JP7130569B2 - 熱交換器及びボイラ並びに熱交換器の吸熱量調整方法 - Google Patents

熱交換器及びボイラ並びに熱交換器の吸熱量調整方法 Download PDF

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本発明は、熱交換器及びボイラ並びに熱交換器の吸熱量調整方法に関するものである。
油焚きボイラなどの大型のボイラは、中空形状をなして鉛直方向に設置される火炉を有し、この火炉壁に複数の燃焼バーナが火炉の周方向に沿って配設されている。また、油焚きボイラは、火炉の鉛直方向上方に煙道が連結されており、この煙道に蒸気を発生させるための熱交換器が配置されている。そして、燃焼バーナが火炉内に燃料と空気を噴射することで火炎が形成され、燃焼ガスが生成されて煙道に流れる。燃焼ガスが流れる領域に熱交換器が設置され、熱交換器を構成する伝熱管内を流れる水や蒸気を加熱して過熱蒸気が生成される。
このようなボイラでは、煙道中にガスの流れを変更する偏流部材を配置することで、熱交換器を通過するガス流れの分布が変える場合がある(例えば、特許文献1)。特許文献1の装置では、火炉出口の流路を形成する副側壁部の天井部に突起物を副側壁部の内部に突出するように設置することによって、天井壁付近を流れるCOを多く含んだ燃焼ガスを副側壁部の中央方向に流している。
特開2010-71597号公報
ところで、燃焼ガスが流通するボイラの煙道内では、壁面の形状や熱交換器の形状・配置、ショートパスなどによって燃焼ガスの偏流が発生する場合がある。
また、煙道内に配置される熱交換器(例えば、過熱器など)は、多数の伝熱管によって構成されている。燃焼ガスは、隣接する伝熱管同士の間に形成された隙間を燃焼ガスが通過することで煙道内を流通する。燃焼ガスには様々な成分が含まれているので、燃焼ガスと接触する伝熱管の表面には、粘性クリンカ等が付着することがある。粘性クリンカ等が付着すると、隣接する伝熱管との隙間の長さが変化するため、粘性クリンカの付着の有無及び付着量によって各隙間を通過する燃焼ガスの流量や流速が異なる。よって、このような要因からも、燃焼ガスの偏流が発生して熱交換器を通過するガス流れの分布が変化する場合がある。
燃焼ガスの偏流が発生した場合、各伝熱管で燃焼ガスからの吸熱量の差が生じて、不均等な温度分布となる。このため、吸熱量が多い伝熱管では、温度(メタル温度)が局所的に高くなり、許容温度以上となって損傷するおそれがある。
伝熱管の局所的な昇温を防止するために、例えば、特許文献1に記載の突起物を設けて燃焼ガスの流れを変更し、燃焼ガスの偏流を抑制することが考えられる。しかしながら、特許文献1では、突起物の固定態様について考慮されていない。例えば、特許文献1の装置において、溶接等で突起物を固定した場合には、容易に突起物を取り外すことができない。よって、例えば、突起物を取り付けても好適に燃焼ガスの偏流を抑制できなかった場合や、突起物を取り付けた後にボイラの状態(例えば、伝熱管の表面に付着する粘性クリンカ等の付着状態)が変化し、燃焼ガスの偏流が変化した場合などに、取り付けた突起物の位置を変更したい場合であっても、取り付け位置を容易に変更することができないという問題を招来する可能性がある。これにより、好適に、燃焼ガスの偏流を抑制することができない可能性があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、偏流板を取り付ける領域を容易に調整することができ、好適に、高温ガスの偏流を抑制することができる熱交換器及びボイラ並びに熱交換器の吸熱量調整方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の熱交換器及びボイラ並びに熱交換器の吸熱量調整方法は以下の手段を採用する。
本発明の一態様に係る熱交換器は、内部に流体が流通していて、前記流体よりも高温である高温ガスと前記流体とを熱交換させ、前記高温ガスの流れ方向と交差する所定方向に延びる複数の伝熱管と、前記伝熱管に対して着脱可能に固定される偏流板と、を備え、複数の前記伝熱管は、前記高温ガスの流れ方向に並んで配置されるとともに、前記高温ガスの流れ方向及び前記所定方向の両方と交差する交差方向に並んで配置されていて、前記偏流板は、前記高温ガスの流れ方向の下流側端部に配置された前記伝熱管に固定されていて、板面が前記高温ガスの流れ方向と交差するように設けられている。
上記構成では、高温ガスと流体とを熱交換する伝熱管に対して、板面が高温ガスの流れ方向と交差するように偏流板が設けられている。すなわち、偏流板によって高温ガスの流れの一部が阻害されている。これにより、高温ガスは、偏流板を避けるように流れる。よって、偏流板を設けることで、高温ガスの流れを変更することができる。このため、偏流板を設けた領域における高温ガスの流量を減少させることができる。したがって、例えば、高温ガスが流通する流路において、高温ガスの流量の偏りが発生している場合に、高温ガスの流量が多い領域に偏流板を設けることで、当該領域の高温ガスの流量を低減することができる。したがって、高温ガス流量の偏りを抑制することができる。よって、伝熱管内を流れる流体への吸熱量が調整され、高温ガスの流量の偏りによる伝熱管の局所的な昇温が抑制される。よって、伝熱管の損傷や伝熱性能の低下を抑制することができる。
