズル52に対して交差するように配置されている。そして、各前部結合部材53,54は、一端部が前部内側ノズル51の外面に結合され、他端部が前部外側ノズル52の内面に結合されている。この場合、図5に示すように、前部内側ノズル51の厚さt1と前部外側ノズル52の厚さt2を同じ厚さ寸法とし、この前部内側ノズル51の厚さt1及び前部外側ノズル52の厚さt2を各前部結合部材53,54の厚さwと同寸法、また、それ以上の厚さ寸法に設定することが望ましい。言い換えると、各前部結合部材53,54の厚さwは、前部内側ノズル51の厚さt1及び前部外側ノズル52の厚さt2と同寸法か、それ以下である。
また、各前部結合部材53,54は、一端部が前部内側ノズル51の外面に結合され、他端部が前部外側ノズル52の内面に結合されており、前部結合部材53,54と前部内側ノズル51の外面との結合部と、前部結合部材53,54と前部外側ノズル52の内面との結合部に、前記前部内側ノズル51及び前部外側ノズル52及び前部結合部材53,54の各平面部と角度の相違する結合面としての曲面81が形成されている。なお、図5では、鉛直上前部結合部材53aと前部内側ノズル51の外面及び前部外側ノズル52の内面との曲面81のみ記載したが、その他の前部結合部材53a,54a,54bと前部内側ノズル51の外面及び前部外側ノズル52の内面との結合部にも曲面81が形成されている。
なお、前部内側ノズル51と前部外側ノズル52と前部結合部材53,54は、鋳造または溶接により構成することが考えられる。前部内側ノズル51と前部外側ノズル52と前部結合部材53,54を鋳造により製作する場合、鋳型の内面形状が曲面81に対応した形状なる。また、前部内側ノズル51と前部外側ノズル52と前部結合部材53,54を板材の溶接により製作する場合、前部内側ノズル51と前部外側ノズル52と前部結合部材53,54を隅肉溶接により結合するため、結合部の曲面81が隅肉溶接部となる。このため、曲面81の曲率などの形状は、個々が厳密に同一である必要は無く、製作精度の範囲で異なっていても良い。また、前部結合部材53,54と前部内側ノズル51及び前部外側ノズル52との結合面は、曲面81に限定されるものではなく、前部結合部材53の平面と前部内側ノズル51の外面及び前部外側ノズル52の内面に対して所定の角度(例えば、45度程度)に交差した平面であってもよい。
また、図1から図4に示すように、燃焼バーナ21は、前部内側ノズル51及び後部内側ノズル55の内側に整流部材71が配置されている。この整流部材71は、複数(本実施形態では、2枚)の鉛直整流板72と、複数(本実施形態では、2枚)の水平整流板73とが井桁形状をなすように組付けられて構成されている。そして、整流部材71は、各鉛直整流板72が前部内側ノズル51及び後部内側ノズル55の各支持部材74,76に支持されると共に、各水平整流板73が前部内側ノズル51及び後部内側ノズル55の各支持部材75,77に支持されている。なお、整流部材71は、この形状に限定されるものではなく、鉛直整流板72や水平整流板73の枚数は、1枚または3枚以上であってもよく、また、井桁形状に限定されるものではない。
本実施形態の燃焼バーナ21は、前部内側ノズル51及び後部内側ノズル55の外側に前部外側ノズル52及び後部外側ノズル56が配置される一方、前部内側ノズル51及び後部内側ノズル55の内側に整流部材71が配置されて構成されている。そして、前部内側ノズル51及び後部内側ノズル55は、燃料ガス通路を形成する燃料ノズルを構成し、微粉炭(固体燃料)と搬送用空気(1次空気)とを混合した燃料ガスを噴出可能であり、前部外側ノズル52及び後部外側ノズル56は、燃焼用空気通路を形成する燃焼用空気ノズルを構成し、燃料ノズルから噴出された燃料ガスの周囲で外周側に燃焼用空気を噴出可能である。
