本明細書中にあって持玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体又は当該遊技媒体数を示すデータであって、その当日中(閉店より前の時間)のみ遊技に再度供することができるものを言う。貯玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体また当該遊技媒体数を示すデータであって、翌日以降(閉店より後の時間)も遊技に再度供することができるものを言う。持玉は、一般遊技客および会員遊技客の双方が使用可能であり、遊技機を移動した場合等に使用する。貯玉は通常、会員遊技客のみが使用可能であり、獲得した遊技媒体を翌日以降の遊技に用いる場合に使用する。貯玉の使用には所定の手数料が課される(手数料は遊技媒体数を減算することで徴収される)ことが通常であるが、時間帯や会員種別によって徴収しないこととしてもよい。
まず、本実施例1に係る遊技装置及び表示制御方法の概念について説明する。図1は、本実施例1に係る遊技装置の概念を説明するための説明図である。図1に示す遊技装置は、遊技機20に台間カード処理機10を併設した構成を有する。図1(a)に示すように、台間カード処理機10は、遊技客により入金された貨幣の金額、貸し出した玉数、持玉や貯玉から払い出した玉数、各台計数機より計数された計数玉数を管理している。また、台間カード処理機10は、遊技機20に打ち込まれた打込玉数及び遊技機20より払い出された賞出玉数を遊技機20から取得する。
遊技機20の上皿に所在すると推定されるパチンコ玉の数を推定玉数として算定する。具体的には、推定玉数は、「賞出玉数+貸玉数+払出玉数−打込玉数−計数玉数」により求められる。
図1(b)に示すように、遊技機20に手持ちの玉が十分にある場合には、遊技客は持玉数や貯玉数を確認する必要がない。そこで、台間カード処理機10は、推定玉数がしきい値以上であるならば、台間カード処理機10の表示操作部においてスクリーンセーバーを起動させる。スクリーンセーバーには、イベント情報等の遊技客に対する告知を含めてもよい。
一方、図1(c)に示すように、遊技機20の手持ちの玉が少なくなると、遊技客は持玉数や貯玉数を確認し、持玉や貯玉からの払出を行う可能性がある。そこで、台間カード処理機10は、推定玉数がしきい値を下回ったならば、スクリーンセーバーを解除し、持玉数や貯玉数等の遊技に必要な情報を表示する。
このように、台間カード処理機10が遊技に関する情報を取得し、取得した情報に基づいてスクリーンセーバーを制御することで、表示部の劣化及び画面の焼き付きを防止しつつ、遊技客の労力の軽減及び遊技店からの情報の報知を効率良く実現することができる。
次に、本実施例1に係る遊技装置を含む遊技システムのシステム構成について説明する。図2は、本実施例1に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。同図に示すように、この遊技システムは、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10とを有する。複数の遊技機20は、遊技島を形成し、遊技島毎に島コントローラ30が設けられている。
また、島コントローラ30と、ホールコンピュータ90と、カード管理装置40と、会員管理装置50と、精算機60と、景品管理装置70とは、通信回線80を介して接続されている。
遊技機20は、パチンコ玉を遊技領域に打ち込んで遊技客がパチンコ遊技を行うパチンコ機等の装置である。当該遊技領域には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、当該入賞領域をパチンコ玉が通過したことに基づいて所定個数のパチンコ玉を賞玉として付与するようになっている。また、遊技領域には、所定個数の始動領域(始動口)が設けられており、当該始動領域をパチンコ玉が通過したことに基づいて所定の抽選を行うこととなっている。当該抽選が大当りとなれば、所定の可動部材等の作動により、前述の入賞領域あるいは他の始動領域へのパチンコ玉の通過確率を向上する等、遊技上有利となる作動が行われる。なお、始動領域と入賞領域を兼ねた領域があってもよい。
上記入賞領域には、当該入賞領域へのパチンコ玉の通過を検出するための所定の検出センサが設けられており、当該センサにより、入賞領域へ打ち込まれたパチンコ玉の通過(入賞)を検出するようになっている。また、遊技機20は、入賞領域ごとに何個のパチンコ玉を賞玉として付与するかを記憶する賞玉メモリを有している。
したがって、打ち込んだパチンコ玉の特定の入賞領域への通過がセンサにより検出されると、賞玉メモリの記憶内容と、入賞領域を通過したパチンコ玉数から付与すべき賞玉数を決定し、決定した賞玉数が上皿に投出される。
