JP2000123998A - 超伝導加速器および超伝導加速器の製造方法 - Google Patents

超伝導加速器および超伝導加速器の製造方法

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JP2000123998A JP10291765A JP29176598A JP2000123998A JP 2000123998 A JP2000123998 A JP 2000123998A JP 10291765 A JP10291765 A JP 10291765A JP 29176598 A JP29176598 A JP 29176598A JP 2000123998 A JP2000123998 A JP 2000123998A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の装置は、電解研磨した後に加速空洞と
冷媒槽とを接合しなければならない構造であるため、接
合時に加速空洞内に異物が入ったりして加速空洞の性能
を低下させる恐れが生じていた。 【解決手段】 加速空洞を冷媒槽の内部に配置して加速
空洞の外表面と冷媒槽の内表面との間に冷媒空間を形成
し、加速空洞と冷媒槽との夫々の端部を互いに接合して
なる超伝導加速器において、加速空洞の外表面と冷媒槽
の内表面とを電気抵抗の小さい材料の電極で連結したこ
とにより、加速空洞と冷媒槽とを一体化した後に電解研
磨を施すことができるため、加速空洞と冷媒槽との接合
の際に加速空洞内に異物が入ったとしても電解研磨工程
により、これら異物を除去することができるので、加速
空洞の性能の低下を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、荷電粒子をほぼ光
速に加速させるための荷電粒子加速装置の一部を形成す
る超伝導加速器及びその超伝導加速器の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の超伝導加速器とその製造方法につ
いて、図8ないし図10に従って説明する。ニオブ、ニ
オブ三錫等の超伝導材料で形成され、軸方向断面形状が
波形で径方向断面が環状の加速空洞1が、ステンレス等
の材料で形成された径方向断面が環状の冷媒槽2内に間
隔を保って配置され、加速空洞1と冷媒槽2との間に冷
媒空間3を形成している。また加速空洞1と冷媒槽2と
の端部どうしは、加速空洞1と同じ材料の部材と冷媒槽
2と同じ材料の部材とを爆着あるいはろう付け等により
予め接合した部材を間に介在させて溶接することによっ
て互いに接合され、さらに両方の端部の夫々に、荷電粒
子が入る入口管4と荷電粒子が出ていく出口管5とが取
り付けられている。さらに入口管4には高周波電力を加
速空洞1内に投入する高周波電力入力結合器6が取り付
けられている。
【0003】冷媒槽2は、連通管8を介して冷媒タンク
7と連結されおり、冷媒槽2内の冷媒空間3は冷媒タン
ク7内部と連通している。冷媒槽2、冷媒タンク7等
は、冷却管9、10が設けられた熱遮蔽板11、12で
覆われている。以上の各機器は真空容器13内に配置さ
れている。また冷媒タンク7には、先端に安全弁14を
持つ安全装置15、冷媒を供給する冷媒供給管16、ガ
ス状冷媒を排出するガス排出管17が、熱遮蔽板11、
12と真空容器13とを貫通して取り付けられている。
【0004】図示省略の真空装置により真空容器13内
部を、10−5Torr程度に保持し、真空断熱により
真空容器13外部の熱が冷媒槽2に伝わるのを防ぐ。さ
らに80°Kの窒素ガスが流通する冷却管10で冷却さ
れる熱遮蔽板12と4Kのヘリウムガスが流通する冷却
管9で冷却される熱遮蔽板11により、真空容器13か
ら冷媒槽2への輻射熱の伝達を防いで冷媒槽2の温度上
昇を防止している。また、冷媒供給管16からは、圧力
が10mTorr程度、温度が2Kの減圧ヘリウム液を
冷媒タンク7内に供給し、冷媒タンク7から連通管8を
介して冷媒空間3内に2Kの減圧ヘリウム液が流入する
ようになっていて、加速空洞1を極低温に冷却し、超伝
導状態に保つ。
【0005】高周波電力入力結合器6からは、数十〜数
百KWの高周波電力を投入し、加速空洞1の内表面に正
電極と負電極とができて加速電圧を発生させる。入口管