そして、燃料ノズル(前部内側ノズル51及び後部内側ノズル55)は、後端部に微粉炭供給管26が連結され、燃焼用空気ノズル(前部外側ノズル52及び後部外側ノズル56)は、後端部が風箱36に連通している。
そのため、燃焼バーナ21にて、燃料ガス(微粉炭と1次空気)は、燃料ノズル(前部内側ノズル51及び後部内側ノズル55)の内側に形成される燃料ガス流路を流れ、前端の開口部から火炉11(図6参照)内に噴出される。燃焼用空気は、燃焼用空気ノズル(前部外側ノズル52及び後部外側ノズル56)の内側に形成される燃焼用空気流路を流れ、前端の開口部から燃料ガスの周囲外側に噴出される。このとき、燃料ガスは、整流部材71により整流され、ここで着火されて燃焼し、燃焼ガスとなる。また、この燃料ガスの外周に燃焼用空気が噴出されることで、燃料ガスの燃焼が促進される。
このように本実施形態の燃焼バーナにあっては、前部内側ノズル51と、前部内側ノズル51の外側に隙間S1,S2,S3,S4を空けて配置される前部外側ノズル52と、前部内側ノズル51と前部外側ノズル52とを結合する複数の前部結合部材53,54と、前部内側ノズル51の後方に連結される後部内側ノズル55と、前部外側ノズル52の後方で且つ後部内側ノズル55の外側に隙間S11,S12,S13,S14を空けて配置される後部外側ノズル56と、後部内側ノズル55と後部外側ノズル56とを結合する複数の後部結合部材57,58とを備え、前部結合部材53は、前部内側ノズル51と前部外側ノズル52との前部の上部隙間S1,および前部の下部隙間S2のそれぞれ水平方向における中間領域に配置している。中間領域は、前部の上部隙間S1および前部の下部隙間S2の水平方向の隙間長に対して、隙間長の中間位置から隙間長の10%を水平方向の両方に設けた範囲である。
従って、燃焼バーナ21が火炎により熱負荷を受けて温度上昇することに伴い、前部内側ノズル51と前部外側ノズル52は、中間領域に設けた前部結合部材53を基点として水平方向に熱伸びすることとなり、両者の間に熱伸び量に差が発生しても、前部内側ノズル51や前部外側ノズル52が、前部結合部材53により互いに拘束することが抑制されて大きな応力が作用することはなく、前部内側ノズル51や前部外側ノズル52の熱伸び変形により前部結合部材53に作用する応力が低減され、熱変形による前部内側ノズル51や前部外側ノズル52の塑性変形や破損を抑制することができる。
また、前部結合部材53(鉛直上前部結合部材53a、鉛直下前部結合部材53b)は、前部内側ノズル51および前部外側ノズル52の間に形成した、隙間S1および隙間S2の鉛直方向高さを維持する機能がある。部結合部材53は、前部結合部材53を水平方向の隙間長の中間位置から隙間長の10%を水平方向の両方に設けた範囲とした中間領域に設けることで、前部内側ノズル51および前部外側ノズル52に熱膨張変形があっても、その実質的に中央付近の隙間高さを維持するため、前部の上部隙間S1および前部の下部隙間S2全体に渡って、隙間高さを維持することが可能である。
また、前部内側ノズル51と前部外側ノズル52とは前部結合部材53,54により結合された1個の部品として構成されることとなり、部品点数の増加を抑制することができる。また、燃焼バーナ21を長時間使用し続けると、特に火炉11側の部位が高い熱負荷で徐々に焼損してゆくが、前部内側ノズル51及び前部外側ノズル52と後部内側ノズル55及び後部外側ノズル56を別部材とすることで、前部内側ノズル51及び前部外側ノズル52を容易に交換することができる。
