JP2003027300A - 線材電解処理方法および線材電解処理装置 - Google Patents
線材電解処理方法および線材電解処理装置Info
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Abstract
除することができる線材電解処理方法および線材電解処
理装置を提供する。 【解決手段】 内側が電解処理液室となる複数のパイプ
状電極10と、電解処理液室内に電解処理液を供給する供
給機構と、電極内に線材を走行させる走行機構とを具え
る。各パイプ状電極間は絶縁体製のジョイント部20で連
結される。ジョイント部内には、隣接する電極間におけ
る電解処理液の流通を制限する絶縁体製の遮蔽板29が設
けられている。
Description
るいは電解研磨などの電解表面処理を施す線材電解処理
方法および線材電解処理装置に関するものである。
面処理を施す技術として、電解酸洗設備にパイプ式セル
を用いた特公平5-43795号公報や特開平2-47291号公報に
記載の発明がある。これらと類似の技術として、バイポ
ール現象を利用し、電解極性を途中で反転させるPR電解
法が知られている。
対のパイプ状電極10を絶縁性のジョイント部20を介して
直列に接続し、各電極にそれぞれ電源40の陽極・陰極を
接続した電解処理装置を用いる。パイプ状電極内には、
ポンプ61を介してタンク60から電解処理液が供給される
と共に線材100が軸方向に走行されて線材100の電解処理
が行われる。
術では次のような問題があった。
く、投入電流が電解処理に費やされる比が小さい。極性
変換部となるジョイント部では、陰極パイプ内の電解処
理液と、陽極パイプ内の電解処理液が分離されていない
ため、電解処理液を通じて電流が流れる(リーク電
流)。そのため、投入電流中の電解処理に費やされる比
が小さくなり、電流ロスが大きくなり無駄が多い。
るいは径の細い線をパイプに通すのが困難である。処理
能力の向上には、パイプ状電極は、より細く、より長い
ほど望ましいが、その中に軟質の線、または伸直性の悪
い(線癖の強い)線、あるいは細い径の線を通すことは
困難であり、導入棒等のジグを使用しなければならな
い。
できない。従来設備では、電極本数、電極長さを予め設
計した上で作製しているため、状況に応じて極性変換回
数の変更や、電極長比率の変更をすることはできない。
る。電解処理を線材全周に渡り均一に行なうには、パイ
プ状電極の中心に線材がある必要があるが、従来法で
は、線の振動、線の弛み、処理液の流動による移動等に
よりパイプ中心からずれてしまい、電極に近い側の処理
量が大きく反対側の処理量が小さくなり、周方向におい
て処理量が不均一になってしまう。また、ずれが大きい
と電極と線材が接触する恐れがある。パイプ長さが長く
なるほど処理が不均一や電極との接触の危険性が高くな
る。
理に寄与しないリーク電流を排除することができる線材
電解処理方法を提供することにある。
理に寄与しないリーク電流を排除することができる線材
電解処理装置を提供することにある。
れる各パイプ状電極の間に絶縁性の遮蔽板を用いること
で各パイプ状電極管内における電解処理液の流通を抑制
し、電解処理に寄与しないリーク電流を低減して上記の
目的を達成する。
異なるパイプ形状の電極を直列に並べ、その電極内に電
解処理液を供給すると共に線材を走行させて線材表面を
電解処理するPR電解法による線材電解処理方法であっ
て、前記電極間に電解処理液の流通を制限する絶縁体製
の遮蔽板を設置し、電極間のリーク電流を防止すること
を特徴とする。
電解処理液室となる複数のパイプ状電極と、電解処理液
室内に電解処理液を供給する供給機構と、電極内に線材
を走行させる走行機構と、パイプ状電極の両端と各電極
間に装着される絶縁体製のジョイント部と、ジョイント
部内に設けられて、隣接する電極間における電解処理液
の流通を制限する絶縁体製の遮蔽板とを具えることを特
徴とする。
流が短絡してリーク電流としてロスが大きくなることを
防止する。遮蔽板はリーク電流の導通を抑えるため、絶
縁体で形成する。また、ジョイント部も絶縁性とし、極