4から入ってきた負電位の荷電粒子は、加速電圧により
加速空洞1内でさらに加速され、出口管5から出てい
く。荷電粒子が加速される際、荷電粒子の移動に伴って
加速空洞1の内表面に表面電流が発生し、この表面電流
によるジュール熱に起因する高周波損失が発生する。こ
の高周波損失は、交流の超伝導体に原理的に発生するB
CS抵抗、不純物や格子欠陥に起因する残留抵抗からな
る表面抵抗の大きさに比例して大きくなる。この表面抵
抗を抑えるために加速空洞1を冷却して超伝導状態に保
持している。また、短い距離の加速空洞1内で荷電粒子
を高エネルギにして加速させるために、加速空洞1内に
大きな高周波電力を投入して、大きな加速電圧を発生さ
せている。
【0006】なお、冷媒槽2内の冷媒は加速空洞1を冷
却しており、加速空洞1で発生した熱を吸収することと
なり、冷媒の一部がガス化する。このガスは連通管8を
通って冷媒タンク7に入り、冷媒タンク7の上部に溜ま
る。冷媒タンク7上部に溜まったヘリウムガスは、ガス
排出管17により真空容器13外部に排出される。さら
に冷媒タンク7内のガス圧が所定以上に高くなると、安
全弁14が作動して冷媒タンク7内のガスを放出し、冷
媒タンク7等の機器の破損を防いでいる。
【0007】以上のような装置において、表面抵抗を小
さく抑えるため、また加速電圧が高くなると材料中の電
子が電界によって引きだされる放電現象、局部的な発熱
による温度上昇によって超伝導材料の臨界温度を越える
ことによって起こるクエンチ現象の発生を抑えるため
に、加速空洞1の材料の不純物を取り除くと共に加速空
洞1の内表面の付着物を取り除くために、電解研磨によ
る表面処理を施し、脱ガスの為の熱処理、加速空洞1の
内表面の高清浄度を保つために洗浄処理を行っていた。
従来はこれらの処理を図9に示す工程で実施していた。
【0008】図9において、スピニング加工等により加
速空洞1を製造し、1回目の電解研磨を行う。この電解
研磨は図10に示す方法で行っている。すなわち、加速
空洞1を回転保持具21にセットし、加速空洞1の両端
部には液体、気体等の流体の漏洩を防ぐキャップ22、
23を取り付ける。キャップ22、23を貫通させて液
体出口24を備えた管状の陰極25を加速空洞内に配置
する。キャップ22にはガス排出管26が設けられ、キ
ャップ23には電解液排出管27が設けられている。電
解液排出管27は電解液のリザーバータンク28と連通
し、リザーバータンク28は、さらに途中にポンプ29
を備えた電解液供給管30を介して陰極25内部と連通
している。
【0009】回転保持具21には加速空洞1の外表面と
接触する陽極端子31を持つ陽極32が設けられてい
る。回転保持具21は、歯車33、回転軸34、モータ
等の回転装置35により回転可能に構成されている。ま
た、陰極25と陽極32とは、直流の電源36を介して
結線され、電流が流れるように構成されている。
【0010】リザーバータンク28内のフッ化水素、硫
酸等の電解液をボンプ29により電解液供給管30を介
して陰極25内に供給する。陰極25内に供給された電
解液は、液体出口24から加速空洞1内に供給される。
加速空洞1内に供給された電解液で所定レベル以上のも
のは、電解液排出管27を通ってリザーバータンク28
内に戻される。所定量の電解液が加速空洞1内に溜まる
と、電源38から陽極32に電力が供給され、陽極端子
31を介して加速空洞1を均等に正電圧に印加する。加
速空洞1が正電圧に印加されると陰極25との間で電解
液を通って電流が流れ、電解液の電気分解が起こる。こ
の電気分解により加速空洞1の内面が研磨される。回転
装置35、回転軸34、歯車33を作動させ、加速空洞
1を回転させることにより、加速空洞1の内面全体に亘
って研磨を施すことができる。なお、電気分解で発生し
たガスは加速空洞1の上部に溜まり、ガス排出管26を
介して外部に排出される。
【0011】以上の方法で1回目の研磨が終了すると、
脱ガスのために10−6Torr程度の高真空中で加速
空洞1を700°C〜1500°Cに上げ、性能劣化の
原因となる水素を除去ための熱処理である真空アニール
が行われる。真空アニール終了後、1回目と同様なやり
方で2回目の電解研磨が行われる。2回目の電解研磨が
終了すると、高圧の超純水を加速空洞1の内面に吹きつ