燃焼装置12は、複数の燃焼バーナ21,22,23,24,25が周方向に沿って4個均等間隔で配設されたものが1セットとして、鉛直方向に沿って5セット、つまり、5段配置されて構成されている。そのため、各燃焼バーナ21,22,23,24,25は、鉛直方向に近接して配置されることとなり、互いの火炎による熱の輻射を受けることで前端部の鉛直方向の上部及び下部の熱負荷が一層に高い状態となる。本実施形態では、前部内側ノズル51と前部外側ノズル52との上部下部が前部結合部材53により結合されている。
そのため、熱負荷が高い前部内側ノズル51及び前部外側ノズル52の鉛直方向の上部及び下部にて、前部内側ノズル51と前部外側ノズル52の間に熱伸び量に差が一層に大きく発生し易くなる。この前部内側ノズル51と前部外側ノズル52がそれぞれ1個の前部結合部材53との結合部を基点として水平方向においてお互いに自由な方向に熱伸びするため、前部内側ノズル51や前部外側ノズル52に大きな応力が作用することなく、前部内側ノズル51と前部外側ノズル52が前部結合部材53付近で塑性変形や破損することが抑制される。一方、燃焼バーナ21の熱負荷が高い鉛直上部および下部に対して、従来のように、前部内側ノズルと前部外側ノズルが複数の前部結合部材により結合されていると、前部内側ノズルと前部外側ノズルの水平方向に熱伸び変形することに対して、複数の前部結合部材により結合されている部分で前部内側ノズルや前部外側ノズルが互いに拘束して、大きな応力が作用してしまい、複数の前部内側ノズルや前部外側ノズル付近で、前部内側ノズルと前部外側ノズルが破損に至る場合がある。
本実施形態の燃焼バーナでは、鉛直上前部結合部材53aを前部の上部隙間S1の水平方向における中間位置に配置し、鉛直下前部結合部材53bを前部の下部隙間S2の水平方向における中間位置に配置している。従って、前部内側ノズル51と前部外側ノズル52は、幅寸法の中間地点を基点として水平方向の左右に熱伸びする。そのため、前部内側ノズル51や前部外側ノズル52が相互に拘束しないので、大きな応力が作用することはなく、熱変形による前部内側ノズル51や前部外側ノズル52の塑性変形や破損を抑制することができる。また、前部内側ノズル51と前部外側ノズル52は、それぞれ幅寸法の中間地点に対して水平方向で左右への熱伸び量が同様となり、非対称な熱変形の発生が抑制されるので、前部内側ノズル51と前部外側ノズル52との水平左右の隙間S3,S4の大きさが相互に異なるサイズへと変動することはなく、2次空気の噴出量が水平左右でアンバランスになることを抑制することができる。
本実施形態の燃焼バーナでは、複数の水平左前部結合部材54aを水平左部隙間S3に鉛直方向に所定間隔を空けて配置し、複数の水平右前部結合部材54bを水平右部隙間S4に鉛直方向に所定間隔を空けて配置している。従って、前部内側ノズル51と前部外側ノズル52の熱伸びにより水平左右部の隙間S3,S4が閉塞することなく、適量の2次空気を常時噴出させることができる。また、複数の燃焼バーナ21,22,23,24,25は、周方向に所定間隔を空けて配置されているため、周方向(水平方向)に隣接する各燃焼バーナ21,22,23,24,25からの熱の輻射はほとんど受けず、前端部の水平左部及び水平右部の熱負荷が低い。
即ち、燃焼バーナ21の水平方向左右は、他の燃焼バーナ21の火炎による熱負荷の影響が少ない。前部内側ノズル51と前部外側ノズル52は、複数の前部結合部材54を基点として鉛直方向に熱伸びするが、両者の間に熱伸び量の差は、鉛直上下方向よりも少ないので、前部内側ノズル51や前部外側ノズル52が、前部結合部材54により互いに拘束されて大きな応力が作用することは少なく、前部内側ノズル51や前部外側ノズル52の熱伸び変形により前部結合部材54に作用する応力による前部内側ノズル51や前部外側ノズル52の塑性変形や破損に至ることは少ない。そのため、複数の水平前部結合部材54a,54bを設けて前部内側ノズル51や前部外側ノズル52の変形を抑制することができる。
