JP3716107B2 - 超伝導加速器および超伝導加速器の製造方法 - Google Patents

超伝導加速器および超伝導加速器の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷電粒子をほぼ光速に加速させるための荷電粒子加速装置の一部を形成する超伝導加速器及びその超伝導加速器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の超伝導加速器とその製造方法について、図8ないし図10に従って説明する。
ニオブ、ニオブ三錫等の超伝導材料で形成され、軸方向断面形状が波形で径方向断面が環状の加速空洞1が、ステンレス等の材料で形成された径方向断面が環状の冷媒槽2内に間隔を保って配置され、加速空洞1と冷媒槽2との間に冷媒空間3を形成している。また加速空洞1と冷媒槽2との端部どうしは、加速空洞1と同じ材料の部材と冷媒槽2と同じ材料の部材とを爆着あるいはろう付け等により予め接合した部材を間に介在させて溶接することによって互いに接合され、さらに両方の端部の夫々に、荷電粒子が入る入口管4と荷電粒子が出ていく出口管5とが取り付けられている。さらに入口管4には高周波電力を加速空洞1内に投入する高周波電力入力結合器6が取り付けられている。
【0003】
冷媒槽2は、連通管8を介して冷媒タンク7と連結されおり、冷媒槽2内の冷媒空間3は冷媒タンク7内部と連通している。冷媒槽2、冷媒タンク7等は、冷却管9、10が設けられた熱遮蔽板11、12で覆われている。以上の各機器は真空容器13内に配置されている。また冷媒タンク7には、先端に安全弁14を持つ安全装置15、冷媒を供給する冷媒供給管16、ガス状冷媒を排出するガス排出管17が、熱遮蔽板11、12と真空容器13とを貫通して取り付けられている。
【0004】
図示省略の真空装置により真空容器13内部を、10−5Torr程度に保持し、真空断熱により真空容器13外部の熱が冷媒槽2に伝わるのを防ぐ。さらに80°Kの窒素ガスが流通する冷却管10で冷却される熱遮蔽板12と4Kのヘリウムガスが流通する冷却管9で冷却される熱遮蔽板11により、真空容器13から冷媒槽2への輻射熱の伝達を防いで冷媒槽2の温度上昇を防止している。また、冷媒供給管16からは、圧力が10mTorr程度、温度が2Kの減圧ヘリウム液を冷媒タンク7内に供給し、冷媒タンク7から連通管8を介して冷媒空間3内に2Kの減圧ヘリウム液が流入するようになっていて、加速空洞1を極低温に冷却し、超伝導状態に保つ。
【0005】
高周波電力入力結合器6からは、数十〜数百KWの高周波電力を投入し、加速空洞1の内表面に正電極と負電極とができて加速電圧を発生させる。入口管4から入ってきた負電位の荷電粒子は、加速電圧により加速空洞1内でさらに加速され、出口管5から出ていく。荷電粒子が加速される際、荷電粒子の移動に伴って加速空洞1の内表面に表面電流が発生し、この表面電流によるジュール熱に起因する高周波損失が発生する。この高周波損失は、交流の超伝導体に原理的に発生するBCS抵抗、不純物や格子欠陥に起因する残留抵抗からなる表面抵抗の大きさに比例して大きくなる。この表面抵抗を抑えるために加速空洞1を冷却して超伝導状態に保持している。また、短い距離の加速空洞1内で荷電粒子を高エネルギにして加速させるために、加速空洞1内に大きな高周波電力を投入して、大きな加速電圧を発生させている。
【0006】
なお、冷媒槽2内の冷媒は加速空洞1を冷却しており、加速空洞1で発生した熱を吸収することとなり、冷媒の一部がガス化する。このガスは連通管8を通って冷媒タンク7に入り、冷媒タンク7の上部に溜まる。冷媒タンク7上部に溜まったヘリウムガスは、ガス排出管17により真空容器13外部に排出される。さらに冷媒タンク7内のガス圧が所定以上に高くなると、安全弁14が作動して冷媒タンク7内のガスを放出し、冷媒タンク7等の機器の破損を防いでいる。
