JP5490470B2 - ノズル洗浄装置 - Google Patents

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本発明は、体液の検査分析装置に設けられた金属製ノズルを洗浄するべく、当該検査分析装置に搭載されたノズル洗浄装置に関する。
検体検査装置やELISAを用いた自動分析装置などの医療用検査分析装置の中には、液体を吸引吐出するノズルがユニット化されて組み込まれていることが多い。このように液体の吸引吐出のために検査分析装置に組み込まれるノズルとしては、適宜、交換廃棄可能なディスポーザブル式ノズルのほかに、繰り返し使用される金属製ノズルもある。金属製ノズルを用いる場合は、使用するたびに、当該ノズルを洗浄することが必要となる。このように、使用のたびにノズル洗浄を行うことで、清潔な状態で液体の吸引吐出を行うことができる。
ただし、血液などの体液を吸引吐出する場合、金属製ノズルには、使用のたびに行う通常の洗浄では落ちない強固な汚れ(例えばタンパク質など)が、徐々に蓄積することが知られている。この強固な汚れを放置しておくと、場合によっては、検査分析結果に悪影響を与えることがある。
そこで、従来から、繰り返し使用する金属製ノズルを用いる場合には、定期的に、この強固な汚れを除去するための特別な洗浄操作を行っていた。具体的には、例えば、金属製ノズルを、定期的に、界面活性剤や強酸・強アルカリ等の強力な薬品に、一晩、漬け置き洗浄し、強固な汚れの除去を図っていた。
特開2002−173799号公報 特開2008−249443号公報
しかしながら、このような強力な薬品は、環境への負荷が大きく、また、取り扱いに慎重さが要求されるという問題があった。また、かかる強力な薬品は、濃度や浸漬時間によっては、金属製ノズルを傷めることがあり、金属製ノズルの寿命低下の原因の一つとなっていた。さらに、近年では、装置の有効利用のために24時間連続稼動させたいという要望があるが、定期的な漬け置き洗浄は、こうした連続稼動の妨げとなっていた。
以上のような事情から、金属製ノズルをより簡易に強力洗浄でき得る洗浄装置が望まれていた。なお、特許文献1には、ステンレス板を強力洗浄する技術が開示され、特許文献2には、分注プローブで次亜塩素酸、過酸化水素水、オゾン水等を吸引・吐出してプローブ表面の残留物を洗浄する技術が開示されているが、いずれの技術もそのままでは、金属製ノズルの内面には適用できなかったり、十分な効果が得られなかったりすることが予想される。
そこで、本発明では、金属製ノズルを、より簡易に強力洗浄でき得るノズル洗浄装置を提供することを目的とする。
本発明のノズル洗浄装置は、液体検体を検査または分析する検査分析装置に設けられた金属製ノズルを洗浄するべく、当該検査分析装置に搭載されたノズル洗浄装置であって、液体の吸引吐出に用いられる金属製ノズルを備えたノズルユニットと、少なくとも過酸化水素水溶液が貯留される処理槽と、洗浄実行時に、前記金属製ノズルを前記処理槽内に進入させて過酸化水素水溶液に浸すべく、前記ノズルユニットを前記処理槽に対して相対移動させる移動機構と、前記処理槽の底面から立脚し、前記ノズルユニットが前記処理層に対して相対移動することにより、前記処理槽内に進入した金属製ノズルの内部に位置する線状電極と、前記線状電極を介して過酸化水素水溶液に正電圧を、金属製ノズルに負電圧を印加する電源と、を備え、前記電圧印加時に生じる水酸化ラジカルにより金属製ノズルを洗浄する、ことを特徴とする。
好適な態様では、絶縁材料からなり、前記線状電極の長さ方向に間隔をあけて配置される1以上の導通ガードであって、それぞれが前記線状電極の外周囲を覆うことで前記線状電極と金属製ノズルとの電気的接触を防止する1以上の導通ガードを備える
他の好適な態様では、さらに、前記処理槽内に進入した金属製ノズルの先端周囲に設けられ、前記電源により電圧が印加される外側電極を備える。また、前記洗浄終了後に、前記処理槽内に過酸化水素水溶液に代えて電着液を貯留し、前記線状電極と金属製ノズルに電圧を印加することで、前記金属製ノズルに施された表面コーティングまたは親水性有機化合物の直接固定部分の補修生成を行ってもよい。
本発明によれば、水酸化ラジカル発生という電気化学反応により金属製ノズルを洗浄している。そのため、金属製ノズルをより簡易に強力洗浄できる。
本発明の実施形態であるノズル洗浄装置の概略構成図である。 ノズル洗浄装置の要部構成図である。 定期洗浄の流れを示すフローチャートである。 予備洗浄の流れを示すフローチャートである。 特殊洗浄の流れを示すフローチャートである。 電着処理の流れを示すフローチャートである。 他のノズル洗浄装置の概略構成図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態である洗浄装置10の概略構成図である。また、図2は、当該洗浄装置10の要部構成図である。