本実施形態の燃焼バーナでは、後部内側ノズル55と後部外側ノズル56は、複数の後部結合部材57,58により結合されている。前部結合部材53は、前部の上部隙間S1および前部の下部隙間S2に対してそれぞれ1カ所であったが、後部結合部材57は、複数(本実施形態では、上部と下部でそれぞれ3個)を有し、複数の鉛直上後部結合部材57aを鉛直上部隙間S11に水平方向に所定間隔を空けて配置し、複数の鉛直下後部結合部材57bを鉛直下部隙間S12に水平方向に所定間隔を空けて配置している。
燃焼バーナ21の後部内側ノズル55と後部外側ノズル56は、燃焼バーナ21の火炎による熱負荷の影響が少ない。前部内側ノズル51と前部外側ノズル52に比較して、両者の間に熱伸び量の差は少ない。このため、後部内側ノズル55と後部外側ノズル56が、後部結合部材57により互いに拘束されて大きな応力が作用することは少なく、後部内側ノズル55と後部外側ノズル56の熱伸び変形により後部結合部材57に作用する応力による後部内側ノズル55と後部外側ノズル56の塑性変形や破損に至ることは少ない。
むしろ、後部外側ノズル56の内側に形成される燃焼用空気流路を流れる燃焼空気は比較的温度が高く、後部内側ノズル55の内側に形成される燃料ガス流路を流れる燃料ガスは比較的温度が低いため、複数の後部結合部材57を経由して、後部内側ノズル55と後部内側ノズル55との伝熱による冷却ができるので好ましい。また、燃焼バーナ21の支持構造の基部となる後部内側ノズル55と後部外側ノズル56を、複数の後部結合部材57により強固な構造と出来るので好ましい。従って、熱負荷が少ない後部内側ノズル55及び後部外側ノズル56における高い剛性を確保して、燃焼による振動の発生を抑制することができる。
本実施形態の燃焼バーナでは、水平左後部結合部材58aを水平左部隙間S13に鉛直方向に所定間隔を空けて配置し、水平右後部結合部材58bを水平右部隙間S14に鉛直方向に所定間隔を空けて配置している。複数の後部結合部材58を経由して、後部内側ノズル55と後部内側ノズル55との伝熱による冷却ができるので好ましい。また、燃焼バーナ21の支持構造の基部となる後部内側ノズル55と後部外側ノズル56を、複数の後部結合部材58により強固な構造と出来るので好ましい。従って、後部内側ノズル55及び後部外側ノズル56における高い剛性を確保して、燃焼による振動の発生を抑制することができる。
本実施形態の燃焼バーナでは、長時間使用し続けると、特に火炉11側の部位が高い熱負荷で徐々に焼損してゆくが、前部内側ノズル51及び前部外側ノズル52と後部内側ノズル55及び後部外側ノズル56とを締結ボルト63により着脱自在に連結している。従って、メンテナンス時や部品の交換時に、前部内側ノズル51及び前部外側ノズル52を後部内側ノズル55及び後部外側ノズル56に対して取外すことができ、メンテナンス性を向上することができる。
本実施形態の燃焼バーナでは、前部結合部材53,54を前部内側ノズル51及び前部外側ノズル52に対して交差するように配置される板形状をなし、一端部を前部内側ノズル51の外面に結合し、他端部を前部外側ノズル52の内面に結合し、前部内側ノズル51の厚さt1と前部外側ノズル52の厚さt2を前部結合部材53,54の厚さw以上に設定している。従って、前部内側ノズル51及び前部外側ノズル52の十分な剛性を確保することができる。前部結合部材53,54の厚さwを、t1及びt2以下とすることで前部結合部材53,54の強度を相対的に弱めている。前部内側ノズル51や前部外側ノズル52が熱変形したときの応力を前部結合部材53,54の変形により吸収することができるので、塑性変形や破損を抑制することができる。また、前部結合部材53,54の薄形化により重量増及びコスト増を抑制することができる。