また、偏流板を着脱可能に固定しているため、伝熱管から偏流板を取り外すことができる。すなわち、伝熱管の機能を維持したまま偏流板を取り外すことができる。これにより、偏流板を取り付ける領域を容易に変更し、調整することができる。したがって、仮に、好適に高温ガス流量の偏りを抑制する必要が少ない領域に偏流板を設けてしまった場合であっても、偏流板を取り付ける位置を容易に変更することができる。また、偏流板を取り付けた後に高温ガス流れの状況が変化し、高温ガスの流量が多い領域が変化した場合であっても、高温ガスの流量が多い領域に偏流板を設置し直すことができる。このように、偏流板の取り付け領域を容易に調整することができるので、より好適に、高温ガスの流量が多い領域に偏流板を設置することができる。これにより、より好適に、当該領域の高温ガスの流量を低減することができる。したがって、高温ガス流量の偏りをより好適に抑制することができる。よって、より好適に伝熱管内を流れる流体への吸熱量が調整され、高温ガスの流量の偏りによる伝熱管の局所的な昇温がより好適に抑制される。よって、伝熱管の損傷や伝熱性能の低下をより好適に抑制することができる。
また、偏流板が着脱可能であるので、高温ガスの流量の偏りによる伝熱管の局所的な昇温が突発的に発生した場合に、恒久的な対策を行う前に、応急的に局所的な昇温を抑制することができる。すなわち、恒久的な対策時に偏流板が不要であるような場合には、容易に偏流板を取り外し、恒久的な対策を実施することができる。
また、応急的に偏流板を取り付けて、その効果を確認した場合には、対策を実施する必要がある領域を限定してから恒久的な対策を実施することができる。
また、偏流板を下流側端部に配置された伝熱管に対して固定している。これにより、偏流板に衝突する高温ガスは、上流側の伝熱管と熱交換を終えた高温ガスとなる。したがって、偏流板に衝突する高温ガスの温度は、偏流板を上流側の伝熱管に対して固定した場合と比較して、低い温度となる。よって、偏流板の熱による損傷を抑制することができる。
また、本発明の一態様に係る熱交換器は、前記偏流板は、複数設けられ、複数の前記偏流板は、板面が前記所定方向と前記交差方向とで形成される面に沿うように並んで配置されていてもよい。
偏流板は、偏流板が複数設けられ、複数の偏流板は所定方向と交差方向とで形成される面に沿うように並んで配置されている。すなわち、複数の偏流板によって、高温ガス流路を阻害している。これにより、同面積を阻害する場合で比較して、一枚の偏流板で阻害するよりも、各偏流板を小型化することができる。したがって、偏流板の取り付け作業及び取り外し作業の作業性を向上させることができる。
また、着脱可能な偏流板が複数設けられているので、各偏流板の取り付け又は取り外しを行うことで、高温ガスが流通する流路の阻害面積を調整することができる。したがって、精密に高温ガス流量を低減させることができるので、高温ガス流路のガス流量の偏りを抑制することができる。
また、本発明の一態様に係る熱交換器は、複数の前記偏流板は、所定方向に沿って並んで配置されていてもよい。
上記構成では、偏流板が所定方向に沿って並んで配置されている。これにより、偏流板を着脱することで、偏流板による高温ガス流路の阻害領域を所定方向に調整することができる。したがって、高温ガス流路内において、所定方向に高温ガス流量の偏りが発生した場合であっても、高温ガス流路のガス流量の偏りを抑制することができる。
また、本発明の一態様に係る熱交換器は、前記偏流板には、長円形状のボルト孔が形成されていて、前記偏流板と前記伝熱管とは、前記ボルト孔を挿通するUボルトによって固定されていてもよい。
上記構成では、長円形状のボルト孔を挿通するUボルトによって偏流板が着脱可能に伝熱管に固定されている。これにより、偏流板が長円形状の長手方向に熱伸びした場合であっても、Uボルトとボルト孔の縁との干渉を抑制することができる。したがって、Uボルト及びボルト孔の損傷や偏流板及び伝熱管の変形・損傷を抑制することができる。なお、長円形状の長手方向は、交差方向が好ましい。
また、本発明の一態様に係る熱交換器は、前記偏流板は、前記板面の前記交差方向の端部から前記高温ガスの流れ方向の上流側もしくは下流側方向へ曲折して延びる曲折部を有していてもよい。
上記構成では、偏流板の板面の交差方向の端部が曲折している。これにより、偏流板の剛性を向上させることができる。よって、偏流板を板材から形成した場合であっても、変形を抑制できる。また、偏流板の振動等によって、偏流板の端部と隣接する伝熱管とが接触した場合であっても、偏流板の端部と伝熱管とが面接触することとなるので、伝熱管の損傷を抑制することができる。
本発明の一態様に係るボイラは、上記いずれかに記載の熱交換器と、火炉で生成された燃焼ガスが流通する燃焼ガス流路と、を備え、前記熱交換器は、前記燃焼ガス流路内に設けられ、前記高温ガスは、前記燃焼ガスである。
本発明の一態様に係るボイラは、熱交換器は過熱器であってもよい。
上記構成では、過熱器は、煙道の燃焼ガス流れ方向が鉛直方向から水平方向に変わる連結位置付近に配置される熱交換器であるため、燃焼ガスの流れが外周側よりも内周側を流れやすくなるといった偏流の影響を受けやすい。このため、過熱器に偏流板を設けることで、燃焼ガスの流量が多い領域に偏流板を設置することができる。これにより、燃焼ガスの流量の偏りによる伝熱管の局所的な昇温が、より抑制されるので、伝熱管の損傷や伝熱性能の低下を抑制することができる。
本発明の一態様に係る熱交換器の吸熱量調整方法は、前記熱交換器は、内部に流体が流通していて、前記流体よりも高温である高温ガスと前記流体とを熱交換させ、前記高温ガスの流れ方向と交差する所定方向に延びる複数の伝熱管と、前記伝熱管に対して着脱可能に固定される偏流板と、を備え、複数の前記伝熱管は、前記高温ガスの流れ方向に並んで配置されるとともに、前記高温ガスの流れ方向及び前記所定方向の両方と交差する交差方向に並んで配置されていて、前記偏流板は、前記高温ガスの流れ方向の下流側端部に配置された前記伝熱管に固定されていて、板面が前記高温ガスの流れ方向と交差するように設けられていて、前記偏流板によって、前記高温ガスの流れを変更する工程を備えている。
