JP6232701B2 - タイヤのシミュレーション方法、タイヤ特性の評価方法、タイヤの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コンピュータを用いてタイヤを解析する技術に関する。
コンピュータを用いた解析によってタイヤの様々な性能、又はこれに関する物理量を有限要素法等の数値解析により予測することは、性能向上や開発の効率化に有用である。タイヤの性能を解析するシミュレーションの中には、タイヤを構成する特定の要素に焦点をあてて実行されるものがある。特許文献1には、タイヤを構成するビード部分の挙動を解析するためのシミュレーション方法が開示されている。特許文献1に開示されているシミュレーション方法では、1又は複数の金属線および金属線周辺部位のタイヤ材料から構成されるビード部材について異方性材料を定義した解析モデルを用いてシミュレーションを行う方法が開示されている。
特許第4557640号公報
特許文献1に開示されているシミュレーション方法では、ビード部材に異方性材料を定義することにより、ビード部材の曲げ、捩り、引張などを考慮したタイヤの性能解析を行う。しかしながら、特許文献1に開示されているシミュレーション方法では、ビード部材の塑性変形が考慮されていないので、ビード部材に実際に起こり得る現象を加味した解析が行えていないという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、タイヤを構成するビード部材に実際に起こり得る現象を加味した精度の良いタイヤの性能解析を実現することができるタイヤのシミュレーション方法、タイヤ特性の評価方法、タイヤの製造方法を提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、タイヤを構成するパーツを有限かつ複数の要素に分割したタイヤモデルを用いて、コンピュータが前記タイヤの解析を行うタイヤのシミュレーション方法であって、前記コンピュータが、前記タイヤを構成するパーツの1部であるビード部材の構成材料の物性値として弾塑性を示すデータを設定するステップと、前記ビード部材の構成材料の物性として弾塑性を示すデータが設定された前記タイヤモデルを用いて、前記タイヤの解析を行うステップとを実行することを特徴とする。
また、本発明は、タイヤを構成するパーツを有限かつ複数の要素に分割したタイヤモデルを用いた前記タイヤの解析結果に基づいて、コンピュータが前記タイヤの特性を評価するタイヤ特性の評価方法であって、前記コンピュータが、前記タイヤを構成するパーツの1部であるビード部材の構成材料の物性として弾塑性を示すデータを設定し、前記ビード部材を構成する材料の物性として弾塑性を示すデータが設定された前記タイヤモデルを用いて、前記タイヤの解析を行うステップと、前記解析により得られる前記ビード部材の変位および前記ビード部材における応力のデータを出力するステップとを実行することを特徴とする。
また、本発明は、タイヤを構成するパーツを有限かつ複数の要素に分割したタイヤモデルを用いた前記タイヤの解析結果に基づいて、前記タイヤを製造するタイヤの製造方法であって、コンピュータに、前記タイヤを構成するパーツの1部であるビード部材の構成材料の物性として弾塑性を示すデータを設定し、前記ビード部材を構成する材料の物性として弾塑性を示すデータが設定された前記タイヤモデルを用いて、前記タイヤの解析を実行させるステップと、前記解析により得られる結果に基づいて前記ビード部材の設計方法を決定するステップと、前記設計方法に従って生成された一対の前記ビード部材を含む前記タイヤのサイド部材を成形して、一対の前記サイド部材を含むグリーンタイヤを生成するステップとを含むことを特徴とする。
また、本実施形態に係るタイヤは、コンピュータに、タイヤを構成するパーツの1部であるビード部材を構成する材料の物性として弾塑性を示すデータを設定し、ビード部材を構成する材料の物性として弾塑性を示すデータが設定されたタイヤモデルを用いて、タイヤの解析を実行させるステップと、解析により得られる結果に基づいてビード部材の設計方法を決定するステップと、設計方法に従って生成された一対のビード部材を含むタイヤのサイド部材を成形して、一対のサイド部材を含むグリーンタイヤを生成するステップとを含むタイヤの製造方法により製造されることを特徴とする。
図1は、空気入りタイヤの子午線方向の断面図である。 図2は、ビードヒール部の故障のメカニズムを説明するための図である。 図3は、ビードヒール部の故障のメカニズムを説明するための図である。 図4は、本実施形態に係るタイヤのシミュレーション方法を実行する解析装置の機能構成を示すブロック図である。 図5は、ビードコアのモデルの一例を示す図である。 図6は、図5に示すモデルの拡大図である。 図7は、弾塑性材料の応力と歪みの関係を示す図である。 図8は、本実施形態に係るタイヤのシミュレーション方法の処理手順を示すフローチャートである。 図9は、本実施形態に係るタイヤのシミュレーションの実行に伴って表示手段に表示される画像の一例を示す図である。 図10は、本実施形態に係るタイヤのシミュレーションにより得られるビードコアの動きの解析結果を示す図である。 図11は、本実施形態に係るタイヤのシミュレーションにより得られるビードコアを構成する素線に作用する張力(応力)の解析結果を示す図である。 図12は、本実施形態に係るタイヤのシミュレーションにより得られるビードコアを構成する素線の歪みの解析結果を示す図である。 図13は、本実施形態に係るタイヤのシミュレーションにより得られるビードコアの周辺部分の歪みの解析結果を示す図である。 図14は、本実施形態に係るタイヤのシミュレーションにより得られるビードコアの周辺部分の歪みの解析結果を示す図である。 図15は、本実施形態に係るタイヤのシミュレーションにより得られるビードコアの解析結果を検証するための図である。