この洗浄装置10は、液体検体を吸引吐出する金属製ノズル20を備えた各種検査分析装置(例えば、液体検体を小分け分注する分注装置やELISAを用いた自動分析装置など)に搭載される装置である。本実施形態の洗浄装置10は、液体検体を吸引吐出する度に、金属製ノズル20を洗剤液で簡易的に洗浄する簡易洗浄を行う。簡易洗浄では、通常、金属製ノズル20の内面へ上方から洗剤液を流し込み、さらに、水ですすいで洗浄する。図1の処理装置10において、簡易洗浄のための洗浄機構をさらに設けるようにしてもよい。また、本実施形態の洗浄装置10は、簡易洗浄だけでは除去しきれない強固な汚れを除去するための特殊洗浄、および、汚れの付着を低減するための表面コーティングまたは親水性有機化合物の直接固定部分の補修処理である電着処理も定期的に行う。以下では、洗浄装置10のうち、この定期的に行われる特殊洗浄や電着処理に関与する構成を中心に説明する。なお、以下では、この定期的に行われる特殊洗浄および電着処理を含む一連の流れを「定期洗浄」と呼ぶ。
洗浄装置10は、ノズルユニット12、配管系14、処理槽16、タンクユニット18、電源ユニット19、および、これらの駆動を制御する制御部(図示せず)などを備えている。
ノズルユニット12は、金属製ノズル20および当該金属製ノズル20を移動させる駆動系をユニット化したもので、洗浄装置10の構成要素の一つであるとともに検査分析装置の構成要素の一つでもある。金属製ノズル20は、金属、例えばステンレスやチタンなどからなる管体で、配管36やバルブ32,34を介して、複数のポンプ24,26,30に連結されている。そして、この金属製ノズル20の内圧が、各種ポンプ24,26,30の駆動により可変調整されることにより、液体検体の吸引吐出が実行される。吸引吐出処理がなされた金属製ノズル20は、適宜、洗剤液を用いて簡易的に洗浄される。換言すれば、本実施形態の金属製ノズル20は、使用のたびに簡易洗浄され、繰り返し使用されるノン・ディスポーザブル式ノズルといえる。
ここで、血液などの体液を吸引吐出する金属製ノズル20の場合、繰り返し使用するにつれ、簡易洗浄だけでは除去しきれない強固な汚れ、例えば、タンパク汚れなどが付着残存することがある。かかる強固な汚れは、金属製ノズル20での吸引吐出量の誤差の原因になったり、また、吸引した液体検体の汚染の原因になったりする。こうした問題を避けるために、従来は、金属製ノズル20を強力な洗剤に長時間浸す漬け置き洗浄を定期的に行ったり、金属製ノズル20に汚れ付着を低減するための表面コーティングを施したりしていた。しかし、強力洗剤を用いての漬け置き洗浄は、時間や手間がかかり、また、環境や人体への悪影響を与える恐れがあり問題があった。また、表面コーティングは、繰り返しの使用や、漬け置き洗浄などにより徐々に剥離することが多く、金属製ノズル20を長期に渡って好適な状態に保つことは難しかった。
こうした問題を解決するために、本実施形態では、定期的に、この金属製ノズル20に対して特殊洗浄や電着処理を施す定期洗浄を実施している。後に詳説するように、特殊洗浄は、電気化学反応を利用して金属製ノズル20を効果的に洗浄する処理であり、電着処理は、金属製ノズル20の表面コーティングまたは親水性有機化合物の直接固定部分を補修・生成する処理である。この特殊洗浄等を実現するために、金属製ノズル20は、定電圧電源70に電気的に接続されており、適宜、負電圧が印加できるようになっている。
駆動系は、この金属製ノズル20を水平方向および垂直方向に移動するための機構である。この駆動系は、周知の公知技術を利用して構成することができるため、その具体的構成の図示は省略しているが、例えば、モータなどの駆動源や、リードスクリューやプーリなどの伝達機構などから構成できる。制御部は、検査分析処理や定期洗浄処理の進行状況に応じて、適宜、この駆動系を制御し、金属製ノズル20を所望の位置に移動させる。なお、定期洗浄時における金属製ノズル20の動きについては、後に詳説する。
配管系14は、複数のポンプ24,26,30や配管36等から構成されており、金属製ノズル20での流体の吸引吐出を実現させるものである。この配管系14には、三つのポンプ、すなわち、分注ポンプ24、加圧ポンプ26、還流用ポンプ30が設けられている。分注ポンプ24は、電磁弁32,34および配管36を介して金属製ノズル20に接続されたポンプで、金属製ノズル20で液体を吸引吐出する際に駆動される。加圧ポンプ26は、配管36や、空気溜め28、電磁弁32,34などを介して金属製ノズル20に接続されたポンプで、当該金属製ノズル20を乾燥させるために、当該金属製ノズル20にエアーを送る際に駆動される。還流用ポンプ30は、配管36および電磁弁34を介して金属製ノズル20に、また、配管36を介して処理槽16に接続されたポンプである。この還流用ポンプ30は、金属製ノズル20で、処理槽16から吸引した電着液などを再び、処理槽16に戻す還流動作時に駆動される。