【0007】
以上のような装置において、表面抵抗を小さく抑えるため、また加速電圧が高くなると材料中の電子が電界によって引きだされる放電現象、局部的な発熱による温度上昇によって超伝導材料の臨界温度を越えることによって起こるクエンチ現象の発生を抑えるために、加速空洞1の材料の不純物を取り除くと共に加速空洞1の内表面の付着物を取り除くために、電解研磨による表面処理を施し、脱ガスの為の熱処理、加速空洞1の内表面の高清浄度を保つために洗浄処理を行っていた。従来はこれらの処理を図9に示す工程で実施していた。
【0008】
図9において、スピニング加工等により加速空洞1を製造し、1回目の電解研磨を行う。この電解研磨は図10に示す方法で行っている。すなわち、加速空洞1を回転保持具21にセットし、加速空洞1の両端部には液体、気体等の流体の漏洩を防ぐキャップ22、23を取り付ける。キャップ22、23を貫通させて液体出口24を備えた管状の陰極25を加速空洞内に配置する。キャップ22にはガス排出管26が設けられ、キャップ23には電解液排出管27が設けられている。電解液排出管27は電解液のリザーバータンク28と連通し、リザーバータンク28は、さらに途中にポンプ29を備えた電解液供給管30を介して陰極25内部と連通している。
【0009】
回転保持具21には加速空洞1の外表面と接触する陽極端子31を持つ陽極32が設けられている。回転保持具21は、歯車33、回転軸34、モータ等の回転装置35により回転可能に構成されている。また、陰極25と陽極32とは、直流の電源36を介して結線され、電流が流れるように構成されている。
【0010】
リザーバータンク28内のフッ化水素、硫酸等の電解液をボンプ29により電解液供給管30を介して陰極25内に供給する。陰極25内に供給された電解液は、液体出口24から加速空洞1内に供給される。加速空洞1内に供給された電解液で所定レベル以上のものは、電解液排出管27を通ってリザーバータンク28内に戻される。所定量の電解液が加速空洞1内に溜まると、電源38から陽極32に電力が供給され、陽極端子31を介して加速空洞1を均等に正電圧に印加する。加速空洞1が正電圧に印加されると陰極25との間で電解液を通って電流が流れ、電解液の電気分解が起こる。この電気分解により加速空洞1の内面が研磨される。回転装置35、回転軸34、歯車33を作動させ、加速空洞1を回転させることにより、加速空洞1の内面全体に亘って研磨を施すことができる。なお、電気分解で発生したガスは加速空洞1の上部に溜まり、ガス排出管26を介して外部に排出される。
【0011】
以上の方法で1回目の研磨が終了すると、脱ガスのために10−6Torr程度の高真空中で加速空洞1を700°C〜1500°Cに上げ、性能劣化の原因となる水素を除去ための熱処理である真空アニールが行われる。真空アニール終了後、1回目と同様なやり方で2回目の電解研磨が行われる。2回目の電解研磨が終了すると、高圧の超純水を加速空洞1の内面に吹きつけてゴミ等の異物を除去する最終洗浄が行われ、その後加速空洞1と冷媒槽2との接合が行われる。加速空洞1と冷媒槽2とが接合された後これらを真空容器13内に配置して真空槽を組み立てる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来装置では、加速空洞1を電解研磨し、最終洗浄を行った後に加速空洞1と冷媒槽2とを接合しなければならない構造となっており、接合時に加速空洞1内に異物が入ったりして加速空洞1の性能を低下させる恐れが生じ、これを防ぐためには、清浄度の厳しい条件下での作業が必要となる等の課題があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記従来装置の課題を解決することを目的になされたものであり、ニオブ、ニオブ三錫等の超伝導材料により軸方向断面が波形状で径方向断面が環状に形成された加速空洞を径方向断面が環状の冷媒槽の内部に配置して加速空洞の外表面と冷媒槽の内表面との間に冷媒空間を形成し、加速空洞と冷媒槽との夫々の端部を互いに接合してなる超伝導加速器において、加速空洞の外表面と冷媒槽の内表面とを銅、又はアルミニウム製の電極で連結した超伝導加速器を提供するものである。