性変換部の電極間を絶縁して短絡を防ぐ。
つながるスリットを有することが望ましい。これによ
り、パイプ状電極の外部より線材を差し入れて電極内部
に配置させることができる。同様の目的で、パイプ状電
極およびジョイント部は、分割構造とすることも好適で
ある。
ことが好ましい。電極の長さが500mm以上になると、遮
蔽板の中心孔による線振れ防止効果が得られ難くなり、
処理不均一や電極との接触可能性が高くなる。また、50
0mm以上の長尺パイプでは、極性の順序、極性変換数、
有効電極長、各極性区画の電極長の切替効果が得られに
くくなるため。そして、パイプ長Lとパイプ内径dがL/d
<20となることが好適である。L/dが20以上になると、
僅かな線ぶれによる処理不均一の度合いが大きくなるか
らである。
挿通孔を形成し、挿通孔の面積A(mm 2)と線材径d(mm)を
(A/π)1/2−d/2≦5とすることが好ましい。「(A/π)1/2
−d/2」は挿通孔の内面と線材表面との平均間隔を示し
ており、これが5mmを超えると、線材の電極中心への拘
束力が弱く、線振れによる処理不均一の原因となる。
する。 (装置の全体構成)本発明の電解酸洗装置を図1に示
す。本発明装置は、ジョイント部20を介して直列に接続
される複数のパイプ状電極10を有する。各電極10には、
電力を供給する電源40が接続される。また、電極内に電
解処理液を供給する供給機構および電極内に線材を走行
させる走行機構を具える。電極に電力を供給し、かつ電
極内に電解処理液を供給しながら線材を走行させて電解
処理を行う。以下、この装置の構成を詳しく説明する。
に示すように、中空円筒状のパイプで、金属や黒鉛など
の導電性材料から構成される。バイポール現象を利用し
たPR電解法により電解酸洗を行うため、パイプ状電極は
2個以上並べて使用する必要がある。
外周から内周に連通するスリット11を設けた。このスリ
ット11を設けることで、線材を電極の端部からではなく
外周からはめ込むことができる。スリット11は必ずしも
電極の頭頂部に設ける必要はないが、全体にわたって直
線状になっていることが望ましい。
湧出があるので、必要に応じて図3に示すような封止機
構を設けることが好ましい。図3(A)は幅の狭いスリ
ット11を設け、そのスリット11に直線状の封止部材12を
はめ込んだ構成である。図3(B)は幅の広いスリット1
1を設けてほぼ電極の上部が開口した状態とし、そのス
リット11に適合する封止部材13をはめ込んだ構成であ
る。
を分割構造にしても良い。分割構造とした場合も、線材
のセット時には電極を分割することで容易に線材を電極
内に配置でき、処理時には電極をパイプ状に組み合わせ
て使用できる。ここでは、一対の樋状の分割片14を接合
してパイプ状に形成できる電極を示している。各分割片
14の材質は同一のものとし、接合部分が通電するよう十
分接触させる必要がある。
は線材径よりやや幅広い程度に抑えることが好ましい。
スリット幅を狭くすることで、電解処理は全周にわたっ
て均一に施すことができる。
に示すように、給電配線取付部15が設けられている。給
電配線取付部15は、電源40からの給電線を電極10に接続
する端子であり、種々の形態のものが利用できる。例え
ば、メスネジ形状、ボルト形状や、貫通孔つき突起形状
などが挙げられる。図1では隣接するパイプ状電極10に
交互に電源40の陽極・陰極が接続されるように構成して
いる。
る構造で、かつ各電極に給電配線取付部15を設けること
で、電極数の増減や電源からの配線切替により、極性順
序、極性変換数、有効電極長、各極性区画の電極長を簡
単に変更することができる。そのため、処理対象である
線材の特性に応じて最適となるような条件変更が容易に
行なえる。
プ状電極10の支持の他に、処理液の導入および排出、極
性変換部のリーク電流の遮蔽、被処理線材の中心位置へ
の保持と言った役割を有する。
ント部20は、ほぼ半円筒状の上部21と下部25とを接合し
て円筒状に形成される構成である。このジョイント部20
は絶縁体で形成され、極性変換部の電極間を絶縁して短
絡を防止する。