本発明によれば、偏流板を取り付ける領域を容易に調整することができ、好適に、高温ガスの偏流を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る油焚きボイラを示す概略構成図である。 図1の油焚きボイラに設けられた熱交換器と、蒸気及び給水系統と、を示す概略図である。 図1の過熱器を示す側面図である。 図3のB-B矢視断面図である。 図3の過熱器の上面図である。 図3の偏流板の展開図である。 図3の偏流板を示す斜視図である。 図3の変形例を示す図である。
以下に本発明に係る好適な実施形態について図面を参照して説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
本実施形態のボイラは、重油や原油などを燃料(炭素含有液体燃料)として用い、この燃料を燃焼バーナにより燃焼させ、この燃焼により発生した熱を回収して給水や蒸気と熱交換して過熱蒸気を発生することが可能な油焚きボイラである。以降の説明で、上や上方とは鉛直方向上側を示し、下や下方とは鉛直方向下側を示すものである。
本実施形態に係るボイラシステム1は、油焚きボイラ10と、油焚きボイラ10へ燃料を供給するポンプ31,32等によって構成されている。
本実施形態において、図1に示すように、油焚きボイラ10は、火炉11と燃焼装置12と煙道(燃焼ガス流路)13を有している。火炉11は、四角筒の中空形状をなして鉛直方向に沿って設置されている。火炉11を構成する火炉壁は、複数の蒸発管とこれらを接続するフィンとで構成され、給水や蒸気と熱交換することにより火炉壁の温度上昇を抑制している。
燃焼装置12は、火炉11を構成する火炉壁の下部側に設けられている。本実施形態では、燃焼装置12は、火炉壁に装着された複数の燃焼バーナ(例えば21,22,23,24,25)を有している。例えば燃焼バーナ21,22,23,24,25は、周方向に沿って均等間隔で配設されたものが1セットとして、鉛直方向に沿って複数段配置されている。但し、火炉の形状や一つの段における燃焼バーナの数、段数はこの実施形態に限定されるものではない。
各燃焼バーナ21,22,23,24,25は、燃料供給管26,27,28,29,30を介してポンプ31,32に連結されている。このポンプ31,32は、図示しないが、例えば燃料タンクなどの燃料貯蔵設備と接続されている。ポンプ31,32によって燃料を燃料貯蔵設備から燃料供給管26,27,28,29,30を介して燃焼バーナ21,22,23,24,25に供給することができる。
また、火炉11は、各燃焼バーナ21,22,23,24,25の装着位置に風箱36が設けられており、この風箱36に空気ダクト37の一端部が連結されている。空気ダクト37は、他端部に送風機38が設けられている。
煙道13は、火炉11の鉛直方向上部に連結されている。煙道13は、燃焼ガス(高温ガス)の熱を回収するための熱交換器として、過熱器41,42、再熱器44,45、節炭器46,47が設けられており、火炉11での燃焼で発生した燃焼ガスと各熱交換器を流通する流体である給水や蒸気との間で熱交換が行われる。
煙道13は、その下流側に熱交換を行った燃焼ガスが排出されるガスダクト48が連結されている。ガスダクト48は、空気ダクト37との間にエアヒータ(空気予熱器)49が設けられ、空気ダクト37を流れる空気と、ガスダクト48を流れる燃焼ガスとの間で熱交換を行い、燃焼バーナ21,22,23,24,25に供給する燃焼用空気を昇温することができる。
また、煙道13に連結されるガスダクト48は、下流端部に煙突53が設けられている。
一方、燃料は、ポンプ31,32が駆動すると、燃料供給管26,27,28,29,30を通して燃焼バーナ21,22,23,24,25に供給される。また、加熱された燃焼用空気が空気ダクト37から風箱36を介して各燃焼バーナ21,22,23,24,25に供給される。すると、燃焼バーナ21,22,23,24,25は、図示しないノズルによって燃料を火炉11に吹き込むと共に燃焼用空気を火炉11に吹き込み、このときに着火することで火炎を形成することができる。火炉11内の下部で火炎が生じ、燃焼ガスがこの火炉11内を上昇し、煙道13に排出される。
その後、燃焼ガスは、煙道13に配置される過熱器41,42、再熱器44,45、節炭器46,47で熱交換した後、煙突53から大気中に排出される。
次に、熱交換器として、煙道13に設けられた過熱器41,42、再熱器44,45、節炭器46,47について詳細に説明する。図2は、油焚きボイラ10に設けられた熱交換器と、蒸気及び給水系統と、を示す概略図である。なお、図2では蒸気及び給水系統を説明するための図であって、煙道13内の各熱交換器(過熱器41,42、再熱器44,45、節炭器46,47)の位置を正確に示しているものではない。
図2に示すように、本実施形態において、煙道13は、内部に燃焼ガスが通過する燃焼ガス通路60が設けられており、この燃焼ガス通路60に過熱器41,42、再熱器44,45、節炭器46,47が配置されている。なお、過熱器41,42は、ヘッダを介して直列に設けられてもよいが、図2では、このヘッダを省略している。