処理槽16は、洗浄(簡易洗浄および特殊洗浄)や電着処理を行うための槽で、洗浄や電着処理の進行状況に応じて、適宜、洗浄液や電着液、すすぎ液などの処理液が供給される。この処理槽16は、少なくとも、特殊洗浄や電着処理に必要な量の処理液が貯留できる程度の大きさを有していればよい。ただし、後述するように、処理槽16からは、線状電極40が立脚している。この線状電極40と他部材との干渉を防止するために、処理槽16は、線状電極40の高さ程度の深さを有していることが望ましい。
処理槽16には、定期洗浄(すなわち特殊洗浄および電着処理)を実現するために、二種類の電極、すなわち、線状電極40と外側電極44とが設置されている。線状電極40は、白金などからなる線状の電極で、処理槽16の底面略中央位置から立脚している。この線状電極40は、定期洗浄の際、図2に図示するように、処理槽16内に進入(下降)してきた金属製ノズル20の内部に位置するようになっている。すなわち、定期洗浄の際、制御部は、金属製ノズル20を当該線状電極40の真上位置まで移動させた後に下降させ、金属製ノズル20の内部に、この線状電極40を位置させている。
この線状電極40は、定期洗浄時、換言すれば、金属製ノズル20の下降時において、その先端が、金属製ノズル20の最大液面レベル付近に到達し得る高さを有している。ここで、最大液面レベルとは、金属製ノズル20で吸引保持でき得る液体検体の最大量(以下「最大吸引量Mmax」という)を吸引した際の液面レベルをいう。換言すれば、線状電極40は、定期洗浄のために金属製ノズル20が下降してきた場合、少なくとも、金属製ノズル20が液体検体と接触し得る範囲に存在するようになっている。
線状電極40には、複数の導通ガード42が適度な間隔を空けて取り付けられている。各導通ガード42は、絶縁材料、例えば、フッ素樹脂や絶縁性ゴムなどから構成されており、線状電極40の一部外周囲を覆うべく、線状電極40に固着されている。この導通ガード42は、金属製ノズル20と線状電極40との接触、ひいては、電気的ショートを防止するために設けられている。したがって、この導通ガード42の設置間隔や個数は、金属製ノズル20および線状電極40の相対位置・姿勢関係が若干ずれたとしても、両者の接触が防止でき得るように調整されることが望ましい。
また、線状電極40のうち、その上端は、金属製ノズル20との接触が最も生じ易い部位である。したがって、この線状電極40の上端は、外部に露出しないように導通ガード42で完全に覆われている。また、線状電極40の上端を覆う導通ガード42は、下降してくる金属製ノズル先端と当接したとしても当該下降動作を阻害しないように、下側に近づくにつれて大径となる略円錐台形状となっている。
外側電極44は、白金などからなり、特殊洗浄のために処理槽16内に進入(下降)してきた金属製ノズル20の先端の周囲に配される環状の電極である。本実施形態では、この外側電極44を、処理槽16の内側面に固着している。ただし、金属製ノズル20の周囲に位置するのであれば、外側電極44は、金属製ノズル20と処理槽16の内側面との間に配置されてもよい。
この線状電極40および外側電極44は、切替スイッチ72を介して定電圧電源70に電気的に接続されている。そして、切替スイッチ72の切り替え状況に応じて、線状電極40または外側電極44に適宜、正電圧が印加できるようになっている。
タンクユニット18は、処理槽16に供給される処理液および処理槽16から排出される廃液を貯留する複数のタンク、および、配管系から構成される。より具体的には、タンクユニット18は、洗浄液を貯留する洗浄液タンク52、電着液を貯留する電着液タンク50、すすぎ液を貯留するすすぎ液タンク54、および、処理槽16から廃棄される廃液を貯留する廃液タンク56を備えている。洗浄液タンク52、電着液タンク50、すすぎ液タンク54は、切替バルブ58,60および配管66を介して処理槽16に接続されており、各タンク50,52,54に貯留された処理液は、液充填用ポンプ62の駆動に応じて、処理槽16に供給されるようになっている。また、廃液タンク56は、配管68を介して処理槽16に接続されており、排液用ポンプ64の駆動に応じて、処理槽16に供給された液体が当該廃液タンク56に排出されるようになっている。
ここで、各タンク50,52,54に貯留される処理液について簡単に説明する。洗浄液は、特殊洗浄の際に用いられる液体である。この洗浄液としては、過酸化水素水溶液、より望ましくは、過酸化水素水と塩化カリウムとの混合液が用いられる。