また、遊技機20は、ホールコンピュータ90に対して打込信号、賞出信号を出力する。打込信号は、遊技領域に所定数(例えば10玉)のパチンコ玉を打ち込む度に生成されるパルス信号である。賞出信号は、所定数(例えば10玉)の賞玉を投出する度に生成されるパルス信号である。
また、遊技機20は、台間カード処理機10に対して打込玉数、賞出玉数及び入賞通知を出力する。打込玉数は、遊技領域に打ち込んだパチンコ玉の数であり、賞出玉数は、入賞により上皿に投出したパチンコ玉の数である。入賞通知は、遊技機20が大当り状態となったことを示す通知である。
台間カード処理機10は、遊技機20の遊技に用いるプリペイド価値及び持玉数が関連付けられたカードを受け付けたならば、該カードに関連付けられたプリペイド価値及び持玉数を記憶する。台間カード処理機10は、持玉数を上限としてパチンコ玉を遊技機20の上皿に投出する。また、所定の玉貸し操作がなされたならば、所定数のプリペイド価値を減算しつつ、減算したプリペイド価値分に対応するパチンコ玉を遊技機20の上皿に投出する。また、受け付けたカードに貯玉数が関連付けられており、所定の再プレイ操作がなされたならば、貯玉数を所定数減算してパチンコ玉を遊技機20の上皿に投出する。
また、台間カード処理機10は、紙幣を受け付けたならば、この紙幣分のプリペイド価値を記憶する。また、台間カード処理機10は、カード排出操作を受け付けたならば、プリペイド価値及び持玉数をカードに関連付けて排出する処理を行う。
また、台間カード処理機10は、ホールコンピュータ90に対して貸玉信号を出力する。貸玉信号は、台間カード処理機10が所定数(例えば10玉)のパチンコ玉を遊技機20の上皿に投出する度に生成されるパルス信号である。
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ねる中継装置である。台間カード処理機10は、島コントローラ30を介してカード管理装置40及び会員管理装置50と通信する。
ホールコンピュータ90は、遊技機20より受信した打込信号及び賞出信号並びに台間カード処理機10より受信した貸玉信号に基づいて、遊技システム全体の管理を行う装置である。
カード管理装置40は、カードIDと持玉数を対応付けたカードデータを管理する装置である。カード管理装置40は、台間カード処理機10からカードID及び持玉数を受信したならばカードデータを更新し、台間カード処理機10からカードIDを受信したならば、該カードIDに対応する持玉数を台間カード処理機10に通知する。また、カード管理装置40は、景品管理装置70からカードIDを受信したならば、このカードIDに対応する持玉数を景品管理装置70に対して通知する。
会員管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員データを管理する管理装置である。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに対応づけて、貯玉、ポイント、暗証番号及び氏名等を管理する。
精算機60は、プリペイド価値が対応付けられたカードが挿入されると、該カードに対応するプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に相当する現金の払出を行う。
景品管理装置70は、遊技店内の景品交換カウンタに併設された景品交換用の端末装置であり、貯玉及び持玉の景品交換処理を行う。この景品管理装置70には、カードからカードIDを読み取るリーダライタ並びに特殊景品を払い出す特殊景品払出装置が接続されている。景品管理装置70は、リーダライタにより読み出したカードIDをカード管理装置40に送信して、該カードの持玉数を要求する。また、貯玉を景品交換する場合は、会員管理装置50に対して貯玉数を要求する。
次に、図2に示した台間カード処理機の外観構成について説明する。図3は、図2に示した台間カード処理機の外観構成を示す図である。なお、遊技機20は破線で図示する。なお、ここでは、紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、硬貨受け付け用のユニットを設けることもできる。
図3に示すように、台間カード処理機10は、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部11と、パチンコ玉を貸し出す際の各種紙幣を受け付ける紙幣挿入口12とを有する。また、台間カード処理機10は、ディスプレイなどの表示部並びにテンキーや各種ボタンを含む操作部からなる表示操作部13と、カードID、プリペイド価値、貯玉数及び持玉数が関連付けら得たカードを受け付けるカード挿入口14と、遊技機20の上皿21aにパチンコ玉を供給するノズル19aとが設けられている。ノズル19aは、持玉の払出が指示された場合にパチンコ玉を払い出す機能を備えている。
