JP5535572B2 - 超伝導加速空洞の表面処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、超伝導加速空洞の表面処理方法に関するものである。
超伝導加速空洞は、内部を通る素粒子を加速するものである。超伝導加速空洞が所定の性能を発揮するためには、内表面の性状が重要となる。たとえば、表面抵抗を小さく抑える必要がある。また加速電圧が高くなると材料中の電子が電界によって引きだされる放電現象、局部的な発熱による温度上昇によって超伝導材料の臨界温度を越えることによって起こるクエンチ現象の発生を抑制する必要がある。
このため超伝導加速空洞は、内表面の表面処理を行って組み立てられている(たとえば、特許文献1参照)。
従来、この表面処理は図6に示される工程で実施されている。
まず、1回目の電解研磨(ステップS101)によって製造された超伝導加速空洞101の材料の不純物を取り除くとともに超伝導加速空洞101の内表面の付着物を取り除く。このときの研磨量は100μm程度である。次いで、電解研磨時に内表面に吸蔵された水素を除去ために、超伝導加速空洞101を10−5Pa程度の高真空中で750℃に上げる熱処理であるアニール(ステップS102)が、たとえば、180分行われる。
アニールが終了すると、超伝導加速空洞101の周波数の調整(ステップS103)が行われる。これは超伝導加速空洞101を構成する単位毎の体積が一定になるようにするものである。その後、1回目の電解研磨と同様にして2回目の電解研磨(ステップS104)が行われる。このときの研磨量は数十μm程度である。
2回目の電解研磨が終了すると、内表面のゴミ等の異物を除去する最終洗浄が行われる。最終洗浄としては、過酸化水素水を用いた過酸化水素水超音波洗浄(ステップS105)、超純水を用いた超純水超音波洗浄(ステップS106)および超純水を高圧で吹き付ける超純水高圧洗浄(ステップS107)が行われている。
なお、過酸化水素水超音波洗浄では、過酸化水素水の替わりにオゾン水、エタノールあるいは中性洗剤を用いて行われることもある。
過酸化水素水超音波洗浄および超純水超音波洗浄は、図7に示されるように超伝導加速空洞101を洗浄水である過酸化水素水あるいは超純水が満たされた水槽103中に設置し、水槽103の側面に取り付けられた振動子105を、たとえば、数十kHz〜数百kHzで振動させて行われる。
超純水高圧洗浄は、図8に示されるように、超純水製造装置107で生成された超純水をポンプ109で数十kgf/cm2に加圧して、フィルタ111を通してノズル113から超伝導加速空洞101の内面に噴射する。この際、超伝導加速空洞101は矢印Aのように上下に往復運動させると同時に、矢印Bのように回転またはノズルを回転させることで、超伝導加速空洞101の内表面を一様に高圧水洗する。
その後、洗浄に用いられた水分の除去等のために、超伝導加速空洞101を120℃に上げる熱処理であるベーキング(ステップS108)が、たとえば、40時間行われる。
特開2000−123998号公報
ところで、従来の超伝導加速空洞の表面処理方法では、1回目および2回目の電解研磨、アニールおよびベーキング、ならびに過酸化水素水超音波洗浄および超純水超音波洗浄等類似工程が多い。これにより、工程の切換え時に異物が混入する恐れ等の不確定要素が入る要因が多いので、超伝導加速空洞の性能が安定しないという課題がある。また、作業時間が長時間となるという課題がある。
たとえば、過酸化水素水超音波洗浄に引き続き超純水超音波洗浄を行う場合、超伝導加速空洞101を水槽103から出して、超伝導加速空洞101内の洗浄液を過酸化水素水から超純水に入れ替える。超伝導加速空洞101の内表面を大気に暴露し、内部に残留する過酸化水素水を除去した後、水槽103内に搬入することになる。このため、超伝導加速空洞101の水槽103内への搬出入、あるいは大気への暴露中に超伝導加速空洞101の内部に異物の混入が発生する恐れがあり、洗浄効果が低下する。超伝導加速空洞101内の洗浄液を交換するので、交換作業に時間を要する。