以下、図面を参照しつつ、本出願により開示する技術である本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により、本発明が限定されるものではない。また、以下の実施形態で説明する技術的事項には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下の実施形態で説明する技術的事項は、本発明の目的を達成する上で必要と認める範囲において、適宜組み合わせることが可能である。
図1は、空気入りタイヤの子午線方向の断面図である。以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤ1の回転軸に直交する方向、すなわち図1に示す座標系のr軸の方向に並行な方向に対応する。タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において、空気入りタイヤ1の回転軸に向かう側である。タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側である。また、タイヤ周方向とは、回転軸を中心軸とするタイヤの周り方向、すなわち図1に示す座標系のθの方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、空気入りタイヤ1の回転軸と平行な方向、すなわち図1に示す座標系のh軸の方向に並行な方向に対応する。タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向において、図1に示すタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLに向かう側である。タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向において、図1に示すタイヤ赤道面CLから離れる側である。タイヤ赤道面CLとは、空気入りタイヤ1の回転軸に直交すると共に、空気入りタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面である。タイヤ幅は、タイヤ幅方向の外側に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまり、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから最も離れている部分間の距離である。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面CL上にあって空気入りタイヤ1のタイヤ周方向(θ)に沿う線をいう。本実施形態では、タイヤ赤道線にタイヤ赤道面と同じ符号「CL」を付す。また、本実施形態では、空気入りタイヤをトラック、バスなどの重荷重用ラジアルタイヤとした場合について説明する。
図1に示すように、空気入りタイヤ1は、一対のビードコア11と、一対のビードフィラー12と、カーカス層13と、ベルト層14と、トレッドゴム15と、一対のサイドウォールゴム16とを備える。一対のビードコア11は、環状構造を有し、左右のビード部のコアを構成する。ビードコア11は、スチールワイヤである素線を複数束ね、タイヤ材料であるゴムで被覆された状態で構成される。一対のビードフィラー12は、ローアーフィラーおよびアッパーフィラーから成り、一対のビードコア11のタイヤ径方向外周にそれぞれ配置されてビード部を補強する。カーカス層13は、単層構造を有し、左右のビードコア11間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。また、カーカス層13の両端部は、ビードコア11およびビードフィラー12を包み込むようにタイヤ幅方向外側に巻き返されて係止される。ベルト層14は、積層された高角度ベルト141と、一対の交差ベルト142,143と、ベルトカバー144とから成り、カーカス層13のタイヤ径方向外周に配置される。
ここで、高角度ベルト141は、スチールあるいは有機繊維材から成る複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で40[deg]以上60[deg]以下のベルト角度(タイヤ周方向に対するベルトコードの繊維方向の傾斜角)を有する。また、高角度ベルト141は、カーカス層13のタイヤ径方向外側に積層されて配置される。