に並列された一対の半円板23と、半円板23の両側に形成
された内周突起24とを具える。半円板23は後述する遮蔽
板29を挟み、遮蔽板29に設けられた溝と半円板23との間
に線材の挿通孔を形成する。内周突起は、パイプ状電極
の端部の当り止めとなる。
を貫通する供給孔27および排出孔28と、半円筒面26にお
ける内側の中間部に形成された円盤状の遮蔽板29と、遮
蔽板の両端部に形成された内周突起30を具える。供給孔
27および排出孔28からは電解処理液の導入・排出が行わ
れる。遮蔽板29は、ジョイント部を介して連結された隣
接し合うパイプ状電極間を仕切り、これら電極間での処
理液の流通を制限する。この遮蔽板29には外縁からほぼ
中心部に至る半径方向の溝31が形成されている。
から取り外した状態とし、遮蔽板の溝31に線材をはめ込
む。その後、上部21を下部25に被せてほぼ円筒状に形成
する。その際、上部21の半円板23の間に遮蔽板29が挟み
込まれ、半円板23と遮蔽板29の溝端部との間で囲まれる
空間が線材走行用の挿通孔となる。本例の場合、溝端部
の円弧と半円板23の直線弦とで囲まれる形の挿通孔とな
る。挿通孔は円形状でなくても良いが、電極10と線材と
の間隔の均一性のため、円、正多角形、またはそれに準
ずる対称形状であることが望ましい。
ことは言うまでもない。挿通孔の面積を小さくすること
で、線の振動、線の弛み、液流によるパイプ状電極の半
径方向への線振れによる位置ずれを抑制できる。特に、
各パイプ状電極10が短いので線材が各ジョイント部20で
支持されることになり、線の弛みの発生を効果的に抑制
できる。その結果、常にパイプ状電極10の中心に線材を
位置することができ、線材周方向に処理の不均一が発生
しない。また、電極と線材の距離を小さくしながらも電
極と線材が接触することを防止でき、電解電流のロスを
小さくできる。
含む面での上下2分割である必要はなく、図5に示すよう
な一部開放型、蝶番型、回転封止型などであっても良
い。
体にし、上部の半円板部分32のみを取り外しできるよう
に構成したジョイント部である。線材セット時、半円板
部分32を取り外して線材を遮蔽板29の溝内にはめ込む。
介して半円状の蓋部34を設けたジョイント部である。線
材セット時、蓋部34を開放して線材を遮蔽板29の溝内に
はめ込む。
ットを有する円筒部35内に、固定遮蔽板29Aと回転遮蔽
板29Bの2つを設けた構成である。円筒部35内に固定さ
れた固定遮蔽板29Aには、円筒部35のスリットに位置合
わせした溝29A1が形成されている。一方、回転遮蔽板29
Bにも外縁から中心部に至る溝29B1が形成されている。
線材を挿入する際、まず回転遮蔽板29Bの溝29B1を固定
遮蔽板の溝29A1に合わせする。次に、円筒部35の外周か
ら線材を挿入し、各遮蔽板の溝29A1、29B1の端部にまで
線材を落とし込む。そして、回転遮蔽板29Bを回して線
材の挿通孔を形成し、円筒部35の中心に線材を位置決め
する。
を用いることで、各パイプ状電極毎に処理液を流動さ
せ、電極内のスラッジ蓄積を防止する。さらに、処理液
と線材とを効率よく接触させ、かつ液劣化を防止するこ
とができる。
極10の両端部には、端部押え50が装着される。この端部
押え50も前記ジョイント部とほぼ同様のものが利用でき
る。すなわち、ジョイント部20の一端側にのみパイプ状
電極10が差し込まれ、他端側にはパイプ状電極が配置さ
れていない状態とすれば良い。処理液の供給孔と排出孔
はいずれかが設けられていれば良い。
理液を貯留するタンク60と、処理液を循環するポンプ61
および処理液をジョイント部20に供給する配管63とを具
えている。処理液には処理対象や目的に応じて種々の電
解液が利用できる。例えば、酸洗処理では塩酸を用いる
ことができる。処理液の流動方向は、線材の進行方向に
対向させる方が、処理液と線材の接触効率が高まるの
で、より望ましい。
所定の速度で走行させるできるものであれば何でも良
い。例えば、供給リールより線材を引き出し、この線材
を電極内に通過させて、通過後の線材を巻き取る巻取り
リールを具えるものなどが挙げられる。