本実施形態の燃焼バーナでは、前部結合部材53,54と前部内側ノズル51の外面及び前部外側ノズル52の内面との結合部に結合面81を形成している。従って、前部内側ノズル51及び前部外側ノズル52と前部結合部材53,54との結合部の角部が補強されることとなり、前部内側ノズル51や前部外側ノズル52が熱変形したとき、前部内側ノズル51及び前部外側ノズル52と前部結合部材53,54との結合部の破損を抑制することができる。
本実施形態の燃焼バーナでは、前部内側ノズル51の内側に整流部材71を配置している。従って、燃料ガスを整流部材71により整流してから火炉11へ噴出することができ、燃料ガス中の微粉炭の濃淡を抑制し、安定した燃焼状態を維持することができる。また、整流部材71が支持体となって、前部内側ノズル51が熱膨張変形により内側へと変形することが抑制するので、前部内側ノズル51や前部外側ノズル52に大きな応力が作用することはなく、前部内側ノズル51や前部外側ノズル52の変形を抑制することができる。前部内側ノズル51と前部外側ノズル52との隙間S1,S2,S3,S4の大きさが相互に異なるサイズへと変動することはなく、2次空気の噴出量が鉛直方向や水平方向でアンバランスになることを抑制することができる。
また、本実施形態のボイラにあっては、中空形状をなして鉛直方向に沿って設置される火炉11と、火炉11に配置される燃焼バーナ21,22,23,24,25と、火炉11の上部に配置される煙道13と、煙道13に配置される過熱器41,42,43及び再熱器44,45及び節炭器46,47とを設けている。従って、燃焼バーナの熱変形による前部内側ノズル51や前部外側ノズル52の損傷を抑制することができるので、ボイラの安定した性能を維持することができる。また、燃焼バーナの部品点数の増加を抑制することができるので、メンテナンスが容易になり、コストアップを抑制できる。
なお、上述した実施形態では、前部結合部材54を2個とし、後部結合部材57を3個とし、後部結合部材58を2個としたが、この数に限定されるものではなく、各ノズル51,52,55,56の形状や寸法などに応じて適宜設定すればよいものである。
また、上述した実施形態では、燃焼バーナ21,22,23,24,25を縦長形状としたが、横長形状や正方形などとしてもよい。
また、上述した実施形態では、本考案のボイラを石炭焚きボイラとしたが、固体燃料(固形燃料)としては、バイオマスや石油コークス、石油残渣などを使用するボイラであってもよい。また、燃料として固体燃料に限らず、重質油などの油焚きボイラにも使用することができる。さらには、これら燃料の混焼焚きにも適用することができる。
10 石炭焚きボイラ
11 火炉
12 燃焼装置
13 煙道
21,22,23,24,25 燃焼バーナ
26,27,28,29,30 微粉炭供給管
31,32,33,34,35 粉砕機
36 風箱
37 空気ダクト
41,42,43 過熱器(熱交換器)
44,45 再熱器(熱交換器)
46,47 節炭器(熱交換器)
51 前部内側ノズル
52 前部外側ノズル
53 鉛直前部結合部材
54 水平前部結合部材
55 後部内側ノズル
56 後部外側ノズル
57 鉛直後部結合部材
58 水平後部結合部材
63 締結ボルト
64 締結ナット
71 整流部材
S1、S11 上部隙間(隙間)
S2、S12 下部隙間(隙間)
S3、S13 左部隙間(隙間)
S4、S14 右部隙間(隙間)

Claims (10)

  1. 前部内側ノズルと、
    前記前部内側ノズルの外側に鉛直上側に上部隙間と鉛直下側に下部隙間を空けて配置される前部外側ノズルと、
    前記前部内側ノズルと前記前部外側ノズルとを鉛直上下方向で結合する複数の前部結合部材と、
    前記前部内側ノズルの後方に連結される後部内側ノズルと、
