JP6231838B2 - 空洞管の部分電解研磨治具と電解研磨方法 - Google Patents

空洞管の部分電解研磨治具と電解研磨方法 Download PDF

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Description

本発明は空洞管の内周面を部分的に電解研磨するための部分電解研磨治具と空洞管の内周面を研磨する方法に関する。
陽電子と電子を衝突させ、ビッグバン状態を形成する装置としてリニアコライダが建設されようとしている(ILC計画)。リニアコライダには図12に示すように、両端にフランジ101a、101bを有し、軸方向に周期的に径が変化するニオブの空洞管100が使用される。この装置で所定の効果を得るための要素の1つとして、このニオブの空洞管100の内周面が平滑になっているか否かがある。
ところが、空洞管100は、成形時に過大な圧力や熱を掛けるところから、その内表面の組織は不均一に歪んだ状態となっている。この表面状態をこのままにしておくと、電気的特性、磁気的特性も不均一な状態となり、結果として、電子や陽電子に所定の速度を与えることができなくなる。そこで、空洞管の内周面を所定の厚さを研磨する方法が開発されている。
図13は前記の空洞管の製造手順を示すものである。
中心に所定の大きさの穴111が空いた円板110(図13(a))をプレスして、前記穴111の周辺を台状に一方に突起させ、周縁に至るに従って他方に湾曲させて、全体としてカップ形状を有する空洞管のふくらみの小径部110sから大径部110wに至る半分の部分(以下カップ体120(図13(b))という)を成型する。このカップ体120を複数、前記中心の小径部を相互に付き合わせるとともに、周縁の大径部110wを相互に突き合わせて溶接する(図13(d))。これによって、図12に示す空洞管が完成することになる。
前記のように、溶接する前には当然、各カップ体120は種々の方法で研磨されることになる(図13(c))が、各カップ体120が何等かの方法で研磨されたとしても、前記大径部110wと小径部110sにできる溶接部の表面に熱変化が発生し、空洞管として仕上がったときに当該溶接部の表面状態が他の部分との均一性を欠くことになる。特に、リニアコライダの加速器に使用される空洞管は、外表面はもちろん内表面の状態の状態が、重要になり、前記溶接部の内表面の処理方法が問題となる。
そこで、図13(f)に示すように空洞管として出来上がった後に内周面を所定の厚さ、研磨する方法が開発されている。
ニオブの空洞管を研磨する方法としては、化学的に研磨する方法(以後「化学研磨」と称す)及び電気化学的に研磨する方法(以後「電解研磨」と称す)の2種類が知られている。
化学研磨法としては、例えば特開昭57−114669号公報に開示されているように、フッ酸、硫酸、水からなる酸の混合液を利用し、その中にニオブ材を浸漬して、その全面を化学的に平滑に研磨することが知られている。また、同―目的に利用する研磨液として、フッ酸、リン酸、硝酸からなる混合液を利用することも周知である。いずれにしても、これらの方法は空洞管全体を研磨液に浸漬するので、作業自体は簡便であるものの、本来不要な空洞管の外面まで研磨され、液の不要な汚染や老化・劣化を促し、また研磨対象物の浸漬方向によって研磨量に著しい差異を生ずるという問題がある。
この現象は発生するガスによる研磨液の掻き混ぜ作用が関与しており、また、発生するガスが空洞管の形状によっては、その内表面に付着して研磨外観を損ねる等難点が多い。
電解研磨については以下のような例がある。
特公昭55−12116号には、ニオブの空洞管の両端開口部を水平にした状態で、フッ酸、硫酸、水からなる研磨液中に空洞管の下半分を部分浸漬して、停止状態で短時間通電して部分電解研磨し、次いで通電を停止したのち回転させ、酸化膜を溶解除去することを何回も繰り返して行う間歇的な電解研磨が開示されている。
この方法も本来、研磨を必要としない空洞管の外面をも同時に研磨することになり、空洞管の不要な溶解ロスが発生するとともに、研磨液が不要に消耗し、また汚染することになる。また、研磨が間歇的であることによる、研磨段差が発生し、加えて、揮散性が高く有害なガスを発生するフッ酸と、発熱性の高い硫酸を扱う極めて危険性の高い作業となっている。