電着液は、後述する電着処理の際に用いられる液体である。この電着液は、通常の電着工程により塗膜を形成でき得るもの、例えば、金、白金、フッ素樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド等であれば特に限定されない。また、極性基を有する親水性有機化合物を溶解した溶液を電着液として用いることができる。親水性有機化合物としては、例えば、ポリエチレングリコ−ル、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリアクリル酸及びその塩、ポリエチレンイミン、カルボキシメチルセルロ−ス、メチルセルロースなどを挙げることができる。また、親水性有機化合物が有する極性基は、炭素原子と異なる電気陰性度を有する原子を含む基であり、例えば、アミノ基(−NH)、イミノ基(=NH)、アミド基〈−CONH)、イミド基(−CONHCO−)、エポキシ基、イソシアネート基(一NCO)、シアノ基(−CN)、ニトロ基(−NO)、メルカプト基(−SH)、チオ基(−S−)、ホスフィノ基(−PH)などを拳げることができる。親水性有機化合物は、これらの極性基の1種を有することができ、あるいは、2種以上を組み合わせて有することもできる。また、1種の極性基は、1個を有することができ、複数個を有することもできる。これらの極性基の中で、窒素又はリンを含む極性基を有する親水性有機化合物を好適に用いることができ、アミノ基、イミノ基、アミド基又はイミド基を有する親水性有機化合物を特に好適に用いることができる。より具体的には、電着液として、例えば、両末端にアミノ基を有するポリエチレングリコール、両末端にエポキシ基を有するポリエチレングリコールなどを挙げることができる。両末端にアミノ基を有するポリエチレングリコールは、例えば、ポリエチレングリコールと塩化アリルとの反応によりポリエチレングリコールジアリルエーテルとしたのち、二重結合にアンモニアを付加することにより、両末端にアミノプロピル基を有するポリエチレングリコールを製造することができる。両末端にエポキシ基を有するポリエチレングリコールは、例えば、ポリエチレングリコールとエピクロロヒドリンとの反応により両末端に2−ヒドロキシー3−クロロプロピル基を有するポリエチレングリコールとしたのち、脱塩化水素して閉環することにより、両末端にグリシジル基を有するポリエチレングリコールを製造することができる。
すすぎ液は、金属製ノズル20から洗浄液および電着液を除去する(すすぐ)ために用いられるほか、金属製ノズル20を使用するたびに実行される簡易洗浄のすすぎ液として用いられる液体である。このすすぎ液としては、例えば、水が用いられる。なお、使用された洗浄液や電着液、すすぎ液といった処理液は、最終的には、廃液タンクに排出され、混合される。したがって、各処理液は、この混合時に、有毒ガスなどが発生しない成分に調整されていることが望ましい。
電源ユニット19は、金属製ノズル20および二種類の電極に電圧を印加するための電気系ユニットであり、定電圧電源70や配線、切替スイッチ72などを有している。定電圧電源70は、特殊洗浄や電着処理の際に、金属製ノズル20および二種類の電極40,44に一定電圧を印加する電源である。この定電圧電源70の負端子は、配線を介して金属製ノズル20に電気的に接続されている。また、この定電圧電源70の正端子は、配線および切替スイッチ72を介して、線状電極40および外側電極44に電気的に接続されている。
なお、この電源ユニット19により、特殊洗浄時に印加される電圧値は、水酸化ラジカル(・OH)が発生し得る程度の値でよく、電着処理時に印加される電圧値は、電着反応が生じ得る程度の値でよい。換言すれば、特殊洗浄時と電着処理時とで印加される電圧値は異なっていてもよい。
次に、この洗浄装置10を用いての定期洗浄の流れについて図3〜図6を参照して説明する。図3は、定期洗浄の全体的な流れを示すフローチャートである。また、図4は予備洗浄の、図5は特殊洗浄の、図6は電着処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
定期洗浄は、予備洗浄(S10)、特殊洗浄(S12)、電着処理(S14)の三段階に大別される。予備洗浄は、特殊洗浄に先立って行われる予備的な洗浄で、水などを用いて行われる。特殊洗浄は、簡易洗浄では除去しきれない強固な汚れを除去するために、電気化学反応を利用して行う洗浄である。電着処理は、強固な汚れの付着、とくに、タンパク質の吸着などを低減するために金属製ノズル20に施される表面コーティングを補修・生成する処理である。この電着処理は、必ずしも実行する必要はないが、特殊洗浄のような強力洗浄で剥離した表面コーティングまたは親水性有機化合物の直接固定部分を補修するために、特殊洗浄の後に電着処理を行うことが望ましい。
次に、各処理の流れについて詳細に説明していく。図4に図示するように、予備洗浄を行う場合には、まず、処理槽16の真上位置に金属製ノズル20を移動させる(S16)。このとき、金属製ノズル20が、線状電極40の真上に位置するように位置制御する。続いて、金属製ノズル20を下降させ、金属製ノズル20を処理槽16内に進入させる(S18)。この下降により、金属製ノズル20の内部に線状電極40が、また、金属製ノズル20の外周囲に外側電極44が位置することになる。なお、このときの下降高さは、金属製ノズル20の下端から処理槽16底面までの距離Hが、導通ガード42の高さhに若干の余裕量α(例えば、5mm程度)を付加した程度になれば(H≒h+αになれば)よい。なお、本実施形態では、金属製ノズル20を移動させているが、当然ながら、金属製ノズル20ではなく処理槽16側を、あるいは、金属製ノズル20と処理槽16の両方を移動させるようにしてもよい。
