JP6232171B2 - 金券識別装置 - Google Patents

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Description

本発明は、汎用あるいは遊戯用機械に用いられる自動販売機、自動貸出機など、お金の投入に合わせて商品等を提供する機器に使用される紙幣の識別や一時的な保管を行う金券識別装置に関する。
自動販売機や自動貸出機などが、街中、商店内部、集合建造物内部などの様々な場所に設置されている。外国においても自動販売機や自動貸出機が設置されているが、治安や貨幣価値の安定性といった我が国特有の事情に基づき、我が国においては、非常に多数の自動販売機や自動貸出機が設けられている。
また、パチンコ機やスロットマシン機といった遊戯用機械が設置された遊技場も広く普及している。これらのパチンコ機やスロットマシン機が設置された遊技場では、遊戯者が遊戯に必要となるパチンコ玉やコインの貸し出しを受けるために自動貸出機が設置されている。このような自動貸出機には、遊戯者が硬貨、紙幣(現金)、プリペイドカード、ICカード、IDカードなどを投入して、投入された金額(あるいは遊戯者が指定した金額)に対応するパチンコ玉やコインを提供する。このため、自動貸出機には、投入された紙幣やプリペイドカードなど(以下、「金券」という)の真贋、種類(金額)を識別しつつ、必要に応じて一時的に紙幣を保管する金券識別装置が設置される。
このような遊戯用機械に使用されるパチンコ玉やコインなどの貸し出しを行う自動貸出機は、遊戯用機械(パチンコ台やスロットマシン台)の間に設置される。遊戯用機械を使用して遊戯を楽しむ遊戯者は、遊戯店に設置されている多数の遊戯用機械のそれぞれの前に着座して、遊戯を楽しむ。パチンコやスロットマシンを始めとしたこれらの遊戯用機械は、遊戯者が連続して操作することを前提としているからである。
このため、遊戯者はパチンコ台やスロットマシン台の前に着座した状態を維持して、操作を続行するのが普通である。これらの遊戯においては、パチンコ玉やコインを着座した状態で、遊戯者は自動貸出機から得たいと考える。加えて、遊戯者は、遊戯の途中の様々な場面で、即座に自動貸出機からパチンコ玉やコインの貸し出しを得たいとの欲求を有する。このような遊戯の特性や遊戯者の欲求に対応するために、自動貸出機は、複数の遊戯用機械(パチンコ台やスロットマシン台など)のそれぞれの間に設置される。
複数の遊戯用機械のそれぞれの間に、自動貸出機が設置されることで、遊戯者は遊戯用機械の前に着座して遊戯用の操作を続行しながらパチンコ玉やコインを得ることができる。このため、自動貸出機とセットで設置される金券識別装置も、複数の遊戯用機械のそれぞれの間に設置されることが望まれる。例えば、自動貸出機に金券識別装置が装着される場合もあり、この場合には、金券識別装置が、自動貸出機と共に、複数の遊戯用機械のそれぞれの間に設置されることになる。
このような金券識別装置として、いくつかの技術が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2006−254970号公報 特開2006−264977号公報
特許文献1は、挿入された紙幣を収容する収容ケースと、収容ケースに収容された紙幣を排出するための押し出しモータとを、紙幣識別および収容の機能として備える遊戯媒体貸出機を開示する。ここで、管理サーバーは、リモコン機より遊技媒体貸出機に収容された紙幣の排出指令信号を出力して、この排出指令信号が遊技媒体貸出機及びネットワーク回線を介して受信された際に、複数の遊技媒体貸出機に対して所定の時間差をもって排出指令信号を出力する。このような構成によって、遊戯媒体貸出機の使い勝手を良くすることが提案されている。
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、紙幣等を搬送する駆動手段や、収容される紙幣を回収する際の搬送手段に、複雑なモータや駆動機構を有しており、機械そのものが煩雑であるという問題を有していた。また、機械が煩雑であることで、小型化や薄型化が困難となり、パチンコ機やスロットマシン機の間などに設置しにくい問題も生じさせる。
パチンコ機やスロットマシン機を多数備える遊技場では、配置される多くのパチンコ機やスロットマシン機同士の間の隙間に、パチンコ玉やコインなどの自動貸出機を設置する必要がある。紙幣識別器はこの自動貸出機と合わせて構成されるので、紙幣識別機もパチンコ機やスロットマシン機同士の隙間に設置される必要がある。特許文献1に開示される装置では、このような隙間への設置も難しい問題がある。
特許文献2に開示される紙幣処理装置は、紙幣処理口から挿入された紙幣を搬送する紙幣搬送機構7と、紙幣処理口に挿入された紙幣の有効性を識別する紙幣識別センサ31と、紙幣が挿入方向に沿って搬送状態にあり、かつ紙幣識別センサ31が紙幣の有効性を検知しているとき、搬送状態にある紙幣の先端を湾曲案内するガイド板39a,39bと、紙幣搬送機構7に対して並設される紙幣収容部と、挿入された紙幣が有効であった場合、当該紙幣を紙幣処理口側に一定の距離搬送するように紙幣搬送機構7をスイッチバック制御する制御手段と、スイッチバックされた紙幣を紙幣収容部に積層収容させ、かつ次に挿入される紙幣との間で仕分けを行なう仕分け機構50とを有する。
特許文献2に開示される紙幣処理装置は、紙幣の挿入と識別および収容を実現できる。しかしながら、搬送に係る駆動装置や駆動機構が、収容部や搬送部に設けられることで、装置全体が複雑となる。この結果、パチンコ機やスロットマシン機同士の隙間に設置することが困難となる問題がある。これは、特許文献1と同様である。
また、駆動装置や駆動機構が複雑であることで、紙幣処理装置の大きさに対する紙幣の収容枚数が少なくなったり、収容された紙幣の取り出しが面倒になったりする問題を有している。
このように、従来技術における紙幣処理装置や紙幣識別装置は、狭い隙間に設置が容易でありつつ、収容や取出しなどの容易性を高めることが難しい問題もあった。
特に、金券識別装置は、パチンコ台やゲーム機器の隙間などの、非常に狭小な空間に設置される必要が高い。この場合には、金券識別装置は、薄型化が求められる。一方で、薄型化によって、保管される金券の枚数が減少することも好ましくない。減少すれば、金券識別装置(すなわち自動販売機や自動貸出機)からの金券取り出し作業が増加し、経営効率の低下や安全性の低下が生じうるからである。