にて電解処理を行って表面を10μm除去するのに必要な
電極構成および投入電力について比較してみた。対象線
材:銅亜鉛合金線、線径0.86mm
1800mm、連結個数2個 極性配置:(+)→(−) 線材・電極距離:30mm ジョイント部:塩化ビニル製、遮蔽板なし
190mm、上部スリット幅5mm、連結個数8個 極性配置:(+)→(−)→(+)→(−)→(+)→(−)→(+)
→(−) 線材・電極距離:15mm ジョイント部:塩化ビニル製で、電極間隔60mm、遮蔽板
厚さ5mm、線材走行用挿通孔径φ3mm
の距離を小さくできる、極性変換部の極板間リーク電
流が極めて小さい、処理液と線材の接触に優れるとい
う効果により、装置長が短く高線速であっても、低い投
入電力で同等の効果を得ることができた。
量の不均一がみられ、極まれに線材と電極の接触により
処理電流が瞬間的に低下し、処理にムラができることが
あった。これに対して、本発明例においては周方向での
処理量不均一は発生せず、線材と電極が接触する現象も
発生しなかった。
劣化により100時間程度連続処理すると処理能力が低下
し、パイプ内清掃および電解処理液の更新が必要になっ
た。一方、本発明例では150時間連続処理しても処理能
力の低下は見られなかった。
び処理装置によれば次の効果を奏することができる。
イント内の遮蔽板により分離できるため、処理液を通じ
て電流が流れるリーク電流を極めて小さくでき、エネル
ギーロスが小さい効率的な電解処理ができる。
処理液の分解によるガス発生が抑制されるとともに、処
理液の過熱も少なく液劣化を抑制できる。
トを設け、ジョイントを上下分割とすることで、線材を
上部から落とし込むだけで線材を走行部にセットでき
る。その結果、従来のようにパイプ状電極の端部から線
材を差入れる必要がなく、細い線、柔らかい線、線癖の
悪い線であっても、簡単にセットすることができる。
面図、(B)は正面図である。
端面図、(B)は広いスリットを設けたパイプ状電極の
端面図、(C)は上下に分割するパイプ状電極の端面図
である。
縦断面図、(C)はジョイント部下部の端面図、(D)は
同縦断面図である。
(B)は蝶番型ジョイント部の端面図、(C)は回転封止
型ジョイント部の端面図、(D)は回転封止型ジョイン
ト部の縦断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 極性の異なるパイプ形状の電極を直列に
並べ、その電極内に電解処理液を供給すると共に線材を
走行させて線材表面を電解処理するPR電解法による線材
電解処理方法であって、 前記電極間に電解処理液の流通を制限する絶縁体製の遮
蔽板を設置し、電極間のリーク電流を防止することを特
徴とする線材電解処理方法。 - 【請求項2】 内側が電解処理液室となる複数のパイプ
状電極と、 電解処理液室内に電解処理液を供給する供給機構と、 電極内に線材を走行させる走行機構と、 各パイプ状電極間を連結する絶縁体製のジョイント部
と、 ジョイント部内に設けられて、隣接する電極間における
電解処理液の流通を制限する絶縁体製の遮蔽板とを具え
ることを特徴とする線材電解処理装置。 - 【請求項3】 パイプ状電極は、その外周から内周につ
ながるスリットを有することを特徴とする請求項2に記
載の線材電解処理装置。 - 【請求項4】 パイプ状電極またはジョイント部は、線
材を内部に挿入できるように分割自在であることを特徴
とする請求項2に記載の線材電解処理装置。 - 【請求項5】 各パイプ状電極の長さが500mm以下であ
り、パイプ長Lとパイプ内径dがL/d<20となることを特
徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の線材電解処理装
置。 - 【請求項6】 絶縁体製の遮蔽板の中心部に線材走行用
の挿通孔を有し、挿通孔の面積A(mm2)と線材径d(mm)
が、(A/π)1/2−d/2≦5となることを特徴とする請求項2
〜5のいずれかに記載の線材電解処理装置。
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