    前記前部外側ノズルの後方で且つ前記後部内側ノズルの外側に隙間を空けて配置される後部外側ノズルと、
    を備える燃焼バーナにおいて、
    前記前部結合部材は、前記上部隙間と前記下部隙間のそれぞれに、前記上部隙間と前記下部隙間の水平方向長さの中間位置に位置する中間領域の1カ所に配置される、
    ことを特徴とする燃焼バーナ。
  2. 前記前部結合部材は、1個の上前部結合部材と1個の下前部結合部材を有し、前記上前部結合部材は、前記中間位置に配置され、前記下前部結合部材は、前記中間位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の燃焼バーナ。
  3. 前記前部内側ノズルの外側と前記前部外側ノズルの間に設けた隙間は、水平方向の一端に左部隙間を、水平方向の他端に右部隙間とを有し、複数の左前部結合部材は、前記左部隙間に鉛直方向に所定間隔を空けて配置され、複数の右前部結合部材は、前記右部隙間に鉛直方向に所定間隔を空けて配置されることを特徴とする請求項2に記載の燃焼バーナ。
  4. 前記後部内側ノズルの外側と前記後部外側ノズルの間に設けた隙間は、鉛直上側に上部隙間を、鉛直下側に下部隙間を有し、水平方向の一端に左部隙間を、水平方向の他端に右部隙間とを有し、複数の上後部結合部材は、前記上部隙間に水平方向に所定間隔を空けて配置され、前記複数の下後部結合部材は、前記下部隙間に水平方向に所定間隔を空けて配置され、左後部結合部材は、前記左部隙間に鉛直方向に所定間隔を空けて配置され、右後部結合部材は、前記右部隙間に鉛直方向に所定間隔を空けて配置されることを特徴とする請求項1に記載の燃焼バーナ。
  5. 前記前部内側ノズル及び前記前部外側ノズルと前記後部内側ノズル及び前記後部外側ノズルとは、締結ボルトにより着脱自在に連結されることを特徴とする請求項1に記載の燃焼バーナ。
  6. 前記前部結合部材は、前記前部内側ノズル及び前記前部外側ノズルに対して交差するように配置される板形状をなし、一端部が前記前部内側ノズルの外面に結合され、他端部が前記前部外側ノズルの内面に結合され、前記前部内側ノズルの厚さと前記前部外側ノズルの厚さは、前記前部結合部材の厚さ以上に設定されることを特徴とする請求項1に記載の燃焼バーナ。
  7. 前記前部結合部材は、前記前部内側ノズル及び前記前部外側ノズルに対して交差するように配置される板形状をなし、一端部が前記前部内側ノズルの外面に結合され、他端部が前記前部外側ノズルの内面に結合され、前記前部結合部材と前記前部内側ノズルの外面及び前記前部外側ノズルの内面との結合部に、前記前部内側ノズル及び前記前部外側ノズル及び前記前部結合部材と角度の相違する結合面が形成されることを特徴とする請求項1に記載の燃焼バーナ。
  8. 前記前部内側ノズルの内側に整流部材が配置されることを特徴とする請求項1に記載の燃焼バーナ。
  9. 前記中間領域は、前記上部隙間と前記下部隙間の水平方向長さにおけるそれぞれの中間位置から、前記上部隙間と前記下部隙間のそれぞれの水平方向長さの10%の範囲であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の燃焼バーナ。
  10. 中空形状をなして鉛直方向に沿って設置される火炉と、
    前記火炉に配置される請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の少なくとも1つの燃焼バーナを含む複数の燃焼バーナと、
    前記火炉の鉛直方向の上部に配置される煙道と、
    前記煙道に配置される熱交換器と、
    を有することを特徴とするボイラ。
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