特開昭61−23799号に開示の発明は、ニオブの空洞管を回転させながら、通液パイプに連通する吹出孔から研磨液を送液し、部分浸漬状態で連続電解しようとするようになっている。この構成で、研磨時間の短縮が計れると同時に無駄にニオブ材の溶解を起こさず、従って、研磨液の不要な汚染や消耗が抑制されることになる。
しかながら、通液パイプに設けた吹出孔を研磨液中に開口して、研磨液を貯留した研磨液中に吐出させるようにしているので、研磨液の流速の差が研磨の状態に現れ、ニオブの空洞管の内周面に研磨外観ムラを生じるという問題があった。
特開平11−350200に開示の発明は、基本的に上記特開昭61−23799号に開示の発明と同じであるが、前記通液パイプに設けた吹出孔を、研磨される側と反対側である研磨液の上側に開口させて、貯留した研磨液に直接研磨液が流れ込まないようにして、研磨の均一化を図ろうとしている。
特公昭55-12116 特開昭61-23799 特開平11−350200
しかしながら、空洞管として組み上がった状態で、当該空洞管の内周面を電解研磨するとき、位置によって変化する内径にどのように対応するのかという問題がある。この問題は、特に、小径部の溶接位置の内周面と、大径部の溶接位置の内周面とを同時に均等に処理することが困難であるという問題を含んで入る。
上記いずれの電解研磨方法においても、陰極となる通液パイプは直線状であり、研磨対象物である空洞管の内表面は、前記したように波形状に内径が変化している。したがって、空洞管の内表面の各部分と陰極との距離が均一ではなく、電流は距離の短い部分に集中し、特に研磨が必要な大径部の溶接部について所定の厚みの研磨をしようとすると、膨大な時間を要することになり、コストが上がることになる。
また、上記いずれの電解研磨方法においても、空洞管を水平に保ち、下側に研磨液を貯留して、研磨をする構成となっている。このとき、研磨液の上側に空洞を残しており、この部分にフッ化水素等、研磨液からでるガスが一時的であっても溜まることになり、研磨が進んだとしても、発生したガスにより研磨された表面が変質する怖れがある。
更に、特開平11-350200に開示の技術では、空洞管を設置したり、研磨液を充填するときは当該空洞管を縦にし、研磨作業時は横にし、さらに廃液作業時は再び縦にする等、作業工程が非常に複雑になる。
本願出願人は、既に国際出願JP2013-068593号として、空洞管の内周面を一様に研磨できる電極を提案しており、一応の成果を得ている。しかしながら、この電極で研磨した空洞管の内周面は目視することができず、その評価は、空洞管が本来の用途に使用されたときの成果から判断する方法しかなかった。
本発明は、空洞管の内周面の研磨状態の大部分を目視でき、しかも前記国際出願JP2013-068593号に記載の電極の効果を生かすことができる空洞管の部分電解研磨治具と電解研磨方法を提案することを目的とするものである。
本発明は内周径が軸方向に周期的に変化する空洞管の内周面を電解研磨する空洞管の部分電解研磨治具において、以下の構成を採っている。
まず、本発明では、前記空洞管の最大内径位置間を単位とするとともに、2つのカップ体の小径部相互が繋ぎ合わされた前記空洞管の部分としてのダンベル体を扱うことになる。当該ダンベル体は支持筒に同芯に嵌挿され、保持手段で保持される。この状態で、ダンベル体に前記保持筒に保持された環状の陽極リードが当接され、また、前記支持筒に位置を固定され、前記ダンベル体を構成するカップ体の内周面形状に小径部を除いて符号した皿状の網陰極が、管要素の内周面から所定距離を保って配設される。
上記において、前記保持手段が陽極リードを兼ねる構成としてもよい。
以上のように小径部の溶接部を含めた内周面が研磨されたダンベル体が複数大径部相互を突き合わせて溶接され、空洞管が形成される。ここで、本願出願人は国際出願JP2013-068593号に空洞管の内周面形状に応じて径方向に翼を挿抜できる翼電極をそなえた電極を開示しているので、当該電極と空洞管との間に電界が印加され、空洞管内周面、特に大径部の溶接部内周面が研磨される。