また、台間カード処理機10は、推定玉数を初期化する操作を受け付ける初期化ボタン17cと、持玉の払出操作を受け付ける持玉払出ボタン17dを有する。また、遊技客が獲得したパチンコ玉数を持玉数として計数する各台計数機19bと、遊技機20の下皿21bから落下させたパチンコ玉を計数するために一時的に貯留する持玉貯留部19cとを有する。持玉貯留部19cに貯留されたパチンコ玉は各台計数機19bへと導かれる。
なお、遊技機20には、パチンコ玉を遊技領域に打ち込む際に使用するハンドル21と、パチンコ玉を貯留する上皿21aと、該上皿21aの貯留量を超えたパチンコ玉を貯留する下皿21bとが設けられている。この上皿21aには、カードを返却するカード返却ボタン17bと、プリペイド価値の残数を表示するプリペイド価値表示部15と、プリペイド価値から持玉への移行を指示するための玉貸しボタン17aとが設けられている。
次に、図2に示した台間カード処理機10及び遊技機20の内部構成について説明する。図4は、図2に示した台間カード処理機10及び遊技機20の内部構成を示すブロック図である。図4に示すように、台間カード処理機10は、表示操作部13、初期化ボタン17c及び持玉払出ボタン17dに加え、リーダライタ10aと、紙幣搬送部10bと、通信部10cと、記憶部10eと、制御部10fとを有する。
リーダライタ10aは、カード挿入口14に挿入されたカードからカードID及びプリペイド価値データを読み取る処理部である。また、リーダライタ10aは、カードに対してプリペイド価値データの書き込みを行うことができる。なお、カード挿入口14に挿入されたカードは、このリーダライタ10aを経て図示しないカード収納部に収納される。紙幣搬送部10bは、紙幣挿入口から挿入された紙幣の金種及び真偽を判別しつつ図示しない紙幣収納部に搬送する搬送部である。
通信部10cは、遊技機20及びカード管理装置40との間のデータ通信を行うためのインタフェース部である。通信部10cは、セキュリティチップを有している。セキュリティチップは、自己の識別ID及び所定の暗号化・復号化プログラムを有するものであり、後述する遊技機20のセキュリティチップとの間で通信を行うためのものである。
セキュリティチップは、通信部10cから入出力するデータが予め定められたセキュリティ性を要するデータ種別に該当するかどうかを判別し、該当しない場合はそのままデータの入出力を行う。一方、セキュリティ性を要するデータ種別に該当する場合は、データの入出力に際し、自己の識別IDと相手方の識別IDを用いて、遊技機20のセキュリティチップとの間で相互認証処理を行う。ここで相互認証OKであれば、出力の場合は暗号化プログラムにより暗号化したデータを出力し、入力の場合は、相手方からのデータの入力待ちとなって、受信したデータの復号化を行う。遊技機20のセキュリティチップとの間では、予め暗号化・復号化方式が取り決められており、相互に相手方が暗号化したデータを復号化することが可能となっている。
ここで、セキュリティ性を要しないデータとは、不正に入力されても実質的に損害のないものが含まれる。セキュリティ性を要するデータとは、遊技機における不正検出信号など、遊技者・遊技店の利益に直接かかわるものが含まれる。また、セキュリティ性を要するデータ種別かどうかの判断は、制御部10fで行っても良い。また、相互認証にてNGとなった場合には、相互認証NGを検知した機器(遊技機あるいは台間カード処理機)は上位装置および自機の表示部に異常を出力した上で、エラーダウンする。
記憶部10eは、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスであり、カードID10e1、持玉データ10e2、プリペイド価値データ10e3及び推定玉データ10e4を記憶する。
カードID10e1は、リーダライタ10aで読み取られたカードIDである。図示しないカード収納部からカード挿入口14にカードが搬送され、該カードが排出される場合には、この搬送途中でリーダライタ10aにより読み取られたカードIDによりカードID10e1が更新される。また、カード挿入口14から図示しないカード収納部にカードが搬送される場合にも、この搬送途中でリーダライタ10aにより読み取られたカードIDによりカードID10e1が更新される。
持玉データ10e2は、遊技客の現時点での持玉数を示す。持玉データ10e2は、カードに対応づけられた持玉数並びに各台計数機19bにより計数された計数玉数が加算され、パチンコ玉を払い出した場合に減算される。
プリペイド価値データ10e3は、遊技客の現時点でのプリペイド価値の残数である。プリペイド価値データ10e3は、カードに対応づけられたプリペイド価値を読み取った場合並びに紙幣が挿入された場合に加算され、玉貸し処理を行った場合に減算される。推定玉データ10e4は、遊技機20の皿に所在すると推定される手持ちのパチンコ玉の数、すなわち推定玉数を示す。この推定玉数の算定については後述する。