一対の交差ベルト142、143は、スチールあるいは有機繊維材から成る複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で10[deg]以上30[deg]以下のベルト角度を有する。また、一対の交差ベルト142、143は、相互に異符号のベルト角度を有し、ベルトコードの繊維方向を相互に交差させて積層される(クロスプライ構造)。ここでは、タイヤ径方向内側に位置する交差ベルト142を内径側交差ベルトと呼び、タイヤ径方向外側に位置する交差ベルト143を外径側交差ベルトと呼ぶ。なお、3枚以上の交差ベルトが積層されて配置されても良い(図示省略)。また、一対の交差ベルト142、143は、高角度ベルト141のタイヤ径方向外側に積層されて配置される。
ベルトカバー144は、スチールあるいは有機繊維材から成る複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で10[deg]以上45[deg]以下のベルト角度を有する。また、ベルトカバー144は、交差ベルト142、143のタイヤ径方向外側に積層されて配置される。なお、この実施の形態では、ベルトカバー144が、外径側交差ベルト143と同一のベルト角度を有し、また、ベルト層14の最外層に配置されている。
トレッドゴム15は、カーカス層13およびベルト層14のタイヤ径方向外周に配置されてタイヤのトレッド部33を構成する。一対のサイドウォールゴム16は、カーカス層13のタイヤ幅方向外側にそれぞれ配置されて左右のサイドウォール部を構成する。なお、この実施の形態では、空気入りタイヤ1がタイヤ赤道面CLを中心とした左右対称な構造を有している。
また、空気入りタイヤ1は、図1に示すように、トレッド部33にタイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝、具体的には、1本の周方向主溝21と、2本の周方向主溝22と、2本の周方向主溝23と、が形成されている。本実施形態の空気入りタイヤ1は、タイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向の外側に向かって、周方向主溝21、周方向主溝22、周方向主溝23の順で形成されている。なお、周方向主溝21は、タイヤ赤道面CL上に形成されている。また、トレッド部33は、トレッドゴム15が、周方向主溝21、22、23に区画され、複数の陸部、具体的には2つの陸部41と、2つの陸部42と、2つの陸部43とに分割された形状となる。2つの陸部41は、周方向主溝21と周方向主溝22とで挟まれた領域である。2つの陸部42は、それぞれ周方向主溝22と周方向主溝23とで挟まれた領域である。2つの陸部43は、周方向主溝23よりもタイヤ幅方向外側の領域である。陸部43は、タイヤ幅方向外側の端部が、トレッド部33の路面と接地する領域のタイヤ幅方向の端部である。ここで、本実施形態の空気入りタイヤ1のトレッド部33は、タイヤ赤道面CLを対象面として左右対称である。
続いて、本実施形態に係るタイヤのシミュレーション方法(変形解析方法)を説明する前に、本実施形態に係るタイヤのシミュレーション方法の創作に至る背景等について説明する。
高内圧・高荷重条件にて使用されるトラック・バス用タイヤにおいては、タイヤのビードヒール部(ビード部材の近傍)に発生する故障(クラック、材料界面の剥がれなど)が問題となっている。ビードヒール部に故障が発生しているタイヤを検証すると、ビードコア11の形状が崩れていることから、発明者は、図2及び図3に示すような故障のメカニズムを推察した。図2及び図3は、ビードヒール部の故障のメカニズムを説明するための図である。図3には、図1に示すタイヤのビードコア11の周辺部分44と、リム45とが接触する箇所を拡大した状態を示している。
図2及び図3に示すように、高内圧条件下の場合、カーカス13にかかる張力が増加し、カーカス13に引っ張られてビードコア11が動くものと推定される(図2のステップS11、図3のステップS21〜ステップS22参照)。ビードコア11が動かされることにより、ビードコア11の歪み及び張力(応力)が増加し、ビードコア11を構成する各素線の張力(応力)が変化し、ビードコア11の形状の崩れが発生するものと推定される(図2のステップS12、図3のステップS22参照)。ビードコア11の形状が崩れることにより、カーカス13及びカーカス隣接部材の動きが増大し、カーカス隣接部材とビードヒール部の部材の界面との間の歪みが増大する結果、ビードヒール部の故障(クラック)が発生するものと推定される(図2のステップS13、図3のステップS23参照)。