以上のように部分電解研磨治具を構成することで、周期的に内径が変化する空洞管を前記ダンベル体毎に研磨することができ、この段階ではダンベル体の内面全体が研磨されることになるが、特に、小径部の溶接部の内表面が研磨されることになる。この後に、前記ダンベル体の大径部を相互に付き合わせた状態で、溶接をして空洞管として仕上げることになる。
ここで、大径部の溶接部の内表面に他の部分と不均一な状態が発生したとしても、この部分を研磨できる何らかの方法を用いれば足りることになる。
上記「何らかの方法」は特に限定されるものではないが、出願人は既に国際出願JP2013-068593号で、空洞管の内部で内径の変化に応じた形状を形成できる電極を提案しているので、当該電極を、大径部の研磨精度を高めるように用いることで目的を実現できることになる。
本発明の部分電解研磨治具 部分研磨治具に使用する固定手段を示す図 本発明の研磨方法を示す図 本発明の空洞管の製造工程を示すフロー図 本発明に使用する収納状態の電極の平面図 図5の側面図 本発明に使用する稼動状態の電極の平面図 図7の側面図 単位の電極の斜視図 複数の翼電極群を備えた本発明の電極の斜視図。 空洞管の研磨方法を示す概念図 空洞管の概念図 従来の空洞管の製造工程を示すフロー図
<部分電解研磨治具>
図4は本発明に係る空洞管の研磨手順の概要を示す図である。
上記したように、中央に穴111が空いた円板110(図4(a))がプレスされ、当該プレス後は中央の穴111の部分が短く一方に短く突き出して小径部110sとなり、他方、円板110の外周縁は他方に湾曲した大径部110wとなり、全体としてカップ体120(図4(b))を形成する。このように形成されたカップ体120を2つ、小径部相互が溶接で繋ぎ合わされ、ダンベル体130(図4(c))が形成される。
空洞管100は、図4(e)→(f)に示すように当該ダンベル体130の大径部110w相互を溶接し、両端にフランジ101a、101bを取り付けることによって完成する。しかしながら、ここでは、空洞管100を形成する前に当該ダンベル体130の内周面が以下の治具を用いて研磨される。
まず、ダンベル体130が以下に図1を用いて説明する部分電解研磨治具200にセットされることになる。
部分電解研磨用治具200は以下のように構成される。まず、前記ダンベル体130の大径部110wが嵌り込む径で、ダンベル体130の軸方向の長さに対応する長さの円筒が支持筒210として用意される。当該支持筒210に対して同軸に前記ダンベル体130が挿入され固定手段220で固定される。固定手段220の構成は特に問われることはないが、図2では、ダンベル体130の小径部110sに符合する位置で、前記支持筒210の外側からビス221で、当該小径部110sを径方向から押さえる構成になっている。このとき、図2に示すようにビス221の先端に押さえ環223を配設することでもよい。
このように支持筒210に固定されたダンベル体130の両端の大径部110wに、当該ダンベル体130の外周に接する円形の陽極環230が嵌めこまれる。当該陽極環230から軸方向外部に支持枝231が導出され、当該支持枝231は支持筒210の端で折り返されて支持筒210の外部でビス等で固定される。この支持枝231は、上記のように陽極環230を支持筒210に固定する機能を持つとともに、電源の陽極からの配線を接続することによって陽極のリードとしても機能する。
上記のようにダンベル体130と陽極環230が支持筒210に支持された状態で、ダンベル体130を構成するカップ体120の形状に小径部110sを除いて符号する皿状の網電極240が、前記ダンベル体130の両方のカップ体120に沿って、かつ、カップ体120の内周面と電解研磨に必要な所定距離を保って支持筒210に固定配置される。網電極240の支持筒210への固定の方法は特に問われないが、図1では、前記電極環230と同様、網電極240から軸方向に延設した支持枝241を、支持筒210の端で折り返して支持筒210の外部側面にビス止めする構成を示した。