このように、パチンコやゲームなどの遊戯場においては、金券識別装置は、パチンコ台やゲーム機器の隙間の非常に狭小な空間に挿入されるように設置される。また、遊戯場においては、多数のパチンコ台やゲーム機器が設置されることで、多数の金券識別装置が設置される必要がある。ここで、金券識別装置は、金券を識別してパチンコ玉やゲームコインを貸し出しする機能に加えて、挿入された紙幣などの金券を収容する機能を有する。
このため、金券識別装置は、内部に金券を収容するケースを有しており、このケースが管理者による操作によって引き出されて金券が取り出される。ここで、ケースには金券が収容されているので、管理者以外によってケースが引き出されることは、金券の盗難などの問題がある。このため、通常はケースが排出されるには、管理者のみによって操作される特定の操作のみで実行されるようになっている。すなわち、ケースの排出においては、電気的および機械的な制限制御が設けられている。
この制限によっては、管理者がケースを排出させることに不具合を感じたり、ケースを戻すことに不具合を感じたりする問題もある。このような不具合が残っていると、管理者によるケースの管理(すなわち金券の管理)および盗難対策などが不十分となる問題がある。
以上のように、従来技術では次のような問題があった。
(問題1)パチンコ台やゲーム機器同士の狭い隙間に挿入して設置することが難しい。
(問題2)問題1に対応して、金券識別装置単体で、金券を収容するケースを有する必要があるが、ケースの排出には、制限を必要とする。
(問題3)ケースの排出に制限が設けられる場合に、ケースの排出に不具合や不十分さが生じる。
(問題4)問題3とは逆に、排出されたケースを戻す際に、種々の不具合などが生じる。
本発明は、従来技術の問題を解決すると共に、金券を収容するケースの排出や挿入における種々の不具合を解消する金券識別装置を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明の金券識別装置は、筐体と、
筐体の前方に設けられ、金券の挿入を受け付ける挿入口と、
挿入口から挿入された金券が搬送される搬送路と、
搬送路を搬送された金券を一時的に保管する保管部と、
保管部を筐体の外部に排出する排出駆動手段と、
排出駆動手段に制御信号を付与する制御部と、を備え、
排出駆動手段は、
モーターと、
モーターの回転を伝達する伝達部と、
伝達部の回転を受けて回転するウォームギアと、
ウォームギアと嵌合可能なヘリカルギアと、を有し、
保管部の側面は、ヘリカルギアと嵌合可能な嵌合歯を有し、
ウォームギアは、伝達部からの駆動によってのみ回転し、
ヘリカルギアとウォームギアとの嵌合を分離する分離駆動部を、更に備え、
ヘリカルギアは、嵌合歯と嵌合する第1歯車と、第1歯車と同一回転軸で連結する第2歯車を有し、
第2歯車は、ウォームギアと嵌合可能であり、第1歯車は、ウォームギアと分離しており、
第1歯車は、回転軸となると共に突出する連結部を有し、
第2歯車は、連結部と連結する受け部を有し、
連結部の先端は、第1突出部と第2突出部を有し、
受け部は、第1突出部が挿入される第1凹部と、第2突出部が挿入される第2凹部と、を有し、
第1突出部と第1凹部が嵌合し、第2突出部と第2凹部が嵌合することで、第1歯車と第2歯車は、連結され、
第1突出部は、略垂直の第1垂直端面と鈍角斜面の第1斜め端面と、を有し、
第2突出部は、略垂直の第2垂直端面と鈍角斜面の第2斜め端面と、を有し、
第1凹部は、第1垂直端面と対応する第1垂直側面と、第1斜め端面と対応する第1斜め側面と、を有し、
第2凹部は、第2垂直端面と対応する第2垂直側面と、第2斜め端面と対応する第2斜め側面と、を有する
本発明の金券識別装置は、金券などが保管部に詰まったりして通常の保管部の排出では対応できない場合であっても、管理者が保管部を大きく排出することが出来る。この排出に際して、保管部を駆動させる駆動部を損傷させることがない。一方で、通常においては、管理者による命令信号の指示がなければ、保管部は、排出されないので、内部に保管されている金券が盗難される心配もない。
一方で、管理者による作業や不正者による作業などによって、排出された保管部が無理に押し戻されて挿入される場合にも、駆動部が損傷することを防止できる。
これらが相まって、盗難による保管部の排出を防止した状態を維持しつつ、金券つまりなどによって保管部を本体部から取り外したり、保管部を本体部に戻したりしなければならない場合にも、駆動部やその周辺を損傷させることを防止できる。
本発明の実施の形態1における金券識別装置の斜視図である。 本発明の実施の形態1における金券識別装置の正面図である。 本発明の実施の形態1における金券識別装置の設置態様を示す模式図である。 本発明の実施の形態1における手動による保管部6の排出を示す側面図である。 本発明の実施の形態1における排出駆動手段の正面図である。 本発明の実施の形態1における排出駆動手段の側面図である。 本発明の実施の形態1における排出駆動手段の斜視図である。 本発明の実施の形態1における排出駆動手段での分離駆動部を説明する説明図である。 本発明の実施の形態2における金券識別装置における保管部の排出状態を示す説明図である。 本発明の実施の形態2におけるヘリカルギアの分離図である。 本発明の実施の形態2におけるヘリカルギアの分離図である。 本発明の実施の形態2における第1歯車の斜視図である。 本発明の実施の形態2における第2歯車の斜視図である。
本発明の第1の発明に係る金券識別装置は、筐体と、
筐体の前方に設けられ、金券の挿入を受け付ける挿入口と、
挿入口から挿入された金券が搬送される搬送路と、
搬送路を搬送された金券を一時的に保管する保管部と、
保管部を筐体の外部に排出する排出駆動手段と、
排出駆動手段に制御信号を付与する制御部と、を備え、
排出駆動手段は、
モーターと、
モーターの回転を伝達する伝達部と、
伝達部の回転を受けて回転するウォームギアと、
ウォームギアと嵌合可能なヘリカルギアと、を有し、
保管部の側面は、ヘリカルギアと嵌合可能な嵌合歯を有し、
ウォームギアは、伝達部からの駆動によってのみ回転し、
ヘリカルギアとウォームギアとの嵌合を分離する分離駆動部を、更に備える。