また、過酸化水素水超音波洗浄および超純水超音波洗浄では、超音波を発生する振動子105が超伝導加速空洞101の外側に設置されているので、特に、性能にかかわり異物の除去が必要な内表面の洗浄効果が低い恐れがある。
さらに、超純水高圧水洗浄は、超伝導加速空洞101の内表面全面に高圧水を吹き付ける必要があるため、作業時間が多くなる。たとえば、過酸化水素水超音波洗浄あるいは超純水超音波洗浄は1時間程度で行えるのに対して、超純水高圧水洗浄は十数時間を必要とする。
本発明は、このような事情に鑑み、作業工程数を少なくし、作業時間を短縮できるとともに洗浄効果を向上できる超伝導加速空洞の表面処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる超伝導加速空洞の表面処理方法は、超伝導材料によって環状に形成された超伝導加速空洞の内表面を表面処理する超伝導加速空洞の表面処理方法であって、予め周波数調整された超伝導加速空洞の内面を電解研磨によって研磨処理する電解研磨工程と、該電解研磨工程で研磨処理された前記超伝導加速空洞の内表面を洗浄する洗浄工程と、該洗浄工程で洗浄された前記超伝導加速空洞を変形しないように拘束して密閉された内部空間を真空吸引しつつ高温で熱処理する熱処理工程と、を備えていることを特徴とする。
本発明によると、高温で熱処理する熱処理工程を備えているので、電解研磨によって超伝導加速空洞の内表面に吸蔵された、たとえば、水素等を放出させることができる。放出された水素等は真空吸引されているので、それにより系外に放出できる。このとき、超伝導加速空洞は、変形しないように拘束されているので内外の圧力差があっても変形を抑制することができる。なお、ここで高温とは、たとえば、典型的なニオブ材から水素が放出され始める400〜600℃以上とするのが好適である。また、必要によって引き続き従来のベーキングを実施してもよい。
また、熱処理工程を最後にまとめたので、電解研磨工程を1度で済ますことができる。
このように、電解研磨工程および熱処理工程を1工程で行うようにしたので、作業工程数を少なくすることができる。これにより、段取り変えが少なくなるので、作業時間を短縮でき、作業コストを低減できる。また、段取り変えが少なくなると、作業中に異物が混入する恐れが少なくなるので、洗浄効果を向上することができる。
本発明では、前記洗浄工程は、前記超伝導加速空洞の密閉した内部空間に洗浄液を充填し、該内部空間に配置された振動子による超音波振動による超音波洗浄を行うことが好ましい。
このようにすると、振動子による超音波振動が超伝導加速空洞の内表面に直接作用するので、洗浄効果を向上させることができる。
本発明では、前記電解研磨工程あるいは前記洗浄工程では、前記超伝導加速空洞自体をピエゾ素子等により直接振動させることが好ましい。
このようにすると、電解研磨工程あるいは洗浄工程で、超伝導加速空洞自体が振動するので、電解研磨工程で析出される異物(たとえば、イオウ分等)あるいは洗浄工程で除去された異物が超伝導加速空洞の内表面に再付着することを抑制できる。したがって、洗浄効果を向上させることができる。
本発明では、前記洗浄工程は少なくとも、洗浄液として過酸化水素水、オゾン水、エタノールおよび中性洗剤液のいずれかで洗浄した後、洗浄液を超純水に切替えて洗浄することが好ましい。
また、本発明では、前記洗浄工程では、前記振動子の振動数が0.5MHz〜3MHzに切換えられるようにされていることが好ましい。
このように、超伝導加速空洞の内表面を通常の超音波洗浄とメガソニック洗浄とに切換えて行うことができる。このようにメガソニック洗浄を行うことによって、作業時間の長い高圧水洗浄を減らすことができる。これにより、洗浄装置を簡略化できるし、作業時間を減少できるので、作業コストを低減することができる。