以上のようにダンベル体130を支持筒210に設置し、陽極(ダンベル体130)と陰極(網電極240)の間に電解研磨に必要な電界をかけることによって、前記小径部110sの溶接部を含めたダンベルの内周面が研磨されることになる。ここで陽極は陽極環と当接するダンベル体130そのものである。尚、前記陽極環240に代えて固定手段220を陽極リードして利用することも可能である。
上記のようにダンベル体130を支持筒210に治めて、各ダンベル体130を個別に電解処理することも可能であるが、電解液に適度の流動性を持たせると、電解むらをなくすことができる。そこで、図3に示すように上記部分電解研磨治具冶200を円板400に放射状に多数保持させ、前記円板400の軸410を中心に電解液が充填された電解槽500の中でゆっくり回転させることで、均一な電解処理が可能となる。
このようにして内周面の電解研磨がなされたダンベル体130は次に、その大径部相互が突き合わされて複数溶接され空洞管100に仕上げられる(図4(f))。尚、図4(f)において、両端のふくらみはダンベル体130とカップ体120で形成し、両端にフランジ101a、101bが形成される。
ここで、最後に溶接した大径部110wの内周面は、溶接による熱変化を受けているおそれがあるので、研磨処理が必要となる。本願出願人は既に国際出願JP2013-068593号として、空洞管の内周面の形状に応じて、翼を拡縮できる翼電極を開発しているので、ここではその電極を使用する。
上記電極は以下のように構成されている。
<電極>
図11は空洞管の内径に応じて拡縮できる電極を用いて、空洞管の電界研磨をしている状態を示す図であり、図5〜図9は前記電極の1単位(空洞管の1つの膨らみに対応)を示す基本的な概念図であり、以下、まず、単位の電極について、説明する。
図5は、電極を空洞管に装着した状態であって、使用状態に至る前の状態を示す状態を示す平面図、図6はその側面図、図7は空洞管に装着しかつ、使用状態を示す平面図、図8はその側面図である。さらに、図9は、斜視図である。但し、図9では図5〜図8に対して、若干の付加的要素がある。
電極軸21には、基端が軸方向に所定幅で外周端が、研磨対象物の空洞管100のふくらみ部の内周面形状に対応する形状となっており、少なくとも外周端が金属で構成された薄板よりなる単翼22a、22b・・を、1枚もしくは複数枚(図示では4枚)、周方向に等間隔に配置して翼電極22を形成する。
翼電極22を構成する各単翼22a、22b・・は、可撓性を有しており、電極軸21に巻回された状態で、最小径となり、この状態で、電極軸21と同心に配置された収納筒29に収納されるようになっている。前記収納筒29に収納された状態の各単翼22a、22b・・の先端に対応する位置に、軸方向のスリット群23(23a、23b・・)が設けられ、当該スリット群を構成する各スリット23a、23b・・に、各単翼22a、22b・・の先端部が、収納筒29の外部に僅かに出る程度に挿通しておく。これによって、電極軸21と収納筒29とを相対的に回転することによって、各単翼22a、22b・・の先端を径方向に挿抜することができ、各単翼22a、22b・・の先端の径を調整できる構成(径調整手段:電極軸21+翼電極22+収納筒29+スリット群23)とする。
尚、前記電極軸21に収納筒29を同心に配置する構成として、例えば、電極軸21に当該電極軸21より径が大きく、収納筒29の径に符号するスペーサ30を嵌める(図9参照)構成とすることが考えられる。
上記のように翼電極22は、収納状態と、稼動状態の2つの態様を採る。すなわち、図5、図6に示すように、各単翼22a、22b・・の先端が、収納筒29の各スリット23a、23b・・から僅かに出た状態が収納状態であり、また、図7、図8に示すように、電極軸21と収納筒29を相対的に回転させ、各単翼22a、22b・・の外周端が、空洞管100の内周面近くに押し出された状態(各単翼22a、22b・・の外周端と空洞管100の内周面との距離が例えば1cm前後)が稼動状態である。
図9は、前記図5〜図8に示した電極20のより具体的な実施形態を示す斜視図である。