この構成により、金券識別装置は、制御信号に基づくモーターの回転のみによって、保管部を排出もしくは格納できる。結果として盗難や不正を防止できる。その一方で、不具合が生じた場合でも、管理者が特別な操作によって、保管部を手動でスライド動作させることができる。このように、不正防止と緊急対応とのバランスを適切に保っている。
本発明の第2の発明に係る金券識別装置では、第1の発明に加えて、保管部は、筐体内部の所定の格納位置に格納されると共に、筐体の排出口から排出され、
保管部は、筐体を基準としたスライド動作によって、筐体への格納および筐体からの排出としての移動動作を行う。
この構成により、モーターによって、保管部がスライド動作される。
本発明の第3の発明に係る金券識別装置では、第1または第2の発明に加えて、モーターが回転する場合には、
モーターは、伝達部に回転を伝達し、
伝達部は、ウォームギアに回転を伝達して、ウォームギアは回転し、
ウォームギアは、嵌合するヘリカルギアを回転させ、
ヘリカルギアは、嵌合する嵌合歯を直線移動させて、
保管部は、筐体を基準としたスライド動作を行う。
この構成により、金券識別装置は、モーターを制御することで、保管部の排出もしくは格納を行える。
本発明の第4の発明に係る金券識別装置では、第2の発明に加えて、モーターが回転していない場合には、ウォームギアは、ヘリカルギアの回転を停止させると共に保管部の移動動作を停止させる停止機能を発揮する。
この構成により、ウォームギアは、保管部のスライド動作の停止も実行できる。すなわち、ストッパーの役割を担える。
本発明の第5の発明に係る金券識別装置では、第4の発明に加えて、停止機能は、保管部が、格納位置から排出口に向けて排出される排出方向の移動を停止させる。
この構成により、不正な保管部の排出が防止される。
本発明の第6の発明に係る金券識別装置では、第1から第5のいずれかの発明に加えて、分離駆動部がヘリカルギアとウォームギアとを分離する場合には、保管部は、ウォームギアに依存することなく手動でスライド動作可能である。
この構成により、不具合などの緊急状態では、管理者がウォームギアによる停止機能を解除して、保管部を引き出すことが出来る。
本発明の第7の発明に係る金券識別装置では、第1から第6のいずれかの発明に加えて、ウォームギアとヘリカルギアとを嵌合させるように圧力を付与する、嵌合圧力付与部を、更に有する。
この構成により、通常状態においては、ウォームギアはヘリカルギアに嵌合する。
本発明の第8の発明に係る金券識別装置では、第7の発明に加えて、分離駆動部は、嵌合圧力付与部の圧力を開放する。
この構成により、ウォームギアがヘリカルギアから外れる。
本発明の第9の発明に係る金券識別装置では、第1から第8のいずれかの発明に加えて、ヘリカルギアは、嵌合歯と嵌合する第1歯車と、第1歯車と同一回転軸で連結する第2歯車を有し、
第2歯車は、ウォームギアと嵌合可能であり、第1歯車は、ウォームギアと分離している。
この構成により、ヘリカルギアは、2つの要素によって、ウォームギアによる支配を受けつつ、保管部の移動動作を実現できる。
本発明の第10の発明に係る金券識別装置では、第9の発明に加えて、第1歯車は、回転軸となると共に突出する連結部を有し、
第2歯車は、連結部と連結する受け部を有し、
連結部の先端は、第1突出部と第2突出部を有し、
受け部は、第1突出部が挿入される第1凹部と、第2突出部が挿入される第2凹部と、を有し、
第1突出部と第1凹部が嵌合し、第2突出部と第2凹部が嵌合することで、第1歯車と第2歯車は、連結される。
この構成により、第1歯車と第2歯車は、別の要素でありながら同一回転軸での回転が可能となるように連結できる。
本発明の第11の発明に係る金券識別装置では、第10の発明に加えて、第1突出部は、略垂直の第1垂直端面と鈍角斜面の第1斜め端面と、を有し、
第2突出部は、略垂直の第2垂直端面と鈍角斜面の第2斜め端面と、を有し、
第1凹部は、第1垂直端面と対応する第1垂直側面と、第1斜め端面と対応する第1斜め側面と、を有し、
第2凹部は、第2垂直端面と対応する第2垂直側面と、第2斜め端面と対応する第2斜め側面と、を有する。
この構成により、第1歯車と第2歯車は、付与される圧力の方向によって、連結して一緒に回転することも、分離して一方のみが自由回転することもできる。
本発明の第12の発明に係る金券識別装置では、第11の発明に加えて、第1垂直端面と第1垂直側面が合わさり、第2垂直端面と第2垂直側面が合わさることで、モーターの回転に基づいて、ヘリカルギアは、排出方向および格納方向に回転可能である。
この構成により、第1歯車と第2歯車がかみ合って、保管部を移動させることができる。
本発明の第13の発明に係る金券識別装置では、第11または第12の発明に加えて、保管部に対して、モーター以外による格納方向へ、所定値以上の戻し圧力が付与される場合には、
第1斜め端面と第1斜め側面との接触面および第2斜め端面と第2斜め側面との接触面が分離し、連結部と受け部とが分離する。
この構成により、第1歯車は第2歯車から分離されて、第1歯車は自由回転できる。
本発明の第14の発明に係る金券識別装置では、第13の発明に加えて、戻し圧力に基づいて連結部と受け部とが分離する場合には、第1歯車は第2歯車から独立して回転可能である。
この構成により、保管部が手動で押し戻される場合に、歯車等に損傷を与えることなく、保管部は格納位置に戻される。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(実施の形態1)
(金券識別装置の概要)
まず、実施の形態1における金券識別装置の全体概要を、図1〜図3を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1における金券識別装置の斜視図である。図1は、金券識別装置1の外観を示している。下記に説明する金券識別装置1の要素の一部は、金券識別装置1の内部の要素であるが、全体を把握する便宜上、全体概要においては、内部の要素も含めて外観を示す図1で説明する。
図2は、本発明の実施の形態1における金券識別装置の正面図である。図2は、左側と右側に、保管部6が排出されていない状態と保管部6が排出されている状態とを示している。図3は、本発明の実施の形態1における金券識別装置の設置態様を示す模式図である。
金券識別装置1は、自動貸出機などに含まれて設置されることが多い。特に、図3に示されるように遊戯用機械100同士の間の自動貸出機に含まれて設置されることが多い。