金属製ノズル20が規定位置に到達すれば、制御部は、排液用ポンプ64を駆動開始させる(S20)。また、分注ポンプ24を駆動させ、金属製ノズル20の内部に残存している残液を吐出させる(S22)。金属製ノズル20から処理槽16に吐出された残液は、排液用ポンプ64の作用により、廃液タンク56へと排出される。金属製ノズル20の残液が排出できれば、排液用ポンプ64の駆動を停止する(S24)。
次に、制御部は、処理槽16とすすぎ液タンク54とが連通されるように切替バルブ58,60を切り替えるとともに、液充填用ポンプ62を駆動して、処理槽16にすすぎ液を充填させる(S26)。このすすぎ液の充填量は、最大吸引量Mmaxに若干の余裕量Mα1を付加した程度の量(=Mmax+Mα1)である。ここで、この余裕量Mα1は、特に限定されないが、当該余裕量Mα1を処理槽16に充填した際の液面が、ステップS18で下降完了した金属製ノズル20の下端に到達し得る程度の量以上であることが望ましい。
すすぎ液が充填されれば、続いて、分注ポンプ24を駆動して、当該すすぎ液を金属製ノズル20で吸引し、その後、吐出する(S28)。この吸引・吐出動作は、1回だけでもよいが、複数回繰り返し実行されることが望ましい。また、1回の吸引動作での吸引量は、最大吸引量Mmax以上であることが望ましい。この吸引吐出動作により、金属製ノズル20の内面がすすぎ液により洗浄されることになる。
規定回数の吸引吐出動作が終了すれば、排液用ポンプ64を駆動して、すすぎ液を廃液タンク56に排出する(S30)。また、加圧ポンプ26を駆動して、空気溜め28に溜めているエアーを金属製ノズル20に送り、金属製ノズル20の乾燥を図る(S32)。そして、一定時間の送風により乾燥が完了すれば、排液用ポンプ64の両方の駆動を停止する(S34)。そして、これにより予備洗浄が終了となる。
予備洗浄により大まかな汚れが除去されれば、続いて、特殊洗浄が実行される。この特殊洗浄は、金属製ノズル20の内側面に対して行われる洗浄(S40〜S48)と、金属製ノズル20の外側面に対して行われる洗浄(S50〜S56)と、に大別される。また、この特殊洗浄は、金属製ノズル20を処理槽16内に進入(下降)させた状態、換言すれば、金属製ノズル20の内部に線状電極40を位置させた状態で行われる。本実施形態では、予備洗浄が終わった時点で、金属製ノズル20の内部に線状電極40が位置している。したがって、特殊洗浄は、まず、処理槽16に洗浄液を充填することから始まる(S40)。すなわち、処理槽16と洗浄液タンク52とが連通されるように切替バルブ58,60を切り替えるとともに、液充填用ポンプ62を駆動して、処理槽16に洗浄液を送り込む。
ここで、洗浄液は、既述したとおり、過酸化水素水溶液、より望ましくは、過酸化水素水と塩化カリウムとの混合液である。この洗浄液の充填量は、最大吸引量Mmaxに若干の余裕量Mα2を付加した程度の量(=Mmax+Mα2)である。ここで、この余裕量Mα2は、特に限定されないが、当該余裕量Mα2を処理槽16に充填した際の液面が、ステップS18で下降完了した金属製ノズル20の下端に到達し得る程度の量以上であることが望ましい。
洗浄液が充填されれば、続いて、分注ポンプ24を駆動して、当該洗浄液を金属製ノズル20で吸引する(S42)。ここでの吸引量は、最大吸引量Mmax程度であることが望ましい。最大吸引量Mmaxを吸引することにより、金属製ノズル20の内側面のうち、液体検体に接触し得る範囲全てが洗浄液と接触することになる。
吸引が完了すれば、切替スイッチ72を線状電極40側に切り替えたうえで、定電圧電源70を駆動し、線状電極40および金属製ノズル20の間に電圧を印加する。このとき、過酸化水素水溶液である洗浄液は、金属製ノズル20の内側面に付着した強固な汚れ(タンパク汚れ)の内部にまで浸透していく。過酸化水素の分子量(34)は、小さく、水の分子量(18)に近いため、過酸化水素水溶液(洗浄液)は、水と同様に、たんぱく質汚れの内部にまで容易に浸透する。
一方、金属製ノズル20には、負電圧が印加されているため、金属製ノズル20の内側面の極近傍では、洗浄中の過酸化水素が金属製ノズル20からイオンを受け取り水酸化ラジカル(・OH)と水酸化アニオン(OH)が発生する。つまり、次の式1に示す反応が発生する。
+e→・HO+OH ・・・式1
このようにして発生した水酸化ラジカル(・OH)は、極めて化学的活性に富み高い酸化力を有しているため、たんぱく質汚れの有機物質を速やかに酸化分解する。つまり、水酸化ラジカル(・OH)のラジカル酸化反応によって、主に有機物質の水素原子の引き抜き反応に始まり、有機分子の分解を引き起こしてタンパク汚れを酸化分解する。そして、これにより、金属製ノズル20の内側面に付着した強固な汚れが確実かつ短時間に除去でき得る。