前記のように電極軸21には空洞管100のふくらみに対応する形状の単翼22a、22b・・が周方向に少なくとも1枚取り付けられて翼電極22を構成する。前記各単翼22a、22b・・は、少なくとも外周が金属、例えば、金属の網体で構成される。当該各単翼22a、22b・・は可撓性を持たすための薄い金属製、あるいは合成樹脂製の保形材221a、221b・・が、各単翼22、22ba・・の基端(電極軸21側)から先端に渡って(径方向)に溶接あるいは溶着で貼り付けられる。
あるいは、金属の網体の端縁を除く表裏前面に合成樹脂を含浸することによって、各単翼に可撓性を持たすとともに、網体表面の絶縁性と端縁の導電性を確保する構成としてもよい。
このように電極軸21に各単翼22a、22b・・・を取り付けた状態で、当該電極軸21より径の大きいスペーサ30を電極軸21の前記翼電極22の上下の位置に固定しておく。
上記のように翼電極22を構成する一方、前記収納筒29を、その径は前記スペーサ30に符合し、前記スリット23a、23b・・・が下側に解放された状態で構成しておく。
更に、上記のように構成した収納筒29を、スペーサ30を介して電極軸21の周囲にはめ込むことになるが、このとき、前記各単翼22a、22b・・・が各スリット23a、23b・・・に差し込まれるようにする。これによって、電極20(電極軸21+翼電極22+収納筒29)が構成されたことになる。
上記のように構成された電極20を、空洞管100に装着して、空洞管の内周面を電解研磨する手順を以下に説明する。
まず、電極20の初期の状態は収納状態であり、この状態で空洞管100に挿入する。ついで、収納筒29が回らないように手で押さえて電極軸21のみを回して、空洞管100の内周面と各単翼22a、22b・・・の周端が電解研磨に適した距離(例えば1cm程度)になるまで、各単翼22a、22b・・を径方向に延伸させて稼動状態にする。更に、空洞管100の内部に電解液を充填し、翼電極22と空洞管100との間に研磨に必要な電界を掛けて、駆動手段120(図11参照)で電極20を回転(このとき収納筒29もともに回転)すると、空洞管100の内周面は電解研磨される。研磨が終わると、収納筒29が回らないように手で押さえて前記稼動状態を形成するのとは逆の方向に電極軸21のみを回して、収納状態に戻して、空洞管100から引き上げることになる。
尚、収納筒29のスリット23a、23b・・・と各単翼22a、22b・・は、通常は摩擦力で相互に滑らないようになっており、稼動状態から収納状態(またはその逆)を形成するためには、前記摩擦力を超える力を必要とし、電解研磨時に電極軸21を回転させるときは、前記摩擦力で電極軸21と収納筒29は共に回転する構成となっている。
前記図9の構成ではさらに、各単翼22a、22b・・の先端に、周方向に所定の長さを備えた所定幅の補助電極220a、220b・・が設けられる。この補助電極220a、220b・・は各単翼22a、22b・・が開いたときには、研磨対象の空洞管100の内周面のふくらみ部の先端付近の周形状に沿った状態となる。
上記のように先端に補助電極220a、220b・・が設けられていると、電解研磨時に、各単翼22a、22b・・を延伸したとき、通常では一番電流の流れ難い空洞管100のふくらみ部の最も奥の部分、すなわち前記部分研磨の後に熔接された部分、にも、補助電極220a、220b・・を介して充分に電流を流すことができることになる。
以上のように単位の電極20を構成するが、空洞管100の内周面のふくらみの数は1つではなく、図12に示すように軸方向に周期的に複数個ある。従って、実際の電極20は、図10に示すように、電極軸21の長さを空洞管100の軸の長さに対応させ、翼電極22の数は、空洞管100の内周面のふくらみの数に対応させて設けられる。更に、図10に示すように、収納筒29も、電極軸21と略同じ長さとし、1組のスリット群23(23a、23b、・・)が設けられるとともに、当該スリット群が軸方向の複数の単翼に共通に設けられる。
図11は、上記のように構成した電極を使用して、空洞管の内周面を研磨する装置を示した側面図である。