本発明によれば、変形しないように拘束されている超伝導加速空洞を高温で熱処理する熱処理工程を最後にまとめて備えているので、作業工程数を少なくすることができる。これにより、段取り変えが少なくなるので、作業時間を短縮でき、作業コストを低減できる。また、段取り変えが少なくなると、作業中に異物が混入する恐れが少なくなるので、洗浄効果を向上することができる。
本発明の一実施形態にかかる超伝導加速空洞の表面処理方法の表面処理工程を示すフロー図である。 本発明の一実施形態にかかる超伝導加速空洞の表面処理方法の電解研磨工程を示すブロック図である。 本発明の一実施形態にかかる超伝導加速空洞の表面処理方法の超音波洗浄工程を示すブロック図である。 本発明の一実施形態にかかる超伝導加速空洞の表面処理方法の熱処理工程を示すブロック図である。 本発明の一実施形態にかかる超伝導加速空洞の表面処理方法の熱処理工程の別の実施態様を示すブロック図である。 従来の超伝導加速空洞の表面処理方法の表面処理工程が示を示すフロー図である。 従来の超伝導加速空洞の表面処理方法の超音波洗浄工程を示すブロック図である。 従来の超伝導加速空洞の表面処理方法の高圧水洗浄工程を示すブロック図である。
以下に、本発明にかかる超伝導加速空洞の表面処理方法の一実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
図1には、本発明の一実施形態にかかる超伝導加速空洞の表面処理方法の表面処理工程が示されている。図2は、本実施形態にかかる超伝導加速空洞の表面処理方法の電解研磨工程を示すブロック図である。図3は、本実施形態にかかる超伝導加速空洞の表面処理方法の超音波洗浄工程を示すブロック図である。図4は、本実施形態にかかる超伝導加速空洞の表面処理方法の熱処理工程を示すブロック図である。図5は、熱処理工程の別の実施態様を示すブロック図である。
本発明の一実施形態にかかる超伝導加速空洞の表面処理方法について図1に基づいて表面処理工程について説明する。
加速空洞(超伝導加速空洞)1は、図2〜図5に示されるように、中央部が膨らんだ円筒形状のセル3が、たとえば、5個組み合わされた構造体である。加速空洞1は、たとえば、超伝導材料であるニオブ材を曲げ加工、プレス成型加工、電子ビーム溶接などを行うことによって所定の形状に製造される(ステップS1)。
製造された加速空洞1は、周波数調整が行われる(ステップS2)。周波数調整は、Πモードの共振周波数で共振された場合の各セル3の電場のバラツキを測定し、そのバラツキが小さくなるように、各セル3を変形させる。これは、各セル3の内部空間の容積が略一定になるように変形されるものである。
次いで、加速空洞1の内表面の表面処理に入る。表面処理は、まず、電解研磨(電解研磨工程)が行われる(ステップS3)。電解研磨は、加速空洞1の材料の不純物を取り除くとともに加速空洞1の内表面の付着物を取り除くために行われる。
図2は、電解研磨装置5が示されている。
電解研磨装置5には、加速空洞1を軸線回りに回転可能に保持する一対の回転保持具7と、回転保持具7を回転させる回転装置9と、電解液を加速空洞1の内部を通って循環させる電解液供給装置11と、加速空洞1の内部に配置された陰極13および加速空洞1の外部に配置され、回転保持具7と接続されている陽極15との間に直流電流を流す電源17と、が備えられている。
一対の回転保持具7はそれぞれ円板形状で、加速空洞1の軸線方向の端部を保持し、保持軸19によって連結されている。一対の回転保持具7の対向する面には外周に歯が刻まれた歯車21が供えられている。
回転装置9には、各歯車21と噛み合う一対の歯車23と、歯車23を連結する回転軸25と、回転軸25を回転させるモータ27とが備えられている。
加速空洞1の両端部には液体、気体等の流体の漏洩を防ぐキャップ29が取り付けられる。
電解液供給装置11には、電解液を保持するタンク31と、タンク31の電解液を一方のキャップ29を通って陰極13の内部に供給する電解液供給管33と、電解液供給管33の途中に設置されたポンプ35と、他方のキャップ29を通って加速空洞1の内部空間およびタンク31を連通する電解液排出管37と、が備えられている。