図3では、遊戯用機械100として、パチンコ機やスロットマシン機が示されている。このようなパチンコ機やスロットマシン機は、パチンコ玉やゲーム用コインを必要とする。遊戯者200は、遊戯用機械100の前に着座して遊戯を行う。もちろん、多数の遊戯用機械100が遊戯店において設置されており、遊戯者200は、多数の遊戯用機械100のいずれかの前に着座して遊戯を行う。
遊戯者200は、遊戯の実施に当たってパチンコ玉やゲーム用コインを必要とする。このとき、遊戯中に簡単にパチンコ玉やゲーム用コインを追加して入手したいと考える。このため、パチンコ機やスロットマシン機などの遊戯用機械100同士の間に、パチンコ玉やゲーム用コインなどの自動貸出機50が設置される。この自動貸出機50は、台間機とも呼ばれる。
自動貸出機50は、パチンコ玉やゲーム用コインを貸し出すに当たって、遊戯者200からの金券を機械的に受領する。金券は、紙幣であったり、専用のプリペイドカードであったり、商品券などであったりする。このため、自動貸出機50は、金券識別装置1を含んで設置されることが多くなる。このとき、金券識別装置1は、遊戯用機械100の内部に挿入されて表面以外が隠れるようにして設置されることになる。
このように、金券識別装置1は、遊戯用機械100同士の隙間に設置される必要がある。この隙間は非常に狭いので、金券識別装置1は、この隙間となる遊戯用機械100同士の間に縦型に設置される。このため、金券識別装置1は、遊戯用機械100同士の隙間に縦型に設置されるように薄型でありつつ、縦型に適した要素の配置や要素の形態を必要とする。
金券識別装置1は、図1に示されるように、挿入口3、搬送路31、識別部4、搬送駆動手段9、保管部6、排出駆動手段8、排出口7を備える。また、この金券識別装置1は、これらの要素を筐体2に格納する。金券識別装置1は、筐体2によってその外形を形成できる。ここで、筐体2は、一定の奥行きと高さを有しつつ、幅の小さい薄型かつ縦型である。このため、金券識別装置1も、幅の小さな薄型の外形を有するようになる。薄型の外形であることで、狭い隙間において縦方向に、金券識別装置1が、設置される。
挿入口3は、筐体2の前方に設けられ金券の挿入を受け付ける。搬送路31は、挿入口3から挿入された金券を通す。識別部4は、搬送路31において設けられ、金券を識別する。搬送駆動手段9は、搬送路31に挿入された金券を搬送する。保管部6は、搬送駆動手段9で搬送された金券を一時的に保管する。排出駆動手段8は、保管部6を筐体2の前方であって外部に排出する。排出口7は、この排出駆動手段8によって排出される保管部6を排出する出口となる。
加えて、図示していないが、筐体2内部もしくは外部に、排出駆動手段8に制御信号を付与する制御部を更に備えている。
搬送路31と保管部6とは、挿入口3を基点とした挿入方向において、略平行な同一平面上に配置される。また、保管部6は、筐体2の縦方向に沿って金券を保管する形態で設けられる。加えて、搬送駆動手段9および排出駆動手段8を構成する機械部品や電子部品は、縦型(縦長であって薄い)の筐体2の縦方向に沿って実装されている。このような形態と実装により、金券識別装置1は、遊戯用機械100同士の狭い隙間に縦型にして設置することが可能となる。
(保管庫排出動作)
図1〜図3を用いて説明した金券識別装置1は、図3のように遊戯用機械100の間に挿入されるようにして設置される。遊戯者は、遊戯用機械100で遊戯を楽しみながら、必要に応じて金券識別装置1を用いて、パチンコ玉やゲームコインを得る。このため、金券識別装置1の保管部6には、遊戯者によって挿入された金券が溜まっていく。
保管部6に溜まった金券は、金券識別装置1を設置している遊戯場のものであり、遊戯者が勝手に取り出すことは盗難として防止される。一方で、金券識別装置1は、遊戯用機械100の間の狭い隙間に設置される必要性から、金券を保管する保管部6の大きさ・保管容量には限界がある。このため、定期的にあるいは不定期に、遊戯場の管理者は保管部6に収容されている金券を回収する必要がある。
金券識別装置1の個々は、その内部もしくは外部に制御部を備えている。制御部は、保管部6を排出させる排出駆動手段8に、保管部6を排出する制御信号を出力する。この制御部による制御信号の発生は、管理者のみが可能なように構成されている。例えば、遊戯者からはアクセスできない集中管理室やサーバーなどによって、排出を制御する制御信号が発生される。
排出を指示する制御信号が入力されると、排出駆動手段8は、排出口7から保管部6を排出させる。保管部6は、その全てが排出されるのではなく、一部が外部に露出する。これは図2の右側に示すような状態である。図2の右側では、保管部6が排出口7からその一部を露出させるように排出されている状態を示している。
通常の状態であれば、図2の右側の状態のように保管部6の一部が露出するように排出されれば、保管部6に収容されている金券20が回収可能となる。管理者は、通常状態であれば、このようにして保管部6に収容されている金券20を回収できる。管理者は、設置されている複数の金券識別装置1のそれぞれにおいて、必要に応じた金券20の回収を行う。
(異常状態)
しかしながら、金券20が保管部6や搬送路31において詰まるなどの異常状態が発生する可能性もある。あるいは、保管部6が収容可能な枚数を超えた金券20を送り込まれてしまい、通常状態での保管部6の排出が困難になるなどの異常状態も発生する。このような異常状態では、図2の右側のように制御信号を受けて、保管部6が排出口7から排出されなくなってしまう。例えば、金券20が詰まっていることで、保管部6が筐体2内部で引っ掛かるなどして排出がされなくなってしまうからである。
あるいは、保管部6そのものに機械的異常が生じて、排出を指示する制御信号による排出が困難となることもある。あるいは、保管部6のメンテナンスが必要となることもある。このような場合には、一部のみが露出する排出だけでは不足する。
このように、種々の理由で排出を指示する制御信号では自動で保管部6が排出できない異常状態が様々に発生する可能性がある。この場合には、手動で保管部6を筐体2から取り出す(取り外す)必要がある。金券識別装置1は、遊戯用機械100の間に挿入されるように設置されているが、筐体2の状態で金券識別装置1は取り出し可能である。管理者は、金券識別装置1を設置場所から取り出すことが出来る。
(排出駆動手段と異常状態での排出)
