JP5717425B2 - ボイラ - Google Patents

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本発明は、火炉に設置されたバーナの燃焼により発生した燃焼ガスが、火炉から過熱器管群を通過して流れるように構成されたボイラに関する。
一般に、ボイラは、火炉にてバーナの燃焼により発生した燃焼ガスが、火炉の下流側に配設された過熱器、蒸発器を順に通過して各管内の蒸気や水等の流体と熱交換することにより熱回収する構成を有している。
例えば図10に示す舶用ボイラ1は、上部にバーナ2が設けられた火炉3と、火炉3の側部に接続されるガス流路に配設された各種伝熱管とを有する。伝熱管は、燃焼ガス流れ方向の最も上流側にフロントバンクチューブ7が配設され、その下流側に過熱器管8が配設され、さらに過熱器管8の下流側に蒸発管9が配設されている。この舶用ボイラ1では、バーナ2から噴出する燃料と空気の混合ガスを火炉3内で燃焼させて燃焼ガスを発生させる。燃焼ガスは火炉3からフロントバンクチューブ7、過熱器8、蒸発管群9の順に略水平方向に通過し、上記した各伝熱管内を通流する蒸気又は水等の流体と熱交換した後にガス出口6より外部に排出される。
このようなボイラでは、過熱器管や蒸発管を通過する燃焼ガスの流量分布等により部分的に伝熱管の熱負荷が高くなることがあった。伝熱管の中でも過熱器管は最も高温部位に配置され、燃焼ガスの熱や腐食性ガスに曝されることにより減肉が進行しやすい管である。図11は従来の舶用ボイラの腐食速度の一例を示す図であり、同図に示されるように、燃焼ガスの流量が集中し且つ管内の蒸気温度が高い過熱器管部位の腐食速度が局所的に大きくなる。特に上記した舶用ボイラでは、設置スペースの制約が大きいことから火炉が小さい場合が多く、火炉に近接する過熱器管が高温環境下におかれることから減肉が進行しやすく、また火炉の熱負荷が高くなるためNOxが発生しやすいという問題があった。さらにまた、バーナが過熱器側に傾いて設置されることもあり、この場合火炎が過熱器側に傾き、やはり過熱器管の減肉の進行を促進させてしまう。
そこで、過熱器管の腐食を防止するために特許文献1(特開2009−198117号公報)では、過熱器管ごとにその周囲を板状の保護部材で覆うようにした構成を提案している。これは、過熱器管と面接触する保護部材により過熱器管に灰が付着するのを防止し、金属腐食、減肉速度を低減するようにしたものである。
一方、燃焼ガスの流量分布を均一にする技術として、特許文献2(特開2002−243106号公報)には、蒸発管群の出口側に整流板を設けた構成が開示されている。これは、整流板の角度を調整することによって過熱器や蒸発管群を流れる燃焼ガスの流動パターンが均一になるようにしたものである。
特開2009−198117号公報 特開2002−243106号公報
しかしながら、特許文献1に開示されるように過熱器管を保護部材で覆う構成は、過熱器管の腐食や減肉を低減することは可能であるが、1本1本の過熱器管ごとに保護部材で覆うとコストが嵩み、さらに過熱器管は密集して配置されていることから保護部材の取り付け作業が困難であった。
また、特許文献2に開示されるように整流板を設置する構成は、熱回収効率の向上には寄与するものの、整流板が伝熱管群の出口側に配置されているため最も上流側の過熱器管の熱負荷が高くなることは避けられず、過熱器管の部分的な減肉は阻止できなかった。
さらにまた、上記した特許文献1及び特許文献2は、腐食減肉の低減又は熱効率の向上のみを目的としたものであり、NOx低減には新たに別の構成を備える必要があった。
したがって、本発明はかかる従来技術の問題に鑑み、簡単な構成により過熱器管の腐食減肉を低減可能で且つ低NOx化を図ることができるボイラを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係るボイラは、火炉上部にバーナが設置され、前記バーナの燃焼により発生した燃焼ガスが、前記火炉の側部に接続されるガス流路に配置された過熱器管群を通って流れるように構成されたボイラにおいて、前記過熱器管群と前記火炉の出口との間に、前記ガス流路を部分的に遮蔽して燃焼ガス流れを偏向させる板状偏向部材を設置し、前記板状偏向部材の設置部位が、前記過熱器管群のうち燃焼ガス流れ方向最上流側に配置された過熱器管列を通過する燃焼ガス温度及び流量の分布と、前記最上流側の過熱器管列を流れる蒸気温度の分布とに基づいて設定されていることを特徴とする。