陰極13は、中空で内部に供給された電解液を加速空洞1の内部空間に供給する開口部39が備えられている。
キャップ19には、加速空洞1の内部空間のガスを排出するガス排出管41が備えられている。
タンク31内のフッ化水素、硫酸等の電解液は、ボンプ35により電解液供給管33を介して陰極13内に供給される。陰極13内に供給された電解液は、開口部39から加速空洞1内に供給される。加速空洞1内に供給された電解液で所定レベル以上のものは、電解液排出管37を通ってタンク31内に戻される。
所定量の電解液が加速空洞1内に溜まると、電源17から陽極15に電力が供給され、加速空洞1を均等に正電圧に印加する。加速空洞1が正電圧に印加されると陰極13との間で電解液を通って電流が流れ、電解液の電気分解が起こる。
この電気分解により加速空洞1の内表面が研磨される。
モータ27によって回転軸25、歯車23を作動させ、加速空洞1を回転させることにより、加速空洞1の内表面全体に亘って研磨を施すことができる。このときの研磨量は略100μmである。
電気分解で発生したガスは加速空洞1の上部に溜まり、ガス排出管41を介して外部に排出される。
なお、加速空洞1の端部にピエゾ素子43を取り付け、ピエゾ素子43に図示しない電源から電力を供給して加速空洞1を振動させるようにしてもよい。
このようにすると、電解研磨工程で析出されるたとえば、イオウ分等の異物が加速空洞1の内表面に付着することを抑制できるので、洗浄効果を向上させることができる。
このようにして、電解研磨が終了すると、電解研磨工程で加速空洞1の内表面に付着した異物を除去するために過酸化水素水超音波洗浄(洗浄工程)を行い(ステップS4)、次いで超純水超音波洗浄(洗浄工程)を行い(ステップS5)、次いで、超純水高圧水洗浄(洗浄工程)を行う(ステップS6)。
図3には、過酸化水素水超音波洗浄、超純水超音波洗浄および超純水高圧水洗浄を行う洗浄装置43の概略構成が示されている。
加速空洞1は、洗浄装置43に内部空間が密閉された状態で設置される。洗浄装置43には、加速空洞1の内部空間に配置される複数の振動子45と、振動子45に超音波を供給して振動させる第一超音波電源47および第二超音波電源49と、加速空洞1の内部空間に洗浄液を供給する洗浄液供給管51と、加速空洞1の内部空間から洗浄液を排出する洗浄液排水管53と、が備えられている。
各振動子45は、各セルの略中心位置に配置されるようにされている。第一超音波電源47は、振動子45を、たとえば、略100KHzで振動させ、第二超音波電源49は、たとえば、略2MHzで振動させる。第二超音波電源49は、0.5MHz〜3MHzで振動子45を振動させるように選定されるのが好適である。
第一超音波電源47および第二超音波電源49は切換スイッチ55によって切換えられるようにされている。
洗浄液供給管51には、その開閉を行う供給弁57が備えられている。洗浄液供給管51には、図示しない過酸化水素水供給源から過酸化水素水を供給する開閉弁61が取り付けられた過酸化水素水供給管59と、図示しない超純水供給源から超純水を供給する開閉弁65が取り付けられた超純水供給管61と、が接続されている。
洗浄液排水管53には、その開閉を行う排出弁67が備えられている。
電解研磨された加速空洞1は、洗浄装置43に持ち込まれ、内部に振動子45が設置され、洗浄液供給管51が接続される。
開閉弁65が閉じられた状態を維持し、開閉弁61および供給弁57が開かれると、過酸化水素水供給管59および洗浄液供給管51を通って過酸化水素水が加速空洞1の内部に供給される。加速空洞1の内部に過酸化水素水が充満すると、開閉弁61および供給弁57が閉じられる。この状態で、たとえば、第一超音波電源47が投入されると振動子45が、略100KHzで振動するので、過酸化水素水による超音波洗浄が行われる。過酸化水素水超音波洗浄は、たとえば、1時間程度行われる。