けてゴミ等の異物を除去する最終洗浄が行われ、その後
加速空洞1と冷媒槽2との接合が行われる。加速空洞1
と冷媒槽2とが接合された後これらを真空容器13内に
配置して真空槽を組み立てる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来装置で
は、加速空洞1を電解研磨し、最終洗浄を行った後に加
速空洞1と冷媒槽2とを接合しなければならない構造と
なっており、接合時に加速空洞1内に異物が入ったりし
て加速空洞1の性能を低下させる恐れが生じ、これを防
ぐためには、清浄度の厳しい条件下での作業が必要とな
る等の課題があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来装置
の課題を解決することを目的になされたものであり、ニ
オブ、ニオブ三錫等の超伝導材料により軸方向断面が波
形状で径方向断面が環状に形成された加速空洞を径方向
断面が環状の冷媒槽の内部に配置して加速空洞の外表面
と冷媒槽の内表面との間に冷媒空間を形成し、加速空洞
と冷媒槽との夫々の端部を互いに接合してなる超伝導加
速器において、加速空洞の外表面と冷媒槽の内表面とを
銅、アルミニウム等の電気抵抗の小さい材料の電極で連
結した超伝導加速器を提供するものである。
【0014】また、本発明は、上記の超伝導加速器にお
いて、電極がバネ特性を有する形状とした超伝導加速器
を、電極が加速空洞の補強機能を持つ形状のものである
超伝導加速器を提供している。さらに、本発明は、上記
のいずれかの超伝導加速器において、冷媒槽の電極が連
結している部分は銅、アルミニウム等の電気抵抗の小さ
い材料で形成した超伝導加速器を提供している。
【0015】さらにまた、本発明は、加速空洞を径方向
断面が環状の冷媒槽の内部に配置して加速空洞の外表面
と冷媒槽の内表面との間に冷媒空間を形成し、加速空洞
と冷媒槽との夫々の端部が互いに接合し、加速空洞の外
表面と冷媒槽の内表面とを電気抵抗の小さい材料の電極
で連結して加速空洞と冷媒槽とを一体化させた状態で電
解研磨を行い、その後最終洗浄を行った後に真空槽を組
み立てる超伝導加速器の製造方法提供し、また、この製
造方法において、冷媒槽の外表面に陽極端子を接触させ
て電解研磨を行う超伝導加速器の製造方法、さらに、こ
れら製造方法において、加速空洞と冷媒槽とを一体化さ
せた状態で冷媒槽を連続あるいはバッチ式に回転させて
電解研磨を行う超伝導加速器の製造方法を提供するもの
である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を、図1
ないし図7に示す第1ないし第3の実施例に基づいて具
体的に説明する。まず、図1ないし図4に示す第1の実
施例に沿って説明する。なお、図1において、図8に示
す従来装置と同じ機器については同一の符号を付けてお
り、ここでは従来装置と同じ構成については説明を省略
し、従来装置と異なる部分についてだけ説明する。
【0017】加速空洞1の外表面の凹部どうしの間に
は、銅、アルミニウム等の電気抵抗の小さい材料からな
る環状の電極部材18が接着されており、電極部材18
には銅、アルミニウム等の電気抵抗の小さい材料からな
るバネ形状の電極部材19の一端が、軸方向同一部分で
120°の位相を保って取り付けられ、電極部材19の
他端は冷媒槽2の内表面に接触している。その他の構成
は従来の装置と同じである。なお、電極部材18は加速
空洞1の外表面の凹部の全周に亘って設けずとも、少な
くとも電極19が位置する部分だけに設けたものでもよ
く、その形状は板形状等どのようなものでもよい。ま
た、電極部材19はバネ特性を備えた形状であれば、図
に示す形状に限ることはなくどのような形状でもよい。
さらに電極部材19の取付け位置は、120°の位相と
することなく適宜決めてもよい。
【0018】加速空洞1と冷媒槽2との間に電極部材1
8、19を配置したことにより、図3に示すように、陽
極端子31を電極部材19が位置する部分の冷媒槽2の
外表面に接触させることで、電極部材18、19を介し
て加速空洞1に均一に電流を伝えることができるので、
加速空洞1と冷媒槽2とを接合して一体化した後に、図
10に基づいて説明した電解研磨と同様な2回目の電解
研磨、即ち、次に説明する通りの電解研磨を施すことが