【0014】
また、本発明は、上記の超伝導加速器において、電極がバネ特性を有する形状とした超伝導加速器を、電極が加速空洞の補強機能を持つ形状のものである超伝導加速器を提供している。
さらに、本発明は、上記のいずれかの超伝導加速器において、冷媒槽の電極が連結している部分は銅、又はアルミニウムで形成した超伝導加速器を提供している。
【0015】
さらにまた、本発明は、加速空洞を径方向断面が環状の冷媒槽の内部に配置して加速空洞の外表面と冷媒槽の内表面との間に冷媒空間を形成し、加速空洞と冷媒槽との夫々の端部が互いに接合し、加速空洞の外表面と冷媒槽の内表面とを銅、又はアルミニウム製の電極で連結して加速空洞と冷媒槽とを一体化させた状態で電解研磨を行い、その後最終洗浄を行った後に真空槽を組み立てる超伝導加速器の製造方法提供し、また、この製造方法において、冷媒槽の外表面に陽極端子を接触させて電解研磨を行う超伝導加速器の製造方法、さらに、これら製造方法において、加速空洞と冷媒槽とを一体化させた状態で冷媒槽を連続あるいはバッチ式に回転させて電解研磨を行う超伝導加速器の製造方法を提供するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を、図1ないし図7に示す第1ないし第3の実施例に基づいて具体的に説明する。
まず、図1ないし図4に示す第1の実施例に沿って説明する。
なお、図1において、図8に示す従来装置と同じ機器については同一の符号を付けており、ここでは従来装置と同じ構成については説明を省略し、従来装置と異なる部分についてだけ説明する。
【0017】
加速空洞1の外表面の凹部どうしの間には、銅、アルミニウム等の電気抵抗の小さい材料からなる環状の電極部材18が接着されており、電極部材18には銅、アルミニウム等の電気抵抗の小さい材料からなるバネ形状の電極部材19の一端が、軸方向同一部分で120°の位相を保って取り付けられ、電極部材19の他端は冷媒槽2の内表面に接触している。その他の構成は従来の装置と同じである。なお、電極部材18は加速空洞1の外表面の凹部の全周に亘って設けずとも、少なくとも電極19が位置する部分だけに設けたものでもよく、その形状は板形状等どのようなものでもよい。また、電極部材19はバネ特性を備えた形状であれば、図に示す形状に限ることはなくどのような形状でもよい。さらに電極部材19の取付け位置は、120°の位相とすることなく適宜決めてもよい。
【0018】
加速空洞1と冷媒槽2との間に電極部材18、19を配置したことにより、図3に示すように、陽極端子31を電極部材19が位置する部分の冷媒槽2の外表面に接触させることで、電極部材18、19を介して加速空洞1に均一に電流を伝えることができるので、加速空洞1と冷媒槽2とを接合して一体化した後に、図10に基づいて説明した電解研磨と同様な2回目の電解研磨、即ち、次に説明する通りの電解研磨を施すことが可能となる。
【0019】
図3において、スピニング加工、プレス加工等によって成形された加速空洞1で1回目の電解研磨、真空アニール工程で処理されたものを冷媒槽2と接合して一体化し、一体化された冷媒槽2を回転保持具21にセットし、冷媒槽2の両端部には液体、気体等の流体の漏洩を防ぐキャップ22、23を取り付ける。キャップ22、23を貫通させて液体出口24を備えた管状の陰極25を加速空洞内に配置する。キャップ22にはガス排出管26が設けられ、キャップ23には電解液排出管27が設けられている。電解液排出管27は電解液のリザーバータンク28と連通し、リザーバータンク28は、さらに途中にポンプ29を備えた電解液供給管30を介して陰極25内部と連通している。