ビードコア11の耐久性の設計を行う場合、タイヤの静的余裕率および動的余裕率などに基づいて、ビードコア11の全体に作用する張力を算定する。静的余裕率は、タイヤに空気を充填させたとき(インフレートさせたとき)にタイヤ内に発生する張力に対する強度に相当する。動的余裕率は、タイヤを接地、転動、振動などさせたときにタイヤ内に発生する空気圧、遠心力およびトルクによる張力に対する強度に相当する。この算定方法は、ビードコア11を構成する素線ごとに、均一に張力が作用するという前提のものである。しかしながら、ビードヒール部に故障が発生したタイヤでは、ビードコア11の形状に崩れが発生している。ビードコア11の形状が崩れる現象は、上記のメカニズム(図2及び図3参照)のように、ビードコア11を構成する各素線に作用する応力および歪みがそれぞれ不均一な状態となることを原因として引き起こされている可能性を否定し得ない。そこで、本実施形態では、ビードコア11を構成する素線ごとに、素線に作用する張力(応力)および素線の歪みを解析結果として得ることができるタイヤのシミュレーション方法を実現するものである。
本実施形態に係るタイヤのシミュレーション方法(変形解析方法)を実行する解析装置について説明する。
図4は、本実施形態に係るタイヤのシミュレーション方法を実行する解析装置の機能構成を示すブロック図である。本実施形態に係るタイヤのシミュレーション方法は、図4に示す解析装置50が実現する。解析装置50はコンピュータであり、図4に示すように、処理部52と記憶部54とで構成される。解析装置50は、入出力装置51と電気的に接続されている。入出力装置51に備えられた入力手段53は、後述するタイヤの解析モデルなどを作成する際に、評価対象のタイヤを構成するゴムなどの各種材料の物性値、及びタイヤのシミュレーションに必要な境界条件および荷重条件などの各種条件を、処理部52や記憶部54へ入力する。
入力手段53には、キーボード、マウス等の入力デバイスが適用される。記憶部54には、少なくとも、解析対象のタイヤおよびタイヤを構成するパーツのCAD(Computer Aided Design)用のデータ、及び本実施形態に係るタイヤのシミュレーション方法を実現するためのコンピュータプログラムなどが格納されている。記憶部54は、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、又はフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ(CD−ROM等のような読み出しのみが可能な記憶媒体)や、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成される。
上記コンピュータプログラムは、コンピュータやコンピュータシステムに既に記録されているコンピュータプログラムとの組み合わせによって、本実施形態に係るタイヤのシミュレーション方法を実現できるものであってもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器などのハードウェアを含むものとする。
処理部52は、モデル作成部52aと、条件設定部52bと、解析部52cとを含む。
モデル作成部52aは、本実施形態に係るタイヤのシミュレーション方法に供するモデルとして、ビードコア11のモデル、及びビードコア11のモデルが組み込まれたタイヤのモデル、及びタイヤのモデルを含む解析モデルなどを作成し、記憶部54に保存する。モデル作成部52aは、例えば、解析対象となるビードコア11のCAD用のデータを記憶部54から読み込み、ビードコア11のモデルを作成する。解析対象のタイヤのCAD用のデータから、解析モデルを作成する。
図5は、モデル化されたビードコア11の一例を示す図である。図6は、モデル化されたビードコア11の拡大図である。モデル作成部52aは、ビードコア11をモデル化する場合、例えば、解析対象となるビードコア11のCAD用のデータを記憶部54から読込んで、ビードコア11の形状をモデル化する(図5のBM1参照)。続いて、モデル作成部52aは、図6に示すように、モデル化したビードコア11を構成するパーツを素線の領域maとゴムの領域とに分け、ビードコア11を構成するパーツを細分化したメッシュを作成する。モデル作成部52aは、条件設定部52bに対して、ビードコア11を構成するパーツのうち、素線の領域maの物性値として、弾塑性材料を定義するための設計変数や固定値(例えば、ヤング率、降伏応力および塑性歪みなど)を設定するように指示する。素線の領域maは、金属材料であるスチールワイヤを原料として構成される。図7は、弾塑性材料の応力と歪みの関係を示す図である。図7に示すように、弾塑性材料とは、作用する力に応じて形状に変化が生じても、作用する力を取り去ると形状が元に戻る弾性と、作用する力を取り去っても形状が元に戻らない塑性の両方の性質を有する材料であり、金属材料は一般的に弾塑性材料である。
モデル作成部52aは、条件設定部52bに対して、ビードコア11を構成するパーツのうち、素線を被覆するゴムの領域mbの物性値として、弾性材料または超弾性材料を定義するための設計変数や固定値を設定するように指示する。ゴムの領域mbは、タイヤ材料を原料として構成される。
モデル作成部52aは、ビードコア11をモデル化した後、記憶部54から解析対象となる空気入りタイヤ1のCAD用のデータを読み込み、ビードコア11のモデルを組み込んだタイヤモデルを作成する。