火炉上部に設置されたバーナにより下方に向けて発生した燃焼ガス流れが、水平方向に向きを変えて通流するボイラにおいては、燃焼ガスの流動パターンが不均一になる。そこで本発明では、ガス流路を部分的に遮蔽して燃焼ガス流れを偏向させる板状偏向部材を設置することによって、高温の燃焼ガス流れを過熱器より上流側で分散させることができ、過熱器管に部分的に過大な熱負荷及び燃焼ガスによる流量負荷がかかることを防止でき、過熱器管の腐食減肉を低減することが可能となる。
ここで、過熱器管の腐食減肉現象のメカニズムは複雑であるが、次の2つの要因が大きく影響すると考えられる。一つは過熱器管の温度条件であり、過熱器管が高温になる程腐食減肉が進みやすい。もう一つは、燃焼ガスの流量条件が挙げられる。これは、燃焼ガス中に含まれる低融点灰が付着すると管表面の酸化被膜を破壊して金属を腐食させるため、過熱器管と接触する燃焼ガス流量が大きいほど腐食減肉が進みやすい。また、燃焼ガス流速が速くなることで熱伝達率が上がること、加えて燃焼ガス中に含まれる灰が過熱器管を摺擦し、摩耗を進行させる場合もある。
そこで本発明では、燃焼ガス温度及び蒸気温度から決定される過熱器管温度と、過熱器管を通過する燃焼ガス流量との両方に基づいて板状偏向部材の設置部位を設定する構成としており、これにより最も腐食減肉しやすい過熱器管部位に確実に板状偏向部材を設置することができ、過熱器管の腐食減肉を低減させることが可能となる。
なお、本発明において板状偏向部材の設置部位は、燃焼ガス温度及び流量の分布と蒸気温度の分布とにより腐食が進行しやすい過熱器管部位を推定し、この推定された過熱器管部位に板状偏向部材を設置することが好ましい。ここで前記推定とは具体的に、燃焼ガス温度及び流量の分布と蒸気温度の分布をシミュレーション又は実測により求め、ここから腐食減肉しやすい過熱器管部位を求めてもよいし、過去の運転履歴から腐食しやすい過熱器管部位を特定してもよい。
さらにまた、板状偏向部材を火炉出口に部分的に設置することにより、一部の燃焼ガスは板状偏向部材に衝突後、火炉に戻り火炉壁に沿って上昇してバーナ近傍に戻る。これが自己再循環ガスとなりバーナの主燃焼部のガス温度を低減し、低NOx化を図ることが可能となる。したがって本発明の構成のみで、過熱器管の腐食減肉の低減と低NOx化の両方を達成することが可能となる。
また、前記板状偏向部材が、前記過熱器管列の高さ方向下部に設置されていることが好ましい。
火炉上部にバーナが設置され、火炉側部にガス流路が接続され、該ガス流路に過熱器管群8が配設された舶用ボイラ1においては、燃焼ガスが過熱器管の下部に集中してしまう。そこで本構成では過熱器管の高さ方向下部に板状偏向部材を設置することによって、最も燃焼ガス流量が大きい過熱器管部位の腐食減肉を低減できるとともに、板状偏向部材が小さい面積であっても十分な量の自己再循環ガスを生成することができ低NOx化にも大きく寄与することとなる。
この構成においてさらに好ましくは、板状偏向部材は、過熱器管の下端から過熱器管全長の1/8以上1/3以下の高さまで設置するとよい。これは、板状偏向部材の高さが過熱器管全長の1/8未満である場合、燃焼ガスの流量が過大な部分を板状偏向部材で遮蔽しきれず腐食減肉が進行するおそれがあり、且つ自己再循環ガス量が十分に確保できないことが考えられる。一方、板状偏向部材の高さが過熱器管全長の1/3を超える場合、ガス流路の燃焼ガスの通流を妨げてボイラの熱効率が低下するおそれがある。したがって、過熱器管の高さを上記範囲内とすることでボイラの熱効率を低下させることなく過熱器管の腐食減肉の低減及び低NOx化が円滑に図れるものである。