【0020】
回転保持具21には、冷媒槽2の電極部材19が位置する部分の外表面と接触する陽極端子31を持つ陽極32が設けられている。回転保持具21は、歯車33、回転軸34、モータ等の回転装置35により回転可能に構成されている。また、陰極25と陽極32とは、直流の電源36を介して結線され、電流が流れるように構成されている。
【0021】
リザーバータンク28内のフッ化水素、硫酸等の電解液をボンプ29により電解液供給管30を介して陰極25内に供給する。陰極25内に供給された電解液は、液体出口24から加速空洞1内に供給される。加速空洞1内に供給された電解液で所定レベル以上のものは、電解液排出管27を通ってリザーバータンク28内に戻される。所定量の電解液が加速空洞1内に溜まると、電源38から陽極32に電力が供給され、陽極端子31を介して冷媒槽2、電極部材18、19に伝わり、電極部材18から加速空洞1に伝わって加速空洞1を均等に正電圧に印加する。加速空洞1が正電圧に印加されると陰極25との間で電解液を通って電流が流れ、電解液の電気分解が起こる。この電気分解により加速空洞1の内面が研磨される。回転装置35、回転軸34、歯車33を作動させ、加速空洞1を回転させることにより、加速空洞1の内面全体に亘って研磨を施すことができる。なお、電気分解で発生したガスは加速空洞1の上部に溜まり、ガス排出管26を介して外部に排出される。
【0022】
2回目の電解研磨工程は、以上の説明の通り行うことができるので、超伝導加速器の製造方法を、図2に示すように、加速空洞の製造工程、1回目の電解研磨工程、真空アニール工程、加速空洞1と冷媒層2との接合による一体化工程、2回目の電解研磨工程、最終洗浄工程、真空槽組立て工程の順に行うことができ、加速空洞1と冷媒槽2との接合の際に加速空洞1内に異物が入ったとしても2回目の電解研磨工程、最終洗浄工程により、これら異物を除去することができるので、加速空洞1の性能を低下させる恐れがなく、清浄度の厳しい条件下での作業が緩和されるものである。
【0023】
次に図5、図6に示す第2の実施例に基づいて説明する。
図5、図6において、冷媒槽2に端板側のバネ形状の電極部材19に代えて、銅、アルミニウム等の電気抵抗の小さい材料で形成し、加速空洞1に発生する振動を冷媒槽2に伝えて冷媒槽2で振動を吸収することにより、加速空洞1を強固に保持する補強部材の機能を備えた形状の電極部材20を配置したものであり、その他の構成は第1の実施例と同様である。なお、本例では、補強部材の機能を備えた形状の電極部材20は一部としているが、バネ形状の電極部材19全てのものを補強部材の機能を備えた形状の電極部材20に代えてもよい。
【0024】
この第2の実施例のものも、第1の実施例と同様に加速空洞1と冷媒槽2とを一体化した後に2回目の電解研磨を施すことができるため、第1の実施例と同様に、加速空洞の製造工程、1回目の電解研磨工程、真空アニール工程、加速空洞1と冷媒層2との接合による一体化工程、2回目の電解研磨工程、最終洗浄工程、真空槽組立て工程の順に行うことができ、加速空洞1と冷媒槽2との接合の際に加速空洞1内に異物が入ったとしても2回目の電解研磨工程、最終洗浄工程により、これら異物を除去することができるので、加速空洞1の性能を低下させる恐れがなく、清浄度の厳しい条件下での作業が緩和されるという効果を奏するものである。さらに本例では、加速空洞1を高電界かつパルス運転(連続運転でなく、間引きした運転)で使用する場合、加速空洞1内に生じた電磁力が大きくなり、共振周波数が変化し、この共振周波数の変化で加速空洞1の効率が極度に低下するが、補強機能を持つ電極部材20により加速空洞1の剛性をあげてパルスの電磁力による加速空洞1の変形を防ぎ、加速空洞1の効率特性を高く維持することができる。