タイヤモデルの作成後、モデル作成部52aは、タイヤと接触するリムのモデル(リムモデル、あるいはリムモデルを含むホイールモデル)、タイヤが接触する路面のモデル(路面モデル)等も適宜作成する。そして、モデル作成部52aは、必要に応じて、ビードコア11のモデル、空気入りタイヤ1のタイヤモデルと、その他のモデルを組み合わせたものを、シミュレーション用の解析モデルとして合成する。モデル作成部52aは、作成したモデルをそれぞれ記憶部54に格納する。
条件設定部52bは、モデル作成部52aで作成した解析モデルの解析を実行するための各種条件を設定する。条件設定部52bは、入力手段53で入力を検出した操作や記憶部54に記憶されている情報に基づいて各種条件を決定する。各種条件には、解析を実行する際の境界条件、荷重条件及び収束条件の他、解析時に条件を変更する設計変数、条件を変更しない固定値などが含まれる。設計変数には、例えば、タイヤモデルのベルト層を構成するベルトの枚数、ベルトの配置位置、タイヤモデルのトレッド部のゴムまたはコートゴムのヤング率や幅、ベルトのコードの角度、エンド数(単位幅当たりのコード本数)や剛性、カーカス層の形状や寸法の少なくとも1つが含まれる。また、設計変数や固定値としては、上記に加え、タイヤモデルを構成する各部の物性値や、タイヤモデル以外のモデルの各種形状、物性値などが含まれる。特に、本実施形態において、条件設定部52bは、モデル作成部52aからの指示に従って、ビードコア11を構成するパーツのうち、弾塑性材料として定義する素線の領域maの物性値として、ヤング率、降伏応力および塑性歪みのデータを設定する。また、条件設定部52bは、モデル作成部52aからの指示に従って、条件設定部52bに対して、ビードコア11を構成するパーツのうち、弾性材料または超弾性材料として定義するゴムの領域mbの物性値として、タイヤ材料のデータを設定する。
解析部52cは、モデル作成部52aにより合成された解析モデルを記憶部54から読み出し、条件設定部52bにより設定された各種条件の下で、タイヤのシミュレーション(変形解析)を実行する。本実施形態におけるタイヤのシミュレーションでは、タイヤの内圧が変化したときのビードコア11の変形解析が主たる対象となる。
処理部52は、例えば、メモリおよびCPU(Central Processing Unit)により構成されている。処理部52は、本実施形態に係る各種処理を実行する場合、前記コンピュータプログラムを記憶部54から読み込んで、メモリに展開する。メモリに展開された前記コンピュータプログラムは、本実施形態に係る各種処理を実行するプロセスとして機能する。例えば、このプロセスは、記憶部54から前記解析モデルや入力データ等の各種データを適宜メモリ上の自身に割り当てられた領域に展開し、この展開したデータに基づいて、タイヤの解析に関する各種処理を実行する。なお、このプロセスは、タイヤの解析に関する各種処理に関わるデータを記憶部54に適宜格納し、必要に応じて記憶部54から適宜読み出して処理を進める。
表示手段55は、例えば、液晶表示装置等の表示用デバイスである。記憶部54は、他の装置(例えばデータベースサーバ)内にあってもよい。例えば、解析装置50は、入出力装置51を備えた端末装置から通信により処理部52や記憶部54にアクセスするものであってもよい。
次に、図8〜図14を参照しつつ、本実施形態に係るタイヤのシミュレーション方法を説明する。なお、本実施形態に係るタイヤのシミュレーション方法は、上述した解析装置50により実現できる。本実施形態では、特に、タイヤを構成するパーツの1つであるビードコア11の変形を詳細に解析することができるタイヤのシミュレーション方法を説明する。
図8は、本実施形態に係るタイヤのシミュレーション方法の処理手順を示すフローチャートである。
解析部52cは、例えば、入力手段53を介して、タイヤの仕様の設定を受け付けると、タイヤの仕様を決定する(ステップS101)。例えば、解析部52cは、重荷重用ラジアルタイヤ(図1参照)にタイヤの仕様を決定する。
続いて、モデル作成部52aは、タイヤモデルの作成に際して、ビードコア11のモデル化を実行する。具体的には、モデル作成部52aは、ビードコア11のCAD用のデータを読込んでビードコア11の形状をモデル化し、モデル化したビードコア11を構成するパーツである素線maの領域、及び素線を被覆するゴムの領域mbをそれぞれ細分化したメッシュを作成する(ステップS102a)。また、条件設定部52bは、ビードコア11を構成するパーツのうち、弾塑性材料として定義する素線maの領域の物性値として、ヤング率、降伏応力および塑性歪みのデータを設定する(ステップS102b)。なお、条件設定部52bは、弾性材料または超弾性材料として定義するゴムの領域mbの物性値として、タイヤ材料のデータを設定する。ステップS102aの手順とステップS102bの手順の実行順序は、どちらが先でもよく、特に限定されない。
続いて、モデル作成部52aは、ビードコア11のモデルが組み込まれたタイヤモデルを含む解析モデルを作成する(ステップS103)。解析モデルとは、コンピュータ(解析装置50)を用いて数値解析可能なモデルであり、数学的モデルや数学的離散化モデルを含む。