なお、既述したとおり、本実施形態では、ショート防止のために線状電極40に間隔をあけて複数の導通ガード42を設けている。この導通ガード42と同じ高さ位置では、既述の水酸化ラジカル(・OH)が発生しにくく、ひいては、汚れが十分に除去できない恐れがある。そこで、電圧印加後、一定時間(例えば3分など)が経過すれば、金属製ノズル20を、導通ガード42の高さh分程度、下降または上昇させることが望ましい。これにより、導通ガード42と金属製ノズル20との相対的な位置(高さ)関係が変更され、導通ガード42に起因する洗浄ムラが防止される。
電圧印加から規定時間、経過すれば、電圧印加を停止する。そして、分注ポンプ24を駆動して、金属製ノズル20の内部で吸引保持している洗浄液を、処理槽16へと吐出する(S46)。また、排液用ポンプ64を駆動して、処理槽16内の処理液を廃液タンクへと排出する(S48)。そして、処理液が完全に排出できれば、排液用ポンプ64の駆動を停止する(S50)。以上で、金属製ノズル20の内側面に対する特殊洗浄は終了となる。
金属製ノズル20の内側面に対する特殊洗浄が完了すれば、続いて、外側面に対しての特殊洗浄を開始する。すなわち、再び、処理槽16と洗浄液タンク52とが連通されるように切替バルブ58,60を切り替えるとともに、液充填用ポンプ62を駆動して、処理槽16に洗浄液を充填する。このときの洗浄液の充填量は、少なくとも、液面レベルが外側電極44の上端を越える程度、換言すれば、外側電極44が完全に洗浄液内に浸るとともに、ノズル先端のうち分注時に検体に接触する部分が浸る程度の量である。
洗浄液が充填できれば、切替スイッチ72を外側電極44側に切り替えたうえで、定電圧電源70を駆動し、外側電極44および金属製ノズル20の間に電圧を印加する。この場合、内側面に対して特殊洗浄した場合と同様に、金属製ノズル20の外側面の極近傍で、上記式1に示す反応が発生する。そして、発生した水酸化ラジカル(・OH)は、金属製ノズル20の外側面に付着したタンパク汚れなどを速やかに酸化分解する。そして、これにより、金属製ノズル20の外側面に付着した強固な汚れが確実かつ短時間に除去でき得る。なお、外側面の場合、液体検体と接触する範囲は、ノズル先端付近に、ほぼ限定される。したがって、外側面への特殊洗浄は、ノズル先端付近だけで十分であり、外側電極44は、ノズル先端付近にのみ配されていればよい。
電圧印加から規定時間、経過すれば、電圧印加を停止する。そして、再び、排液用ポンプ64を駆動して、処理液を廃液タンクに排出する(S56)。その後は、加圧ポンプ26を駆動して、金属製ノズル20にエアーを送り、乾燥させる(S58)。そして、処理液が完全に排出できれば、排液用ポンプ64の駆動を停止する(S60)。
次に、処理槽16がすすぎ液タンク54に連通するように切替バルブ58,60を駆動したうえで、液充填用ポンプ62を駆動して、処理槽16にすすぎ液を充填させる(S62)。そして、ステップS28〜S34(図4参照)と同様の手順で、金属製ノズル20の内外をすすぎ液で洗浄する(S64〜S69)。すすぎ液での洗浄により、洗浄液(過酸化水素水溶液)を完全に除去できれば、特殊洗浄は終了となる。
なお、ここで、この特殊洗浄で用いる洗浄液(過酸化水素水溶液)そのものは、人体や環境に対する影響が低い。したがって、廃液として廃棄したとしても環境への影響は少なく、また、作業者も安心して取り扱うことができる。さらに、この特殊洗浄は、電気化学反応を利用しており、従来の漬け置き洗浄に比して、作業時間を大幅に短縮できる。
特殊洗浄が終了すれば、続いて、電着処理を開始する。この電着処理は、汚れの付着を防止または低減するために金属製ノズル20に施された表面コーティングを補修・生成するための処理である。すなわち、特定の表面コーティングを施すことで、汚れの付着を効果的に低減できることは知られているが、こうした表面コーティングは、繰り返しの分注処理や特殊洗浄により剥離してしまい、その効果が低減する。そこで、本実施形態では、特殊洗浄を行った後、金属製ノズル20の内外に施された表面コーティングまたは親水性有機化合物の直接固定部分を補修・生成する電着処理を行っている。
この電着処理は、金属製ノズル20の内側面に対して行われる処理(S80〜S90)と、金属製ノズル20の外側面に対して行われる処理(S92〜S100)と、に大別される。また、この電着処理も、金属製ノズル20を処理槽16内に進入(下降)させた状態、換言すれば、金属製ノズル20の内部に線状電極40を位置させた状態で行われる。本実施形態では、特殊洗浄が終わった時点で、金属製ノズル20の内部に線状電極40が位置している。したがって、電着処理は、まず、処理槽16に電着液を充填することから始まる(S80)。すなわち、処理槽16と電着液タンク50とが連通されるように切替バルブ58,60を切り替えるとともに、液充填用ポンプ62を駆動して、処理槽16に電着液を送り込む。この電着液の充填量は、最大吸引量Mmaxに若干の余裕量Mα3を付加した程度の量(=Mmax+Mα3)である。ここで、この余裕量Mα3は、当該余裕量Mα3を処理槽16に充填した際の液面が、ステップS18で下降完了した金属製ノズル20の下端に到達し得る程度の量以上であることが望まれる。