制御部10fは、台間カード処理機10を全体制御する制御部である。制御部10fは、データ管理部10f1、紙幣処理部10f2、カード処理部10f3、算定部10f4、情報取得部10f5及び表示制御部10f6を有する。
データ管理部10f1は、記憶部10eに記憶した持玉データ10e2及びプリペイド価値データ10e3を管理する管理部である。データ管理部10f1は、カード挿入口14からカードが挿入された場合に、カードに関連付けられた持玉数を持玉データ10e2に加算し、カードに関連付けられたプリペイド価値をプリペイド価値データ10e3に加算する。また、データ管理部10f1は、紙幣挿入口12に紙幣が挿入されると、この紙幣分に相当するプリペイド価値をプリペイド価値データ10e3に加算する。なお、ここでは説明の便宜上、「加算」及び「減算」を行う場合を示しているが、例えばプリペイド価値データ10e3そのものに加算するのではなく、加算した値でプリペイド価値データ10e3を更新することも可能である。
データ管理部10f1は、持玉データ10e2に示された持玉数を上限として、遊技機20の上皿にパチンコ玉を投出する。また、データ管理部10f1は、遊技客により玉貸し操作が行われたならば、プリペイド価値データ10e3から所定数(例えば、10度数)を減算し、減算したプリペイド価値に対応する数のパチンコ玉を遊技機20の上皿に投出する。データ管理部10f1は、所定数(例えば10玉)のパチンコ玉を遊技機20の上皿に投出する度にパルス信号を生成し、ホールコンピュータ90に貸玉信号として出力する。
また、データ管理部10f1は、遊技客によりカード返却操作が行われ、カードを排出する場合には、持玉データ10e2に示された持玉数並びにプリペイド価値データ10e3に示されたプリペイド価値をカードに関連付けて、持玉データ10e2及びプリペイド価値データ10e3を零にクリアする。
紙幣処理部10f2は、紙幣挿入口12から受け付けた紙幣を搬送制御しつつ該紙幣の金種識別及び真偽識別を行った後に、該紙幣を図示しない紙幣収納部に収納する処理部である。
カード処理部10f3は、カード挿入口14からカードを受け付けたならば、リーダライタ10aによりカードID及びプリペイド価値を読み取らせる。そして、このカードIDをカード管理装置40に送信して、該カードIDに対応する持玉数をカード管理装置40から受信する。カード管理装置40から受信した持玉数はデータ管理部10f1により持玉データ10e2に加算され、カードから読み取ったプリペイド価値は、データ管理部10f1によりプリペイド価値データ10e3に加算される。
また、カード処理部10f3は、カード返却操作を受け付けたならば、図示しないカード収納部に収納したカードのカードIDをリーダライタ10aにより読み取らせる。そして、このカードIDと持玉数をカード管理装置40に送信してカードデータを更新させる。その後、プリペイド価値データ10e3をカードに書き込んでカード挿入口14から返却する。
算定部10f4は、推定玉数を算定し、推定玉データ10e4を更新する処理部である。算定部10f4は、遊技機20から払い出された賞出玉数と遊技機に打込まれた打込玉数等から推定玉数を算定する。具体的には、遊技機20の上皿に所在するパチンコ玉は、貸玉、賞出玉、払い出された持玉及び貯玉により増加し、打込玉及び計数玉により減少する。
そこで、算定部10f4は、貸玉数をA、賞玉数をB、払い出された持玉数をC、再プレイにより払い出された貯玉数をD、打込玉数をE、計数玉数をFとし、現時点で遊技機20の上皿に存在すると推定される推定玉数Xを、
X=(A+B+C+D)−(E+F)
の算定式から算定し、推定玉データ10e4を更新する。この推定玉数の更新は、随時行われる。
また、算定部10f4は、推定玉データ10e4を所定のタイミングで初期化する。具体的には、遊技客が初期化ボタン17cを押下操作した場合に、推定玉データ10e4を初期化する。
情報取得部10f5は、遊技に関する情報を取得する処理部である。情報取得部10f5は、遊技機20からの受信、制御部10fが有するメモリからの読み出し、記憶部10eからの読み出し、カードからの読み出し、会員管理装置50等の他の装置からの受信並びに表示操作部13等に対する操作入力の受付により遊技に関する情報を取得する。情報取得部10f5が遊技機20から受信する情報は、打込玉数及び賞出玉数等である。また、情報取得部10f5が記憶部10eから読み出す情報は、プリペイド価値データの残高、持玉数、推定玉数等である。また、情報取得部10f5が会員管理装置50から受信する情報は、遊技店から遊技客に対して伝達する情報、例えばイベント情報などである。