さらに、前記過熱器管群と前記火炉出口との間に、蒸発管が配設されたボイラであって、前記板状偏向部材が金属材料で形成されているとともに該板状偏向部材が前記蒸発管に接触した状態で設置されていることが好ましい。
このように、蒸発管と板状偏向部材とを接触して配置することにより蒸発管内を流れる冷却水の冷熱が板状偏向部材に伝熱してこの板状偏向部材が冷やされ、高温環境下におかれる板状偏向部材の腐食を抑制することができる。
また、前記板状偏向部材が耐火材で形成されていることが好ましい。
このように、板状偏向部材を耐火材で形成することによりコストを安価にでき、さらに耐火材は形状の自由度が大きいため板状偏向部材の設置部位にかかわらず容易に設置できる。なお、耐火材は、焼成した成形耐火材であっても不定形耐火材であってもよい。
さらにまた、前記板状偏向部材は、隣り合う前記蒸発管同士の間に設置された複数のフィンから構成されることが好ましい。
このように板状偏向部材を蒸発管同士の間に設置されたフィンで構成することにより、板状偏向部材の設置面積を最小限に抑えることができる。
以上記載のように本発明によれば、ガス流路を部分的に遮蔽して燃焼ガス流れを偏向させる板状偏向部材を設置することによって、高温の燃焼ガス流れを過熱器より上流側で分散させることができ、過熱器管に部分的に過大な熱負荷及び燃焼ガスによる流量負荷がかかることを防止でき、過熱器管の腐食減肉を低減することが可能となる。
また、燃焼ガス温度及び蒸気温度から決定される過熱器管温度と、燃焼ガス流量との両方に基づいて板状偏向部材の設置部位を設定する構成とすることにより、最も腐食減肉が進行しやすい過熱器管部位に確実に板状偏向部材を設置することができる。
さらに、板状偏向部材により偏向した燃焼ガスが自己再循環ガスとなりバーナの主燃焼部のガス温度を低減し、低NOx化を図ることが可能となる。
本発明の実施形態に係る舶用ボイラの縦断面図である。 板状偏向部材を設置したときの燃焼ガスの流動パターンを模式的に示した図である。 板状偏向部材の第1構成例を示す斜視図である。 板状偏向部材の取り付け状態を説明する断面図である。 板状偏向部材の第2構成例を示す斜視図である。 図1のA−A線断面(過熱器管列)における燃焼ガス温度分布を模式的に示した図である。 ボイラ内の燃焼ガス流量分布を模式的に示した図である。 板状偏向部材の設置部位の一例を示す斜視図である。 板状偏向部材の設置部位の他の一例を示す斜視図である。 従来の舶用ボイラの縦断面図である。 従来の舶用ボイラの腐食速度を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
本発明の実施形態に係る構成はボイラ全般に適用可能であるが、特に、船舶に搭載される舶用ボイラ、舶用リヒートボイラ若しくはFPSO(Floating Production, Storage and Offloading system:浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)向けボイラ等の舶用ボイラ構造を有するボイラに好適に用いられ、以下の実施形態では一例として舶用ボイラに適用した場合につき説明している。
まず最初に、図1を参照して舶用ボイラ1の全体構成を説明する。ここで、図1は本発明の実施形態に係る舶用ボイラの縦断面図である。
舶用ボイラ1は、主に、バーナ2を有する火炉3と、火炉3の側部に接続されるガス流路に配置されたフロントバンクチューブ7、過熱器管群8、蒸発管群9と、過熱器管群8と火炉3との間に設置された板状偏向部材10とを備える。
火炉3は、上部に1又は複数のバーナ2が下向きに設置されており、バーナ2から噴出した燃料と空気とを燃焼させて燃焼ガスを発生する燃焼空間を形成する。燃料の種類は特に限定されないが、例えば、重油や燃料ガス等が用いられる。
フロントバンクチューブ7は蒸発管であり、火炉3の輻射熱から過熱器管群8を保護したり、過熱器管群8に流入する燃焼ガスの温度を降温させる目的で設置される。このフロントバンクチューブ7は、複数の蒸発管からなる蒸発管列が燃焼ガス流れ方向に対して垂直面を形成するように配置されている。さらに、この蒸発管列が燃焼ガス流れ方向に複数列設けられて蒸発管群を形成していてもよい。蒸発管列の管同士の間には間隙が存在し、これらの間隙を燃焼ガスが通過するようになっている。