【0025】
さらに、図7に示す第3の実施例について説明する。
第3の実施例は、第1あるいは第2の実施例の冷媒槽2の電極部材19、20が接触する部分を切り欠いて、銅、アルミニウム等の電気抵抗の小さい材料の部材72を爆着あるいはろう付け等により取付けたものであり、その他は第1あるいは第2の実施例と同じ構成なので、詳細説明は省略する。
【0026】
この第3の実施例のものは、第1および第2の実施例と同様に加速空洞1と冷媒槽2とを一体化した後に2回目の電解研磨を施すことができるため、第1および第2の実施例と同様に、加速空洞の製造工程、1回目の電解研磨工程、真空アニール工程、加速空洞1と冷媒層2との接合による一体化工程、2回目の電解研磨工程、最終洗浄工程、真空槽組立て工程の順に行うことができ、加速空洞1と冷媒槽2との接合の際に加速空洞1内に異物が入ったとしても2回目の電解研磨工程、最終洗浄工程により、これら異物を除去することができるので、加速空洞1の性能を低下させる恐れがなく、清浄度の厳しい条件下での作業が緩和されるという効果を奏するものである。さらに本例では、電極部材19が接触する冷媒槽2の部分を電気抵抗の小さい材料の部材72としたことにより電極部材19へ流れる直流電流の電気容量を増加させることができ、そのため電解研磨の速度を速めることができて研磨時間の短縮を可能にするものである。
【0027】
以上本発明を実施例にもとづいて具体的に説明したが、本発明はこれらの実施例だけに限定されるものではなく、上記の課題を解決するための手段として記載した本発明の要旨を逸脱しない限りいかなる形態のものでもよい。
【0028】
【発明の効果】
上記の課題を解決するための手段に記載された要旨を備えた本発明によれば、加速空洞と冷媒槽との夫々の端部を互いに接合してなる超伝導加速器において、加速空洞の外表面と冷媒槽の内表面とを銅、又はアルミニウム製の電極で連結したことにより、加速空洞と冷媒槽とを一体化した後に電解研磨を施すことができるため、加速空洞と冷媒槽との接合の際に加速空洞内に異物が入ったとしても電解研磨工程により、これら異物を除去することができるので、加速空洞の性能を低下させる恐れがなく、清浄度の厳しい条件下での作業が緩和されるという効果を奏するものである。
【0029】
本発明は、電極がバネ特性を有する形状のものであるため、加速空洞と冷媒槽との接触が良好となり、冷媒槽から加速空洞へ電流を確実に流すができ、加速空洞と冷媒槽とを一体化した後に電解研磨を施すことができるため、加速空洞と冷媒槽との接合の際に加速空洞内に異物が入ったとしても電解研磨工程により、これら異物を除去することができ、加速空洞の性能を低下させる恐れがなく、清浄度の厳しい条件下での作業が緩和されるという効果を奏するものである。
【0030】
本発明は、電極が加速空洞の補強機能を持つ形状のものであるので、加速空洞と冷媒槽とを一体化した後に電解研磨を施すことができるため、加速空洞と冷媒槽との接合の際に加速空洞内に異物が入ったとしても電解研磨工程により、これら異物を除去することができるので、加速空洞の性能を低下させる恐れがなく、清浄度の厳しい条件下での作業が緩和されと共に、加速空洞を高電界かつパルス運転で使用する場合、加速空洞内に生じた電磁力が大きくなり、共振周波数が変化し、この共振周波数の変化で加速空洞の効率が極度に低下するが、補強機能を持つ電極により加速空洞の剛性をあげてパルスの電磁力による加速空洞の変形を防ぎ、加速空洞の効率特性を高く維持することができる。
【0031】