図4は、本発明の実施の形態1における手動による保管部6の排出を示す側面図である。保管部6は、筐体2に組み込まれている。保管部6は、筐体2において、排出方向と格納方向のそれぞれにスライド動作して移動する。格納方向に移動すれば、所定の格納位置に格納される。排出方向に移動すれば、保管部6が筐体2から取り出し(取り外し)できる。通常状態であってもこのスライド動作を行うので、異常状態での手動によるスライド動作においても、保管部6は、排出駆動手段8と関係した状態で動作する。このため、保管部6の側面は、排出駆動手段8の備える要素であるヘリカルギア84(第1歯車85)と嵌合する嵌合歯61を備える。
図4では、この嵌合歯61が、ヘリカルギア84と嵌合する側面に設けられている状態が示されている。ヘリカルギア84が回転すると、嵌合する嵌合歯61が直線動作して、保管部6は、スライド動作する。ヘリカルギア84の回転方向によって、保管部6は、排出方向に移動したり、格納方向に移動したりする。このため、排出駆動手段8は、通常状態では、正常動作に基づいて、保管部6を図2のように排出方向に排出したり、格納方向に格納したりする。
一方、異常状態では、排出駆動手段8は、手動での保管部6のスライド動作を実現する必要がある。しかしながら、手動でそのまま保管部6のスライド動作が実現される構造であると、管理者以外による金券20の盗難や金券識別装置1の故障を招く恐れもある。このため、排出駆動手段8は、制御信号に基づく管理下での自動動作のみを実現し、手動による動作を普通には受け付けない構造を有することが好ましい。しかしながら、手動による保管部6のスライド動作を全く受け付けないと、上記の通り、異常状態で保管部6を取り出すことが出来なくなり、金券識別装置1の活用が不十分となってしまう。
このため、異常状態においては、管理者によって保管部6が排出方向や格納方向に移動動作できることを、厳密な構造によって実現できることが必要である。本発明の金券識別装置1は、管理者以外の盗難や不正動作を防止しつつ、管理者によって異常状態に対応するために、保管部6の移動動作を実現できる排出駆動手段8を備えている。
図5は、本発明の実施の形態1における排出駆動手段の正面図である。図6は、本発明の実施の形態1における排出駆動手段の側面図である。図7は、本発明の実施の形態1における排出駆動手段8の斜視図である。
排出駆動手段8は、モーター81、伝達部82、ウォームギア83、ヘリカルギア84と、を備える。モーター81は、電力によって回転動作を生じさせる。伝達部82は、歯車や軸の組み合わせなどによって、モーター81の回転を伝達する。伝達部82は、歯車や軸の組み合わせでもよいし、単一の部品から構成されても良い。
ウォームギア83は、伝達部82からの回転を受けて回転する。ヘリカルギア84は、ウォームギア83と嵌合可能であり、ウォームギア83と正常に嵌合している場合においては、ウォームギア83の回転を受けて、ヘリカルギア84は回転する。
ヘリカルギア84は、保管部6の側面の嵌合歯61と嵌合可能である。ヘリカルギア84は、ウォームギア83からの回転によって回転されると、この回転を嵌合歯61に伝達する。この伝達により、嵌合歯61は直線運動を生じさせて、保管部6をスライド動作させる。ヘリカルギア84の回転方向(ウォームギア83の回転方向)によって、保管部6は、排出方向もしくは格納方向に移動できる。
ここで、ウォームギア83は、伝達部82からの駆動のみによって回転できる。すなわち、モーター81が回転して、モーター81の回転が伝達部82によって伝達される場合のみ、ウォームギア83は、回転できる。言い換えれば、保管部6を、手でスライド動作させようとしても、ウォームギア83は、回転しない。ウォームギア83が回転しなければ、これと嵌合するヘリカルギア84も回転できない。結局、保管部6は、ヘリカルギア84およびウォームギア83がストッパーとなってスライド動作できない。
このように、ウォームギア83は、モーター81が回転していない場合には、ヘリカルギア84の回転を停止させると共に、保管部6の移動動作を停止させる停止機能を発揮する。この停止機能によって、盗難や不正動作を防止できる。言い換えれば、この停止機能は、保管部6が、格納位置から排出口7に向けて排出される排出方向の移動を停止させることを、一つの目的としている(逆の格納方向の移動も同じ)。
ここで、排出駆動手段8は、分離駆動部87を備えている。分離駆動部87は、ウォームギア83とヘリカルギア84とを分離させることが出来る。分離されると、ウォームギア83とヘリカルギア84との嵌合が開放され、ヘリカルギア84は、ウォームギア83による回転停止から開放される。異常状態で保管部6を移動動作させたい場合には、手動で動作させることが前提であり、モーター81を回転させることができない。ウォームギア83は、ヘリカルギア84のストッパーとなっているので、モーター81が回転できない場合には、ヘリカルギア84は、ウォームギア83のストッパーがかけられた状態のままである。
これに対して、分離駆動部87によって、ウォームギア83とヘリカルギア84とが分離されると、ヘリカルギア84は、排出方向に自由回転できる。保管部6の嵌合歯61は、このヘリカルギア84と嵌合しているが、ヘリカルギア84がウォームギア83に依存することなく自由回転できれば、保管部6は、手動でスライド動作することができる。すなわち、保管部6は、ウォームギア83の停止機能から開放されて、手動によって、排出方向および格納方向に移動することができる。
このように、モーター81の回転のみで回転し、モーター81以外からの駆動力によっては回転しないウォームギア83の停止機能は、不正な保管部6の排出を防止できる。一方で、異常状態における必要に対応して、分離駆動部87によって、ウォームギア83がヘリカルギア84と分離される。この分離によって、ヘリカルギア84は、排出方向にあわせて自由回転できるようになる。この自由回転によって、手動で、保管部6が、排出方向および格納方向に排出される。
図8は、本発明の実施の形態1における排出駆動手段での分離駆動部を説明する説明図である。図8の左側は、分離駆動部87による分離が生じていない状態を示しており、図8の右側は、分離駆動部87による分離が生じている状態である。
分離駆動部87は、上述の通り、ウォームギア83とヘリカルギア84とを、分離する。この分離駆動部87は板材のようになっており、手動で板材が矢印Aの方向に傾けられることで、ウォームギア83とヘリカルギア84とが分離できる。