油焚きボイラ10で生成した蒸気により運転される蒸気タービン61は、例えば、高圧タービン62と低圧タービン63とから構成されている。低圧タービン63は、復水器64が連結されており、低圧タービン63を駆動した蒸気がこの復水器64で冷却水(例えば、海水)により冷却されて復水となる。復水器64は、給水ラインL1を介して第1節炭器47の入口ヘッダ65に連結されている。入口ヘッダ65は、燃焼ガス通路60に設けられており、給水ラインL1は、燃焼ガス通路60の外側に給水ポンプ66が設けられている。第2節炭器46は、第1節炭器47の上方に配置されており、各節炭器46,47の間に中間ヘッダ67が設けられている。第2節炭器46は、上部に出口ヘッダ68が連結されており、この出口ヘッダ68は、燃焼ガス通路60の外側に配置されている。
出口ヘッダ68は、給水ラインL2を介して燃焼ガス通路60の外側に配置される蒸気ドラム69に連結されている。蒸気ドラム69は、火炉壁の各伝熱管(図示略)に連結されると共に、入口ヘッダ74を介して、過熱器41,42に連結されている。また、過熱器41,42は、蒸気ラインL3を介して高圧タービン62に連結されている。なお、L3には出口ヘッダ75が設けられている。そして、高圧タービン62は、蒸気ラインL4を介して第1再熱器45の入口ヘッダ(管寄せ)70に連結されている。入口ヘッダ70は、燃焼ガス通路60に設けられており、第1再熱器45は、中間ヘッダ71を介して第2再熱器44に連結され、第2再熱器44は、上部に出口ヘッダ72が連結されており、この中間ヘッダ71及び出口ヘッダ72は、燃焼ガス通路60の外側に配置されている。そして、出口ヘッダ72は、蒸気ラインL5を介して低圧タービン63に連結され低圧タービン63を回転駆動している。
そのため、燃焼ガスが煙道13の燃焼ガス通路60を流れるとき、この燃焼ガスは、過熱器41,42、再熱器44,45、節炭器46,47の順に熱回収される。一方、給水ポンプ66から供給された水は、節炭器47,46によって予熱された後、蒸気ドラム69に供給され、図示しない火炉壁の各伝熱管に供給される間に加熱されて飽和蒸気となり、蒸気ドラム69に戻される。蒸気ドラム69の飽和蒸気は、過熱器41,42に導入され、燃焼ガスによって過熱される。過熱器41,42で生成された過熱蒸気は、高圧タービン62に供給され、この高圧タービン62を回転駆動する。高圧タービン62から排出された蒸気は、再熱器45,44に導入されて再度過熱された後、低圧タービン63に供給され、この低圧タービン63を回転駆動する。蒸気タービン61の回転軸には、発電機が接続されており、発電が行われる。低圧タービン63から排出された蒸気は、復水器64で冷却されることで復水となり、再び、節炭器47,46に送られる。
また、煙道13は、入口ヘッダ70と節炭器47との間にスーツブロワ(噴射装置)80が配置されていてもよい。スーツブロワ80は、入口ヘッダ70の長手方向と平行な方向に延在して入口ヘッダ70に対向する位置に配置される。スーツブロワ80は、入口ヘッダ70の長手方向を軸方向として、軸方向に直交する方向に蒸気(気体)を噴射し、また噴射方向も変動することができる噴射装置である。スーツブロワ80から節炭器47に向けて噴射された蒸気は、節炭器47の伝熱管の表面に堆積した燃焼灰を除去する。
次に、本実施形態の煙道13に設けられた過熱器(熱交換器)42及び過熱器(熱交換器)42に設けられた偏流板81について、図3から図7を用いて、より詳細に説明する。過熱器42は、過熱器41よりも、燃焼ガス(高温ガス)の流れにおける下流側に設けられている。なお、図3から図5において、X方向は、煙道13を流通する燃焼ガス(高温ガス)の流れ方向を示している。また、Z方向(所定方向)は、鉛直上下方向を示している。また、Y方向(交差方向)は、X方向及びZ方向の両方に直交する方向(本実施形態では、煙道13の幅方向)を示している。
過熱器42の配置場所を説明するために、まず、煙道13の詳細な形状の説明をする。本実施形態の煙道13は、図1及び図3に示すように、火炉11の鉛直方向上部に連結されて、略鉛直方向に延びる第1鉛直部13aと、第1鉛直部13aの上端(燃焼ガス流れにおける下流端)から曲折して略水平方向に延びる水平部13bと、水平部13bの下流端から略鉛直下方に延びる第2鉛直部13cと、を一体的に有している。第1鉛直部13aと水平部13bとの連結部分の内側曲折部分には、燃焼ガス通路60へ突出する突出部13dが設けられている。また、突出部13dは、第1鉛直部13aの内周面から斜め上方に延びる第1傾斜面13daと、第1傾斜面13daの上縁から水平部13b方向の斜め上方へ延びる第2傾斜面13dbと、を有し、縦断面が略三角形状に形成されている。
本実施形態では、過熱器42は、第1鉛直部13aと、水平部13bとの連結部分に配置されている。より詳細には、突出部13dの上方に設けられている。過熱器42の下端は、第2傾斜面13dbに沿うように形成されている。また、過熱器42の上流端部は、突出部13dの先端部分よりも燃焼ガス通路60内へ突出している。
過熱器42は、幅方向に延在する入口ヘッダ74(図4参照)と、同方向に延在する出口ヘッダ75とを連結する複数の伝熱管43によって構成されている。各伝熱管43は、図3に示すように、入口ヘッダ74から略鉛直下方へ延びる第1鉛直管部43aと、第1鉛直管部43aの下端から曲折して第2傾斜面13dbに沿って斜め下方へ延びる傾斜管部43bと、傾斜管部43bの下端から曲折して略鉛直上方へ延びる第2鉛直管部43cと、を備えている。すなわち、第1鉛直管部43a及び第2鉛直管部43cは、Z方向に沿って延在している。入口ヘッダ74及び出口ヘッダ75は、煙道13の外側に設けられているため、第1鉛直管部43a及び第2鉛直管部43cは、煙道13の天井壁13eを貫通している。