過熱器管群8は管内を蒸気が通流しており、この蒸気と燃焼ガスとが熱交換することにより過熱蒸気を生成する。この構成はフロントバンクチューブ7と同様に、複数の過熱器管からなる過熱器管列8aが燃焼ガス流れ方向に対して垂直面を形成するように配設され、この過熱器管列8aがガス流れ方向に複数列設けられて過熱器管群8を形成している。そして、過熱器管同士の間の間隙を燃焼ガスが通過するようになっている。
蒸発管群9は管内を水が通流しており、この水と燃焼ガスとが熱交換することにより蒸気を生成する。この構成は過熱器管群8と略同一であるが、一般に蒸発管群9は過熱器管群8よりも多数の伝熱管から構成される。
板状偏向部材10は、過熱器管群8と火炉3との間に設置され、ガス流路を部分的に遮蔽して燃焼ガス流れを偏向させる。好適には板状偏向部材10は燃焼ガス流れ方向に対して略垂直に設置される。この板状偏向部材10は耐火材又は金属材料で形成される。板状偏向部材10を耐火材で形成する場合、焼成した成形耐火材であっても不定形耐火材であってもよく、これによりコストを安価にでき、さらに耐火材は形状の自由度が大きいため板状偏向部材の設置部位にかかわらず容易に設置できる。板状偏向部材10を金属材料で形成する場合、板状偏向部材10はフロントバンクチューブ7に接触した状態で設置する。板状偏向部材10とフロントバンクチューブ7とを接触して配置することによりフロントバンクチューブ7内を流れる水の冷熱が板状偏向部材10に伝熱してこの板状偏向部材10が冷やされ、高温環境下におかれる板状偏向部材10の腐食を抑制することができる。なお、金属材料を用いる場合には、フロントバンクチューブ7と同一材料又は近似する線膨張係数を有する材料を用いることが熱膨張の観点からより好ましい。
なお、板状偏向部材10の設置部位については後述する。
図2は板状偏向部材を設置したときの燃焼ガスの流動パターンを模式的に示した図である。同図に示されるように、火炉3で発生した大部分の燃焼ガスは従来のボイラと同様に火炉からボイラ後流へ流れるが、一部の燃焼ガスは板状偏向部材10により分散したり、板状偏向部材10に衝突して火炉3内に戻る循環流を形成したりする。これにより過熱器管群8に部分的に過大な熱負荷及び燃焼ガスによる流量負荷がかかることを防止でき、過熱器管群8の腐食減肉を低減することが可能となる。また循環流を形成する燃焼ガスが自己再循環ガスとなりバーナ2の主燃焼部のガス温度を低減し、低NOx化を図ることが可能となる。したがって本構成のみで、過熱器管の腐食減肉の低減と低NOx化の両方を達成することが可能となる。
図3及び図5に板状偏向部材10の具体的な構成例を示す。
図3に示す第1構成例において板状偏向部材10は、フロントバンクチューブ7の火炉側前面に設置される。板状偏向部材10を耐火材で形成する場合は、一枚の大判の板状耐火材を成形し、図4に示すようにU字状の固定治具11によりこの板状耐火材をフロントバンクチューブ7に取り付けてもよい。板状偏向部材10を金属材料で形成する場合は、一枚の大判の金属板をフロントバンクチューブ7にスポット溶接等で固定してもよいし、図4に示すようにU字状の固定治具11により金属板をフロントバンクチューブ7に取り付けてもよい。この場合、固定治具11とフロントバンクチューブ7との間に隙間をもたせておくことが好ましく、これにより金属板とフロントバンクチューブ7の線膨張係数に差がある場合にも適用可能となる。
図5に示す第2構成例において板状偏向部材10は、フロントバンクチューブ7の隣り合う蒸発管同士の間に設置された複数のフィンから構成される。板状偏向部材10を耐火材で形成する場合は、蒸発管の間隙に応じた幅に成形された耐火材を蒸発管の間隙に嵌め込み固定してもよいし、不図示の締結部材により耐火材を蒸発管の間隙に固定してもよい。また、不定形耐火材を蒸発管の間隙に埋設してもよい。板状偏向部材10を金属材料で形成する場合は、蒸発管の間隙に金属板を溶接してもよい。このように板状偏向部材10を蒸発管同士の間に設置されたフィンで構成することにより、板状偏向部材10の設置面積を最小限に抑えることができる。