表示制御部10f6は、情報取得部10f5により取得された遊技に関する情報に基づいて、表示操作部13におけるスクリーンセーバーの表示を制御する。具体的には、表示制御部10f6は、推定玉データ10e4に示された推定玉数がしきい値以上である場合にスクリーンセーバーを起動し、推定玉数がしきい値を下回った場合にスクリーンセーバーを解除する。スクリーンセーバーには、任意の画像を用いることができる。また、イベント情報をスクリーンセーバーに表示してもよい。また、スクリーンセーバーが起動した段階でのプリペイド残高、持玉数及び貯玉数を表示してもよい。
図5は、スクリーンセーバーについて説明する説明図である。図5に示すように、スクリーンセーバーの起動前には、プリペイド価値の残額と、持玉数と、貯玉数とが表示操作部13に表示されている。また、パチンコ玉の貸出レートと、紙幣の入金可否と、挿入されたカードが一般カードであるか会員カードであるかが表示されている。また、携帯端末の識別情報に対応付けられた貯玉を払い出すためのケータイ再プレイボタンと、各種情報を表示させるためのインフォメーションボタンと、操作メニューを表示させるメニューボタンとが表示される。
スクリーンセーバーが起動されると、表示操作部13の表示画面が全てスクリーンセーバーで覆われる。スクリーンセーバーには、スクリーンセーバー起動時の残額、持玉、貯玉並びにイベント情報が表示される。スクリーンセーバー上の残額、持玉、貯玉及びイベント情報は、表示位置を随時変更する。このように表示位置を移動させるのは、表示操作部13の劣化及び画面の焼き付きを防止するためである。図5では、残額、持玉、貯玉及びイベント情報の表示が下方向に移動するように表示位置を変更する場合を示したが、表示位置の変更は任意の方向に設定可能である。また、表示位置が所定のパターンに従って若しくはランダムに変更されるようにしてもよい。また、表示内容をテロップ文字として表示位置を一定時間ごとに変化させつつ表示制御してもよい。
図4に示す遊技機20は、ハンドル21、センサ22、通信部26、遊技制御部23及び演出制御部24を有する。また、遊技機20の前面には、プリペイド価値表示部15、玉貸しボタン17a及びカード返却ボタン17bが設けられているが、プリペイド価値表示部15、玉貸しボタン17a及びカード返却ボタン17bは台間カード処理機10の制御部10fに直結されている。
ハンドル21は、遊技客がパチンコ玉を遊技領域に打ち込む際に使用される。センサ22は、入賞領域へのパチンコ玉の通過を検出する。通信部26は、台間カード処理機10との間のデータ通信を行うためのインタフェース部である。通信部26は、セキュリティチップを有している。セキュリティチップは、自己の識別ID及び所定の暗号化・復号化プログラムを有するものであり、台間カード処理機10のセキュリティチップとの間で通信を行うためのものである。
セキュリティチップは、通信部26から入出力するデータが予め定められたセキュリティ性を要するデータ種別に該当するかどうかを判別し、該当しない場合はそのままデータの入出力を行う。一方、セキュリティ性を要するデータ種別に該当する場合は、データの入出力に際し、自己の識別IDと相手方の識別IDを用いて、台間カード処理機10のセキュリティチップとの間で相互認証処理を行う。ここで相互認証OKであれば、出力の場合は暗号化プログラムにより暗号化したデータを出力し、入力の場合は、相手方からのデータの入力待ちとなって、受信したデータの復号化を行う。台間カード処理機10のセキュリティチップとの間では、予め暗号化・復号化方式が取り決められており、相互に相手方が暗号化したデータを復号化することが可能となっている。
ここで、セキュリティ性を要しないデータとは、不正に入力されても実質的に損害のないものが含まれる。セキュリティ性を要するデータとは、遊技機における不正検出信号など、遊技者・遊技店の利益に直接かかわるものが含まれる。また、セキュリティ性を要するデータ種別かどうかの判断は、遊技制御部23で行っても良い。
さらに、遊技機20は、営業を開始時に電源をONされると制御を開始するが、電源のON状態では通常の遊技制御(遊技可能)状態にはならず、待機制御状態にある。待機制御状態において、台間カード処理機10との間の相互認証が通信部26においてOKとなり、なおかつ通信部26を通して台間カード処理機10から遊技制御開始信号を受信した場合に遊技可能になる。
遊技制御部23は、遊技機20による遊技を制御する制御部であり、打込制御部23a及び賞出制御部23bを有する。打込制御部23aは、ハンドル21の操作に基づいて、パチンコ玉の発射制御を行う。また、打込制御部23aは、遊技領域に所定数(例えば10玉)のパチンコ玉を打ち込む度にパルス信号を生成し、打込信号としてホールコンピュータ90に出力する。また、打込制御部23aは、通信部26を介して打込玉数を台間カード処理機10に送信する。