また、過熱器42の複数の伝熱管43は、Y方向(以下、Y方向のことを「幅方向」ともいう。)に沿って所定の間隔で並ぶように設けられるとともに、第1鉛直管部43a及び第2鉛直管部43cがX方向(以下、X方向のことを「燃焼ガスの流れ方向」ともいう。)に沿って所定の間隔で並ぶように設けられている(図4及び図5参照)。
次に、偏流板81について説明する。
偏流板81は、図3に示すように、過熱器42の複数の伝熱管43のうち、燃焼ガスの流れ方向(X方向)の下流側端部に配置された伝熱管43の第1鉛直管部43aに固定されていている。また、偏流板81は複数設けられている。
各偏流板81は、図6及び図7に示すように、板状の金属板を折り曲げて形成される。図6の破線部分が折り曲げ位置になる。伝熱管43に固定される矩形板状の固定部81aと、固定部81aの上端から曲折してX方向の下流側へ略水平に延びる上部水平部81bと、固定部81aの下端から曲折してX方向の下流側へ略水平に延びる下部水平部81cと、固定部81aの外側端(煙道13の壁側端)から曲折してX方向の下流側へ延びる外側部81dと、固定部81aの内側端から曲折してX方向の上流側へ延びる内側部(曲折部)81eと、を一体的に備えている。偏流板81は、固定部81aの板面がX方向と直交するように配置されている。また、偏流板81は、例えば、耐熱性及び耐食性を有するSUS304やSUS316やSUS310Sなどのステンレス鋼で形成されている。煙道13内は、燃焼ガスが流通するため、例えば周囲温度が800℃から1000℃程度の高温雰囲気であって、かつ、酸化性雰囲気であり、更には腐食性雰囲気であることもあるため、耐熱性及び耐食性を有するステンレス鋼で形成することで、偏流板81の損傷を抑制することができる。
本実施形態では、図6に示すように、偏流板81が一枚の板材を曲折することで形成されている。なお、本発明はこれに限定されず、各部を溶接等で接続することで偏流板81を形成してもよい。
また、偏流板81の各部分の板厚は、例えば4mmから8mm程度に設定され、偏流板81の重量は例えば10kgから20kg程度に設定されている。なお、偏流板81の板厚及び重量は、これに限定されない。偏流板81を設置や調整するにあたり、煙道13のマンホールなどから搬入搬出が可能なサイズと重量になることが好ましい。
固定部81aは、幅方向に延びる正面視で略長方形状の板材であって、板厚方向に貫通する複数(本実施形態では一例として6つ)のボルト孔82が設けられている。6つのボルト孔82は、偏流板81が例えば3本の伝熱管43に対して幅方向(Y方向)に取り付け可能なように、幅方向に所定の間隔で並んで設けられている。詳細には、外側部81d側から順番に、第1ボルト孔82aから第6ボルト孔82fが形成されている。第1ボルト孔82a、第2ボルト孔82b、第5ボルト孔82e及び第6ボルト孔82fは、幅方向(取り付け時にY方向となる)に延びる長円形状に形成されている。第3ボルト孔82c及び第4ボルト孔82dは、略真円形状に形成され、伝熱管43に対する偏流板81の位置決めを可能としている。なお、偏流板81を幅方向(Y方向)に取り付ける際の伝熱管43の数は、3本に限定されない。例えば、1本から5本のいずれかの本数の伝熱管43を対象にして設定され、ボルト孔82が幅方向に所定の間隔で並んで設けられていてもよい。
伝熱管43と固定部81aとは、各ボルト孔82を挿通する複数(本実施形態では、一例として3つ)のUボルト83及びUボルト83の各軸部と螺合するナット(図示省略)により締結固定されている。詳細には、2つの軸部が各々第1ボルト孔82a及び第2ボルト孔82bを挿通する第1Uボルト83aと、2つの軸部が各々第3ボルト孔82c及び第4ボルト孔82dを挿通する第2Uボルト83bと、2つの軸部が各々第5ボルト孔82e孔及び第6ボルト孔82fを挿通する第3Uボルト83cと、によって締結固定されている。各Uボルト83は、2つの軸部を連結する湾曲部の内周面が伝熱管43の外周面に接触するように設けられている。また、第1Uボルト83a、第2Uボルト83b及び第3Uボルト83cは、各々異なる伝熱管43に対して着脱可能に固定されている。
また、Uボルト83及びUボルト83の各軸部と螺合するナットは、偏流板81と同様に、高温雰囲気であって、かつ、酸化性雰囲気であり、更には腐食性雰囲気である煙道13に設けられている。このため、Uボルト83及びUボルト83の各軸部と螺合するナットは、偏流板81と同様に、例えば、耐熱性及び耐食性を有するSUS304,SUS316やSUS310Sなどのステンレス鋼で形成される。これにより、Uボルト83及びナットの損傷を抑制することができる。
このように、伝熱管43と偏流板81とは、着脱可能に固定されている。すなわち、少なくとも偏流板81の取り付けとその設置位置を恒久対策とするまでは、溶接等で固定されていない。これにより、伝熱管43又は偏流板81の機能を損なうことなく、伝熱管43と偏流板81との固定を解除して、着脱や位置を調整することができる。
また、伝熱管43と固定部81aとが固定された状態において、内側部(曲折部)81eは、隣接する伝熱管43同士の間に位置している。内側部81eのX方向の長さは、伝熱管43の直径よりも長く、かつ、内側部81eのX方向端部が、偏流板81が固定される伝熱管43の上流側の伝熱管43に接触しない長さに設定されている。