ここで、通常状態に対応するために、ウォームギア83とヘリカルギア84とを嵌合させるように圧力を付与する嵌合圧力付与部88が更に備えられている。嵌合圧力付与部88は、図8に示されるように、例えば弾性体であって、ウォームギア83をヘリカルギア84に押し付ける圧力を付与する。弾性体は、巻きバネなどで構成されても良い。
分離駆動部87は、この嵌合圧力付与部88と連結しており、矢印Aのように傾けられると、嵌合圧力付与部88の圧力が低減して、ウォームギア83がヘリカルギア84と分離できる。言い換えれば、分離駆動部87は、嵌合圧力付与部88の圧力を開放する。例えば、嵌合圧力付与部88が弾性体であれば、この弾性体が、ウォームギアから外れることで、圧力が開放される。
図8の右側の状態となることで、ウォームギア83は、ヘリカルギア84と分離して、ヘリカルギア84は、回転を自由に行えるようになる。この結果、保管部6は、手動で排出方向に排出されるようになる。図4は、この排出方向に手動で排出された結果を示している。
モーター81が回転する場合において、ウォームギア83の回転方向によって、ヘリカルギア84は、格納方向にも回転できる。この回転によって、通常状態での自動動作によって、保管部6が自動で格納位置に格納される。
実施の形態1の金券識別装置1は、通常状態では、モーター81のみの駆動によって保管部6を排出方向および格納方向に移動させることが出来る。加えて、モーター81以外の駆動では、ウォームギア83がストッパーの役割を果たし、保管部6が排出方向および格納方向に移動することはない。このため、盗難や不正操作が防止される。
一方で、異常状態などで必要な場合においては、金券識別装置1の筐体2が取り出されて、分離駆動部87によってウォームギア83によるストッパーが解除される。この解除によって、保管部6が手動で排出方向に移動できる。この排出方向での移動によって、金券20の詰まりやその他の不具合に対するメンテナンスなどによって、管理者が手動で保管部6を取り出すことが出来る。
このように、自動での金券回収、盗難などの防止、異常状態でのメンテナンス等対応などに、実施の形態1の金券識別装置1は、バランスよく対応できる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
実施の形態2では、異常状態で保管部6を排出方向に移動させる場合ではなく、異常状態で保管部6を格納方向に移動させる場合に対応する金券識別装置1の構成について説明する。
異常状態は、上述したように様々な状況で生じる以外にも、例えば金券20の回収のために排出された保管部6が何らかの理由で格納されなくなってしまう状態も含む。図9は、本発明の実施の形態2における金券識別装置における保管部の排出状態を示す説明図である。
図9の右側は、金券20の回収のためなどで保管部6が排出された状態を示している。図9の左側は、保管部6が格納位置に格納された状態を示している。金券20の回収などの目的で、保管部6が排出された後で、制御部からの制御信号によって、保管部6は、自動で格納位置に格納される必要がある。このとき、制御信号に基づいて、モーター81が回転して、ヘリカルギア84が格納方向に回転することで、保管部6が格納方向に移動する。
しかしながら、何らかの理由でモーター81の不具合や、伝達部82などの不具合などによって(あるいは、制御信号の不具合)、保管部6が格納方向に移動しないこともありえる。この状態が放置されることは、金券識別装置1だけでなく、遊戯場全体にとって好ましくない。営業に悪影響が生じるからである。
ここで、ヘリカルギア84は、ウォームギア83に嵌合している場合には自由に回転できないので、手動で飛び出している保管部6を格納方向に押し込むことは出来ない。実施の形態1のように、分離駆動部87によってウォームギア83をヘリカルギア84から分離させることで対応することも考えられるが、その場合には、筐体2を、設置している場所から取り出す不便がある。また、保管部6が排出された状態が放置されることは、金券20の盗難などの問題もあり、好ましくない。
このため、排出されたまま、格納されていない保管部6は、筐体2の取り出しなどを行うことなく、即座に格納位置に格納されることが好ましい。一方で、種々の不正操作を防止するために、モーター81や伝達部82による正常な動作以外で、容易に保管部6が格納位置に戻されることも好ましくない。原則として、例外的な異常状態の場合にのみ、手動で保管部6を押し込むことができることが好ましい。
実施の形態2は、このような場合において、筐体2を取り出したりすることなく、排出されて飛び出したままの保管部6を手動で押し込むことの出来る構成を説明する。
(ヘリカルギアの構成)
ヘリカルギア84は、図8に示されるように第1歯車85と第2歯車86との2つの要素を有している。第1歯車85は、保管部6の嵌合歯61と嵌合する。第2歯車86は、第1歯車85に連結し、ウォームギア83と嵌合可能である。すなわち、ヘリカルギア84は、嵌合歯61と嵌合する第1歯車85と、ウォームギア83と嵌合する第2歯車86との要素に分離されている。2つの要素に分離されていながら連結していることで、伝達経路を種々に構成できる。
(経路1)
通常動作においては、モーター81の回転がウォームギア83を回転させる。ウォームギア83は、第2歯車86と嵌合しており、ウォームギア83は、第2歯車86を回転させる。第2歯車86は、連結部89で第1歯車85と連結している。このため、第2歯車86と第1歯車85とは、同一回転軸で連結されている。
この同一回転軸である連結部89での連結によって、第2歯車86の回転が第1歯車85を回転させる。第1歯車85の回転は、保管部6の嵌合歯61を直線運動させて、保管部6をスライド移動させる。
(経路2)
実施の形態1で説明したように、分離駆動部87によってウォームギア83は、第2歯車86との嵌合を分離する。この結果、第2歯車86と連結部89で連結される第1歯車85は、ウォームギア83のストッパーとしての停止機能を受けなくなり、自由回転できる。
(経路3)
保管部6がスライド移動しようとすると、第1歯車85が嵌合歯61からの回転力を受ける。第1歯車85が、嵌合歯61からの回転により自由に回転できるとすると、第1歯車85の回転が第2歯車86を回転させる。