電着液が充填されれば、続いて、還流用ポンプ30を駆動して、電着液を金属製ノズル20と処理槽16との間で還流させる(S82)。この還流により、電極表面から発生する泡が取り除かれ、電着液に含まれる塗膜成分または親水性有機化合物の偏在が防止され、より均一なコーティングまたは親水性有機化合物の直接固定化が可能となる。
この還流を継続した状態で、切替スイッチ72を線状電極40側に切り替えたうえで、定電圧電源70を駆動し、線状電極40および金属製ノズル20の間に電圧を印加する(S84)。この電圧印加に伴い、線状電極40と金属製ノズル20との間に直流電流が流れ、金属製ノズル20の内側面に塗膜が析出する。このときのコーティング塗膜厚は、電流値により調整される。電着液に極性基を有する親水性有機化合物が含まれている場合には、電圧印加による電気化学反応により当該化合物が金属製ノズル20内側面に直接固定される。親水性有機化合物による固定では、中間層を用いることなく当該化合物とノズルとの間に強い結合が形成される。この固定化は、電気伝導性を有するノズル表面にのみ行われるので、塗膜を積層するコーティングと比較して皮膜の厚さを薄くすることができる。なお、電着ムラを防止するために、特殊洗浄の場合と同様に、電圧印加後、一定時間(例えば3分など)が経過すれば、金属製ノズル20を、導通ガード42の高さh分程度、下降または上昇させることが望ましい。これにより、導通ガード42と金属製ノズル20との相対的な位置(高さ)関係が変更され、導通ガード42に起因する電着ムラが防止される。
電圧印加から規定時間、経過すれば、電圧印加を停止する。そして、排液用ポンプ64を駆動して、処理槽16内の電着液を廃液タンク56へと排出する(S86)。そして、電着液が完全に排出できれば、還流用ポンプ30および排液用ポンプ64の駆動を停止する(S88,S90)。以上で、金属製ノズル20の内側面に対する電着処理は終了となる。
金属製ノズル20の内側面に対する電着処理が完了すれば、続いて、外側面に対しての電着処理を開始する。すなわち、再び、処理槽16と電着液タンク50とが連通されるように切替バルブ58,60を切り替えるとともに、液充填用ポンプ62を駆動して、処理槽16に電着液を充填する(S92)。このときの電着液の充填量は、少なくとも、液面レベルが外側電極44の上端を越える程度、換言すれば、外側電極44が完全に電着液に浸るとともに、ノズル先端のうち分注時に検体と接触する部分が浸る程度の量である。
電着液が充填できれば、切替スイッチ72を外側電極44側に切り替えたうえで、定電圧電源70を駆動し、外側電極44および金属製ノズル20の間に電圧を印加する(S94)。この場合、内側面に対して電着処理した場合と同様に、金属製ノズル20の外側面に塗膜が析出または親水性有機化合物が直接固定化する。
電圧印加から規定時間、経過すれば、電圧印加を停止する。そして、再び、排液用ポンプ64を駆動して、電着液を廃液タンクに排出する(S96)。また、加圧ポンプ26を駆動して、金属製ノズル20にエアーを送り、乾燥させる(S98)。そして、電着液が完全に排出できれば、排液用ポンプ64の駆動を停止する(S100)。
次に、処理槽16がすすぎ液タンク54に連通するように切替バルブ58,60を駆動したうえで、液充填用ポンプ62を駆動して、処理槽16にすすぎ液を充填させる(S102)。そして、ステップS28〜S34(図4参照)と同様の手順で、金属製ノズル20の内外をすすぎ液で洗浄する(S104〜S110)。すすぎ液での洗浄により、電着液を完全に除去できれば、電着工程は終了、ひいては、定期洗浄全体が終了となる。この後は、金属製ノズル20を上昇させ、初期位置へと移動させればよい。
このように定期的に電着処理により表面コーティングまたは親水性有機化合物の直接固定化を施すことにより、金属製ノズル20へのタンパク汚れの付着を低減できる。その結果、長期に渡り金属製ノズル20を好適な状態に保つことができ、特殊洗浄のような特殊な洗浄処理の回数を低減できる。これは、検査分析装置の稼動時間増加、効率増加にも繋がる。さらに、定期的に表面コーティングまたは親水性有機化合物の直接固定部分を補修・生成することにより、ノズルの寿命を向上させることができる。
以上の説明から明らかなとおり、本実施形態では、電気化学反応を利用してタンパク汚れなどの強固な汚れを除去している。その結果、強力薬品を用いていた従来の洗浄技術に比して、洗浄時間を大幅に低減、ひいては、検査分析装置の稼動時間を大幅に増加させることができる。また、従来の洗浄技術に比して、ノズルや環境、人体に対して与える悪影響も大幅に低減できる。また、特殊洗浄の後に、電着処理により表面コーティングまたは親水性有機化合物の直接固定部分の補修・生成を行っているため、その後のタンパク汚れの付着も低減でき、ひいては、洗浄回数を低減できる。