賞出制御部23bは、センサ22の出力に基づく入賞口に入ったパチンコ玉の検出、始動口に入ったパチンコ玉による乱数(0〜65535の乱数値の中で、所定の範囲ごとに大当り、小当り、はずれの数値が割り当てられているもの)の取得及び抽選(特別図柄及び普通図柄)、盤面に設けられる可動部材(チューリップ等)の制御、盤面に設けられる特別図柄表示装置の表示制御を行う。また、賞出制御部23bは、所定数(例えば10玉)の賞玉を投出する度にパルス信号を生成し、賞出信号としてホールコンピュータ90に出力する。また、賞出制御部23bは、賞出玉数を台間カード処理機10に送信する。また、賞出制御部23bは、遊技機20が大当り状態となった場合に入賞信号を台間カード処理機10に送信する。
演出制御部24は、遊技中の演出を制御する制御部である。演出制御部24は、遊技制御部23での特別図柄抽選に基づく、演出図柄(図示しない液晶表示装置等の演出図柄表示装置で表示する図柄)の抽選(具体的には表示を最終的に7,7,7で止めるかどうかなど)を行う。また、演出制御部24は、演出図柄による抽選結果を表示するまでに行う演出の種類の抽選(キャラクタが出てきてリーチ演出をするなど)を行う。
次に、図2に示した台間カード処理機10によるスクリーンセーバー制御の処理動作について説明する。図6は、図2に示した台間カード処理機10によるスクリーンセーバー制御の処理動作を示すフローチャートである。図6に示す処理動作は、遊技中に繰り返し実行される。
まず、台間カード処理機10は、プリペイド価値からのパチンコ玉の貸し出し若しくは持玉又は貯玉からの払い出しを行ったならば(ステップS101;Yes)、推定玉数を更新する(ステップS104)。
また、台間カード処理機10は、遊技機20から賞出玉数又は打込玉数を受信したならば(ステップS102;Yes)、推定玉数を更新する(ステップS104)。また、台間カード処理機10は、各台計数機19bから計数玉数を受信したならば(ステップS103;Yes)、推定玉数を更新する(ステップS104)。
貸し出し及び払い出しを行っておらず(ステップS101;No)、賞出玉数及び打込玉数を受信しておらず(ステップS102;No)、計数玉数も受信していないならば(ステップS103;No)、台間カード処理機10は、スクリーンセーバー制御に対する変更を行わず、そのまま処理を終了する。
推定玉数の更新(ステップS104)後、台間カード処理機10は、推定玉数をしきい値と比較する(ステップS105)。推定玉数がしきい値以上であれば(ステップS105;Yes)、台間カード処理機10は、スクリーンセーバーを実行し(ステップS106)、推定玉数がしきい値を下回る場合には(ステップS105;No)、スクリーンセーバーを停止して(ステップS107)、スクリーンセーバー制御処理を終了する。
上述してきたように、本実施例1では、台間カード処理機10が遊技機20より打込玉数及び賞出玉数を受信して遊技機20の上皿に所在するパチンコ玉の数を算定し、算定された推定玉数に基づいてスクリーンセーバーの制御を行うよう構成したので、遊技客が表示操作部13を視認するタイミングでスクリーンセーバーを解除することができる。このため、表示操作部13の劣化及び画面の焼き付きを防止しつつ、遊技客の労力の軽減及び遊技店からの情報の報知を効率良く実現することができる。
また、プリペイド価値の残額、貯玉数及び持玉数をスクリーンセーバーの画像として用いることで、スクリーンセーバーの実行中であってもこれらの情報が確認可能である。また、スクリーンセーバーには、イベント情報等の遊技店から提供される情報をテロップ等により表示可能である。
また、本実施例1では、推定玉数の値を用いてスクリーンセーバーの表示制御を行う場合について説明したが、推定玉数だけでなく、明確な数としてある「持玉」「プリペイド価値」「貯玉」の残数で表示制御を行うようにしてもよい。また、前記3種の数の合計値、或いは予め決めた2種の合計値で判断するようにしてもよい。
また、カード管理装置40と会員管理装置50とは一体であってもよい。また、ホールコンピュータ90も含めた一体の装置であってもよい。
実施例1では、推定玉数に基づいて表示領域全体を覆うスクリーンセーバーの制御を行う構成を説明したが、スクリーンセーバーの制御は、遊技客による操作に基づいて行うこともできる。また、スクリーンセーバーのサイズを変更することで、表示する情報を選択することもできる。そこで、本実施例2では、遊技客による操作に基づいてサイズの異なるスクリーンセーバーを制御する構成について説明する。
図7は、本実施例2に係る遊技装置の概念を説明するための説明図である。同図に示すように、台間カード処理機10は、プリペイド価値の残額、持玉及び貯玉が全てゼロである場合には、遊技客のいない空き台であると判定し、表示操作部13の画面全体をスクリーンセーバーで覆う。そして、状態変化を検知した場合や表示操作部13に対する接触操作を検知した場合には、スクリーンセーバーを解除して、表示操作部13の画面全体を表示する。状態変化とは、遊技客による入金、カードの挿入、計数、遊技機20からの打込玉数又は賞出玉数の受信等である。