タイヤモデルは、有限要素法や有限差分法等の数値解析手法を用いて変形解析などを行うために用いるモデルである。例えば、本実施形態では、タイヤモデルの変形解析などに有限要素法(FEM:Finite Element Method)を使用する。このため、タイヤモデルは、有限要素法に基づいて作成される。有限要素法は、構造解析に適した解析手法なので、特にタイヤのような構造体に対して好適に適用できる。本実施形態におけるタイヤモデルの変形解析などに適用できる解析手法は有限要素法に限られず、有限差分法(FDM:Finite Difference Method)や、境界要素法(BEM:Boundary Element Method)等も使用できる。また、境界条件等によって最も適当な解析手法を選択し、又は複数の解析手法を組み合わせて使用することもできる。
例えば、モデル作成部52aは、ステップS103において、解析対象である空気入りタイヤ1のCAD用のデータを読込んで、環状構造のタイヤの形状をモデル化した後、ビードコア11のモデルを組み込んだタイヤモデルを作成する。タイヤモデルは、複数かつ有限個の要素に分割される。複数の要素は、それぞれ複数の節点で構成され、例えば、3次元形状の解析モデルとなる。タイヤモデルが有する要素は、例えば、3次元体では、四面体ソリッド要素、五面体ソリッド要素、六面体ソリッド要素等のソリッド要素や三角形シェル要素、四角形シェル要素等のシェル要素、面要素等、コンピュータで取り扱い得る要素とすることが望ましい。このようにして分割された要素は、解析の過程において、3次元モデルでは3次元座標や円筒座標を用いて逐一特定される。そして、モデル作成部52aは、必要に応じて、タイヤと接触するリムのモデル(リムモデル、あるいはリムモデルを含むホイールモデル)、タイヤが接触する路面のモデル(路面モデル)等も適宜作成し、これらのモデルとタイヤモデルとを合成して解析モデルを作成する。なお、モデル作成部52aが作成する解析モデルは、3次元体に限定されず、軸対称体としてモデル化しても良い。
なお、タイヤのシミュレーションにおいて、ビードコア11の部分を評価箇所とする場合、タイヤモデルにおいてビードコア11が組み込まれる位置に存在する要素、及びビードコア11に隣接する要素を、6面体要素(軸対称体では四角形要素)などとしてもよい。これにより、応力やひずみの演算において、演算精度が向上する。
解析モデルを作成された後、条件設定部52bは、解析モデルを用いて実行されるタイヤのシミュレーションに必要な境界条件、荷重条件などの各種条件を設定する(ステップS104)。例えば、条件設定部52bは、解析モデルを用いて実行されるタイヤのシミュレーションに必要な境界条件、荷重条件及び収束条件の他、解析時に条件を変更する設計変数、条件を変更しない固定値などの各種条件を設定する。条件設定部52bは、少なくとも、図2及び図3に示すようなメカニズムでビードヒール部に故障を発生させるときのビードコア11に作用する張力に対応するタイヤの内圧を、シミュレーションに必要な条件として設定する。
タイヤのシミュレーションに必要な各種条件の設定後、解析部52cは、タイヤのシミュレーション(変形解析)を実行する(ステップS105)。特に、解析部52cは、タイヤの内圧が変化したときのビードコア11の変形解析を実行し、ビードコア11を構成する素線ごとに、素線に作用する張力(応力)および素線の歪み、ビードコア11周辺部分の歪みを解析結果として得る。そして、解析部52cは、シミュレーション結果を出力する(ステップS106)。
図9は、本実施形態に係るタイヤのシミュレーションの実行に伴って表示手段55に表示される画像の一例を示す図である。図9に示すステップS31は、タイヤの解析モデルに所定の力が作用する前(以下、単体状態)のビードコア11の周辺部分44およびリム45の状態を示す画像である。図9に示すステップS32は、タイヤの解析モデルに所定の力が作用した後のビードコア11の周辺部分44およびリム45の状態を示す画像である。
解析部52cは、解析モデルを用いたシミュレーションの実行に伴い、ステップS31及びステップS32に示すように、解析モデルの様子を画像として表示手段55に出力することができる。解析部52cは、例えば、図9に示すステップS32のように、解析モデルの所定の力が加えられたときのビードコア11の変形を詳細に解析し、解析結果を出力する。解析部52cは、以下に説明するように、解析モデルを用いたタイヤのシミュレーションを実行することにより、ビードコア11について、ビードコア11の動き、ビードコア11を構成する素線の歪み、及びビードコア11を構成する素線に作用する張力(応力)の解析結果を得ることができる。
図10は、本実施形態に係るタイヤのシミュレーションにより得られるビードコア11の動きの解析結果を示す図である。
図10に示すように、解析部52cは、解析モデルを用いたシミュレーションの結果、カーカス13に引っ張られて動くビードコア11の動き(ビードコア11を構成する素線の動き)を解析できる。例えば、解析部52cは、タイヤの内圧が、830kPa、1200kPa、1400kPaと増加するにすれて、カーカス13により引っ張られて動くビードコア11の動きの状態を解析結果として得ることができる。
図11は、本実施形態に係るタイヤのシミュレーションにより得られるビードコア11を構成する素線に作用する張力(応力)の解析結果を示す図である。図11に示す解析結果は、ビードコア11を構成する59本の素線を一意に付与された識別番号の情報11Aが合わせて表示される。