過酸化水素水超音波洗浄が終了すると、超純水超音波洗浄を行うことになる。この場合、排水弁67が開かれ、加速空洞1の内部の過酸化水素水は洗浄液排水管53を通って排出される。次いで、開閉弁65および供給弁57を開いて超純水を超純水供給管63および洗浄液供給管51を通って加速空洞1の内部に供給する。
このとき、排水弁67は開いた状態を維持させる。これにより加速空洞1の内部空間に残留した過酸化水素水が超純水によって洗い落とされ洗浄液排水管53を通って排出される。所定の時間経過したら排出弁67を閉じ、洗浄液供給管51から供給される超純水を加速空洞1の内部空間に貯留し、充満させる。
このように、開閉弁61,65、供給弁51および排出弁67の開閉を制御することによって過酸化水素水と超純水との交換は、密閉された状態で行われるので、加速空洞1の内表面が大気に暴露されることがない。このため、加速空洞1の内部空間に異物の混入が発生する恐れを防止できるので、洗浄効果を向上させることができる。
加速空洞1の内部に超純水が充満すると、開閉弁65および供給弁57が閉じられる。この状態で、たとえば、第一超音波電源47が投入されると振動子45が、略100KHzで振動するので、超純水による超音波洗浄が行われる。
超音波洗浄が一定時間、たとえば、1時間行われると、切換スイッチ55を作動して、第二超音波電源49に切替える。これにより、振動子45は、略2MHzで振動することになるので、メガソニック洗浄を行うことができる。
なお、本実施形態では、洗浄液として過酸化水素水を用いた過酸化水素水超音波洗浄を行っているが、これに限定されない。洗浄液として過酸化水素水に替えてオゾン水、エタノールおよび中性洗剤液のいずれかを用いるようにしてもよい。
このように、過酸化水素水超音波洗浄および超純水超音波洗浄は、振動子45による超音波振動が加速空洞1の内表面に直接作用するので、洗浄効果を向上させることができる。なお、加速空洞1の端部にピエゾ素子69を取り付け、ピエゾ素子69に図示しない電源から電力を供給して加速空洞1を振動させるようにしてもよい。
このようにすると、洗浄工程で除去された異物が加速空洞1の内表面に再付着することを抑制できるので、洗浄効果を向上させることができる。
超純水超音波洗浄が終了すると、排水弁67が開かれ、加速空洞1の内部の超純水は洗浄液排水管55を通って排出される。
引き続いて、超純水高圧水洗浄が行なわれる。
このようにして、洗浄工程が終了すると、洗浄工程で残留した水分の除去および電解研磨工程で加速空洞1の内表面に吸蔵された水素等の除去を行う高温ベーキング(熱処理工程)を行う(ステップS7)。
図4には、高温ベーキングを行う熱処理装置71の概略構成が示されている。
熱処理装置71には、加速空洞1の変形を防止するように拘束する保持部材73と、加速空洞1の内部を真空吸引する真空吸引部材75と、加速空洞1を加熱するヒータ77と、断熱ジャケット79とが備えられている。
保持部材73には、加速空洞1の両端のフランジ部を強固に保持する一対の保持板81と、一対の保持板81間を連結し、その間隔を維持する複数のシャフト83と、が備えられている。シャフト83は、加速空洞1の構成材料と線膨張係数が近い材料で形成されている。たとえば、加速空洞1がニオブ材で形成されている場合、シャフト83はニオブとジルコニウムとの合金、あるいはチタン材等で形成されている。
真空吸引部材75には、真空ポンプ85と、真空ポンプ85および加速空洞1の内部を連通させる吸引配管87と、吸引配管87を開閉させる開閉弁89とが備えられている。
ヒータ77は、たとえば、電熱式が用いられ、加速空洞1の側面を覆うように設置されている。
断熱ジャケット79は、断熱材で構成され、ヒータ77および加速空洞1の外側を覆うように一方の保持板81に取り付けられている。断熱ジャケット79の内部空間には、空気が閉じ込められている。これは、加速空洞1の外側が酸化されるのを防止するために窒素、アルゴン等の不活性ガスを封入するようにしてもよい。
ヒータ77は、断熱ジャケット79内を、ニオブ材に吸蔵された水素が放出され始める、たとえば、400〜600℃以上に加温することができるものとされている。