表示操作部13の画面全体を表示すると、プリペイド価値の残額と、持玉数と、貯玉数と、パチンコ玉の貸出レートと、紙幣の入金可否と、カードの種別と、ケータイ再プレイボタンと、インフォメーションボタンと、操作メニューを表示させるメニューボタンとが表示される。
紙幣の入金可否は、全ての金種が入金可能であることを示す「入金可」と、全ての金種が入金不可能であることを示す「入金不可」と、先に入金された紙幣を搬送中であるために一時的に入金が不可能であることを示す「入金不可(搬送)」と、入金可能な金種に制限があることを示す「金種制限あり」と、千円札のみが入金可能であることを示す「千円のみ可」のうちのいずれかが表示される。
カードの種別には、「一般カード」、「会員カード」又は「ケータイ認証中」のうちのいずれかが表示される。「一般カード」は一般カードが挿入された状態であることを示し、「会員カード」は会員カードが挿入された状態であることを示す。「ケータイ認証中」は、携帯端末の識別情報を会員カードの代わりに使用している状態であることを示す。
一般カードが挿入された状態では、会員向けのサービスが利用できないことを示す「会員サービス不可」が表示される。また、各台計数機19bによる計数ができない場合には「計数不可」が表示される。また、携帯端末の識別情報に対応付けて持玉を貯玉に移行するための「ケータイ貯玉」ボタンを表示することもできる。
表示操作部13の画面全体を表示した状態から、プリペイド価値の残額からの貸し出し、持玉からの払い出し、貯玉からの再プレイ、表示操作部13に対する接触操作、カードの挿入又は返却がいずれも検出されない状態が所定時間(例えば10秒)以上継続すると、台間カード処理機10は、表示操作部13の一部を覆うスクリーンセーバーを起動する。このスクリーンセーバーは、プリペイド価値の残額、持玉数及び貯玉数の表示領域を視認可能に残しつつ、他の表示領域を覆うサイズの小さいスクリーンセーバーである。スクリーンセーバーには、任意の画像やイベント情報などを表示する。
サイズの小さいスクリーンセーバーを表示した状態から、プリペイド価値の残額からの貸し出し、持玉からの払い出し、貯玉からの再プレイ、表示操作部13に対する接触操作、カードの返却のうちのいずれかが行われると、台間カード処理機10はスクリーンセーバーを解除する。
また、サイズの小さいスクリーンセーバーを表示した状態から、プリペイド価値の残額、持玉及び貯玉の全てが0となり、所定時間(例えば10秒)が経過した場合には、台間カード処理機10は、遊技客が遊技を終了して空き台になったと判定し、表示操作部13の全体を覆うスクリーンセーバーを起動する。このスクリーンセーバーは、任意の画像を用いることができる。また、遊技機20が空き台であることを示す表示を行ってもよい。
次に、本実施例2に係る台間カード処理機110の内部構成について説明する。図8は、図7に示した台間カード処理機及び遊技機の内部構成を示すブロック図である。本実施例2に係る台間カード処理機110は、初期化ボタン17cを有さず、記憶部10eに推定玉データ10e4を記憶せず、制御部10fが算定部10f4を有さず、制御部10fに判定部10f7を有する点が実施例1の図4に示した台間カード処理機10と異なる。その他の構成及び動作については、実施例1の図4に示した台間カード処理機10と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
判定部10f7は、情報取得部10f5が取得した情報に基づいて、遊技機20が遊技客による遊技中であるか、空き台であるかを判定する。具体的には、プリペイド価値の残額、持玉及び貯玉の全てが0となり、所定時間(例えば10秒)が経過した場合に空き台になったと判定する。
表示制御部10f6は、判定部10f7により空き台であると判定された場合に、全体スクリーンセーバーを起動する。全体スクリーンセーバーは、表示操作部13の全体を覆うサイズの大きいスクリーンセーバーである。また、表示制御部10f6は、情報取得部10f5により状態変化を検知した場合や表示操作部13に対する接触操作を検知した場合には、スクリーンセーバーを解除して、表示操作部13の画面全体を表示する。また、表示制御部10f6は、表示操作部13の画面全体を表示した状態から、プリペイド価値の残額からの貸し出し、持玉からの払い出し、貯玉からの再プレイ、表示操作部13に対する接触操作、カードの挿入又は返却がいずれも検出されない状態が所定時間(例えば10秒)以上継続すると、部分スクリーンセーバーを起動する。部分スクリーンセーバーは、表示操作部13の一部を覆うサイズの小さいスクリーンセーバーである。
次に、図8に示した台間カード処理機110によるスクリーンセーバー制御の処理動作について説明する。図9は、図8に示した台間カード処理機110によるスクリーンセーバー制御の処理動作を示すフローチャートである。図6に示す処理動作は、初期状態として、遊技中に繰り返し実行される。また、初期状態は、遊技機20が空き台であり、全体スクリーンセーバーが実行されている状態である。