複数の偏流板81は、図3及び図4に示すように、上下方向(Z方向)に沿って並んで設けられている。詳細には、固定部81aの板面が略面一となるように、並んで配置されている。すなわち、複数の偏流板81は、煙道13の断面の一部の領域の燃焼ガスの流通を阻害するように設けられている。具体的には、偏流板81は、図4に示すように、例えば煙道13の断面の幅方向(Y方向)の両端部の領域を、上下方向の略全域に亘って燃焼ガスの流通を阻害するように設けられている。なお、偏流板81を設ける領域は、一例であり、本実施形態の領域に限定されない。偏流板81を設ける領域は、燃焼ガスの流量が多く、伝熱管43の温度が上昇しやすい領域に設けられる。すなわち、偏流板81を設ける領域は、シミュレーションや試験等によって、燃焼ガスの流量が多い領域と判断された領域とされる。
例えば、煙道13の断面の幅方向(Y方向)については、煙道13の片側の端部の伝熱管43の2本分または3本分の領域に対して、燃焼ガスの流通を阻害するように偏流板81を設けてもよい。また、煙道13の片側の端部もしくは両側の端部の伝熱管43の1本分または2本分の領域には偏流板81を設けずに、その隣接する領域に、伝熱管43の2本分または3本分の領域に対して、燃焼ガスの流通を阻害するように偏流板81を設けてもよい。また、上下方向(Z方向)については、煙道の上端部もしくは下端部に、偏流板81を1枚から3枚程度設け、燃焼ガスの流通を阻害するように設けてもよい。また、上端部もしくは下端部の偏流板81の1枚分から3枚分の領域には、偏流板81を設けずに燃焼ガスを流通可能としておき、その隣接する領域に偏流板81を必要枚数設けてもよい。このように、複数の偏流板81を設けて燃焼ガスの流れを阻害する領域は、自由に設定することができる。
なお、複数の偏流板81は、最下段に配置される偏流板81が煙道13の底面部に載置されるように設けてもよく、また、煙道13の底面部と任意の間隔を置いて設けられてもよい。また、最下段以外に配置される偏流板81が下方に配置される偏流板81に載置されるように設けられてもよい。また、各偏流板81が、Uボルト83及びナットの締結力によって、各々独立して伝熱管43に固定されていてもよい。
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態では、煙道13内に、板面が燃焼ガスの流れ方向(X方向)と交差するように偏流板81が設けられている。すなわち、偏流板81によって煙道13の燃焼ガスの流通の一部が阻害されている。これにより、燃焼ガスは、偏流板81を避けるように流れる。よって、偏流板81を設けることで、燃焼ガスの流れを変更することができる。このため、偏流板81を設けた領域における燃焼ガスの流量を減少させることができる。したがって、例えば、煙道13内において、燃焼ガスの流量の偏りが発生している場合に、燃焼ガスの流量が多い領域に偏流板81を設けることで、当該領域の燃焼ガス流量を低減することができる。したがって、煙道13のガス流量の偏りを抑制することができる。よって、燃焼ガスの流量の偏りによる伝熱管43内を流れる流体(給水または蒸気)への吸熱量が調整され、伝熱管43の温度(メタル温度)の局所的な昇温が抑制されるので、伝熱管43の損傷や性能低下を抑制することができる。
なお、本実施形態では、一例として、煙道13の断面の幅方向の両端部の領域を、上下方向の略全域を阻害するように設けられている。このように設けることで、煙道13の断面の幅方向の両端部の領域の燃焼ガスの流量が多いボイラにおいて、煙道13のガス流量の偏りを抑制することができる。
煙道13の燃焼ガスの流量の分布は、例えば、幅方向に並ぶ伝熱管43同士の隙間の長さによって決まる。すなわち、他の領域よりも、伝熱管43同士の隙間を広く設定している領域は、他領域よりも燃焼ガス流れの圧力損失が少なくなり、燃焼ガスの流量が多くなる。したがって、伝熱管43同士の隙間の間隔に基づいて、偏流板81を設ける領域を決定してもよい。具体的には、他の領域よりも伝熱管43同士の隙間が広くなるように伝熱管43が設けられている領域に、偏流板81を設けてもよい。
また、偏流板81と伝熱管43とをUボルト83とナットとによって固定している。すなわち、偏流板81を着脱可能に固定しているため、伝熱管43から偏流板81を取り外すことや、設置位置を移動することができる。これにより、偏流板81を取り付ける領域を容易に変更することができる。したがって、仮に、燃焼ガス流量の偏りの抑制効果が少ない位置に偏流板81を設けてしまった場合であっても、偏流板81を取り付ける位置を容易に変更することができる。また、偏流板81を取り付けた後に燃焼ガス流れの状況が変化し、燃焼ガスの流量が多い領域が変化した場合であっても、燃焼ガスの流量が多い領域に偏流板81を設置し直すことができる。このように、偏流板81の取り付け領域を容易に調整することができるので、より好適に、燃焼ガスの流量が多い領域に偏流板81を設置することができる。これにより、伝熱管43内を流れる流体への吸熱量が調整され、燃焼ガスの流量の偏りによる伝熱管43の局所的な昇温がより抑制されるので、伝熱管43の損傷や伝熱性能の低下を抑制することができる。
また、偏流板81が着脱可能であるので、燃焼ガスの流量の偏りによる伝熱管43の局所的な昇温が突発的に発生した場合に、恒久的な対策を行う前に、応急的に局所的な昇温を抑制することができる。すなわち、恒久的な対策時に、偏流板81が不要であるような場合には、容易に偏流板81を取り外し、恒久的な対策を実施することができる。
また、応急的に偏流板81を取り付けて、その効果を確認した場合には、対策を実施する必要がある領域を限定してから恒久的な対策を実施することができる。