可能となる。
【0019】図3において、スピニング加工、プレス加
工等によって成形された加速空洞1で1回目の電解研
磨、真空アニール工程で処理されたものを冷媒槽2と接
合して一体化し、一体化された冷媒槽2を回転保持具2
1にセットし、冷媒槽2の両端部には液体、気体等の流
体の漏洩を防ぐキャップ22、23を取り付ける。キャ
ップ22、23を貫通させて液体出口24を備えた管状
の陰極25を加速空洞内に配置する。キャップ22には
ガス排出管26が設けられ、キャップ23には電解液排
出管27が設けられている。電解液排出管27は電解液
のリザーバータンク28と連通し、リザーバータンク2
8は、さらに途中にポンプ29を備えた電解液供給管3
0を介して陰極25内部と連通している。
【0020】回転保持具21には、冷媒槽2の電極部材
19が位置する部分の外表面と接触する陽極端子31を
持つ陽極32が設けられている。回転保持具21は、歯
車33、回転軸34、モータ等の回転装置35により回
転可能に構成されている。また、陰極25と陽極32と
は、直流の電源36を介して結線され、電流が流れるよ
うに構成されている。
【0021】リザーバータンク28内のフッ化水素、硫
酸等の電解液をボンプ29により電解液供給管30を介
して陰極25内に供給する。陰極25内に供給された電
解液は、液体出口24から加速空洞1内に供給される。
加速空洞1内に供給された電解液で所定レベル以上のも
のは、電解液排出管27を通ってリザーバータンク28
内に戻される。所定量の電解液が加速空洞1内に溜まる
と、電源38から陽極32に電力が供給され、陽極端子
31を介して冷媒槽2、電極部材18、19に伝わり、
電極部材18から加速空洞1に伝わって加速空洞1を均
等に正電圧に印加する。加速空洞1が正電圧に印加され
ると陰極25との間で電解液を通って電流が流れ、電解
液の電気分解が起こる。この電気分解により加速空洞1
の内面が研磨される。回転装置35、回転軸34、歯車
33を作動させ、加速空洞1を回転させることにより、
加速空洞1の内面全体に亘って研磨を施すことができ
る。なお、電気分解で発生したガスは加速空洞1の上部
に溜まり、ガス排出管26を介して外部に排出される。
【0022】2回目の電解研磨工程は、以上の説明の通
り行うことができるので、超伝導加速器の製造方法を、
図2に示すように、加速空洞の製造工程、1回目の電解
研磨工程、真空アニール工程、加速空洞1と冷媒層2と
の接合による一体化工程、2回目の電解研磨工程、最終
洗浄工程、真空槽組立て工程の順に行うことができ、加
速空洞1と冷媒槽2との接合の際に加速空洞1内に異物
が入ったとしても2回目の電解研磨工程、最終洗浄工程
により、これら異物を除去することができるので、加速
空洞1の性能を低下させる恐れがなく、清浄度の厳しい
条件下での作業が緩和されるものである。
【0023】次に図5、図6に示す第2の実施例に基づ
いて説明する。図5、図6において、冷媒槽2に端板側
のバネ形状の電極部材19に代えて、銅、アルミニウム
等の電気抵抗の小さい材料で形成し、加速空洞1に発生
する振動を冷媒槽2に伝えて冷媒槽2で振動を吸収する
ことにより、加速空洞1を強固に保持する補強部材の機
能を備えた形状の電極部材20を配置したものであり、
その他の構成は第1の実施例と同様である。なお、本例
では、補強部材の機能を備えた形状の電極部材20は一
部としているが、バネ形状の電極部材19全てのものを
補強部材の機能を備えた形状の電極部材20に代えても
よい。
【0024】この第2の実施例のものも、第1の実施例
と同様に加速空洞1と冷媒槽2とを一体化した後に2回
目の電解研磨を施すことができるため、第1の実施例と
同様に、加速空洞の製造工程、1回目の電解研磨工程、
真空アニール工程、加速空洞1と冷媒層2との接合によ
る一体化工程、2回目の電解研磨工程、最終洗浄工程、
真空槽組立て工程の順に行うことができ、加速空洞1と
冷媒槽2との接合の際に加速空洞1内に異物が入ったと
しても2回目の電解研磨工程、最終洗浄工程により、こ
れら異物を除去することができるので、加速空洞1の性
能を低下させる恐れがなく、清浄度の厳しい条件下での
作業が緩和されるという効果を奏するものである。さら
に本例では、加速空洞1を高電界かつパルス運転(連続