しかしながら、第2歯車86は、ウォームギア83による停止機能を受けているので、第2歯車86は、回転できない。この結果、第2歯車86の停止によって、第1歯車85も回転できない。結果として、保管部6を手動で格納方向に移動させようと思っても、第2歯車86とウォームギア83との嵌合によって、第1歯車85も回転できず、保管部6も移動できない。
第1歯車85と第2歯車86との分離がなされていることで、モーター81からの駆動であっても、保管部6からの駆動であっても、それぞれの経路1〜3を分離しながら構成できる。
ここで、経路3の場合において、保管部6の格納方向への押し戻しによっても、全く第1歯車85が回らないと保管部6が格納されない。格納されないことにより、管理者やその他の者が、無理に保管部6を押し戻そうとすると、第1歯車85や嵌合歯61が損傷を受けてしまう可能性もある。更に被害が生じると、ウォームギア83、伝達部82、モーター81の故障にも繋がりかねない。これらが故障すると、金券識別装置1そのものの交換が必要となってしまい、コストが掛かる。
一方で、経路1や経路2を実現するためには、第1歯車85と第2歯車86とが別の部材でありながらも、連結部89で連結されていることが必要である。しかし、連結されたままであると、第3経路での保管部6の強制的な手動による押し戻しが実現できない。
このため、ヘリカルギア84は、第1歯車85と第2歯車86を特殊な構成で連結している。
図10は、本発明の実施の形態2におけるヘリカルギアの分離図である。図11は、本発明の実施の形態2におけるヘリカルギアの分離図である。図11は、図10を逆方向から見た状態を示している。図10で見えない第2歯車86内部を、図11で見えるようにしている。
第1歯車85は、回転軸となるとともに突出する連結部89を有している。第2歯車86は、この連結部89と連結できる受け部860を有している。受け部860は、連結部89を挿入させることが出来る。
連結部89の先端は、第1突出部891と第2突出部892を備える。すなわち、2箇所(あるいはそれ以上)の突出した部位を備える。受け部860は、第1突出部891が挿入される第1凹部861と、第2突出部892が挿入される第2凹部862を有する。第1突出部891と第1凹部861が嵌合し、第2突出部892と第2凹部862が嵌合することで、第1歯車85と第2歯車86とが嵌合して連結できる。
この連結によって、第1歯車85と第2歯車86とは、経路1〜経路3などの種々の動作を実現して、ヘリカルギア84に求められる動作を実現できる。
ここで、第1歯車85と第2歯車86との連結における構造によって、手動で保管部6が押し戻される場合に、第1歯車85と第2歯車86とが分離できる。この分離によって、第1歯車85は、ウォームギア83による停止機能から開放されて自由に回転できる。結果として、保管部6は、格納位置に移動できる。
図12は、本発明の実施の形態2における第1歯車の斜視図である。図13は、本発明の実施の形態2における第2歯車の斜視図である。第1歯車85は、連結部89を有している。上述の通り、連結部89は、第1突出部891と第2突出部892を備える。図13に示されるように、第2歯車86は、この第1突出部891に対応する第1凹部861と第2突出部892に対応する第2凹部862と、を備える。
ここで、第1突出部891は、略垂直面となっている第1垂直端面891Aと鈍角傾斜面となっている第1斜め端面891Bを有する。図12に示されるように、第1垂直端面891Aと第1斜め斜面891Bは、第1突出部891の突出により生じる両側面のそれぞれである。
また第2突出部892は、図12に示されるように、略垂直面となっている第2垂直端面892Aと、鈍角傾斜面となっている第2斜め端面892Bと、を有する。これも同様に第2突出部892の突出により生じる両側面のそれぞれである。
これに対して、図13に示されるように、第1凹部861は、第1垂直端面891Aと対応して接触できる第1垂直側面861Aと、第1斜め端面891Bと対応して接触できる第1斜め側面861Bと、を有する。第2凹部862は、第2垂直端面892Aと対応して接触できる第2垂直側面862Aと、第2斜め端面892Bと対応して接触できる第2斜め側面862Bと、を有する。これらの側面も、第1凹部861や第2凹部862の凹みによって生じる両側面のそれぞれである。
第1突出部891と第1凹部861とが嵌合すると、それぞれの端面と側面とが面接触する。同様に、第2突出部892と第2凹部862が嵌合すると、それぞれの端面と側面とが面接触する。
第1垂直端面891Aと第1垂直側面861Aとが合わさり、第2垂直端面892Aと第2垂直側面862Aとが合わさる。この結果、モーター81からの回転をウォームギア83は、第2歯車86に伝える。第1垂直端面891Aと第1垂直側面861Aとが合わさり、第2垂直端面892Aと第2垂直側面862Aとが合わさっていると、垂直面で合わさっているので、第2歯車86の回転が、第1歯車85にそのまま伝わる。垂直での接触面により、第2歯車86が回る圧力が連結部89に伝わり、第1歯車85が回転できる。
一方、保管部6に手動での圧力が付与される場合には、第1歯車85の回転圧力が連結部89を通じて第2歯車86に伝わる。ここで、第1歯車85と第2歯車86とは、第1斜め端面891Bと第1斜め側面861Bおよび第2斜め端面892Bと第2斜め側面862Bとでも接触して連結している。
この斜め面同士での連結においては、付与される圧力によって、第1歯車85が、第2歯車86を遠ざけようとする。斜め面での接触に過ぎないので、第1歯車85に所定以上の圧力(戻し圧力)が付与されると、第1斜め端面891Bが第1斜め側面861Bを押し出そうとするからである。この押し出そうとする力によって、第1斜め端面891Bと第1斜め側面861Bとが分離する。第2斜め端面892Bと第2斜め側面862Bとの間も同様である。
これらの結果、第2歯車86は、第1歯車85によって遠ざかるように押し出される。実際には、連結部89によって第1歯車85と第2歯車86とが連結している。第2歯車86の遠ざかりによって、第2歯車86は、第1歯車85との相互回転の連結を失う。結果として、第2歯車86に対して第1歯車85は自由になる。この自由となることで、第1歯車85は、ウォームギア83で停止されている第2歯車86の影響を受けることなく、独立して回転可能となる。
第1歯車85が第2歯車86から独立して回転可能となることで、保管部6を格納位置に戻そうとする手動による戻し圧力によって、保管部6は、格納方向に移動可能となる。移動可能となることで、保管部6が格納位置に戻される。このとき、第1歯車85が、上述の構造と動作によって自由回転できるので、第1歯車85や嵌合歯61が損傷することがない。