基台10上に、架台11が設けられ、当該架台11に研磨対象の空洞管100が設置される。当該空洞管100には電極20が、前記収納状態で貫挿され、稼動状態になるように、各単翼23a、23b・・が延伸される。この後、電解液が空洞管に充填され、駆動手段120で電極20をゆっくり回転させて電解研磨がなされる。電解研磨が終了すると、稼動状態から収納状態に遷移されて、空洞管100から引き抜かれることになる。
電解液の供給は、研磨液タンク15からポンプ16にて、液導入口14を介して空洞管100に充填される。オーバフローした電解液は、液導出口19を介して、排出されることになる。前記オーバフローは、電解処理中に液を更新する必要上、常時必要となる。
上記のようにして研磨が終了すると、研磨液を排出して(例えば、液導入口14に設けたドレン(図示しない)から)、洗浄水を給液ポンプ16から空洞管100に送り込んで洗浄する。その後、電極20を収納状態にして、空洞管100から抜き取ることによって作業は終了することになる。
以上説明したように、本発明は周期的に内径の変化する空洞管の内周面を研磨するにあたって、まず最大径間のダンベル体の内面研磨をし、この段階で小径部の溶接部を含めた大部分の内面を研磨しておき、空洞管として仕上げられた後に、空洞管の内面形状に符合する形状が形勢できる翼電極を用いて、大径部の溶接部に的を絞って研磨しているので、径が変化する空洞管であっても効率よく全内面を研磨することが可能となる。
本発明はリニアコライダを効率的に運用するために必要な技術であり、産業上の利用可能性は極めて大きい。
10 基台
11 架台
14 液導入口
17 液導出口
21 電極軸
20 電極
21 電極軸
22 翼電極
22a、22b・・ 単翼
23 スリット群
23a、23b・・ スリット
29 収納筒
100 空洞管
110 円板
120 カップ体
130 ダンベル体
200 部分電解研磨治具
210 研磨支持筒
230 陽極環
240 網電極

Claims (3)

  1. 内周径が軸方向に周期的に変化する空洞管の内周面を部分的に電解研磨する空洞管の部分研磨治具において、
    前記空洞管の最大内径間を単位とするとともに、2つのカップ体の小径部相互が繋ぎ合わされた前記空洞管の部分としてのダンベル体が嵌挿される支持筒と、
    前記支持筒にダンベル体を同軸に保持する保持手段と、
    前記支持筒に固定されるとともに、前記嵌挿されたダンベル体の外面に当接される陽極環と、
    前記支持筒に位置を固定されるとともに、前記ダンベル体のカップ体の内周面形状に小径部を除いて符号した皿状の網陰極と、
    を備えたことを特徴とする空洞管の部分電解研磨治具。
  2. 前記保持手段が陽極リードを兼ねる請求項1に記載の空洞管の部分研磨治具。
  3. 内周径が軸方向に周期的に変化する空洞管の内周面を電解研磨する空洞管の内周面研磨方法において、
    請求項1記載の空洞管の部分研磨冶具を用いて、前記空洞管の最大内径位置間を単位とするとともに、2つのカップ体の小径部相互が繋ぎ合わされた前記空洞管の部分としてのダンベル体の内面を研磨するステップ、
    前記内周面が研磨されたダンベル体を、大径部を付き合わせた状態で連続して複数溶接して空洞管となした内周面を、当該空洞管の内部で空洞管の内径に沿った形状を形成できる電極によって空洞管の内周面を研磨するステップを備え、
    前記電極が
    電極軸と、
    前記電極軸の軸方向に所定幅で先端が、空洞管の内周面形状に対応する単翼を少なくとも1枚、周方向に等間隔に配置した翼電極と、
    前記各単翼が電極軸に巻回された状態で、翼電極を収納する電極軸と同心に配置された収納筒と、
    前記収納筒の各単翼に対応する位置に、軸方向のスリットを設け、当該スリットに各単翼を挿通した状態で、電極軸と収納筒とを相対的に回転することによって、各単翼を径方向に拡縮可能な径調整手段と、
    を備えた、ことを特徴とする空洞管の研磨方法。
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