図11に示すように、解析部52cは、解析モデルを用いたシミュレーションの結果、
ビードコア11を構成する素線ごとに、素線に作用する張力(応力)を解析結果として得ることができる。ビードコア11を構成する各素線に作用する張力(応力)は、タイヤ幅方向内側(図1参照)に向うに従って大きくなり(例えば、最大値350kgf)、タイヤ幅方向外側(図1参照)に向うに従って小さくなる(例えば、最小値2kgf)ことが分かる。
図12は、本実施形態に係るタイヤのシミュレーションにより得られるビードコア11を構成する素線の歪みの解析結果を示す図である。なお、図12に示す素線の歪みは、素線の長手方向(以下、ワイヤ方向)の歪みである。
図12に示すように、解析部52cは、解析モデルを用いたシミュレーションの結果、
ビードコア11を構成する素線ごとに、ワイヤ方向の歪みを解析結果として得ることができる。ビードコア11を構成する素線ごとの歪みは、タイヤ幅方向内側(図1参照)に向うに従って大きくなり、タイヤ幅方向外側(図1参照)に向うに従って小さくなることが分かる。当然のことながら、図11と図12とを比較すれば、素線に作用する張力(応力)が大きいほど、素線の歪みが大きくなっている。例えば、ビードコア11を構成する59本の素線のうち、最も作用する張力(応力)が大きい素線と、最も歪みが大きい素線とは一致している(素線11)。
図13及び図14は、本実施形態に係るタイヤのシミュレーションにより得られるビードコア11の周辺部分の歪みの解析結果を示す図である。図13は、ビードコア11の周辺部分44(たとえば、材料界面)において歪みが最大である箇所を示している。図14は、タイヤの内圧ごとにビードコア11の周辺部分44の最大主歪の解析結果を示している。図14では、ビードコア11の周辺部分の各所における最大主歪の値を、ビードコア11の周辺部分の所定の位置(SRF)における830kPaのときの最大主歪の値を「100」とした場合のインデックスで表している。
図13に示すように、解析部52cは、解析モデルを用いたシミュレーションの結果、
ビードコア11の周辺部分、例えば、2RC、3RC1,2、SRF、NRFにおける最大主歪の発生箇所、ST(MAX)_2RC、ST(MAX)_3RC1、ST(MAX)_3RC2、ST(MAX)_SRF、ST(MAX)_NRFを解析結果として得ることができる。また、図14に示すように、解析部52cは、タイヤの内圧、例えば、830kPa、1200kPa、1400kPa、1750kPaごとに、2RC、3RC1,2、SRF、NRFにおける最大主歪の値を解析結果として得ることができる。図14に示すように、最大主歪は、2RC、3RC1,2、SRF、NRFの全てにおいて、タイヤの内圧の増加とともに大きくなる。特に、ビードコア11の周辺部分のうち、リム45(図9など参照)に接触する箇所である3RC1における最大主歪の値が最も大きいことが分かる。
図15を用いて、本実施形態に係るタイヤのシミュレーションにより得られるビードコア11の解析結果を検証する。図15は、本実施形態に係るタイヤのシミュレーションにより得られるビードコア11の解析結果を検証するための図である。図15では、本実施形態、比較例および実験のそれぞれについて、各内圧に対応する半径方向変位の値を、内圧が1200kPaのときの値を基準としたインデックスで表している。
図15には、本実施形態(弾塑性)、比較例(弾性)、実験(水圧試験)のそれぞれについて、タイヤの内圧ごとに、タイヤ半径方向内側のビードコア11の変位の解析結果を示している。図15に示す本実施形態(弾塑性)の解析結果は、上述してきた本実施形態に係るシミュレーションの結果として得ることができるタイヤのビードコア11のタイヤ半径方向内側の変位に対応する。すなわち、ビードコア11を構成するパーツ(材料)のうち、素線(スチールワイヤ)の物性値として弾塑性材料を定義したときのビードコア11の変位に対応する。図15に示す比較例(弾性)の解析結果は、例えば、従来技術に対応し、ビードコア11を構成するパーツ(材料)の物性値として、弾性材料を定義したときのビードコア11の変位に対応する。図15に示す実験(水圧試験)の解析結果は、本実施形態および比較例に対応する条件で、現物のタイヤを用いて実際に水圧試験を行ったときのビードコア11の変位に対応する。
図15に示すように、ビードコア11の変位について、本実施形態(弾塑性)の解析結果の方が、比較例(弾性)の解析結果よりも、現物のタイヤを用いて実際に水圧試験の解析結果により近い結果が得られる。すなわち、ビードコア11を構成するパーツ(材料)のうち、素線(スチールワイヤ)の物性値として弾塑性材料を定義することにより、現物のタイヤに起こる現状により合致した解析を実現できることが分かる。
上述してきたように、本実施形態では、解析装置50が、ビードコア11を構成するパーツ(材料)のうち、素線(スチールワイヤ)の物性値として弾塑性材料を定義して、タイヤのシミュレーションを実行する。このため、本実施形態によれば、タイヤを構成するビード部材に実際に起こり得る現象を加味した精度の良いタイヤの性能解析を実現することができる。