また、偏流板81を最も下流側に配置された伝熱管43に対して固定している。これにより、偏流板81に衝突する燃焼ガスは、上流側の伝熱管43と熱交換を終えた燃焼ガスとなる。したがって、偏流板81に衝突する燃焼ガスの温度は、偏流板81を上流側の伝熱管43に対して固定した場合と比較して、低い温度となる。よって、偏流板81の熱による損傷を抑制することができる。
また、偏流板81は、偏流板81が複数設けられ、複数の偏流板81は板面が面一となるように、並んで配置されている。すなわち、複数の偏流板81によって、煙道13の燃焼ガスの流れを阻害している。これにより、同面積を阻害する場合で比較して、一枚の偏流板81で阻害するよりも、各偏流板81を小型化することができる。したがって、偏流板81の取り付け作業及び取り外し作業の作業性を向上させることができる。特に、偏流板81の取り付け場所である煙道13内は狭隘部であるので、偏流板81は、重機等を用いることなく、作業員によってマンホールなどから煙道13内と搬入搬出が出来て、持ち運び可能な程度の大きさ及び重量であることが好ましい。本実施形態では、偏流板81を作業員が持ち運び可能な10kgから20kg程度としているため、作業性を向上させることができる。
また、着脱可能な偏流板81が複数設けられているので、各偏流板81の取り付け又は取り外しを行うことで、煙道13の阻害位置と阻害面積を細かく調整することができる。したがって、煙道13の断面の各領域での燃焼ガス流量の低減量を調整することができるので、適切に煙道13のガス流量の偏りを抑制することができる。
また、本実施形態では、偏流板81が上下方向に沿って並んで配置されている。これにより、偏流板81を着脱することで、偏流板81による煙道13の阻害領域を上下方向に調整することができる。したがって、煙道13内において、上下方向に燃焼ガス流量の偏りが発生した場合であっても、煙道13のガス流量の偏りを抑制することができる。
具体的には、本実施形態に係るボイラ10のように、煙道13が第1鉛直部13aと水平部13bとを有しているような場合には、第1鉛直部13aと水平部13bとの連結部分において、燃焼ガスがショートパスする場合がある。燃焼ガスがショートパスした場合、内周側を流れる燃焼ガス(図3の矢印A)の流量が、外周側を流れる燃焼ガス(図3の矢印B)の流量よりも多くなる傾向がある。このように、過熱器42は、煙道13の燃焼ガス流れ方向が鉛直方向から水平方向に変わる連結位置付近に配置されるため、偏流の影響を受け易い。このような場合には、上部に偏流板81を設けずに、下部のみに偏流板81を設けることで、上下方向(Z方向)における燃焼ガス流量の偏りを抑制することができる。よって、伝熱管43内を流れる流体への吸熱量が調整され、燃焼ガスの流量の偏りによる伝熱管の局所的な昇温がより抑制されるので、伝熱管の損傷や伝熱性能の低下を抑制することができる。
また、本実施形態では、長円形状のボルト孔82を挿通するUボルト83によって偏流板81が着脱可能に伝熱管43に固定されている。これにより、偏流板81が長円形状の長手方向(幅方向)に熱伸びした場合であっても、Uボルト83とボルト孔82の縁との干渉を抑制することができる。したがって、Uボルト83及びボルト孔82の損傷及びこれを取り付けた伝熱管43の変形や損傷を抑制することができる。なお、長円形状の長手方向は、交差方向(Y方向)が好ましい。
また、本実施形態では、偏流板81の固定部81aの幅方向の端部を曲折して、外側部81d及び内側部81eを形成している。本実施形態では、外側部81dは、燃焼ガス流れ方向(X)方向の下流側に曲折し、内側部81eは燃焼ガス上流側に曲折している。これにより、偏流板81の振動等によって、偏流板81の固定部81aの幅方向の端部と伝熱管43とが接触した場合であっても、偏流板81の端部と伝熱管43とが面接触することとなるので、伝熱管43の損傷を抑制することができる。なお、本実施形態では、固定部81aの幅方向の端部を曲折して外側部81d及び内側部81eを形成する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、固定部81aの幅方向の端部を湾曲させることで、外側部81d及び内側部81eを形成してもよい。このように形成することで、固定部81aの幅方向の端部が湾曲面となるので、より好適に偏流板81の固定部81aの幅方向の端部と伝熱管43とが接触した場合に、伝熱管43の損傷を抑制することができる。
また、本実施形態では、伝熱管43と固定部81aとが固定された状態において、内側部81eは、隣接する伝熱管43同士の間に位置している。すなわち、内側部81eは、偏流板81に衝突し、偏流板81の板面に沿って幅方向に流通する燃焼ガスの流れに対向するように設けられている。これにより、内側部81eが燃焼ガスの流れの抵抗となるので、偏流板81を設けた領域において、燃焼ガスの流量を低減することができる。
また、伝熱管43の局所的な昇温を抑制する構成として、伝熱管43を耐火材で覆うことも考えられる。しかしながら、耐火材は、伝熱管43の熱伸びに追従できないため、損傷や脱落する可能性がある。また、伝熱管43を保温材で覆うことも考えられる。しかしながら、保温材を設ける構成は、高温の燃焼ガスに曝される環境では耐久性が低い。また、燃焼ガスが腐食成分を含む場合には、保温材を保持する金具(針金等)が損傷し、脱落する可能性がある。脱落した金具等は、煙道13の下流側へ飛散し、下流側の熱交換器(再熱器44、45等)や、エアヒータ49に付着して、燃焼ガス流れの抵抗体となって圧力損失を増加させる可能性がある。