なお、上記説明では、線状電極40と外側電極44の両方を設けているが、最も汚れが付着しやすい金属製ノズル20の内側面の特殊洗浄および電着処理に用いられる線状電極40だけであってもよい。また、電圧条件等が確定していない場合には、処理槽16内に、電極電位の測定時に電位の基準点を与える電極、いわゆる参照電極として機能する電極を設けるようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、線状電極40を処理槽16の底面から立脚させているが、処理槽16ではなくノズルユニット12に設けるようにしてよい。すなわち、図7に図示するように、ノズルユニット12の上側に、金属製ノズル20内で進退する線状電極40を設置するようにしてもよい。この場合、線状電極40は、例えば、モータ82やリードスクリュー84などからなる進退機構80により進退自在に保持されている。そして、定期洗浄を行っていない間、線状電極40は、その下端が金属製ノズル20の上端近傍になる位置まで退避する退避状態をとる。一方、定期洗浄を実行する場合には、線状電極40は、その下端が金属製ノズル20の下端近傍になる位置まで進出する進出状態をとる。このように、処理槽16ではなく、ノズルユニット12側に線状電極40を設けることで、金属製ノズル20と線状電極40との相対位置関係を維持することが容易となり、金属製ノズル20を処理槽16内に進入させる際の位置決め精度が比較的低めであっても問題ないことになる。そして、結果として、金属製ノズル20を、処理槽16内に進入させる際の移動速度を比較的高めに保つことができ、洗浄に要する時間をより短縮することができる。
なお、金属製ノズル20の上端面には、線状電極40の進退を許容するための通過孔を形成する必要がある。この通過孔を介して金属製ノズル20が外部空間と連通された場合、液体の吸引吐出を適切に行うことができない。そこで、ノズルユニット12側に線状電極40を設ける場合には、当該線状電極40に取り付けられた導通ガード42で通過孔をシールすることが望ましい。すなわち、導通ガード42を、絶縁性ゴムなどの弾性材料で構成するとともに、その径を通過孔の径とほぼ等しくしておく。そして、退避状態、および、進出状態のいずれの場合でも、一つの導通ガード42が通過孔内に位置し、通過孔の周縁に密着することが望ましい。
10 洗浄装置、12 ノズルユニット、14 配管系、16 処理槽、18 タンクユニット、19 電源ユニット、20 金属製ノズル、24 分注ポンプ、26 加圧ポンプ、30 還流用ポンプ、32,34 電磁弁、36,66,68 配管、40 線状電極、42 導通ガード、44 外側電極、50 電着液タンク、52 洗浄液タンク、54 すすぎ液タンク、56 廃液タンク、58,60 切替バルブ、62 液充填用ポンプ、64 排液用ポンプ、70 定電圧電源、72 切替スイッチ、80 進退機構、82 モータ、84 リードスクリュー。

Claims (4)

  1. 液体検体を検査または分析する検査分析装置に設けられた金属製ノズルを洗浄するべく、当該検査分析装置に搭載されたノズル洗浄装置であって、
    液体の吸引吐出に用いられる金属製ノズルを備えたノズルユニットと、
    少なくとも過酸化水素水溶液が貯留される処理槽と、
    洗浄実行時に、前記金属製ノズルを前記処理槽内に進入させて過酸化水素水溶液に浸すべく、前記ノズルユニットを前記処理槽に対して相対移動させる移動機構と、
    前記処理槽の底面から立脚し、前記ノズルユニットが前記処理層に対して相対移動することにより、前記処理槽内に進入した金属製ノズルの内部に位置する線状電極と、
    前記線状電極を介して過酸化水素水溶液に正電圧を、金属製ノズルに負電圧を印加する電源と、
    を備え、前記電圧印加時に生じる水酸化ラジカルにより金属製ノズルを洗浄する、
    ことを特徴とするノズル洗浄装置。
  2. 請求項1に記載のノズル洗浄装置であって、
    絶縁材料からなり、前記線状電極の長さ方向に間隔をあけて配置される1以上の導通ガードであって、それぞれが前記線状電極の外周囲を覆うことで前記線状電極と金属製ノズルとの電気的接触を防止する1以上の導通ガードを備える、ことを特徴とするノズル洗浄装置。
  3. 請求項1または2に記載のノズル洗浄装置であって、さらに、
    前記処理槽内に進入した金属製ノズルの先端周囲に設けられ、前記電源により電圧が印加される外側電極を備える、ことを特徴とするノズル洗浄装置。
  4. 請求項1からのいずれか1項に記載のノズル洗浄装置であって、さらに、
    前記洗浄終了後に、前記処理槽内に過酸化水素水溶液に代えて電着液を貯留し、前記線状電極と金属製ノズルに電圧を印加することで、前記金属製ノズルに施された表面コーティングまたは親水性有機化合物の直接固定部分の補修生成を行う、ことを特徴とするノズル洗浄装置。
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