運転でなく、間引きした運転)で使用する場合、加速空
洞1内に生じた電磁力が大きくなり、共振周波数が変化
し、この共振周波数の変化で加速空洞1の効率が極度に
低下するが、補強機能を持つ電極部材20により加速空
洞1の剛性をあげてパルスの電磁力による加速空洞1の
変形を防ぎ、加速空洞1の効率特性を高く維持すること
ができる。
【0025】さらに、図7に示す第3の実施例について
説明する。第3の実施例は、第1あるいは第2の実施例
の冷媒槽2の電極部材19、20が接触する部分を切り
欠いて、銅、アルミニウム等の電気抵抗の小さい材料の
部材72を爆着あるいはろう付け等により取付けたもの
であり、その他は第1あるいは第2の実施例と同じ構成
なので、詳細説明は省略する。
【0026】この第3の実施例のものは、第1および第
2の実施例と同様に加速空洞1と冷媒槽2とを一体化し
た後に2回目の電解研磨を施すことができるため、第1
および第2の実施例と同様に、加速空洞の製造工程、1
回目の電解研磨工程、真空アニール工程、加速空洞1と
冷媒層2との接合による一体化工程、2回目の電解研磨
工程、最終洗浄工程、真空槽組立て工程の順に行うこと
ができ、加速空洞1と冷媒槽2との接合の際に加速空洞
1内に異物が入ったとしても2回目の電解研磨工程、最
終洗浄工程により、これら異物を除去することができる
ので、加速空洞1の性能を低下させる恐れがなく、清浄
度の厳しい条件下での作業が緩和されるという効果を奏
するものである。さらに本例では、電極部材19が接触
する冷媒槽2の部分を電気抵抗の小さい材料の部材72
としたことにより電極部材19へ流れる直流電流の電気
容量を増加させることができ、そのため電解研磨の速度
を速めることができて研磨時間の短縮を可能にするもの
である。
【0027】以上本発明を実施例にもとづいて具体的に
説明したが、本発明はこれらの実施例だけに限定される
ものではなく、上記の課題を解決するための手段として
記載した本発明の要旨を逸脱しない限りいかなる形態の
ものでもよい。
【0028】
【発明の効果】上記の課題を解決するための手段に記載
された要旨を備えた本発明によれば、加速空洞と冷媒槽
との夫々の端部を互いに接合してなる超伝導加速器にお
いて、加速空洞の外表面と冷媒槽の内表面とを電気抵抗
の小さい材料の電極で連結したことにより、加速空洞と
冷媒槽とを一体化した後に電解研磨を施すことができる
ため、加速空洞と冷媒槽との接合の際に加速空洞内に異
物が入ったとしても電解研磨工程により、これら異物を
除去することができるので、加速空洞の性能を低下させ
る恐れがなく、清浄度の厳しい条件下での作業が緩和さ
れるという効果を奏するものである。
【0029】本発明は、電極がバネ特性を有する形状の
ものであるため、加速空洞と冷媒槽との接触が良好とな
り、冷媒槽から加速空洞へ電流を確実に流すができ、加
速空洞と冷媒槽とを一体化した後に電解研磨を施すこと
ができるため、加速空洞と冷媒槽との接合の際に加速空
洞内に異物が入ったとしても電解研磨工程により、これ
ら異物を除去することができ、加速空洞の性能を低下さ
せる恐れがなく、清浄度の厳しい条件下での作業が緩和
されるという効果を奏するものである。
【0030】本発明は、電極が加速空洞の補強機能を持
つ形状のものであるので、加速空洞と冷媒槽とを一体化
した後に電解研磨を施すことができるため、加速空洞と
冷媒槽との接合の際に加速空洞内に異物が入ったとして
も電解研磨工程により、これら異物を除去することがで
きるので、加速空洞の性能を低下させる恐れがなく、清
浄度の厳しい条件下での作業が緩和されと共に、加速空
洞を高電界かつパルス運転で使用する場合、加速空洞内
に生じた電磁力が大きくなり、共振周波数が変化し、こ
の共振周波数の変化で加速空洞の効率が極度に低下する
が、補強機能を持つ電極により加速空洞の剛性をあげて
パルスの電磁力による加速空洞の変形を防ぎ、加速空洞
の効率特性を高く維持することができる。
【0031】本発明は、冷媒槽の電極が連結している部
分を電気抵抗の小さい材料で形成したことにより加速空
洞と冷媒槽とを一体化した後に電解研磨を施すことがで
きるため、加速空洞と冷媒槽との接合の際に加速空洞内
に異物が入ったとしても電解研磨工程により、これら異
物を除去することができるので、加速空洞の性能を低下