一方、本実施形態では、偏流板81をUボルト83で強固に固定している。これにより、偏流板81自体や、Uボルト83等の固定部81a材の脱落を抑制することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に係る発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、ボイラ10として、重油や原油などの液体燃料を用いる油焚きボイラを例に説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、燃料として液体燃料に限らず、天然ガスや副生ガスなどのガス燃料を用いるガス焚きボイラであってもよく、更には、石炭やバイオマス、石油コークス、石油残渣などの固体燃料を使用する固体燃料焚きボイラであってもよい。そして、これら燃料の混焼焚きにも適用することができる。
また、上記実施形態では、複数の偏流板81が、図4に示すように、煙道13の断面の幅方向の両端部の領域の燃焼ガスの流通を阻害するように設けられる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図8のように設けてもよい。図8に示すように、煙道13の断面の幅方向の中央領域を阻害するように設けてもよい。また、煙道13の断面の上下方向の中央領域を阻害するように設けてもよい。
また、上記実施形態では、過熱器42に偏流板81を設ける例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、過熱器41に偏流板を設けてもよく、また、再熱器44、45や、節炭器46,47に偏流板を設けてもよい。
1 :ボイラシステム
10 :油焚きボイラ(ボイラ)
11 :火炉
12 :燃焼装置
13 :煙道(燃焼ガス流路)
13a :第1鉛直部
13b :水平部
13c :第2鉛直部
13d :突出部
13da :第1傾斜面
13db :第2傾斜面
13e :天井壁
41,42 :過熱器(熱交換器)
43 :伝熱管
43a :第1鉛直管部
43b :傾斜管部
43c :第2鉛直管部
44 :第2再熱器
45 :第1再熱器
46 :第2節炭器
47 :第1節炭器
48 :ガスダクト
74 :入口ヘッダ
75 :出口ヘッダ
81 :偏流板
81a :固定部
81b :上部水平部
81c :下部水平部
81d :外側部(曲折部)
81e :内側部(曲折部)
82 :ボルト孔
82a :第1ボルト孔
82b :第2ボルト孔
82c :第3ボルト孔
82d :第4ボルト孔
82e :第5ボルト孔
82f :第6ボルト孔
83 :Uボルト
83a :第1Uボルト
83b :第2Uボルト
83c :第3Uボルト

Claims (7)

  1. 内部に流体が流通していて、前記流体よりも高温である高温ガスと前記流体とを熱交換させ、前記高温ガスの流れ方向と交差する所定方向に延びる複数の伝熱管と、
    前記伝熱管に対して着脱可能に固定される偏流板と、を備え、
    複数の前記伝熱管は、前記高温ガスの流れ方向に並んで配置されるとともに、前記高温ガスの流れ方向及び前記所定方向の両方と交差する交差方向に並んで配置されていて、
    前記偏流板は、前記高温ガスの流れ方向の下流側端部に配置された前記伝熱管に固定されていて、板面が前記高温ガスの流れ方向と交差するように設けられていて、
    複数の前記偏流板は、前記所定方向に沿って並んで配置されている熱交換器。
  2. 前記偏流板は、複数設けられ、
    複数の前記偏流板は、板面が前記所定方向と前記交差方向とで形成される面に沿うように並んで配置されている請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記偏流板には、長円形状のボルト孔が形成されていて、
    前記偏流板と前記伝熱管とは、前記ボルト孔を挿通するUボルトによって固定されている請求項1または請求項2に記載の熱交換器。
  4. 前記偏流板は、前記板面の前記交差方向の端部から前記高温ガスの流れ方向の上流側もしくは下流側方向へ曲折して延びる曲折部を有している請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱交換器。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の熱交換器と、
    火炉で生成された燃焼ガスが流通する燃焼ガス流路と、を備え、
    前記熱交換器は、前記燃焼ガス流路内に設けられ、
    前記高温ガスは、前記燃焼ガスであるボイラ。
  6. 前記熱交換器は過熱器である請求項5に記載のボイラ。
  7. 熱交換器の吸熱量調整方法であって、
    前記熱交換器は、
    内部に流体が流通していて、前記流体よりも高温である高温ガスと前記流体とを熱交換させ、前記高温ガスの流れ方向と交差する所定方向に延びる複数の伝熱管と、
    前記伝熱管に対して着脱可能に固定される偏流板と、を備え、
    複数の前記伝熱管は、前記高温ガスの流れ方向に並んで配置されるとともに、前記高温ガスの流れ方向及び前記所定方向の両方と交差する交差方向に並んで配置されていて、
    前記偏流板は、前記高温ガスの流れ方向の下流側端部に配置された前記伝熱管に固定されていて、板面が前記高温ガスの流れ方向と交差するように設けられていて、
    複数の前記偏流板は、前記所定方向に沿って並んで配置されていて、
    前記偏流板によって、前記高温ガスの流れを変更する工程を備えた熱交換器の吸熱量調整方法。
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