また、本実施形態において、ビードコア11を構成するパーツを細分化したメッシュを作成する場合、タイヤ幅方向外側よりもタイヤ幅方向内側(図1参照)のメッシュを細かくしてもよい。つまり、ビードコア11を構成する各素線に作用する張力が大きくなる箇所(図11参照)、及びビードコア11を構成する各素線の歪が大きくなる箇所(図12参照)ほど、メッシュのスケールを細かくする。このようにすることで、より詳細なビードコア11の変形解析を行うことができる。
また、本実施形態において、ビードコア11を構成するパーツである素線の材料として、スチールワイヤの代わりに、有機繊維を用いたときのシミュレーションを実行してもよい。さらに、ビードコア11の素線に、スチールと有機繊維のハイブリット構造を用いたときのシミュレーションを実行してもよい。
また、本実施形態では、解析装置50が、タイヤのシミュレーションにより得られる解析結果として、ビードコア11を構成する素線ごとに、素線の変位であるワイヤ方向の歪み、及び素線に作用する変位、歪み、張力(応力)のデータを出力する。これにより、出力された、変位、歪み、張力の値を用いて、ビードワイヤの強度(安全率)を評価することが可能となる。例えば、素線に作用する張力(応力)とワイヤの破断張力(応力)を比較して、ワイヤが破断しやすいかどうかを判定することができる。また、ビードコア周辺部材の最大主歪の箇所を特定することで、ビードヒール部が故障(クラック、材料界面の剥がれ)を起こしやすいか否かを予測することができる。
なお、本実施形態に係るタイヤのシミュレーションの結果に基づいて、タイヤを製造してもよい。例えば、本実施形態に係るタイヤのシミュレーションの結果(ビードコア11を構成する素線ごとに、素線に作用する張力(応力)及びワイヤ方向の歪み)に基づいて、ビードコア11の設計方法を決定する。続いて、この設計方法に基づいて生成した一対のビードコア11を含むタイヤのサイド部材を成形する。続いて、一対のサイド部材を含むグリーンタイヤを生成することによりタイヤを製造する。また、ビードコアの設計を行う場合に、例えば、ビードコアを構成する素線の破断強度をあらかじめ把握しておけば、この破断強度とシミュレーションから出力される各素線の張力とを比較して、破断強度を超えないような、適切なビードコアの選択が可能となる。
1 空気入りタイヤ
50 解析装置
51 入出力装置
52 処理部
52a モデル作成部
52b 条件設定部
52c 解析部
54 記憶部

Claims (3)

  1. タイヤを構成するパーツを有限かつ複数の要素に分割したタイヤモデルを用いて、コンピュータが前記タイヤの解析を行うタイヤのシミュレーション方法であって、
    前記コンピュータが、
    前記タイヤを構成するパーツの1部であるビードコアを構成するパーツを素線の領域とゴムの領域とに分けるステップと、
    前記素線の領域の物性値としてヤング率、降伏応力および塑性ひずみのデータを、弾塑性を示すデータとして設定するステップと、
    前記素線の領域の物性値として弾塑性を示すデータが設定された前記タイヤモデルを用いて、前記タイヤの解析を行うステップと
    を実行することを特徴とするタイヤのシミュレーション方法。
  2. タイヤを構成するパーツを有限かつ複数の要素に分割したタイヤモデルを用いた前記タイヤの解析結果に基づいて、コンピュータが前記タイヤの特性を評価するタイヤ特性の評価方法であって、
    前記コンピュータが、
    前記タイヤを構成するパーツの1部であるビードコアを構成するパーツを素線の領域とゴムの領域とに分け、前記素線の領域の物性としてヤング率、降伏応力および塑性ひずみのデータを、弾塑性を示すデータとして設定し、前記素線の領域の物性として弾塑性を示すデータが設定された前記タイヤモデルを用いて、前記タイヤの解析を行うステップと、
    前記解析により得られる前記ビード部材の変位および前記ビード部材における応力のデータを出力するステップと
    を実行することを特徴とするタイヤ特性の評価方法。
  3. タイヤを構成するパーツを有限かつ複数の要素に分割したタイヤモデルを用いた前記タイヤの解析結果に基づいて、前記タイヤを製造するタイヤの製造方法であって、
    コンピュータに、前記タイヤを構成するパーツの1部であるビードコアを構成するパーツを素線の領域とゴムの領域とに分け、前記素線の領域の物性としてヤング率、降伏応力および塑性ひずみのデータを、弾塑性を示すデータとして設定し、前記素線の領域の物性として弾塑性を示すデータが設定された前記タイヤモデルを用いて、前記タイヤの解析を実行させるステップと、
    前記解析により得られる結果に基づいて前記ビードコアの設計方法を決定するステップと、
    前記設計方法に従って生成された一対の前記ビードコアを含む前記タイヤのサイド部材を成形して、一対の前記サイド部材を含むグリーンタイヤを生成するステップと
    を含むことを特徴とするタイヤの製造方法。
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