洗浄工程で洗浄された加速空洞1は、熱処理装置71に持ち込まれ、フランジ部が保持板81に強固に取り付けられる。保持板81間の間隔を保持するように保持板81にシャフト83を取り付ける。
吸引配管87を加速空洞1の内部空間と連通するように取り付ける。
この状態で、ヒータ77で加温するとともに真空ポンプ85を作動し加速空洞1の内部空間を真空吸引し、たとえば10−5Pa程度の圧力とする。ヒータ77による加温はたとえば750℃で3時間行われる。この加温により加速空洞の内表面に吸蔵された水素等が析出される。この水素は吸引配管87を通って排出される。
このように750℃の高温で熱処理する熱処理工程を備えているので、電解研磨によって加速空洞1の内表面に吸蔵された、たとえば、水素等を放出させることができる。放出された水素等は真空吸引されているので、それにより系外に放出できる。
このとき、加速空洞1の内外圧力差は大きくなるが、加速空洞1は保持部材73によって変形しないように拘束されているので、内外の圧力差があっても変形を抑制することができる。なお、必要によって引き続き従来のベーキングを実施してもよい。
熱処理工程を最後にまとめたので、電解研磨工程を1度で済ますことができる。
このように、電解研磨工程および熱処理工程を1工程で行うようにしたので、作業工程数を少なくすることができる。これにより、段取り変えが少なくなるので、表面処理の作業時間を短縮でき、作業コストを低減できる。
また、段取り変えが少なくなると、作業中に異物が混入する恐れが少なくなるので、洗浄効果を向上することができる。
本実施形態の熱処理装置71では、加速空洞1の外側空間は大気圧とされているが、これに限定されるものではない。
たとえば、図5に示されるように、真空炉91の内部にヒータ77等を設置し、真空炉91の内部を真空吸引部材75と同様な構成とされる第二の真空吸引部材93によって真空吸引するようにしてもよい。
このようにすると、ヒータ77が真空雰囲気で用いられるので、ヒータ77による高温が容易に得られる。また、加速空洞1の内外圧力差が小さくなるので、一層容易に加速空洞1の変形を防止できる。
なお、本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形を行ってもよい。
1 加速空洞

Claims (5)

  1. 超伝導材料によって環状に形成された超伝導加速空洞の内表面を表面処理する超伝導加速空洞の表面処理方法であって、
    予め周波数調整された超伝導加速空洞の内面を電解研磨によって研磨処理する電解研磨工程と、
    該電解研磨工程で研磨処理された前記超伝導加速空洞の内表面を洗浄する洗浄工程と、
    該洗浄工程で洗浄された前記超伝導加速空洞を変形しないように拘束して密閉された内部空間を真空吸引しつつ高温で熱処理する熱処理工程と、
    を備えていることを特徴とする超伝導加速空洞の表面処理方法。
  2. 前記洗浄工程は、前記超伝導加速空洞の密閉した内部空間に洗浄液を充填し、該内部空間に配置された振動子による超音波振動による超音波洗浄を行うことを特徴とする請求項1に記載の超伝導加速空洞の表面処理方法。
  3. 前記電解研磨工程あるいは前記洗浄工程では、前記超伝導加速空洞自体を振動させていることを特徴とする請求項1または2に記載の超伝導加速空洞の表面処理方法。
  4. 前記洗浄工程は少なくとも、洗浄液として過酸化水素水、オゾン水、エタノールおよび中性洗剤液のいずれかで洗浄した後、洗浄液を超純水に切替えて洗浄することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の超伝導加速空洞の表面処理方法。
  5. 前記洗浄工程では、前記振動子の振動数が0.5MHz〜3MHzに切換えられるようにされていることを特徴とする請求項4に記載の超伝導加速空洞の表面処理方法。
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