台間カード処理機110は、状態変化又は遊技客による操作を検知していない間(ステップS201;No)は、全体スクリーンセーバーの表示を継続する。そして、状態変化又は遊技客による操作を検知した場合(ステップS201;Yes)には、スクリーンセーバーを解除し、表示操作部13の画面全体を表示する(ステップS202)。
状態変化や操作から所定時間が経過するまでは(ステップS203;No)、台間カード処理機110は、表示操作部13の画面全体の表示を継続する。ここで、新たに状態変化や遊技客による操作を検知したならば、最後の検知から所定時間が経過するまで、表示操作部13の画面全体の表示を継続する。
状態変化や操作から所定時間が経過したならば(ステップS203;Yes)、台間カード処理機110は、部分スクリーンセーバーを起動する(ステップS204)。部分スクリーンセーバーは、プリペイド価値の残額、持玉数及び貯玉数の表示領域を視認可能に残し、他の領域を覆う。なお、視認可能に残す表示領域を遊技客の指定により選択できるようにしてもよい。
部分スクリーンセーバーの起動後、状態変化又は遊技客による操作を検知したならば(ステップS205;Yes)、台間カード処理機110は、スクリーンセーバーを解除する(ステップS202)。
部分スクリーンセーバーの起動後、状態変化又は遊技客による操作を検知せず(ステップS205;No)、プリペイド価値の残額、持玉及び貯玉の全てが0になって所定時間が経過したならば(ステップS206)、台間カード処理機110は、遊技機20が空き台になったと判定して全体スクリーンセーバーを起動して(ステップS207)、処理を終了する。
上述してきたように、本実施例2では、遊技客による操作に基づいてサイズの異なるスクリーンセーバーを制御するよう構成したので、表示操作部13の劣化及び画面の焼き付きを防止しつつ、遊技客の労力の軽減及び遊技店からの情報の報知を効率良く実現することができる。
なお、本実施例2では、状態変化や操作からの経過時間に基づいてスクリーンセーバーを制御する構成について説明を行ったが、プリペイド価値の残額、持玉数及び貯玉数に基づいてスクリーンセーバーの制御を行ってもよい。例えば、プリペイド価値の残額、持玉数及び貯玉数が所定値以上である場合には全体スクリーンセーバーを起動し、プリペイド価値の残額、持玉数及び貯玉数が所定値未満である場合は部分スクリーンセーバーを起動するように構成してもよい。
また、上記実施例1及び2では、遊技機としてパチンコ玉を用いるパチンコ遊技機を例にとって説明したが、本発明はこれに限らず、遊技機がパチンコ玉を用いる回胴式遊技機および遊技メダルを用いる回胴式遊技機であっても適用することができる。つまり、回胴式遊技機においては、上記実施例における特定の遊技領域を遊技球が通過したことによる「入賞」の信号に代えて、複数の回胴上の図柄組み合わせのうち、特定の図柄組み合わせがライン上に揃ったことによる「入賞」の信号を各台間カード処理機10が受信して処理を行うことで構成が実現できる。
また、上記実施例1及び2に示したスクリーンセーバーの制御に加え、所定の時間間隔で一時的にスクリーンセーバーを解除するよう構成してもよい。
また、上記実施例1及び2では、台間カード処理機がスクリーンセーバーを制御する場合について説明を行ったが、遊技機がスクリーンセーバーを制御する場合に適用することもできる。図10は、遊技機20がスクリーンセーバーの制御を行う場合の内部構成を示すブロック図である。
図10に示す台間カード処理機210は、制御部10fに情報取得部10f5、表示制御部10f6及び判定部10f7を有さない点が図8に示した台間カード処理機110と異なる。また、図10に示す遊技機220は、表示操作部27及び表示操作制御部25をさらに備える点が図8に示した遊技機20と異なる。その他の構成及び動作は、図8に示した台間カード処理機110及び遊技機20と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
表示操作制御部25は、情報取得部25a、表示制御部25b及び判定部25cを有する。情報取得部25aは、情報取得部10f5と同様に動作し、表示制御部25bは表示制御部10f6と同様に動作し、判定部25cは判定部10f7と同様に動作する。このように、遊技機220に表示操作制御部25を設けることで、表示操作部27のスクリーンセーバーを制御することができる。
また、図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部または一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。