このようにして、実施の形態2における金券識別装置1は、何らかの不具合や故障などによって、排出されたまま戻らなくなった保管部6を、手動でかつ損傷など生じさせずに、格納位置に格納することが出来る。これらも、経路1〜3にあるように、ヘリカルギア84が、ウォームギア83によって支配される第2歯車86と、保管部6と関係する第1歯車85とに分かれていることで実現される。加えて、2つの要素である第1歯車85と第2歯車86とが分離と連結を、連結部89の接触面形状のみで切り替え可能であることにより、実現される。
なお、詳細説明は割愛したが、金券識別装置1は、識別部4を備えており、この識別部4において、金券の挿入の有無や金券の種別を識別する。
なお、実施の形態1、2で説明した金券識別装置1は、一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲を排除するものではない。
1 金券識別装置
2 筐体
3 挿入口
31 搬送路
4 識別部
6 保管部
7 排出口
8 排出駆動手段
81 モーター
82 伝達部
83 ウォームギア
84 ヘリカルギア
85 第1歯車
86 第2歯車
87 分離駆動部
88 嵌合圧力付与部
89 連結部
9 搬送駆動手段
100 遊戯用機械
200 遊戯者

Claims (12)

  1. 筐体と、
    前記筐体の前方に設けられ、金券の挿入を受け付ける挿入口と、
    前記挿入口から挿入された前記金券が搬送される搬送路と、
    前記搬送路を搬送された前記金券を一時的に保管する保管部と、
    前記保管部を前記筐体の外部に排出する排出駆動手段と、
    前記排出駆動手段に制御信号を付与する制御部と、を備え、
    前記排出駆動手段は、
    モーターと、
    前記モーターの回転を伝達する伝達部と、
    前記伝達部の回転を受けて回転するウォームギアと、
    前記ウォームギアと嵌合可能なヘリカルギアと、を有し、
    前記保管部の側面は、前記ヘリカルギアと嵌合可能な嵌合歯を有し、
    前記ウォームギアは、前記伝達部からの駆動によってのみ回転し、
    前記ヘリカルギアと前記ウォームギアとの嵌合を分離する分離駆動部を、更に備え、
    前記ヘリカルギアは、前記嵌合歯と嵌合する第1歯車と、前記第1歯車と同一回転軸で連結する第2歯車を有し、
    前記第2歯車は、前記ウォームギアと嵌合可能であり、前記第1歯車は、前記ウォームギアと分離しており、
    前記第1歯車は、回転軸となると共に突出する連結部を有し、
    前記第2歯車は、前記連結部と連結する受け部を有し、
    前記連結部の先端は、第1突出部と第2突出部を有し、
    前記受け部は、前記第1突出部が挿入される第1凹部と、前記第2突出部が挿入される第2凹部と、を有し、
    前記第1突出部と前記第1凹部が嵌合し、前記第2突出部と前記第2凹部が嵌合することで、前記第1歯車と前記第2歯車は、連結され、
    前記第1突出部は、略垂直の第1垂直端面と鈍角斜面の第1斜め端面と、を有し、
    前記第2突出部は、略垂直の第2垂直端面と鈍角斜面の第2斜め端面と、を有し、
    前記第1凹部は、前記第1垂直端面と対応する第1垂直側面と、前記第1斜め端面と対応する第1斜め側面と、を有し、
    前記第2凹部は、前記第2垂直端面と対応する第2垂直側面と、前記第2斜め端面と対応する第2斜め側面と、を有する、金券識別装置。
  2. 前記保管部は、前記筐体内部の所定の格納位置に格納されると共に、前記筐体の排出口から排出され、
    前記保管部は、前記筐体を基準としたスライド動作によって、前記筐体への格納および前記筐体からの排出としての移動動作を行う、請求項1記載の金券識別装置。
  3. 前記モーターが回転する場合には、
    前記モーターは、前記伝達部に回転を伝達し、
    前記伝達部は、前記ウォームギアに回転を伝達して、前記ウォームギアは回転し、
    前記ウォームギアは、嵌合する前記ヘリカルギアを回転させ、
    前記ヘリカルギアは、嵌合する前記嵌合歯を直線移動させて、
    前記保管部は、前記筐体を基準としたスライド動作を行う、請求項1または2記載の金券識別装置。
  4. 前記モーターが回転していない場合には、前記ウォームギアは、前記ヘリカルギアの回転を停止させると共に前記保管部の移動動作を停止させる停止機能を発揮する、請求項2記載の金券識別装置。
  5. 前記停止機能は、前記保管部が、前記格納位置から前記排出口に向けて排出される排出方向の移動を停止させる、請求項4記載の金券識別装置。
  6. 前記分離駆動部が前記ヘリカルギアと前記ウォームギアとを分離する場合には、前記保管部は、前記ウォームギアに依存することなく手動でスライド動作可能である、請求項1から5のいずれか記載の金券識別装置。
  7. 前記ウォームギアと前記ヘリカルギアとを嵌合させるように圧力を付与する、嵌合圧力付与部を、更に有する、請求項1から6のいずれか記載の金券識別装置。
  8. 前記分離駆動部は、前記嵌合圧力付与部の圧力を開放する、請求項7記載の金券識別装置。

  9. 前記第1垂直端面と前記第1垂直側面が合わさり、前記第2垂直端面と前記第2垂直側面が合わさることで、前記モーターの回転に基づいて、前記ヘリカルギアは、前記排出方向および前記格納方向に回転可能である、請求項記載の金券識別装置。
  10. 前記保管部に対して、前記モーター以外による前記格納方向へ、所定値以上の戻し圧力が付与される場合には、
    前記第1斜め端面と前記第1斜め側面との接触面および前記第2斜め端面と前記第2斜め側面との接触面が分離し、前記連結部と前記受け部とが分離する、請求項記載の金券識別装置。
  11. 前記戻し圧力に基づいて前記連結部と前記受け部とが分離する場合には、前記第1歯車は前記第2歯車から独立して回転可能である、請求項10記載の金券識別装置。
  12. 前記第1歯車が前記第2歯車から独立して回転可能である場合には、前記戻し圧力に基づいて、前記保管部が前記格納方向に手動で移動可能となる、請求項11記載の金券識別装置。
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