させる恐れがなく、清浄度の厳しい条件下での作業が緩
和されるという効果の他に、電極へ流れる直流電流の電
気容量を増加させることができ、そのため電解研磨の速
度を速めることができて研磨時間の短縮を可能にすると
の効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の形態を示す第1の実施
例の正面断面図である。
【図2】図2は、本発明の超伝導加速器の製造方法の製
造工程を示すフローチャート図である。
【図3】図3は、本発明の超伝導加速器の製造方法の電
解研磨工程を示す図である。
【図4】図4は、図3中のA−A矢視図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態を示す第2の実施
例の主要部正面断面図である。
【図6】図6は、図5中のB−B矢視図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態を示す第3の実施
例であり図5中のC部の拡大図である。
【図8】図8は、従来装置の正面断面図である。
【図9】図9は、従来の超伝導加速器の製造方法の製造
工程を示すフローチャート図である。
【図10】図10は、従来の超伝導加速器の製造方法の
電解研磨工程を示す図である。
【符号の説明】
1:加速空洞 2:冷媒槽 3:冷媒空間 4:入口管 5:出口管 6:高周波電力入力結合器 7:冷媒タンク 8:連通管 9:10:冷却管 11:12:熱遮蔽板 13:真空容器 14:安全弁 15:安全装置 16:冷媒供給管 17:26:ガス排出管 18、19、20:電極部材 21:回転保持具 22、23:キャップ 24:液体出口 25:陰極 27:電解液排出管 28:リザーバータンク 29:ポンプ 30:電解液供給管 31:陽極端子 32:陽極 33:歯車 34:回転軸 35:回転装置 36:電源 72:部材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超伝導材料により軸方向断面が波形状で
    径方向断面が環状に形成された加速空洞を径方向断面が
    環状の冷媒槽の内部に配置して前記加速空洞の外表面と
    前記冷媒槽の内表面との間に冷媒空間を形成し、前記加
    速空洞と冷媒槽との夫々の端部を互いに接合してなる超
    伝導加速器において、前記加速空洞の外表面と前記冷媒
    槽の内表面とを電気抵抗の小さい材料の電極で連結した
    ことを特徴とする超伝導加速器。
  2. 【請求項2】 前記電極がバネ特性を有する形状のもの
    であることを特徴とする請求項1記載の超伝導加速器。
  3. 【請求項3】 前記電極が前記加速空洞の補強機能を持
    つ形状のものであることを特徴とする請求項1記載の超
    伝導加速器。
  4. 【請求項4】 前記冷媒槽の前記電極が連結している部
    分は電気抵抗の小さい材料で形成されていることを特徴
    とする請求項1ないし請求項3記載の超伝導加速器。
  5. 【請求項5】 加速空洞を径方向断面が環状の冷媒槽の
    内部に配置して前記加速空洞の外表面と前記冷媒槽の内
    表面との間に冷媒空間を形成し、前記加速空洞と冷媒槽
    との夫々の端部が互いに接合し、前記加速空洞の外表面
    と前記冷媒槽の内表面とを電気抵抗の小さい材料の電極
    で連結して加速空洞と冷媒槽とを一体化させた状態で電
    解研磨を行い、その後最終洗浄を行った後に真空槽を組
    み立てることを特徴とする超伝導加速器の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記冷媒槽の外表面に陽極端子を接触さ
    せて前記電解研磨を行うことを特徴とする請求項5記載
    の超伝導加速器の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記加速空洞と冷媒槽とを一体化させた
    状態で前記冷媒槽を順次回転させて前記電気研磨を行う
    ことを特徴とする請求項5または請求項6記載の超伝導
    加速器の製造方法。
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