次に、板状偏向部材10の設置部位について具体的に説明する。
板状偏向部材10の設置部位は、過熱器管群8のうち燃焼ガス流れ方向最上流側に配置された過熱器管列8aを通過する燃焼ガス温度及び流量の分布と、最上流側の過熱器管列8aを流れる蒸気温度の分布とに基づいて腐食が進行しやすい過熱器管部位を推定し、この推定された過熱器管部位に板状偏向部材10を設置する。ここで前記した推定とは具体的に、燃焼ガス温度及び流量の分布と蒸気温度の分布をシミュレーション又は実測により求め、ここから腐食減肉しやすい過熱器管部位を求めてもよいし、過去の運転履歴から腐食しやすい過熱器管部位を特定してもよい。
例えば、燃焼ガス温度及び流量の分布と蒸気温度の分布から腐食しやすい過熱器管部位を推定する場合、図6に示すように過熱器管列8aを通過する燃焼ガスの温度分布と、図7に示すように燃焼ガスの流量分布と、過熱器管列8aの蒸気温度分布(不図示)とに基づいて腐食しやすい過熱器管部位を求め、この部位に板状偏向部材10を設置する。ここで、図6は図1のA−A線断面(過熱器管列8a)における燃焼ガス温度分布を模式的に示した図で、図7はボイラ内の燃焼ガス流量分布を模式的に示した図である。なお、図7はボイラ全体の燃焼ガス流量分布を示しているが、板状偏向部材10の設置部位の設定には図中A−A線断面(過熱器管列8a)における燃焼ガス流量分布が用いられる。
一方、過去の運転履歴から腐食しやすい過熱器管部位を推定する場合、図11に示すように、板状偏向部材10が取り付けられていないボイラにおいて腐食の進行速度を測定し、進行速度が大きい部位を腐食しやすい過熱器管部位として特定し、ここに板状偏向部材10を設置する。ここで、図11は板状偏向部材を備えていない舶用ボイラの腐食速度を示す図である。図中、ボイラ幅方向とは、図1に示すボイラにおいて紙面手前から奥へ向かう方向で、ガス流路の幅方向に一致する。
過熱器管の腐食減肉速度は、過熱器管の温度条件と燃焼ガスの流量条件とが大きく影響するため、上記したように燃焼ガス温度及び蒸気温度から決定される過熱器管温度と、過熱器管列8aを通過する燃焼ガス流量との両方に基づいて板状偏向部材10の設置部位を設定することにより、最も腐食減肉しやすい過熱器管部位に確実に板状偏向部材10を設置することができ、過熱器管の腐食減肉を低減させることが可能となる。
図8は過熱器管群に対する板状偏向部材の設置部位の一例を説明する図である。
過熱器管群8は、火炉側に位置する直管状の過熱器管と、その下流側に位置する直管状の過熱器管とが上方の屈曲管で接続され、それぞれがヘッダ81、82に接続された構成となっている。ヘッダ81、82の管内は所定間隔で仕切られ、一つの仕切られたヘッダに複数本の過熱器管が接続されて、図中矢印で示す蒸気流れ方向に蒸気が流れるようになっている。
板状偏向部材10の設置部位は、図8に示すように過熱器管列8aの高さ方向下部に設置されていることが好ましい。図1に示したように火炉上部にバーナ2が設置され、火炉側部にガス流路が接続され、該ガス流路に過熱器管群8が配設された舶用ボイラ1においては、燃焼ガスが過熱器管列8aの下部に集中してしまう。そこで過熱器管列8aの高さ方向下部に板状偏向部材10を設置することによって、最も燃焼ガス流量が大きい過熱器管部位の腐食減肉を低減できるとともに、板状偏向部材10が小さい面積であっても十分な量の自己再循環ガスを生成することができ低NOx化にも大きく寄与することとなる。なお、図8では、板状偏向部材10は過熱器管列8aの全幅に亘って設置している。
この構成においてさらに好ましくは、板状偏向部材10の高さHは、過熱器管列8aの下端から過熱器管全長Hの1/8以上1/3以下の高さとするとよい。これは、板状偏向部材10の高さHが過熱器管全長Hの1/8未満である場合、燃焼ガスの流量が過大な部分を板状偏向部材10で遮蔽しきれず腐食減肉が進行するおそれがあり、且つ自己再循環ガス量が十分に確保できないことが考えられる。一方、板状偏向部材10の高さHが過熱器管全長の1/3を超える場合、ガス流路の燃焼ガスの通流を妨げて舶用ボイラ1の熱効率が低下するおそれがある。したがって、過熱器管の高さHを上記範囲内とすることで舶用ボイラ1の熱効率を低下させることなく過熱器管の腐食減肉の低減及び低NOx化が円滑に図れるものである。