本発明は、冷媒槽の電極が連結している部分を銅、又はアルミニウムで形成したことにより加速空洞と冷媒槽とを一体化した後に電解研磨を施すことができるため、加速空洞と冷媒槽との接合の際に加速空洞内に異物が入ったとしても電解研磨工程により、これら異物を除去することができるので、加速空洞の性能を低下させる恐れがなく、清浄度の厳しい条件下での作業が緩和されるという効果の他に、電極へ流れる直流電流の電気容量を増加させることができ、そのため電解研磨の速度を速めることができて研磨時間の短縮を可能にするとの効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の形態を示す第1の実施例の正面断面図である。
【図2】図2は、本発明の超伝導加速器の製造方法の製造工程を示すフローチャート図である。
【図3】図3は、本発明の超伝導加速器の製造方法の電解研磨工程を示す図である。
【図4】図4は、図3中のA−A矢視図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態を示す第2の実施例の主要部正面断面図である。
【図6】図6は、図5中のB−B矢視図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態を示す第3の実施例であり図5中のC部の拡大図である。
【図8】図8は、従来装置の正面断面図である。
【図9】図9は、従来の超伝導加速器の製造方法の製造工程を示すフローチャート図である。
【図10】図10は、従来の超伝導加速器の製造方法の電解研磨工程を示す図である。
【符号の説明】
1:加速空洞
2:冷媒槽
3:冷媒空間
4:入口管
5:出口管
6:高周波電力入力結合器
7:冷媒タンク
8:連通管
9:10:冷却管
11:12:熱遮蔽板
13:真空容器
14:安全弁
15:安全装置
16:冷媒供給管
17:26:ガス排出管
18、19、20:電極部材
21:回転保持具
22、23:キャップ
24:液体出口
25:陰極
27:電解液排出管
28:リザーバータンク
29:ポンプ
30:電解液供給管
31:陽極端子
32:陽極
33:歯車
34:回転軸
35:回転装置
36:電源
72:部材

Claims (7)

  1. 超伝導材料により軸方向断面が波形状で径方向断面が環状に形成された加速空洞を径方向断面が環状の冷媒槽の内部に配置して前記加速空洞の外表面と前記冷媒槽の内表面との間に冷媒空間を形成し、前記加速空洞と冷媒槽との夫々の端部を互いに接合してなる超伝導加速器において、前記加速空洞の外表面と前記冷媒槽の内表面とを銅、又はアルミニウム製の電極で連結したことを特徴とする超伝導加速器。
  2. 前記電極がバネ特性を有する形状のものであることを特徴とする請求項1記載の超伝導加速器。
  3. 前記電極が前記加速空洞の補強機能を持つ形状のものであることを特徴とする請求項1記載の超伝導加速器。
  4. 前記冷媒槽の前記電極が連結している部分は銅、又はアルミニウムで形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3記載の超伝導加速器。
  5. 加速空洞を径方向断面が環状の冷媒槽の内部に配置して前記加速空洞の外表面と前記冷媒槽の内表面との間に冷媒空間を形成し、前記加速空洞と冷媒槽との夫々の端部が互いに接合し、前記加速空洞の外表面と前記冷媒槽の内表面とを銅、又はアルミニウム製の電極で連結して加速空洞と冷媒槽とを一体化させた状態で電解研磨を行い、その後最終洗浄を行った後に真空槽を組み立てることを特徴とする超伝導加速器の製造方法。
  6. 前記冷媒槽の外表面に陽極端子を接触させて前記電解研磨を行うことを特徴とする請求項5記載の超伝導加速器の製造方法。
  7. 前記加速空洞と冷媒槽とを一体化させた状態で前記冷媒槽を順次回転させて前記電研磨を行うことを特徴とする請求項5または請求項6記載の超伝導加速器の製造方法。
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