図9は過熱器管群に対する板状偏向部材の設置部位の他の一例を説明する図である。
同図において、板状偏向部材19の高さ方向の構成は図8と同一である。一方、板状偏向部材10の幅Wは過熱器管列8aの幅Wより小さくなっている。この板状偏向部材10の幅Wと、幅方向における板状偏向部材10の設置部位は、過熱器管列8aを通過する燃焼ガス温度及び流量の分布と、過熱器管列8aを流れる蒸気温度の分布とに基づいて設定される。
上記説明したように本実施形態では、ガス流路を部分的に遮蔽して燃焼ガス流れを偏向させる板状偏向部材10を設置することによって、高温の燃焼ガス流れを過熱器管群8より上流側で分散させることができ、過熱器管に部分的に過大な熱負荷及び燃焼ガスによる流量負荷がかかることを防止でき、過熱器管の腐食減肉を低減することが可能となる。
また、燃焼ガス温度及び蒸気温度から決定される過熱器管温度と、過熱器管列8aを通過する燃焼ガス流量との両方に基づいて板状偏向部材10の設置部位を設定する構成とすることにより、最も腐食減肉しやすい過熱器管部位に確実に板状偏向部材10を設置することができる。
さらに、板状偏向部材10により偏向した燃焼ガスが自己再循環ガスとなりバーナの主燃焼部のガス温度を低減し、低NOx化を図ることが可能となる。
1 舶用ボイラ
2 バーナ
3 火炉
7 フロントバンクチューブ
8 過熱器管群
8a 過熱器管列
9 蒸発管群
10 板状偏向部材
11 固定治具

Claims (6)

  1. ーナの燃焼により火炉内の燃焼空間内に発生した燃焼ガスが、前記火炉の側部に接続されるガス流路に配設された過熱器管群を通って流れるように構成されたボイラにおいて、
    前記バーナは、前記火炉の上部において下方に向けて設置され、該バーナにより発生して前記燃焼空間内を下方に向けて通流する燃焼ガス流れが向きを変えて前記過熱器管群を通流するようになっており、
    前記過熱器管群と前記火炉の出口との間に、前記ガス流路を部分的に遮蔽して前記燃焼ガス流れを偏向させる板状偏向部材を前記燃焼空間の高さ方向下部に設置し、前記板状偏向部材の設置部位が、前記過熱器管群のうち燃焼ガス流れ方向最上流側に配置された過熱器管列を通過する燃焼ガス温度及び流量の分布と、前記最上流側の過熱器管列を流れる蒸気温度の分布とに基づいて設定されており、
    前記板状偏向部材は、前記バーナにより発生して前記過熱器管群に向かう前記燃焼ガス流れの少なくとも一部が前記板状偏向部材に衝突して前記バーナ側に戻る前記燃焼ガスの循環流を前記燃焼空間内に形成するように構成されたことを特徴とするボイラ。
  2. 前記板状偏向部材は、前記過熱器管の下端から該過熱器管の全長の1/8以上1/3以下の高さまで設置されたことを特徴とする請求項1に記載のボイラ。
  3. 前記板状偏向部材は、前記ガス流路を流れる前記燃焼ガス流れに対して垂直に配置されたことを特徴とする請求項1に記載のボイラ。
  4. 前記過熱器管群と前記火炉出口との間に、蒸発管が配設されたボイラであって、
    前記板状偏向部材が金属材料で形成されているとともに該板状偏向部材が前記蒸発管に接触した状態で設置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のボイラ。
  5. 前記板状偏向部材が耐火材で形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のボイラ。
  6. 前記板状偏向部材は、隣り合う前記蒸発管同士の間に設置された複数のフィンから構成されることを特徴とする請求項3又は4に記載のボイラ。
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